JP4279047B2 - 空間光伝送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空間に放出された光によって信号を伝送する空間光伝送装置に関し、特に投光素子と受光素子の両方を備えて送受相互の信号を伝送する空間光伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の空間光伝送装置は、投光素子からの近赤外線の戻り光を受光するための自発光キャンセル用の受光素子と加算器とを設けて、受信信号から自発光による外乱成分を除去しながら、投光素子と受光素子の前方の近赤外線透過フィルタ内側の隔壁に対応した箇所に、断面半円状の溝を隔壁に沿って形成し、組み付けた状態で隔壁の先端部が半円断面状の溝に嵌入されて密着することで、良好なデータ伝送が得られるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来の他の空間光伝送装置は、投光素子と受光素子を接近配備して送受ユニットを一体化し、これを回転させる機構を備えることで、外部機器との光通信が可能な領域を確保している(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−168435号公報(第3−6頁、図3)
【特許文献2】
特開2000−201108号広報(第2−3頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載のような従来の空間光伝送装置では、近赤外線透過フィルタの厚みに応じて半円断面状の溝の深さが決まるため、フィルタの厚みが小さい場合は溝の深さも小さくなり、光の伝搬の抑制効果が低くなるという課題があった。特に、フィルタの溝と隔壁の先端部との密着面が投光素子および受光素子の指向性の強い前方側に位置しているため、小さな戻り光でも外乱成分となり、受光素子に到達しやすいという課題があった。
【0006】
また、受光素子以外に自発光キャンセル用の受光素子を新たに設け、第2の基板上に自発光キャンセル回路新たに設けなければならず、部品点数の増加による製造コストの増大や省スペース化が図れないという課題があった。
【0007】
また、上記特許文献2に記載のような従来の空間光伝送装置では、端末機器との位置関係に応じて送受ユニット全体を自由に回転できるようにすると、思わぬ誤操作によって配向状態が容易に変化してしまうという課題があった。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、自己の投光素子からの戻り光が外乱成分となって受光素子に侵入することを防止でき、かつ設置場所や端末機器との位置関係に応じて投光素子と受光素子の配向角を変更しても安定した送受信ができる空間光伝送装置を得ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の空間光伝送装置は、
投光素子および受光素子を配設した送受基板と、
少なくとも前記投光素子の発光する光および前記受光素子で受光される光の領域を透過する透光板と、
前記透光板の裏面に形成された突起部と、
前記透光板の裏面に密着して前記突起部に固定され、前記投光素子の発光領域の光を減衰させる遮光板と、
前記透光板が保持されるカバーと、
前記送受基板が保持されるシャーシと
を備え、
前記カバーを前記シャーシに取り付けることにより、前記遮光板が、前記投光素子と前記受光素子の間に配置され、前記遮光板の先端部が前記送受基板の表面に密着する
ことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1の空間光伝送装置の分解斜視図であり、図2および図3はその断面図である。この実施の形態1の空間光伝送装置は、シャーシ1と、送受基板2と、投光素子3と、受光素子4と、メイン基板7と、基板接続ケーブル8と、カバー9と、透光板10と、遮光板12とを備えている。
【0011】
図1において、シャーシ1は、壁面などに本装置全体を据え付けて固定するためのもので、送受基板2が特定の傾斜角で固定されている。この送受基板2には、赤外発光ダイオード等の近赤外線を発光する投光素子3と、フォトダイオード等の光を電圧に変換する受光素子4とが実装されている。また、シャーシ1には、メイン基板7も固定されている。このメイン基板7は、投光素子3に送信信号を出力する送信回路部(図示しないが、以下の説明において符号「5」を付す)と、受光素子4からの受信信号が入力される受信回路部(図示しないが、以下の説明において符号「6」を付す)とが実装されている。
【0012】
送受基板2とメイン基板7とは、基板接続ケーブル8で接続されている。また、メイン基板7には、外部のレコーダー101(図4参照)から映像信号を入力する映像入力信号ケーブル103、電源を供給するための電源供給ケーブル104、そしてレコーダー101を制御するための制御信号ケーブル105が接続されている。
【0013】
一方、この実施の形態1の空間光伝送装置の前面に取り付けられるカバー9には、正面下部から底面にかけての一角に開口部が形成されており、そこに近赤外線などの特定の波長の光のみを透過するアクリル樹脂などの素材で成型された透光板10が取り付けられている。
【0014】
そして、図2および図3に示すように、透光板10の裏側には、カバー9とシャーシ1を嵌合させた状態において投光素子3と受光素子4の間に位置する部分に突起部11が成型されている。この突起部11が投光素子3に向かい合う面には、特定の波長の光を遮光する遮光板12が両面粘着材13によって固定されている。
【0015】
また、カバー9にはカバー固定ネジ穴14が設けられており、カバー9をシャーシ1に嵌合させた状態でカバー固定ネジ15をカバー固定ネジ穴14に通し、シャーシ1側の4箇所に設けられたネジ取り付け部16に結合させて、カバー9がシャーシ1に取り付けられる。
【0016】
図4は本発明の実施の形態1の空間光伝送装置を用いて構成された伝送システムの斜視図である。この図4に示すシステムは、カメラユニット106で撮像された映像を記録するレコーダー101とこのレコーダー101を制御してその映像を監視する端末機器102との間の撮像映像信号や各種制御信号の遠隔的な送受信を、実施の形態1の空間光伝送装置100によって中継するする監視システムの例であり、空間光伝送装置100と端末機器102との間で、空間に放出された光によって信号の伝送がなされる。
【0017】
次に、この実施の形態1の空間光伝送装置100によって構成されるシステム全体の動作について、図4も用いて説明する。空間光伝送装置100が設置される部屋の天井111に設置された通電状態のレコーダー101には、同室内に別に設置されているカメラユニット106で撮像されたコンポジット映像信号がカメラ映像ケーブル107による接続で入力されており、撮影された画像の映像信号の記録および再生が可能な状態となっている。また、このレコーダー101から電源供給ケーブル104にてメイン基板7に電源が供給されており、送信回路部5、受信回路部6などの各部に配電されている。
【0018】
レコーダー101で記録後、再生された映像信号は、映像入力信号ケーブル103によってメイン基板7に入力され、送信回路部5に送られる。送信回路部5では、この入力映像信号をFM変調し、その変調信号を基板接続ケーブル8によって送受基板2の投光素子3へ供給し、近赤外線に変換されて空間に放射される。
【0019】
一方、投光素子3から放射された近赤外線は、システム操作者または端末機器保持台109への据え付けによって空間光伝送装置100の投光素子3と受光素子4に対向するように向けられた端末機器102の受光素子で受信され、電気信号に変換された後に映像信号に復調されてモニタ画面112上に映し出される。従って、その映像を端末機器102において操作者が確認することで、レコーダー101で再生または記録された映像の状態を把握できる。
