JP4277466B2 - ストロボ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、カメラのストロボ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラにおいては、図7に示すように、本体ケース1の正面にレンズ部2、光学ファインダ3、およびストロボ4を設け、本体ケース1の上面にシャッタ釦5を設け、撮影する際にレンズ部2を被写体に向け、光学ファインダ3を覗きながらシャッタ釦5を押すことにより、被写体の画像を撮影するように構成されている。この場合、暗い所などで被写体を撮影する際には、シャッタ釦5の操作と同時にストロボ4で閃光を発生させ、その閃光を被写体に照射させることにより、鮮明な撮影画像が得られるようになっている。
【0003】
このようなカメラのストロボ構造としては、例えば、図8に示すように構成されている。すなわち、外部ケースである本体ケース1には、ストロボ4に対応して開口部6が設けられており、この開口部6には、ストロボレンズ7が装着されている。また、本体ケース1の内面には、ストロボケース8がビス9によりストロボレンズ7と対応して取り付けられている。このストロボケース8は、ストロボレンズ7側に位置する前面側(図8では左面側)が開放された長方形の箱形状に形成されており、その内部には、リフレクタ10が配置されていると共に、閃光を発生する発光管11が保持部材12によって取り付けられている。
【0004】
この場合、リフレクタ10は、反射板を放物面や楕円面などの曲面に折り曲げた構造で、その両側面(図8では紙面の表裏面)に管挿通部(図示せず)が設けられた構造になっている。発光管11は、真直な管状に形成され、リフレクタ10の両側面の管挿通部からリフレクタ10の内側に挿入され、その両端がリフレクタ10の両側部から突出した状態でリフレクタ10の焦点位置に配置される。保持部材12は、ほぼコ字状に形成され、リフレクタ10の裏面(図8では右側面)に配置されると共に、その両端部がリフレクタ10の両側外部に配置され、この両端部でリフレクタ10から突出した発光管11の両端部を保持し、この状態でストロボケース8内に取り付けられている。
【0005】
また、このストロボ構造では、ストロボケース8の裏面(図8では右側面)と本体ケース1内に配置された内部ケース13の前面(図8では左側面)との間にクッション部材14が設けられている。このクッション部材14は、スポンジなどの軟らかい材料からなり、全体がほぼ平板状に形成され、落下などによる衝撃が本体ケース1あるいはストロボ4に加わった際、その衝撃を吸収して発光管11やリフレクタ10が破損しないように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなカメラのストロボ構造では、落下などによる衝撃を吸収するために、ストロボケース8の裏面と内部ケース13の前面との間にクッション部材14を設けなければならず、しかもこのクッション部材14で衝撃を確実に吸収するために、クッション部材14を十分に厚く形成しなければならず、このためカメラ全体が厚くなり、薄型化を図ることができないという問題がある。
【0007】
特に、クッション部材14は平板状で、ストロボケース8の裏面および内部ケース13の前面に面接触するため、ストロボケース8および内部ケース13が衝撃に耐えられるように、ストロボケース8の裏面および内部ケース13の前面の各肉厚を十分に厚く形成しなければならず、これによってもカメラ全体が厚くなるという問題がある。
【0008】
この発明の課題は、ストロボケースと内部ケースとの間にクッション部材を設けずに衝撃を吸収し、ストロボ全体の薄型化を図ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明はカメラの内部ケースに取り付けられ、発光体によって閃光を発生するストロボ構造において、前記発光体を保持する柔軟性材料からなる保持部材と、この保持部材が取り付けられるストロボケースと、前記内部ケースに設けられたガイド取付孔と、前記ストロボケースに設けられ前記ストロボケースを前記内部ケースの内外方向に向けて移動可能に前記ガイド取付孔内に挿入するフック部とからなる取付部と、前記内部ケースと前記保持部材とのいずれか一方に設けられ且つ前記内部ケースの内側に向けて移動する際にその他方に弾接する突起部とを備えたことを特徴とするストロボ構造である。
