JP4275864B2 - 化学品混合物中の化合物を同定する方法 - Google Patents

化学品混合物中の化合物を同定する方法 Download PDF

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は一般に、質量分光分析(Mass Spectrographic analysis)に関し、さらに詳細には有機化合物の複雑な混合物中の有機化合物の同定に関する。
【0002】
(背景技術)
質量分析法(MS)は、有機化学および無機化学の両者において分子の同定のために広範に用いられている技術である。MSは、分子の秤量機械として考えることができる。分子の重量は、未知の分子の同定、あるいは分子の未知の混合物中での既知の分子の同定における重要な情報の1つである。MSを使用する状況の例としては、医薬品の開発および製造、汚染の制御分析、および化学的品質の制御が挙げられる。
【0003】
MSは、しばしばガスクロマトグラフィー(GS)や液体クロマトグラフィー(LC)などの他の分析手段と組み合わせて用いられ、これら手段はMS系への化学品混合物の個々の成分の到着のタイミングを本質的に分散させることにより、MSスペクトルの分析を簡単にするのを助ける。それゆえ、いかなる時でも同時での質量分析計中の異なる分子種の数が低減し、質量スペクトルピークの分離が簡単になる。この手順は、10ないし20程度の異なる分子種を含む化学試料ではうまく働くが、数千もの異なる分子種を含む試料を分析するには不適切である。
【0004】
質量分析法は、まず目的とする化学品材料をイオン源でイオン化することにより操作する。電子スプレーイオン化(electrospray ionization (ESI))や大気圧化学イオン化(atmospheric pressure chemical ionization (ApCI))などの当該技術分野でよく知られた多くのイオン源が存在する。上記イオン化法は、一般に当該技術分野でプロトン化分子[M+H](式中、Mは目的分子を表し、Hは水素イオン(プロトンと同じである)を表す)として知られているものを生成する(プロトンすなわち水素原子核の付加を意味する)。
【0005】
幾つかのイオン化法では類似のイオンも産生されるであろう。類似のイオンは、上記プロトンではなくアルカリ金属カチオンの付加により生じる。典型的な分子種は[M+Na]または[M+K]である。イオン化分子の分析は、上記プロトン化イオンに関するものであるかアルカリ金属カチオンの付加を取り扱うかに拘りなく、同じである。主たる相違は、水素イオン(すなわち、プロトン)の場合、プロトンの付加は1質量単位(典型的に1ダルトンと呼ばれる)を付加し、ナトリウムの場合は23ダルトン、あるいはカリウムの場合は39ダルトンを付加するということである。これら付加的な重量または質量は目的分子の分子量に単純に加えられ、MSピークは目的分子の分子量と付加したイオンの重量との合計のところで生じる。
【0006】
これらイオン化法はまた、負のイオンをも生じることがある。最も一般的な分子シグナルは脱プロトン化分子[M−H]であり、この場合、質量は目的分子の分子量よりも1ダルトン低い。さらに、幾つかのイオン化法では多価に荷電したイオンを生じるであろう。これらは[M+nH]n+(式中、小文字のnは付加したさらなるプロトンの数を表す)なる一般的な同定タイプのものである。
【0007】
上記イオン化法のいずれかで生じたイオンは、イオンの質量並びに各質量レベルでのイオンの数が区別されるように、質量セパレーター(mass separator)、典型的には磁場型、四重極電磁型、または飛行時間型質量セパレーターを通過する。これら質量の分離されたイオンは検出器に入り、イオンの数が記録される。質量スペクトルは通常、図1(イオン化された炭素の場合を表す)のような図表として示される。この場合、それぞれ炭素原子の異なる同位元素を表す2つの有意のピークが存在することがわかる。この図では、相対強度(normalized intensity)、または検出したイオンの数は縦のスケールに示され、イオンの質量/電荷比(m/z、しばしばDa/eとしても知られる)は水平軸に記録される。単一のプロトンによってプロトン化されたイオンの場合のように目的イオン上の電荷が1に等しい場合、この質量/電荷比(m/z)は目的イオンの質量とプロトンの質量との合計質量に正確に等しくなる。
【0008】
(発明の開示)
(発明が解決しようとする技術的課題)
状況は図1に示すように単純であるとは限らない。図17a〜cは、1〜3個の臭素原子を含む単一の中位のサイズの有機分子種のスペクトルを示す。スペクトルに単一の分子種のみが表されている場合ですら、多くの有意の大きなイオンピークが存在する。たとえば、質量553のピークは、すべての炭素原子がC−12であり、すべての臭素原子がBr−79である基本分子を示す。555のピークは1つのBr−79が同位体Br−81で置換されたものであり、553と555との間の小さなピークは1つのC−12がC−13で置換されたことによるものである。m/z556でのピークは1つのBr−81置換と1つのC−13置換を表す、等々。一般に、最初の分子の断片化および種々の同位体置換を表すより低いm/zピークもまた存在するであろう。それゆえ、炭素、臭素、または同位体を有する他のよく知られた多くの元素を含む分子は、常に複数のピークを有し、スペクトル分析を困難にするであろう。
【0009】
あるMSシグナルを生成する特定の分子種を、その分子量を識別することにより同定することもしばしば可能である。なぜなら、一般に異なる化学種は異なる分子量を有するからである。MSは、未知の純粋な有機化合物の分析における強力な手段である。なぜなら、MSは該化合物の分子量または質量を同定することができ、かくしてあり得る化合物の数を制限することによって特定の化合物を同定することを助けるからである。MSは有用な手段ではあるが、明示するように、ピークを間違って同定する多くの仕方があり、分析は時間を要し、高価である。
【0010】