【0020】
また、端末機器102に設けられた操作ボタン113からレコーダー101の操作コマンドを入力すると、コマンドデータが生成された後に振幅変調され、端末機器102の投光素子で近赤外線に変換されて空間に放射され、これを空間光伝送装置100の受光素子4が受光して電気信号に変換する。そして、この受信信号を基板接続ケーブル8によってメイン基板7に送り、受信回路部6にてコマンドデータが復元され、制御信号ケーブル105でレコーダー101に送られ、レコーダー101がコマンドを受け付けると動作が実行される。
【0021】
図5(a)は投光素子3および端末機器102の投光素子の光学特性図であり、図5(b)は受光素子4の光学特性図である。図5(a)中の201は投光素子3の放射強度特性を、204および205は端末機器102の投光素子の放射強度特性を、それぞれ示している。また、図6(a)は投光素子3の放射指向性を示す図であり、図6(b)は受光素子4の受光指向性を示す図である。また、図7は透光板10および遮光板12の光学特性図である。図7中の203は透光板10の光の透過率を示した透過率曲線を、図7中の206は遮光板12の透過率曲線を、それぞれ示している。
【0022】
次に、カバー9をシャーシ1上に取り付け状態での伝送動作について、図5〜図7を用いて光学的に説明する。投光素子3が発光する近赤外線は、図5(a)に示す波長f0をピークとする放射強度特性201を持っており、さらに図6(a)に示す投光指向曲線301に示すように放射中心軸方向で最大放射強度となる指向特性で放射される。そして、この投光素子3は、放射中心軸が送受基板2に対して垂直方向となるように実装されており、より強力な放射強度が得られるように複数個実装されている。
【0023】
また、投光素子3から放射される近赤外線を受光する端末機器102の受光素子には、フォトダイオード等の光−電圧変換素子を用い、波長f0で最大受光感度が得られる素子を選択して配設されている。
【0024】
一方、受光素子4は、図5(b)に示す受光感度曲線202のような波長f0を含む広範囲の波長で感度の高い受光特性を持った汎用的な受光素子である。このように、受光素子4で波長の異なる複数の近赤外線に対して感度良く受光できるようにすることで、投光側の素子の発光する近赤外線の波長に選択性を持たせている。
【0025】
例えば、端末機器102(図4参照)側の投光素子の発光波長が受光感度曲線202上の特定の受光感度以上となる範囲に含まれていれば、図5(a)に示す放射強度特性204のように波長f1に選択する場合と、図5(a)に示す放射強度特性205のように他の波長f2に選択する場合のいずれの場合にも、受光特性には大差が生じないため、放射強度と受光後の信号処理が同じであれば、異なる波長の近赤外線を発する複数の端末機器102からの操作を受け付けられることになる。
【0026】
なお、受光素子4の指向性は、図6(b)に示す受光指向曲線302のように受光中心軸方向で最大感度を持つが、端末機器102の操作位置に自由度が高くなるように相対感度の半値角が45°以上の広指向特性となっており、受光素子4は、この受光中心軸が送受基板2に対して垂直方向となるように実装されている。
【0027】
これに対して、透光板10は、図7に示す透過率曲線203のような特性を持っており、投光素子3から放射される波長f0にピーク波長を持った近赤外線や端末機器102の投光素子から放射される波長f1にピーク波長を持った近赤外線を透過し、これより波長の短い光、例えば可視光などは吸収して透過しない性質を持つ。このように、透光板10は、投光素子3から放射された近赤外線と、受光素子4の受光波長f1に合わせて設定された端末機器102の投光素子から放射される近赤外線との両方を、他の可視光などの外乱光線から分光して効率良く透過する性質を持つ。
【0028】
また、遮光板12は、図7に示す透過率曲線206のような特性を持っており、特定の波長領域の光について大きな減衰の得られる特性を持ったアクリル樹脂等の素材で成型されている。このように、遮光板12は、透光板10とは異なり、投光素子3が発する波長f0をピークとする近赤外線領域の光を減衰させて透過しない特性を持っている。
【0029】
この遮光板12は、図2および図3に示すように、透光板10側に面した部分が透光板10の裏面に密着するように、透光板10の裏面の形状に応じて成型されており、さらにその先端部が、カバー9をシャーシ1に取り付けた際に送受基板2に密着するように、送受基板2のシャーシ1への取り付け角度に応じた形状に成型されている。そして、この遮光板12を透光板10の裏面に密着させ、送受基板2側の先端が突起部11からせり出した状態となるように、突起部11の投光素子3に面する側(以下、投光室側とする)に両面粘着材13にて固定されている。
【0030】
そして、このように遮光板12が取り付けられた透光板10をカバー9の開口部に取り付け、さらにこのカバー9をシャーシ1上に取り付けることにより、メイン基板7と送受基板2が覆われるとともに、送受基板2上の投光素子3と受光素子4の間に突起部11に固定した遮光板12が挿入され、カバー9とシャーシ1をカバー固定ネジ15で固定させることにより、カバー9がシャーシ1に圧着されて、遮光板12の先端部が送受基板2に密着する。これにより、カバー9、透光板10、シャーシ1、および送受基板2によって構成された空間が、遮光板12によって、投光素子3の配設空間である投光室と、受光素子4の配設空間である受光室とに分離される。
【0031】
この状態で、投光素子3から放射された近赤外線は、透光板10の裏側から入射して反対側の表面より放射されるが、投光室内で反射した近赤外線は、遮光板12によって減衰し、突起部11の受光素子4に対面する側(以下、受光室側とする)への侵入が抑制される。
【0032】
以上のように実施の形態1によれば、透光板10の裏面の形状に合わせて成型された遮光板12を、透光板10と一体成型した突起部11の投光室側に、透光板10の裏面に密着するように固定しておくことで、受光室側への投光素子3から放射された近赤外線の侵入光を阻止することができる。
【0033】
なお、上記実施の形態1では、送信回路部5は周波数変調方式の信号を送信し、受信回路部6は振幅変調方式の信号を受信しているが、他の変調方式および復調方式であっても良い。この場合、双方を異なる変復調方式として透光板10よりも外部の空間伝送経路における送受信信号の干渉を軽減しておくことが望ましい。
【0034】
また、図8(a)に示すように、遮光板12の表面や送受基板2上の投光室内に面する部分には、近赤外線領域の光を吸収する近赤外線吸収部材17を塗布または貼り付けても良い。この場合、投光室内での不要な乱反射光や遮光板12に照射される近赤外線の強度を抑え、受光室側への近赤外線の侵入を抑制することができる。
【0035】
さらに、図8(b)に示すように、送受基板2において投光素子3と受光素子4の間に空孔18を設け、この空孔内に遮光板12の先端部を貫通させても良い。この場合、カバー9とシャーシ1の嵌合力のばらつきによる投光室から受光室への近赤外線の侵入を防止することができる。
【0036】
また、上記実施の形態1では、透光板10および遮光板12はともにアクリル樹脂素材にて成型しているが、所定の分光特性および遮光特性が満足できればガラス部材や金属部材などの異なる素材であっても良い。この場合、設置環境に応じて素材を選択することで耐候性の向上を図ることができる。
【0037】
また、上記実施の形態1では、突起部11への遮光板12の固定に両面粘着材13を用いているが、耐候性を持つ硬化型の接着剤を用いて固定されていても良い。この場合、時間経過に伴う固定力の低下を最小限に止めることができる。
【0038】
実施の形態2.
