JP4277419B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンバインに関する。刈取機で刈取る刈取り穀稈は、この刈取機の各穀稈移送装置で後上部へ移送される穀稈を内補助移送チェンと外補助移送チェンとで引継ぎ移送し、更に脱穀機のフィードチェンと挟持杆とで引継ぎ移送中に、該脱穀機で脱穀するが、これら内・外補助移送チェンの回転駆動構成に関する技術であり、コンバインの穀稈移送装置として利用できる。
【0002】
【従来の技術】
コンバインで立毛穀稈の収穫作業は、このコンバインの走行車台前側の刈取機の掻込移送装置で穀稈は掻込され、掻込された穀稈は刈刃装置で刈取りされ、刈取り穀稈は穀稈移送装置で移送され、穀稈の移送と扱深さの調節とをする扱深調節移送装置で引継ぎされ、稈長に応じた最適な扱ぎ深さに穀稈は調節されて移送され、供給移送装置で引継ぎされて移送され、内補助移送チェンと外補助移送チェンとで引継ぎされて移送され、更に脱穀機のフィードチェンと脱穀挟持杆とで引継ぎされて、この脱穀機内をこれらフィードチェンと脱穀挟持杆とで挟持移送中に脱穀され、脱穀済みで選別済み穀粒は、このコンバインへ一時貯留される。
【0003】
この収穫作業のときは、前記刈取機から伝動ケース内の伝動機構内へ動力が入力され、この伝動ケースから内補助移送チェンの移送終端部へ動力が伝達されて、この内補助移送チェンが回転駆動され、この内補助移送チェンの移送始端部から外補助移送チェンの移送終端部へ動力が伝達されて、この外補助移送チェンが回転駆動されて、これら内・外補助移送チェンの回転駆動によって、穀稈は移送される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
内・外補助移送チェンの回転駆動は、移送終端部側(後方側)より行うことにより、伝動構成が複雑となり、コストアップとなる。又、この伝動構成により、内補助移送チェンの移送終端部と脱穀機のフィードチェンの移送始端部とは、側面視重合状態に形成することができないことにより、穀稈のこぼれが発生して、穀粒のロスが多くなることがあり、更に該内・外補助移送チェン上側に内・外チェンガイド等が設けられていないことにより、穀稈の移送、及び引継ぎ等が不確実であったが、この発明により、これらの問題点を解決しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このために、この発明は、走行車台(2)前側の刈取機(3)は前方下部から順次穀稈を掻込む掻込移送装置(4)と、穀稈を刈取る刈刃装置(5)と、刈取り穀稈を移送する穀稈移送装置(6)と、穀稈の移送と扱深さを調節する扱深調節移送装置(7)と、穀稈を移送して供給する供給移送装置(8)と、該走行車台(2)上側に載置した脱穀機(9)の前方内側の内補助移送チェン(10)と前方外側の外補助移送チェン(11)とで該供給移送装置(8)から穀稈を引継ぎ移送して更に該脱穀機(9)のフィードチェン(12)と脱穀挟持杆(13)とで引継ぎ移送中に脱穀する該脱穀機(9)と、該内・外補助移送チェン(10、11)を回転駆動する伝動機構(30)を内装した伝動ケース(29)とを設けたコンバインにおいて、前記内補助移送チェン(10)の移送終端部と前記フィードチェン(12)の移送始端部とを略同じ位置に構成し、該フィードチェン(12)の移送始端部と外補助移送チェン(11)の移送終端部とは前後方向に所定の隙間を設けて側面視重合しない構成とし、かつ外補助移送チェン(11)の全高(H1)は内補助移送チェン(10)の全高(H2)より所定高さ高く形成し、該内補助移送チェン(10)は移送終端部側から回転駆動すべく設けると共に、該外補助移送チェン11は移送始端部側から回転駆動すべく設け、前記内補助移送チェン(10)の上側に設ける内チェンガイド(47)は該内補助移送チェン(10)に当接させて内チェンガイド(47)を設けると共に、該外補助移送チェン(11)と該フィードチェン(12)の移送始端部側との間に渡って外チェンガイド(46)を上側に設け、該外補助移送チェン(11)と該フィードチェン(12)の移送始端部との間に渡って上側に設ける外チェンガイド(46)の後端部は該フィードチェン(12)の移送始端部位置より所定距離(L)後方に位置させて設けたことを特徴とするコンバインの構成とする。