さらに、目的試料が1を超える化合物を含む(すなわち、異なる物質の混合物である)なら、質量スペクトルは解釈がさらに一層困難となる。スペクトル中のどの特定のピークが導入した試料中の特定の化合物に対応するかを同定するのは容易ではない。それゆえ、これまでに認められてきたように、複雑な混合物の分析を助けるため、質量分析計に導入するに先立ってガスクロマトグラフィー(GC)や液体クロマトグラフィー(LC)の使用により混合物を前以て分離することが従来技術で知られている。たとえば、医薬品開発実験室で医薬品代謝産物の分析にLC/MS(液体クロマトグラフィー/質量分析法を意味する)が頻繁に用いられている(どの化合物が生体において特定の作用を有するかを同定するのに用いられる)。環境汚染分析においてはGC/MSを用いることも知られている。これは、典型的に揮発性物質、たとえばジオキシンまたはポリ塩化ビフェニルが関与する場合に行われる。目的とする特定の材料、たとえばジオキシンの既知の質量分光特性、すなわちその重量、その同位体分布、およびクロマトグラフィー保持時間を探し求めることにより、かかる特定の材料を同定することが可能である。
【0011】
上記例において、LCおよびGC法は、化学種の既知の混合物の試料を質量分析計に既知の順序(sequence)で導入させるのに用いる。ただ1つの化合物がMS系に同時に入るのが好ましいであろう。目的材料がガスクロマトグラフィーを移動するのにどの位を要するかを知ることにより、該材料がいつ質量分析計に入るかを知ることができる。ジオキシンについて予期される時間の間に質量分析計の結果を調べることは、質量スペクトルがジオキシンのものと重なる他の材料によってシグナルを混乱されることなくジオキシンのサインを同定する相当良い機会を与える。それゆえ、化合物のセットを分析するのに質量分析計の始めにガスクロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィー分離を加えてMSを使用することが当該技術分野において知られている。そのような系は、イオンの数を時間の関数として示す全イオンクロマトグラム(total ion chromatograms (TIC))として知られているものを生成する。典型的なTICを図3に5,000の異なる化合物を含む混合物のLC/MS分析について示す。殆どすべての可能な時点でシグナルピークが存在し、それゆえデータ点が非常に多数のためTICデータを分析することは困難である。
【0012】
このデータの問題を解決するのを助けるため、抽出イオンクロマトグラム(extracted ion chromatograms (XIC))として知られるものを生成することによりGC/MSまたはLC/MSスペクトルを分析することが当該技術分野で知られている。これは、データセット中のTICスペクトルの各質量点を目的成分の質量に対応するイオンシグナルについて全試料時間にわたって調べるものである。図4bは、図4aのTIC中のデータをm/z値が911.5のイオンについてプロットして得られたXICを示す。XICは到着時間に加えて質量/電荷情報も含んでいる。図4cは、m/zの範囲が911.5〜910.5のイオンについてのXICである。これらXICチャートをピークの有無について調べ、それによって予期された質量を有する目的イオンの存在を同定するか、または予期されるイオンの不在が示される。この方法は、20までの異なる既知の化合物の混合物を調べるときには使えるが、何百もの化合物の混合物の分析には充分に適しているとはいえない。なぜなら、それら何百もの成分または化合物の混合物のうちの2ないし3が同様のクロマトグラフィー保持時間を有し、それゆえ質量分析計にほぼ同時に到着する確率が高いからである。非常に複雑な混合物では、いずれのm/z値であってもイオンを産生する複数の物質が存在するかもしれず、そのうちの幾つかが目的化合物に対応し、あるいはいずれも目的化合物に対応しないであろう。
【0013】
TICもXICもともに何百あるいは何千もの分子種を含む化合物の混合物を調べるときには解釈が困難であることから、図5(時間およびm/zデータの両者を示す)のような三次元のグラフを作成することが可能である。ここでも図5は、GC/MSまたはLC/MSは5ないし10の異なる化合物を含む混合物を調べる場合には有用だが、異なる化合物の数が20またはそれを超えるとピークの数は単純な分析をするには余りにも多すぎることを示している。
【0014】
当該技術分野において自動質量分析計による分析には問題がある。そのような問題の1つは、ソフトウエアが特定の問題のセットに限られることである。化合物の質量分光混合物の一般的な自動分析が可能なソフトウエアパッケージは存在しない。複雑な混合物の自動分析の問題として、あるイオンが殆どすべてのm/z比(すなわち、質量/電荷比)で実験試料内のどこでも観察されることがあることが挙げられる。たとえば、再び図3を参照してみると、これはLC/MSクロマトグラムTICを示し、ほぼ5,000の異なる成分を含む複雑な混合物から検出したイオンの数を時間に対してプロットして示すものである。図3から、この範囲ですべての時点でイオンピークが認められることが明らかである。図4bは、MS操作の間に多くの場所でm/z比が911.5にて陽性のXICが存在することを示すXICスペクトルである。ピークの数が多いのは、一部、上記で検討したように同位体のために各化合物が複数のピークを有するためである。2倍の質量と2倍の電荷を有する多価に荷電された成分に由来するピークもあるかもしれない。種々の化学的な汚染またはノイズに由来するピークもありうる。電子装置上のノイズまたはシステムの解析限界によるピークもありうる。それゆえ、自動分析法は前以てプログラムされた(preprogramed)ピークを見出すことはできない。なぜなら、XICだけからでは目的化合物の予期されたm/z比にあるシグナルが予期された化合物の存在を真実に示しているのか、あるいは異なる化合物の同位体などのための偽りのシグナルであるのか明らかでないからである。以上の問題はすべて、自動であるか手動であるかに拘りなく質量分光分析の技術分野で存在する。
【0015】