図9は本発明の実施の形態2の空間光伝送装置の断面図である。なお、図9に示す実施の形態2の空間光伝送装置が図1〜図3に示す上記実施の形態1の空間光伝送装置に対して主に異なる点は、遮光板12の形状、突起部11にガイドレール21を設けている点、および透光板10の裏面の形状であり、投光素子3、受光素子4、および透光板10の光学特性と端末機器102等の他の構成は上記実施の形態1と同じであるため、共通する部分には同じ符号を付してその説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0039】
図9において、透光板10の裏側に面した遮光板12の先端部には、投光室側にL字状に傾斜する傾斜部19が設けられ、透光板10の投光室側の裏面には、段差部20が形成されている。また、突起部11の投光室側には、ガイドレール21が形成されており、遮光板12は、傾斜部19の先端側からガイドレール21に沿って挿入され、突起部11と透光板10に沿って保持されている。
【0040】
遮光板12をガイドレール21に挿入する際に、傾斜部19が押し広げられた状態でガイドレール21内を進行し、傾斜部19がガイドレール21から突出した時点で、遮光板12自体の復元力によって元のL字状の傾斜状態に戻る。さらに挿入してゆくと、傾斜部19の先端が透光板10の裏面の段差部20に突き当たった状態で停止する。このとき、突起部11の先端から遮光板12の一部が突出した状態となっている。
【0041】
次に、カバー9をシャーシ1上に取り付けることにより、送受基板2の投光素子3と受光素子4との間に突起部11のガイドレール21に係止された遮光板12が挿入され、突起部11から突出した部分が送受基板2の表面に圧着されることにより、ガイドレール21に沿って遮光板12が透光板10の方向に移動し、傾斜部19の段差部20への密着度、つまり遮光板12の透光板10への密着度が増加する。
【0042】
遮光板12が透光板10と送受基板2の両方に圧着された状態になると、傾斜部19の屈折部分の角度が遮光板12自体の弾力性によって変形し、カバー9の押圧力のばらつきが吸収されて密着性が保たれる。そして、シャーシ1の4箇所のネジ取り付け部16にカバー固定ネジ穴14よりカバー固定ネジ15で固定することで、密着性がより強固なものとなる。
【0043】
以上のように実施の形態2によれば、遮光板12に傾斜部19を設け、カバー9とシャーシ1の嵌合時に遮光板12がガイドレール21に沿って透光板10側に押し出されるようにすることで、透光板10への遮光板12の密着度が向上し、投光室側から受光室側への近赤外線の侵入を効果的に防止し、安定した送受信を行うことができる。
【0044】
なお、上記実施の形態2において、遮光板12を一定の圧力で透光板10に押し当てた状態で、接着材などによって固定しても良い。この場合、傾斜部19が透光板10に密着するために充分な押圧を印加しておくことで、送受基板2と遮光板12の接触力が弱い場合でも透光板10裏面における遮光状態を保持させることができる。
【0045】
さらに、遮光板12の傾斜部19を透光板10側と送受基板2側の両方に設けても良い。この場合、透光板10と送受基板2の両方への押圧のばらつきが吸収され、さらに安定した遮光性が得られる。
【0046】
また、図10に示すように、遮光板12は突起部11の両面を囲むような形状であっても良い。この場合、突起部11全体が遮光板12で覆われることにより、突起部11内部に侵入し、受光室側に放射される近赤外線も同時に遮光でき、より一層近赤外線の遮光性を向上することができる。
【0047】
実施の形態3.
図11は本発明の実施の形態3の空間光伝送装置の断面図である。なお、図11に示す実施の形態3の空間光伝送装置が図1〜図3に示す上記実施の形態1の空間光伝送装置に対して主に異なる点は、透光板10および突起部11の光学的特性であり、投光素子3、受光素子4、および端末機器102等の他の構成は上記実施の形態1と同じであるため、共通する部分には同じ符号を付してその説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0048】
図11に示すように、カバー9をシャーシ1に嵌合させた状態において、突起部11の先端部は、送受基板2の表面に達するまでの突出量を持たせて形成されており、透光板10と突起部11の接合部から突起部全体にかけては、連続的に近赤外線の透過率を変化させた投光室側領域の透光板10a、受光室領域の透光板10b、および突起部領域の透光板10cの各部分が一体成型されている。
【0049】
図12は透光板10およびその突起部11の光学特性図である。図12(a)中の207は投光室側領域の透光板10aの光の透過率を示した透過率曲線を、208は受光室側領域の透光板10bの透過率曲線を、209は突起部11および突起部11との接合部領域の透光板10cの透過率曲線を、それぞれ示している。また、図12(b)は透光板10の正面方向から見た各領域の位置と特定波長の光に対する透過率の関係を示したものであり、図12(b)中の210は投光素子3が放射する波長f0の近赤外線に対する透過率曲線を、211は端末機器102側の投光素子から放射される波長f1の近赤外線に対する透過率曲線を、それぞれ示している。
【0050】
次に、カバー9をシャーシ1上に取り付けた状態における伝送動作について説明する。図12(a)に示す透過率曲線207の特性を有する投光室側領域の透光板10aでは、投光素子3から放射される波長f0の近赤外線が透過されるため、端末機器102(図4参照)側の受光素子として波長f0に高い受光感度を持つ素子を備えることにより効率良く受光される。
【0051】
投光素子3から放射される波長f0の近赤外線の内で、特に放射中心軸より外れた方向に放射されたものについては、投光室内の隔壁に反射し、様々な入射角を持って透光板10aに侵入し、透光板10aの表側の空間に透過されるが、その一部は透光板10aの内部を反射しながら伝搬する。
【0052】
この場合、受光室側領域の透光板10bの方向に進む赤外線は、図12(b)に示す透過率曲線210の特性のような透過率の変化によって、途中の突起部領域である透光板10cに近づくにつれて減衰し、最終的には遮蔽される。
【0053】
また、投光素子3から直接突起部11に入射した場合にも、反対側の受光室側の空間に透過されない状態となる。
【0054】
また、受光室側領域の透光板10bにおいては、波長f0の近赤外線に対して透過率が低くなっており、透光板10a側から放射された投光素子3からの波長f0の近赤外線が外界の物体に当たって反射し、透光板10bの正面から入射する場合であっても、受光室内の空間への透過が阻止される。
【0055】
一方、図12(a)に示す透過率曲線208の特性を有する受光室側領域の透光板10bでは、波長f1の近赤外線に対しては高い透過率となっており、端末装置102の投光素子から放射された近赤外線は、受光室内の受光素子4に到達することができる。
【0056】
受光素子4が波長f0およびf1の両方に対して受光可能な広い受光特性を持った場合でも、端末機器102側の投光素子が放射する赤外線の波長f1に合わせて受光室側領域の透光板10bの分光特性を選択し、カバー9への装着の組み合わせを変えるだけで、投光室側および外界からの波長f0の近赤外線は、図12(b)に示す透過率曲線210の特性のような透過率の変化によって受光素子4に到達しなくなる。
【0057】
逆に、端末機器102からの波長f1の近赤外線は、図12(b)に示す透過率曲線211の特性のような透過率の変化によって受光素子4に到達することができるため、その結果受光素子4の受光面における波長f0と波長f1の放射強度の相対比は大きくなり、波長f0の近赤外線による受光素子4の誤動作が抑制される。
【0058】
以上のように実施の形態3によれば、受光素子4自身が特定の受光特性を備えている場合であっても、透光板10の投光室側および受光室側さらにその間にある突起部領域に投光素子3と端末機器102の投光素子の発光波長に応じて異なった透過率を持たせて構成することにより、受光素子4自体の受光特性を補うことができ、端末機器102側投光素子と、投光素子3の2つの波長の組み合わせによる外乱光を減衰させて良好な受光が可能になる。
【0059】
さらに、透光板10が投光室領域10a、受光室領域10b、突起部領域10cの透過特性の異なる素材で一体成型されていることにより、透光板10の表面に段差や隙間が生じないので埃の侵入や蓄積による透光板10の光学的特性の劣化を防止できるとともに、カバー9への組み込み時の作業性を向上させることができる。
【0060】
実施の形態4.
