JP4275529B2 - α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素およびシアル酸含有複合糖質の製造法 - Google Patents

α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素およびシアル酸含有複合糖質の製造法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAを含有する形質転換体を用いたα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質の製造法、およびシアル酸含有複合糖質の製造法に関する。
背景技術
α2,3−シアル酸転移酵素およびその遺伝子に関しては、動物由来の遺伝子[J.Biol.Chem.,267,21011(1992)、J.Biol.Chem.,268,22782(1993)、Eur.J.Biochem.,216,377(1993)、Biochem.Biophys.Res.Commun.194,375(1993)、J.Biol.Chem.,269,1394(1994)、J.Biol.Chem.,269,10028(1994)、Glycobiology,,319(1995)]などが取得されており、動物由来のα2,3−シアル酸転移酵素遺伝子を大腸菌などの細菌で発現させ、活性のある蛋白質を取得したという例はあるが(特開平11−253163)、その活性は微弱である。また、α2,8−シアル酸転移酵素およびその遺伝子に関しては、動物由来の遺伝子[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91,7952(1994)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91,10455(1994)、J.Biol.Chem.,269,15950(1994)、J.Biol.Chem.,271,3684(1996)、J.Biol.Chem.,270,14628(1995)]などが取得されているが、動物由来のα2,8−シアル酸転移酵素遺伝子を大腸菌などの細菌で発現させ、活性のある蛋白質を取得したという例は知られていない。
一方、微生物においては、ナイセリア属、キャンピロバクター属およびヘモフィラス属に属する微生物からα2,3−シアル酸転移酵素遺伝子が取得されており、該遺伝子を用いて大腸菌でα2,3−シアル酸転移酵素を発現させたとの報告はあるが[USP6,096,529、WO 97/47749、WO 99/49051、WO 00/46379、J.Biol.Chem.,271,28271(1996)、J.Biol.Chem.,275,3896(2000)、Mol.Microbiol.,39,341(2001)]、パスツレラ属に属する微生物から該遺伝子を取得したとの報告はない。
また、キャンピロバクター属に属する微生物由来のα2,3−シアル酸転移酵素はα2,8−シアル酸転移酵素活性を併せ持つとの報告はあるが[WO 00/46379、J.Biol.Chem.,275,3896(2000)]、パスツレラ属に属する微生物にα2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質が存在することは知られていない。
発明の開示
本発明の目的は、α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAを含有する形質転換体を用いたα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質の製造法、および該形質転換体を用いたシアル酸含有複合糖質の製造法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行い、ゲノムDNAの配列が決定しているパスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)PM70株の配列情報を検索することにより、既知のα2,6−シアル酸転移酵素と相同性を示すpm0188遺伝子産物、既知のα2,3−シアル酸転移酵素と相同性を示すpm0508遺伝子産物およびpm1174遺伝子産物を見出した。それぞれの遺伝子産物の活性を詳細に検討することにより、該遺伝子産物はいずれもα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有することを明らかにし、該DNAを取得することにより、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(29)に関する。
(1)パスツレラ属に属する微生物由来のα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質を生産する形質転換体を培地に培養し、培養物中にα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質を生成蓄積させ、該培養物から該蛋白質を採取することを特徴とする該蛋白質の製造法。
(2)パスツレラ属に属する微生物が、パスツレラ・マルトシダである上記(1)の製造法。
(3)α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質が、配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質である上記(1)の製造法。
(4)α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質が、配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列において、1個以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質である上記(1)の製造法。
(5)α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質が、配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有し、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質である上記(1)の製造法。
(6)形質転換体が、α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAを含む組換え体DNAを含有する形質転換体である上記(1)の製造法。
(7)形質転換体が、微生物を宿主として造成された形質転換体である上記(6)の製造法。
(8)微生物が、エッシェリヒア・コリである上記(7)の製造法。
(9)α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAが、以下の[a]〜[e]のいずれか1つに記載のDNAである上記(6)の製造法。
[a]配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA、
[b]配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列において、1個以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
[c]配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質と80%以上の同一性を有し、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
[d]配列番号2、4および6から選ばれるいずれか1つの配列番号で表される塩基配列を有するDNA
[e]配列番号2、4および6から選ばれるいずれか1つの配列番号で表される塩基配列の相補配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
(10)微生物由来のα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質を生産する形質転換体の培養物または該培養物の処理物を酵素源として用い、該酵素源、シチジン−5’−一リン酸シアル酸、および受容体複合糖質を水性媒体中に存在せしめ、該水性媒体中でシアル酸含有複合糖質を生成蓄積させ、該水性媒体からシアル酸含有複合糖質を採取することを特徴とするシアル酸含有複合糖質の製造法。
(11)培養物の処理物が、培養物の濃縮物、培養物の乾燥物、培養物を遠心分離して得られる菌体、該菌体の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物、該菌体の界面活性剤処理物、該菌体の超音波処理物、該菌体の機械的摩砕処理物、該菌体の溶媒処理物、該菌体の酵素処理物、該菌体の蛋白質分画物、該菌体の固定化物あるいは該菌体より抽出して得られる酵素標品であることを特徴とする上記(10)の製造法。
(12)受容体複合糖質が、非還元末端にガラクトースを有するオリゴ糖を含む複合糖質である上記(10)の製造法。
(13)受容体複合糖質が、非還元末端にシアル酸を有するオリゴ糖を含む複合糖質である上記(10)の製造法。
(14)非還元末端にガラクトースを有するオリゴ糖が、ラクトース、グロボトリオース、N−アセチルラクトサミン、ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオース、ルイスaおよびルイスXからなる群より選ばれるオリゴ糖である上記(12)の製造法。
(15)非還元末端にシアル酸を有するオリゴ糖が、NeuAcα2−3Galβ1−4GlcおよびNeuAcα2−3Galβ1−4GlcNAcからなる群より選ばれるオリゴ糖である上記(13)の製造法。
(16)微生物が、パスツレラ属に属する微生物である上記(10)の製造法。
(17)パスツレラ属に属する微生物が、パスツレラ・マルトシダである上記(16)の製造法。
(18)α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質が、配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質である上記(10)の製造法。
(19)α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質が、配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列において、1個以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質である上記(10)の製造法。
(20)α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質が、配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有し、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質である上記(10)の製造法。
(21)形質転換体が、α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAを含む組換え体DNAを含有する形質転換体である上記(10)の製造法。
(22)形質転換体が、微生物を宿主として造成された形質転換体である上記(21)の製造法。
(23)微生物が、エッシェリヒア・コリである上記(22)の製造法。
(24)α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAが、以下の[a]〜[e]のいずれか1つに記載のDNAである上記(21)の製造法。
[a]配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA
[b]配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列において、1個以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