当該技術分野の問題を要約すると、上記で検討した同位体パターンの問題は、典型的に、わずかに異なる質量、典型的には1の質量単位が異なる2またはそれ以上のピークとして現れる。これは有機合成における殆どの要素が炭素原子を含むという事実によるものである。それら要素は、炭素の同位体が世界中で全体として存在する通常の比率で炭素の同位体を含む。地上における炭素−12と炭素−13との相対的な存在比は、天然に存在するあらゆる炭素の試料においてそれぞれ98.9%のC−12および1.1%のC−13である。これら異なる炭素同位体の各々は、同一の化学的な値を有し、1ダルトンだけ異なる質量を有する。100個の炭素原子を含む分子では、いずれの部位でも1つのC−13が存在する確率は1.1%であり、他のいずれかの部位がC−12またはC−13である確率はいずれの部位での選択にも影響を受けない。それゆえ、100個の炭素原子のうちに1つのC−13が存在する確率は(1001.1%)=110によって与えられ、これは100個の炭素原子がすべて炭素−12原子である軽いピークと、この第一のピークよりも11%大きく1m/z単位だけ高く位置する第二のピークとの2つのピークが存在するであろうことを意味する。たとえば、図15を参照。
【0016】
それゆえ、100個の炭素原子を有する化合物は100個のC−12原子のうちの1つがC−13原子で置換されている蓋然性が高い。100個のC−12原子のうちの1つがC−13原子で置換される結果、該分子のMSスペクトルは1質量単位によって隔てられたほぼ等しい高さの2つのピークを有する蓋然性が高い。これら2つの同位体のピークがほぼ等しい高さであることは、この化合物の個々の分子の約半分においてC−12原子のランダムな1つがC−13原子で置換されていることを示している。1つのピークはすべてC−12原子を含む分子であることを表し、1ダルトン高い第二のピークはC−12原子と1つのC−13原子を含む同じ化学分子を表している。さらに、第一のピークの高さの約61%である他のピークも存在するであろう。これは2つのランダムなC−12原子がC−13原子で置換されたものであり、それゆえ基本の同位体分子よりも質量が2ダルトン高いものである。さらに3つの炭素−13置換を表し、第一のC−12ピークの高さの約22%である炭素同位体の質量スペクトルが存在する、等々。かくして炭素原子を含む化合物はいずれも常に複数の質量スペクトルピークを有し、80〜100個の炭素原子を含む大きな有機分子は1m/z単位によって隔てられた2つの比較的大きなピークとして現れ、現在の自動MS分析手段は目的の化合物としての同位体ピークを誤って同定するであろう。それゆえ、標準的なMS分析は大きな有機分子では問題がある、なぜなら種々の炭素原子同位体ゆえに複数の分子ピークを同定あるいは分離することは困難だからである。
【0017】
MSデータを分析するに際しての他の問題は、予期された質量比で見出されるXICピークがバックグラウンドノイズによる偽りのシグナルであるかもしれないことである。ノイズによる汚染は、MS装置またはGC/LC装置での電子的なノイズ、またはGC/MS系での汚染によって引き起こされ、あるいは分子混合物を移動させるのに用いた溶媒系に汚染物質が存在するかもしれない。また、装置の解像レベルに関連して偽陽性表示が存在するかもしれない。
それゆえ、何千もの多くの成分を含む複雑な混合物を分析でき、バックグラウンドノイズ、多価荷電ピークおよび原子同位体ピークについて補正できる、質量分析計データの自動分析法に対する必要性が当該技術分野に存在する。
【0018】
(その解決方法)
本発明は、質量分析計データの分析方法であり、対照の試料測定を行ってバックグラウンドノイズのチェックを提供するものである。各m/z比でのピークの高さおよび幅の値を時間の関数として記憶部(memory)に貯蔵する。分析しようとする材料について質量分析計の操作を行い、各m/z比でのピークの高さおよび幅の値を時間に対して第二の記憶部に貯蔵する。分析しようとする材料についての質量分析計の操作を所定の回数繰返し、各時間増分(increment)での各m/z比レベルで貯蔵してある対照試料の値を各操作での対応物の各々から差し引き、かくして各時間増分での複数の操作の各々についての各質量比での差異の値を得る。もしもMS値からバックグラウンドノイズを差し引いたものが前以て設定した値を超えないならm/z比データ点の記録を行わず、かくして質量分析計データからのバックグラウンドノイズ、化学的ノイズおよび擬陽性ピークを排除する。ついで、複数の操作の各々について貯蔵したデータを各m/z比で前以て決定した値と比較し、得られた一連のピーク(バックグラウンドを超えるものとして決定されたもの)をm/z点に貯蔵する(これらピークは有意のものである)。
【0019】
さらなる態様において、ついでこれらMSピークを予期されるMS出力のスペクトルのライブラリーと比較することにより、分析すべき混合物中に存在すると考えられる物質のライブラリーから予期されるm/z比を取り、各m/z比で見出される値と比較することによって調べる。もしもライブラリー中の特定の化学種について予期される値に対応するm/z比にシグナルピークが記憶部に存在するなら、予期されたm/z比が予期された化合物の予期されたピークを近似するクロマトグラフィーピークの時間位置および幅を有するか否かチェックすることによりデータを調べる。このことは、該ピークが試料中に存在が予期される化合物におそらく適合するのか否かを決定する。
【0020】
本発明のさらなる態様において、バックグラウンドを超えることが見出された後の予期された化合物のm/z比での値および使用した分離法で予期される近似のピーク幅の値を、ついで次に高いm/z比を有するデータ試料中のピークの値と比較する。もしも2つのm/z比の値を取り、距離を測定し、ついで値を逆にする(inverting)ことによってピークの間隔がまる1m/z比単位であることがわかったなら、イオンの電荷は1である。一方、第二のピークが2価に荷電したイオンによるものであるなら、これらピークは0.5のm/z単位で隔てられていることがわかるであろう。同様に、m/z単位の1/3のm/z間隔は、3価に荷電したイオンを示している。かくして、2価に荷電したおよび3価に荷電したイオンを明確に(positively)同定することが可能である。
【0021】
