JP4276556B2 - 使い捨てパンツ型おむつ、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨てパンツ型おむつ並びにその製造方法に関するものであり、乳幼児用としてはもとより、成人用等としても用いることができる。
使い捨ておむつは、平板状のおむつ展開体から使用時に後背部の左右翼を前腹部に綴じ合わせて着用させる展開型おむつと、パンツの形状をしたパンツ型おむつに大別される。該パンツ型おむつは立ち姿勢で容易に着用操作を行えることから、動き回る子供に対してはき脱ぎさせ易く、また成人着用者にとっては下着感覚で着用できて抵抗感が比較的少なく、精神的にも望ましいといった利点を有する。
ところで排泄物で汚れたパンツ型おむつを通常のパンツの如く下にずらす様にして脱ぐと、周りを汚す虞があることから、脇線部を剥離可能に構成し、この脇線部を剥がして身体から取り外す様にしたパンツ型おむつが一般に提供されている。
しかしこのものは一旦剥がすと再着用ができない。そこで特許文献1では、前腹部の中央縦方向を破断して前腹部の左右を開ける構成とすると共に、この左右の部材のそれぞれを、後背部の股下から延びた延出部に対して面ファスナーによって着脱自在に構成し、これにより前腹部を左右に開けて容易に取り外せ、また面ファスナーの係合によって再び着用できる様にしたパンツ型おむつが提案されている。
特開2003−526406号公報(図1,2,7)
ところで上記の如く特許文献1のパンツ型おむつは前腹部の中央で縦に破断するものであり、通常、破断端付近を掴んで破断操作を行うことが想定されるが、上記従来のパンツ型おむつでは破断端付近が柔らかい為にこの破断操作がし辛く、また再着用にあたっての前腹部左/右部材の開閉操作もし辛いという問題がある。
そこで本発明においては、前腹部を左右に分け離す際の操作性を向上させ、またこの前腹左右部分の開閉時における操作性を向上させた使い捨てパンツ型おむつを提供することを目的とする。
本発明に係る使い捨てパンツ型おむつは、前腹部と、後背部と、この後背部の股下から延出される延出部を備え、前記前腹部と前記後背部が脇線部で連なった使い捨てパンツ型おむつであって、前記延出部が股下から前記前腹部に至る長さで、この前腹部と着脱自在であり、前記前腹部が左右に分離可能で、この分離端付近の少なくとも一部が、他の前腹部の部分よりも固い硬質部となったものであることを特徴とする。
この様に分離端付近の少なくとも一部が他の部分よりも固くなっているので、着用者或いは介助者が上記分離端付近を持ち易く、従って前腹部の左右への分離操作が容易となり、また前腹部の左/右の部材を開閉する操作がし易くなる。
前記硬質部としては、熱可塑性樹脂繊維を含む不織布を前記前腹部の構成材料に備えて、この不織布を加熱加圧により硬質化させたもの、また上記不織布に対して超音波を作用させて硬質化させたものが挙げられる。加熱加圧や超音波の作用により不織布の繊維同士が溶融し、繊維間の空隙を埋めてシート状に固まるのである。殊に超音波を用いて硬質化させる場合には、作用させる超音波の強度調整が容易であるので、硬質化させる部分に孔が空き難く、均質な硬質部を形成し易い。尚加熱加圧の工程や超音波の作用工程は一般的なパンツ型おむつの製造過程に組み込み易く、また使い捨てパンツ型おむつに使用するシート材料としては不織布が一般に用いられており、その素材としても熱可塑性樹脂繊維が汎用されていることから、新たな材料を必要とせずにそのまま利用できるという利点も有する。
前記前腹部の左右への分離態様としては、前腹部の中央縦方向を破断可能に構成し、この破断可能な箇所を破断することにより該前腹部を左右に分離する様にしたものが挙げられる。上記破断可能な箇所を破断する前は、前腹部は左右一続きとなっているからしっかりしており、パンツ型おむつの上げ下げ操作等が非常に行い易い。また破断可能箇所が中央縦方向であるので、破断操作や前腹部の左/右部材の開閉操作が行い易い。
前記破断可能な箇所は、斜めに傾いた線状の複数の切れ目が、前記前腹部の縦方向に直線状に並んだものであることが好ましい。上記切れ目線の斜めの角度としては垂直方向に対して10〜85°とするのが良く、最も好ましくは45°である。
上記の様に切れ目が斜めであると、左右方向に引っ張られても簡単には破断せず、従って例えば製造途中等において破れて支障が出るという懸念が少ない。一方で、着用者(或いは介助者)が破断する際には、縦方向に複数並ぶ切れ目線に沿って容易に破ることができる。
また破断可能な箇所としては上記複数の切れ目の他、前腹部の構成材料である熱可塑性樹脂の不織布を強く加熱加圧して溶融,硬化させることにより厚みを薄くし、破断し易くしたものであっても良い。この薄肉部分は線状に前腹部を上下に貫く様に設けても良いし、或いは断続的に設けても良い。
更に前記破断可能な箇所が、前記硬質部に形成されたものであることが好ましい。前述の様に硬質部は持ち易いので、破断操作が容易に行える。加えて殊に熱可塑性樹脂繊維の不織布を加熱加圧により溶融,硬質化させて硬質部を形成したものにあっては、この硬質部の形成に伴って、厚みが薄くなる様に強く加圧加熱する箇所を設け、これを破断可能箇所としても良い。この場合は硬質部の形成と破断可能箇所の形成が一度に行え、製造工程の簡素化を図ることができる。また加熱加圧による溶融,硬質化部分の厚みを適切に設定すれば、この範囲全体が上記の如く持ち易い硬質部であり且つ破断可能な箇所として機能させることもできる。