[c]配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質と80%以上の同一性を有し、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
[d]配列番号2、4および6から選ばれるいずれか1つの配列番号で表される塩基配列を有するDNA
[e]配列番号2、4および6から選ばれるいずれか1つの配列番号で表される塩基配列の相補配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
(25)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質。
(26)配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質。
(27)配列番号5で表されるアミノ酸配列を有するα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質。
(28)配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列において、1個以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質。
(29)配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有し、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質。
本発明のα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質としては、パスツレラ属に属する微生物由来の該蛋白質、好ましくはパスツレラ・マルトシダ由来の該蛋白質をあげることができる。また本発明の複合糖質製造法に用いられるα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質は、微生物由来であれば特にその由来は限定されないが、好ましくはパスツレラ属に属する微生物由来の該蛋白質、さらに好ましくはパスツレラ・マルトシダ由来の該蛋白質をあげることができる。具体的には、配列番号1、3および5から選ばれる配列番号で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質、および配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質と80%以上の同一性を有し、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をあげることができる。
1以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質は、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)(以下、モレキュラー・クローニング第2版と略す)、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons(1987−1997)(以下、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーと略す)、Nucleic Acids Research,10,6487(1982)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79,6409(1982)、Gene,34,315(1985)、Nucleic Acids Research,13,4431(1985)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,488(1985)等に記載の部位特異的変異導入法を用いて、例えば配列番号1、3または5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNAに部位特異的変異を導入することにより、取得することができる。
欠失、置換若しくは付加されるアミノ酸の数は特に限定されないが、上記の部位特異的変異法等の周知の方法により欠失、置換若しくは付加できる程度の数であり、1個から数十個、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個である。
また、上記の配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列において1以上のアミノ酸残基が欠失、置換若しくは付加されたとは、同一配列中の任意かつ1もしくは複数のアミノ酸配列中の位置において、1または複数のアミノ酸残基の欠失、置換若しくは付加があることを意味し、欠失、置換若しくは付加が同時に生じてもよく、置換、挿入または付加されるアミノ酸残基は天然型と非天然型とを問わない。天然型アミノ酸残基としては、L−アラニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン、L−グルタミン酸、グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−アルギニン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、L−バリン、L−システインなどがあげられる。
以下に、相互に置換可能なアミノ酸残基の例を示す。同一群に含まれるアミノ酸残基は相互に置換可能である。
A群:ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、バリン、ノルバリン、アラニン、2−アミノブタン酸、メチオニン、O−メチルセリン、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニン、シクロヘキシルアラニン
B群:アスパラギン酸、グルタミン酸、イソアスパラギン酸、イソグルタミン酸、2−アミノアジピン酸、2−アミノスベリン酸
C群:アスパラギン、グルタミン
D群:リジン、アルギニン、オルニチン、2,4−ジアミノブタン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸
E群:プロリン、3−ヒドロキシプロリン、4−ヒドロキシプロリン
F群:セリン、スレオニン、ホモセリン
G群:フェニルアラニン、チロシン
また、上記の1以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有する蛋白質がα2,3/2,8シアル酸転移酵素活性を有するためには、配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列と、少なくとも60%以上、通常は80%以上、特に95%以上の同一性を有していることが好ましい。
アミノ酸配列や塩基配列の同一性は、Karlin and AltschulによるアルゴリズムBLAST[Pro.Natl.Acad.Sci.USA,90,5873(1993)]やFASTA[Methods Enzymol.,183,63(1990)]を用いて決定することができる。このアルゴリズムBLASTに基づいて、BLASTNやBLASTXとよばれるプログラムが開発されている[J.Mol.Biol.,215,403(1990)]。BLASTに基づいてBLASTNによって塩基配列を解析する場合には、パラメーターは例えばScore=100、wordlength=12とする。また、BLASTに基づいてBLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合には、パラメーターは例えばscore=50、wordlength=3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov.)。
本発明のα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質の製造に用いられる形質転換体としては、パスツレラ属に属する微生物由来のα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質を生産する形質転換体であれば、特に限定されないが、好ましくはパスツレラ属に属する微生物由来の該蛋白質をコードするDNA、より好ましくはパスツレラ・マルトシダ由来の該蛋白質をコードするDNAを含有する形質転換体をあげることができる。具体的には、
(1)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA
(2)配列番号3で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA
(3)配列番号5で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA
(4)配列番号2で表される塩基配列を有するDNA
(5)配列番号4で表される塩基配列を有するDNA
(6)配列番号6で表される塩基配列を有するDNA
(7)配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
(8)配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質と80%以上の同一性を有し、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
(9)配列番号2、4および6から選ばれるいずれか1つの配列番号で表される塩基配列の相補配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAをあげることができる。
上記のストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能なDNAとは、上記配列番号2、4および6から選ばれるいずれか1つの配列番号で表される塩基配列の相補配列からなるDNAの一部、または全部をプローブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAを意味し、具体的には、コロニーあるいはプラーク由来のDNAを固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0mol/lの塩化ナトリウム存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mmol/l塩化ナトリウム、15mmol/lクエン酸ナトリウムよりなる)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるDNAをあげることができる。ハイブリダイゼーションは、モレキュラー・クローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、DNA Cloning 1:Core Techniques,A Practical Approach,Second Edition,Oxford University(1995)等に記載されている方法に準じて行うことができる。
ハイブリダイズ可能なDNAとして具体的には、上記したBLASTやFASTA等による同一性値の計算において、配列番号2、4および6から選ばれるいずれか1つの配列番号で表される塩基配列と少なくとも60%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは95%以上の同一性値を示すDNAをあげることができる。
[1]本発明のα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質の製造法に用いられるDNAの調製
(1)データベースを利用したα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAの選択
