JP4278928B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者の操作に応じて遊技が行われるパチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機の一例として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、表示状態が変化可能な可変表示部が設けられ、可変表示部の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値を遊技者に与えるように構成されたものがある。
【0003】
遊技価値とは、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態となるための権利を発生させたりすることや、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態になることや遊技者に得点を与えたりすることである。
【0004】
特別図柄を表示する可変表示部を備えた第1種パチンコ遊技機では、特別図柄を表示する可変表示部の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様の組合せとなることを、通常、「大当り」という。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば16ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条件(例えば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終了する。
【0005】
一般に、遊技機における遊技進行はマイクロコンピュータを含む遊技制御手段によって制御される。そして、所定の条件(例えば可変表示開始の条件となる始動入賞)が成立すると乱数を発生させ、乱数値があらかじめ決められている所定値と一致すると「大当り」となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、特定遊技状態等の遊技価値が付与されている場合には、遊技者が景品を得やすくなっている。そのために、不正に遊技価値を得ようとする行為が生ずることも考えられる。そのような行為として、例えば、マイクロコンピュータが実行する遊技制御プログラムを、「大当り」が発生しやすいように改変する行為がある。また、景品遊技媒体の払出条件が成立していないにも関わらず景品遊技媒体の払い出しがなされるように、払出制御プログラムが改変されることも考えられる。
【0007】
改変された不正プログラムによって遊技制御等が実行されないように、マイクロコンピュータには、プログラムが正当なものであるか否かを判定するセキュリティチェック機能が組み込まれている。そして、マイクロコンピュータは、セキュリティチェック機能によってプログラムが正当なものでないと判断された場合には、遊技制御プログラム等を実行しないように構成されている。
【0008】
しかし、プログラムを内蔵した正規のマイクロコンピュータを取り外して、大当りを生じさせやすい不正プログラムを内蔵したマイクロコンピュータを搭載してしまうといった不正行為が考えられる。そのような不正プログラムを内蔵したマイクロコンピュータでは、セキュリティチェック機能が存在しないか、または、存在しても不正プログラムを正当なプログラムと判定するように改変されている。従って、セキュリティチェック機能だけでは、不正プログラムによる遊技を防止することができないおそれがある。
【0009】
そこで、マイクロコンピュータのチップに識別情報を記録したICタグを埋め込み、携帯型のICタグリーダで遊技機に搭載されている識別情報を読み取り、読み取った識別情報が正規の識別情報であるか否かを判定することによって、遊技機に搭載されているマイクロコンピュータが正規のマイクロコンピュータであるのか否かを判定する方法が考案されている。また、遊技機設置島にICタグリーダを設置し、ICタグリーダで遊技機に搭載されている識別情報を読み取り、読み取った識別情報をホール管理用のコンピュータに送り、ホール管理用のコンピュータが正規の識別情報であるか否かを判定することによって、遊技機に搭載されているマイクロコンピュータが正規のマイクロコンピュータであるのか否かを判定する方法が考案されている。
【0010】
しかし、携帯型のICタグリーダを用いる方法では、遊技店員が1台の遊技機毎に識別情報を読み取る操作を行う必要があり、例えば遊技店の毎稼働日に識別情報の判定を実行することは事実上困難である。また、遊技機設置島にICタグリーダを設置する方法では、各遊技機とホール管理用のコンピュータとの間に通信線を新たに配設する必要があり、設置コストが増大した、やはり実現することが難しい。
【0011】
そこで、本発明は、設置コストをさほど増大させることなく、また、遊技店員の手間をかけることなく、正規のマイクロコンピュータとは異なるマイクロコンピュータのもとで遊技が行われることを防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊技機の動作に関わる電気的制御(例えば払出制御)を実行するとともに遊技機の近傍に設置され記録媒体(例えばICカード)に記録されている情報(例えば金額、カードID、金額とカードID)により特定される価値を遊技機での遊技に使用できる遊技使用価値(例えば貸出遊技媒体)に変換するための処理を行う記録媒体処理装置(例えばカードユニット50)と通信可能に接続される第1の制御用マイクロコンピュータ(例えば払出制御用マイクロコンピュータ371)と、第1の制御用マイクロコンピュータが搭載されている基板(例えば払出制御基板37)とは異なる基板(例えば主基板31)に搭載され、遊技機の動作に関わる電気的制御(例えば遊技制御)を実行する第2の制御用マイクロコンピュータ(例えば遊技制御用マイクロコンピュータ56)とを備え、第1の制御用マイクロコンピュータが、照合用情報を出力させるための照合用情報要求信号(例えば照合用情報要求コード)を記録媒体処理装置から受信すると、記録媒体処理装置が第1の制御用マイクロコンピュータが正規のものであるか否かを判定するための照合用情報(例えば照合用情報要求コードに対して演算を施した場合の演算結果)を記録媒体処理装置に送信するとともに、第2の制御用マイクロコンピュータに認証情報(例えば認証用データに対して演算を施した場合の演算結果)を出力させるための認証情報要求信号(例えば認証用データ)を送信する情報送信手段(例えば払出制御用マイクロコンピュータ371における認証回路332およびシリアル−パラレル変換器373D)と、第2の制御用マイクロコンピュータから送信された認証情報にもとづいて第2の制御用マイクロコンピュータが正規のものであるか否かを判定する認証手段(例えば払出制御用マイクロコンピュータ371における認証回路332)とを含み、第2の制御用マイクロコンピュータが、認証情報要求信号を受信すると認証情報を第1の制御用マイクロコンピュータに送信する認証情報送信手段(例えば遊技制御用マイクロコンピュータ56における認証回路590およびシリアル−パラレル変換器67B)を含み、第1の制御用マイクロコンピュータが、遊技機の動作に関わる電気的制御として遊技において発生した入賞(例えば遊技球の入賞やスロット機における入賞役)に応じて景品遊技媒体を払い出す払出制御(例えばステップS757の処理)と、遊技に供される遊技媒体の発射に関わる制御(例えばステップS759の処理)とを実行し、認証手段によって第2の制御用マイクロコンピュータが正規のものでないと判定された場合には払出制御を停止する(例えばステップS748の処理にもとづくステップS757での払出停止)とともに遊技媒体の発射を停止させる(例えばステップS748の処理にもとづくステップS759で発射制御基板91に対する発射制御信号をオフ状態にする、駆動モータ94を払出制御用CPU371が制御する場合には駆動モータ94を不能動化する)ことを特徴とする。
【0014】
本発明による遊技機は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊技機の動作に関わる電気的制御(例えば払出制御)を実行するとともに遊技機の近傍に設置され記録媒体(例えばICカード)に記録されている情報(例えば金額、カードID、金額とカードID)により特定される価値を遊技機での遊技に使用できる遊技使用価値(例えば貸出遊技媒体)に変換するための処理を行う記録媒体処理装置(例えばカードユニット50)と通信可能に接続される第1の制御用マイクロコンピュータ(例えば払出制御用マイクロコンピュータ371)と、第1の制御用マイクロコンピュータが搭載されている基板(例えば払出制御基板37)とは異なる基板(例えば主基板31)に搭載され、遊技機の動作に関わる電気的制御(例えば遊技制御)を実行する第2の制御用マイクロコンピュータ(例えば遊技制御用マイクロコンピュータ56)とを備え、第1の制御用マイクロコンピュータが、照合用情報を出力させるための照合用情報要求信号(例えば照合用情報要求コード)を記録媒体処理装置から受信すると、記録媒体処理装置が第1の制御用マイクロコンピュータが正規のものであるか否かを判定するための照合用情報(例えば照合用情報要求コードに対して演算を施した場合の演算結果)を記録媒体処理装置に送信するとともに、第2の制御用マイクロコンピュータに認証情報(例えば認証用データに対して演算を施した場合の演算結果)を出力させるための認証情報要求信号(例えば認証用データ)を送信する情報送信手段(例えば払出制御用マイクロコンピュータ371における認証回路332およびシリアル−パラレル変換器373D)と、第2の制御用マイクロコンピュータから送信された認証情報にもとづいて第2の制御用マイクロコンピュータが正規のものであるか否かを判定する認証手段(例えば払出制御用マイクロコンピュータ371における認証回路332)とを含み、第2の制御用マイクロコンピュータが、認証情報要求信号を受信すると認証情報を第1の制御用マイクロコンピュータに送信する認証情報送信手段(例えば遊技制御用マイクロコンピュータ56における認証回路590およびシリアル−パラレル変換器67B)を含み、第1の制御用マイクロコンピュータにおける情報送信手段が、記録媒体処理装置から照合用情報を受信すると、受信した照合用情報を、以降に受信する照合用情報要求信号に応じて送信する照合用情報として記憶(例えばステップS738,S739の処理)、第2の制御用マイクロコンピュータにおける認証情報送信手段が、第1の制御用マイクロコンピュータから認証情報要求信号を受信すると、記憶している認証用情報(例えば記憶している演算式)にもとづく認証情報(例えば認証用データを演算式を用いて演算した演算結果である認証データ)を第1の制御用マイクロコンピュータに送信し、第1の制御用マイクロコンピュータから認証用情報を受信すると、受信した認証用情報を、以降に受信する認証情報要求信号に応じて送信する認証情報のための認証用情報として記憶する(例えばステップS43,S44の処理)ことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例である第1種パチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
【0023】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
【0024】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
【0025】
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(特別可変表示部)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。なお、可変表示部は固定的な領域であってもよいが、遊技進行中に、可変表示装置9の表示領域において移動したり大きさが変化してもよい。また、可変表示装置9には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動入賞記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(始動記憶表示エリア)18が設けられている。有効始動入賞(始動入賞記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、表示色を変化させる(例えば青色表示から赤色表示に変化させる)始動記憶表示エリア18を1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶表示エリア18を1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。
【0026】
なお、図柄表示エリアと始動記憶表示エリア18とが区分けされて設けられているので、可変表示中も始動入賞記憶数が表示された状態とすることができる。また、始動記憶表示エリア18を図柄表示エリアの一部に設けるようにしてもよく、この場合には、可変表示中は始動入賞記憶数の表示を中断するようにすればよい。また、この実施の形態では、始動記憶表示エリア18を可変表示装置9に設けるようにしているが、始動入賞記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けるようにしてもよい。
【0027】
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0028】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。
【0029】
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄始動入賞記憶が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄始動入賞記憶の値が1増やされる。普通図柄表示器10の近傍には、普通図柄始動入賞記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、特別図柄と普通図柄とを一つの可変表示装置で可変表示するように構成することもできる。その場合には、特別可変表示部と普通可変表示部とは1つの可変表示装置で実現される。
【0030】
この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器10における可変表示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
【0031】
さらに、特別遊技状態としての確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変状態等の所定の状態では、普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
【0032】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される飾りランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音や音声を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。
【0033】
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50も示されている。カードユニット50は、ICカード等の記録媒体に記録されている情報により特定される価値を遊技機での遊技に使用できる遊技使用価値すなわち貸出遊技球数に変換するための処理を行う。記録媒体に記録されている情報は、金額そのものでもよいし、記録媒体を識別するためのカードIDや、金額およびカードIDであってもよい。記録媒体にカードIDが記録されている場合には、カードユニット50と通信可能に接続されているカード使用数情報管理装置などが、カードユニット50が読み取ったカードIDで特定されるカードに対する課金処理(例えば遊技使用価値への変換可能分からの減算処理)を行う。また、記録媒体に金額およびカードIDが記録されている場合には、記録されている金額にもとづく遊技使用価値への変換が行われるとともに、カードIDにもとづいて真正なカードであるか否かの判定を行うことができる。