尚本発明においては、上記の如く前腹部を破断して左右に分離する場合に限らず、予め前腹部を左/右の部材に分離した状態のパンツ型おむつとしても良く、この場合であっても、前腹部と延出部は着脱自在であるので、上記左/右の部材をそれぞれ延出部に取り付けておけば、パンツ型おむつの上げ下げ操作等を行うことができる。
更に本発明に係るパンツ型おむつにおいては、ウエスト部や胴回り部のフィット性を向上させる観点から、前記前腹部の右脇線部から左脇線部に渡って弾性部材が設けられたものであることが好ましい。そしてこの場合においては、上記弾性部材が前記硬質部を収縮させて、硬質部の持ち易さを損ねる懸念があることから、前記弾性部材を前記硬質部の範囲において切断し、硬質部に弾性部材の収縮の影響を及ぼさない様にすることが好ましい。弾性部材の切断は硬質部の範囲に渡って細かく行うのが望ましく、細かく切断することにより弾性部材の収縮の影響が殆ど(或いは全く)なくなる。
前記本発明の使い捨てパンツ型おむつは下記の如くの方法により得ることができる。即ち本発明に係る使い捨てパンツ型おむつの製造方法は、前記後背部に前記延出部を取り付ける後背−延出部取付工程と、前記前腹部と前記延出部を着脱自在に取り付ける前腹−延出部取付工程と、前記前腹部に前記硬質部を形成する硬質形成工程と、前記後背−延出部取付工程及び前記前腹−延出部取付工程を経た後に、前記前腹部の脇線部と前記後背部の脇線部を接続する脇接続工程とを備えることを特徴とする。
また前記硬質形成工程が、前記前腹部の構成材料の熱可塑性樹脂製不織布を加熱加圧して溶融し、硬化させることにより硬質部を形成するものであることが好ましい。前述の様にこの方法によれば、製造装置の大がかりな変更を伴わず、また従来からのパンツ型おむつの材料を用いたままで、硬質部を形成できる。
更に、前記前腹部に前記破断可能な箇所を形成する破断箇所形成工程を備える様にすると良い。
上記製造方法において、前記破断箇所形成工程を、前記前腹−延出部取付工程よりも後に行えば、次の理由により破断箇所形成工程の方を先に行った場合よりも製造設備をコンパクトにできる。つまり一般におむつは、連続的に搬送されるシート材料に対し、搬送方向にテンションをかけつつ各材料を取り付けて製造されるが、破断箇所形成工程を前腹−延出部取付工程よりも先に行った場合は、破断可能箇所を備えた状態の前腹部にテンションが加えられることから、製造途中で前腹部が切れてしまう懸念があり、これを確実に防止する為には、シート材料の両側を掴んで保持するシート掴み装置が必要となる。しかし上記の如く前腹−延出部取付工程を破断箇所形成工程より先に行えば、前腹部は延出部が重ねられて丈夫になっているから、この後に前腹部に破断可能な箇所を形成しても、製造途中で切断される虞が低減し(或いは全くなく)、従って上記シート掴み装置が不要となって製造設備が小さくて済む。
この場合においては前腹部と延出部が重なった状態のものに対して、前腹部のみに破断可能な箇所の形成を行わなければならないが、レーザー光線を用いた破断可能箇所の形成によれば、レーザー装置からのレーザー光線照射深さを適切に設定できるので、延出部に損傷を与えずに破断可能箇所の形成を行い得る。尚硬質部形成工程も前腹−延出部取付工程より後に行っても良く、この場合もレーザー光線を用いて熱可塑性樹脂製不織布の溶融硬化を図ることで、硬質部の形成を行うことができる。
また本発明の製造方法において、前記硬質形成工程及び前記破断箇所形成工程を、前記前腹−延出部取付工程よりも先に行えば、上記の場合とは異なって、延出部が重なっていない状態の前腹部に対して、硬質部や破断可能箇所の形成を行うことができるので、これらの形成手段を選ばず、様々な形成手段を採用できる。硬質部の形成手段としては、熱融着、超音波融着等が挙げられ、破断可能箇所の形成手段としては、ロータリカッター、レーザーカッター等が挙げられる。
またこの場合において、前記破断箇所形成工程に連続して前記前腹−延出部取付工程を行うことが好ましい。上述の様に前腹部に延出部を重ねる前に破断可能な箇所を形成するようにすると、前腹部が製造途中で破断する虞があることから、この破断箇所形成工程の後、直ちに延出部を重ねて(前腹−延出部取付工程)前腹部の切断を防止することが望まれからである。
加えて本発明の製造方法において、前記硬質形成工程と前記破断箇所形成工程を同時に行う様にしても良く、例えば熱融着、超音波融着、レーザー光を利用した融着等により、硬質部の形成と破断可能箇所の形成を同時に行えば、装置がコンパクトなものとなり、また装置コストが安く済む。
或いは硬質形成工程と破断箇所形成工程を同時ではなく順々に行うこととし、前記硬質形成工程を前記破断箇所形成工程よりも先に行う様にすれば、硬質化によって固くなりその形体や幅,厚みが安定したところ(寸法安定性の増したところ)に対して、破断可能箇所を形成することになるので、該破断可能箇所の位置決めが行い易くなる。加えて前腹部の構成材料の変更や、硬質部と破断可能箇所の位置関係や寸法等の変更によって、装置の調整等を行う必要が生じたとき、またメンテナンスの必要が生じたときに、様々な形成を兼ねた装置であると調整が複雑になる虞があるが、個別の装置となっていれば個々の装置に対して調整等を行えばよいので、便利である。
また本発明の製造方法において、更に、前記前腹部に弾性部材を右脇線部から左脇線部に渡って取り付ける弾性部材取付工程と、前記弾性部材を前記硬質部の形成範囲で切断する弾性部材切断工程とを行うことが好ましい。
前述の様に硬質部の位置の弾性部材を切断して収縮の影響を硬質部に与えない様にすることが望ましいことから、弾性部材切断工程を設けるのが良い。弾性部材の切断方法としては、カッターによる切断等が挙げられる。