Pasteurella multocida PM70株においては、そのゲノムDNAの全塩基配列が決定されており[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,98,3460(2001)]、該ゲノムDNA配列データベース[http://www.cbc.umn.edu/ResearchProjects/Pm/pmhome.html,http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/]に対して、公知のシアル酸転移酵素遺伝子をクエリーとして遺伝子検索及び相同性検索等を行うことによりα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAを選択することができる。
(2)α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAの取得
α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAは、パスツレラ属する微生物より調製することができる。パスツレラに属する微生物としては、例えばPasteurella multocidaをあげることができ、具体的にはPasteurella multocida PM70株(ミネソタ大学より分譲可能)等をあげることができる。
パスツレラ・マルトシダに属する微生物を公知の方法[例えば、FEMS Microbiol.Lett.,166,289(1998)]により培養する。
培養後、公知の方法(例えばカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーに記載の方法)により、該微生物の染色体DNAを単離精製する。
本発明の製造法に用いるDNAを含むDNA断片の取得は、上記(1)で選択されたゲノムの塩基配列に基づいたプライマーを調製し、ゲノムDNAを鋳型として、PCR法[PCR Protocols,Academic Press(1990)]により行うことができる。
また、ゲノムの塩基配列に基づいて設計された合成DNAをプローブとしたハイブリダイゼーション法などにより目的とするDNAを取得することもできる。
取得したDNAをそのまま、あるいは適当な制限酵素などで切断後、常法によりベクターに組み込み、通常用いられる塩基配列解析方法、例えばジデオキシ法[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,74,5463(1977)]あるいは373A・DNAシークエンサー(パーキン・エルマー社製)等の塩基配列分析装置を用いて分析することにより、該DNAの塩基配列を決定することができる。
更に、決定されたDNAの塩基配列に基づいて、パーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型DNA合成装置等を用いて化学合成することにより目的とするDNAを調製することもできる。
上記のようにして取得されるDNAとして、例えば、配列番号2、4または6で表される塩基配列を有するDNAをあげることができる。
上記で取得されたDNAを組み込むベクターとしては、pBluescriptII KS(+)(ストラタジーン社製)、pDIRECT[Nucleic Acids Res.,18,6069(1990)]、pCR−Script Amp SK(+)(ストラタジーン社製)、pT7Blue(ノバジェン社製)、pCR II(インビトロジェン社製)およびpCR−TRAP(ジーンハンター社製)などをあげることができる。
配列番号2、4または6で表される塩基配列を有するDNAを含有する組換え体DNAであるpPM0188SK、pPM0508SKおよびpPM1174SKは、それぞれ平成13年9月13日付けで、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305―8566)にFERM BP−7730、FERM BP−7731およびFERM BP−7733として寄託されている。
配列番号2、4または6で表される塩基配列を有するDNAを含有する組換え体DNAを保有する微生物としては、エシェリヒア・コリ等をあげることができる。
エシェリヒア・コリとしては、例えば、Escherichia coli XL1−Blue、Escherichia coli XL2−Blue、Escherichia coli DH1、Escherichia coli MC1000、Escherichia coli KY3276、Escherichia coli W1485、Escherichia coli JM109、Escherichia coli HB101、Escherichia coli No.49、Escherichia coli W3110、Escherichia coli NY49、Escherichia coli MP347、Escherichia coli NM522、Escherichia coli ME8415等をあげることができる。
組換え体DNAの導入方法としては、上記宿主細胞へDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、カルシウムイオンを用いる方法[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,69,2110(1972)]、プロトプラスト法(特開昭63−2483942)、エレクトロポレーション法[Nucleic Acids Res.,16,6127(1988)]等をあげることができる。
上記の組換え体DNAを導入して得られるα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素を生産する形質転換体としては、上記組換え体DNAを含有する形質転換体、相同組換えによりα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素をコードするDNAが宿主細胞の染色体DNAに挿入された形質転換体等をあげることができる。
組換え体DNAを含有する形質転換体として具体的には、配列番号2、4または6で表される塩基配列を有するDNAを含有する組換え体DNAを保有するエシェリヒア・コリであるEsherichia coli NM522/pPT76、Esherichia coli NM522/pPT79、およびEsherichia coli NM522/pPT78をあげることができる。
[2]α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質の調製
α2,3/δ2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質は、モレキュラー・クローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー等に記載された方法等を用い、例えば以下の方法により、上記[1]に記載の方法により取得したDNAを宿主細胞中で発現させて、製造することができる。
上記DNAをもとにして、必要に応じて、該蛋白質をコードする部分を含む適当な長さのDNA断片を調製する。また、該蛋白質をコードする部分の塩基配列を、宿主の発現に最適なコドンとなるように、塩基を置換することにより、該蛋白質の生産性を向上させることができる。
該DNA断片を適当な発現ベクターのプロモーターの下流に挿入することにより、組換え体DNAを作製する。
該組換え体DNAを、該発現ベクターに適合した宿主細胞に導入することにより、本発明の蛋白質を生産する形質転換体を得ることができる。
宿主細胞としては、細菌、酵母、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞等、目的とする遺伝子を発現できるものであればいずれも用いることができる。
発現ベクターとしては、上記宿主細胞において自立複製可能ないしは染色体中への組込が可能で、α2,3/α2,8シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAを転写できる位置にプロモーターを含有しているものが用いられる。
細菌等の原核生物を宿主細胞として用いる場合は、本発明の製造法に用いられる蛋白質をコードするDNAを含有してなる組換え体DNAは原核生物中で自立複製可能であると同時に、プロモーター、リボソーム結合配列、本発明のDNA、転写終結配列より構成された組換え体DNAであることが好ましい。プロモーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。
発現ベクターとしては、pHelix1(ロシュ・ダイアグノスティクス社製)、pKK233−2(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社製)、pSE280(インビトロジェン社製)、pGEMEX−1(プロメガ社製)、pQE−8(キアゲン社製)、pET−3(ノバジェン社製)、pKYP10(特開昭58−110600)、pKYP200[Agric.Biol.Chem.,48,669(1984)]、pLSA1[Agric.Biol.Chem.,53,277(1989)]、pGEL1[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,82,4306(1985)]、pBluescriptII SK(+)、pBluescript II KS(−)(ストラタジーン社製)、pTrS30[大腸菌JM109/pTrS30(FERM BP−5407)より調製]、pTrS32[大腸菌JM109/pTrS32(FERM BP−5408)より調製]、pPAC31(WO98/12343)、pUC19[Gene,33,103(1985)]、pSTV28(宝酒造社製)、pUC118(宝酒造社製)、pPA1(特開昭63−233798)等を例示することができる。
プロモーターとしては、大腸菌等の宿主細胞中で機能するものであればいかなるものでもよい。例えば、trpプロモーター(P trp)、lacプロモーター(P lac)、Pプロモーター、Pプロモーター、PSEプロモーター等の、大腸菌やファージ等に由来するプロモーター、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーター等をあげることができる。またP trpを2つ直列させたプロモーター(P trp×2)、tacプロモーター、lacT7プロモーター、letIプロモーターのように人為的に設計改変されたプロモーター等も用いることができる。
リボソーム結合配列であるシャイン−ダルガノ(Shine−Dalgarno)配列と開始コドンとの間を適当な距離(例えば6〜18塩基)に調節したプラスミドを用いることが好ましい。
組換え体DNAには、α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質を発現させるための転写終結配列は必ずしも必要ではないが、構造遺伝子の直下に転写終結配列を配置することが好ましい。
原核生物としては、エシェリヒア属、セラチア属、バチルス属、ブレビバクテリウム属、コリネバクテリウム属、ミクロバクテリウム属、シュードモナス属等に属する微生物、例えば、Escherichia coli XL1−Blue、Escherichia coli XL2−Blue、Escherichia coli DH1、Escherichia coli NM522、Escherichia coli MC1000、Escherichia coli KY3276、Escherichia coli W1485、Escherichia coli JM109、Escherichia coli HB101、Escherichia coli No.49、Escherichia coli W3110、Escherichia coli NY49、Serratia ficariaSerratia fonticolaSerratia liquefaciensSerratia marcescensBacillus subtilisBacillus amyloliquefaciensBrevibacterium immariophilum ATCC14068、Brevibacterium saccharolyticum ATCC14066、Corynebacterium ammmoniagenesCorynebacterium glutamicum ATCC13032、Corynebacterium glutamicum ATCC14067、Corynebacterium glutamicum ATCC13869、Corynebacterium acetoacidophilum ATCC13870、Microbacterium ammoniaphilum ATCC15354、Pseudomonas sp.D−0110等をあげることができる。