図13は本発明の実施の形態4の空間光伝送装置の断面図である。なお、図13に示す実施の形態4の空間光伝送装置が図1〜図3に示す上記実施の形態1の空間光伝送装置に対して主に異なる点は、受光素子4の上に補助透光板22が設けられている点、透光板10の光学的特性であり、投光素子3、受光素子4、および端末機器102等の他の構成は上記実施の形態1と同じであるため、共通する部分には同じ符号を付してその説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0061】
図13において、アクリル樹脂などの素材を用いて成型された補助透光板22は、その先端部分に設けられた固定部23を送受基板2上の切り欠き部24にはめ込むことにより、固定部23の先端の返り部25が送受基板2に嵌合して係止され、受光素子4全体を送受基板2の表面まで覆うように配置されている。
【0062】
図14は透光板10および補助透光板22の光学特性図である。図14中の212は波長f0における透光板10の透過率曲線を、213は同じく波長f0における補助透光板22の透過率曲線を、それぞれ示している。
【0063】
まず、補助透光板22の送受基板2への取り付け状態について説明する。補助透光板22の送受基板2側の先端部分に設けられた固定部23は、補助透光板22の側面部分から内側方向に押力を加えることによって若干内側に変形し、押力を解除すると素材の弾性によって元の位置に復元する。この補助透光板22の固定部23に押力を加えた状態で、送受基板2の切り欠き部24に挿入し、その後押力を解除することによって送受基板2に係止され、かつ自由に着脱することが可能になっている。
【0064】
次に、カバー9をシャーシ1上に取り付けた状態における伝送動作について説明する。図14に示す透過率曲線212の特性を有する透光板10は、投光素子3から放射される波長f0の近赤外線および端末機器102の投光素子から放射される波長f1の近赤外線の両方の波長の光に対して透過率が高い。そのため、波長f0の近赤外線は、透光板10の投光室側裏面から表側に透過され、波長f0に対して高い受光感度を持つ端末機器102(図2参照)の受信部にて受信される。
【0065】
また、端末機器102の投光素子から放射される波長f1の近赤外線は、透光板10の表側より受光室内に透過されて補助透光板22の透光板10に面している表面に到達し、さらに補助透光板22内部に入射する。このとき、図14に示す透過率曲線213の特性を有する補助透光板22の分光特性により、波長f0付近の成分は、減衰して受光素子4に面している内側の表面に透過されないが、波長f1付近の成分は、透過して受光素子4に面している内側へと透過して、受光素子4の受光面に到達する。
【0066】
従って、受光素子4における波長f0の付近の近赤外線が端末機器102の投光素子から放出される波長f1の近赤外線の放射強度に比べて極めて小さくなり、その結果、受光素子4の受光面における波長f0と波長f1の放射強度の相対比が大きくなり、波長f0の近赤外線による受光素子4の誤動作が抑制される。
【0067】
また、透光板10から投光室内に入射して投光室内の内壁や送受基板2の表面に乱反射した近赤外線は、補助透光板22の側面側にも到達するが、補助透光板22が受光素子4全体を覆うように送受基板4に取り付けられているために、これらの方向から到達した近赤外線に対しても、波長f0付近の近赤外線は減衰し、波長f1付近の近赤外線は透過される。
【0068】
従って、受光素子4の受光中心軸から大きく外れた方向から受光面に到達する近赤外線の場合にも、波長f1付近の放射強度に比べて波長f0付近の放射強度が極めて小さくなる。
【0069】
なお、受光素子4自体の持つ波長f0に対する受光感度が波長f1に対して極めて小さい場合は、補助透光板22の上記取り付け構造により、補助透光板22を容易に取り外して対応することができる。
【0070】
以上のように実施の形態4によれば、投光室側と受光室側の両方に共通の分光特性を持つ素材で成型された透光板10を配置し、投光素子3および端末機器102側の投光素子の各素子が放射する近赤外線に高い受光感度を示す受光素子4を用いる場合であっても、端末機器102側の投光素子の波長に合致した分光特性を補助透光板22に持たせ、かつ送受基板2に着脱可能とすることで、透光板10および受光素子4の汎用性が向上することによる部品および製造時のコストの低減が図れる。
【0071】
また、固定部23と返り部25を送受基板2の切り欠き部24から取り外すことで、補助透光板22を脱着可能な構造としたため、端末機器102の投光素子の光学特性に合わせた補助透光板22の分光特性の選択が可能となり、より良好な受光特性を得るための微調整が容易に行える。
【0072】
なお、上記実施の形態4では、補助透光板22の固定部23を送受基板2上に係止させているが、固定部23を受光素子4の本体に係止させる構造であっても良い。この場合、補助透光板22の大きさを必要最小限にすることで材料の低コスト化を図れるだけでなく、送受基板2上の切り欠き部24が不要となるので、部品配置可能な面積を増やすことができ、基板上のスペースを有効に利用することができる。
【0073】
さらに、図15に示すように、補助透光板22と受光素子4の受光面の間において特定の電位となり、かつ受光面前方のみに開口部を設けた電磁遮蔽板26を配置しても良い。この場合、送受基板2の面積が小さく、投光素子3と受光素子4の配置が近くても、投光素子3から発生する高周波電磁ノイズによる受光素子4への影響を軽減できる。特に、受光素子4に電気的な信号増幅回路を内蔵した素子を使用する場合にも、高周波電磁ノイズの流入を防ぐことができるだけでなく、受光室内に侵入した波長f0の近赤外線が補助透光板22の透過率曲線213によって電磁遮蔽板26の表面に到達しないので、電磁遮蔽板26の表面で近赤外線が反射されることによる受光室内での乱反射光の発生を軽減でき、受光素子4の受光面で安定した受光が行える。
【0074】
また、上記実施の形態4の空間光伝送装置は、上記実施の形態1の空間光伝送装置に補助透光板22を設けたものであるが、上記実施の形態2の空間光伝送装置に補助透光板22を設けることも可能である。
【0075】
実施の形態5.
図16は本発明の実施の形態5の空間光伝送装置の断面図である。なお、図16に示す実施の形態5の空間光伝送装置が図1〜図3に示す上記実施の形態1の空間光伝送装置に対して主に異なる点は、透光板10裏面の突起部11および遮光板12の代わりに、近赤外線吸収部材17を配設した点、スペーサー27と成型遮光板28が送受基板2に備えられている点であり、投光素子3、受光素子4、および端末機器102等の他の構成は上記実施の形態1と同じであるため、共通する部分には同じ符号を付してその説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0076】
図16において、投光素子3および受光素子4は、近赤外線領域の波長の光に対して低い透過率の素材で成型されたスペーサー27を介して送受基板2に固定されている。スペーサー27の投光素子3と受光素子4との間には、成型遮光板28が一体成型されている。また、透光板10裏面の成型遮光板28に対向する部分には、近赤外線吸収部材17が成型遮光板28の先端面よりも広い面となるように貼り付けられている。
【0077】
次に、カバー9をシャーシ1上に取り付けた状態における伝送動作について説明する。図16に示すように、カバー9をシャーシ1に取り付けると、スペーサー27から突出した成型遮光板28の先端部と透光板10裏面に貼り付けられた近赤外線吸収部材17との間に間隙が生じる。この間隙の幅は、カバー9とシャーシ1との嵌合力のばらつきによって変化し得る状態となっている。
【0078】
投光素子3の放射中心軸から外れた方向に放射される波長f0の近赤外線は、受光室の内壁を反射しながら透光板10に入射し、透光板10の表側に透過され、外部の空間に放出されることで端末機器102(図4参照)で受信される。また、その一部は、透光板10裏面で反射して投光室内に戻る。その場合、投光室と受光室を分離している成型遮光板28に対向する部分では、透光板10の裏側に取り付けられた近赤外線吸収部材17に到達する反射光が吸収され、この間隙を通って受光室側に侵入する二次反射光が発生しなくなり、間隙付近での近赤外線が反射抑制される。
【0079】
以上のように実施の形態5によれば、投光室と受光室の間に配置した成型遮光板28と対向する透光板10の裏側に近赤外線吸収部材17を固定することで、カバー9とシャーシ1の嵌合状態やそのばらつきによって間隙の大きさが変化した場合でも、受光素子4の前方から到達する投光室側からの波長f0の近赤外線の侵入を抑制でき、端末機器102からの波長f1の近赤外線の受光性を向上させることができる。
【0080】
なお、近赤外線吸収部材17の投光室側および受光室側の両端の外周部は、図17(a)に示すように、投光素子3の放射指向性および受光素子4の受光指向性に応じて、抉り取られた形状とすることで、近赤外線吸収部材17による送信および受信の死角を最小限にすることができ、投光素子3から放射される近赤外線を効果的に吸収しつつ良好な送受信指向特性を得ることができる。なお、近赤外線吸収部材17の投光室側または受光室側のいずれかの外周部のみを抉り取られた形状とすることも可能である。
【0081】
また、近赤外線吸収部材17は、透光板10の裏側のみでなく、図17(b)に示すように、対向する成型遮光板28の先端面にも固定すると、成型遮光板28の先端面による二次反射がなくなり、各近赤外線吸収部材17で近赤外線の吸収が行われることによって、受光室側への波長f0の近赤外線の侵入を一層抑制することができる。
【0082】
さらに、成型遮光板28先端部に取り付ける近赤外線吸収部材17は、図17(c)に示すように、U字状にして、成型遮光板28の先端部分から側壁部分にかけて覆うように固定すると、成型遮光板28の投光室側の面での近赤外線の不要な乱反射成分を相対的に抑制できるとともに、成型遮光板28の厚さが薄い場合であっても近赤外線吸収部材17の保持の安定化と組立時の作業性の向上を図ることができる。
【0083】
実施の形態6.