上記の工程順としては、前腹部に延出部を重ねてからでは弾性部材の切断を行い難いので、弾性部材切断工程は前記前腹−延出部取付工程の前に行うのが良く、また上述の様に破断箇所形成工程に連続して前腹−延出部取付工程を行うことが好ましいことから、更に破断箇所形成工程より前に弾性部材切断工程を行うのが良い。加えて熱可塑性樹脂製不織布を溶融,硬化することにより硬質部を形成する場合にあっては、硬質部の形成と同時にこの範囲に位置する弾性部材がしっかりと固定されることになり、その後に弾性部材を切断しても切断の効果が乏しい(弾性部材の収縮の影響が現れる)ので、先に弾性部材を切断して(弾性部材切断工程)から、溶融硬化により硬質部を形成する(硬質部形成工程)様にすると良い。これらを総合すると、弾性部材取付工程、弾性部材切断工程、硬質部形成工程、破断箇所形成工程、前記前腹−延出部取付工程の順で行うのが好ましい(硬質部形成工程と破断箇所形成工程は同時でも良い)。
なお通常、弾性部材は前腹部のシート材料に接着剤により接着されているから、切断されても弾性部材が単独で縮むということは殆ど生じず、テンションが加えられたシート材料によって所定の伸長状態を維持したままで製造過程の下流側へと向かうことになる。従って製造過程の比較的上流側に弾性部材切断工程が位置しても殆ど支障はない。
本発明に係る使い捨てパンツ型おむつによれば、前腹部の分離端付近が持ち易く、従って前腹部を左右に分け離すときの操作性が良く、またこの分離した前腹部の左右の部材を開閉する操作も行い易い。
<実施形態1>
図1は本発明の実施形態1に係る使い捨てパンツ型おむつ10を示す正面図であり、図2はこのパンツ型おむつ10を取り外す手順を説明するための図である。また図3は図1に示すA−A線断面であって、後身頃側を省略して前身頃側のみを表した断面図である。
使い捨てパンツ型おむつ10は、前腹部42と、この前腹部42の両脇線部47で接合されて連なる後背部43と、この後背部43の股下方向に連なる延出部44とからなる。
前腹部42及び後背部43は、熱可塑性樹脂繊維からなる不織布製の内装シート26と、同じく熱可塑性樹脂繊維からなる不織布製の外装シート27の間に、糸状弾性部材(ウエスト用弾性部材12,ボディ用弾性部材13)を挟んだ構造のものである。内装シート26,外装シート27はいずれも柔軟で、そして弾性部材12,13が胴回り方向に伸長状態で固定されていることから、パンツ型おむつ10はウエスト用弾性部材12の収縮によって着用者のウエスト部分に良好にフィットすると共に、ボディ用弾性部材13の収縮によって胴回りへ良好にフィットし、使用感が快適となる。また後背部43の脚繰り部分には、脚用弾性部材19が設けられており、後述する延出部44に設けられた股下用弾性部材14と共に機能して、脚繰りにフィットする様になっている。この様に各弾性部材12,13,14によってパンツ型おむつ10をフィットさせることにより、尿等の漏れの防止が図られている。
前腹部42の中央部分の縦方向には硬質部41が形成されている。この硬質部41は熱可塑性樹脂製不織布である内/外装シート26,27を、加熱加圧することにより溶融し、再び硬質化させたものであり、この硬質部41以外の前腹部分(非硬質化部39)よりも固くなっている。加えて硬質部41の範囲における弾性部材12,13は細かく切断されており、該弾性部材12,13の収縮の影響が硬質部41に及ばない様になっている。
またこの硬質部41にはその中央縦方向にミシン目状に複数の切れ目11が形成されており、この切れ目11に沿って切り離すことで、前腹部42を左右の部材45,46に分離できる様になっている(なお着用状態における左を左部材45、右を右部材46と称す)。尚この分離によって左/右部材45,46の分離端18付近に上記硬質部41が存在することとなる。左/右部材45,46の肌面側における分離端18近傍(硬質部41の箇所)には、面ファスナーの雄型係合部材である鈎型係合部材15が取り付けられており、下述の延出部44の表側面に係脱自在となっている。
延出部44は、その一部が後背部43に重ねられて接着され、続いて後背部43の下端35から延出し、この延出端58が自由端となっている。延出部44の長さは、後背部43と重なる部分から股下を経て前腹部42に至る長さである。尚後背部43を図示例よりも下端方向に長いものとし、延出部44を大きく覆う様にしても良く、或いは短くしたものであっても良い。
延出部44の構造は、図3に示す様に、肌側に透液性のトップシート36、表側に不透液性のバックシート24を配置して、これらシート36,24の間に吸収性コア(吸収体)21を挟んだ構造となっている。更に延出部44の両側縁部分に長手方向に延びるサイドシート22が取り付けられ、このサイドシート22の中央縁付近に糸状の立体用弾性部材23が挟み込まれ、この弾性力によりサイドシート22が肌に向かって(トップシート36上方へ向かって)立ち上がる様になっている。サイドシート22は吸収性コア21の側縁位置25でトップシート36に接着され、更にこの外方においてバックシート24の外側縁付近に接着され、このサイドシート22とバックシート24に挟まれる様にして股下用弾性部材14が取り付けられている。尚股下用弾性部材14をトップシート36とサイドシート22の間、或いはトップシート36とバックシート24の間に挟む様に構成しても良い。
バックシート24の表側面(外面)は、微細なループを有するバック用不織布16で覆われており、上記左/右部材45,46(前腹部42)の鈎型係合部材15を係脱自在となっている。尚上記バック用不織布16に換えて、小型のループ型係合部材をバックシート24における鈎型係合部材15との係合位置に配置する様にしても良い。尤も上記バック用不織布16の様な布製材料をバックシート24の全面に設けたものの方が、見栄えや肌触りが良好であるので好ましい。