組換え体DNAの導入方法としては、上記宿主細胞へDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、カルシウムイオンを用いる方法[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,69,2110(1972)]、プロトプラスト法(特開昭63−248394)、エレクトロポレーション法[Nucleic Acids Res.,16,6127(1988)]等をあげることができる。
酵母菌株を宿主細胞として用いる場合には、発現ベクターとして、例えば、YEp13(ATCC37115)、YEp24(ATCC37051)、YCp50(ATCC37419)、pHS19、pHS15等を用いることができる。
プロモーターとしては、酵母菌株中で機能するものであればいずれのものを用いてもよく、例えば、PH05プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、gal 1プロモーター、gal 10プロモーター、ヒートショックポリペプチドプロモーター、MFα1プロモーター、CUP1プロモーター等のプロモーターをあげることができる。
宿主細胞としては、サッカロマイセス属、シゾサッカロマイセス属、クルイベロミセス属、トリコスポロン属、シワニオミセス属、ピチア属、キャンディダ属等に属する酵母菌株をあげることができ、具体的には、Saccharomyces cerevisiaeSchizosaccharomyces pombeKluyveromyces lactisTrichosporon pullulansSchwanniomyces alluviusPichia pastorisCandida utilis等をあげることができる。
組換え体DNAの導入方法としては、酵母にDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、エレクトロポレーション法[Methods Enzymol.,194,182(1990)]、スフェロプラスト法[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,81,4889(1984)]、酢酸リチウム法[J.Bacteriol.,153,163(1983)]等をあげることができる。
動物細胞を宿主として用いる場合には、発現ベクターとして、例えば、pcDNAI、pcDM8(いずれもフナコシ社より市販)、pAGE107(特開平3−22979)、pAS3−3(特開平2−227075)、pcDNAI/AmP、pREP4(いずれもインビトロジェン社製)、pAGE103[J.Biochem,101,1307(1987)]、pAGE210、pAMo、pAMoA等を用いることができる。
プロモーターとしては、動物細胞中で機能するものであればいずれも用いることができ、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)のIE(immediate early)遺伝子のプロモーター、SV40の初期プロモーターあるいはメタロチオネインのプロモーター、レトロウイルスのプロモーター、ヒートショックプロモーター、SRαプロモーター等をあげることができる。また、ヒトCMVのIE遺伝子のエンハンサーをプロモーターと共に用いてもよい。
宿主細胞としては、マウス・ミエローマ細胞、ラット・ミエローマ細胞、マウス・ハイブリドーマ細胞、ヒトの細胞であるナマルバ(Namalwa)細胞またはNamalwa KJM−1細胞、ヒト胎児腎臓細胞、ヒト白血病細胞、アフリカミドリザル腎臓細胞、チャイニーズ・ハムスターの細胞であるCHO細胞、HBT5637(特開昭63−299)等をあげることができる。
マウス・ミエローマ細胞としては、SP2/0、NSO等、ラット・ミエローマ細胞としてはYB2/0等、ヒト胎児腎臓細胞としてはHEK293(ATCC:CRL−1573)等、ヒト白血病細胞としては、BALL−1等、アフリカミドリザル腎臓細胞としてはCOS−1、COS−7等をあげることができる。
組換え体DNAの導入方法としては、動物細胞にDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、エレクトロポレーション法[Cytotechnology,,133(1990)]、リン酸カルシウム法(特開平2−227075)、リポフェクション法[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,84,7413(1987)]、Virology,52,456(1973)に記載の方法等をあげることができる。
昆虫細胞を宿主として用いる場合には、例えばBaculovirus Expression Vectors,A Laboratory Manual,W.H.Freeman and Company,New York(1992)、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、Molecular Biology,A Laboratory Manual、Bio/Technology,,47(1988)等に記載された方法によって、蛋白質を発現することができる。
即ち、組換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイルスを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換えウイルスを得た後、さらに組換えウイルスを昆虫細胞に感染させ、蛋白質を発現させることができる。
該方法において用いられる遺伝子導入ベクターとしては、例えば、pVL1392、pVL1393、pBlueBacIII(ともにインビトロジェン社製)等をあげることができる。
バキュロウイルスとしては、例えば、夜盗蛾科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・カリフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイルス(Autographa californica nuclear polyhedrosis virus)等を用いることができる。
昆虫細胞としては、Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞、Trichoplusia niの卵巣細胞、カイコ卵巣由来の培養細胞等を用いることができる。
Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞としてはSf9、Sf21(バキュロウイルス・イクスプレッション・ベクターズ ア・ラボラトリー・マニュアル)等、Trichoplusia niの卵巣細胞としてはHigh 5、BTI−TN−5B1−4(インビトロジェン社製)等、カイコ卵巣由来の培養細胞としてはBombyx mori N4等をあげることができる。
組換えウイルスを調製するための、昆虫細胞への上記組換え遺伝子導入ベクターと上記バキュロウイルスの共導入方法としては、例えば、リン酸カルシウム法(特開平2−227075)、リポフェクション法[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,84,7413(1987)]等をあげることができる。
植物細胞を宿主細胞として用いる場合には、発現ベクターとして、例えば、Tiプラスミド、タバコモザイクウイルスベクター等をあげることができる。
プロモーターとしては、植物細胞中で機能するものであればいずれのものを用いてもよく、例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sプロモーター、イネアクチン1プロモーター等をあげることができる。
宿主細胞としては、タバコ、ジャガイモ、トマト、ニンジン、ダイズ、アブラナ、アルファルファ、イネ、コムギ、オオムギ等の植物細胞等をあげることができる。
組換えベクターの導入方法としては、植物細胞にDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、アグロバクテリウム(Agrobacterium)(特開昭59−140885、特開昭60−70080、WO94/00977)、エレクトロポレーション法(特開昭60−251887)、パーティクルガン(遺伝子銃)を用いる方法(特許第2606856、特許第2517813)等をあげることができる。
以上のようにして得られる形質転換体を培地に培養し、培養物中にα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質を生成蓄積させ、該培養物から採取することにより、α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質を製造することができる。
本発明のα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質の製造法に用いられる形質転換体を培地に培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行うことができる。
エシェリヒア・コリ等の原核生物あるいは酵母等の真核生物を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、該生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行える培地であれば天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。
炭素源としては、該生物が資化し得るものであればよく、グルコース、フラクトース、スクロース、これらを含有する糖蜜、デンプンあるいはデンプン加水分解物等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類等を用いることができる。
窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸もしくは有機酸のアンモニウム塩、その他の含窒素化合物、並びに、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスチープリカー、カゼイン加水分解物、大豆粕および大豆粕加水分解物、各種発酵菌体、およびその消化物等を用いることができる。
無機塩としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等を用いることができる。
培養は、通常振盪培養または深部通気攪拌培養等の好気的条件下で行う。培養温度は15〜40℃がよく、培養時間は、通常5時間〜7日間である。培養中pHは3.0〜9.0に保持する。pHの調整は、無機または有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニア等を用いて行う。