さらなる態様において、原子の同位体置換による擬陽性の排除は、予期されたm/z比ピーク(以前の試験で妥当な強度およびクロマトグラフィーピーク幅(すなわち、バックグラウンドレベルを超えるもの)を有することが見出され、予期された質量/電荷比(すなわち、m/z)を有し、正しい電荷を有する(それゆえ正しい質量を有する))を次に低いm/z比のピークと、イオン電荷分の1に等しい値だけ低いスペクトル中の次のピークから目的標的のピーク強度の値を差し引くことにより比較して行う。それゆえ、もしも以前の試験が荷電状態が1であることを示したなら、調べた次の低いピークは1m/z単位だけ低いであろう。もしも電荷状態が2であることがわかったなら、調べた次の低いピークは0.5m/z単位だけ低いであろう、等々。この関係の一般式は、ピークの差異=Im−I(m-(1/z))(式中、Iは考慮しているm/z比の強度であり、mは考慮しているシグナルのm/z値であり、zはイオンの電荷である)として示される。同じ結果は、ピークの差し引きの順序を逆にし、0未満の値を探すことによっても得られる。約80よりも少ない炭素原子を有する大抵の中位のサイズの有機分子の同位体ピークは、典型的により高いm/z値では低下する。2つのピーク値を差し引いて負の数が得られることは、軽い方のピークがより高い強度のものであることを示し、それゆえ調べたピークは予期された分子種ではなく軽い方の分子種に割り当てることができ、排除される。
【0022】
本発明を利用できる状況の例は医薬品の試験に見出される。化合物を特定のタンパク質に結合する必要がある場合、タンパク質に結合するリガンドとして知られている多数の異なる小さな化合物を製造することができる。これら異なる化合物はタンパク質に異なる強度で結合する。関心の持たれる点は、最もよく結合するリガンドを見出すことである。タンパク質をおそらくは5,000もの可能な多くのリガンド(すなわち、ライブラリー)の浴に入れ、ついで該タンパク質からリガンドを洗い落とすと、幾つかのリガンドが該タンパク質に結合する結果となるであろう。どのリガンドが最もよく結合するかは、LC/MSを用いることによって、使用した既知の5,000のリガンドのうちのどれが見出されるかを決定することにより決定することができる。
【0023】
まず、タンパク質をリガンド中に浴させることなくLC/MSに入れ、バックグラウンド値を記録する。この工程は、タンパク質の分解産物、混入した溶媒および緩衝液、装置の汚染物、LC/MSで以前に使用した化学品等の結果生じる化学的ノイズ並びにシステムの電子ノイズとして知られるものを排除するのに用いる。つぎに、リガンド中に浴させ洗浄したタンパク質をLC/MSに入れ、結果を5,000のリガンドのうちの1つが存在すると計算される各m/z点でバックグラウンドと比較する。予期されたリガンドシグナルが測定したバックグラウンドレベルを超えているなら、的中している可能性があるので記録する。疑わしい(suspected)リガンドのシグナルは、特定のリガンドがLC系を通過するのに予期された時間についてMSへの到着時間に対して比較する。
【0024】
疑わしいリガンドが上記2つの試験を通過しているなら、炭素を含む分子はすべて複数のm/zピークを有するという事実を用い、この疑わしいリガンドのm/zピークを次の低いピークおよび次の高いm/zピークと比較する。これらピークがまる1m/z単位で隔てられていることがわかったなら、疑われたピークは1価に荷電されたイオンによるものであり、なおリガンドの可能性がある。ピークの分離が1単位の半分であるなら、ピークは2価に荷電したイオンによるものである、等々。2価に荷電したイオンはなお有用であるが、当該リガンドの正しい同定には予期された質量が異なったふうに計算されることが必要であろう。複数の同位体の状況はまた、疑われたピークが予期されたリガンドであるのかあるいは他のあるシグナルの同位体ピークであるのかを系が決定するのを可能にする。この場合も近接するピークを調べ、1価にイオン化された分子の場合の1m/z単位間隔、および2価に荷電されたイオンの場合の1単位の半分の間隔、およびこれらピークの相対的なサイズを比較する。80よりも少ない炭素原子を有する化合物については、より軽い値のピークはC−13置換したピークよりも大きいことがわかっているので、この事実を用い、疑われたピークが単に他のある化合物のより重い同位体であるか否かを決定する。このようにして使用者が調べる必要のあるピークの数が非常に少なくなる。
【0025】
本発明の使用の他の例は薬物代謝の研究に見出される。候補薬物をラットなどの被験動物に与える。使用者は、ラットの血液中に見出される可能性のある分解産物(すなわち、代謝産物)のリストを作成する。薬物を与える前にラットの血液試料を採取し、調べてバックグラウンドレベルを得る。薬物を与えたラットの血液を、上記方法(バックグラウンドおよび誤った到着時間のシグナルを差し引き、2価に荷電したイオンおよびピークの高さが異なる化合物の同位体のものであることを示すイオンをフラッギングする(flagging))を用いて疑われる代謝産物の存在について調べる。このようにして薬物の可能な危険代謝副産物の存在を決定できる。
【0026】
そのように手配する(arrangement)ことにより、バックグラウンドノイズ、同位体置換、および多価荷電イオンによるピークをフラッギングすることによって調べる必要のあるMSピークの数を自動的に減らすことが可能となる。MSスペクトルの迅速かつ正確な分析を可能とするために複雑な混合物の質量分析からの偽りのピークを排除することは有益であるので、本発明は質量分析法の技術分野において知られた問題を解決するものである。
【0027】
本発明の上記に記載したおよび他の目的、特徴および利点は、添付の図面に説明するように本発明の好ましい態様の下記の一層詳細な記載から明らかであろう。これら図面において同様の参照特性は異なる概要図でも同じ部分を指すものである。図面は必ずしも一定の縮尺ではなく、本発明の原理を説明するために強調を施してある。
【0028】
図1は、炭素の質量スペクトル同位体パターンを示す。12と表示した線は、炭素原子の98.9%が12.0として(すなわち、C−12)水平軸上に示す質量比で見出されることを示している。また、13.0と表示した線13にもより小さなピークが存在し、天然に存在する炭素原子の1.1%が炭素−13(C−13)の形態で存在することを示している。この炭素同位体の天然の分布の結果として、すべての有機分子について第二のMSピークおよび第三のピークを探すことが有用である。合計分子量(通常、ダルトンとして知られる単位で測定される)が分子中のすべての炭素原子がC−12であることによるものである1つのピーク、および1つのC−12原子がC−13で置換されたために1質量単位だけ高い分子量を有する第二のピーク、等々。2つの同位体ピークの相対的な高さは、目的とする化合物の元素組成に依存する。たとえば、典型的な中位のサイズの有機分子(すなわち、1分子当たり80またはそれより少ない炭素原子)では、2つのMSピークは常により低いm/z値で一層大きなイオン強度を有するであろう。なぜならC−13で単一置換された同位体は置換されていない分子よりも頻度が低いであろうからである。このことは、予期されたm/z値での特定のMSピークが正しい分子であるのかあるいは単により軽い分子の同位体ピークによる擬陽性であるのかを自動的に決定することを可能にする。