【0034】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0035】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
【0036】
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示態様)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0037】
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態(特別遊技状態)となる。
【0038】
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3を参照して説明する。図3は、遊技機を裏面から見た背面図である。
【0039】
図3に示すように、遊技機裏面側では、可変表示装置9、遊技盤6に設けられている各種装飾LED、始動記憶表示器18および普通図柄始動記憶表示器41、装飾ランプ25、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51、球切れランプ52、スピーカ27等の演出用部品を制御する演出制御基板80を含む可変表示制御ユニット49と、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31とが設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。また、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910や発射制御基板91が設けられている。
【0040】
遊技機裏面において、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチの出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球個数信号を外部出力するための賞球用端子および球貸し個数信号を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子盤34が設置されている。
【0041】
さらに、各基板(主基板31や払出制御基板37等)に含まれる記憶内容保持手段(例えば、電力供給停止時にもその内容を保持可能な変動データ記憶手段すなわちバックアップRAM)に記憶されたバックアップデータをクリアするための操作手段としてのクリアスイッチ921が搭載されたスイッチ基板190が設けられている。スイッチ基板190には、クリアスイッチ921と、主基板31等の他の基板と接続されるコネクタ922が設けられている。
【0042】
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レールを通り、賞球ケース40Aで覆われた球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
【0043】
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払い出されて打球供給皿3が満杯になり、さらに遊技球が払い出されると、遊技球は余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払い出されると、満タンスイッチ48(図3において図示せず)がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに発射装置の駆動も停止する。
【0044】
図4は、主基板31を収容する遊技制御基板ボックスを簡略化して示す正面図である。主基板31は、遊技機裏面において、遊技制御基板ボックスに収容されている。すなわち、収納手段としての遊技制御基板ボックスに主基板31が収納され、それらが組み合わされた遊技制御ユニットの形で遊技機に取り付けられている。遊技制御基板ボックスは、主基板31が収容されたボックス本体31Aが蓋部31Bで覆われる構造である。蓋部31Bは、取付部31D,31Eのそれぞれにおける1箇所の取付穴にねじ込まれたワンウェイねじとその他のねじ(図示せず)でボックス本体31Aに固着される。ワンウェイねじとは、ねじ締め方向にしか回らないねじである。従って、一旦締め付けるとねじを取り外すことはできない。
【0045】
蓋部31Bをボックス本体31Aから外して主基板31を露出させようとする場合には、取付部31D,31Eにおけるワンウェイねじの取付部分(蓋部31Bとの取付部分)を切断する必要がある。従って、取付部分の切断の履歴から主基板31が露出された回数がわかる。管理者等が把握している取付部分の切断の履歴(回数)よりも実際の切断の回数が多い場合には、蓋部31Bが不正に外されて主基板13が露出され、遊技制御用マイクロコンピュータが不正マイクロコンピュータに交換された可能性があることがわかる。なお、取付部31D,31Eにはそれぞれ3箇所の取付穴が設けられているので、蓋部31Bを3回まで外すことができる。
【0046】
また、蓋部31Bの不正取り外し防止のために、蓋部31Bとボックス本体31Aとの間に、ホログラムがプリントされた封印シール31F,31Gが貼着される。封印シール31F,31Gを剥がすと蓋部31Bおよびボックス本体31Aにホログラムが部分的に残るので、剥がされたことが一目でわかる。このことからも、蓋部31Bをボックス本体31Aから不正に取り外して主基板31を露出させようとしたことがわかる。
【0047】
しかし、上記のような不正取り外し防止のための対策が施されていても、遊技制御基板ボックスごと不正に交換されてしまうと、不正交換されたことを判別することが容易でない。本発明では、後述するように、遊技制御基板ボックスが不正に交換されても、容易にそのことを判別することができる。
【0048】
この実施の形態では、蓋部31Bに、機種名シール31aと検査履歴シール31bとが貼付されている。検査履歴シール31bには、主基板31の検査、修理、交換等の際に記入される「検査者」の欄と「検査日」の欄とが設けられているが、この例では、遊技機管理番号も記載されている。遊技機管理番号は、例えば遊技制御基板ボックスのユニット番号(各遊技制御ユニットに固有に付与された番号)である。
【0049】
なお、主基板31におけるコネクタ部分は蓋部31Bの外部に露出している。図4に示された例では、1つのコネクタ31Cが例示されている。しかし、主基板31には、他の基板等との接続のための複数のコネクタが搭載されている。
【0050】
また、図4には遊技制御基板ボックスが例示されているが、払出制御基板37も、払出制御基板ボックスに収容されて、遊技機裏面に設置されている。
【0051】
図5および図6に示すように、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ56のパッケージ442の所定個所に凹部444が設けられている。凹部444の位置は、ICチップ440およびICリード443と干渉しない位置である。凹部444の内部にID発信器(ICタグ)441が配置され、ICタグ441は、合成樹脂445で遊技制御用マイクロコンピュータ56のパッケージ442に一体不可分に封入される。ICタグ441は、非接触型のICカード内に埋め込まれて使用されるICチップと同種のICチップおよびアンテナ部を含むものである。ICタグ441内のメモリ(例えばEEPROM)には、個別のパチンコ遊技機1ごとに異なり、それぞれのパチンコ遊技機1を識別可能な識別情報(識別コード=IDコード)が記憶されている。
【0052】
図7(A)は、ICタグ441の構造を示す平面図である。ICタグ441は、例えば、合成樹脂材料からなる絶縁体の基体(図示せず)に電子回路部441A、接続部441Cおよびアンテナ部441Bが固定されている構造である。電子回路部441Aとアンテナ部441Bとが接続部441Cで電気的に接続される。図7(A)に示すように、電子回路部441Aの周囲を取り囲むようにアンテナ部441Bが配置されている。よって、電子回路部441Aがアンテナ部441Bによって保護され、機械的な外力によって電子回路部441Aが破壊されることが防止される。なお、ICタグ441は基体236を有さない状態で遊技制御用マイクロコンピュータ56のパッケージ442に封入されていてもよい。
【0053】
図7(B)は、ICタグ441における電子回路部441Aの回路構成の一例を示すブロック図である。電子回路部441Aは、アンテナ部441Bとの間で信号の入出力を行うR/Fインタフェース441a、アンテナ部441Bが受信した電波から電力を生成する電力発生部441bおよび制御部441cを有する。制御部441cは、R/Fインタフェース441aを介してアンテナ部441Bから受信した信号に応じて、所定の制御を行う回路である。制御部441cは、EEPROM等の書き換え可能な不揮発性メモリを内蔵し、不揮発性メモリには識別コードが記憶されている。また、制御部441cは、マイクロコンピュータで形成されていてもよい。識別コードは、所定のビット長のユニークな(同じ情報が2つはない)非公開情報であり、例えば、パチンコ機メーカ、マイクロコンピュータメーカ、第三者情報管理組織などによって管理される。
【0054】
ICタグ441は、遊技制御用マイクロコンピュータ56のパッケージ442に封入されるのではなく、図8に示すように、パッケージ442に貼付されてもよい。図8に示す例では、電子回路部441Aおよびアンテナ部441Bを含むICタグがパッケージ442の表面に貼付され、さらに、ICタグが、一方の面に粘着物が塗布されたシール441Dによってパッケージ442の表面に貼付される。なお、図8において、電子回路部441Aとアンテナ部441Bとを接続する接続部は記載省略されている。
【0055】
アンテナ部441Bの材料、電子回路部441Aの表面の材質およびシール441Dに塗布されている粘着物は、パッケージ442に対するアンテナ部441Bの材料の粘着力よりもシール441Dに塗布されている粘着物に対するアンテナ部441Bの材料の粘着力が大きく(剥がれにくく)、パッケージ442に対する電子回路部441Aの表面の材質の粘着力よりもシール441Dに塗布されている粘着物に対する電子回路部441Aの表面の材質の粘着力が小さくなるように選定される。そのように選定されていれば、シール441Dを剥がしたときに、アンテナ部441Bはシール441Dに付着し、電子回路部441Aはパッケージ442の表面に残る。すなわち、ICタグが破壊される。従って、正規の遊技制御用マイクロコンピュータ56からICタグを剥がし、そのICタグを不正マイクロコンピュータに貼った後、不正マイクロコンピュータを主基板31に装着するという不正行為を行うことは不可能になる。
【0056】
また、ICタグは遊技制御用マイクロコンピュータ56だけでなく払出制御用マイクロコンピュータにも装着される。払出制御用マイクロコンピュータに装着されるICタグの構造は、図5〜図8に示された遊技制御用マイクロコンピュータ56のICタグの構造と同じでよい。
【0057】
さらに、制御用マイクロコンピュータにICタグを装着するのではなく、主基板31、払出制御基板37その他の制御基板に装着してもよく、基板ボックスに装着してもよい。また、制御用マイクロコンピュータ、制御基板、基板ボックスのうちの全てに装着してもよく、そのうちに一部に装着してもよい。後述するように、制御用マイクロコンピュータにICタグを装着した場合には、ICタグによって、制御装置としての制御用マイクロコンピュータの認証が行われるが、制御基板にICタグを装着した場合には、制御装置としての制御基板の認証が行われることになる。基板ボックスにICタグを装着した場合にも、やはり、制御装置としての制御基板(基板ボックスに収納されている制御基板)の認証が行われることになる。
【0058】
図9は、ICタグに記憶されている識別コードの読み取り方法の一例を示す説明図である。図9に示す例では、カードユニット50に識別コード読み取り制御を行う読取制御部が搭載されている。そして、ICタグの識別コードを実際に読み取る読取部501,503からアーム502,504がカードユニット50に伸び、アーム502,504内に、読取部501,503と読取制御部との間を電気的に接続するための配線が設置されている。なお、読取部501,503は、遊技制御基板ボックスの蓋部31Bおよび払出制御基板ボックスの蓋部37Bに設けられている透明窓(外部からICタグが見える部分)の上に位置している。また、読取部501,503は、ICタグ441,541から無線で(電気的接続なしで)識別コードを読み取る。具体的には、読取制御部が、読取部501,503を介してICタグ441,541に認証情報要求コードを与えると、ICタグ441,541の制御部が記憶している認証コード(例えば記憶している識別コード)を出力する。読取制御部は、読取部501,503を介して、ICタグ441,541が出力した認証コードを受信する。
【0059】
図10は、ICタグに記憶されている識別コードの読み取り方法の他の例を示す説明図である。図10に示す例では、カードユニット50に搭載されている読取制御部と読取部501,503との間は、カードユニット50に設置されている端子盤507および配線505,506によって電気的に接続される。
【0060】
図11は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図9には、払出制御手段を搭載した払出制御基板37および演出制御手段を搭載した演出制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、およびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
【0061】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
【0062】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、およびプログラムに従って制御動作を行うCPU(CPUコア)等を内蔵する遊技制御用マイクロコンピュータ56とI/Oポート57とを含む。遊技制御用マイクロコンピュータ56がI/Oポート57を内蔵してもよい。なお、CPUはROMに格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPUまたはマイクロコンピュータが実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPUがプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUまたはマイクロコンピュータについても同様である。また、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ56をCPU56と表記することがある。
【0063】
また、RAMは、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAMの一部または全部の内容は保存される。
【0064】
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ(打球ハンドル)5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、打球ハンドル5の操作量に応じた速度で遊技球が発射されるように制御される。
【0065】
なお、この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、遊技盤に設けられている普通図柄始動記憶表示器41および装飾ランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cの表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段は、特別図柄を可変表示する可変表示装置9および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御も行う。