【0006】
【発明の作用】
コンバインで立毛穀稈の収穫作業は、このコンバインの走行車台2の前部の刈取機3の掻込移送装置4で穀稈は掻込され、掻込された穀稈は刈刃装置5で刈取りされ、刈取り穀稈は穀稈移送装置6で移送され、穀稈の移送と扱深さの調節とをする扱深調節移送装置7で引継ぎされ、稈長に応じた最適な扱ぎ深さに穀稈は調節されて移送され、供給移送装置8と挟持杆42とで引継ぎされて移送され、全高の低い内補助移送チェン10と全高の高い外補助移送チェン11と、これらの上側に設けた内チェンガイド47と外チェンガイド46で引継ぎされて移送され、更に脱穀機9のフィードチェン12と脱穀挟持杆13とで引継ぎされて、この脱穀機9内をこれらフィードチェン12と脱穀挟持杆13とで挟持移送中に脱穀され、脱穀済みで選別済み穀粒は、このコンバインへ一時貯留される。
【0007】
前記内補助移送チェン10は移送終端部側を、又、外補助移送チェン11は移送始端部側を、互いに回動駆動側とした構成として、伝動構成を簡略化すると共に、刈取機3から脱穀機9の穀稈の引継ぎを良好にし、引継ぎ時の穀稈のこぼれを防止すると共に、内側に形成した該内補助移送チェン10と、外側に形成した該外補助移送チェン11、及びフィードチェン12とで穀稈を移送する移送構成が二重で穀稈を移送する範囲を広くして、穀稈の移送を確実にする。
【0008】
【発明の効果】
内補助移送チエン10の回転駆動は、移送終端部(後方側)より行われ、外補助移送チエン11は移送始端部(前方側)より行われることにより、伝動構成が簡単となり、コスト低減を図ることができる。又、この伝動構成にしたことにより、該内補助移送チエン10の移送終端部と脱穀機9のフィードチエン12の移送始端部とは、側面視重合状態に形成することができて、穀稈のこぼれが防止できる。
内補助移送チェン(10)の移送終端部と前記フィードチェン(12)の移送始端部とを略同じ位置に構成し、該フィードチェン(12)の移送始端部と外補助移送チェン(11)の移送終端部とは前後方向に所定の隙間を設けて側面視重合しない構成とし、かつ外補助移送チェン(11)の全高(H1)は内補助移送チェン(10)の全高(H2)より所定高さ高く形成することにより、刈取機3から穀稈を引継ぎするときに、外補助移送チェン11の取り込みが良好となり、少量の穀稈や、穀稈の姿勢が乱れて移送されてきても、確実に引継ぎすることができる。
また、フィードチェン(12)の移送始端部と外補助移送チェン(11)の移送終端部とは前後方向に所定の隙間を設けて側面視重合しない構成とし、外チェンガイド46を外補助移送チェン11、及びフィードチェン12に渡って設けたことにより、これらチェン11、12が分割状態であっても、該外チェンガイド46は連続するために、穀稈の挟持が確実で連続的に行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。コンバイン1の走行車台2の前側に設けた刈取機3は、前方下部から後方上部へ順次設けた掻込移送装置4で立毛穀稈は掻込され、この掻込みした穀稈は刈刃装置5で刈取りされ、刈取り穀稈は穀稈移送装置6、扱深調節移送装置7、及び供給移送装置8等を経て上部へ移送され、該走行車台2の上側へ載置した脱穀機9の前方には、補助移送装置28を設け、この補助移送装置28の内補助移送チェン10を前方の内側に設け、この内補助移送チェン10と、前方の外側に設けた外補助移送チェン11とで引継ぎして移送され、該脱穀機9の前後のフィード軸12bで軸支した前後のフィードスプロケット12aに掛け渡したフィードチェン12と、脱穀挟持杆13とにより、更に引継ぎ移送する構成であり、このフィードチェン12は移送終端部側を回転駆動側とした構成である。該内・外補助移送チェン10、11、及びフィードチェン12等を図示して説明する。