実施形態1の使い捨てパンツ型おむつ10の各材料としては、一般的な使い捨てパンツ型おむつに用いられる材料を使用でき、例えば次の如く材料が挙げられる。
外装シート27としては、スパンボンド不織布,メルトブロー不織布,SMS不織布(メルトブロー層の両側にスパンボンド層を配置させ、全体をヒートエンボス加工して得られる不織布)等の、通気性があって撥水性である不織布材料の他、織物や編物が挙げられる。好ましくは、目付10〜25g/m2の撥水性不織布材料である。
バック用不織布16としては、スパンボンド不織布,メルトブロー不織布,SMS不織布(メルトブロー層の両側にスパンボンド層を配置させ、全体をヒートエンボス加工して得られる不織布)等の、通気性があって撥水性である不織布材料の他、織物や編物が挙げられる。好ましくは、目付10〜45g/m2の撥水性不織布材料である。捲縮のかかった繊維を有するスパンボンド不織布や、嵩高なエアースルー不織布を用いれば鈎型係合部材15(また後述の実施形態11における鈎型係合部材37)と係合し易くなって好ましい。
内装シート26としては、スパンボンド不織布,メルトブロー不織布,SMS不織布等の、通気性がある不織布材料が挙げられ、特に捲縮がかかった繊維を有するスパンボンド不織布が好適である。目付量としては10〜35g/m2が好ましい。その材料としてはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。また親水化(界面活性剤を塗布する、或いは親水性繊維(レーヨン、コットン等)を若干混ぜる)しても良い。親水化することにより、肌に当接した場合の感触がより良好になったり、また吸汗したりする効果が期待できる。
トップシート36としては、透液性の不織布材料が好ましく、例えば親水性繊維(セルロース,レーヨン,コットン等)を用いた不織布材料、あるいは疎水性繊維(ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリエステル,ポリアミド等)の表面を界面活性剤により処理して透液性とした不織布材料が挙げられる。好ましくは、目付10〜35g/m2の疎水性繊維の表面を界面活性剤により処理して透液性とした不織布材料(ポイントボンド不織布,エアースルー不織布)が挙げられる。
バックシート24としては、撥水性不織布材料(スパンボンド不織布,メルトブロー不織布,SMS不織布等)やプラスチックフィルム、またその複合材料が挙げられる。尚上記プラスチックフィルムは通気性であっても非通気性であっても良いが、より好適な態様としては通気性プラスチックフィルムが望ましい。より好ましくは目付15〜50g/m2の通気性ポリエチレンフィルムである。
吸収性コア(吸収体)21としては、粉砕したパルプ繊維やセルロース繊維等の親水性繊維集合層に粒状の高分子吸水体を混合した吸収コアを、ティッシュペーパー等の紙シートあるいは透液性不織布シート等の被覆シートで包み、所定の形状(長方形,砂時計型,ひょうたん型等)に成形した吸収体が挙げられる。加えて、着用者が歩いたり、寝返りを打ったりしても形状を保持できる様にする目的で、親水性繊維集合体中やシートに形状保持手段(ホットメルト接着剤の塗布、合成繊維の混合)を施しても良い。また上記繊維や高分子吸水体をシート状に成形したシート状吸収体(例えばエアレイド吸収体)などを所定の形状(長方形,砂時計型等)に成形して用いても良い。
サイドシート22の素材としては、スパンボンド不織布,メルトブロー不織布,SMS不織布等の、通気性があって撥水性である不織布材料が挙げられ、好ましくは目付10〜25g/m2の撥水性不織布材料が挙げられる。
ボディ用弾性部材13,ウエスト用弾性部材12,股下用弾性部材14,脚用弾性部材19,立体用弾性部材23としては、使い捨ておむつに一般的に用いられる弾性伸縮材料(ポリウレタン糸,ポリウレタンフィルム,天然ゴム等)を用いると良く、各種シートの間に伸張状態で、ホットメルト接着剤,熱接着,超音波接着等の好適な添設手段によって添設すると良い(添設手段としてはゴム系のホットメルト接着剤を用いることがより好ましい)。ボディ用弾性部材13の場合は、繊度300〜2000デシテックスのポリウレタン糸を、倍率1.1〜4.0倍に伸張して添設するのが好ましい。ウエスト用弾性部材12の場合は、繊度700〜2000デシテックスのポリウレタン糸を、倍率2.0〜5.0倍に伸張して添設するのが好ましい。股下用弾性部材14,脚用弾性部材19の場合は、繊度300〜1850デシテックスのポリウレタン糸を、倍率1.1〜3.0倍に伸張して添設するのが好ましい。立体用弾性部材23の場合は、繊度300〜2000デシテックスのポリウレタン糸を、倍率1.1〜4.0倍に伸張して添設するのが好ましい。
尚各材料の接合方法としては、ホットメルト接着剤による接着、超音波シール、熱接合等の方法が挙げられる。ホットメルト接着剤としては、ゴム系,ポリオレフィン系,酢酸ビニル系等のホットメルト接着剤から適宜選択すると良く、接着剤の塗布方法としては、接着剤排出ノズルを接触させつつ塗布する方法、カーテンスプレーコータによるメルトブロー法やスパイラルスプレー法等の非接触式塗工法で網状に塗布する方法、間欠的に塗布するビード塗布法等が挙げられる。脇線部47については、熱接合による接合が好ましい。
次にこの実施形態1のパンツ型おむつ10の使用態様について説明する。
