JPWO2002033070A1 - N−アセチルノイラミン酸合成酵素および該酵素をコードするdna - Google Patents

N−アセチルノイラミン酸合成酵素および該酵素をコードするdna Download PDF

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Abstract

本発明によれば、N−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有する新規蛋白質、該蛋白質をコードするDNA、該DNAを含有する組換え体DNA、該組換え体DNAを保有する形質転換体、該形質転換体を用いた上記蛋白質あるいはN−アセチルノイラミン酸の製造法を提供することができる。

Description

技術分野
本発明は、N−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有する蛋白質、該蛋白質をコードするDNA、該DNAを含有する組換え体DNA、該組換え体DNAを保有する形質転換体、該形質転換体を用いたN−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有する蛋白質の製造法、および該形質転換体を用いたN−アセチルノイラミン酸の製造法に関する。
背景技術
N−アセチルノイラミン酸合成酵素に関しては、エシェリヒア属に属する微生物由来の酵素[Glycobiology,,697(1997)、Biosci.Biotech.Biochem.,61,2046(1997)]が取得されている。
また、N−アセチルノイラミン酸合成酵素遺伝子に関しては、エシェリヒア属に属する微生物由来の遺伝子[J.Bacteriol.,177,312(1995)]、ストレプトコッカス属に属する微生物由来の遺伝子[J.Bacteriol.,181,5176(1999)]、キャンピロバクター属に属する微生物由来の遺伝子[Mol.Microbiol.,35,1120(2000)]、レジオネラ属に属する微生物由来の遺伝子[Int.J.Med.Microbiol.,290,37(2000)]が知られているが、ラン藻に属する微生物由来の遺伝子、ノストック属に属する微生物由来の遺伝子は知られておらず、該遺伝子の存在を示唆する報告すらない。
N−アセチルノイラミン酸は、生体内に存在する糖鎖の非還元末端に存在して、細胞間の認識に関与していることが明らかにされ[Essentials of Glycobiology,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1999)、Virology,232,19(1997)]、医薬品としての応用などが期待される。
しかしながら、N−アセチルノイラミン酸の製造に関しては、N−アセチルノイラミン酸ポリマーであるコロミン酸を分解する方法[J.Biochem.,82,1425(1977)]や酵素を用いた方法[J.Am.Chem.Soc.,110,6481(1988)、J.Am.Chem.Soc.,110,7159(1988)、米国特許第5,665,574号、Carbohydrate Res.,306,575(1998)、特開平10−4961、Glycobiology,,697(1997)]が知られているが、いずれもコスト面や生産性の面で問題があり、工業的な製造法は未だ確立されていない。
ラン藻の1種であるNostoc punctiforme ATCC29133においては、そのゲノムDNAの塩基配列決定が進行中であるが(http://spider.jgi−psf.org/JGI_microbial/html/)、N−アセチルノイラミン酸合成酵素遺伝子は特定されておらず、またその存在を示唆する報告もない。
発明の開示
本発明の目的は、N−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有する蛋白質、該蛋白質をコードするDNA、該DNAを含有する組換え体DNA、該組換え体DNAを保有する形質転換体、該形質転換体を用いたN−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有する蛋白質の製造法、および該形質転換体を用いたN−アセチルノイラミン酸の製造法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行い、ゲノムDNAの塩基配列決定が進行中であるNostoc punctiforme ATCC29133の配列情報を用いて、エシェリヒア・コリ由来のN−アセチルノイラミン酸合成酵素のアミノ酸配列と相同性のある配列を検索した結果、これまで特定されていなかった新規N−アセチルノイラミン酸合成酵素をコードするDNAを見出し、該DNAを取得することにより、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の(1)〜(14)に関する。
(1) 配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(2) 配列番号1で表されるアミノ酸配列において1個以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつN−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有する蛋白質。
(3) 上記(1)または(2)の蛋白質をコードするDNA。
(4) 配列番号2で表される塩基配列を有するDNA。
(5) 配列番号2で表される塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつN−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA。
(6) DNAがラン藻(Cyanobacteria)に属する微生物由来のDNAである上記(3)〜(5)のいずれか1つのDNA。
(7) ラン藻に属する微生物由来のDNAが、ノストック(Nostoc)属に属する微生物由来のDNAである上記(6)のDNA。
(8) ノストック(Nostoc)属に属する微生物が、ノストック・パンクチフォルム(Nostoc punctiforme)であることを特徴とする上記(7)のDNA。
(9) 上記(3)〜(8)のいずれか1つのDNAをベクターに組み込んで得られる組換え体DNA。
(10) 上記(9)の組換え体DNAを宿主細胞に導入して得られる形質転換体。
(11) 宿主細胞がエシェリヒア・コリである上記(10)の形質転換体。