【0010】
前記コンバイン1の走行車台2の下側には、図13を示す如く土壌面を走行する左右一対の走行クローラ14aを張設した走行装置14を配設し、該走行車台2上側に載置した脱穀機9の平面視右横側には、刈取り穀稈をフィードチェン12と脱穀挟持杆13とで挟持して、該脱穀機9内を移送中に脱穀した脱穀済みで選別済みの穀粒を回収し、一時貯留する穀粒貯留タンク15を装着した構成である。
【0011】
前記穀粒貯留タンク15の後側には、この穀粒貯留タンク15内に貯留した穀粒を機外へ排出する縦移送螺旋16aを内装した排出支持筒16を略垂直姿勢で回動自在に支承して設け、この排出支持筒16の上端部には、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋17aを収縮自在に内装した排出オーガ17を収縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設した構成である。
【0012】
前記脱穀機9側には、操作室ケース18で操作室18aを形成し、この操作室18a内には、コンバイン1の各部を操作、調節、始動、及び停止操作する操作装置19と、操縦者が搭乗する操縦席19a等を設け、この操縦席19aの下側で走行車台2の上側面には、エンジン19bを載置すると共に、後方には、穀粒貯留タンク15を配設した構成である。これら脱穀機9と、刈取機3と、エンジン19bと、走行装置14等により、該コンバイン1の機体1aを構成している。
【0013】
前記刈取機3の供給移送装置8によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送される刈取り穀稈に接触作用することにより、脱穀機9へ穀稈供給の有無を検出する穀稈センサ8bを設けた構成である。走行車台2の前端部に装架された走行用のミッションケース20内の伝動経路中には、その出力回転数に基づく走行車速を検出する車速センサ20aを設けた構成である。
【0014】
前記刈取機3は、図1、及び図11〜図13で示す如く前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆21を設け、この支持杆21の上端部には、伝動機構21bを内装した支持パイプ杆21aを左右方向に設け、この支持パイプ杆21aの一方側の外側には、該伝動機構21bへ入力するプーリ(図示せず)を設けると共に、他方側の外側には、該伝動機構21bの動力を出力するプーリ22を設けた構成である。該支持パイプ杆21aは走行車台2上側面に設けた支持装置23で回動自在に支持した構成である。
【0015】
前記刈取機3は油圧駆動による伸縮シリンダ23aの作動により、支持パイプメタル21a部を回動中心として、土壌面に対して昇降自在に回動する構成である。前記刈取機3は、図11〜図13で示す如く先端部位置から順次に、立毛穀稈を分離するナローガイド24a、及び分草体24bと、分離した穀稈を引起す各引起装置25と、引起した穀稈の株元側を掻込みする各掻込スターホイル4aと、穂先側を掻込みする各掻込ラグ付ベルト4bとよりなる掻込移送装置4と、掻込みした穀稈を刈取る刈刃装置5と、刈取られた穀稈の株元側を移送する株元移送チェン6aと、穂先側を移送する移送ラグ付チェン6bと、挟持杆6c等とよりなる穀稈移送装置6と、移送する穀稈の稈長等により、脱穀機9へ供給する穀稈の供給深さを調節する回動メタル7aを回動中心として、扱深調節チェン7bを上下回動移動させる正逆回転用の扱深モータ7cと、挟持杆7d等とよりなる扱深調節移送装置7と、移送終端部の略3角形状に形成した供給移送チェン8aを張設した供給移送装置8と、挟持杆42を保持した保持装置43とを設けた構成である。