図18は本発明の実施の形態6の空間光伝送装置の断面図である。なお、図18に示す実施の形態6の空間光伝送装置が図1〜図3に示す上記実施の形態1の空間光伝送装置に対して主に異なる点は、透光板10の構造、光誘導部材30を備えた点であり、投光素子3、受光素子4、および端末機器102等の他の構成は上記実施の形態1と同じであるため、共通する部分には同じ符号を付してその説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0084】
図18において、透光板10の受光室側には、受光素子4と対向する部分に受光窓29が設けられている。そして、この受光窓29内を貫通するように光誘導部材30が挿入され、光誘導部材30の側面部に設けられた位置決め部31が透光板10の裏面の光誘導部材固定部32に嵌合して固定されている。また、受光窓29を形成する透光板10の内壁に対向する部分を含む光誘導部材30の外周全体には、遮光部材33が塗布されている。
【0085】
光誘導部材30は、近赤外線領域の光に対して投光素子3が放射する波長f0付近の近赤外線領域のみを特に減衰させるアクリル樹脂等の素材で成型されている。そして、この光誘導部材30は、端末機器102(図4参照)の投光素子から放射された波長f1を中心とする近赤外線を含んで受光素子4が受信可能範囲の波長の近赤外線を透過する特性を持っている。この特性の例としては、上記実施の形態4の図14に示した補助透光板22の透過率曲線213と同様の光学特性を持ったものである。
【0086】
次に、光誘導部材30の形状と透光板10への取り付け状態について説明する。透光板10の裏側から受光窓29に光誘導部材30の一端を挿入し、外周部分に形成された位置決め部31が透光板10の裏面に当てられると同時に、光誘導部材固定部32が位置決め部31の裏側に入り込んで嵌合することで固定されている。また、光誘導部材30を透光板10の側より引き抜いて嵌合が解除されることにより、自由に取り外しが可能な状態となっている。
【0087】
光誘導部材30の受光窓29に挿入される側の端面は、透光板10の表面の形状と同じ平坦な形状となっている。また、反対側の面は、受光素子4の受光面よりも広い口径となっており、さらに凹面状に成型されている。
【0088】
次に、カバー9をシャーシ1上に取り付け状態での伝送動作について説明する。カバー9をシャーシ1に取り付けた後にカバー固定ネジ15で締め付けることにより、カバー9とシャーシ1の嵌合力が増し、光誘導部材30の凹面部の外周の先端部が送受基板2に密着して固定される。このとき、光誘導部材30の凹面部は受光素子4の受光面の真上(受光面に対向する位置)に配置され、受光素子4全体が光誘導部材30によって覆われた状態となっている。
【0089】
端末機器102側の投光素子から放射される波長f1の近赤外線を受光素子4の最大受光感度が得られる波長の範囲内に選択しておくと、この近赤外線が透光板10の受光窓29内の光誘導部材30の先端面に到達した際に、先端面付近での光誘導部材30の分光特性によって波長f1付近の近赤外線のみが透過され、その内部を反射しながら侵入して受光室内側先端部の凹面形状部まで到達し、受光素子4の受光面の真上から放射されて受光素子4に到達する。
【0090】
例えば、投光室内の投光素子3から放射されて外界の物体等に反射して戻って来た波長f0の近赤外線などの外乱光は、光誘導部材30内を伝搬する間に、その分光特性によって減衰し、受光素子4の受光面に到達した時点の光強度は端末機器102側から到達した波長f1の近赤外線に比べて極めて小さくなっている。
【0091】
また、透光板10が投光素子3および受光素子4に接近している場合には、投光素子3から放射された近赤外線の一部が透光板10の内部を伝搬し、受光室側の受光窓29の内面より放出される。そして、光誘導部材30と受光窓29の内面との間隙より受光室内側に侵入した近赤外線は、光誘導部材30表面の遮光部材33によって光誘導部材30内部への侵入が阻止され、また光誘導部材30が受光素子4全体を覆っているために受光室内での受光素子4への到達も阻止される。
【0092】
以上のように実施の形態6によれば、透光板10に設けた受光窓29の内側に特定の分光特性を持ち遮光部材33で包囲した光誘導部材30を固定するにより、受光素子4への投光素子3からの近赤外線の到達を防止して端末機器102からの近赤外線の受光精度を向上させるとともに、遮光板12による受光素子4の受光指向性への影響を軽減できるので、良好な受光特性が得られる。
【0093】
なお、図19(a)に示すように、光誘導部材30の受光窓29側の端面を透光板10表面よりも突出させて、透光板10表面から放射された投光素子3からの近赤外線が、光誘導部材30の透光板10側の先端部から侵入するのを抑制することも可能である。この場合には、遮光部材33を透光板10から突出した光誘導部材30の先端までも包囲して、投光素子3からの近赤外線の光誘導部材30側面への入射を防止することが望ましい。
【0094】
また、図19(b)に示すように、光誘導部材30の透光板10側の先端部に凹面形状部30aを形成して、端末機器102から到達する近赤外線の受光指向性を補っても良い。さらに、図19(c)に示すように、複数の凹面形状部30bを形成しても良く、端末機器102から到達する近赤外線の受光指向性を補うことができる。
【0095】
また、上記実施の形態6の空間光伝送装置は、上記実施の形態1の空間光伝送装置に光誘導部材30を設けたものであるが、上記実施の形態2の空間光伝送装置に光誘導部材30を設けることも可能である。
【0096】
実施の形態7.
