しかしながら、上記のようなパチンコ機では、特定の入賞口が開放される回数は一定の回数に設定されているため、当たりモードに移行された回数が増えてくると、遊技者は当たりモードで獲得できるパチンコ球の個数を予測することができてしまい、遊技が飽きやすいものとなっていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、当たりモードへの期待感を高めて、遊技に飽きがくることを防止できるようにした遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の遊技機は、遊技を行って所定の抽選条件が満たされた場合に、当たりか否かを抽選により決定する当たり決定手段を備え、前記当たり決定手段で当たりが決定された場合に通常モードよりも遊技者に有利な当たりモードに移行されると特定の入賞口が所定回数開放されるとともに、前記特定の入賞口は1回の開放につき所定時間経過するまで開放される遊技機において、前記当たりモードで前記所定時間を制限することによって、前記所定時間が経過する前に前記特定の入賞口の開放を終了する開放条件制限手段と、前記所定時間と、前記開放条件制限手段によって制限された分の制限時間との差の低減時間を記憶する低減条件記憶手段と、前記当たりモードへの移行回数を記憶する当たりモードカウント手段と、前記移行回数が所定回数に達したときの前記当たりモードでは、前記低減条件記憶手段に記憶されている前記低減時間を読み出し、読み出した前記低減時間を前記特定の入賞口を開放する回数に換算し、換算した回数を前記所定回数に加算する開放条件制御手段とを設けたものである。
なお、前記所定条件を前記特定の入賞口が開放された回数が所定回数に達することとし、前記開放条件制限手段は前記所定回数を制限し、前記低減条件記憶手段は制限された分の制限回数と前記所定回数との差の低減回数を記憶することが好ましい。
また、前記所定条件を前記特定の入賞口に入賞した遊技媒体の個数が所定個数に達することとし、前記開放条件制限手段は前記所定個数を制限し、前記開放条件制限手段によって制限された分の制限個数と前記所定個数との差の低減個数を前記特定の入賞口を開放する回数に換算する換算手段を設け、前記低減条件記憶手段は前記換算手段によって換算された換算回数を記憶してもよい。
また、前記所定条件を前記特定の入賞口が開放された時間が所定時間に達することとし、前記開放条件制限手段は前記所定時間を制限し、前記開放条件制限手段によって制限された分の制限時間と前記所定時間との差の低減時間を前記特定の入賞口を開放する回数に換算する換算手段を設け、前記低減条件記憶手段は前記換算手段によって換算された換算回数を記憶してもよい。
そして、前記第1の条件を当たりモードに移行されることとすると、当たりモードに移行された回数が増えるほど、前記低減条件記憶手段に記憶される前記低減値が増えるので、前記第2の条件が満たされたときに、当たりモードで前記上限値に前記低減値が加算されることへの期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、前記低減値を前記低減条件記憶手段に記憶させるか否かを決定する記憶決定抽選手段を設け、前記第1の条件を前記記憶決定抽選手段での抽選に当選することとすると、遊技者は前記低減条件記憶手段に記憶されている前記低減値の大きさを予測することができなくなるので、遊技を公平なものにすることができる。
なお、前記記憶決定抽選手段での抽選によって用いられ、前記低減条件記憶手段に記憶させる前記低減値が互いにその大きさが異なるように複数種類記憶された記憶条件決定テーブルを設け、前記記憶決定抽選手段での抽選によって、前記低減条件記憶手段に記憶させる前記低減値の大きさを抽選により決定してもよい。
さらに、前記記憶決定抽選手段での抽選で前記記憶条件決定テーブルを用い、前記記憶決定抽選手段での抽選で決定された前記低減値の大きさを報知する制限条件報知手段を設けると、遊技者に前記低減条件記憶手段に記憶される前記低減値の大きさを明確に報知でき、また、前記記憶決定抽選手段での抽選の結果に対して緊張感を持たせることができる。