【0016】
前記穀稈移送装置6の上側には、移送される穀稈の長稈、及び短稈を検出する長稈検出杆26a、及び短稈検出杆26bの作動を検出するON−OFFスイッチ方式の検出スイッチ(図示せず)等よりなる穀稈センサ26を設けた構成である。
【0017】
前記内・外補助移送チェン10、11を回転駆動する伝動機構30を内装した伝動ケース29と、この伝動ケース29の底蓋29aとの装着構成は、図1、及び図2で示す如く脱穀機9の前側機壁9aに設けた後接続プレート27aと、支持パイプ杆21aを支持する支持装置23に設けた前接続プレート27bとをボルト、及びナット等によって接続させ、この接続した前接続プレート27bへ該伝動ケース29と該底蓋29aとを装着した構成である。
【0018】
前記伝動ケース29の伝動機構30の入力軸31を下部に、出力軸32を上部に回転自在に軸支した構成である。該入力軸31の一方側の軸端部には、プーリ31aを装着した構成である。このプーリ31aと、刈取機9の支持パイプ杆21aに内装した伝動機構21bに設けたプーリ22とには、伝動用ベルト33を掛け渡した構成であり、該入力軸31を回転駆動する構成である。
【0019】
前記伝動ケース29内に軸支した中間軸34の一方側の軸端部には、スプロケット34aを軸支して設け、他方部の軸端部には、ギヤー34bを軸支して設けた構成である。このスプロケット34aと、入力軸31の他方側の軸端部に設けたスプロケット31bとには、チェン31cを掛け渡した構成である。
【0020】
前記伝動ケース29で軸支した出力軸32の一方側の軸端部には、ギヤー32aを軸支して設けると共に、他方側の軸端部には、内駆動用スプロケット32bを軸支した構成である。このギヤー32aと中間軸34のギヤー34bとは、噛合する構成である。
【0021】
前記補助移送装置28は、図1〜図9で示す如く内補助移送チェン10と、外補助移送チェン11とよりなる構成であり、脱穀機9の前側で伝動ケース29の左側に設け、該内補助移送チェン10を内側で、該外補助移送チェン11を外側に位置させて設けた構成である。
【0022】
前記伝動ケース29の前ボス29bと、支持装置23との間には、図1、及び図2で示す如くL字形状の補助板29fを装着したL字形状の前支持板29dを設けて、両端部をボルト等によって装着して接続させると共に、後ボス29cと後逑する内支持板35とには、クランク形状の後支持板29eを設けて、両端部をボルト、及びナット等によって装着して接続させた構成である。又、該補助板29fはボルト、及びナット等によって、該内支持板35へ装着して、この内支持板35を支持させた構成である。
【0023】
前記内支持板35の後端部には、図1〜図3で示す如くL字形状の内補助板35aを固着して設けた構成である。この内支持板35の前端部には、内前支持軸35bを固着して設け、この内前支持軸35bは、二段スプロケット36の内側スプロケット36aの右側端内径部に設けたベアリングへ挿入して軸支した構成であり、この二段スプロケット36は回転自在な構成である。又、これら内支持板35と内補助板35aとの間には、遊動輪36cを設けて、内後支持軸35cで遊動自在に軸支した構成である。
【0024】
前記出力軸32の内駆動スプロケット32bと、二段スプロケット36の内側スプロケット36aと、内チェン摺し37aとには、内補助移送チェン10を掛け渡した構成である。この内補助移送チェン10の前方下部には、板バネ材等による弾発するチェン張り48を内支持板35に設けたチェン張り受板48aへボルト、及びナット等によって装着した構成である。このチェン張り受板48aを該内支持板35へボルト、及びナットで装着する一方側の装着孔を長孔として、該内補助移送チェン10の伸張時の対応ができる構成である。