上記実施の形態1では、シャーシ1の筐体自体に送受基板2を固定するため、投光素子および受光素子の配向角度が一定の角度に固定されているが、以下に説明する実施の形態7では、カバー9の選択に応じた投光素子と受光素子の配向角度に送受基板2の取り付け角度が調節されるものである。
【0097】
図20は本発明の実施の形態7の空間光伝送装置の分解斜視図であり、図21、図22はその断面図である。また、図23は本発明の実施の形態7の空間光伝送装置の設置例を示す図である。この実施の形態7の空間光伝送装置は、シャーシ1と、投光基板35と、受光基板36と、投光素子3と、受光素子4と、メイン基板7と、投光基板接続ケーブル37と、受光基板接続ケーブル38と、カバー9と、透光板10と、遮光板12と、回転軸39と、基板支持部40とを備えている。
【0098】
なお、図20〜図22に示す実施の形態7の空間光伝送装置が図1〜図3に示す上記実施の形態1の空間光伝送装置に対して主に異なる点は、送受基板2の代わりにこれを分割して投光基板35と受光基板36を設けた点、回転軸39による回転構造およびシャーシ1の構造、突起部11と遮光板12の形状であり、投光素子3、受光素子4、および透光板10の光学特性と端末機器102等の他の構成は上記実施の形態1と同じであるため、共通する部分には同じ符号を付してその説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0099】
図20または図21において、投光素子3を実装した投光基板35と受光素子4を実装した受光基板36は、ともに基板支持部40によって回転軸39に固定され、さらに回転軸39を中心に一定範囲内で回転するようにシャーシ1に設けられた軸受け部41に取り付けられている。
【0100】
また、シャーシ1上のメイン基板7と投光基板35および受光基板36とは、投光基板接続ケーブル37および受光基板接続ケーブル38によってそれぞれ接続され、投光基板35と受光基板36の両基板の間隔は、カバー9をシャーシ1に装着した際に遮光板12に対向する位置にあって、遮光板12の厚み以上の間隔で取り付けられている。
【0101】
また、突起部11の先端には、投光室側にせり出したストッパー部34が設けられ、突起部11の受光室側の側面には、遮光板12が両面粘着材13にて固定されている。
【0102】
図22に示すように、遮光板12には突起部11の先端部から回転軸39の直径よりも広い幅の軸溝42が設けられ、カバー9をシャーシ1に取り付ける際に回転軸39がこの軸溝42内を貫通しながら移動するような形状で開けられており、その先端部には面取り部43が形成されている。
【0103】
また、突起部11の先端の形状は、カバー9に応じて決められた角度で成型されている。例えば、この実施の形態7の空間光伝送装置の設置場所として、図23(a)に示すように壁面110に取り付けられる場合と、図23(b)に示すように室内の天井111に水平に下向きに取り付けられる場合のように、設置条件に応じて異なる形状のカバー9aおよび9bがあらかじめ用意される場合において、それぞれ異なった角度の先端部形状の突起部11が成型された透光板10aおよび10bが取り付けられている。
【0104】
次に、カバー9をシャーシ1に取り付ける際の動作について説明する。遮光板12の面取り部43を投光基板35と受光基板36の間に位置するようにカバー9をシャーシ1に取り付けると、遮光板12の軸溝42に沿って回転軸39が差し込まれる。このとき、突起部11先端にあるストッパー部34が受光基板36に接触しながら押し当てられるために、投光基板35と受光基板36が互いの位置関係を保持したまま回転軸39によって回転し、突起部11の先端形状に応じたストッパー部34の傾斜角で保持される。
【0105】
続いて、シャーシ1側面に設けられた4箇所のネジ取り付け部16にカバー固定ネジ15で固定することにより、カバー9のシャーシ1への圧着力が増し、ストッパー部34と投光基板35上への密着状態が保持され、遮光板12が投光基板35と受光基板36の間隙に完全に挿入された状態となる。
【0106】
例えば、図23(a)に示すようにシャーシ1が壁面110に取り付けられる場合には、壁面110への取り付けに適合するカバー9aを使用することにより、端末機器102のある正面下方向に投光素子3および受光素子4が配向されるように投光基板35と受光基板36が回転し、投光素子3および受光素子4の送受信中心軸401aが端末機器102の送受信部に配向され、送受信角402の範囲内での送受信が可能となる。
【0107】
また、図23(b)に示すように天井111に取り付けられる場合には、天井111への取り付けに適合するカバー9bを使用することにより、端末機器102のある真正面方向に投光素子3と受光素子4が配向され、送受信中心軸401bが端末機器102に配向され、カバー9aを使用した場合と同じ送受信角402の範囲内での送受信が行えるようになる。
【0108】
そして、図23(a)と図23(b)のいずれの場合にも、遮光板12が投光基板35と受光基板36の間に挿入されているために、各基板の配向角が変化しても、投光室側から受光室側への波長f0の近赤外線の侵入が阻止される。
【0109】
以上のように実施の形態7によれば、突起部11の先端を傾斜角を持たせた形状とし、遮光板12を投光基板35と受光基板36の間隙に挿入したまま傾斜角に応じて投光基板35と受光基板36を回転させることにより、受光素子4への投光素子3からの外乱光の侵入を防止しながら、カバー9の種類や端末機器102との位置関係に応じた投光素子3と受光素子4の配向角度が容易に調整することができるとともに、天井111や壁面110へのシャーシ1の設置時に行われる投光基板35と受光基板36の配向角度調整の作業性の向上が図れ、角度調整ミスを防止することができる。
【0110】
なお、上記実施の形態7において、突起部11のストッパー部34は、回転軸39からできるだけ離れた受光基板36の外周付近まで接触させることが望ましい。この場合、回転軸39を中心に投光基板35と受光基板36が回転する際に必要となる押圧が小さくなり、カバー9をシャーシ1に取り付ける時に加える圧力が軽減でき、作業性がさらに向上できる。
【0111】
また、ストッパー部34と受光基板36とを点接触に近い数箇所の小さな接触部分で接触させても良い。この場合、突起部11の先端と受光基板36表面との間に間隙を確保できるので、受光基板36上の部品実装や銅箔パターン引き回しの制約を緩和させることができ、部品実装度を向上させることができる。
【0112】
実施の形態8.
上記実施の形態7では、カバー9のシャーシ1への取り付け時に投光基板35と受光基板36が回転しながら配向角度が調節されるものであるが、以下に説明する実施の形態8は、カバー9をシャーシ1に取り付ける前にあらかじめ投光基板35および受光基板36の配向角度を微調整しておく必要がある場合に関するものである。
【0113】
図24は本発明の実施の形態8の空間光伝送装置の分解斜視図であり、図25および図26はその断面図である。この実施の形態8の空間光伝送装置は、シャーシ1と、投光基板35と、受光基板36と、投光素子3と、受光素子4と、メイン基板7と、投光基板接続ケーブル37と、受光基板接続ケーブル38と、カバー9と、可動透光板44と、遮光板12と、回転軸39と、基板支持部40と、配向角固定ナット47と、ドームカバー48と、カメラユニット106とを備えている。
【0114】
なお、図24〜図26に示す空間光伝送装置が図20〜図22に示す上記実施の形態7の空間光伝送装置に対して主に異なる点は、透光板10の代わりに可動透光板44を設けている点、遮光板12の形状カバー9とシャーシ1の構造および配向角固定ナット47を設けている点、およびカメラユニット106がシャーシ1上に取り付けられている点であり、投光素子3、受光素子4、および透光板10の光学特性と端末機器102等の他の構成は上記実施の形態7と同じであるため、共通する部分には同じ符号を付してその説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0115】
図24において、カバー9の正面上部と正面下部の一角の2箇所に開口部が設けられている。正面下部の開口部には、赤外線のみを透過する素材で形成された可動透光板44が、その左右両側に設けられたボス45をカバー9の開口部両側に設けた透光板軸受け部46に嵌合させることによって取り付けられている。また、可動透光板44は、ボス45を軸に一定範囲内での回転が可能となっている。
【0116】
また、可動透光板44の裏側には突起部11が設けられており、その先端には投光室側にせり出したストッパー部34が設けられ、受光室側の側面には遮光板12が両面粘着材13で固定されている。