【0066】
図12は、払出制御基板37および球払出装置97の構成要素などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図12に示すように、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、単発発射スイッチ290およびタッチセンサ291からの検出信号が、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372bに入力される。また、払出カウントスイッチ301からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372bに入力される。払出カウントスイッチ301は、球払出装置97から実際に払い出された遊技球を検出する。
【0067】
払出制御基板37の払出制御用マイクロコンピュータ(以下、払出制御用CPU371と表示することがある。)は、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示しているか、または、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、球払出処理を停止する。なお、払出制御用CPU371は、CPUコアの他に、ROMやRAMを内蔵している。
【0068】
入賞があると、主基板31の出力回路67から、払出指令信号(払出制御コマンド)として、賞球の払出要求を行うためのREQ信号(賞球リクエスト信号)および払い出すべき賞球個数を示す払出個数信号が出力される。払出個数信号は、4ビットのデータによって構成され、4本の信号線によって出力される。払出個数信号は、入力回路373Aを介してI/Oポート372aに入力される。払出制御用CPU371は、I/Oポート372aを介してREQ信号および払出個数信号が入力すると、払出個数信号が示す個数の遊技球を払い出すために球払出装置97を駆動する制御を行う。なお、主基板31の出力回路67からは、電源確認信号も出力される。
【0069】
また、払出制御基板37において賞球の払出処理を実行しているときには、主基板31には、払出制御基板37の出力回路373Bを介して出力された払出処理中であることを示すBUSY信号(賞球払出中信号)が入力される。BUSY信号は、入力回路68を介してCPU56に入力される。また、払出制御用CPU371は、払出禁止状態では、主基板31に対して払出禁止信号を出力する。
【0070】
払出制御用CPU371は、出力ポート372cを介して、賞球払出数を示す賞球情報信号および貸し球数を示す球貸し個数信号をターミナル基板(枠用外部端子基板と盤用外部端子基板とを含む)160に出力する。なお、出力ポート372cの外側に、ドライバ回路が設置されているが、図7では記載省略されている。また、ターミナル基板160(枠用外部端子基板)には、ドア開放情報スイッチ161が接続されている。
【0071】
また、払出制御用CPU371は、出力ポート372dを介して、エラー表示用LED374にエラー信号を出力する。さらに、出力ポート372fを介して、ランプの点灯/消灯を指示するための信号を賞球ランプ51および球切れランプ52に出力する。なお、払出制御基板37の入力ポート372dには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ375からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ375は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
【0072】
さらに、払出制御基板37の入力ポート372bには、中継基板72を介して、払出モータ289の回転位置を検出するための払出モータ位置センサからの検出信号が入力される。払出制御基板37からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372cおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に伝えられる。なお、出力ポート372cの外側に、ドライバ回路(モータ駆動回路)が設置されているが、図12では記載省略されている。
【0073】
カードユニット50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット50には、使用可表示ランプ151、連結台方向表示器153、カード投入表示ランプ154およびカード挿入口155が設けられている(図1参照)。インタフェース基板66には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED60、球貸し可LED61、球貸しスイッチ62および返却スイッチ63が接続される。
【0074】
インタフェース基板66からカードユニット50には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ62が操作されたことを示す球貸しスイッチ信号および返却スイッチ63が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット50からインタフェース基板66には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の間では、接続確認信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート372bおよび出力ポート372eを介してやりとりされる。カードユニット50と払出制御基板37の間には、インタフェース基板66が介在している。よって、接続確認信号(VL信号)等の信号は、図12に示すように、インタフェース基板66を介してカードユニット50と払出制御基板37の間でやりとりされることになる。
【0075】
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、VL信号を出力する。払出制御用CPU371は、VL信号の入力状態により接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力する。
【0076】
そして、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出が完了したら、払出制御用CPU371は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット50からのBRDY信号がオン状態でなければ、賞球払出制御を実行する。なお、カードユニット50で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板37から供給される。
【0077】
カードユニット50に対する電源基板910からの電力供給は、払出制御基板37およびインタフェース基板66を介して行われる。この例では、インタフェース基板66内に配されているカードユニット50に対するAC24Vの電源供給ラインに、カードユニット50を保護するためのヒューズが設けられ、カードユニット50に所定電圧以上の電圧が供給されないようにしている。
【0078】
図13は、カードユニット50の構成を、パチンコ遊技機1における球貸しに関する構成要素とともに示すブロック図である。図13に示すカードユニット制御部160は、カードユニット制御用マイクロコンピュータやI/Oポートを含むものである。パチンコ遊技機1に設けられている球貸しスイッチ181および返却スイッチ182からの信号は、カードユニット50のカードユニット制御部160に入力される。カードユニット制御部160には、カードに記録されている情報を読み取るとともにカードに情報を記録するカードリーダライタ161が接続されている。また、使用可ランプ151、連結方向表示器153およびカード投入表示ランプ154が接続されている。
【0079】
さらに、カードユニット制御部160には、上述したCPU56および払出制御用CPU371に付されたICタグ441,541に記憶されている識別コードを読み取る読取部501,503(図9および図10参照)との間の信号が入出力される。なお、上述した識別コード読み取り制御を行う読取制御部は、図13に示す構成では、カードユニット制御部160に含まれている。
【0080】
図14は、読取部501の電気的構成を示すブロック図である。図14に示すように、読取部501は、カードユニット制御部160からの信号を入力するとともに、カードユニット制御部160への信号を出力するインタフェース回路501Aと、インタフェース回路501Aからの信号を電波でICタグ441に伝達するとともに、ICタグ441からの信号(電波による)を受信する非接触インタフェース(アンテナ部)501Bとを有する。なお、払出制御用CPU371に付されたICタグ541に記憶されている識別コードを読み取る読取部503の構成も、図14に示す構成と同じでよい。
【0081】
図15は、認証用通信に関する通信線の接続状況を示すブロック図である。上述したように、パチンコ遊技機1において、払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371に付されているICタグ541とカードユニット50との間に、認証用通信を行うための通信線(図9におけるアーム503中の配線または配線506に相当)が設けられている。なお、図15に示された球貸し用通信の通信線は、図12に示されたVL信号、BRDY信号、BRQ信号、EXS信号およびPRDY信号を伝達する配線に相当する。さらに、主基板31に搭載されているCPU56に付されているICタグ441とカードユニット50との間に、認証用通信を行うための通信線(図9におけるアーム502中の配線または配線505に相当)が設けられている。
【0082】
この実施の形態では、カードユニット50に搭載されているカードユニット制御用マイクロコンピュータが、払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371の認証処理(正当な払出制御用CPU(払出制御用マイクロコンピュータ)であるか否かを判別する処理)を行う。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御用CPU371を介して、主基板31に搭載されているCPU56の認証処理(正当な遊技制御用CPU(遊技制御用マイクロコンピュータ)であるか否かを判別する処理)を行う。そして、認証結果は、上位機器100に送信される。なお、カードユニット50と上位機器100との間の通信線は、有線であってもよいし無線であってもよい。
【0083】
上位機器100は、例えば、遊技店に設置されているカード使用数情報中継装置などの遊技に使用された遊技使用価値を管理する上位機器である。さらに、カード使用数情報中継装置は、カード管理会社に設置されているカード管理装置に、公衆回線等を介して遊技店に設置されている各パチンコ遊技機1に対する認証結果を送信するようにしてもよい。
【0084】
認証処理開始の契機は、例えば、カードユニット50に電力を供給する電源が立ち上がってから所定時間(遊技機への電力供給開始後、遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータが動作可能になる時間)が経過したとき、カードユニット50が認証用のICカードの挿入を検出したとき、カードユニット50が外部機器100から認証実行要求信号を受けたとき、稼働中の一定時間毎(定時的)である。また、それらの契機のうちの1つまたは2つのみを用いてもよいし、さらに多くの契機を用意してもよい。
【0085】
カードユニット50に電力を供給する電源が立ち上がってから所定時間が経過したときを認証処理開始の契機とした場合には、電力供給が開始される度に認証処理が実行されることになり、定時的に、例えば、毎日、自動的に認証処理が実行される。認証用のICカードの挿入を認証処理開始の契機とした場合には、任意の時期に容易に認証処理を実行することができる。外部機器100から認証実行要求信号を認証処理開始の契機とした場合には、任意の時期に、複数台の遊技機について認証処理を実行することができる。複数台の遊技機のそれぞれに対して、一度に認証実行要求信号を送信すればよいからである。
【0086】
図16は、認証処理が行われるときの信号の流れを示す説明図である。この例では、上位機器100から認証実行要求信号(認証要求のためのコード)を受信したカードユニット50がパチンコ遊技機1に対して識別情報要求コードを送信し、パチンコ遊技機1に搭載されている制御用マイクロコンピュータに付されているICタグは識別情報要求コードを受信したことに応じて識別コードをカードユニット50に送信する。そして、カードユニット50において、受信された識別コードがRAMに一時記憶され、その後、上位機器100に送信される。なお、カードユニット50がパチンコ遊技機1に対して識別情報要求コードを送信する契機は、上位機器100から認証実行要求信号を受信した場合に限られない。
【0087】
図17は、遊技機メーカや第三者機関において管理される遊技機の管理情報の一例を示す説明図である。図17に示す例では、機種名、遊技機製造番号(または遊技機管理番号)、マイコンID(識別情報)、ICタグID、主基板基板番号、払出制御基板基板番号、証紙番号、納入店および出荷日を対応させて管理することが可能になっている。
【0088】
遊技機製造番号(または遊技機管理番号)は、図4に例示されたように遊技制御基板ボックスに表示されているが、それぞれのパチンコ遊技機に固有の番号である。マイコンIDは、パチンコ遊技機1のCPU56に与えられている識別コードである。ICタグIDは、主基板31のCPU56のICタグ441に記憶されている識別コードすなわちCPU固有の番号である。主基板基板番号および払出制御基板番号は、パチンコ遊技機1の主基板31および払出制御基板37に付された番号であり、それぞれの主基板および払出制御基板に対して固有に割り当てられた番号である。証紙番号は、パチンコ遊技機1に貼付される証紙に印刷されている番号である。なお、図17に示す例では、CPU56のみに関するマイコンIDおよびICタグIDが管理情報に含まれているが、払出制御用CPU371その他の制御用マイクロコンピュータに関するマイコンIDも管理情報に含まれていることが好ましい。
【0089】
図18は、カードユニット50からパチンコ遊技機1のICタグ441,541に送信される認証のためのデータ(識別情報要求信号)、ICタグ441,541からカードユニット50に返送される認証情報データの一構成例を示す説明図である。
【0090】
図18(A)に示す例では、識別情報要求コードおよび認証情報データを構成する各データは、スタートビット(ローレベル)およびストップビット(ハイレベル)に挟まれた8ビットのデータとして送受信される。また、図18(B)に示すように、カードユニット50から払出制御用CPU371のICタグ541およびCPU56のICタグ441に送信される認証のためのデータは、1バイトのヘッダデータと所定長のデータ(認証情報要求コード)で構成される。認証情報要求コードは、8ビット毎に、図18(A)に示す形態で送信される。また、ICタグ441,541からカードユニット50に返送される認証情報データも、8ビット毎に、図18(A)に示す形態で送信される。なお、ストップビットの長さは、データ1ビット分以上の長さである。2バイト以上のデータが続けて送信される場合には、各データの間に、1ビット分以上の長さのハイレベルの期間(ストップビットの期間)が置かれる。
【0091】
なお、図18に示す例は一例であって、他の通信方式を用いてもよい。
【0092】
図19および図20は、カードユニット50におけるカードユニット制御部160に搭載されているカードユニット制御用マイクロコンピュータの動作例を示すフローチャートである。カードユニット50への電力供給が開始されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、所定時間のディレイ時間をおいた後(ステップS200)、認証用データ受信処理を行う(ステップS210)。なお、所定時間は、パチンコ遊技機1における遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータが、セキュリティチェック処理を含む初期設定処理を完了し動作可能状態になるまでの時間よりも長い時間である。