パンツ型おむつ10(前腹部42を左右に切り離す前)の着用にあたっては、普通のパンツの様に脚開口部49に足を通し、腰までずり上げて着用する(図1)。
パンツ型おむつ10を取り外すにあたっては、先ず切れ目11に沿って切断して前腹部42を左部材45と右部材46に分ける。このとき切れ目11が硬質部41の箇所に設けられていることから、切れ目11付近が掴み易く、切断操作が容易である。続いて(或いは切断と同時に)、延出部44(バック用不織布16)に対する鈎型係合部材15の機械的係合を外して左/右部材45,46を前方へ開ける(図2(a),(b))。この際も左/右部材45,46の分離端18付近が硬質部41となっているから持ち易く、機械的係合の解除操作が行い易い。
次いで延出部44を身体の腹部から離して股の間から引き抜き、おむつ10を取り外す(図2(c))。この様にパンツ型おむつ10は前腹部を左右に開けて取り外すことができるので、外に着用するズボン等を完全に脱がなくても、少しずらすだけで外すことができる。
尚おむつ10を完全に外さずに、内部の汚染状態を確認するだけのときは、左/右部材45,46を前方へ開け、延出部44を腹部から少し離して見る様にすると良い。そして前腹部42(左/右部材45,46)と延出部44は、バック用不織布16と鈎型係合部材15の機械的係合によって着脱自在であるので、これらを係合させる様にしつつ左/右部材45,46を閉じることで、再び着用することができる。加えて鈎型係合部材15を所望の位置にずらせてバック用不織布16に係合させることもでき、これにより胴回りのフィット感を着用者の好みに変更することができる。しかも鈎型係合部材15とバック用不織布16は嵩張らないので、すっきりとした外観を呈する。
なお左/右部材45,46への切断操作を行うまでは、左/右部材45,46は繋がった状態であり、また胴回り(前腹部42及び後背部43)はウエスト用弾性部材12やボディ用弾性部材13によって良好に伸縮するので、着用者は通常のパンツをはく様に上げ下げすることができる。
<実施形態2〜4>
図4の(a)〜(c)は本発明の実施形態2〜4に係る使い捨てパンツ型おむつにおける右部材46の分離端18の付近を表す断面図である(尚左部材45はこれと対称に現れる)。尚図3と同じ構成部分については同一の符号を付して重複説明を避ける。
上記実施形態1では硬質部41の幅が比較的広く、この硬質部41の位置に鈎型係合部材15が設けられたものであるが、図4の(a)に示す実施形態2では、分離端18の箇所に幅の狭い硬質部55を設け、この硬質部55よりも外側(脇の方向)の位置に鈎型係合部材15を取り付けたものである。また図4の(b)に示す実施形態3では、更に鈎型係合部材15の取付位置よりも外側(脇の方向)にも硬質部56bを設け、即ち鈎型係合部材15の左右両側を挟む位置に硬質部56a,56bを設けたものである。図4の(c)に示す実施形態4では、分離端18の部分には硬質部を設けずに、やや外側に鈎型係合部材15の左右両側を挟む様にして硬質部57a,57bを設けたものである。尚硬質部55,56a,56b,57a,57bは熱可塑性樹脂製不織布からなる内・外装シート26,27を加熱加圧することにより溶融圧縮し、固化したものであり、非硬質化部39(硬質部以外の前腹部分)よりも固く、また容易に小さい曲率半径で折り曲げることができる。
実施形態2〜4はいずれも硬質部上に鈎型係合部材15が設けられたものではないが、その近傍に硬質部55,56a,56b,57a,57bが形成されているので、いずれも分離端18近傍を掴み易く、前腹部中央での切断操作や、鈎型係合部材15のバック用不織布(ループ型係合部材)16への着脱操作が行い易い。更に実施形態2では硬質部55の範囲、即ち固い範囲が狭いので、右部材(或いは左部材)は全体として柔らかいものとなる(図4(a))。また実施形態3では外側の硬質部56bを小さく折り曲げて鈎型係合部材15の係合解除操作を行うことができ、左/右部材45,46の開閉操作が行い易い(図4(b))。実施形態4では分離端18部分が柔らかく、また硬質部57a,57bは幅が狭いので、右部材(或いは左部材)が全体として柔らかいことに加えて、実施形態3と同様に外側の硬質部57bを小さく折り曲げて左/右部材45,46の開閉操作を容易に行える。
<実施形態5〜8>
図5の(a)〜(d)は本発明の実施形態5〜8に係る使い捨てパンツ型おむつにおける前腹部42(左/右部材45,46)を表す正面図であり、様々な形体の硬質部を表している。尚図1,2と同じ構成部分については同一の符号を付して重複説明を避ける。
実施形態1では硬質部41の範囲を全面的に溶融固化したものを示したが、図5の(a)に示す実施形態5では、硬質部51の範囲を格子状に溶融固化したものである。また図5の(b),(c)に示す実施形態6,7では、弾性部材12,13を押さえる様にして該弾性部材12,13の存在する位置を溶融固化し、硬質部52,53としたものである。尚実施形態6では複数本の弾性部材12,13を跨いで1つの硬質部52を形成したものであり、実施形態7では個々のボディ用弾性部材13に対して(ウエスト用弾性部材12は一体として扱う)硬質部53を形成したものである。図5の(d)に示す実施形態8では、弾性部材12,13を押さえる様にしつつ、短い線状の溶融固化部分を多数ちりばめて硬質部54を形成したものである。
実施形態5〜8では、実施形態1の様に分離端付近を全面的に溶融固化して硬質部41を形成したものに比べて溶融固化の総面積が小さいから、実施形態1のものよりも分離端付近を柔らかく構成できる。加えてこれら実施形態5〜8の場合であっても十分に固くなっているので持ち易く、硬質部の寸法安定性も或る程度確保されている。