【0117】
また、投光素子3を実装した投光基板35と受光素子4を実装した受光基板36は、ともに基板支持部40によって回転軸39に固定され、さらに回転軸39を中心に可動するようにシャーシ1に設けられた軸受け部41に取り付けられ、配向角固定ナット47を締め付けることにより任意の角度で固定される。
【0118】
また、カメラユニット106がシャーシ1上に取り付けられている。このカメラユニット106は、シャーシ1上で上下左右方向に一定範囲内で自由に向きが調整できるようになっており、カメラユニット106からの撮像映像信号は、カメラ映像ケーブル107にてレコーダー101(図4参照)に入力されている。
【0119】
また、カバー9の正面上部には、アクリル樹脂等で成型されたドームカバー48が、カバー9をシャーシ1に取り付けた状態にてカメラユニット106の正面に配置されるような位置に設けられており、ドームカバー48を通してカメラユニット106で撮影される。
【0120】
次に、カバー9をシャーシ1に取り付ける際の動作について説明する。シャーシ1が壁面等に取り付けられた後、カバー9をシャーシ1に装着しない状態で投光基板35および受光基板36を回転軸39によって回転させ、投光素子3と受光素子4を端末機器102(図23参照)の配置に応じた最適な角度に調節し、配向角固定ナット47を締め付けて固定させる。
【0121】
これとともに、カメラユニット106の向きも最適な方向に向けられるように調整する。その場合、端末機器102の位置に応じて投光素子3と受光素子4の向きがすでに調整されており、レコーダー101から出力される映像信号をメイン基板7の送信回路部5(図示せず)に送ることにより、カメラユニット106での撮像状態が端末機器102のモニタ画面上に映し出されるので、調整者は、この画像を確認しながらカメラユニット106の向きを調整する。
【0122】
投光基板35および受光基板36とカメラユニット106の向きが調整された後、カバー9をシャーシ1に取り付けることにより、遮光板12が投光基板35と受光基板36の間に挿入されるとともに、軸溝42に回転軸39が差し込まれる。このとき、突起部11のストッパー部34が投光基板35の表面に押し当てられ、投光基板35の傾斜角度に応じて可動透光板44が回転し、突起部11の先端形状に応じたストッパー部34の傾斜角度に応じて保持される。
【0123】
続いて、シャーシ1側面に設けられた4箇所のネジ取り付け部16にカバー固定ネジ15で固定することにより、カバー9のシャーシ1への圧着力が増し、ストッパー部34と投光基板35上への密着状態が保持される。
【0124】
以上のように実施の形態8によれば、突起部11の先端に傾斜を持たせ、遮光板12を投光基板35と受光基板36の間隙に挿入したまま傾斜角に応じて可動透光板44および遮光板12を自動的に配向させることにより、投光素子3から受光素子4への外乱光の遮蔽を保持しつつ、投光基板35と受光基板36の傾きに応じた最適な方向に可動透光板44を配向させることができる。
【0125】
また、シャーシ1の壁面への取り付け位置および端末機器102の位置関係に応じて配向角度が様々に調整された投光基板35と受光基板36に対しても、可動透光板44と突起部11のストッパー部34および遮光板4の形状や構造を共通化することができ、製造コストの低減が図れる。
【0126】
さらに、カメラユニット106の向きの調整時などのカバー9をシャーシ1から取り外した状態でのみ配向角度が調整できるので、カバー9を装着した通常設置状態での可動透光板44の誤操作を防止することもできる。
【0127】
なお、上記それぞれの実施の形態では、投光素子3が6個用いたものを図示して説明を行ったが、投光素子3の数はこれに限るものではなく、1個以上あれば何個あっても構わないのはいうまでもない。
【0128】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、透光板の裏面の形状に合わせて成型された遮光板を、透光板と一体成型された突起部の受光素子に面する側に配置し、かつ透光板裏面に密着するように固定しておくことにより、シャーシへのカバー固定時に透光板裏面に密着するさせることができるので、投光素子から放射されて透光板裏面で反射した近赤外線が外乱成分となって受光素子に侵入することを効率良く防止することができ、かつ投光素子と受光素子の配向角を変更しても安定した送受信ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の空間光伝送装置の分解斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態1の空間光伝送装置の断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1の空間光伝送装置の断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態1の空間光伝送装置を用いて構成された伝送システムの斜視図である。
【図5】 本発明の実施の形態1の空間光伝送装置においての投光素子および受光素子の光学特性図である。
【図6】 本発明の実施の形態1の空間光伝送装置においての投光素子の放射指向性および受光素子の受光指向性を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態1の空間光伝送装置においての透光板および遮光板の光学特性図である。
【図8】 本発明の実施の形態1の他の空間光伝送装置の断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態2の空間光伝送装置の断面図である。
【図10】 本発明の実施の形態2の他の空間光伝送装置の断面図である。
【図11】 本発明の実施の形態3の空間光伝送装置の断面図である。
【図12】 本発明の実施の形態3の空間光伝送装置においての透光板およびその突起部の光学特性図である。
【図13】 本発明の実施の形態4の空間光伝送装置の断面図である。
【図14】 本発明の実施の形態4の空間光伝送装置においての透光板および補助透光板の光学特性図である。
【図15】 本発明の実施の形態4の他の空間光伝送装置の断面図である。
【図16】 本発明の実施の形態5の空間光伝送装置の断面図である。
【図17】 本発明の実施の形態5の他の空間光伝送装置を示す図である。
【図18】 本発明の実施の形態6の空間光伝送装置の断面図である。
【図19】 本発明の実施の形態6の他の空間光伝送装置においての光誘導部材近傍の断面図である。
【図20】 本発明の実施の形態7の空間光伝送装置の分解斜視図である。
【図21】 本発明の実施の形態7の空間光伝送装置の断面図である。
【図22】 本発明の実施の形態7の空間光伝送装置の断面図である。
【図23】 本発明の実施の形態7の空間光伝送装置の設置例を示す図である。
【図24】 本発明の実施の形態8の空間光伝送装置の分解斜視図である。
【図25】 本発明の実施の形態8の空間光伝送装置の断面図である。
【図26】 本発明の実施の形態8の空間光伝送装置の断面図である。
【符号の説明】
1 シャーシ、 2 送受基板、 3 投光素子、 4 受光素子、 5 送信回路部、 6 受信回路部、 7 メイン基板、 8 基板接続ケーブル、 9 カバー、 10 透光板、 11 突起部、 12 遮光板、 13 両面粘着材、 14 カバー固定ネジ穴、 15 カバー固定ネジ、 16 ネジ取り付け部、 17 近赤外線吸収部材、 18 空孔、 19 傾斜部、 20段差部、 21 ガイドレール、 22 補助透光板、 23 固定部、 24 切り欠き部、 25 返り部、 26 電磁遮蔽板、 27 スペーサー、28 成型遮光板、 29 受光窓、 30 光誘導部材、 31 位置決め部、 32 光誘導部材固定部、 33 遮光部材、 34 ストッパー部、 35 投光基板、 36 受光基板、 37 投光基板接続ケーブル、 38 受光基板接続ケーブル、 39 回転軸、 40 基板支持部、 41 軸受け部、 42 軸溝、 43 面取り部、 44 可動透光板、 45 ボス、 46 透光板軸受け部、 47 配向角固定ナット、 48 ドームカバー、 100 空間光伝送装置、 101 レコーダー、 102 端末機器、 103 映像入力信号ケーブル、 104 電源供給ケーブル、 105 制御信号ケーブル、 106 カメラユニット、 107 カメラ映像ケーブル、 108 カメラユニット固定具、 109 端末機器保持台、 110 壁面、 111 天井、 112 モニタ画面、113 操作ボタン、 201 投光素子3の放射強度特性、 202 受光素子4の受光感度曲線、 203 透光板10の透過率曲線、 204 端末機器102側投光素子の放射強度特性、 205 端末機器102側投光素子の他の放射強度特性例、 206 遮光板12の透過率曲線、 207 透光板10aの透過率曲線、 208 透光板10bの透過率曲線、 209 透光板10cの透過率曲線、 210 波長f0に対する透過率曲線、 211 波長f1に対する透過率曲線、 212 透光板10の透過率曲線、 213 補助透光板22の透過率曲線、 301 投光素子3の投光指向曲線、 302 受光素子4の受光指向曲線、 401 送受信中心軸、 402 送受信角。