また、前記第2の条件を当たりモードに移行された回数が所定回数に達することとすると、当たりモードで前記上限値に前記低減値が加算されることへの期待感を遊技者に抱かせながら通常モードでの遊技を行わせることが可能になり、当たりモードに移行された回数が所定回数に達するまで遊技を中止しにくくすることができる。
また、図柄の変動表示及び停止表示を行うことによって前記当たり決定手段での抽選の結果を報知する変動表示手段を設け、前記第2の条件を、当たりモードが終了した後に前記変動表示手段によって図柄の変動表示及び停止表示が行われた回数が所定回数に達し、かつ再び当たりモードに移行されることとすると、当たりモードで前記上限値に前記低減値が加算されることへの期待感を遊技者に抱かせながら通常モードでの遊技を行わせることが可能になり、前記変動表示手段で図柄の変動表示及び停止表示が行われた回数が所定回数に達するまで遊技を中止しにくくすることができる。なお、図柄の変動表示及び停止表示が行われた回数を報知する変動回数報知手段を設けると、遊技者に当たりモードで前記上限値に前記低減値が加算されることへの期待感を抱かせるうえでより効果的である。
また、前記開放条件制御手段に、前記低減条件記憶手段に記憶されている前記制限条件を読み出させるか否かを抽選により決定する読み出し抽選手段を設け、前記特定の入賞口の開放が終了するごとに前記読み出し抽選手段での抽選を行い、前記第2の条件を前記読み出し抽選手段での抽選に当選することとすると、遊技者は当たりモードで前記上限値に前記低減値が加算されるか否かを予測することができなくなるので、遊技を公平なものにすることができる。なお、前記読み出し抽選手段での抽選結果を報知する抽選結果報知手段を設けることにより、遊技者に当たりモードで前記特定の入賞口の開放を終了するための前記特別条件を明確に報知できる。
また、前記読み出し抽選手段での抽選によって用いられ、前記開放条件制御手段に読み出させる前記低減値が互いにその大きさが異なるように複数種類記憶された読み出し条件決定テーブルを設け、前記読み出し抽選手段での抽選によって、前記開放条件制御手段に読み出させる前記低減値の大きさも抽選により決定してもよい。前記読み出し抽選手段での抽選で読み出し条件決定テーブルを用いた場合、前記抽選結果報知手段によって決定された前記低減値の大きさを報知すると、前記読み出し抽選手段での抽選の結果に対して緊張感を持たせることができる。
用いるプログラムは、遊技を行って所定の抽選条件が満たされた場合に、当たりか否かを抽選により決定する当たり決定手段と、前記当たり決定手段で当たりが決定された場合に通常モードよりも遊技者に有利な当たりモードに移行されると特定の入賞口が、上限値が設定された所定条件を満たすまで開放される遊技機において、第1の条件が満たされた場合、通常モードよりも遊技者に有利な当たりモードで特定の入賞口の開放が終了される所定条件の上限値を制限することによって、前記上限値が満たされる前に前記特定の入賞口の開放を終了する開放条件制限手段と、記開放条件制限手段によって制限された分の制限値と前記上限値との差の低減値を記憶する低減条件記憶手段と、前記第1の条件とは異なる第2の条件が満たされた場合に、前記低減条件記憶手段に記憶されている前記低減値を読み出し、読み出した前記低減値を前記上限値に加算した値を設定して当たりモードで前記特定の入賞口の開放を終了するための特別条件とする開放条件制御手段として遊技機のコンピュータを機能させるとして遊技機のコンピュータを機能させるものである。