【0029】
図2は、同様の質量を有する2つの異なる分子についてm/z比への相対的な存在比を示す典型的なMSスペクトルを示す。図1に関連して上記で検討したように、最も低いm/zピークである図2A中の413および図2B中の414が最も大きな強度を有することがわかる。両図において1だけ高いm/z単位を有するピークは、1つのC−12原子がC−13で置換された同じ分子を表す。これら同位体のピークは、上記に記載した理由により基本の分子よりも小さい。
【0030】
この例において、図2Aはドラッグデザイン実験からの予期されない化合物として考えることができる。図2Bは同じドラッグデザイン実験からの予期されたリガンドとして考えることができる。MS分析をリガンド結合実験に対して行ったときに、図2Bで414にm/zピークを有する予期された分子の存在を調べることになるであろう。図2B中の予期された分子が本実験でタンパク質に結合せず、存在しないが、図2A中の該分子は汚染物質であると想定してみよう。図2A中のm/z414同位体ピークを図2Bからの予期された(しかし認められない)非同位体ピーク414として誤って同定する可能性は、図2A中の同位体ピーク414の相対的に大きなサイズによるものである。本発明は、単一の化合物スペクトル内では最も低いm/z値が最大のピークを有するという上記で検討した事実に基づくことにより、図2Aに示されたような予期されない化合物の自動的な同定を可能にするものである。それゆえ、図2A中の予期されない化合物からの414のピークは図2Bからの予期された414のピークとして誤って同定されることはないであろう。なぜなら、この系では414でのピークを413での最大のピークと比較し、414のピークは予期されない化合物の同位体ピークとしてフラッギングするからである。
【0031】
予期されたライブラリー化合物の質量の2倍の質量を有する分子からの2価に荷電されたイオンピークを間違って同定することはありうる。たとえば、図2Bのピーク414はまた828の質量を有する2価にイオン化した化合物によるものかもしれない。これら擬陽性の場合の同定、または2価の電荷を有する化合物を正しく同定することは、上記で検討したように同位体のピークの間隔を調べることにより行う。ライブラリー化合物の予期されたm/z値に認められ、それまでにバックグラウンドレベルを超えることがわかっており、予期された時間にMSに到着したピークは近接するピークと比較される。もしもピークの間隔が図に示すように414、415および416と表示するように正確に1単位ずつ離れておれば、検出した分子は1価にイオン化されている。もしもピークが0.5単位で離れているなら、たとえば、もしも第二のピークが414.5にあるなら、このイオンは2価に荷電されている、等々。
【0032】
図2Aは、ピークの413がその直ぐ上方にあるピーク、414よりも大きいことを示しており、この414は1つの炭素原子が炭素13で置換された同じ化合物を表している。それゆえ、図2aの414でのデータは同位体にすぎないとして無視してよい。ピークの間隔は1m/z単位であるので、測定したイオンは1価にイオン化されている。これらの例は、本発明の方法が擬陽性のピークを排除し、特定の医薬代謝産物または汚染物質の同定のために調べる必要のあるデータ点の数を減らすことを示している。
【0033】
図3は、5,000の異なる分子種を含む可能な化合物のライブラリーのLC/MS分析を示す。これは全イオン流(total ion current)またはTICとして知られているもので、検出したイオンの数を時間に対して測定するものである。この混合物のMSの分析は、本発明を用いなければ極めて複雑であろう。なぜなら、異なる分子種を互いに容易に分離するには余りにも多くのピークが存在するからである。
【0034】
図4Aは図3と同様のTICチャートを示す。図4Bも同じデータを示すが、検出した911.5のm/z値を有するイオンを時間に対して示したものである。これは抽出イオンクロマトグラムまたはXICとして知られている。図4Cもまた同じデータを示すが、911.5と910.5との間m/z比のものを時間に対して示したものである。擬陽性の同位体ピークを排除する方法は、前以て決定したライブラリー化合物のm/z値に対応するMSピークを調べることからなる。もしもこのピークがバックグラウンドノイズを超えており、対照試料のレベルを超えているなら、このデータをXICにプロットする。XICは基本的に試料の全時間を通して1つの特定のm/z値に着目するものである。同じ分子質量を有し、それゆえ同じm/z値を有する異なる化学種は、異なる分散速度および異なるクロマトグラフィー滞留時間を有しやすい。もしもライブラリー化合物が観察したデータの時間の遅れと適合するなら、正しい同定が存在する。かくしてピーク電荷状態の自動的な決定が得られることになる。もしも電荷が+1であるなら、調べようとしているピークよりも1単位だけ低い値のm/z値で同位体試験を行う。もしも電荷が+2であるなら、0.5だけ低い値のm/z値で同位体試験を行う。もしも電荷が+3であるなら、同位体試験は1/3だけ低い値のm/z値に着目する、等々。このようにして、この系では予期された化合物からのものでないピークをフラッギングし、それゆえMS分析を極めて簡単にできる。
【0035】
図5はMSデータをグラフ表示するための別の方法を示すものであり、m/zおよび時間に対する強度という3つの軸を用い、それゆえTICグラフとXICグラフとを組み合わせたものである。図5に示すデータは上記の2つの図に比べれば理解が容易であるが、それでも5ないし10を超える化合物の混合物については正確な分析能を提供することができない。XIC分析に伴う問題は、複数のイオンが同じm/z値で検出されたこと(たとえば、m/z値250で2つのピーク)を示す一連の垂直のピークによって示される。これらは同じm/z値を有する2つの異なる化合物を示している。これらが異なる化合物を表すことは、クロマトグラフィー系からの異なる到着時間によって示される。