【0025】
前記二段スプロケット36の外側スプロケット36bの左側端内径部に設けたベアリングと、外前スプロケット49aの内径部に設けたベアリングとには、外前支持軸49cを挿入して軸支して設けた構成である。該二段スプロケット36の回転駆動に連動して、該外前スプロケット49aも同時に回転駆動する構成である。この外前支持軸49cの左右方向略中央部には、外支持板50を固着して設け、この外支持板50後方部には、外後支持軸49dを固着して設け、この外後支持軸49dの左右両端部には、ベアリングを内装した外後スプロケット49b、49bを遊動自在に軸支した構成である。該外支持板50の前後両側の外側面には、補強板50aを固着した構成である。
【0026】
前記外支持板50の内側面には、取付板50bを固着して設け、この取付板50bは内支持板35の外側面に固着して設けたコ字形状の受板35dの上側面へボルト、及びナット等によって装着した構成として、この外支持板50を支持した構成である。
【0027】
前記二段スプロケット36の外側スプロケット36b、及び外前スプロケット49aと、各外後スプロケット49bと、外チェン摺し37bとには、外補助移送チェン11を掛け渡した構成である。該外補助移送チェン11部には、外下チェン摺し37cを上下移動調節自在に設け、この外補助移送チェン11が伸張したときの対応ができる構成である。
【0028】
前記外補助移送チェン11の左右方向の全幅は、図1で示す如く脱穀機3のフィードチェン12の全幅と略同じ幅に形成した構成である。又、内補助移送チェン10は該外補助移送チェン11より狭幅とした構成である。前記内補助移送チェン10と外補助移送チェン11との間には、図1、及び図2で示す如く穀稈案内プレート51を設けた構成である。
【0029】
前記内補助移送チェン10は移送終端部側を、又、外補助移送チェン11は移送始端部側を、互いに回動駆動側とした構成として、伝動構成を筒略化すると共に、刈取機3から脱穀機9の穀稈の引継ぎを良好にし、引継ぎ時の穀稈のこぼれを防止すると共に、内側に形成した該内補助移送チェン10と、外側に形成した該外補助移送チェン11、及びフィードチェン12とで穀稈を移送する移送構成が二重で穀稈を移送する範囲を広くして、穀稈の移送を確実にした構成である。
【0030】
前記外補助移送チェン11の全高(H1)は、内補助移送チェン10の全高(H2)より、図6で示す如く所定高さ高く形成した構成であり、これら外・内補助移送チェン11、10の各チェンパイプ11a,10aの中心から下部迄の高さ(H3),(H3)は同じ高さに形成した構成である。又、該外補助移送チェン11を受ける外チェン摺し37bより、該内補助移送チェン10を受ける内チェン摺し37aの上下位置は、側面視所定位置(H4)高所に位置させて設け、側面視該内補助移送チェン10の上端部を高所に位置させて設けた構成である。
【0031】
これにより、前記刈取機3から穀稈を引継ぎするときに、外補助移送チェン11の取り込みが良好となり、少量の穀稈や、穀稈の姿勢が乱れて移送されてきても、確実に引継ぎすることができる。内補助移送チェン10が該外補助移送チェン11より、底部が高所にあることにより、穀稈の引継ぎ移送姿勢が自然である。又、該内補助移送チェン10側が藁屑、塵埃等の落下が多いが、全高(H2)が低いことにより、藁屑等の巻き付きが防止できる。
【0032】
前記内補助移送チェン10の上側の移送作用面の移送終端部の中心位置と、脱穀機9のフィードチェン12の移送始端部の中心位置とは、略同じ位置とした構成である。又、該フィードチェン12の移送始端部の中心位置と、外補助移送チェン11の移送終端部の中心位置とには、前後方向に所定の隙間を設けて、これらフィードチェン12と外補助移送チェン11とは、側面視重合しない構成である。