また、用いる記録媒体は、遊技を行って所定の抽選条件が満たされた場合に、当たりか否かを抽選により決定する当たり決定手段と、前記当たり決定手段で当たりが決定された場合に通常モードよりも遊技者に有利な当たりモードに移行されると特定の入賞口が、上限値が設定された所定条件を満たすまで開放される遊技機において、第1の条件が満たされた場合、通常モードよりも遊技者に有利な当たりモードで特定の入賞口の開放が終了される所定条件の上限値を制限することによって、前記上限値が満たされる前に前記特定の入賞口の開放を終了する開放条件制限手段と、前記開放条件制限手段によって制限された分の制限値と前記上限値との差の低減値を記憶する低減条件記憶手段と、前記第1の条件とは異なる第2の条件が満たされた場合に、前記低減条件記憶手段に記憶されている前記低減値を読み出し、読み出した前記低減値を前記上限値に加算した値を設定して当たりモードで前記特定の入賞口の開放を終了するための特別条件とする開放条件制御手段として遊技機のコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なものである。
本発明によれば、第1の条件が満たされた場合、当たりモードで通常モードよりも遊技者に有利な当たりモードで特定の入賞口の開放が終了される所定条件の上限値を制限することによって、前記上限値が満たされる前に前記特定の入賞口の開放を終了する開放条件制限手段と、前記開放条件制限手段によって制限された分の制限値と前記上限値との差の低減値を記憶する低減条件記憶手段と、前記第1の条件とは異なる第2の条件が満たされた場合に、前記低減条件記憶手段に記憶されている前記低減値を読み出し、読み出した前記低減値を前記上限値に加算して当たりモードで前記特定の入賞口の開放を終了するための特別条件とする開放条件制御手段とを設けたので、当たりモードで前記上限値に前記低減値が加算されることへの期待感を遊技者に抱かせながら通常モードでの遊技を行わせることが可能になり、当たりモードへの期待感を高めて、遊技に飽きがくることを防止できる。
また、前記所定条件を前記特定の入賞口が開放された回数が所定回数に達することとし、前記開放条件制限手段は前記所定回数を制限し、前記低減条件記憶手段は制限された分の制限回数と前記所定回数との差の低減回数を記憶するので、前記第2の条件が満たされたときに、当たりモードで前記特定の入賞口を開放させる回数を増加することが可能になり、前記第2の条件が満たされたときに当たりモードでは通常モードよりも多くの遊技媒体を獲得することができる。その結果、遊技者の当たりモードへの期待感をさらに高めて、遊技に飽きがくることをさらに防止することができる。
また、前記所定条件を前記特定の入賞口に入賞した遊技媒体の個数が所定個数に達することとし、前記開放条件制限手段は前記所定個数を制限し、前記開放条件制限手段によって制限された分の制限個数と前記所定個数との差の低減個数を前記特定の入賞口を開放する回数に換算する換算手段を設け、前記低減条件記憶手段は前記換算手段によって換算された換算回数を記憶するので、前記第2の条件が満たされたときに、当たりモードで前記特定の入賞口を開放させる回数を増加することが可能になり、前記第2の条件が満たされたときに当たりモードでは通常モードよりも多くの遊技媒体を獲得することができる。その結果、遊技者の当たりモードへの期待感をさらに高めて、遊技に飽きがくることをさらに防止することができる。
また、前記所定条件を前記特定の入賞口が開放された時間が所定時間に達することとし、前記開放条件制限手段は前記所定時間を制限し、前記開放条件制限手段によって制限された分の制限時間と前記所定時間との差の低減時間を前記特定の入賞口を開放する回数に換算する換算手段を設け、前記低減条件記憶手段は前記換算手段によって換算された換算回数を記憶するので、前記第2の条件が満たされたときに、当たりモードで前記特定の入賞口を開放させる回数を増加することが可能になり、前記第2の条件が満たされたときに当たりモードでは通常モードよりも多くの遊技媒体を獲得することができる。その結果、遊技者の当たりモードへの期待感をさらに高めて、遊技に飽きがくることをさらに防止することができる。