(12) 上記(10)または(11)の形質転換体を培地に培養し、培養物中にN−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有する蛋白質を生成蓄積させ、該培養物から該蛋白質を採取することを特徴とする、N−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有する蛋白質の製造方法。
(13) 上記(10)または(11)の形質転換体の培養物または該培養物の処理物を酵素源として用い、該酵素源、N−アセチルマンノサミンおよびホスホエノールピルビン酸を水性媒体中に存在せしめ、該水性媒体中でN−アセチルノイラミン酸を生成蓄積させ、該水性媒体中からN−アセチルノイラミン酸を採取することを特徴とするN−アセチルノイラミン酸の製造法。
(14) 培養物の処理物が、培養物の濃縮物、培養物の乾燥物、培養物を遠心分離して得られる菌体、該菌体の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物、該菌体の界面活性剤処理物、該菌体の超音波処理物、該菌体の機械的摩砕処理物、該菌体の溶媒処理物、該菌体の酵素処理物、該菌体の蛋白質分画物、該菌体の固定化物あるいは該菌体より抽出して得られる酵素標品であることを特徴とする、上記(13)の製造法。
本発明の蛋白質としては、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するN−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有する蛋白質、または配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1個以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつN−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有する蛋白質をあげることができる。
上記のアミノ酸の欠失、置換若しくは付加は、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)(以下、モレキュラー・クローニング第2版と略す)、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons(1987−1997)(以下、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーと略す)、Nucleic Acids Res.,10,6487(1982)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79,6409(1982)、Gene,34,315(1985)、Nucleic Acids Res.,13,4431(1985)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,488(1985)等に記載の部位特異的変異導入法を用いて、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質をコードするDNAに部位特異的変異を導入することにより行うことができる。
欠失、置換もしくは付加されるアミノ酸の数は特に限定されないが、上記の部位特異的変異法等の周知の方法により欠失、置換もしくは付加できる程度の数であり、1個から数十個、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個である。
また目的の変異(欠失、置換、付加)を導入した配列をそれぞれの5’端に持つ1組のPCRプライマーを用いたPCR[Gene,77,51(1989)]によっても、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質をコードするDNAに変異を導入することができる。すなわち、まず該DNAの5’端に対応するセンスプライマーと、5’端に変異の配列と相補的な配列を有する、変異導入部位の直前(5’側)の配列に対応するアンチセンスプライマーで該DNAを鋳型にしてPCRを行い、該DNAの5’端から変異導入部位までの断片A(3’端に変異が導入されている)を増幅する。次いで、5’端に変異の配列を有する、変異導入部位の直後(3’側)の配列に対応するセンスプライマーと、該DNAの3’端に対応するアンチセンスプライマーで該DNAを鋳型にしてPCRを行い、5’端に変異が導入された該DNAの変異導入部位から3’端までの断片Bを増幅する。これらの増幅断片同士精製後、混合して鋳型やプライマーを加えずにPCRを行うと、増幅断片Aのセンス鎖と増幅断片Bのアンチセンス鎖は変異導入部位が共通しているのでハイブリダイズし、プライマー兼鋳型としてPCRの反応が進行し、変異が導入された該DNAが増幅する。
また、上記の配列番号1で表されるアミノ酸配列において1以上のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入または付加されたとは、同一配列中の任意かつ1もしくは複数のアミノ酸配列中の位置において、1または複数のアミノ酸残基の欠失、置換、挿入または付加があることを意味し、欠失、置換、挿入または付加が同時に生じてもよく、置換、挿入または付加されるアミノ酸残基は天然型と非天然型とを問わない。天然型アミノ酸残基としては、L−アラニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン、L−グルタミン酸、グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−アルギニン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、L−バリン、L−システインなどがあげられる。
以下に、相互に置換可能なアミノ酸残基の例を示す。同一群に含まれるアミノ酸残基は相互に置換可能である。
A群:ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、バリン、ノルバリン、アラニン、2−アミノブタン酸、メチオニン、O−メチルセリン、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニン、シクロヘキシルアラニン
B群:アスパラギン酸、グルタミン酸、イソアスパラギン酸、イソグルタミン酸、2−アミノアジピン酸、2−アミノスベリン酸