<実施形態9,10>
図6の(a),(b)は本発明の実施形態9,10に係る使い捨てパンツ型おむつにおける前腹部42(左/右部材45,46)を表す正面図であり、様々な形の切断可能箇所(切れ目)を表している。尚対比のために実施形態1の切断可能箇所(切れ目11)を図6の(c)に示す。また図1,2と同じ構成部分については同一の符号を付して重複説明を避ける。
実施形態1では、複数の短い直線状の切れ目11が前腹部42の中央縦方向(上下方向)に沿って真っ直ぐ一列に並んだものを示したが(図6(c))、図6(a)に示す実施形態9では、短い直線状の切れ目33が縦方向に対して45°に傾き、この斜めの切れ目33が複数、前腹部42の中央縦方向に並んだものである。また図6(b)に示す実施形態10では、複数のS字状の切れ目38が少しずつズレながら前腹部42の中央縦方向に並んだものである。
殊に実施形態9,10では左/右部材45,46を左右に引き離す方向に真っ直ぐに引っ張っても、切断され難く、例えば製造過程においてはこの左右に引き離す方向に張力が加えられることがあるが、製造途中に破れる虞が少ない。
<実施形態11>
図7は本発明の実施形態11に係る使い捨てパンツ型おむつ20の着用時の状態を表す正面図であり、図8,9はこのパンツ型おむつ20の着用,或いは取り外し手順を説明するための正面図である。尚図1〜3と同じ構成部分については同一の符号を付して重複説明を避ける。
このパンツ型おむつ20は、実施形態1のパンツ型おむつ10における延出部44をその自由端方向に更に延長して(延長箇所29)、長い延出部59としたものである。延長箇所29はトップシート36,バックシート24及びバック用不織布16が積層されたものであり、間に吸収性コア21は存在せず、薄く柔らかいものとなっている。この延長箇所29の表側(外側)面における延長端62の角部近傍には、鈎型係合部材37が取り付けられている。また前腹部42(左/右部材45,46)の外装シート27として微細なループを有するものが用いられ、上記鈎型係合部材37と係脱自在となっている。他の構成は実施形態1と同様である。
着用時には延長箇所29を外側に折り返して、その鈎型係合部材37を前腹部42の表側(外側)面(外装シート27)に係合させる(図7)。この様にしてウエスト開口48の前部分が分厚くなることにより、該ウエスト開口48部分が持ち易くなり、パンツ型おむつ20の上げ下げ操作がし易くなる。加えて例えばパンツ型おむつ20の上げ下げ操作時の様に胴回り方向に広げる力が加わっても、折り返した延長箇所29によって実施形態1よりも一層しっかりと保持され、左/右部材45,46が分かれるということがない。また折り返されていることから、上げ下げ操作時に延出部の端が着用者の肌に当たることがなく、肌触りが良い。
前腹部42を分離してパンツ型おむつ20を取り外す際には、先ず前腹部42の表側面(外装シート27)から鈎型係合部材37の係合を外し(図8(a))、次いで上記実施形態1と同様に、切れ目11に沿って前腹部42を切断して左部材45と右部材46に分け、続いて(或いは切断と同時に)、延出部59(バック用不織布16)に対する鈎型係合部材15の機械的係合を外して左/右部材45,46を前方へ開け(図8(b),図9(a))、延出部59を腹部から離す(図9(b))。
延出部59(バック用不織布16)と鈎型係合部材15、また前腹部42(外装シート27)と鈎型係合部材37は、いずれも着脱自在であるので、外したおむつ20を再び着用することができ、また胴回りサイズも適宜調整することも可能である。
<実施形態12(製造方法)>
次に上記実施形態1のパンツ型おむつ10を製造する方法の一例について述べる。
図10は本発明に係る使い捨てパンツ型おむつの製造方法の一例を説明するための図であり、この製造ラインは図の左から右(矢印B方向)に流れている。尚図1〜3と同じ構成部分については同一の符号を付して重複説明を避ける。
先ず前腹部42において内装シート26と外装シート27の間に弾性部材12,13を挟み込む(弾性部材取付工程)。尚この製造ラインはパンツ型おむつを左右方向に流して製造する所謂横流し法によるものであり、上記弾性部材12,13は右脇線部から左脇線部に渡って配置されることとなる。
次いで前腹部42において、硬質部41の形成予定の範囲で弾性部材12,13を弾性部材切断装置63により切断する(弾性部材切断工程)。弾性部材切断装置63はドラム表面に複数の小さな刃を備えたものであり、これが回転し、1本1本の弾性部材12,13に対してそれぞれ複数箇所で切断することとなる。
続いて前腹部42における上記弾性部材の切断位置を加熱加圧して溶融し、固化して硬質部41を形成する(硬質形成工程)。鈎型係合部材15を取り付けた後、上記硬質部41の中央に切れ目11を形成する(破断箇所形成工程)。
一方、後背部43においても内装シート26と外装シート27の間に弾性部材12,13を挟み込み、所定の形状に縁部分を切断する。尚図示例では後背部43の股下側の切断片のみを示しているが、ウエスト開口側も切断する様にしても良く、また上述の前腹部42の股下側やウエスト開口側も切断する様にしても良い。更にウエスト開口側において、内/外装シート26,27の一方を折り返してウエスト用弾性部材12を挟む様にしても良い。
次に別過程で製造された延出部44を、前腹部42の肌側面に載せると共に後背部43の肌側面に接着する(前腹−延出部取付工程、後背−延出部取付工程)。このとき前腹部42の鈎型係合部材15と延出部44のバック用不織布16が係合する。後背部43側を前腹部42に向けて折返した後(矢印C)、前腹部42と後背部43を脇線部47で熱融着し(脇接続工程)、個々のおむつに切り離して、パンツ型おむつ10が完成する。