図1にパチンコ機10の外観を示し、先ず、パチンコ機10の遊技の流れの概略を説明する。パチンコ機10では、通常モード及び当たりモードの2つの遊技モードが設けられている。後述する始動入賞口13にパチンコ球が入賞すると、当たりか否かを抽選により決定する当たり決定抽選が行われ、当たり決定抽選で当たりに当選すると通常モードから当たりモードに移行される。当たりモードでは、通常モードで閉じられた状態となっている後述する大入賞口(特定の入賞口)17が開放される。1回の当たりモードでは大入賞口を開放する回数は15回(上限値)、大入賞口の1回の開放につき例えば30秒経過するまで又はパチンコ球が10個入賞するまで開放され続ける(所定条件)ように設定されている。
また、当たりモードに移行される(第1の条件)とともに、その当たりモードに移行された回数が、詳しくは後述するように大入賞口17を開放する回数を増加させた当たりモードからカウントして10回(第2の条件)未満のときには、大入賞口を開放する回数が2回(低減値)低減されるように設定されている。このため、当たりモードに移行されるとともに、その当たりモードに移行された回数が、前回の大入賞口17を開放する回数を増加させた当たりモードからカウントして10回(第2の条件)未満のときには、1回の当たりモードで実際に大入賞口が開放される回数は、設定された15回と低減された2回と差の13回(制限値)となる。低減された分の大入賞口を開放する回数、すなわち低減回数は後述する低減条件記憶部51に記憶される。そして、当たりモードに10回移行されるたびに、記憶された低減回数(20回)に予め定められた回数(15回)を加算した回数(特別条件)が、10回目の当たりモードの大入賞口を開放する回数となる。
次に、パチンコ機10の構成を説明する。パチンコ機10の遊技盤11の遊技盤面11aには図柄表示装置12が組み込まれている。また、遊技盤面11aには、始動入賞口13、通常入賞口14、通過入賞口14a、アタッカ15、アウト口16が設けられ、さらに図示は省略してあるが、障害釘や風車などが設けられている。
また、パチンコ機10には発射ハンドル10aが設けられており、発射ハンドル10aが操作されると、パチンコ球は発射制御装置によって一個ずつ遊技盤面11a上の遊技領域に打ち出され、始動入賞口13又は通常入賞口14又は通過入賞口14aのいずれかに入賞するか、あるいは、ハズレ扱いとなるアウト口16に入る。
アタッカ15の奥には大入賞口17が設けられており、アタッカ15は大入賞口17を開放する開放位置と大入賞口17を閉じる閉じ位置との間で回動自在に取り付けられている。通常モードでは、アタッカ15は閉じ位置に位置しており、当たりモードに移行されると、アタッカ15が開放位置に回動して大入賞口17が開放される。
図柄表示装置12には液晶パネル18が組み込まれている。液晶パネル18には3個の図柄が表示されている。始動入賞口13にパチンコ球が入賞すると液晶パネル18に表示されている各図柄が変動表示される。液晶パネル18上では、3個の図柄を組み合わせた入賞有効ラインが設定されており、変動表示されている図柄が停止表示されたときの入賞有効ライン上の図柄の組み合わせによって当たり決定抽選の結果が表示される。入賞有効ライン上に特定図柄が揃うと当たりとなって通常モードから当たりモードに移行される。なお、変動表示を行う図柄の数、図柄の種類は適宜数にしてよい。
図柄表示装置12の上方には保留玉表示部19が設けられている。液晶パネル18での図柄の変動表示中にパチンコ球が始動入賞口13に入賞すると、始動入賞口13へ入賞したパチンコ球が保留球として記憶され、始動入賞口13への入賞に基づく制御の保留状態となる保留球として持ち越される。保留球は、所定個数(例えば4個)を限度に記憶される。
保留球表示部19は、4つの表示窓とそれぞれの表示窓の奥に組み込まれたランプとから構成されている。保留球表示部19は、保留球が記憶されるたびにランプを1個づつ点灯し、記憶された保留球の個数を表示する。変動表示されている図柄が停止表示されたときに、保留球表示部19から保留球が記憶されていることが表示されている場合には、ランプが1つ消灯されるとともに再び図柄の変動表示が開始される。
始動入賞口13、通常入賞口14、大入賞口17にパチンコ球が入賞すると、入賞した入賞口ごとに割り当てられた個数のパチンコ球が払い出し口20から受け皿21に払い出される。