【0093】
認証用データ受信処理とは、上位機器100からICタグ441,541に記憶されるべき新たな識別コード(認証情報)を受信するための処理である。認証用データ受信処理において、ICタグ441に記憶されるべき新たな識別コードを受信したら、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、その識別コードを自身の記憶部に記憶するとともに、ICタグ441にその識別コードを送信する制御を行う。ICタグ541に記憶されるべき新たな識別コードを受信したら、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、その識別コードを自身の記憶部に記憶するとともに、ICタグ541にその識別コードを送信する制御を行う。ICタグ441,541は、カードユニット制御用マイクロコンピュータから新たな識別コードを受信したら、それを記憶する。以後、カードユニット50からの認証要求に応じて、新たな識別コードをカードユニット50に送信する。
【0094】
あらかじめ決められている所定時間内にICタグ441,541に記憶されるべき新たな識別コードを上位機器100から受信しなかった場合には、または、新たな識別コードを受信してICタグ441,541に送信したらステップS201に移行する。なお、ここでは、電源投入時にステップS210の認証用データ受信処理が実行されるが、以後の球貸しのための制御実行中でも、認証用データ受信処理を実行するようにしてもよい。
【0095】
ステップS201では、カードユニット制御用マイクロコンピュータは認証処理を行う。認証処理が終了すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、通常の制御状態に移行する。すなわち、カードユニット制御用マイクロコンピュータが実行するプログラムは、認証処理プログラムの実行が完了すると、通常のカードユニット制御プログラムが実行されるように構成されている。通常の制御状態において、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、ICカードが挿入されたか否かを、カードユニット50に内蔵されているICカードリーダ/ライタを介して認識する(ステップS202)。ICカードが挿入されたことを認識すると、それが認証指定カードであるか否か確認する(ステップS203)。認証指定カードには、例えば、一般の球貸し用のプリペイドカードとは異なるデータが書き込まれているICカードである。カードユニット制御用マイクロコンピュータは、そのデータを読み取ることによって、認証指定カードが挿入されたと認識することができる。
【0096】
認証指定カードが挿入されたと認識した場合には、認証処理を実行する(ステップS204)。挿入されたICカードが認証指定カードでない場合には、遊技者による球貸し操作がなされると(ステップS205)、球貸し処理を実行する(ステップS206)。球貸し処理は、パチンコ遊技機1の払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371と必要な通信を行いつつ、払出制御用CPU371に球払出を要求する処理である。払出制御用CPU371は、要求に応じて、球払出装置97を駆動し、球貸しのための遊技球の払出を行う。
【0097】
球貸し操作がなされていない場合、または、カードが挿入されていない場合に、上位機器100から認証実行要求信号を受信すると(ステップS207)、認証処理を実行する(ステップS208)。
【0098】
図20および図21は、ステップS204,S206,S208の認証処理の一例を示すフローチャートである。
【0099】
なお、この実施の形態では、上位機器100からカードユニット50に送信されるデータを「認証実行要求信号」といい、カードユニット50からICタグ441,541に送られるデータを「認証情報要求コード」といい、ICタグ441,541からカードユニット50に返送されるデータを「認証データ」という。また、ICタグ441,541からカードユニット50に認証用識別情報として識別コードが送信される場合には、「認証情報要求コード」を「識別情報要求コード」といい、「認証データ」を「識別コード」ということがある。
【0100】
認証処理において、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、パチンコ遊技機1の払出制御用CPU371のICタグ541に対して、01(H)のヘッダを、図18(A)に例示したような形態で送信する(ステップS220)。例えば、出力ポートを介して、所定時間(1ビットの送信に相当する時間)毎に、スタートビットおよび1バイトのデータを構成する各ビットを順次出力し、次いで、ストップビットを出力する。
【0101】
続いて、認証情報要求コードとしてあらかじめ決められている所定長のデータをICタグ541に対して送り(ステップS221)、監視タイマをセットする(ステップS222)。監視タイマのタイムアウト時間は、ICタグ541の制御部がカードユニット50から認証情報要求コードを受信し、認証情報要求コードに応じて、記憶している認証データとしての識別コードを送信するのに十分な時間である。そして、監視タイマのタイムアウトを監視しつつ(ステップS224)、ICタグ541からの識別コードの受信完了を待つ(ステップS223)。この例では、ICタグ541からも、図18(A)に例示された形態でデータが送られてくる。カードユニット制御用マイクロコンピュータは、例えば入力ポートを介してICタグ541からのデータを受信する。入力ポートの入力レベルがハイレベルからローレベルに変化するとスタートビットが開始されたと認識し、その後、所定時間毎に入力ポートからデータを読み込む。所定時間は、ICタグ541からの1ビットの送信に相当する時間であり、データを読み込むタイミングは、各ビットが送信されている期間の中央が好ましい。
【0102】
認証データとしての識別コードのデータを全て受信したら、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、認証データの検証処理を行う(ステップS225)。すなわち、ICタグ541から受信した識別コードが、ICタグ541が記憶しているものとしてカードユニット制御部160に記憶されている識別コードと一致したら、検証結果が正しかったとする。
【0103】
なお、第1の実施の形態の変形例として、ICタグ541の制御部は、01(H)のヘッダを受信したら、それに続いて受信した認証情報要求コードに対して所定の演算を行い、演算結果を認証データとしてカードユニット50に対して送信するようにしてもよい。ICタグ541の制御部が実行する所定の演算として、例えば、受信した認証情報要求コードを秘密鍵を用いて暗号化する演算がある。具体的な暗号化のための演算として例えば排他的論理和演算が用いられる。ICタグ541の制御部が認証情報要求コードを秘密鍵を用いて暗号化する演算を行って演算結果を返送してきた場合には、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、演算結果を、秘密鍵(ICタグ541の制御部が用いたものと同一の秘密鍵)を用いて復号化し、復号結果が、ICタグ541に送信した認証情報要求コードと一致した場合に、ICタグ541から返送された演算結果は正当であったと判断することができる。この場合には、演算結果が正当であった場合に、検証結果が正しかったとする。
【0104】
すなわち、読取部501,503は、ICタグ441,541に所定の符号を送信し、所定の符号にもとづいてICタグ441,541が演算した演算結果情報を認証用識別情報(認証データ)として受信し、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、受信された演算結果情報が正しいか否かによってCPU56および払出制御用CPU371が正規のものであるか否かを判定するようにしてもよい。なお、演算の方法は上記の方法に限られず、他の演算を用いてもよい。また、演算によって制御用マイクロコンピュータの認証を行う場合には、遊技機メーカや第三者機関において管理される遊技機の管理情報(図17参照)において、演算式が遊技機製造番号等と対応付けられて管理される。
【0105】
ICタグ541の制御部が認証データとして演算結果を送信する場合には、カードユニット50は、ステップS210において、上位機器から演算式(秘密鍵)を受信して記憶する。また、ICタグ541の制御部は、その演算式に対応した演算式(秘密鍵)を記憶している。ICタグ541が記憶する演算式は、上位機器100からカードユニット50を介して書き換え可能である。
【0106】
検証結果が正当であるということであれば、払出制御用CPU371が正当であることを記憶し(ステップS226,S227)、検証結果が正当でなかった場合には払出制御用CPU371が正当でないことを記憶する(ステップS228)。また、ステップS224で監視タイマがタイムアウトした場合にも払出制御用CPU371が正当でないことを記憶する(ステップS228)。従って、不正な払出制御用CPU371が搭載され、ICタグ541が存在しなかったり存在していても認証データ出力機能を有していない場合には認証データを返送してこないが、その場合にも、カードユニット50の側で、払出制御用マイクロコンピュータが正当でないことを検知することができる。
【0107】
次いで、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、CPU(遊技制御用マイクロコンピュータ)56のICタグ441に対して、02(H)のヘッダを送信する(ステップS230)。また、所定長の認証情報要求コードを送信し(ステップS231)、監視タイマをセットする(ステップS232)。そして、監視タイマのタイムアウトを監視しつつ(ステップS234)、ICタグ441からの認証データの受信完了を待つ(ステップS233)。この例では、ICタグ441からも、図18(A)に例示された形態でデータが送られてくる。カードユニット制御用マイクロコンピュータは、例えば入力ポートを介してICタグ441からのデータを受信する。
【0108】
認証データとしての識別コードのデータを全て受信したら、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、認証データの検証処理を行う(ステップS235)。すなわち、ICタグ441から受信した識別コードが、ICタグ441が記憶しているものとしてカードユニット制御部160に記憶されている識別コードと一致したら、検証結果が正しかったとする。検証結果が正当であった場合にはCPU56が正当であることを記憶し(ステップS236,S237)、検証結果が正当でなかった場合にはCPU56が正当でないことを記憶する(ステップS238)。なお、ICタグ441が認証データとして認証情報要求コードを演算を施して得た演算結果を使用してもよいことは、払出制御用マイクロコンピュータの場合と同じである。
【0109】
また、ステップS234で監視タイマがタイムアウトした場合にもCPU56が正当でないことを記憶する(ステップS238)。不正な遊技制御用マイクロコンピュータが主基板31に搭載され、ICタグ441が存在しなかったり存在していても認証データ出力機能を有していない場合には認証データを返送してこないが、その場合にも、カードユニット50の側で、遊技制御用マイクロコンピュータが正当でないことを検知することができる。
【0110】
そして、ステップS227またはS228、およびステップS237またはS238において記憶した内容を、上位機器100に送信する(ステップS240)。さらに、払出制御用マイクロコンピュータまたは遊技制御用マイクロコンピュータが正当でなかった場合には、球貸し処理を禁止する。例えば、払出制御基板37に対するVL信号をオフにしたり、または、球貸し操作がなされてもBRDY信号を出力しない(オン状態にしない)ようにする。払出制御用CPU371は、接続確認信号であるVL信号がオフ状態である場合には、球払出制御を停止する。また、発射制御信号をオフ状態にする。この結果遊技球の発射も禁止される。
【0111】
なお、この実施の形態では、認証の結果がカードユニット50から、遊技店に設置されているカード使用数情報中継装置などの遊技に使用された遊技使用価値を管理する上位機器100に送信されたが、カードユニット50は、遊技店の各遊技機の管理を行う管理コンピュータに認証結果を送信してもよい。さらに、カード使用数情報中継装置などの遊技に使用された遊技使用価値を管理する装置に送信するとともに、管理コンピュータに認証結果を送信するようにしてもよい。
【0112】
また、カードユニット50は、上位機器100から、ICタグ441,541が記憶しているはずの識別コードまたは演算式を受信したが、管理コンピュータから受信するようにしてもよい。また、遊技機設置時に、カードユニット50を識別コード記憶モードにして、カードユニット50がICタグ441,541から識別コードまたは演算式を読み取るようにしてもよい。また、専用のカードから識別コードまたは演算式を読み取るようにしてもよい。さらに、上位機器100のデータを管理する管理装置(カード会社に設置されている装置)に対して、遊技機メーカが識別コードまたは演算式を通知し、管理装置から上位機器100を介して識別コードまたは演算式をダウンロードするようにしてもよい。
【0113】
以上に説明したように、この実施の形態では、カードユニット50におけるカードユニット制御用マイクロコンピュータが、遊技機の動作に関わる電気的制御を実行する制御装置としての遊技制御用マイクロコンピュータ56および払出制御用マイクロコンピュータ371が正規のものであるか否かを認証するための認証処理を実行する認証制御手段を含み、認証制御手段が、遊技制御用マイクロコンピュータ56および払出制御用マイクロコンピュータ371における認証用識別情報(この実施の形態では識別コードまたは演算結果)を作成するための情報を記憶する識別情報記憶部(この実施の形態ではICタグ441,541)から認証用識別情報を読み取る読取手段(この実施の形態では読取部501,503)と、読取手段が読み取った認証用識別情報を用いて遊技制御用マイクロコンピュータ56および払出制御用マイクロコンピュータ371が正規のものであるか否かを判定する認証手段とを含む。
【0114】
また、認証制御手段は、電力供給が開始されたことにもとづいて認証処理を実行する(ステップS251)。さらに、認証制御手段は、遊技機に設けられている複数の制御用マイクロコンピュータの認証処理を実行可能に構成されている。また、認証制御制御手段は、制御装置が正規のものでないと認証手段が判定した場合に、その旨を示す情報を、上位機器100に対して送信する(ステップS272)。このような構成によって、設置コストをさほど増大させることなく、また、遊技店員の手間をかけることなく、遊技機において正規のマイクロコンピュータとは異なるマイクロコンピュータのもとで遊技が行われることを防止することができる記録媒体処理装置が提供される。
【0115】
さらに、認証制御手段が制御装置が正規のものでないと判定した場合には、カードユニット50は、プリペイドカードに記録されている価値を遊技機での遊技に使用できる遊技使用価値に変換するための制御を停止する。具体的には、VL信号を未接続を示す状態に設定する。また、球貸しスイッチ62が押下されても受け付けない状態になる。従って、不正マイクロコンピュータによって不正に遊技が続行されてしまうことが防止される。
【0116】
また、認証手段は、制御装置から読み取られた認証用識別情報と、記憶している認証用識別情報とを比較することによって制御装置が正規のものであるか否かを判定し、カードユニット50と通信可能であり遊技に使用された遊技使用価値を管理する上位機器100から受信した認証用識別情報を記憶する。このような構成によって、認証用識別情報を適宜変更することができる。
【0117】
実施の形態2.