本実施形態12の製造方法の様に、予め前腹部42に硬質部44及び切れ目11(破断可能な箇所)を形成した後、延出部44を取り付ける場合には、延出部44の重なっていない前腹部42に対して硬質部41及び切れ目11を形成できるので、これらの形成手法に制限を受けることがなく、様々な形成手法(例えば熱融着,超音波融着等による硬質部の形成、ロータリカッター,レーザーカッター等による切れ目11の形成)を採用できる。
加えて硬質形成工程を行った後に破断箇所形成工程を行っているので、寸法安定性の増した硬質部41に対して切れ目11を形成することができ、該切れ目11の位置決めが容易となる。加えて硬質形成工程と破断箇所形成工程が別工程であるから、材料の変更や硬質部41,切れ目11の位置変更等によってそれぞれの形成装置の調整等を行う必要が生じたとき、その変更が容易であり、またメンテナンスの必要が生じたときも、個々の形成装置に対して調整すれば済むので容易である。また鈎型係合部材15の取付工程としても、固くなった硬質部に対して取り付けるので、その操作性が良い。
<実施形態13〜15(製造方法)>
図11の(a)〜(c)は本発明の実施形態13〜15に係る使い捨てパンツ型おむつの製造方法を説明するための図であって、ここでは硬質部41と破断可能箇所61の形成工程(硬質形成工程、破断箇所形成工程)のみについて説明する。尚他の工程については通常の使い捨てパンツ型おむつの製造方法に準ずれば良く、即ち通常の製造方法に、硬質形成工程と破断箇所形成工程及び弾性部材切断工程を付加すると良い。
図11の(a)に示す実施形態13は、前腹部42に延出部44を取り付けた後に(前腹−延出部取付工程)、硬質部41の形成を行い(硬質形成工程)、次いで破断可能箇所61を形成するものである(破断箇所形成工程)。この実施形態13においては、前腹部42に延出部44が重ねられて丈夫になったものに対して、硬質部41や破断可能箇所61が形成されるから、破断可能箇所61の形成によって前腹部42が破断し易いものとなっても、破断防止のための把持装置が不要で、おむつ製造設備をコンパクトにできる。
尚この場合における硬質部41や破断可能箇所61の形成装置としては、レーザー光線を用いた装置が好適である。レーザー光線は深度を調整できるので、重なった延出部44を損傷せずに、前腹部42に硬質部41や破断可能箇所61(切れ目11)を形成できる。
次に図11の(b),(c)に示す実施形態14,15について説明する。上記実施形態12,13では、硬質形成工程と破断箇所形成工程を順々に行う場合を示したが、実施形態14,15では硬質部41の形成と破断可能箇所61の形成を同時に行うものである。尚実施形態14(図11の(b))は、前腹部42に延出部44を取り付けた後に(前腹−延出部取付工程)、硬質部41及び破断可能箇所61の形成を行うものであり(硬質形成工程、破断箇所形成工程)、実施形態15(図11の(c))は、硬質部41及び破断可能箇所61の形成を行った後に(硬質形成工程、破断箇所形成工程)、前腹部42に延出部44を取り付けるものである(前腹−延出部取付工程)。
この様に硬質部41と破断可能箇所61を同時に形成する方法としては、加熱溶融においてその加熱や加圧の程度を調整し、硬質部41の中央縦方向に薄い部分を形成する様にし、当該薄い部分を破断可能箇所61とする方法等が挙げられる。
実施形態14,15の如く硬質形成工程と破断箇所形成工程を同時に行う様にすれば、装置がコンパクトになる。
以上、例を挙げて本発明を具体的に説明したが、本発明はもとより上記例によって制限を受けるものではなく、前記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
例えば上記実施形態では硬質部41として、前腹部42を構成する熱可塑性繊維製不織布を溶融,硬質化させたものを示したが、これに限るものではなく、例えば前腹部42に合成樹脂製シートを貼り付けることにより固くしても良い。
また上記実施形態のパンツ型おむつは、はじめ前腹部42の左/右部材45,46が繋がっており、着用者等が適宜切れ目11(破断可能箇所61)で切断して左部材45と右部材46に分離されるものであるが、予め左/右部材45,46に切断された状態の製品であっても良い。この場合は新しく着用する際にも、外側のズボン等を完全に脱がずに、パンツ型おむつを着用することができる。
更に上記実施形態では、弾性部材12,13を鋭利なカッター(刃)により切断する場合を示したが、これに限るものではなく、例えば硬質部の形成に際し、先の丸い押圧部材により加熱しつつ圧力をかけて押し切りする様にしても良い。
上記実施形態では延出部と前腹部(左/右部材)の着脱に、鈎型係合部材等の雄型係合部材とループ型係合部材や不織布(或いは編物,織物)等の雌型係合部材とを対にして機械的に係合させる構成のものを示したが、粘着テープと、この粘着テープを着脱自在なターゲット部材との組合せにより、着脱自在な構成としても良い。またボタンや紐を用いて左/右部材の開閉が可能な様に構成しても良い。尚鈎型係合部材と、ループ型係合部材や不織布とで構成された面ファスナーが最も好ましい。
上記実施形態11では、トップシート36,バックシート24及びバック用不織布16が延長されて延長箇所29を形成したものを示したが、このものの他、例えば実施形態1のパンツ型おむつ10における延出部44に別体のシート体を取り付けて延長箇所29としても良い。