図2に示すように、パチンコ機10は主制御部30と副制御部31とから構成されている。主制御部30には主制御装置32が設けられている。パチンコ機10は主制御装置32に設けられたCPU(開放条件制限手段及び開放条件制御手段)33によって管制される。
主制御装置32には、CPU33の他、メモリ34、後述する当たり決定部(当たり決定手段)49、停止図柄決定部50、低減条件記憶部(低減条件記憶手段)51、当たりモードカウント部(当たりモードカウント手段)52が設けられている。CPU33はメモリ34のROM領域に格納されたプログラムにしたがってパチンコ機10の動作を制御して遊技を実行させる。
CPU33には、始動入賞口入賞球検出センサ35、大入賞口入賞球検出センサ36、通常入賞口入賞球検出センサ37、払出口払出球検出センサ38、副制御部31の図柄表示制御装置39、ランプ制御装置40、音声制御装置41、主制御部30の払出制御装置42、可動物制御装置43が接続されている。また、主制御部30内には発射制御装置44が設けられている。
始動入賞口入賞球検出センサ35は始動入賞口13、大入賞口入賞球検出センサ36は大入賞口17、通常入賞口入賞球検出センサ37は通常入賞口14にパチンコ球が入賞したか否かを検出する。払出口払出球検出センサ38は払い出し口20からパチンコ球が払い出されたか否かを検出する。
図柄表示制御装置39はメモリを備えており、図柄表示制御装置39はメモリが記憶している図柄の表示データに基づいて液晶パネル18から図柄の変動表示を行う。また、図柄表示制御装置39は、液晶パネル18で表示される図柄ごとに割り当てられた先頭アドレスを監視することにより、どの図柄が表示されているかを識別し、後述する停止図柄決定部50で決定された種類の図柄が表示されるように図柄の停止表示を行う。
ランプ制御装置40では、遊技盤面上のランプやパチンコ機10の枠に設けられたランプ、保留球表示部19の奥に組み込まれたランプなど、パチンコ機10に設けられた各種ランプの点灯制御が行われる。
音声制御装置41はサウンドメモリを備えており、図柄の変動表示を行っているときや当たりモードへ移行したときなどに、音楽や音声をプログラム化したサウンドプログラムをサウンドメモリから読み出し、サウンドプロセッサを介してスピーカーから音楽や音声などを出力する。
払出制御装置42は、始動入賞口入賞球検出センサ35、大入賞口入賞球検出センサ36、通常入賞口入賞球検出センサ37のいずれかのセンサによってパチンコ球が入賞したことが検出されると作動される。払出制御装置42はメモリを備えており、このメモリは各入賞口ごとのパチンコ球1個の入賞に対する配当球の個数を記憶している。いずれかの入賞口で入賞が発生すると払出制御装置42は払い出し用のパチンコ球が貯留されている貯留装置を駆動し、入賞口の種類に応じた個数のパチンコ球の払い出しを行わせる。
可動物制御装置43はアタッカ15に連結されており、CPU33によって作動されると、アタッカ15を大入賞口17を開放する位置と大入賞口17を閉じる位置との間で回動させる。また、可動物制御装置43は、遊技盤11の遊技盤面11a上に設けられた可動物の可動を制御する。
発射制御装置44は発射ハンドル10aに連結されており、発射ハンドル10aが操作されると、発射ハンドル10aで調節されたパチンコ球の打ち出しの強さに応じて、パチンコ球を一定時間ごとに発射する。
始動入賞口入賞球検出センサ35によりパチンコ球の入賞が検出されると、CPU33にスタート信号が入力される。CPU33はスタート信号に応答して当たり決定部49及び停止図柄決定部50を作動させる。
当たり決定部49は乱数発生器、乱数サンプリング回路、当たりか否かを決定するための当たり決定テーブルを備えており、始動入賞口入賞球検出センサ35がパチンコ球の入賞を検出するたびに乱数値をサンプリングする。サンプリングされた乱数値は当たり決定テーブルと照合され、当たりモードに移行させるか否かが抽選により決定される。