上記の実施の形態では、カードユニット50は、遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータに付されているICタグ441,541から認証データを得たが、遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータそのものから、すなわち遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータが実行する認証制御によって認証データを得るようにしてもよい。
【0118】
図22は、カードユニット50が払出制御用マイクロコンピュータ371そのものから認証データを得る場合の払出制御基板37の構成を示すブロック図である。図22に示す構成では、カードユニット50からの認証情報要求コードを受信するとともに、カードユニット50に認証データを送信するためのI/Oポート(入力ポートと出力ポート)372fが設けられている。
【0119】
なお、図22には、払出制御基板37の構成が示されているが、主基板31においても、カードユニット50からの認証情報要求コードを受信するとともに、カードユニット50に認証データを送信するためのシリアル−パラレル変換器373Cが設けられる。
【0120】
また、カードユニット50は、払出制御用マイクロコンピュータ371の認証データを払出制御用マイクロコンピュータ371から受信するとともに、遊技制御用マイクロコンピュータ56の認証に関わるデータを払出制御用マイクロコンピュータ371を介して受信する。
【0121】
払出制御基板37には、遊技制御用マイクロコンピュータ56と認証用通信を行うためのシリアル−パラレル変換器373Dが設けられている。また、主基板31には、払出制御用マイクロコンピュータ371と認証用通信を行うためのシリアル−パラレル変換器67Bが設けられている。
【0122】
払出制御用CPU371は、例えば、図23(A)に示すような認証回路332を内蔵している。認証回路332は、シリアル−パラレル変換器373Cから照合用情報要求コード(カードユニット50が送信したデータ)を入力して演算を行うとともに、シリアル−パラレル変換器373Cに演算結果を出力する制御回路313と、照合用情報要求コードに施す演算の演算式と主基板31から受信した演算結果を復号するための演算式とを記憶する記憶回路(例えばEEPROM)314とを含む。また、制御回路313は、シリアル−パラレル変換器373Dから認証データとしての演算結果(CPU56が送信したデータ)を入力するとともに、シリアル−パラレル変換器373Dに認証用データを出力する。認証用データは、シリアル−パラレル変換器373Dから主基板31に送信される。制御回路313は、主基板31から演算結果が送られてくると、演算結果が正しいか否かの検証も行う。
【0123】
CPU56は、図23(B)に示すような認証回路590を内蔵している。認証回路90は、シリアル−パラレル変換器67Bから認証用データ(払出制御用CPU371が送信したデータ)を入力して演算を行うとともに、シリアル−パラレル変換器67Bに演算結果を出力する制御回路591と、認証用データに施す演算の演算式を記憶する記憶回路(例えばEEPROM)314とを含む。
【0124】
図24は、この実施の形態における認証用通信に関する通信線の接続状況を示すブロック図である。パチンコ遊技機1において、主基板31と払出制御基板37との間に、認証用通信を行うための通信線(図22に示すシリアル−パラレル変換器373Dとシリアル−パラレル変換器67Bとの間の配線)が設けられている。また、払出制御基板37とカードユニット50との間に、認証用通信を行うための通信線(図22に示すシリアル−パラレル変換器373Cとカードユニット50との間の配線)が設けられている。
【0125】
この実施の形態では、カードユニット50に搭載されているカードユニット制御用マイクロコンピュータが、払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371の認証処理(正当な払出制御用CPU(払出制御用マイクロコンピュータ)であるか否かを判別する処理)を行う。さらに、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37を中継してデータの送受信を行うことによって、主基板31に搭載されているCPU56の認証処理(正当なCPU(遊技制御用マイクロコンピュータ)であるか否かを判別する処理)を行うことになる。そして、認証結果は、上位機器100に送信される。なお、カードユニット50と上位機機100との間の通信線は、有線であってもよいし無線であってもよい。
【0126】
また、カードユニット50が認証を行った払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371が、主基板31に搭載されているCPU56の認証処理を行って、その認証結果をカードユニット50に送信する。
【0127】
認証処理開始の契機は、例えば、カードユニット50に電力を供給する電源が立ち上がってから所定時間(遊技機への電力供給開始後、遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータが動作可能になる時間)が経過したとき、カードユニット50が認証用のICカードの挿入を検出したとき、カードユニット50が管理コンピュータ等の外部機器100から認証要求信号を受けたとき、稼働中の一定時間毎(定時的)である。また、それらの契機のうちの1つまたは2つのみを用いてもよいし、さらに多くの契機を用意してもよい。
【0128】
カードユニット50に電力を供給する電源が立ち上がってから所定時間が経過したときを認証処理開始の契機とした場合には、電力供給が開始される度に認証処理が実行されることになり、定時的に、例えば、毎日、自動的に認証処理が実行される。認証用のICカードの挿入を認証処理開始の契機とした場合には、任意の時期に容易に認証処理を実行することができる。外部機器100から認証要求信号を認証処理開始の契機とした場合には、任意の時期に、複数台の遊技機について認証処理を実行することができる。複数台の遊技機のそれぞれに対して、一度に認証要求信号を送信すればよいからである。
【0129】
図25は、カードユニット50からパチンコ遊技機1の払出制御基板37に送信される認証のためのデータ(照合用情報要求コード)、払出制御用CPU371が照合用情報要求コードに施す演算の演算式(新たな演算式)を示すデータ、払出制御用CPU371が主基板31のCPU56を認証するために用いる演算の演算式(新たな演算式)を示すデータの一構成例を示す説明図である。
【0130】
なお、ここでは、照合用情報として演算結果を使用するが、CPU56および払出制御用CPU371が照合データを記憶回路314,592に記憶し、照合用情報として、CPU56および払出制御用CPU371が記憶している照合データそのものを使用するようにしてもよい。
【0131】
図25(A)に示す例では、認証のためのデータおよび演算結果データを構成する各データは、スタートビット(ローレベル)およびストップビット(ハイレベル)に挟まれた8ビットのデータとして送受信される。また、図25(B)に示すように、カードユニット50から払出制御基板37に送信される認証のためのデータは、1バイトのヘッダデータと所定長のデータ(照合用情報要求コード)で構成される。照合用情報要求コードは、8ビット毎に、図25(A)に示す形態で送信される。また、払出制御基板37から主基板31に送信される認証用データ、主基板31から払出制御基板37に返送される認証データとしての演算結果データ、および払出制御基板37からカードユニット50に返送される演算結果データも、8ビット毎に、図25(A)に示す形態で送信される。なお、ストップビットの長さは、データ1ビット分以上の長さである。2バイト以上のデータが続けて送信される場合には、各データの間に、1ビット分以上の長さのハイレベルの期間(ストップビットの期間)が置かれる。
【0132】
なお、図25に示す例は一例であって、他の通信方式を用いてもよい。
【0133】
また、この実施の形態では、カードユニット50から払出制御基板37に送られるデータを照合用情報要求コードといい、払出制御基板37から主基板31に送信されるデータを認証用データといい、主基板31から払出制御基板37に返送されるデータを認証データといい、払出制御基板37からカードユニット50に返送されるデータを照合データという。また、この実施の形態では、認証処理を実行することを照合を行うともいう。
【0134】
図26は、カードユニット50に搭載されているカードユニット制御用マイクロコンピュータの動作例を示すフローチャートである。カードユニット50への電力供給が開始されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、所定時間のディレイ時間をおいた後(ステップS249)、演算式受信処理を行う(ステップS250)。なお、所定時間は、パチンコ遊技機1における遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータが、セキュリティチェック処理を含む初期設定処理を完了し動作可能状態になるまでの時間よりも長い時間である。
【0135】
演算式受信処理とは、上位機器100から、カードユニット制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用CPU371が使用する新たな演算式を受信するための処理である。カードユニット制御用マイクロコンピュータは、演算式受信処理において、新たな演算式を受信したら、演算式を記憶するとともに払出制御用CPU371に新たな演算式を送信する制御を行う。払出制御用CPU371は、新たな演算式を受信したら、それを記憶する。以後、カードユニット50からの認証要求(照合用情報要求コードの受信)に応じて、新たな演算式を使用して認証のための処理を行う。
【0136】
次いで、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、認証処理を行う(ステップS251)。認証処理が終了すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、通常の制御状態に移行する。すなわち、カードユニット制御用マイクロコンピュータが実行するプログラムは、認証処理プログラムの実行が完了すると、通常のカードユニット制御プログラムが実行されるように構成されている。通常の制御状態において、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、ICカードが挿入されたか否かを、カードユニット50に内蔵されているICカードリーダ/ライタを介して認識する(ステップS252)。ICカードが挿入されたことを認識すると、それが認証指定カードであるか否か確認する(ステップS253)。認証指定カードには、例えば、一般の球貸し用のプリペイドカードとは異なるデータが書き込まれているICカードである。カードユニット制御用マイクロコンピュータは、そのデータを読み取ることによって、認証指定カードが挿入されたと認識することができる。
【0137】
認証指定カードが挿入されたと認識した場合には、認証処理を実行する(ステップS254)。また、あらかじめ決められている所定の時刻になっていれば認証処理を行う(ステップS253A)。所定の時刻は、例えば、1日に1回到来する時刻である。もちろん、1日に複数回の所定の時刻が決められていてもよい。例えば、1日において定期的(例えば1時間毎)に認証処理を実行するようにしてもよい。
【0138】
挿入されたICカードが認証指定カードでなく、あらかじめ決められている所定の時刻でもない場合には、遊技者による球貸し操作がなされると(ステップS255)、球貸し処理を実行する(ステップS256)。球貸し処理は、パチンコ遊技機1の払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371と必要な通信を行いつつ、払出制御用CPU371に球払出を要求する処理である。払出制御用CPU371は、要求に応じて、球払出装置97を駆動し、球貸しのための遊技球の払出を行う。
【0139】
球貸し操作がなされていない場合、または、カードが挿入されていない場合に、上位機器100から認証要求信号を受信すると(ステップS257)、認証処理を実行する(ステップS258)。
【0140】
図27,図28は、ステップS251,S254,S258の認証処理の一例を示すフローチャートである。認証処理において、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、パチンコ遊技機1の払出制御基板37に対して、01(H)のヘッダを、図25(A)に例示したような形態で送信する(ステップS260)。例えば、出力ポートを介して、所定時間(1ビットの送信に相当する時間)毎に、スタートビットおよび1バイトのデータを構成する各ビットを順次出力し、次いで、ストップビットを出力する。
【0141】
続いて、照合用情報要求コードとしてあらかじめ決められている所定長のデータを払出制御基板37に対して送信し(ステップS261)、監視タイマをセットする(ステップS262)。監視タイマのタイムアウト時間は、払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371がカードユニット50からデータを受信し演算を行って演算結果を送信するのに十分な時間である。そして、監視タイマのタイムアウトを監視しつつ(ステップS264)、払出制御基板37からの演算結果(照合用データ)の受信完了を待つ(ステップS263)。この例では、払出制御基板37からも、図25(A)に例示された形態でデータが送られてくる。カードユニット制御用マイクロコンピュータは、例えば入力ポートを介して払出制御基板37からのデータを受信する。
【0142】
演算結果のデータを全て受信したら、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、演算結果の検証処理を行う(ステップS265)。なお、受信されている演算結果は、払出制御用マイクロコンピュータによる演算結果である。
【0143】
払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、01(H)のヘッダを受信したら、それに続いて受信した照合用情報要求コードに対して所定の演算を行い、演算結果をカードユニット50に対して送信する。払出制御用CPU371が実行する所定の演算として、例えば、受信した照合用情報要求コードを秘密鍵を用いて暗号化する演算がある。具体的な暗号化のための演算として排他的論理和演算が用いられる。払出制御用CPU371が照合用情報要求コードを秘密鍵を用いて暗号化する演算を行って演算結果を返送してきた場合には、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、ステップS265において、演算結果を、秘密鍵(払出制御用CPU371が用いたものと同一の秘密鍵)を用いて復号化し、復号結果が、最初の払出制御基板37に送信した照合用情報要求コードと一致した場合に、払出制御基板37から返送された演算結果は正当であったと判断することができる。
【0144】
なお、演算の方法は上記の方法に限られず、他の演算を用いてもよい。また、演算によって制御用マイクロコンピュータの認証を行う場合には、遊技機メーカや第三者機関において管理される遊技機の管理情報(図17参照)において、演算式が遊技機製造番号等と対応付けられて管理される。
【0145】
演算結果が正当であった場合には、払出制御用CPU(払出制御用マイクロコンピュータ)371が正当であることを記憶する(ステップS266,S267)。また、演算結果が正当でなかった場合には払出制御用CPU371が正当でないことを記憶する(ステップS268)。また、ステップS264で監視タイマがタイムアウトした場合にも払出制御用CPU371が正当でないことを記憶する(ステップS268)。従って、不正な制御用マイクロコンピュータが遊技機に搭載され、そのマイクロコンピュータが認証のための演算機能を有していない場合には演算結果を返送してこないが、その場合にも、カードユニット50の側で、遊技機に搭載されている払出制御用CPU371が正当でないことを検知することができる。
【0146】
払出制御用CPUから、CPU56が正当でない旨を示すデータが送信されていたら(ステップS269)、CPU56が正当でない旨を記憶する(ステップS270)。なお、後述するように、払出制御用CPU371は、カードユニット50から照合用情報要求コードを受信した場合に、CPU56の認証処理を行っている。そして、CPU56が正当でないことを検出したら、カードユニット50に対して、CPU56が正当でない旨を示すデータを送信する。
【0147】