また、培養中必要に応じて、アンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときには、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、lacプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド等を、trpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはインドールアクリル酸等を培地に添加してもよい。
動物細胞を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているRPMI1640培地[J.Am.Med.Assoc.,199,519(1967)]、EagleのMEM培地[Science,122,501(1952)]、DMEM培地[Virology,,396(1959)]、199培地[Proc.Soc.Biol.Med.,73,1(1950)]またはこれら培地に牛胎児血清等を添加した培地等を用いることができる。
培養は、通常pH6〜8、25〜40℃、5%CO存在下等の条件下で1〜7日間行う。
また、培養中必要に応じて、カナマイシン、ペニシリン、ストレプトマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
昆虫細胞を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているTNM−FH培地(ファーミンジェン社製)、Sf−900 II SFM培地(ライフ・テクノロジーズ社製)、ExCell400、ExCell405(いずれもJRHバイオサイエンシーズ社製)、Grace’s Insect Medium[Nature,195),788(1962)]等を用いることができる。
培養は、通常pH6〜7、25〜30℃等の条件下で1〜5日間行う。
また、培養中必要に応じて、ゲンタマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
植物細胞を宿主として得られた形質転換体は、細胞として、または植物の細胞や器官に分化させて培養することができる。該形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているムラシゲ・アンド・スクーグ(MS)培地、ホワイト(White)培地、またはこれら培地にオーキシン、サイトカイニン等、植物ホルモンを添加した培地等を用いることができる。
培養は、通常pH5〜9、20〜40℃の条件下で3〜60日間行う。
また、培養中必要に応じて、カナマイシン、ハイグロマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
上記のとおり、α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAを含む組換え体DNAを含有する微生物、動物細胞、昆虫細胞あるいは植物細胞由来の形質転換体を、通常の培養方法に従って培養し、該蛋白質を生成蓄積させ、該培養物より該蛋白質を採取することにより、該蛋白質を製造することができる。
α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質を生産させる形態としては、該蛋白質をそのままの構造で生産させる以外に、モレキュラー・クローニング第2版に記載されている方法等に準じて、シグナル配列を配した分泌タンパク質として、あるいは融合蛋白質として生産することができる。
融合させる蛋白質としては、β−ガラクトシダーゼ、プロテインA、プロテインAのIgG結合領域、クロラムフェニコール・アセチルトランスフェラーゼ、ポリ(Arg)、ポリ(Glu)、プロテインG、マルトース結合タンパク質、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、ポリヒスチジン鎖(His−tag)、Sペプチド、DNA結合タンパク質ドメイン、Tac抗原、チオレドキシン、グリーン・フルオレッセント・プロテイン、FLAGペプチド、および任意の抗体のエピトープなどがあげられる[山川彰夫,実験医学,13,469−474(1995)]。
さらにα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質の生産方法としては、宿主細胞外膜上に生産させる方法があり、使用する宿主細胞や、生産させる蛋白質の構造を変えることにより、該方法を選択することができる。
α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質が宿主細胞内あるいは宿主細胞外膜上に生産される場合、ポールソンらの方法[J.Biol.Chem.,264,17619(1989)]、ロウらの方法[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,86,8227(1989)、Genes Develop.,,1288(1990)]、または特開平05−336963、WO94/23021等に記載の方法を準用することにより、該蛋白質を宿主細胞外に積極的に分泌させることができる。
すなわち、遺伝子組換えの手法を用いて、α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質の活性部位を含む蛋白質の手前にシグナルペプチドを付加した形で発現させることにより、α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質を宿主細胞外に積極的に分泌させることができる。
また、特開平2−227075に記載されている方法に準じて、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子等を用いた遺伝子増幅系を利用して生産量を上昇させることもできる。
さらに、遺伝子導入した動物または植物の細胞を再分化させることにより、遺伝子が導入された動物個体(トランスジェニック非ヒト動物)または植物個体(トランスジェニック植物)を造成し、これらの個体を用いてα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質を製造することもできる。
形質転換体が動物個体または植物個体の場合は、通常の方法に従って、飼育または栽培し、該蛋白質を生成蓄積させ、該動物個体または植物個体より該蛋白質を採取することにより、該蛋白質を製造することができる。
動物個体を用いてα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質を製造する方法としては、例えば公知の方法[Am.J.Clin.Nutr.,63,639S(1996)、Am.J.Clin.Nutr.,63,627S(1996)、Bio/Technology,,830(1991)]に準じて遺伝子を導入して造成した動物中に該蛋白質を生産する方法があげられる。
動物個体の場合は、例えば、α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAを導入したトランスジェニック非ヒト動物を飼育し、該蛋白質を該動物中に生成・蓄積させ、該動物中より該蛋白質を採取することにより、該蛋白質を製造することができる。該動物中の生成・蓄積場所としては、例えば、該動物のミルク(特開昭63−309192)、卵等をあげることができる。この際に用いられるプロモーターとしては、動物で機能するものであればいずれも用いることができるが、例えば、乳腺細胞特異的なプロモーターであるαカゼインプロモーター、βカゼインプロモーター、βラクトグロブリンプロモーター、ホエー酸性プロテインプロモーター等が好適に用いられる。
植物個体を用いてα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質を製造する方法としては、例えば本発明の蛋白質をコードするDNAを導入したトランスジェニック植物を公知の方法[組織培養,20(1994)、組織培養,21(1995)、Trends Biotechnol.,15,45(1997)]に準じて栽培し、該蛋白質を該植物中に生成・蓄積させ、該植物中より該蛋白質を採取することにより、該蛋白質を生産する方法があげられる。
本発明のα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質の製造法により製造された該蛋白質を単離・精製する方法としては、通常の酵素の単離、精製法を用いることができる。
例えば、α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分離により回収し、水系緩衝液にけん濁後、超音波破砕機、フレンチプレス、マントンガウリンホモゲナイザー、ダイノミル等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。
該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られる上清から、通常の酵素の単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)−セファロース、DIAION HPA−75(三菱化学社製)等レジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィー法、S−Sepharose FF(Pharmacia社製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィー法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わせて用い、精製標品を得ることができる。
また、該蛋白質が細胞内に不溶体を形成して発現した場合は、同様に細胞を回収後破砕し、遠心分離を行うことにより得られた沈殿画分より、通常の方法により該蛋白質を回収後、該蛋白質の不溶体を蛋白質変性剤で可溶化する。
該可溶化液を、蛋白質変性剤を含まないあるいは蛋白質変性剤の濃度が蛋白質が変性しない程度に希薄な溶液に希釈、あるいは透析し、該蛋白質を正常な立体構造に構成させた後、上記と同様の単離精製法により精製標品を得ることができる。
α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質あるいはその糖修飾体等の誘導体が細胞外に分泌された場合には、培養上清に該蛋白質あるいはその糖鎖付加体等の誘導体を回収することができる。
即ち、該培養物を上記と同様の遠心分離等の手法により処理することにより可溶性画分を取得し、該可溶性画分から、上記と同様の単離精製法を用いることにより、精製標品を得ることができる。
このようにして取得される蛋白質として、例えば、配列番号1、3または5で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質をあげることができる。
また、α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質を他の蛋白質との融合蛋白質として生産し、融合した蛋白質に親和性をもつ物質を用いたアフィニティークロマトグラフィーを利用して精製することもできる。例えば、ロウらの方法[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,86,8227(1989)、Genes Develop.,,1288(1990)]、特開平05−336963、WO94/23021に記載の方法に準じて、α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をプロテインAとの融合タンパク質として生産し、イムノグロブリンGを用いるアフィニティークロマトグラフィーにより精製することができる。
また、α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をFlagペプチドとの融合蛋白質として生産し、抗Flag抗体を用いるアフィニティークロマトグラフィーにより精製することができる[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,86,8227(1989)、Genes Develop.,,1288(1990)]。更に、該ポリペプチド自身に対する抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーで精製することもできる。