【0010】
この発明によれば、落下などによる衝撃が加わると、その衝撃に応じてストロボケースが内部ケースの内外方向に向けて移動するので、従来例のようにストロボケースと内部ケースとの間にクッション部材を設けなくても、ストロボケースの移動によって衝撃を吸収することができるほか、従来例のようなクッション部材が不要であるから、ストロボ構造全体の薄型化を図ることができると共に、従来例のように衝撃に対する強度を確保するために、ストロボケースおよび内部ケースの各肉厚を十分に厚く形成する必要がないので、これによってもストロボ構造全体の薄型化を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を参照して、この発明のストロボ構造の第1実施形態について説明する。なお、図7および図8に示された従来例と同一部分には同一符号を付して説明する。
このストロボ構造は、内部ケース13に取付部20を設け、この取付部20にストロボケース21を内部ケース13の内外方向(図1では左右方向)に向けて移動可能に取り付けると共に、内部ケース13に突起部22を設け、この突起部22を保持部材23に弾接させた構造になっている。
【0014】
すなわち、取付部20は、図1および図2に示すように、外部ケースである本体ケース1の開口部6に装着されたストロボレンズ7の長手方向の2辺に対応する内部ケース13の個所にそれぞれ2個ずつ設けられている。これら取付部20は、図2に示すように、それぞれ平板状をなし、内部ケース13の前面(図2では左側面)からほぼ水平に突出して形成されており、その各中央部には、ガイド取付孔20aがそれぞれ設けられている。
【0015】
ストロボケース21は、図2に示すように、ストロボレンズ7に対応して内部ケース13の各取付部20間に配置される長方形の枠状に形成され、その前面および裏面(図1では左右の両面)が開放された構造になっている。この場合、ストロボケース21の一側面(図2では右側面)には、トリガ収納部24およびセンサ部25が設けられている。トリガ収納部24は、その内部にトリガコイル26が収納される。また、センサ部25には、これを保護するためのセンサキャップ27が取り付けられる。
【0016】
また、このストロボケース21の上下面には、図1および図2に示すように、内部ケース13に設けられた各取付部20のガイド取付孔20a内に移動可能に挿入するフック部28が設けられている。これにより、ストロボケース21は、内部ケース13に対しその内外方向(図1では左右方向)に向けて移動可能に取り付けられている。このストロボケース21内には、従来例と同様、リフレクタ10、発光管11、および保持部材23が配置されている。この場合、保持部材23は、ゴムなどの柔軟性を有する材料からなり、図2に示すように、ほぼコ字状に形成されている。
【0017】
すなわち、この保持部材23は、リフレクタ10の裏面側における外面に配置され、互いに対向する両端部がリフレクタ10の両側外部に配置されるように構成されている。また、この保持部材23は、その両端部に取付孔23aがそれぞれ設けられ、これら取付孔23aにリフレクタ10内に挿入された発光管11の両端部が挿入することにより発光管11が取り付けられ、この状態でリフレクタ10と共にストロボケース21内に取り付けられている。なお、ストロボケース21の前面側(図2では左側)における縁部には、リフレクタ10がストロボケース21の前方に飛び出さないように係止する係止突起(図示せず)が設けられている。
【0018】
この保持部材23の裏面に対向する内部ケース13の個所には、図1および図2に示すように、突起部22が保持部材23の裏面の両側に対応して形成されている。これら突起部22は、半球状に形成され、その先端部が保持部材23の裏面にそれぞれ弾接している。これにより、ストロボケース21は、突起部22が弾接した保持部材23の弾力によって内部ケース13の外側(図1では左側)に向けて付勢され、ストロボケース21のフック部28が取付部20のガイド取付孔20aの外側端部(図1では左側端部)に当接して保持されている。この状態では、ストロボケース21は、その外端部(図1では左端部)がストロボレンズ7の内面に接近または接触した状態で配置されている。
【0019】