C群:アスパラギン、グルタミン
D群:リジン、アルギニン、オルニチン、2,4−ジアミノブタン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸
E群:プロリン、3−ヒドロキシプロリン、4−ヒドロキシプロリン
F群:セリン、スレオニン、ホモセリン
G群:フェニルアラニン、チロシン
また、本発明の蛋白質がN−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有するためには、配列番号1で表されるアミノ酸配列と少なくとも60%以上、通常は80%以上、特に95%以上の同一性を有していることが好ましい。
アミノ酸配列や塩基配列の同一性は、Karlin and AltschulによるアルゴリズムBLAST[Pro.Natl.Acad.Sci.USA,90,5873(1993)]やFASTA[Methods Enzymol.,183,63(1990)]を用いて決定することができる。このアルゴリズムBLASTに基づいて、BLASTNやBLASTXとよばれるプログラムが開発されている[J.Mol.Biol.,215,403(1990)]。BLASTに基づいてBLASTNによって塩基配列を解析する場合には、パラメーターは例えばScore=100、wordlength=12とする。また、BLASTに基づいてBLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合には、パラメーターは例えばscore=50、wordlength=3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov.)。
本発明のDNAとしては、本発明の蛋白質をコードするDNA、配列番号2で表される塩基配列を有するDNA、または配列番号2で表される塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAであり、かつN−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAをあげることができる。
上記のストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとは、例えば配列番号2で表される塩基配列を有するDNAなどの本発明のDNAまたはその一部のDNA断片をプローブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAを意味し、具体的には、コロニーあるいはプラーク由来のDNAを固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0mol/Lの塩化ナトリウム存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mmol/L塩化ナトリウム、15mmol/Lクエン酸ナトリウムよりなる)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるDNAをあげることができる。ハイブリダイゼーションは、モレキュラー・クローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、DNA Cloning 1:Core Techniques,A Practical Approach,Second Edition,Oxford University(1995)等に記載されている方法に準じて行うことができる。ハイブリダイズ可能なDNAとして具体的には、上記アルゴリズムBLASTに基づいて計算した場合に配列番号2で表される塩基配列と少なくとも60%以上の相同性を有するDNA、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上の相同性を有するDNAをあげることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
[1] 本発明のDNAの調製
(1)ゲノムDNAデータベースを利用した、N−アセチルノイラミン酸合成酵素遺伝子の特定
ノストック・パンクチフォルム(Nostoc punctiforme)ATCC29133においては、そのゲノムDNAの塩基配列決定が進行中であり、http://spider.jgi−psf.org/JGI_microbial/html/などのホームページにアクセスすることにより閲覧可能であるゲノムDNAデータベースを利用して、公知のN−アセチルノイラミン酸合成酵素と相同性のある蛋白質をコードするDNAを検索することができる。
相同性検索に用いる公知のN−アセチルノイラミン酸合成酵素が有するアミノ酸配列としてはN−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有する蛋白質のアミノ酸配列であればいかなるものも用いることができるが、具体的には、エシェリヒア・コリ由来のN−アセチルノイラミン酸合成酵素のアミノ酸配列[J.Bacteriol.,177,312(1995)]などをあげることができる。
検索方法は利用できるものはどのような方法でも構わないが、上記BLASTやFASTA等のプログラムを用いて、上記データベースに対してホモロジー検索を行う方法を例示することができる。
ただし、異種の生物間ではN−アセチルノイラミン酸合成酵素のホモロジーは低いことが予想され、よって上記で選択した配列が実際にN−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有する蛋白質であることを確認する必要がある。
(2) 本発明のDNAの調製
本発明のDNAはラン藻に属する微生物より調製することができる。ラン藻に属する微生物としては、例えばノストックに属する微生物をあげることができ、具体的にはノストック・パンクチフォルム(Nostoc puctiforme)ATCC29133等をあげることができる。
ラン藻に属する微生物を公知の方法[例えば、Microbiology, 40,3233(1994)]により培養する。
培養後、公知の方法(例えば、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー)により、該微生物の染色体DNAを単離精製する。
本発明のDNAを含む断片の取得は、上記(1)で特定されたゲノムの塩基配列に基づいたプライマーを調製し、ゲノムDNAを鋳型として、PCR法[PCR Protocols,Academic Press(1990)]により行うことができる。