そして、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、ステップS267、S268およびS270において記憶した内容を、上位機器100に送信する(ステップS272)。さらに、制御用マイクロコンピュータ(払出制御用CPU371およびCPU56またはいずれか一方)が正当でなかった場合には、球貸し処理を禁止する。例えば、払出制御基板37に対するVL信号をオフにしたり、または、球貸し操作がなされてもBRDY信号を出力しない(オン状態にしない)ようにする。
【0148】
図29は、払出制御用CPU371が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、払出制御用CPU371は、まず、必要な初期設定を行う。すなわち、払出制御用CPU371は、まず、割込禁止に設定する(ステップS701)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS702)、スタックポインタにスタック領域の先頭アドレスを設定する(ステップS703)。また、払出制御用CPU371は、内蔵デバイスレジスタの初期化を行い(ステップS704)、CTCおよびPIOの初期化(ステップS705)を行った後に、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS706)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
【0149】
この実施の形態では、内蔵CTCのうちの一つのチャネルがタイマモードで使用される。従って、ステップS704の内蔵デバイスレジスタの設定処理およびステップS705の処理において、使用するチャネルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行われる。そして、そのチャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タイマ割込を例えば2ms毎に発生させたい場合は、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0150】
次いで、払出制御用CPU371は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS707)。その確認においてオンを検出した場合には、払出制御用CPU371は、通常の初期化処理を実行する(ステップS711〜ステップS714)。
【0151】
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、払出制御用CPU371は、払出制御用のバックアップRAM領域にバックアップデータが存在しているか否かの確認を行う(ステップS708)。例えば、主基板31のCPU56の処理と同様に、遊技機への電力供給停止時にセットされるバックアップフラグがセット状態になっているか否かによって、バックアップデータが存在しているか否か確認する。バックアップフラグがセット状態になっている場合には、バックアップデータありと判断する。
【0152】
バックアップありを確認したら、払出制御用CPU371は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う。不測の停電等の電力供給の停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されていたはずであるから、チェック結果は正常になる。チェック結果が正常でない場合には、内部状態を電力供給の停止時の状態に戻すことができないので、不足の停電等からの復旧時ではなく電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0153】
チェック結果が正常であれば(ステップS709)、払出制御用CPU371は、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための払出状態復旧処理を行う(ステップS710)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の指すアドレスに復帰する。
【0154】
初期化処理では、払出制御用CPU371は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS711)。そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるように払出制御用CPU371に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS712)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。そして、初期設定処理のステップS701において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS714)。
【0155】
この実施の形態では、払出制御用CPU371の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。この実施の形態では、繰り返し周期は2msに設定される。そして、タイマ割込が発生すると、タイマ割込があったことを示すタイマ割込フラグがセットされる。そして、メイン処理において、払出制御用CPU371は、タイマ割込フラグがセットされたことを検出したら(ステップS716)、タイマ割込フラグをリセットするとともに(ステップS751)、払出制御処理(ステップS752〜S762)を実行する。
【0156】
払出制御処理において、払出制御用CPU371は、まず、入力ポート372bに入力される払出カウントスイッチ301等のスイッチがオンしたか否かを判定する(スイッチ処理:ステップS752)。
【0157】
次に、払出制御用CPU371は、満タンスイッチ48や球切れスイッチ187がオンしていたら払出禁止状態に設定し、満タンスイッチ48および球切れスイッチ187がオフしていたら払出禁止状態の解除を行う(払出禁止状態設定処理:ステップS753)。また、主基板31受信した払出制御コマンドを解析し、解析結果に応じた処理を実行する(コマンド解析実行処理:ステップS754)。さらに、プリペイドカードユニット制御処理を行う(ステップS755)。
【0158】
次いで、払出制御用CPU371は、球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行う(ステップS756)。さらに、払出制御用CPU371は、賞球を払い出す賞球制御処理を行う(ステップS757)。そして、出力ポート372cおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に対して駆動信号を出力し、所定の回転数分払出モータ289を回転させる払出モータ制御処理を行う(ステップS758)。また、遊技球を発射するための発射装置における発射モータ(駆動モータ94)を回転可能にするか回転不能にするかを決定する発射モータ制御処理を行う(ステップS759)。具体的には、回転可能にする場合には発射制御信号をオン状態にし、回転不能にする場合には発射制御信号をオフ状態にする。
【0159】
次いで、エラー検出処理を行い、その結果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行う(エラー処理:ステップS760)。また、遊技機外部に出力される球貸し個数信号を出力する処理等を行う(出力処理:ステップS761)。次いで、主基板31からの払出制御コマンドを受信するコマンド受信処理を行う(ステップS762)。そして、ステップS715に戻る。
【0160】
図30は、図23(A)に示された払出制御用CPU371に内蔵されている制御回路313が実行する照合処理を示すフローチャートである。なお、ここでは、フローチャートで制御回路313が実行する照合処理を示すが、制御回路313はハードウェア回路で構成されている。照合処理において、制御回路313は、カードユニット50からの通信線においてスタートビットが現れたら(ステップS771)、認証処理を実行する(ステップS772)。また、主基板31からの通信においてスタートビットが現れたら(ステップS773)、演算結果送受信処理を実行する(ステップS774)。
【0161】
図31は、ステップS774の演算結果送受信処理の一例を示すフローチャートである。演算結果送受信処理において、制御回路313は、主基板31から送られてくる認証データとしての演算結果を受信完了したら(ステップS745)、受信した演算結果にもとづいてCPU56が正当なものであるか否かを検証し(ステップS746)、検証結果(正当または非正当)をカードユニット50に送信する(ステップS747)。すなわち、制御回路313は、検証結果(正当または非正当)を、カードユニット50に接続され遊技に使用された遊技使用価値を管理する上位機器100に送信させるためにカードユニット50に対して送信する。さらに、制御回路313は、検証結果が正当でなかった場合には、内部割込を発生させる。払出制御用CPU371のCPUコアは、内部割込の発生によって、CPU56が正当なものでなかったことを知る。
【0162】
なお、制御回路313は、主基板31から演算結果を、例えば秘密鍵(CPU56が用いたものと同一の秘密鍵)を用いて復号化し、復号結果が、CPU56に送信した認証用データと一致した場合に、CPU56から返送された演算結果は正当であったと判断することができる。すなわち、CPU56が正当なものであると判断することができる。また、主基板31から送られてくる認証データとしての演算結果は、シリアル−パラレル変換器373Dを介して払出制御用CPU371に伝達される(図23(A)参照)。
【0163】
さらに、払出制御用CPU371は、CPU56が正当なものではないと検証したら、払出禁止状態フラグをセットする(ステップS748)。払出禁止状態フラグがセットされている場合には、払出制御処理におけるステップS756,S757(球貸し制御処理および賞球制御処理)において、払出処理を実行しない。また、払出制御処理におけるステップS759(発射モータ制御処理)において、発射制御信号をオフ状態にする。すなわち、遊技球の発射を停止する。なお、ステップS748の処理は、実際には、制御回路313が実行するのではなく、内部割込によってCPU56が正当なものでないことを知った払出制御用CPU371のCPUコアが実行する処理である。
【0164】
図32は、ステップS772の認証処理の一例を示すフローチャートである。認証処理において、制御回路313は、カードユニット50から1バイト目のデータを受信完了した場合には(ステップS731)、受信データを記憶する(ステップS732)。1バイト目のデータはヘッダである(図25参照)。ヘッダに続く所定長の認証用データを受信完了したら(ステップS733)、ステップS732において記憶されている受信データ(ヘッダ)を確認し、受信データが01(H)であれば(ステップS734)、すなわち、照合用情報要求コードを受信していたら、あらかじめ記憶している認証用データを主基板31に送信する(ステップS735)。また、受信されている照合用情報要求コードに対して、記憶している演算式もとづく演算を実行し(ステップS736)、演算結果をカードユニット50に送信する(ステップS737)。なお、認証用データは、プログラム領域とは異なる領域(具体的には図23(A)に示された記憶回路314)に記憶されている。
【0165】
ステップS736において制御回路313が実行する所定の演算として、例えば、受信した認証用データを秘密鍵を用いて暗号化する演算がある。具体的な暗号化のための演算として例えば排他的論理和演算が用いられる。すなわち、受信した認証用データのビット列に対して秘密鍵(演算式)を構成するデータのビット列との排他的論理和をとる。
【0166】
ステップS734において、受信データが01(H)でない場合に、受信データが02(H)であれば(ステップS738)、照合用情報要求コードに対して施す演算式(新たな演算式)であると判断し、受信した演算式を記憶する(ステップS739)。以後、照合用情報要求コードをカードユニット50から受信したら、新たな演算式によって演算を行う。受信データが02(H)でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ56の認証に用いる演算式であると判断し、その演算式を、シリアル-パラレル変換器373Dを介して主基板31に送信する(ステップS740)。なお、この実施の形態では、主基板31との間の通信も、図25(A)に示されたような形態で実行される。なお、演算式は、払出制御用CPU371において、プログラム領域とは異なる領域(具体的には記憶回路314)に記憶される。
【0167】
図33は、主基板31におけるCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、セキュリティチェックプログラムを実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0168】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
【0169】
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS15)。
【0170】
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような保護処理が行われていた場合をバックアップありとする。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。
【0171】
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。遊技機への電力供給が停止する際に実行される電力供給停止時処理において、チェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0172】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。遊技状態復旧処理においてPCが電力供給停止時前の状態に復元され、かつ、各種データ(例えば各乱数を生成するためのカウンタ)がバックアップRAMに保存されていることから、遊技機への電力供給が停止した後所定時間(バックアップRAMのデータ保持可能期間)内に電力供給が復旧すれば、例えば、後述する判定用乱数、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値は、電力供給停止時前の状態から継続されることになる。
【0173】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、球払出装置97からの払出が可能であることを指示する払出許可状態指定コマンドを払出制御基板37に対して送信する処理を行う(ステップS13)。また、他のサブ基板(例えば演出柄制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
【0174】
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS15)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0175】
初期化処理の実行(ステップS11〜S15)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態になっているので、それらの乱数更新処理が実行されている最中に後述する2msタイマ割込が生じ割込処理で乱数更新処理が実行され、カウント値に矛盾が生じてしまうことが防止される。
【0176】
表示用乱数とは、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数等であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値(最大値を越えて値が戻された後の値)を決定するための乱数である。
【0177】
タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図34に示すステップS21〜S32の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0178】
次いで、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:ステップS22)。
【0179】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、さらに、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS24,S25)。
【0180】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0181】