当たり決定テーブルでは、乱数値の抽出を行う際に発生する全乱数値が2つのグループに分けられている。2つのグループには、ハズレ及び当たりがそれぞれ割り当てられており、サンプリングされた乱数値がいずれのグループに属する値であるかによって、ハズレ及び当たりのいずれかにするかを決定することができる。
停止図柄決定部50は、乱数発生器、乱数サンプリング回路、停止図柄テーブルを備えており、当たり決定部49での抽選が行われた後に作動される。停止図柄テーブルは、ハズレ用のテーブルと当たり用のテーブルとの2種類のテーブルから構成されており、当たり決定部49での抽選結果に基づいて、乱数サンプリング回路によってサンプリングされた乱数値がいずれかのテーブルと照合される。サンプリングされた乱数値がハズレ用のテーブル又は当たり用のテーブルと照合されると、入賞有効ライン上に停止される図柄の組み合わせが決定される。停止させる図柄の組み合わせが決定されると、CPU33は入賞有効ライン上に停止させる図柄の組み合わせを示す信号を図柄表示制御装置39に入力する。
低減条件記憶部51は、当たりモードで低減された大入賞口17を開放する回数を記憶する。1回の当たりモードで大入賞口17を開放する回数は15回と設定されているが、当たりモードに移行したときに、その当たりモードに移行された回数が、前回の大入賞口17を開放する回数を増加させた当たりモードからカウントして10回未満である場合に、CPU33は設定された15回の大入賞口17を開放する回数を2回低減する。すなわち、CPU33は、大入賞口17を開放する回数が13回となるように、可動物制御装置43にアタッカ15を可動する制御を行わせる。低減条件記憶部51に書き込まれた回数は、当たりモードに移行されるたびに、低減回数分、すなわち2回づつ積算されるようにCPU33によって書き換えられていく。
当たりモードカウント部52は、当たりモードに移行された回数を記憶する。当たりモードカウント部52に書き込まれている回数は、当たりモードに移行されるたびにCPU33によって書き換えられていく。CPU33は当たりモードに10回移行されるたびに当たりモードカウント部52に書き込まれている回数が1回に戻るように書き換える。
次に、上記のように構成されたパチンコ機の作用について図3のフローチャートを用いて説明する。パチンコ機10では先ず通常モードでの遊技が行われる。遊技者が発射ハンドル10aを操作し、遊技盤11の遊技盤面11a上にパチンコ球が打ち出されると、打ち出されたパチンコ球は、始動入賞口13又は通常入賞口14又は通過入賞口14aのいずれかに入賞するか、アウト口16に入る。
始動入賞口13にパチンコ球が入賞すると、始動入賞口入賞球検出センサ35でパチンコ球が検出されたことを示す信号がCPU33に入力され、これに応答してCPU33は当たり決定部49を作動する。当たり決定部49は、当たり決定抽選を行って当たりか否かを決定する。
当たり決定部49で抽選が行われると、CPU33は停止図柄決定部50を作動する。停止図柄決定部50は、入賞有効ライン上に停止表示させる図柄の組み合わせを抽選により決定する。停止図柄決定部50は、当たり決定部49で当たりが決定された場合は当たり用のテーブル、当たり決定部49でハズレが決定された場合はハズレ用のテーブルを用いて抽選を行う。
停止図柄決定部50で図柄の組み合わせが決定されると、CPU33は入賞有効ライン上に停止させる図柄の組み合わせを示す信号を図柄表示制御装置39に入力する。これに応答して、図柄表示制御装置39は液晶パネル18による図柄の変動表示を開始させる。
当たり決定部49で当たりが決定された場合、特定図柄が入賞有効ライン上に揃うように図柄の停止表示が行われる。また、当たり決定部49で当たりが決定された場合、CPU33は当たりモードカウント部52に書き込まれている当たりモードへ移行した回数を書き換える。
当たりモードカウント部52で書き換えられた回数が10回未満である場合には、CPU33は当たりモードで大入賞口17を開放する回数(15回)のうちの低減回数分(2回)を、低減条件記憶部51に書き込まれている低減回数に加算し、加算した回数を低減条件記憶部51に書き込む。低減条件記憶部51への低減回数の書き換えが終了した後は、CPU33は、メモリ34のROM領域から当たりモードの実行プログラムを読み出し、通常モードから当たりモードに移行させる。