また、ゲノムの塩基配列に基づいて設計された合成DNAをプローブとしたハイブリダイゼーション法などにより目的とするDNAを取得することもできる。
取得したDNAをそのまま、あるいは適当な制限酵素などで切断後、常法によりベクターに組み込み、通常用いられる塩基配列解析方法、例えばジデオキシ法[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74,5463(1977)]あるいは373A・DNAシークエンサー(パーキン・エルマー社製)等の塩基配列分析装置を用いて分析することにより、該DNAの塩基配列を決定することができる。
該DNAを組み込むベクターとしては、pBluescript KS(+)(ストラタジーン社製)、pDIRECT[Nucleic Acids Res.,18,6069(1990)]、pCR−Script Amp SK(+)(ストラタジーン社製)、pT7Blue(ノバジェン社製)、pCR II(インビトロジェン社製)およびpCR−TRAP(ジーンハンター社製)などをあげることができる。
更に、決定されたDNAの塩基配列に基づいて、パーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型DNA合成装置等を用いて化学合成することにより目的とするDNAを調製することもできる。
上記のようにして取得された新規な塩基配列を有するDNAとして、例えば、配列番号2で表される塩基配列を有するDNA等をあげることができる。
配列番号2で表される塩基配列を有するDNAを保有するプラスミドを保有する大腸菌として、例えば後述するEscherichia coli NM522/pNP1をあげることができる。
組換え体DNAを保有する宿主大腸菌としては、例えば、Escherichia coli XL1−Blue、Escherichia coli XL2−Blue、Escherichia coli DH1、Escherichia coli MC1000、Escherichia coli KY3276、Escherichia coli W1485、Escherichia coli JM109、Escherichia coli HB101、Escherichia coli No.49、Escherichia coli W3110、Escherichia coli NY49、Escherichia coli MP347、Escherichia coli NM522等をあげることができる。
組換え体DNAの導入方法としては、上記宿主細胞へDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、カルシウムイオンを用いる方法[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,69,2110(1972)]、プロトプラスト法(特開昭63−248394)、エレクトロポレーション法[Nucleic Acids Res.,16,6127(1988)]等をあげることができる。
[2] 本発明の蛋白質の調製
本発明の蛋白質は、モレキュラー・クローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー等に記載された方法等を用い、例えば以下の方法により、上記[1]に記載の方法により取得した本発明のDNAを宿主細胞中で発現させて、製造することができる。
本発明のDNAをもとにして、必要に応じて、該蛋白質をコードする部分を含む適当な長さのDNA断片を調製する。また、該蛋白質をコードする部分の塩基配列を、宿主の発現に最適なコドンとなるように、塩基を置換することにより、該蛋白質の生産率を向上させることができる。
該DNA断片を適当な発現ベクターのプロモーターの下流に挿入することにより、組換え体DNAを作製する。
該組換え体DNAを、該発現ベクターに適合した宿主細胞に導入することにより、本発明の蛋白質を生産する形質転換体を得ることができる。
宿主細胞としては、細菌、酵母、動物細胞、昆虫細胞等、植物細胞等、目的とする遺伝子を発現できるものであればいずれも用いることができる。
発現体DNAとしては、上記宿主細胞において自立複製可能ないしは染色体中への組込が可能で、本発明のDNAを転写できる位置にプロモーターを含有しているものが用いられる。
細菌等の原核生物を宿主細胞として用いる場合は、本発明の蛋白質をコードするDNAを含有してなる組換え体DNAは原核生物中で自立複製可能であると同時に、プロモーター、リボソーム結合配列、本発明のDNA、転写終結配列、より構成された組換え体DNAであることが好ましい。プロモーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。
発現ベクターとしては、pHelix1(ロシュ・ダイアグノスティクス社製)、pKK233−2(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社製)、pSE280(インビトロジェン社製)、pGEMEX−1(プロメガ社製)、pQE−8(キアゲン社製)、pET−3(ノバジェン社製)、pKYP10(特開昭58−110600)、pKYP200[Agric.Biol.Chem.,48,669(1984)]、pLSA1[Agric.Biol.Chem.,53,277(1989)]、pGEL1[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,4306(1985)]、pBluescriptII SK(+)、pBluescript II KS(−)(ストラタジーン社製)、pTrS30[大腸菌JM109/pTrS30(FERM BP−5407)より調製]、pTrS32[大腸菌JM109/pTrS32(FERM BP−5408)より調製]、pPAC31(WO98/12343)、pUC19[Gene,33,103(1985)]、pSTV28(宝酒造社製)、pUC118(宝酒造社製)、pPA1(特開昭63−233798)等を例示することができる。
プロモーターとしては、大腸菌等の宿主細胞中で機能するものであればいかなるものでもよい。例えば、trpプロモーター(Ptrp)、lacプロモーター(Plac)、Pプロモーター、Pプロモーター、PSEプロモーター等の、大腸菌やファージ等に由来するプロモーター、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーター等をあげることができる。またPtrpを2つ直列させたプロモーター(Ptrp×2)、tacプロモーター、lacT7プロモーター、let Iプロモーターのように人為的に設計改変されたプロモーター等も用いることができる。