【0036】
図6は、目的ピークがm/z574にあり10と表示した典型的なXICを示す。ピーク574は17,800のイオンのカウントを有する。とりわけm/z537付近に認められる遥かに大きなピークと比較したときに、ピーク574が有意であるか否かを決定するため、測定した値をバックグラウンドレベルと比較することが分析にとって有用である。
【0037】
図7は、m/z574の目的ピーク周辺での図6の拡大図である。たとえば上記で検討したようにリガンドなしのタンパク質に対して行ったバックグラウンドのMSと比較することにより、この一般的な領域でのバックグラウンド値は図8に示すように約740カウントであることがわかる。それゆえ、m/z574での予期されるピークは、この領域中、このレベルの化学的および電子的ノイズでバックグラウンドレベルを超えることを自動的に示すことができる。特定のバックグラウンドレベルは、装置およびその修復状態、化合物を移動させるのに用いた溶媒の清浄さ、等に依存する。許容しうるシグナル/ノイズ比はこれらの因子や他の因子に依存するが、典型的な系ではシグナル/バックグラウンドノイズレベルは3:1または3:1を超えると予期される。
【0038】
図9は、本発明の好ましい態様の詳細を示すフローチャートである。C++などのような多くの共通のコンピューター用語のいずれも本発明を実施するために用いることができる。工程100において、MS系により検出したイオンカウントを記録する。工程110において、MSデータをTICグラフとXICグラフとに分離する。工程120は、図6〜8に関連して上記で検討したように、シグナルを前以て決定した閾値と比較し、ノイズの平均値かまたは使用者が挿入した値のいずれかよりも低いシグナルは排除する。工程130は、調べるべきm/z位置のリストを生成する。このリストは、等しい間隔を有する検索リストかまたは予期される化合物のライブラリーのいずれかである。典型的に、もしも混合物中に既知の化合物が存在しないなら検索リストを用い、本発明の好ましい態様では質量の0.1ダルトンの間隔を用いる。工程140は、従来技術で検討したように、加えたまたは差し引いたイオンの質量を加えまたは差し引くものである。質量413の分子が単一のプロトンでプロトン化されると該プロトン(すなわち、水素)について1単位だけ加えられるので、m/z414で予期される、もしもナトリウムイオンが加えられたのであれば加えられた質量は23ダルトンであり、検索はm/z436で行われる。同じことは水素を除去することによってイオンが生成した場合にも当てはまる。この場合の検索はm/z412で行われる。
【0039】
工程150ではバックグラウンドを超える測定データを予期された化合物と比較する記憶部を生成し、適合について検索する。工程160は、適合したピークを一度に1つ着目し、MSへのピークの到着時間をチェックし、図2〜5に関連して上記で検討したイオン電荷状態をチェックする。工程170は、それまでのスクリーンを通過したすべてのピークを取り、工程160で決定した電荷状態を用いて同位体ピークを比較して適切なピークを決定して同位体値を調べる。もしも電荷状態が工程160において1と決定されたのなら、図2〜5に関連して上記で検討したようにピークは1m/z単位で隔てられているであろう。工程180は、ライブラリーに適合する可能性があると該方法によって決定されたピークのみを、あるいは検索の場合には上記の基準のすべてに適合し標準的なMS分析によって同定できるピークのみを使用者に出力するものである。
【0040】
図10は、質量ピークの数をさらに減らすために使用者が導入できるピーク検出パラメータの典型的な入力ファイルフォーマットを示す(オペレーターの手動の介入を要するであろう)。たとえば、入力200は少なくとも10のイオンカウントを有しないピークをすべて排除するであろう。これは、使用した特定のLC系の解析限界に関する使用者の情報による。図11もまた、LCまたはGC系での予期されたピーク幅によるデータ検出を制限する使用者の入力および実験ドリフト(drift)または検量誤差についての許容度を示す。
【0041】
図12は、検索モードで使用するために可能なパラメータを示す。質量は、イオンを生成するのに用いた特定のイオン化法に適合するように正しい量によりシフトさせてよい。図13は、予期された化合物のライブラリーを示し、該ライブラリーは使用者によって作成され、たとえば特定の医薬品を与えた実験ラットにおいて生成されたと予期される特定の化合物に依存するものである。図14は、どの特定のピークが該系によって予期化合物データリストに存在すると認められたかを示すデータ出力の例示的態様を示す。このようにして、本発明は目的化合物をより迅速に検出することができる。
【0042】
該系が化合物を正しく同定できないようなある状況が存在する。図15は、80を超える炭素原子を有する有機分子についてのMSを示す。上記で検討したように、該系は図9の工程160で決定した電荷状態で1を除することにより得られるm/z値に存在するピークに着目することにより、予期されるm/z値に存在するピークが真のピークであるかあるいは同位体のピークであるかを決定するものである。上記で検討したように、80を超える炭素原子を有する化合物は該分子の半分以上が1つのC−12がC−13で置換されており、それゆえピーク300のピーク高はすべてC−12であるピーク310よりも大きい。それゆえ、該系はピーク310の値をピーク300から差し引いて負の値という結果となり、該ピークを同位体にすぎないとして間違ってフラッギングするであろう。
【0043】
他の起こりうる問題を図16(スズの同位体パターンを示す)に示す。最も存在比の高いスズの同位体は最も軽いものではない。この場合も図15に関連して上記で記載したのと同じ理由により該系において問題、すなわち最も存在比の高い同位体は最も重量の低いものではないという問題を引き起こすであろう。スズはその触媒としての使用のために有機分子中にしばしば見出される。しかしながら、スズの独特のスペクトル特性は、ピークが2m/z単位で隔てられた増大するイオンカウントを検索する簡単なスクリーンを可能とし、それゆえこの潜在的な問題は予期されたスズ含有化合物にとって有益なものとなる。