【0033】
前記内・外補助移送チェン10、11の移送始端部側の前側で、上下方向は二段スプロケット36の中心位置より若干下部には、図4、及び図5で示す如く平面視略へ字形状で丸棒材等よりなり、穀稈を内・外補助移送チェン10、11へ案内するチェン案内ガイド38を設け、このチェン案内ガイド38の左右方向略中央部には、支持杆38aを設けて支持した構成である。
【0034】
前記チェン案内ガイド38の平面視右側端部と、供給移送装置8の下側に設けた後逑する穀稈を内・外補助移送チェン10、11へ案内する供給案内ガイド39の先端部とは、この供給移送装置8を長稈側、又は短稈側へ調節操作したときであっても、図7、及び図8で示す如く常に平面視重合(ロ)状態に位置すべく設けた構成である。
【0035】
これにより、前記供給移送装置8が長稈側、又は短稈側へ調節操作して、この供給移送装置8の供給移送チェン8aが内補助移送チェン10へ接近、又は後退したときでも、チェン案内ガイド38と該供給移送装置8の供給案内ガイド39とは、常に重合(ロ)状態にあることにより、穀稈の株元側が外補助移送チェン11の内側へ入ることを防止できて、穀稈はこれら内・外補助移送チェン10、11へ確実に案内されて、引継ぎが行われる。
【0036】
前記扱深調節移装置7の移送終端部の下側には、図4、及び図5で示す如く側面視へ形状で丸棒材等よりなり、穀稈を内・外補助移送チェン10、11へ案内する扱深案内ガイド40を設けた構成である。この扱深調節移送装置7を上昇位置へ操作したときには、この扱深案内ガイド40は該内・外補助移送チェン10、11へ穀稈の引継ぎがスムーズに行われる関係位置へ向けて設けた構成である。
【0037】
これにより、前記扱深調節移送装置7で移送する穀稈を移送終端で離すときに、この穀稈の巻き込みを防止できると共に、この扱深調節移送装置7を上昇時(短稈側)では、供給移送装置8に設けた供給案内ガイド39が内側へ後退する状態となり、後退しても、扱深案内ガイド40により、内・外補助移送チェン10、11へ穀稈は案内されることとなり、穀稈の引継ぎをスムーズに行うことができる。
【0038】
前記供給移送装置8は、図4、図5、図7、及び図8で示す如く穀稈の穀長による長稈、又は短稈により、この供給移送装置8の供給移送チェン8aの形状を外側、又は内側へ変形させる支持ガイド41aを回動移動させるこの支持ガイド41aに重合する移動板41bに複数個設けた支持孔41cの装着位置により、長稈のときは、この供給移送チェン8aの穀稈移送の移送作用面を内側へ位置させ、又、短稈のときは、外側へ位置させるべく調節する構成である。
【0039】
前記供給移送装置8の下側には、図4、図5、図7、及び図8で示す如く丸棒材等よりなる供給案内ガイド39を設けた構成であり、この供給移送装置8を長稈側へ操作したときは、この供給案内ガイド39は外補助移送チェン11側へ向き、又、短稈側へ操作したときには、内補助移送チェン10側へ向き、この供給案内ガイド39でこれら内・外補助移送チェン10、11へ穀稈の引継ぎがスムーズに行われる構成である。
【0040】
これにより、前記供給案内ガイド39は供給移送装置8の供給移送チェン8aが稈長により、外側へ前進、又は内側へ後退に伴ない移動することにより、稈長に応じ抵抗なく穀稈の株元側を案内することができると共に、長稈のときには、株元側が長いことにより、外補助移送チェン11側へスムーズに案内され、又、短稈のときは、株元側が短いことにより、内補助移送チェン10側へスムーズに案内されることにより、これら内・外補助移送チェン10、11の2連チェンの効果を発揮することができる。
【0041】