当たりモードでは、CPU33は可動物制御装置43を作動する。可動物制御装置43は、アタッカ15を閉じ位置と開放位置との間で可動する。アタッカ15が開放位置に位置するときは、大入賞口17が開放されるので、大入賞口17にパチンコ球を入賞させることが可能になる。当たりモードでは大入賞口17が13回開放される。大入賞口17は、30秒開放されるか又は大入賞口17にパチンコ球が10個入賞されると1回の開放が終了する。大入賞口17を13回開放させた後、CPU33は当たりモードを終了させ、当たりモードから通常モードに移行させる。
当たりモードカウント部52で書き換えられた回数が10回目だった場合には、CPU33は低減条件記憶部51が記憶している回数(20回)を読み出し、低減条件記憶部51に書き込まれている低減回数を0回に書き換える。低減条件記憶部51の低減回数の書き換えが終了した後は、CPU33は、メモリ34のROM領域から当たりモードの実行プログラムを読み出し、通常モードから当たりモードに移行させる。
当たりモードでは、CPU33は可動物制御装置43に大入賞口17を予め定められた回数(15回)に、低減条件記憶部51に書き込まれた低減回数(20回)を加算した回数(35回)分、当たりモードで大入賞口17を開放する。大入賞口17を35回開放させた後、CPU33は当たりモードを終了させ、当たりモードから通常モードに移行させる。
図4は記録媒体(CD,フレキシブルディスク,ICメモリ,MO等)70をパチンコ機10にインストールする例を示しており、記録媒体70には図3のフローチャートで示すような手段を、CPU33とメモリ34とを含むコンピュータ71で実現するためのプログラムが格納されている。この場合、例えば遊技を行って所定の抽選条件が満たされた場合に、当たりか否かを抽選により決定する当たり決定手段と、前記当たり決定手段で当たりが決定された場合に通常モードよりも遊技者に有利な当たりモードに移行されると特定の入賞口が、上限値が設定された所定条件を満たすまで開放される遊技機において、第1の条件が満たされた場合、通常モードよりも遊技者に有利な当たりモードで特定の入賞口の開放が終了される所定条件の上限値を制限することによって、前記上限値が満たされる前に前記特定の入賞口の開放を終了する開放条件制限手段と、前記開放条件制限手段によって制限された分の制限値と前記上限値との差の低減値を記憶する低減条件記憶手段と、前記第1の条件とは異なる第2の条件が満たされた場合に、前記低減条件記憶手段に記憶されている前記低減値を読み出し、読み出した前記低減値を前記上限値に加算した値を設定して当たりモードで前記特定の入賞口の開放を終了するための特別条件とする開放条件制御手段としてコンピュータ71を機能させるためのプログラムを記録媒体70に記録する。そして、この記録媒体70を読み取り装置72に装填して、プログラムをパチンコ機10にインストールする。
なお、前記プログラムは、記録媒体70を介してインストールする代わりにインターネットを利用してパチンコ機10に配信することができる。また、配信された本発明のプログラム、又は記録媒体70から読み出した本発明のプログラムをパソコンにインストールし、モニタ上で遊技を行うことも可能である。
上記実施形態では、1回の当たりモードで大入賞口17が開放される回数を低減し、低減回数分を当たりモードカウント部52で書き換えられた回数が10回目の当たりモードでの大入賞口17を開放する回数に加算したが、大入賞口17の1回の開放が終了されるまでに入賞させることが可能なパチンコ球の個数の上限を低減し、低減個数分を大入賞口17が開放される回数に換算して、換算した回数(換算回数)を10回目の当たりモードでの大入賞口17を開放する回数に加算してもよい。