本発明の実施形態1に係る使い捨てパンツ型おむつを示す正面図である。 実施形態1の使い捨てパンツ型おむつを取り外す手順を説明するための図である。 図3は図1に示すA−A線断面であって、後身頃側を省略して前身頃側のみを表した断面図である。 (a)〜(c)は本発明の実施形態2〜4に係る使い捨てパンツ型おむつにおける右部材の分離端の付近を表す断面図である。 (a)〜(d)は本発明の実施形態5〜8に係る使い捨てパンツ型おむつにおける前腹部(左/右部材)を表す正面図である。 (a),(b)は本発明の実施形態9,10に係る使い捨てパンツ型おむつにおける前腹部(左/右部材)を表す正面図である。 本発明の実施形態11に係る使い捨てパンツ型おむつの着用時の状態を表す正面図である。 実施形態11の使い捨てパンツ型おむつの着用,或いは取り外し手順を説明するための正面図(その1)である。 実施形態11の使い捨てパンツ型おむつの着用,或いは取り外し手順を説明するための正面図(その2)である。 本発明に係る使い捨てパンツ型おむつの製造方法の一例を説明するための図である。 (a)〜(c)は本発明の実施形態13〜15に係る使い捨てパンツ型おむつの製造方法を説明するための図である。
符号の説明
10,20 使い捨てパンツ型おむつ
11,33,38 切れ目
12 ウエスト用弾性部材
13 ボディ用弾性部材
15,37 鈎型係合部材
16 バック用不織布(ループ型係合部材)
18 分離端
29 延長箇所
41,51,52,53,54,55,56a,56b,57a,57b 硬質部
42 前腹部
43 後背部
44,59 延出部
45 左部材
46 右部材
61 破断可能箇所

Claims (15)

  1. 前腹部と、後背部と、この後背部の股下から延出される延出部を備え、前記前腹部と前記後背部が脇線部で連なった使い捨てパンツ型おむつであって、
    前記延出部は、股下から前記前腹部に至る長さで、この前腹部と着脱自在であり、
    前記前腹部はその中央縦方向が破断可能に構成されたものであり、この破断可能な箇所を破断することにより該前腹部が左右に分離されるものであり、
    前記前腹部は左右に分離可能で、この分離端の部分が、他の前腹部の部分よりも固い硬質部となったものであることを特徴とする使い捨てパンツ型おむつ。
  2. 前記前腹部を構成する材料が熱可塑性樹脂繊維を含む不織布を有し、
    前記硬質部は、前記不織布を加熱加圧により硬質化させたものである請求項1に記載の使い捨てパンツ型おむつ。
  3. 前記前腹部を構成する材料が熱可塑性樹脂繊維を含む不織布を有し、
    前記硬質部は、前記不織布に対して超音波を作用させて硬質化させたものである請求項1に記載の使い捨てパンツ型おむつ。
  4. 前記硬質部に、前記延出部と係脱自在な係合部材が設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の使い捨てパンツ型おむつ。
  5. 前記破断可能な箇所は、斜めに傾いた線状の複数の切れ目が、前記前腹部の縦方向に直線状に並んだものである請求項1〜のいずれかに記載の使い捨てパンツ型おむつ。
  6. 前記破断可能な箇所が、前記硬質部に形成されたものである請求項1〜のいずれかに記載の使い捨てパンツ型おむつ。
  7. 前記前腹部はその右脇線部から左脇線部に渡って弾性部材が設けられたものであって、該弾性部材が前記硬質部の範囲において切断されたものである請求項1〜6のいずれかに記載の使い捨てパンツ型おむつ。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の使い捨てパンツ型おむつの製造方法であって、
    前記後背部に前記延出部を取り付ける後背−延出部取付工程と、
    前記前腹部と前記延出部を着脱自在に取り付ける前腹−延出部取付工程と、
    前記前腹部に前記硬質部を形成する硬質形成工程と、
    前記前腹部に前記破断可能な箇所を形成する破断箇所形成工程と、
    前記後背−延出部取付工程及び前記前腹−延出部取付工程を経た後に、前記前腹部の脇線部と前記後背部の脇線部を接続する脇接続工程と
    を備えることを特徴とする使い捨てパンツ型おむつの製造方法。
  9. 前記硬質形成工程が、前記前腹部の構成材料の熱可塑性樹脂製不織布を加熱加圧して溶融し、硬化させることにより硬質部を形成するものである請求項8に記載の使い捨てパンツ型おむつの製造方法。
  10. 前記破断箇所形成工程を、前記前腹−延出部取付工程よりも後に行う請求項8または9に記載の使い捨てパンツ型おむつの製造方法。
  11. 前記硬質形成工程及び前記破断箇所形成工程を、前記前腹−延出部取付工程よりも先に行う請求項8または9に記載の使い捨てパンツ型おむつの製造方法。
  12. 前記破断箇所形成工程に連続して前記前腹−延出部取付工程を行う請求項11に記載の使い捨てパンツ型おむつの製造方法。
  13. 前記硬質形成工程と前記破断箇所形成工程を同時に行う請求項12のいずれかに記載の使い捨てパンツ型おむつの製造方法。
  14. 前記硬質形成工程を、前記破断箇所形成工程よりも先に行う請求項12のいずれかに記載の使い捨てパンツ型おむつの製造方法。
  15. 前記前腹部に弾性部材を右脇線部から左脇線部に渡って取り付ける弾性部材取付工程と、
    前記弾性部材を前記硬質部の形成範囲で切断する弾性部材切断工程とを備える請求項8〜14のいずれかに記載の使い捨てパンツ型おむつの製造方法。
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