【0044】
図17は、本発明の使用に関係する他の領域を示す。元素の臭素は有機分子中にしばしば見出されるものであるが、非典型的な同位体分布を有している。図17Aは1つの臭素原子を有する典型的な有機分子を示す。553でのピークは臭素原子Br−79を有する。555でのピークは1つのBr−81原子が該分子中に置換されたものである。問題はこれら2つのピークがほぼ同じ高さを有しているにも係わらず2m/z単位により隔てられていることである。それゆえ、該系ではどれが同位体ピークであるかを決定することはできない。図17Bおよび図17Cに示すように2または3の臭素原子を有する分子では状況はさらに一層悪くなる。臭素および塩素原子により引き起こされるような特徴的な同位体パターンが予期される場合には、該系は分子の適切な同定のために2単位の間隔を隔てた特徴的な二重ピークを探索することに適合できる。
【0045】
要約すると、本発明は、気体であるか液体であるか、あるいは無機化合物であるか有機化合物であるかに拘らず、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィーなどのあらゆるMS法を用いて得られる質量クロマトグラフィーデータの分析に一般的に適用できる独特の特性を有する。該系は、あらゆる共通のプログラム言語を用い、さらにあらゆる共通のコンピューター装置で実施することができる。同時に検索できる分子の数は実際上制限がなく、結果は現行のシステムに比べて1000倍まで迅速に得られる。該システムはイオン電荷状態を自動的に測定でき、ナトリウムなどの異なるイオン化付加物について自動的に補正できる。該システムは同位体から多くの分子種を識別でき、臭素や塩素によって引き起こされるような特有のスペクトルパターンを探索できる。
【0046】
本発明を好ましい態様に即して記載したが、当業者であれば他の態様も可能であることを認識するであろう。それゆえ、本発明は特許請求の範囲に開示の態様に限定されてはならず、全体の開示の意図および範囲が本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 炭素の同位体パターンを示す質量スペクトルである。
【図2】 質量スペクトルを示す図表である。
【図3】 5,000成分のライブラリーのLC/MS分析である。
【図4a】 XICスペクトルである。
【図4b】 XICスペクトルである。
【図4c】 XICスペクトルである。
【図5】 三次元質量スペクトルである。
【図6】 ノイズ/シグナルを示す質量スペクトルである。
【図7】 図6の拡大図である。
【図8】 バックグラウンドノイズを示す。
【図9】 本発明によるフローチャートである。
【図10】 パラメータスクリーンの説明を示す。
【図11】 コントロールスクリーンを示す。
【図12】 入力スクリーンを示す。
【図13】 質量探索リストのスクリーンを示す。
【図14】 出力ファイルの説明を示す。
【図15】 大きな炭素含有分子のパターンを示す。
【図16】 スズのスペクトルを示す。
【図17】 臭素原子を含む分子の同位体パターンを示す。

Claims (13)

  1. (a)質量分析計の操作を対照試料で行い、その際、該操作により第一の複数の出力値が得られ、該第一の複数の出力値の各々は関連するm/z比の値を有し、
    (b)質量分析計の操作を分析すべき材料に対して行い、その際、該操作により第二の複数の出力値が得られ、該第二の複数の出力値の各々は関連するm/z比の値を有し、
    (c)計算した質量分析計の出力スペクトルの前以て決定したライブラリーから第一の予期されたm/z比を選択して該第一の予期された出力m/z比での該第一の複数の出力値を該第一の予期されたm/z比での該第二の複数の出力値から差し引き、その際、該差し引きにより該第一の予期されたm/z比での差異の値が得られ、
    (d)該差異の値の関数として、もしも該差異の値が前以て決定した値だけ0を超えるなら、該第一の予期されたm/z比および該第二の複数の出力値の該関連する値を含むフラッグシグナルを生成し、
    (e)該フラッグシグナルを記憶部に貯蔵し、ついで
    (f)工程(c)〜(e)を、計算した質量分析計の出力スペクトルの該前以て決定したライブラリー中の残りの全ての予期されたm/z比の個々のものについて繰り返す
    ことを含む方法。
  2. 工程(d)が前以て決定した数の該質量分析計の操作の各々において、該予期されたm/z比での該差異の値が該前以て決定した値だけ0を超える場合にのみ、該フラッグシグナルを生成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 該質量分析計の操作の該前以て決定した数が4である、請求項2に記載の方法。
  4. 工程(d)が、該第一の予期されたm/z比での該第二の複数の出力値が予期された化合物のライブラリーからの予期されたピーク幅に近似するピーク幅をも有する場合にのみ、該フラッグシグナルを生成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. さらに、工程:
    (g)該記憶部に貯蔵した該m/z比の第一の1つを選択し、
    (h)該m/z比の該第一の1つの値を、該記憶部に貯蔵した次に高いm/z比の値から差し引いて質量デルタ値を得、
    (i)数字の1を該質量デルタ値で除して電荷値を得、
    (j)もしも該電荷値が前以て選択した値未満であるなら、電荷警告シグナルを該選択した第一のm/z比の記憶部に貯蔵し、ついで
    (k)工程(g)〜(j)を、該記憶部に貯蔵した残りの全ての該m/z比の個々のものについて繰り返す
    を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 該電荷値の該前以て選択した値が0.5である、請求項5に記載の方法。
  7. さらに、工程:
    (g)該記憶部に貯蔵した該m/z比の第一の1つおよび該第二の複数の出力値の該関連する値を選択し、