Claims (21)
- 投光素子および受光素子が配設された送受基板と、
少なくとも前記投光素子の発光する光および前記受光素子で受光される光の領域を透過する透光板と、
前記透光板の裏面に形成された突起部と、
前記透光板の裏面に密着して前記突起部に固定され、前記投光素子の発光領域の光を減衰させる遮光板と、
前記透光板が保持されるカバーと、
前記送受基板が保持されるシャーシと
を備え、
前記カバーを前記シャーシに取り付けることにより、前記遮光板が前記投光素子と前記受光素子の間に配置され、前記遮光板の先端部が前記送受基板の表面に密着する
ことを特徴とする空間光伝送装置。 - 前記遮光板が、前記透光板の裏面の形状および前記送受基板の配向角度に応じた形状に成型されていることを特徴とする請求項1記載の空間光伝送装置。
- 前記遮光板が、前記突起部の前記投光素子に面した側のみに固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の空間光伝送装置。
- 前記投光素子に対向する前記送受基板および前記遮光板の表面に、前記投光素子の発光する光を吸収する光吸収部材を設けたことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の空間光伝送装置。
- 前記送受基板に形成された空孔をさらに備え、
前記カバーを前記シャーシに取り付けることにより、前記遮光板の先端部が前記空孔を貫通する
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の空間光伝送装置。 - 投光素子および受光素子が配設された送受基板と、
少なくとも前記投光素子の発光する光および前記受光素子で受光される光の領域を透過する透光板と、
前記透光板の裏面に形成された段差部と、
前記透光板の裏面に形成された突起部と、
前記突起部に形成されたガイドレールと、
前記ガイドレールに保持され、前記投光素子の発光領域の光を減衰させる遮光板と、
前記遮光板に形成され、前記段差部に密着する傾斜部と、
前記透光板が保持されるカバーと、
前記送受基板が保持されるシャーシと
を備え、
前記カバーを前記シャーシに取り付けることにより、前記遮光板が前記投光素子と前記受光素子の間に配置され、前記遮光板の先端部が前記送受基板の表面に密着する
ことを特徴とする空間光伝送装置。 - 前記ガイドレールが突起部の両面に設けられ、前記透光板が前記突起部の両面に保持されていることを特徴とする請求項6記載の空間光伝送装置。
- 投光素子および受光素子が配設された送受基板と、
少なくとも前記投光素子の発光する光を透過する第1の領域、少なくとも前記受光素子で受光される光を透過する第2の領域、および前記投光素子の発光領域の光を減衰させる第3の領域を含む透光板と、
前記透光板の前記第3の領域の裏面に形成され、前記投光素子の発光領域の光を減衰させる突起部と、
前記透光板が保持されるカバーと、
前記送受基板が保持されるシャーシと
を備え、
前記カバーを前記シャーシに取り付けることにより、前記突起部が前記投光素子と前記受光素子の間に配置され、前記突起部の先端部が前記送受基板の表面に密着する
ことを特徴とする空間光伝送装置。 - 前記透光板とは異なる光透過率特性の補助透光板と、
前記補助透光板に設けられた固定部と、
前記送受基板上の前記受光素子の周囲に設けられた切り欠き部と
をさらに備え、
前記固定部を前記切り欠き部に嵌合することにより、前記補助透光板が前記送受基板上に着脱可能に保持されている
ことを特徴とする請求項1から7までのいずれかに記載の空間光伝送装置。 - 前記受光素子と前記補助透光板の間の空間に、電磁遮蔽板が挿入されていることを特徴とする請求項9記載の空間光伝送装置。
- 投光素子および受光素子がスペーサーを介して配設された送受基板と、
前記スペーサー上の前記投光素子と前記受光素子の間に形成され、前記投光素子が発光する光を減衰させる成形遮光板と、
少なくとも前記投光素子の発光する光および前記受光素子で受光される光の領域を透過する透光板と、
前記透光板の裏面に配置され、前記投光素子の発光する光を吸収する光吸収部材と、
前記透光板が保持されるカバーと、
前記送受基板が保持されるシャーシと
を備え、
前記カバーを前記シャーシに取り付けることにより、前記光吸収部材が前記成形遮光板の先端面に対向する位置に配置される
ことを特徴とする空間光伝送装置。 - 前記光吸収部材の前記投光素子側および前記受光素子側の少なくとも一方の外周部が、凹状に形成されていることを特徴とする請求項11記載の空間光伝送装置。
- 前記成型遮光板の先端面にも、前記投光素子の発光する光を吸収する光吸収部材が設けられていることを特徴とする請求項11または12に記載の空間光伝送装置。
- 前記成型遮光板の先端面に設けられた前記光吸収部材は、前記成型遮光板の前記受光素子側および前記投光素子側の両面で固定されていることを特徴とする請求項13記載の空間光伝送装置。
- 前記透光板に形成された受光窓と、
前記透光板に形成された光誘導部材固定部と、
前記受光窓に一端が挿入され、前記光誘導部材固定部に嵌合して、前記透光板に着脱可能に保持される光誘導部材と
をさらに備え、
前記カバーを前記シャーシに取り付けることにより、前記光誘導部材が前記受光素子全体を覆うように配置される
ことを特徴とする請求項1から7までのいずれかに記載の空間光伝送装置。 - 前記光誘導部材の前記受光窓側の端面を前記透光板の表面よりも突出させたことを特徴とする請求項15項記載の空間光伝送装置。
- 前記光誘導部材の前記受光窓側の端面に、1つまたは複数の凹面形状部を設けたことを特徴とする請求項15または16に記載の空間光伝送装置。
- 投光素子が配設された投光基板と、
受光素子が配設された受光基板と、
少なくとも前記投光素子の発光する光および前記受光素子で受光される光の領域を透過する透光板と、
前記透光板の裏面に形成された突起部と、
前記突起部の先端に形成されたストッパー部と、
前記透光板の裏面に密着して前記突起部に固定され、前記投光素子の発光領域の光を減衰させる遮光板と、
前記遮光板に形成された軸溝と、
前記透光板が保持されるカバーと、
前記投光基板および前記受光基板が固定された回転軸と、
前記回転軸が回転可能に保持されるシャーシと
を備え、
前記カバーを前記シャーシに取り付けることにより、前記遮光板が前記投光基板と前記受光基板の間に配置され、前記軸溝内に前記回転軸が配置され、前記ストッパー部が前記投光基板または前記受光基板に密着することによって前記投光基板および前記受光基板の配向角度が保持される
ことを特徴とする空間光伝送装置。 - 投光素子が配設された投光基板と、
受光素子が配設された受光基板と、
少なくとも前記投光素子の発光する光および前記受光素子で受光される光の領域を透過する可動透光板と、
前記可動透光板の裏面に形成された突起部と、
前記突起部の先端に形成されたストッパー部と、
前記可動透光板の裏面に密着して前記突起部に固定され、前記投光素子の発光領域の光を減衰させる遮光板と、
前記遮光板に形成された軸溝と、
前記可動透光板が半可動状態で保持されるカバーと、
前記投光基板および前記受光基板が固定された回転軸と、
前記回転軸が回転可能に保持されるシャーシと、
前記シャーシに設けられ、前記回転軸の回転を固定する固定機構と
を備え、
前記回転軸の固定後に前記カバーを前記シャーシに取り付けることにより、前記遮光板が前記投光基板と前記受光基板の間に配置され、前記遮光板の軸溝内に前記回転軸が配置され、前記ストッパー部が前記投光基板または前記受光基板に密着することによって前記可動透光板の配向角度が保持される
ことを特徴とする空間光伝送装置。 - 前記遮光板は、その前記先端部が、前記突起部よりも前記送受基板側にせり出すように、前記突起部に取り付けられていることを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の空間光伝送装置。
- 前記突起部が、前記透光板と一体成型されていることを特徴とする請求項1から5までのいずれか、または請求項20に記載の空間光伝送装置。
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