このようなストロボ構造では、ゴムなどの柔軟性を有する材料からなる保持部材23に内部ケース13の突起部22が弾接していることにより、通常は図3(a)に示すように、保持部材23の弾力によってストロボケース21が内部ケース13の外側(同図では左側)に向けて付勢され、これによりストロボケース21のフック部28が取付部20のガイド取付孔20aの左端部に当接した状態で、ストロボケース21が取付部20に保持されている。このため、この状態で落下などによる衝撃が本体ケース1あるいはストロボ4に加わると、図3(b)に示すように、その衝撃に応じてストロボケース21が内部ケース13の内側に向けて移動し、これに伴って突起部22が保持部材23に弾力的に食い込んで保持部材23を部分的に弾性変形させるので、落下などによる衝撃を吸収することができる。
【0020】
このように、このストロボ構造では、従来例のようにストロボケース8と内部ケース13との間にクッション部材14を設けなくても、衝撃を吸収することができ、これにより発光管11やリフレクタ10などの破損を防ぐことができる。また、このストロボ構造では、内部ケース13に設けられた突起部22がストロボケース21に接触することなく保持部材23に部分的に弾接する構造であるから、従来例のようなクッション部材14が不要となり、このためストロボ構造全体の薄型化を図ることができると共に、部品点数の削減を図り、低コスト化を図ることができる。
【0021】
特に、ストロボケース21は、その裏面が開放されており、しかも内部ケース13の突起部22が保持部材23に部分的に弾接するため、従来例のようなクッション部材14が内部ケース13の前面に面接触する場合に比べて、内部ケース13に対し高い衝撃強度が要求されず、内部ケース13の前面の肉厚を厚く形成する必要がないため、これらによってもストロボ構造全体の薄型化を図ることができ、より一層、カメラ全体の薄型化を図ることができる。
【0022】
次に、図4および図5を参照して、この発明のストロボ構造の第2実施形態について説明する。この場合には、図1〜図3に示された第1実施形態と同一部分に同一符号を付して説明する。
このストロボ構造は、各取付部20および各突起部22が設けられた内部ケース13の取付領域E(図5に斜線で示す領域)の外側に位置する個所にスリット状の孔部30を間歇的に形成することにより、内部ケース13の取付領域Eにばね性を持たせた構造になっている。
【0023】
すなわち、スリット状の孔部30は、ストロボケース21の長手方向の2辺に対応する個所の内部ケース13に形成され、且つその各両端部が互いに対向する直角方向に少し延びて形成されている。これにより、取付部20および突起部22が設けられた内部ケース13の取付領域Eは、スリット状の孔部30が連続しない不連続部分の連結部31によって、内部ケース13に連結されていると共に、この連結部31が弾性変形可能に形成されていることにより、ばね性を有する構造になっている。
【0024】
このようなストロボ構造では、落下などによる衝撃が本体ケース1あるいはストロボ4に加わった際、第1実施形態と同様、ストロボケース21の移動に伴って突起部22が保持部材23に弾力的に食い込み、保持部材23が部分的に弾性変形することにより、衝撃を吸収することができるほか、特に取付部20および突起部22が設けられた内部ケース13の取付領域Eが、その外側に間歇的に形成されたスリット状の孔部30およびその不連続部分である連結部31によってばね性を持っているので、この取付領域Eのばね性によっても衝撃を吸収することができる。このため、第1実施形態のものよりも、より一層、良好に衝撃を吸収することができ、これにより発光管11およびリフレクタ10などの破損を確実に防ぐことができる。また、連結部31および内部ケース13が弾性を有する素材で形成されていれば、更に衝撃の吸収力を増すことができる。
【0025】
なお、上記第1、第2実施形態では、内部ケース13に突起部22を形成し、この突起部22を保持部材23の裏面に弾接させた場合について述べたが、これに限らず、例えば図6に示すように、保持部材22の裏面における両側部分にそれぞれ半球状の突起部35を一体に形成し、これら突起部35を内部ケース13の前面(同図では左面)に弾接させた構造でも良い。この場合、内部ケース13は、第2実施形態と同様、取付領域Eがばね性を有する構造でも良い。
【0026】