低減個数分を大入賞口17が開放される回数に換算するには、例えば図5に示すように、主制御装置32に換算部(換算手段)53を設ける。換算部53は、CPU33から入力されるパチンコ球の個数を大入賞口17を開放する回数に換算する(例えばパチンコ球10個につき大入賞口17を開放する回数が1回)。
図6に示すように、当たり決定部49で当たりが決定され、当たりモードカウント部52で書き換えられた回数が10回未満だった場合には、CPU33は大入賞口17の1回の開放が終了されるまでに入賞させることが可能なパチンコ球の個数(10個)のうち、低減個数分(1個)を、低減条件記憶部51に書き込まれている低減個数に加算し、加算した低減個数を低減条件記憶部51に書き込む。大入賞口17の1回の開放につきパチンコ球が1個低減されてパチンコ球が9個(制限個数)入賞すると閉じるため、1回の当たりモードで大入賞口17が15回開放されると、パチンコ球の低減個数は15個となる。低減条件記憶部51へのパチンコ球の個数の書き換えが終了した後は、CPU33は通常モードから当たりモードに移行させる。
当たり決定部49で当たりが決定され、当たりモードカウント部52で書き換えられた回数が10回目だった場合には、CPU33は低減条件記憶部51が記憶している低減個数(150個)を読み出し、さらに書き込まれている低減個数を0個に書き換える。低減条件記憶部51へのパチンコ球の低減個数の書き換えが終了した後は、CPU33は低減条件記憶部51から読み出したパチンコ球の低減個数を換算部53に入力する。換算部53は、入力されたパチンコ球の低減個数を大入賞口17を開放する回数に換算し、換算した回数、すなわち換算回数(15回)をCPU44に入力する。CPU33は、入力された回数を予め定められた大入賞口17を開放する回数(15回)に加算して10回目の当たりモードでの大入賞口17を開放する回数(30回)とする。
なお、換算部53で大入賞口17を開放する時間を大入賞口17を開放する回数に換算してもよい。これにより、大入賞口17を1回に開放させる時間の上限を低減し、低減された分の時間を大入賞口17が開放される回数に換算して、換算した回数(換算回数)を10回目の当たりモードでの大入賞口17を開放する回数に加算することが可能になる。
当たり決定部49で当たりが決定され、当たりモードカウント部52で書き換えられた回数が10回目(所定回数)だった場合には、CPU33は低減条件記憶部51が記憶している低減時間(150秒)を読み出し、さらに書き込まれている低減時間を0秒に書き換える。低減条件記憶部51への大入賞口17の低減時間の書き換えが終了した後は、CPU33は低減条件記憶部51から読み出した大入賞口17の低減時間を換算部53に入力する。換算部53は、入力された大入賞口17の低減時間を大入賞口17を開放する回数に換算し、換算回数(5回)をCPU44に入力する。CPU33は、入力された回数を予め定められた大入賞口17を開放する回数(15回)に加算して10回目の当たりモードでの大入賞口17を開放する回数(20回)とする。
当たり決定部49で当たりが決定され、当たりモードカウント部52で書き換えられた回数が10回目だった場合には、CPU33は低減条件記憶部51が記憶している低減時間(150秒)を読み出し、さらに書き込まれている低減時間を0秒に書き換える。低減条件記憶部51への大入賞口17の低減時間の書き換えが終了した後は、CPU33は低減条件記憶部51から読み出した大入賞口17の低減時間を換算部53に入力する。換算部53は、入力された大入賞口17の低減時間を大入賞口17を開放する回数に換算し、換算回数(5回)をCPU44に入力する。CPU33は、入力された回数を予め定められた大入賞口17を開放する回数(15回)に加算して10回目の当たりモードでの大入賞口17を開放する回数(20回)とする。
上記実施形態では、1回の当たりモードでは大入賞口を開放する回数は15回、大入賞口の1回の開放につき例えば30秒経過するまで又はパチンコ球が10個入賞するまで開放され続けるように設定したが、大入賞口17が開放される回数、1回の開放が終了されるまでの時間及び入賞されるパチンコ球の個数は適宜の条件にしてよい。