上記で取得された蛋白質のアミノ酸情報を基に、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t−ブチルオキシカルボニル法)等の化学合成法により、α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質を製造することができる。また、Advanced ChemTech社、パーキン・エルマー社、Pharmacia社、Protein Technology Instrument社、Synthecell−Vega社、PerSeptive社、島津製作所等のペプチド合成機を利用して化学合成することもできる。
[3]シアル酸含有複合糖質の調製
本発明のシアル酸含有複合糖質の製造法は、微生物由来のα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質を生産する形質転換体の培養物または該培養物の処理物を酵素源として用い、該酵素源、シチジン−5’−一リン酸シアル酸、および受容体複合糖質を水性媒体中に存在せしめ、該水性媒体中でシアル酸含有複合糖質を生成蓄積させ、該水性媒体からシアル酸含有複合糖質を採取することを特徴とする製造法である。
上記本発明のシアル酸含有複合糖質の製造法に用いられる形質転換体としては、微生物由来のα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質を生産する形質転換体であれば特に限定されないが、好ましくはパスツレラ属に属する微生物由来のα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAを含有する形質転換体、より好ましくパスツレラ・マルトシダ由来の該蛋白質をコードするDNAを含有する形質転換体あげることができる。
パスツレラ・マルトシダ由来の該蛋白質をコードするDNAの具体的な例としては、
(1)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA
(2)配列番号3で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA
(3)配列番号5で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA
(4)配列番号2で表される塩基配列を有するDNA
(5)配列番号4で表される塩基配列を有するDNA
(6)配列番号6で表される塩基配列を有するDNA
(7)配列番号1、3および5から選ばれるいずれか1つの配列番号で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
(8)配列番号2、4および6から選ばれるいずれか1つの配列番号で表される塩基配列の相補配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAをあげることができる。
上記DNAは、上記[1]の方法により取得することができ、該DNAを含有する形質転換体、および該形質転換体の培養物は、上記[2]の方法によって取得することができる。
培養物の処理物としては、培養物の濃縮物、培養物の乾燥物、培養物を遠心分離して得られる菌体、該菌体の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物、該菌体の界面活性剤処理物、該菌体の超音波処理物、該菌体の機械的摩砕処理物、該菌体の溶媒処理物、該菌体の酵素処理物、該菌体の蛋白質分画物、該菌体の固定化物あるいは該菌体より抽出して得られる酵素標品などをあげることができる。
シアル酸含有複合糖質の生成において用いられる酵素源は、37℃で1分間に1μmolのシアル酸含有複合糖質を生成することのできる活性を1単位(U)として、1mU/l〜1,000U/lであり、好ましくは10mU/l〜500U/lの濃度で用いる。
シアル酸含有複合糖質の生成において用いられる水性媒体としては、水、りん酸塩、炭酸塩、酢酸塩、ほう酸塩、クエン酸塩、トリスなどの緩衝液、メタノール、エタノールなどのアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類、アセトンなどのケトン類、アセトアミドなどのアミド類などをあげることができる。また、酵素源として用いた微生物の培養液を水性媒体として用いることができる。
シアル酸含有複合糖質の生成において用いられる受容体複合糖質としては、非還元末端にガラクトースを有するオリゴ糖を含む複合糖質、または非還元末端にシアル酸を有するオリゴ糖を含む複合糖質をあげることができ、好ましくは非還元末端にラクトース、グロボトリオース、N−アセチルラクトサミン、ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオース、ルイスaおよびルイスXからなる群より選ばれる構造を有するオリゴ糖を含む複合糖質、または非還元末端にNeuAcα2−3Galβ1−4GlcおよびNeuAcα2−3Galβ1−4GlcNAcからなる群より選ばれる構造を有するオリゴ糖を含む複合糖質をあげることができる。
シアル酸含有複合糖質の生成において、必要に応じて界面活性剤あるいは有機溶媒を添加してもよい。界面活性剤としては、ポリオキシエチレン・オクタデシルアミン(例えばナイミーンS−215、日本油脂社製)などの非イオン界面活性剤、セチルトリメチルアンモニウム・ブロマイドやアルキルジメチル・ベンジルアンモニウムクロライド(例えばカチオンF2−40E、日本油脂社製)などのカチオン系界面活性剤、ラウロイル・ザルコシネートなどのアニオン系界面活性剤、アルキルジメチルアミン(例えば三級アミンFB、日本油脂社製)などの三級アミン類など、シアル酸含有複合糖質の生成を促進するものであればいずれでもよく、1種または数種を混合して使用することもできる。界面活性剤は、通常0.1〜50g/lの濃度で用いられる。有機溶剤としては、キシレン、トルエン、脂肪族アルコール、アセトン、酢酸エチルなどが挙げられ、通常0.1〜50ml/lの濃度で用いられる。
シアル酸含有複合糖質の生成反応は水性媒体中、pH5〜10、好ましくはpH6〜8、20〜50℃の条件で1〜96時間行う。該生成反応において、必要に応じてMnCl、MgCl等の無機塩等を添加することができる。
水性媒体中に生成したシアル酸含有複合糖質の定量はDionex社製の糖分析装置などを用いて行うことができる[Anal.Biochem.,189,151(1990)]。
反応液中に生成したシアル酸含有複合糖質の採取は、活性炭やイオン交換樹脂などを用いる通常の方法によって行うことができる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
発明を実施するための最良の形態
実施例1 パスツレラ・マルトシダ由来のα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素遺伝子発現株の造成
(1)Escherichia coli NM522/pPT76株の造成
Pasteurella multocida PM70株の染色体DNAは、ミネソタ大学より分譲されたものを用いた。
パーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型DNA合成機を用いて合成した、配列番号7および8で表される塩基配列を有するDNAを用いて、パスツレラ・マルトシダPM70株の全ゲノム配列中で、α2,6−シアル酸転移酵素遺伝子と推定されているpm0188を含むDNA断片を下記方法で増幅した。
上記合成DNAをプライマーセットとして用い、Pasteurella multocida PM70株の染色体DNAを鋳型としてPCRを行った。PCRは染色体DNA0.1μg、プライマー各0.5μmol/l、Pfu DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)2.5units、Pfu DNAポリメラーゼ用×10緩衝液4μl、deoxyNTP各200μmol/lを含む反応液40μlを用い、94℃で1分間、42℃で2分間、72℃で3分間の工程を30回繰り返すことにより行った。
該反応液の1/10量をアガロースゲル電気泳動し、目的の断片が増幅していることを確認後、残りの反応液と等量のTE[10mmol/l Tris−HCl、1mmol/l EDTA(pH8.0)]飽和フェノール/クロロホルム(1vol/l vol)を添加し、混合した。
該混合液を遠心分離後、得られた上層に2倍容量の冷エタノールを加えて混合し、−80℃に30分間放置した。該溶液を遠心分離しDNAの沈殿を得た。
該DNAの沈殿を20μlのTEに溶解した。
該溶解液5μlを用い、DNAを制限酵素ClaIおよびBamHIで切断し、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を分離した後、ジーンクリーンIIキット(フナコシ社より購入)により1.2kbのDNA断片を回収した。
pBluescriptII SK(+)0.2μgを制限酵素ClaIおよびBamHIで切断後、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を分離し、同様に2.9kbのDNA断片を回収した。
該1.2kbおよび2.9kbの断片をライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて、16℃で16時間、連結反応を行った。該連結反応液を用いてエシェリヒア・コリNM522株を前述の公知の方法に従って形質転換し、該形質転換体を50μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天培地[バクトトリプトン(ディフコ社製)10g/l、酵母エキス(ディフコ社製)10g/l、塩化ナトリウム5g/l、アガロース15g/l]に塗布後、30℃で一晩培養した。
生育してきた形質転換体のコロニーより前述の公知の方法に従ってプラスミドを抽出して、該プラスミドの構造を制限酵素消化により確認し、該プラスミドをpPM0188SKと命名した。pPM0188SKは、平成13年9月13日付けで、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305―8566)にFERM BP−7730として寄託されている。
次に、pPM0188SKを制限酵素ClaIおよびBamHIで切断し、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を分離し、1.2kbのDNA断片を回収した。pPAC31 DNA 0.2μgを制限酵素ClaIおよびBamHIで切断後、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を分離し、同様に5.4kbのDNA断片を回収した。
該1.2kbおよび5.4kbの断片をライゲーションキットを用いて、16℃で16時間、連結反応を行った。
該連結反応液を用いてエシェリヒア・コリNM522株を前述の公知の方法に従って形質転換し、該形質転換体をアンピシリン50μg/mlを含むLB寒天培地に塗布後、30℃で一晩培養した。
生育してきた形質転換体のコロニーより前述の公知の方法に従ってプラスミドを抽出し、発現プラスミドであるpPT76を得た。該プラスミドの構造を制限酵素消化により確認した(第1図)。
(2)Escherichia coli NM522/pPT79株の造成
上記(1)と同様、Pasteurella multocida PH70株の染色体DNAを用いてPCRにより目的とするDNAを以下のようにして取得した。
パーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型DNA合成機を用いて合成した、配列番号9および10で表される塩基配列を有するDNAを用いて、パスツレラ・マルトシダPM70株の全ゲノム配列中で、α2,3−シアル酸転移酵素遺伝子と推定されているpm508を含むDNA断片を下記方法で増幅した。
上記合成DNAをプライマーセットとして用い、Pasteurella multocida PM70株の染色体DNAを鋳型としてPCRを行った。PCRは染色体DNA0.1μg、プライマー各0.5μmol/l、Pfu DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)2.5units、Pfu DNAポリメラーゼ用×10緩衝液4μl、deoxyNTP各200μmol/lを含む反応液40μlを用い、94℃で1分間、42℃で2分間、72℃で3分間の工程を30回繰り返すことにより行った。
該反応液の1/10量をアガロースゲル電気泳動し、目的の断片が増幅していることを確認後、残りの反応液と等量のTE[10mmol/l Tris−HCl、1mmol/l EDTA(pH8.0)]飽和フェノール/クロロホルム(1vol/l vol)を添加し、混合した。
該混合液を遠心分離後、得られた上層に2倍容量の冷エタノールを加えて混合し、−80℃に30分間放置した。該溶液を遠心分離しDNAの沈殿を得た。
該DNAの沈殿を20μlのTEに溶解した。
該溶解液5μlを用い、DNAを制限酵素ClaIおよびBamHIで切断し、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を分離した後、ジーンクリーンIIキットにより1.0kbのDNA断片を回収した。
pBluescriptII SK(+)0.2μgを制限酵素ClaIおよびBamHIで切断後、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を分離し、同様に2.9kbのDNA断片を回収した。
該1.0kbおよび2.9kbの断片をライゲーションキットを用いて、16℃で16時間、連結反応を行った。該連結反応液を用いてエシェリヒア・コリNM522株を前述の公知の方法に従って形質転換し、該形質転換体を50μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天培地に塗布後、30℃で一晩培養した。
生育してきた形質転換体のコロニーより前述の公知の方法に従ってプラスミドを抽出して、該プラスミドの構造を制限酵素消化により確認し、該プラスミドをpPM0508SKと命名した。pPM0508SKは、平成13年9月13日付けで、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305―8566)にFERM BP−7731として寄託されている。
次に、pPM0508SKを制限酵素ClaIおよびBamHIで切断し、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を分離し、1.0kbのDNA断片を回収した。pPAC31 DNA0.2μgを制限酵素ClaIおよびBamHIで切断後、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を分離し、同様に5.4kbのDNA断片を回収した。
該1.0kbおよび5.4kbの断片をライゲーションキットを用いて、16℃で16時間、連結反応を行った。
該連結反応液を用いてエシェリヒア・コリNM522株を前述の公知の方法に従って形質転換し、該形質転換体をアンピシリン50μg/mlを含むLB寒天培地に塗布後、30℃で一晩培養した。
生育してきた形質転換体のコロニーより前述の公知の方法に従ってプラスミドを抽出し、発現プラスミドであるpPT79を得た。該プラスミドの構造を制限酵素消化により確認した(第2図)。
(3)Escherichia coli NM522/pPT78株の造成
上記(1)と同様、Pasteurella multocida PM70株の染色体DNAを用いてPCRにより目的とするDNAを取得した。
パーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型DNA合成機を用いて合成した、配列番号11および12で表される塩基配列を有するDNAを用いて、パスツレラ・マルトシダPM70株の全ゲノム配列中で、α2,3−シアル酸転移酵素遺伝子と推定されているpm1174を含むDNA断片を下記方法で増幅した。
上記合成DNAをプライマーセットとして用い、Pasteurella multocida PM70株の染色体DNAを鋳型としてPCRを行った。PCRは染色体DNA0.1μg、プライマー各0.5μmol/l、Pfu DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)2.5units、Pfu DNAポリメラーゼ用×10緩衝液4μl、deoxyNTP各200μmol/lを含む反応液40μlを用い、94℃で1分間、42℃で2分間、72℃で3分間の工程を30回繰り返すことにより行った。
該反応液の1/10量をアガロースゲル電気泳動し、目的の断片が増幅していることを確認後、残りの反応液と等量のTE[10mmol/l Tris−HCl、1mmol/l EDTA(pH8.0)]飽和フェノール/クロロホルム(1vol/l vol)を添加し、混合した。
該混合液を遠心分離後、得られた上層に2倍容量の冷エタノールを加えて混合し、−80℃に30分間放置した。該溶液を遠心分離しDNAの沈殿を得た。
該DNAの沈殿を20μlのTEに溶解した。
該溶解液5μlを用い、DNAを制限酵素ClaIおよびBamHIで部分消化し、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を分離した後、ジーンクリーンIIキット(フナコシ社より購入)により0.9kbのDNA断片を回収した。
pBluescriptII SK(+)0.2μgを制限酵素ClaIおよびBamHIで切断後、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を分離し、同様に2.9kbのDNA断片を回収した。
該0.9kbおよび2.9kbの断片をライゲーションキットを用いて、16℃で16時間、連結反応を行った。該連結反応液を用いてエシェリヒア・コリNM522株を前述の公知の方法に従って形質転換し、該形質転換体を50μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天培地に塗布後、30℃で一晩培養した。
生育してきた形質転換体のコロニーより前述の公知の方法に従ってプラスミドを抽出して、該プラスミドの構造を制限酵素消化により確認し、該プラスミドをpPM1174SKと命名した。pPM1174SKは、平成13年9月13日付けで、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305―8566)にFERM BP−7733として寄託されている。
次に、pPM1174SKを制限酵素ClaIおよびBamHIで切断し、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を分離し、0.9kbのDNA断片を回収した。pPAC31DNA0.2μgを制限酵素ClaIおよびBamHIで切断後、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を分離し、同様に5.4kbのDNA断片を回収した。
該0.9kbおよび5.4kbの断片をライゲーションキットを用いて、16℃で16時間、連結反応を行った。
該連結反応液を用いてエシェリヒア・コリNM522株を前述の公知の方法に従って形質転換し、該形質転換体をアンピシリン50μg/mlを含むLB寒天培地に塗布後、30℃で一晩培養した。
生育してきた形質転換体のコロニーより前述の公知の方法に従ってプラスミドを抽出し、発現プラスミドであるpPT78を得た。該プラスミドの構造を制限酵素消化により確認した(第3図)。
実施例2 Escherichia coli NM522/pPT76株を用いたシアル酸含有複合糖質の生産
(1)NeuAcα2−3Galβ1−4Glcの生産
実施例1(1)で得られたEscherichia coli NM522/pPT76株をアンピシリン50μg/mlを含むLB培地8mlの入った太型試験管に接種し28℃で17時間培養した。該培養物をアンピシリン50μg/mlを含むLB培地8mlの入った太型試験管に1%接種し28℃で2時間培養後、40℃で3時間培養した。該培養物0.5mlを遠心分離し湿菌体を取得した。該湿菌体は必要に応じて−20℃で保存することが可能で、使用前に解凍して用いることができた。
上記で取得したNM522/pPT76株湿菌体、50mmol/lクエン酸バッファー(pH7.0)、5mmol/l MnCl、10mmol/lラクトース、5mmol/l CMP−シアル酸、4g/lナイミーンS−215からなる0.1mlの反応液中で、37℃で16時間反応を行った。
反応終了後、反応生成物をダイオネックス社製糖分析装置(DX−500)を用いて以下の分析条件で分析し、反応液中に2.69mmol/l(1704mg/l)のNeuAcα2−3Galβ1−4Glcが生成蓄積していることを確認した。
分析条件:
カラム:CarboPAC PA10(ダイオネックス社製)
溶離液:溶離液A;500mmol/l NaOH、溶離液B;100mmol/l NaOH+500mmol/l NaOAc
グラジエント:0分において溶離液A20%、溶離液B10%からなる組成から、30分かけて直線的に溶離液A30%、溶離液B25%からなる組成とした。
検出器:パルスドアンペロメトリー検出器
(2) NeuAcα2−3Galβ1−4Glc1NAcβ1−3Galβ1−4Glcの生産
実施例1(1)で得られたEscherichia coli NM522/pPT76株をアンピシリン50μg/mlを含むLB培地8mlの入った太型試験管に接種し28℃で17時間培養した。該培養物をアンピシリン50μg/mlを含むLB培地8mlの入った太型試験管に1%接種し28℃で2時間培養後、40℃で3時間培養した。該培養物0.5mlを遠心分離し湿菌体を取得した。該湿菌体は必要に応じて−20℃で保存することが可能で、使用前に解凍して用いることができた。
上記で取得したNM522/pPT76株湿菌体、50mmol/lクエン酸バッファー(pH7.0)、5mmol/l MnCl、10mmol/lラクト−N−ネオテトラオース、5mmol/l CMP−シアル酸、4g/lナイミーンS−215からなる0.1mlの反応液中で、37℃で16時間反応を行った。
反応終了後、反応生成物をダイオネックス社製糖分析装置(DX−500)を用いて実施例2(1)記載の分析条件で分析し、反応液中に1.64mmol/l(1638mg/l)のNeuAcα2−3Galβ1−4Glc1NAcβ1−3Galβ1−4Glcが生成蓄積していることを確認した。
(3)NeuAcα2−8NeuAcα2−3Galβ1−4Glcの生産
実施例1(1)で得られたEscherichia coli NM522/pPT76株をアンピシリン50μg/mlを含むLB培地8mlの入った太型試験管に接種し28℃で17時間培養した。該培養物をアンピシリン50μg/mlを含むLB培地8mlの入った太型試験管に1%接種し28℃で2時間培養後、40℃で3時間培養した。該培養物0.5mlを遠心分離し湿菌体を取得した。該湿菌体は必要に応じて−20℃で保存することが可能で、使用前に解凍して用いることができた。
上記で取得したNM522/pPT76株湿菌体、50mmol/lクエン酸バッファー(pH7.0)、5mmol/l MnCl、2mmol/l NeuAcα2−3Galβ1−4Glc、2mmol/l CMP−シアル酸、4g/lナイミーンS−215からなる0.1mlの反応液中で、37℃で2時間反応を行った。