    (h)該m/z比の該選択した第一の1つの値から1の質量単位を差し引いて中間のm/z比を得、ついで該中間のm/z比に対応する該記憶部に貯蔵した該第二の複数の出力値の関連する値を選択し、
    (i)該中間のm/z比に関連する該第二の複数の出力値の値を、該第一のm/z比に関連する該第二の複数の出力値の値から差し引いて強度デルタ値を得、
    (j)もしも該強度デルタ値が前以て選択した値未満であるなら、同位体警告シグナルを該選択した第一のm/z比の記憶部に貯蔵し、ついで
    (k)工程(g)〜(j)を、該記憶部に貯蔵した残りの全ての該m/z比の個々のものについて繰り返す
    を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 該強度デルタ値の該前以て選択した値が0を超えるものである、請求項7に記載の方法。
  9. 質量分析計データの自動分析方法であって、工程:
    (a)質量分析計の操作サイクルを対照試料で行い、その際、該操作サイクルにより第一の複数の出力値が得られ、該第一の複数の出力値の各々は関連するm/z比の値を有しており、ついで該第一の複数の出力値の各々および関連するm/z比の値を第一の複数の記憶部に貯蔵し、
    (b)質量分析計の操作サイクルを分析すべき材料に対して行い、その際、該操作サイクルにより第二の複数の出力値が得られ、該第二の複数の出力値の各々は関連するm/z比の値を有しており、ついで該第二の複数の出力値の各々および関連するm/z比の値を第二の複数の記憶部に貯蔵し、
    (c)計算した質量分析計の出力スペクトルの前以て決定したライブラリーから第一の予期された出力m/z比を選択し、その際、該予期された出力m/z比の値は関連する化合物を有し、
    (d)該対照試料の該第一の複数の出力値の特定の1つを、分析すべき該材料の該第二の複数の出力値の特定の1つから差し引き、その際、該複数の出力値の各々の該特定の1つは該第一の予期された出力m/z比の値から選ばれ、該差し引きにより該m/z比での差異の値が得られ、
    (e)該差異の値の関数として、該第一の予期された出力m/z比および該第二の複数の出力値の該関連する値を含むフラッグシグナルを生成し、ついで該フラッグシグナルを第三の複数の記憶部に貯蔵し、
    (f)工程(c)〜(e)を、計算した質量分析計の出力スペクトルの該前以て決定したライブラリー中の残りの全ての予期されたm/z比の個々のものについて繰り返し、ついで
    (g)該第三の複数の記憶部に貯蔵したすべての出力m/z比のリストを出力する
    ことを含む方法。
  10. 工程(e)が前以て決定した数の該質量分析計の操作の各々において、該予期されたm/z比での該差異の値が該前以て決定した値だけ0を超える場合にのみ、該フラッグシグナルを生成すること、および
    該第一の予期されたm/z比での該第二の複数の出力値が予期された化合物のライブラリーからの予期されたピーク幅に近似するピーク幅をも有する場合にのみ、該フラッグシグナルを生成すること
    をさらに含む、請求項9に記載の方法。
  11. さらに、工程:
    (h)該記憶部に貯蔵した該m/z比の第一の1つを選択し、
    (i)該m/z比の該第一の1つの値を、該記憶部に貯蔵した次に高いm/z比の値から差し引いて質量デルタ値を得、
    (j)数字の1を該質量デルタ値で除して電荷値を得、
    (k)もしも該電荷値が前以て選択した値未満であるなら、電荷警告シグナルを該選択した第一のm/z比の記憶部に貯蔵し、ついで
    (l)工程(h)〜(k)を、該記憶部に貯蔵した残りの全ての該m/z比の個々のものについて繰り返す
    を含む、請求項9に記載の方法。
  12. さらに、工程:
    (h)該記憶部に貯蔵した該m/z比の第一の1つおよび該第二の複数の出力値の該関連する値を選択し、
    (i)該m/z比の該選択した第一の1つの値から1の質量単位を差し引いて中間のm/z比を得、ついで該中間のm/z比に対応する該記憶部に貯蔵した該第二の複数の出力値の関連する値を選択し、
    (j)該中間のm/z比に関連する該第二の複数の出力値の値を、該第一のm/z比に関連する該第二の複数の出力値の値から差し引いて強度デルタ値を得、
    (k)もしも該強度デルタ値が前以て選択した値未満であるなら、同位体警告シグナルを該選択した第一のm/z比の記憶部に貯蔵し、ついで
    (l)工程(h)〜(k)を、該記憶部に貯蔵した残りの全ての該m/z比の個々のものについて繰り返す
    を含む、請求項9に記載の方法。
  13. 質量分析計データの自動分析装置であって、
    (a)質量分析計の操作サイクルを対照試料で行うための手段であって、該操作サイクルにより第一の複数の出力値が得られ、該第一の複数の出力値の各々は関連する質量比の値を有しているもの、
    (b)質量分析計の操作サイクルを分析すべき材料に対して行うための手段であって、該操作サイクルにより第二の複数の出力値が得られ、該第二の複数の出力値の各々は関連する質量比の値を有しているもの、
    (c)計算した質量分析計の出力スペクトルの前以て決定したライブラリーから第一の予期された出力m/z比を選択するための手段であって、該予期された出力質量比の値は関連する化合物を有しているもの、
    (d)該対照試料の該第一の複数の出力値の特定の1つを、分析すべき該材料の該第二の複数の出力値の特定の1つから差し引くための手段であって、該複数の出力値の各々の該特定の1つは該第一の予期された出力m/z比の値から選ばれ、該差し引きにより該m/z比での差異の値が得られるもの、
    (e)該差異の値が前以て決定された値だけ0を超えているか否かを決定するための手段、もしも該差異の値が該前以て決定した値だけ0を超えるなら該第一の予期された出力質量比を含むフラッグシグナルを生成し該フラッグシグナルを記憶部に貯蔵するための手段、
    (f)工程(c)〜(e)を、計算した質量分析計の出力スペクトルの該前以て決定したライブラリー中の残りの全ての予期されたm/z比の個々のものについて繰り返すための手段、および
    (g)該記憶部に貯蔵したすべての出力質量比のリストを出力するための手段
    を含む装置。
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