前記供給移送装置8の供給移送チェン8a部には、図10で示す如く挟持プレート42aへ挟持杆42を固着して設け、この挟持杆プレート42aは保持装置43の箱形状の保持ケース43aの前後両側に設けた支持杆43bで保持した構成であり、この各支持杆43bの外径部には、スプリング43cを設け、この各スプリング43cにより、これら各支持杆43b、及び挟持杆プレート42aを介して該挟持杆42を弾発する構成である。この挟持杆42と供給移送チェン8aとの間に穀稈を挟持して移送する構成である。弾性材よりなる保持スプリング42bは該挟持プレート42aへ装着した構成である。
【0042】
前記保持ケース43aの前後、及び左右方向の略中央部には、回動用軸44を設け、この回動用軸44を回動中心として、挟持杆42は該保持ケース43a、各支持杆43b等を介して回動自在な構成である。これにより、前記挟持杆42の穀稈の入口側が外方向へ回動することにより、入口の穀稈の通路が確保できて、穀稈が少量であっても、停滞することなく挟持移送できる。又、該挟持杆42をフィードチェン12に向かって開けて設けたことにより、多量の穀稈が入った場合でも、穀稈は折れることなく、該フィードチェン12に引継ぎできる。
【0043】
前記刈取機3の後方左側の支持パイプ45には、図4、及び図9で示す如くコ字形状の取付板45aを固着して設け、この取付板45aの後端部の下側面には、取付パイプ45bを固着して設けた構成である。この取付パイプ45bには、丸棒材等よりなる径大の外チェンガイド46を挿入して、上下に回動自在に設けた構成である。該外チェンガイド46の基部には、取付板47aを固着して設け、この取付板47aには、弾性材の丸棒材等よりなる該外チェンガイド46より、径小の内チェンガイド47の基部をボルト、及びナット等で装着した構成である。
【0044】
前記外チェンガイド46の形状、及び装着位置は、図4、及び図9で示す如く平面視左右方向の基部の右側部を、内側へ向けて屈曲させて、後方外側へ傾斜させ、更に後方へ直線形状に形成した構成である。この外チェンガイド46は平面視外補助移送チェン11の左右方向略中央部に位置させると共に、後端部はフィードチェン12の移送始端部より、所定距離(L)後方部まで延長させて、更に脱穀機9の脱穀挟持杆13と重合状態に設け、これら外補助移送チェン11とフィードチェン12との間に渡って設けた構成である。又、該外チェンガイド46の下側面は、側面視これら外補助移送チェン11、及びフィードチェン12と所定の隙間(イ)を設けて、上側部へ位置させて設けた構成である。
【0045】
前記内チェンガイド47の形状、及び装着位置は、図4、及び図9で示す如く平面視基部を、後方内側へ向けて傾斜させて、後方へ直線形状に形成した構成である。この内チェンガイド47は平面視内補助移送チェン10の左右方向略中央部に位置させて設けると共に、この内チェンガイド47の下側面は、側面視該内補助移送チェン10に当接させて設けた構成である。
【0046】
前記外チェンガイド46を径大とし、更に外補助移送チェン11、及びフィードチェン12との間に隙間(イ)を設け、又、内チェンガイド47は径小とし、更に内補助移送チェン10に当接させて設けたことにより、穀稈の株元側を強固に挟持する一方、穂先側は弾性材でソフトに挟持することにより、層厚の変化に対する適応性が向上した。又、径大の該外チェンガイド46をあらかじめ少し浮かして設けていることにより、穀稈の供給の入り始めがスムーズであり、更にこの外チェンガイド46が該各チェン11、12へ当接しないことにより、異常音の発生を防止することができる。
【0047】
前記外チェンガイド46を外補助移送チェン11、及びフィードチェン12に渡って設けたことにより、これらチェン11、12が分割状態であっても、該外チェンガイド46は連続して、かつ剛体のために、挟持が確実で連続的に行うことができる。更に脱穀機3の脱穀挟持杆13と重合状態であることにより、穀稈が流入ときは、この外チェンガイド46が上方へ移動すると、該脱穀挟持杆13も同時に上方へ移動することにより、穀稈が停滞することがない。