反応終了後、反応生成物をダイオネックス社製糖分析装置(DX−500)を用いて、以下に記載の分析条件で分析し、反応液中に0.43mmol/l(397mg/l)のNeuAcα2−8NeuAcα2−3Galβ1−4Glcが生成蓄積していることを確認した。
分析条件:
カラム:CarboPAC PA10
溶離液:溶離液A;HO、溶離液B;500mmol/l NaOH、溶離液C;100mmol/l NaOH+500mmol/l NaOAc
グラジエント:0分において溶離液A10%、溶離液B60%および溶離液C30%からなる組成から、15分かけて直線的に溶離液A0%、溶離液B65%および溶離液C35%からなる組成にした
検出器:パルスドアンペロメトリー検出器
実施例3 Escherichia coli NM522/pPT79株を用いたシアル酸含有複合糖質の生産
(1)NeuAcα2−3Galβ1−4Glcの生産
実施例1(2)で得られたEscherichia coli NM522/pPT79株をアンピシリン50μg/mlを含むLB培地8mlの入った太型試験管に接種し28℃で17時間培養した。該培養物をアンピシリン50μg/mlを含むLB培地8mlの入った太型試験管に1%接種し28℃で2時間培養後、40℃で3時間培養した。該培養物0.5mlを遠心分離し湿菌体を取得した。該湿菌体は必要に応じて−20℃で保存することが可能で、使用前に解凍して用いることができた。
上記で取得したNM522/pPT79株湿菌体、50mmol/lクエン酸バッファー(pH7.0)、5mmol/l MnCl、10mmol/lラクトース、5mmol/l CMP−シアル酸、4g/lナイミーンS−215からなる0.1mlの反応液中で、37℃で6時間反応を行った。
反応終了後、反応生成物をダイオネックス社製糖分析装置(DX−500)を用いて実施例2(1)に記載の分析条件で分析し、反応液中に0.25mmol/l(164mg/l)のNeuAcα2−3Galβ1−4Glcが生成蓄積していることを確認した。
(2)NeuAcα2−8NeuAcα2−3Galβ1−4Glcの生産
実施例1(2)で得られたEscherichia coli NM522/pPT79株をアンピシリン50μg/mlを含むLB培地8mlの入った太型試験管に接種し28℃で17時間培養した。該培養物をアンピシリン50μg/mlを含むLB培地8mlの入った太型試験管に1%接種し28℃で2時間培養後、40℃で3時間培養した。該培養物0.5mlを遠心分離し湿菌体を取得した。該湿菌体は必要に応じて−20℃で保存することが可能で、使用前に解凍して用いることができた。
上記で取得したNM522/pPT79株湿菌体、50mmol/lクエン酸バッファー(pH7.0)、5mmol/l MnCl、2mmol/l NeuAcα2−3Galβ1−4Glc、2mmol/l CMP−シアル酸、4g/lナイミーンS−215からなる0.1mlの反応液中で、37℃で2時間反応を行った。
反応終了後、反応生成物をダイオネックス社製糖分析装置(DX−500)を用いて実施例2(3)に記載の分析条件で分析し、反応液中に0.54mmol/l(499mg/l)のNeuAcα2−8NeuAcα2−3Galβ1−4Glcが生成蓄積していることを確認した。
実施例4 Escherichia coli NM522/pPT78株を用いたシアル酸含有複合糖質の生産
(1)NeuAcα2−3Galβ1−4Glcの生産
実施例1(3)で得られたEscherichia coli NM522/pPT78株をアンピシリン50μg/mlを含むLB培地8mlの入った太型試験管に接種し28℃で17時間培養した。該培養物をアンピシリン50μg/mlを含むLB培地8mlの入った太型試験管に1%接種し28℃で2時間培養後、40℃で3時間培養した。該培養物0.5mlを遠心分離し湿菌体を取得した。該湿菌体は必要に応じて−20℃で保存することが可能で、使用前に解凍して用いることができた。
上記で取得したNM522/pPT78株湿菌体、50mmol/lクエン酸バッファー(pH7.0)、5mmol/l MnCl、10mmol/lラクトース、5mmol/l CMP−シアル酸、4g/lナイミーンS−215からなる0.1mlの反応液中で、37℃で16時間反応を行った。
反応終了後、反応生成物をダイオネックス社製糖分析装置(DX−500)を用いて実施例2(1)記載の分析条件で分析し、反応液中に0.98mmol/l(621mg/l)のNeuAcα2−3Galβ1−4Glcが生成蓄積していることを確認した。
(2)NeuAcα2−8NeuAcα2−3Galβ1−4Glcの生産
実施例1(3)で得られたEscherichia coli NM522/pPT78株をアンピシリン50μg/mlを含むLB培地8mlの入った太型試験管に接種し28℃で17時間培養した。該培養物をアンピシリン50μg/mlを含むLB培地8mlの入った太型試験管に1%接種し28℃で2時間培養後、40℃で3時間培養した。該培養物0.5mlを遠心分離し湿菌体を取得した。該湿菌体は必要に応じて−20℃で保存することが可能で、使用前に解凍して用いることができた。
上記で取得したNM522/pPT78株湿菌体、50mmol/lクエン酸バッファー(pH7.0)、5mmol/l MnCl、2mmol/l NeuAcα2−3Galβ1−4Glc、2mmol/l CMP−シアル酸、4g/lナイミーンS−215からなる0.1mlの反応液中で、37℃で2時間反応を行った。
反応終了後、反応生成物をダイオネックス社製糖分析装置(DX−500)を用いて、実施例2(3)に記載の分析条件で分析し、反応液中に0.43mmol/l(397mg/l)のNeuAcα2−8NeuAcα2−3Galβ1−4Glcが生成蓄積していることを確認した。
産業上の利用可能性
本発明により、α2,3/α2,8−シアル酸転移酵素を大量に生産することができる。また、該酵素を用いることにより効率的にシアル酸含有複合糖質を製造できる。
「配列表フリーテキスト」
配列番号7−人工配列の説明:合成DNA
配列番号8−人工配列の説明:合成DNA
配列番号9−人工配列の説明:合成DNA
配列番号10−人工配列の説明:合成DNA
配列番号11−人工配列の説明:合成DNA
配列番号12−人工配列の説明:合成DNA
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
第1図はα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素遺伝子発現プラスミドpPT76の造成工程を示す図である。
第2図はα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素遺伝子発現プラスミドpPT79の造成工程を示す図である。
第3図はα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素遺伝子発現プラスミドpPT78の造成工程を示す図である。
なお、図中においてAmpはアンピシリン耐性遺伝子、PはPプロモーター、cI857は温度感受性リプレッサー、pm0188はα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素遺伝子、pm0508はα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素遺伝子、pm1174はα2,3/α2,8−シアル酸転移酵素遺伝子をそれぞれ表す。

Claims (10)

  1. 以下の [a] [c] のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を有するα2,3/α2,8-シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質を生産する形質転換体の培養物または該培養物の処理物を酵素源として用い、該酵素源、シチジン-5' - 一リン酸シアル酸、および受容体複合糖質を水性媒体中に存在せしめ、該水性媒体中でシアル酸がα 2,3 またはα 2,8 結合で結合したシアル酸含有複合糖質を生成蓄積させ、該水性媒体からシアル酸含有複合糖質を採取することを特徴とするシアル酸含有複合糖質の製造法。
    [a] 配列番号 1 で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質
    [b] 配列番号 1 で表されるアミノ酸配列において、 1 個以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつα 2,3/ α 2,8- シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質
    [c] 配列番号 1 で表されるアミノ酸配列と95 % 以上の同一性を有し、かつα 2,3/ α 2,8- シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質
  2. 培養物の処理物が、培養物の濃縮物、培養物の乾燥物、培養物を遠心分離して得られる菌体、該菌体の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物、該菌体の界面活性剤処理物、該菌体の超音波処理物、該菌体の機械的摩砕処理物、該菌体の溶媒処理物、該菌体の酵素処理物、該菌体の蛋白質分画物、該菌体の固定化物あるいは該菌体より抽出して得られる酵素標品であることを特徴とする請求項に記載の製造法。
  3. 受容体複合糖質が、非還元末端にガラクト-スを有するオリゴ糖を含む複合糖質である請求項に記載の製造法。
  4. 受容体複合糖質が、非還元末端にシアル酸を有するオリゴ糖を含む複合糖質である請求項に記載の製造法。
  5. 非還元末端にガラクトースを有するオリゴ糖が、ラクトース、グロボトリオ-ス、 N-アセチルラクトサミン、ラクト-N-テトラオース、ラクト-N-ネオテトラオース、ルイスaおよびルイスXからなる群より選ばれるオリゴ糖である請求項に記載の製造法。
  6. 非違元末端にシアル酸を有するオリゴ糖が、 NeuAcα2-3Galβ1-4GlcおよびNeuAcα2-3Galβ1-4GlcNAcからなる群より選ばれるオリゴ糖である請求項に記載の製造法。
  7. 形質転換体が、 α2,3/α2,8-シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAを含む組換え体DNAを含有する形質転換体である請求項に記載の製造法。
  8. 形質転換体が、微生物を宿主として造成された形質転換体である請求項に記載の製造法。
  9. 微生物が、エツシェリヒア・コリである請求項に記載の製造法。
  10. α2, 3/α2,8-シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAが、以下の [a]〜[e]のいずれか1つに記載のDNAである請求項に記載の製造法。
    [a]配列番号1 表されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA
    [b]配列番号1 表されるアミノ酸配列において、 1個以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつα2, 3/α2, 8-シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
    [c]配列番号1 表されるアミノ酸配列を有する蛋白質と95%以上の同一性を有し、かつα2,3/α2,8-シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
    [d]配列番号2で表される塩基配列を有するDNA
    [e]配列番号2で表される塩基配列の相補配列からなる DNA 95 % 以上の同一性を有し、かつα2,3/α2,8‐シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
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