次いで、CPU56は、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送信する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS28)。また、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送信する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS29)。
【0182】
さらに、CPU56は、例えばホールコンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
【0183】
また、CPU56は、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS31)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動する。
【0184】
そして、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0185】
その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS34)、割込許可状態に設定する(ステップS35)。
【0186】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0187】
図35は、図23(B)に示されたCPU56に内蔵されている制御回路591が実行する照合処理を示すフローチャートである。なお、ここでは、フローチャートで制御回路5913が実行する照合処理を示すが、制御回路591はハードウェア回路で構成されている。照合情報入出力処理において、制御回路591は、シリアル−パラレル変換器67Bを介して払出制御基板37から認証用の信号を受信した場合には(ステップS41)、受信データが03(H)であれば(ステップS42)、払出制御基板37からの認証用データに対して施す演算式(新たな演算式)であると判断し、受信した演算式を記憶回路592に記憶する(ステップS44)。以後、払出制御基板37からの認証用データを受信したら、新たな演算式によって演算を行う。受信データが03(H)でなければ、認証処理を実行する(ステップS43)。なお、払出制御用CPU371は、カードユニット50からヘッダが03(H)のデータを受信したら、ヘッダとともにデータを主基板31に送信する。また、演算式は、CPU56において、プログラム領域とは異なる領域(具体的には記憶回路592)に記憶される。
【0188】
図36は、ステップS43の認証処理を示すフローチャートである。認証処理において、制御回路591は、払出制御基板37からの所定長のデータ(払出制御用CPU37が送信した認証用データ)の受信が完了すると(ステップS51)、受信した所定長のデータに対して、あらかじめ記憶している演算式にもとづく演算を実行し(ステップS52)、演算結果を認証データとして払出制御基板37に送信する(ステップS53)。
【0189】
ステップS52において制御回路591が実行する所定の演算として、例えば、受信した認証用データを秘密鍵を用いて暗号化する演算がある。具体的な暗号化のための演算として例えば排他的論理和演算が用いられる。すなわち、受信した認証用データのビット列に対して秘密鍵を構成するデータのビット列との排他的論理和をとる。
【0190】
図37は、以上に説明したカードユニット50におけるカードユニット制御用マイクロコンピュータ、払出制御用CPU371における制御回路313およびCPU56における制御回路591が実行する認証処理を示すタイミング図である。図37に示すように、カードユニット50から払出制御基板37に対してヘッダ01(H)および所定長のデータ(照合用情報要求コード)が送信される。払出制御基板37においてそれらのデータが受信されると、制御回路313は、主基板31に対して認証用データを送信する。主基板31において制御回路591は、認証用データに対して所定の演算を施して演算結果を認証データとして払出制御基板37に返送する。制御回路313は、受信した認証データにもとづいてCPU56が正当なものか否かを判定し、判定結果をカードユニット50に送信する。また、制御回路313は、カードユニット50から照合用情報要求コードを受信したことを契機として、受信した照合用情報要求コードに対して所定の演算を施して演算結果を照合データとしてカードユニット50に返送する。
【0191】
なお、上述した説明では、制御回路313が、主基板31に対して認証用データを送信するタイミングと、自身が照合用情報要求コードに対して所定の演算処理を実行するタイミングとの前後関係に特に言及しなかったが、いずれが先であってもよい。
【0192】
カードユニット50においてカードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37から受信した照合データにもとづいて払出制御用CPU371が正当なものであるのか否か検証する。そして、検証結果と、払出制御用CPU371における制御回路313が行ったCPU56の検証結果とを上位機器100に送信する。
【0193】
なお、この実施の形態では、払出制御用CPU371における制御回路313が、カードユニット50から照合用情報要求コードを受信したことにもとづいて自動的にCPU56の検証を行い、検証結果(正当または非正当)をカードユニット50に送信したが、カードユニット50におけるカードユニット制御用マイクロコンピュータ自体が、払出制御用CPU371を介してCPU56の検証を行ってもよい。図38は、カードユニット制御用マイクロコンピュータ自体が、払出制御用CPU371を介してCPU56の検証を行う場合のカードユニット制御用マイクロコンピュータ、払出制御用CPU371における制御回路313およびCPU56における制御回路591が実行する認証処理を示すタイミング図である。
【0194】
図38に示す例では、カードユニット50から払出制御基板37に対してヘッダおよび所定長のデータ(払出制御用の照合用情報要求コード)が送信される。払出制御基板37においてそれらのデータが受信されると、制御回路313は、演算を実行し、演算結果をカードユニット50に送信する。カードユニット制御用マイクロコンピュータは、演算結果にもとづく検証(払出制御用マイクロコンピュータの検証)を行うとともに、払出制御基板37に対してヘッダおよび所定長のデータ(遊技制御用の照合用情報要求コード)を送信する。払出制御基板37においてそれらのデータが受信されると、制御回路313は、所定長のデータ(認証用データ)を主基板31に送信する。主基板31においてそれらのデータが受信されると、制御回路591は、演算を実行し、演算結果を払出制御基板37に送信する。払出制御基板37において主基板31からの演算結果が受信されると、払出制御用CPU371は、その演算結果そのものをカードユニット50に送信する。そして、カードユニット制御用マイクロコンピュータが、その演算結果にもとづく検証(遊技制御用マイクロコンピュータの検証)を行う。そして、カードユニット50のカードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御用マイクロコンピュータの検証結果および遊技制御用マイクロコンピュータの検証結果を上位機器100に送信する。
【0195】
以上に説明したように、この実施の形態では、カードユニット50におけるカードユニット制御用マイクロコンピュータが、遊技機において遊技機の動作に関わる電気的制御を実行する払出制御用CPU371における電気的制御(払出制御)と独立して通信制御を行う通信部(I/Oポート372fおよびステップS715のプログラム)と通信を行う情報通信手段(カードユニット制御用マイクロコンピュータにおける照合用情報要求コードを送信するとともに払出制御用CPU371からデータを受信するプログラム、および照合用情報要求コードとデータとを入出力するI/Oポート)と、情報通信手段による通信を用いて払出制御用CPU371が正規のものであるか否かを認証するための認証処理を実行する認証制御手段(カードユニット制御用マイクロコンピュータにおける演算を実行するプログラム)とを含み、認証制御手段が、情報通信手段によって払出制御用CPU371に対して照合データを出力させるための照合用情報要求コードを出力するとともに、払出制御用CPU371から返送されたデータを用いて払出制御用CPU371における制御回路313およびCPU56における制御回路591が正規のものであるか否かを判定するように構成される。
【0196】
また、カードユニット制御用マイクロコンピュータにおける認証制御手段は、受け入れたカードが所定の認証指定記録媒体であった場合に認証処理を実行したり(ステップS253)、電力供給が開始されたことにもとづいて認証処理を実行したり(ステップS251)、稼働中に定期的に認証処理を実行する(ステップS253A)。また、認証制御手段は、遊技機に設けられている複数の制御装置、例えば払出制御用CPU371とCPU56)の認証処理を実行可能に構成されている。また、カードユニット50は、遊技に使用された遊技使用価値を管理する上位機器100と通信可能であり、認証制御手段が、認証処理によって制御装置が正規のものでないと判定した場合に、その旨を示す情報を上位機器100に対して送信する。以上のような構成によって、設置コストをさほど増大させることなく、また、遊技店員の手間をかけることなく、遊技機において正規のマイクロコンピュータとは異なるマイクロコンピュータのもとで遊技が行われることを防止することができる記録媒体処理装置(この例ではカードユニット50)が実現される。
【0197】
さらに、認証制御手段が制御装置が正規のものでないと判定した場合には、カードユニット50は、プリペイドカードに記録されている価値を遊技機での遊技に使用できる遊技使用価値に変換するための制御を停止する。具体的には、VL信号を未接続を示す状態に設定する。また、球貸しスイッチ62が押下されても受け付けない状態になる。従って、不正マイクロコンピュータによって不正に遊技が続行されてしまうことが防止される。
【0198】
また、認証制御手段は、制御装置から読み取られた照合データと、記憶している認証用情報(例えばカードユニット50において記憶されている演算式)とにもとづいて制御装置が正規のものであるか否かを判定し、上位機器100から受信した認証用情報(例えば新たな演算式)を記憶するので、認証用情報を適宜変更することができる。さらに、カードユニット制御用マイクロコンピュータにおける情報通信手段は、照合用情報要求コードとして所定の符号を送信し、遊技機の制御装置における電気的制御を行う部分とは独立して設けられている演算部(この例では、払出制御用CPU371における制御回路313が実行する認証処理における演算を実行するプログラム)が所定の符号にもとづいて演算した演算結果情報を照合データとして受信し、受信された演算結果情報が正しいか否かによって制御装置が正規のものであるか否かを判定するので、認証のためのデータを盗まれにくくすることができる。
【0199】
また、遊技機は、遊技機の動作に関わる電気的制御を実行するとともに、遊技機の近傍に設置され記録媒体に記録されている価値を遊技機での遊技に使用できる遊技使用価値に変換するための処理を行う記録媒体処理装置と通信可能に接続される第1の制御用マイクロコンピュータに相当する払出制御用CPU371と、払出制御用CPU371が搭載されている払出制御基板37とは異なる基板である主基板31に搭載され遊技機の動作に関わる電気的制御を実行する第2の制御用マイクロコンピュータに相当するCPU56とを備え、払出制御用CPU371が、照合データを出力させるための照合用情報要求コードを記録媒体処理装置(この例ではカードユニット50)から受信すると、払出制御用CPU371が正規のものであるか否かを記録媒体処理装置が判定するための照合データを記録媒体処理装置に送信するとともに、CPU56に認証データを出力させるための認証情報要求信号(この例では認証用データ)を送信する情報送信手段(信号出力回路373Dおよび認証処理におけるステップS735の処理のプログラム)と、CPU56から送信された認証データにもとづいてCPU56が正規のものであるか否かを判定する認証手段(照合処理におけるステップS746の処理のプログラム)とを含み、CPU56が、認証情報要求信号を受信すると、認証データを払出制御用CPU371に送信する認証情報送信手段(信号出力回路68Bおよび認証処理におけるステップS53の処理のプログラム)を含むように構成されている。
【0200】
払出制御用マイクロコンピュータ371において、払出制御を行う部分(CPUコア)と認証の処理を行う部分(図23(A)に示す認証回路332)とは独立している。また、図22に示されたように、払出制御基板37において、払出制御コマンドの送受信のための入力回路373Aおよび出力回路373Bと認証用の情報の送受信のためのシリアル−パラレル変換器373Dとは別個に設けられている。さらに、認証用の情報の送受信のための端子(例えばコネクタのピン)と払出制御コマンドの送受信のための端子とは別である。また、遊技制御用マイクロコンピュータ56において、遊技制御を行う部分(CPUコア)と認証の処理を行う部分(図23(B)に示す認証回路590)とは独立している。また、図22に示されたように、主基板31において、払出制御コマンドの送受信のための入力回路68および出力回路67と認証用の情報の送受信のためのシリアル−パラレル変換器67Bとは別個に設けられている。さらに、認証用の情報の送受信のための端子(例えばコネクタのピン)と払出制御コマンドの送受信のための端子とは別である。
【0201】
従って、遊技制御用マイクロコンピュータ56および払出制御用マイクロコンピュータ371が遊技制御および払出制御を実行しているときでも、認証処理を実行することができる。
【0202】
また、払出制御用マイクロコンピュータ371における認証手段は、遊技制御用マイクロコンピュータ56が正規のものでないと判定した場合に、その旨を示す情報を、カードユニット50に接続され遊技に使用された遊技使用価値を管理する上位機器100に送信させるためにカードユニット50に対して送信する(ステップS747)。また、払出制御用マイクロコンピュータ371における情報送信手段は、認証情報要求信号(認証用データ)として所定の符号を送信し、遊技制御用マイクロコンピュータ56における認証情報送信手段は、所定の符号にもとづいて演算した演算結果情報を認証情報として送信し、払出制御用マイクロコンピュータ371における認証手段は、受信された演算結果情報が正しいか否かによって遊技制御用マイクロコンピュータ56が正規のものであるか否かを判定する。このような構成によって、払出制御用マイクロコンピュータ371は確実に遊技制御用マイクロコンピュータ56の認証処理を行うことができる。
【0203】
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ371における情報送信手段は、カードユニット50から照合用情報(この実施の形態では新たな認証用データおよびCPU56から受信した認証データを検証するための演算式)を受信すると、受信した照合用情報を、以降に受信する照合用情報要求コードに応じて送信する照合用情報として記憶する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ56における認証情報送信手段は、払出制御用マイクロコンピュータ371から認証情報要求信号(この実施の形態では認証用データ)を受信すると、記憶している認証用情報(例えば演算式)にもとづく認証情報(この実施の形態では認証データ)を払出制御用マイクロコンピュータ371に送信し、払出制御用マイクロコンピュータ371から認証用情報を受信すると、受信した認証用情報を、以降に受信する認証情報要求信号に応じて送信する認証情報のための認証用情報として記憶する。
【0204】
そして、認証用情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ56において遊技機の動作に関わる電気的制御を実行するためのプログラム(すなわち遊技制御プログラム)を記憶する記憶領域とは異なる記憶領域に記憶されている。また、照合用情報は、払出制御用マイクロコンピュータ371において遊技機の動作に関わる電気的制御を実行するためのプログラム(すなわち払出制御プログラム)を記憶する記憶領域とは異なる記憶領域に記憶されている。従って、払出制御用マイクロコンピュータ371において記憶される照合用情報や遊技制御用マイクロコンピュータ56において記憶される認証用情報を適宜変更することができる。また、プログラム領域とは異なる記憶領域に照合用情報や認証用情報を記憶している制御用マイクロコンピュータにもとづいて不正マイクロコンピュータを作成することは困難である。
【0205】
実施の形態3.