【0048】
前記外チェンガイド46の基部を内側へ屈曲させると共に、この外チェンガイド46の基部へ内チェンガイド47を設けたことにより、穀稈の株元側が押さえられることにより、株元のガイド性が良好となり、内・外補助移送チェン10、11への引継ぎ、及び挟持が確実に行える。又、該内チェンガイド47を無理に屈曲させないで、延設できることにより、穀稈の移送抵抗を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 補助移送装置部の拡大平面図
【図2】 補助移送装置部の内補助移送チェン部の拡大側面図
【図3】 補助移送装置部の外補助移送チェン部の拡大側面図
【図4】 補助移送装置部の拡大側面図
【図5】 補助移送装置部の拡大平面図
【図6】 図4のA−A拡大断面図
【図7】 供給移送装置部の短稈時の作用平面図
【図8】 供給移送装置部の長稈時の作用平面図
【図9】 内・外チェンガイド部の拡大平面図
【図10】 挟持杆部の拡大平面図
【図11】 刈取機の全体拡大側面図
【図12】 刈取機の全体拡大平面図
【図13】 コンバインの全体側面図
【符号の説明】
2 走行車台
3 刈取機
4 掻込移送装置
5 刈刃装置
6 穀稈移送装置
7 扱深調節移送装置
8 供給移送装置
9 脱穀機
10 内補助移送チェン
11 外補助移送チェン
12 フィードチェン
13 脱穀挟持杆
29 伝動ケース
30 伝動機構
38 チェン案内ガイド
39 供給案内ガイド
40 扱深案内ガイド
42 挟持杆
43 保持装置
46 外チェンガイド
47 内チェンガイド
L 所定距離
H1 全高
H2 全高
イ 隙間
Claims (1)
- 走行車台(2)前側の刈取機(3)は前方下部から順次穀稈を掻込む掻込移送装置(4)と、穀稈を刈取る刈刃装置(5)と、刈取り穀稈を移送する穀稈移送装置(6)と、穀稈の移送と扱深さを調節する扱深調節移送装置(7)と、穀稈を移送して供給する供給移送装置(8)と、該走行車台(2)上側に載置した脱穀機(9)の前方内側の内補助移送チェン(10)と前方外側の外補助移送チェン(11)とで該供給移送装置(8)から穀稈を引継ぎ移送して更に該脱穀機(9)のフィードチェン(12)と脱穀挟持杆(13)とで引継ぎ移送中に脱穀する該脱穀機(9)と、該内・外補助移送チェン(10、11)を回転駆動する伝動機構(30)を内装した伝動ケース(29)とを設けたコンバインにおいて、前記内補助移送チェン(10)の移送終端部と前記フィードチェン(12)の移送始端部とを略同じ位置に構成し、該フィードチェン(12)の移送始端部と外補助移送チェン(11)の移送終端部とは前後方向に所定の隙間を設けて側面視重合しない構成とし、かつ外補助移送チェン(11)の全高(H1)は内補助移送チェン(10)の全高(H2)より所定高さ高く形成し、該内補助移送チェン(10)は移送終端部側から回転駆動すべく設けると共に、該外補助移送チェン11は移送始端部側から回転駆動すべく設け、前記内補助移送チェン(10)の上側に設ける内チェンガイド(47)は該内補助移送チェン(10)に当接させて内チェンガイド(47)を設けると共に、該外補助移送チェン(11)と該フィードチェン(12)の移送始端部側との間に渡って外チェンガイド(46)を上側に設け、該外補助移送チェン(11)と該フィードチェン(12)の移送始端部との間に渡って上側に設ける外チェンガイド(46)の後端部は該フィードチェン(12)の移送始端部位置より所定距離(L)後方に位置させて設けたことを特徴とするコンバイン。
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