このような構造では、柔軟性材料からなる保持部材23に突起部35を一体に形成したので、突起部35自体が弾力性を有することなる。このため、落下などによる衝撃が本体ケース1あるいはストロボ4に加わった際には、その衝撃に応じてストロボケース21が移動し、これに伴って突起部35自体が保持部材23と共に部分的に弾性変形するので、第1実施形態と同様、衝撃を吸収することができると共に、従来例のようなクッション部材14が不要であるから、ストロボ構造の薄型化をも図ることができる。
【0027】
なお、上記第1、第2実施形態およびその変形例では、内部ケース13の前面または保持部材23の裏面に突起部22、35を設けたが、必ずしも突起部22、35を設ける必要はなく、内部ケース13の取付部20にストロボケース21を内部ケース13に対しその内外方向に向けて移動可能に取り付けただけの構造であっても良い。このような構造では、落下などによる衝撃が加わると、その衝撃に応じてストロボケース21が内部ケース13の内外方向に向けて移動することにより、その衝撃を吸収することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、内部ケースに設けられた取付部によってストロボケースを内部ケースの内外方向に向けて移動可能に取り付けたことにより、落下などによる衝撃が加わると、その衝撃に応じてストロボケースが内部ケースの内外方向に向けて移動するので、従来例のようにストロボケースと内部ケースとの間にクッション部材を設けなくても、衝撃を吸収することができるほか、従来例のようなクッション部材が不要であるから、ストロボ構造全体の薄型化を図ることができると共に、従来例のように衝撃に対する強度を確保するために、ストロボケースおよび内部ケースの各肉厚を十分に厚く形成する必要がないので、これによってもストロボ構造全体の薄型化を図ることができる。
【0029】
この場合、内部ケースと保持部材との一方に突起部を設け、この突起部をその他方に弾接させることにより、落下などによる衝撃が加わると、その衝撃に応じてストロボケースが内部ケースの内側に向けて移動するのに伴って、突起部が保持部材に弾力的に食い込んで保持部材が部分的に弾性変形するか、あるいは保持部材と突起部とが部分的に弾性変形するので、これによっても衝撃を吸収することができる。
【0030】
また、取付部が設けられた内部ケースの領域にばね性を持たせたことにより、落下などによる衝撃が加わった際、請求項1に記載の発明と同様、その衝撃をストロボケースの移動によって吸収することができるほか、取付部が設けられた内部ケースの領域のばね性によっても、衝撃を吸収することができ、このため、より一層、衝撃を吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のストロボ構造の第1実施形態を示した要部の拡大断面図。
【図2】図1の要部の分解斜視図。
【図3】図1のストロボ構造の動作状態を示し、(a)は衝撃が加わらない通常状態を示した要部の拡大断面図、(b)は衝撃が加わった状態を示した要部の拡大断面図。
【図4】この発明のストロボ構造の第2実施形態を示した要部の拡大断面図。
【図5】図4の内部ケースの要部を示した正面図。
【図6】保持部材に突起部を形成した場合の変形例を示した要部の拡大断面図。
【図7】ストロボを備えた電子カメラの外観斜視図。
【図8】従来のストロボ構造を示した要部の拡大断面図。
【符号の説明】
11 発光管
13 内部ケース
20 取付部
21 ストロボケース
22、35 突起部
23 保持部材
30 スリット状の孔部
31 連結部
E 取付領域
Claims (1)
- カメラの内部ケースに取り付けられ、発光体によって閃光を発生するストロボ構造において、
前記発光体を保持する柔軟性材料からなる保持部材と、
この保持部材が取り付けられるストロボケースと、
前記内部ケースに設けられたガイド取付孔と、前記ストロボケースに設けられ前記ストロボケースを前記内部ケースの内外方向に向けて移動可能に前記ガイド取付孔内に挿入するフック部とからなる取付部と、
前記内部ケースと前記保持部材とのいずれか一方に設けられ且つ前記内部ケースの内側に向けて移動する際にその他方に弾接する突起部と
を備えたことを特徴とするストロボ構造。
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