第1の実施の形態では、カードユニット50はICタグ441,541から認証データ(識別コードまたは演算結果)を読み取ることによって遊技制御用マイクロコンピュータ56および払出制御用マイクロコンピュータ371を認証する処理を行った。また、第2の実施の形態では、カードユニット50は払出制御用マイクロコンピュータ371と認証用の通信を行うことによって遊技制御用マイクロコンピュータ56および払出制御用マイクロコンピュータ371を認証する処理を行った。なお、払出制御用マイクロコンピュータ371は、遊技制御用マイクロコンピュータ56と認証用の通信を行うことによって遊技制御用マイクロコンピュータ56を認証する処理を行い、その結果をカードユニット50に通知していた。
【0206】
さらに、第1の実施の形態における認証方法と第2の実施の形態における認証方法とを併用してもよい。図39は、カードユニット50が、ICタグ441,541から識別コードを読み取ることによって遊技制御用マイクロコンピュータ56および払出制御用マイクロコンピュータ371を認証する処理を行うとともに、払出制御用マイクロコンピュータ371と認証用の通信を行うことによって遊技制御用マイクロコンピュータ56および払出制御用マイクロコンピュータ371を認証する処理を行う第3の実施の形態における認証用通信に関する通信線の接続状況を示すブロック図である。
【0207】
カードユニット50は、既に説明したような第1の実施の形態の場合と同様に、ICタグ441,541から識別コードを読み取ることによって遊技制御用マイクロコンピュータ56および払出制御用マイクロコンピュータ371を認証する処理を行う。また、既に説明したような第2の実施の形態の場合と同様に、払出制御用マイクロコンピュータ371と認証用の通信を行うことによって遊技制御用マイクロコンピュータ56および払出制御用マイクロコンピュータ371を認証する処理を行う。
【0208】
従って、この実施の形態では、カードユニット50におけるカードユニット制御用マイクロコンピュータが、遊技機の動作に関わる電気的制御を実行する制御装置としての遊技制御用マイクロコンピュータ56および払出制御用マイクロコンピュータ371が正規のものであるか否かを認証するための認証処理を実行する認証制御手段を含み、認証制御手段が、遊技制御用マイクロコンピュータ56および払出制御用マイクロコンピュータ371における認証用識別情報(この実施の形態では識別コード)を作成するための情報を記憶する識別情報記憶部(この実施の形態ではICタグ441,541)から認証用識別情報を読み取る読取手段(この実施の形態では読取部501,503)と、払出制御用CPU371における電気的制御(払出制御)と独立して通信制御を行う通信部(シリアル−パラレル変換器)と通信を行う情報通信手段(カードユニット制御用マイクロコンピュータにおける照合用情報要求コードを送信するとともに払出制御用CPU371からデータを受信するプログラム、および照合用情報要求コードとデータとを入出力するI/Oポート)と、認証制御手段が、情報通信手段によって払出制御用CPU371に対して照合データを出力させるための照合用情報要求コードを出力するとともに、読取手段が読み取った認証用識別情報および払出制御用CPU371から返送されたデータを用いて払出制御用CPU371およびCPU56が正規のものであるか否かを判定する認証手段とを含む。
【0209】
また、第1の実施の形態または第2の実施の形態の場合と同様に、カードユニット制御用マイクロコンピュータにおける認証制御手段は、電力供給が開始されたことにもとづいて認証処理を実行したり(ステップS251)、稼働中に定期的に認証処理を実行する(ステップS253A)。また、認証制御手段は、遊技機に設けられている複数の制御装置、例えば払出制御用CPU371とCPU56)の認証処理を実行可能に構成されている。また、カードユニット50は、遊技に使用された遊技使用価値を管理する上位機器100と通信可能であり、認証制御手段が、認証処理によって制御装置が正規のものでないと判定した場合に、その旨を示す情報を上位機器100に対して送信する。以上のような構成によって、設置コストをさほど増大させることなく、また、遊技店員の手間をかけることなく、遊技機において正規のマイクロコンピュータとは異なるマイクロコンピュータのもとで遊技が行われることを防止することができる記録媒体処理装置(この例ではカードユニット50)が実現される。
【0210】
さらに、認証制御手段が制御装置が正規のものでないと判定した場合には、カードユニット50は、プリペイドカードに記録されている価値を遊技機での遊技に使用できる遊技使用価値に変換するための制御を停止する。具体的には、VL信号を未接続を示す状態に設定する。また、球貸しスイッチ62が押下されても受け付けない状態になる。従って、不正マイクロコンピュータによって不正に遊技が続行されてしまうことが防止される。
【0211】
また、認証手段は、制御装置から読み取られた認証用識別情報と、記憶している認証用識別情報とを比較することによって制御装置が正規のものであるか否かを判定し、カードユニット50と通信可能であり遊技に使用された遊技使用価値を管理する上位機器100から受信した認証用識別情報を記憶する。このような構成によって、認証用識別情報を適宜変更することができる。
【0212】
また、第2の実施の形態の場合と同様に、認証制御手段は、制御装置から読み取られた照合データと、記憶している認証用情報(例えばカードユニット50において記憶されている演算式)とにもとづいて制御装置が正規のものであるか否かを判定し、上位機器100から受信した認証用情報(例えば新たな演算式)を記憶するので、認証用情報を適宜変更することができる。さらに、カードユニット制御用マイクロコンピュータにおける情報通信手段は、照合用情報要求コードとして所定の符号を送信し、遊技機の制御装置における電気的制御を行う部分とは独立して設けられている演算部(この例では、払出制御用CPU371が実行する認証処理における演算を実行するプログラム)が所定の符号にもとづいて演算した演算結果情報を照合データとして受信し、受信された演算結果情報が正しいか否かによって制御装置が正規のものであるか否かを判定するので、認証のためのデータを盗まれにくくすることができる。
【0213】
また、第1の実施の形態の変形例として説明したように、読取部501,503は、ICタグ441,541に所定の符号を送信し、所定の符号にもとづいてICタグ441,541が演算した演算結果情報を認証用識別情報(認証データ)として受信し、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、受信された演算結果情報が正しいか否かによってCPU56および払出制御用CPU371が正規のものであるか否かを判定することができる。
【0214】
さらに、この実施の形態では、以下のような特有の効果を奏する構成を採用することもできる。すなわち、カードユニット制御用マイクロコンピュータを、読取部501,503が読み取った識別コードと、払出制御用CPU371から送信された照合データとを用いて所定の演算を行い、演算の結果があらかじめ定められた所定値と一致するか否かによりCPU56および払出制御用CPU371が正規のものであるか否かを判定するように構成することもできる。そのように構成されている場合には、認証の信頼性をさらに向上させることができる。
【0215】
また、CPU56および払出制御用CPU371が正規のものである場合の識別コードと照合データとにもとづく演算の結果が、いずれの遊技機における制御装置においても常に同じになるように、ICタグ441,541の識別コードと払出制御用CPU371が記憶する照合データ(払出制御用CPU371が演算結果ではなく、記憶している情報をそのまま出力する場合)とを設定することもできる。なお、「常に同じ」とは、いずれの遊技機における識別コードおよび照合データを用いて演算を行っても、同じ演算結果になることである。そのような設定を行えば、遊技店における遊技機の入れ替えがあっても、カードユニット50またはカードユニット50に記憶される情報を変更する必要はない。
【0216】
なお、第1の実施の形態および第3の実施の形態において、カードユニット50は、ICタグ441の認証用識別情報(識別コードまたは演算式)とICタグ541の認証用識別情報(識別コードまたは演算式)とを対応付けて記憶している。
【0217】
また、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機1は、始動入賞にもとづいて可変表示部9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。また、パチンコ遊技機に限られず、スロット機等においても本発明を適用することができる。
【0218】
【発明の効果】
以上のように、発明では、遊技機を、第1の制御用マイクロコンピュータが、照合用情報要求信号を記録媒体処理装置から受信すると、記録媒体処理装置が第1の制御用マイクロコンピュータが正規のものであるか否かを判定するための照合用情報を記録媒体処理装置に送信するとともに、第2の制御用マイクロコンピュータに認証情報を出力させるための認証情報要求信号を送信する情報送信手段と、第2の制御用マイクロコンピュータから送信された認証情報にもとづいて第2の制御用マイクロコンピュータが正規のものであるか否かを判定する認証手段とを含み、第2の制御用マイクロコンピュータが、認証情報要求信号を受信すると、認証情報を第1の制御用マイクロコンピュータに送信する認証情報送信手段を含む構成にしたので、遊技店員の手間をかけることなく、遊技機において正規のマイクロコンピュータとは異なるマイクロコンピュータのもとで遊技が行われることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】 遊技盤の前面を示す正面図である。
【図3】 遊技機を裏面から見た背面図である。
【図4】 遊技制御基板ボックスを簡略化して示す正面図である。
【図5】 遊技制御用マイクロコンピュータを示す正面図である。
【図6】 遊技制御用マイクロコンピュータの断面図である。
【図7】 (A)はICタグの構造を示す平面図、(B)は、ICタグにおける電子回路部の回路構成の一例を示すブロック図である。
【図8】 パッケージに貼付されたICタグを示す説明図である。
【図9】 ICタグに記憶されている識別コードの読み取り方法の一例を示す説明図である。
【図10】 ICタグに記憶されている識別コードの読み取り方法の他の例を示す説明図である。
【図11】 遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。
【図12】 払出制御基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図13】 カードユニットの構成をパチンコ遊技機における球貸しに関する構成要素とともに示すブロック図である。
【図14】 読取部の電気的構成を示すブロック図である。
【図15】 第1の実施の形態における認証用通信に関する通信線の接続状況を示すブロック図である。
【図16】 識別用の情報入出力の際の信号の流れを示す説明図である。
【図17】 管理装置で管理される遊技機の管理情報の一例を示す説明図である。
【図18】 ICタグに送信される認証のためのデータ、ICタグからカードユニットに返送される認証情報データの一構成例を示す説明図である。
【図19】 第1の実施の形態におけるカードユニット制御処理を示すフローチャートである。
【図20】 カードユニット制御用マイクロコンピュータが実行する認証処理を示すフローチャートである。
【図21】 カードユニット制御用マイクロコンピュータが実行する認証処理を示すフローチャートである。
【図22】 払出制御基板の他の回路構成例を示すブロック図である。
【図23】 認証回路の回路構成例を示すブロック図である。
【図24】 第2の実施の形態における認証用通信に関する通信線の接続状況を示すブロック図である。
【図25】 カードユニットから払出制御基板に送信される認証のためのデータ、払出制御用CPUが照合用情報要求コードに施す演算の演算式を示すデータ、払出制御用CPUが主基板のCPUを認証するために用いる演算の演算式を示すデータの一構成例を示す説明図である。
【図26】 第2の実施の形態におけるカードユニット制御処理を示すフローチャートである。
【図27】 カードユニット制御用マイクロコンピュータが実行する認証処理を示すフローチャートである。
【図28】 カードユニット制御用マイクロコンピュータが実行する認証処理を示すフローチャートである。
【図29】 払出制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図30】 払出制御用CPUが実行する照合処理を示すフローチャートである。
【図31】 払出制御用CPUが実行する演算結果送受信処理を示すフローチャートである。
【図32】 払出制御用CPUが実行する認証処理を示すフローチャートである。
【図33】 主基板のCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図34】 主基板のCPUが実行するタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図35】 主基板のCPUが実行する照合情報入出力処理を示すフローチャートである。
【図36】 主基板のCPUが実行する認証処理を示すフローチャートである。
【図37】 カードユニット制御用マイクロコンピュータ、払出制御用CPUおよび主基板のCPUが実行する認証処理を示すタイミング図である。
【図38】 カードユニット制御用マイクロコンピュータ、払出制御用CPUおよび主基板のCPUが実行する認証処理の他の例を示すタイミング図である。
【図39】 第3の実施の形態における認証用通信に関する通信線の接続状況を示すブロック図である。
【符号の説明】
31 主基板(遊技制御基板)
37 払出制御基板
50 カードユニット
56 遊技制御用マイクロコンピュータ(CPU)
67B シリアル−パラレル変換器
160 カードユニット制御部
313 制御回路
314 記憶回路
332 認証回路
371 払出制御用マイクロコンピュータ(払出制御用CPU)
373C シリアル−パラレル変換器
373D シリアル−パラレル変換器
590 制御回路
591 記憶回路
592 認証回路

Claims (2)

  1. 遊技者が所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、
    遊技機の動作に関わる電気的制御を実行するとともに、遊技機の近傍に設置され記録媒体に記録されている情報により特定される価値を遊技機での遊技に使用できる遊技使用価値に変換するための処理を行う記録媒体処理装置と通信可能に接続される第1の制御用マイクロコンピュータと、
    前記第1の制御用マイクロコンピュータが搭載されている基板とは異なる基板に搭載され、遊技機の動作に関わる電気的制御を実行する第2の制御用マイクロコンピュータとを備え、
    前記第1の制御用マイクロコンピュータは、
    照合用情報を出力させるための照合用情報要求信号を前記記録媒体処理装置から受信すると、前記記録媒体処理装置が前記第1の制御用マイクロコンピュータが正規のものであるか否かを判定するための照合用情報を前記記録媒体処理装置に送信するとともに、前記第2の制御用マイクロコンピュータに認証情報を出力させるための認証情報要求信号を送信する情報送信手段と、
    前記第2の制御用マイクロコンピュータから送信された認証情報にもとづいて前記第2の制御用マイクロコンピュータが正規のものであるか否かを判定する認証手段とを含み、
    前記第2の制御用マイクロコンピュータは、
    前記認証情報要求信号を受信すると、認証情報を前記第1の制御用マイクロコンピュータに送信する認証情報送信手段を含み、
    前記第1の制御用マイクロコンピュータは、前記遊技機の動作に関わる電気的制御として遊技において発生した入賞に応じて景品遊技媒体を払い出す払出制御と、遊技に供される遊技媒体の発射に関わる制御とを実行し、
    前記認証手段によって前記第2の制御用マイクロコンピュータが正規のものでないと判定された場合には払出制御を停止するとともに遊技媒体の発射を停止させる
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 遊技者が所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、
    遊技機の動作に関わる電気的制御を実行するとともに、遊技機の近傍に設置され記録媒体に記録されている情報により特定される価値を遊技機での遊技に使用できる遊技使用価値に変換するための処理を行う記録媒体処理装置と通信可能に接続される第1の制御用マイクロコンピュータと、
    前記第1の制御用マイクロコンピュータが搭載されている基板とは異なる基板に搭載され、遊技機の動作に関わる電気的制御を実行する第2の制御用マイクロコンピュータとを備え、
    前記第1の制御用マイクロコンピュータは、
    照合用情報を出力させるための照合用情報要求信号を前記記録媒体処理装置から受信すると、前記記録媒体処理装置が前記第1の制御用マイクロコンピュータが正規のものであるか否かを判定するための照合用情報を前記記録媒体処理装置に送信するとともに、前記第2の制御用マイクロコンピュータに認証情報を出力させるための認証情報要求信号を送信する情報送信手段と、
    前記第2の制御用マイクロコンピュータから送信された認証情報にもとづいて前記第2の制御用マイクロコンピュータが正規のものであるか否かを判定する認証手段とを含み、
    前記第2の制御用マイクロコンピュータは、
    前記認証情報要求信号を受信すると、認証情報を前記第1の制御用マイクロコンピュータに送信する認証情報送信手段を含み、
    前記第1の制御用マイクロコンピュータにおける前記情報送信手段は、前記記録媒体処理装置から照合用情報を受信すると、受信した照合用情報を、以降に受信する照合用情報要求信号に応じて送信する照合用情報として記憶し、
    前記第2の制御用マイクロコンピュータにおける前記認証情報送信手段は、前記第1の制御用マイクロコンピュータから認証情報要求信号を受信すると、記憶している認証用情報にもとづく認証情報を前記第1の制御用マイクロコンピュータに送信し、前記第1の制御用マイクロコンピュータから認証用情報を受信すると、受信した認証用情報を、以降に受信する認証情報要求信号に応じて送信する認証情報のための認証用情報として記憶する
    ことを特徴とする遊技機。
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