リボソーム結合配列であるシャイン−ダルガノ(Shine−Dalgarno)配列と開始コドンとの間を適当な距離(例えば6〜18塩基)に調節したプラスミドを用いることが好ましい。
本発明の組換え体DNAにおいては、本発明のDNAの発現には転写終結配列は必ずしも必要ではないが、構造遺伝子の直下に転写終結配列を配置することが好ましい。
原核生物としては、エシェリヒア属、セラチア属、バチルス属、ブレビバクテリウム属、コリネバクテリウム属、ミクロバクテリウム属、シュードモナス属等に属する微生物、例えば、Escherichia coli XL1−Blue、Escherichia coli XL2−Blue、Escherichia coli DH1、Escherichia coli MC1000、Escherichia coli KY3276、Escherichia coli W1485、Escherichia coli JM109、Escherichia coli HB101、Escherichia coli No.49、Escherichia coli W3110、Escherichia coli NY49、Serratia ficariaSerratia fonticolaSerratia liquefaciensSerratia marcescensBacillus subtilisBacillus amyloliquefaciensBrevibacterium immariophilum ATCC14068、Brevibacterium saccharolyticum ATCC14066、Corynebacterium ammoniagenesCorynebacterium glutamicum ATCC13032、Corynebacterium glutamicum ATCC14067、Corynebacterium glutamicum ATCC13869、Corynebacterium acetoacidophilum ATCC13870、Microbacterium ammoniaphilum ATCC15354、Pseudomonas sp.D−0110等をあげることができる。
組換え体DNAの導入方法としては、上記宿主細胞へDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、カルシウムイオンを用いる方法[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,69,2110(1972)]、プロトプラスト法(特開昭63−248394)、エレクトロポレーション法[Nucleic Acids Res.,16,6127(1988)]等をあげることができる。
酵母菌株を宿主細胞として用いる場合には、発現ベクターとして、例えば、YEp13(ATCC37115)、YEp24(ATCC37051)、YCp50(ATCC37419)、pHS19、pHS15等を用いることができる。
プロモーターとしては、酵母菌株中で機能するものであればいずれのものを用いてもよく、例えば、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、gal 1プロモーター、gal 10プロモーター、ヒートショックポリペプチドプロモーター、MFα1プロモーター、CUP 1プロモーター等のプロモーターをあげることができる。
宿主細胞としては、サッカロマイセス属、シゾサッカロマイセス属、クルイベロミセス属、トリコスポロン属、シワニオミセス属、ピチア属、キャンディダ属等に属する酵母菌株をあげることができ、具体的には、Saccharomyces cerevisiaeSchizosaccharomyces pombeKluyveromyces lactisTrichosporon pullulansSchwanniomyces alluviusPichia pastorisCandida utilis等をあげることができる。
組換え体DNAの導入方法としては、酵母にDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、エレクトロポレーション法[Methods Enzymol.,194,182(1990)]、スフェロプラスト法[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81,4889(1984)]、酢酸リチウム法[J.Bacteriol.,153,163(1983)]等をあげることができる。
動物細胞を宿主として用いる場合には、発現ベクターとして、例えば、pcDNAI、pcDM8(フナコシ社より市販)、pAGE107(特開平3−22979)、pAS3−3(特開平2−227075)、pCDM8[Nature,329,840(1987)]、pcDNAI/Amp(インビトロジェン社製)、pREP4(インビトロジェン社製)、pAGE103[J.Biochem,101,1307(1987)]、pAGE210、pAMo、pAMoA等を用いることができる。
プロモーターとしては、動物細胞中で機能するものであればいずれも用いることができ、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)のIE(immediate early)遺伝子のプロモーター、SV40の初期プロモーターあるいはメタロチオネインのプロモーター、レトロウイルスのプロモーター、ヒートショックプロモーター、SRαプロモーター等をあげることができる。また、ヒトCMVのIE遺伝子のエンハンサーをプロモーターと共に用いてもよい。
宿主細胞としては、マウス・ミエローマ細胞、ラット・ミエローマ細胞、マウス・ハイブリドーマ細胞、ヒトの細胞であるナマルバ(Namalwa)細胞またはNamalwa KJM−1細胞、ヒト胎児腎臓細胞、ヒト白血病細胞、アフリカミドリザル腎臓細胞、チャイニーズ・ハムスターの細胞であるCHO細胞、HBT5637(特開昭63−299)等をあげることができる。
マウス・ミエローマ細胞としては、SP2/0、NSO等、ラット・ミエローマ細胞としてはYB2/0等、ヒト胎児腎臓細胞としてはHEK293(ATCC:CRL−1573)等、ヒト白血病細胞としては、BALL−1等、アフリカミドリザル腎臓細胞としてはCOS−1、COS−7等をあげることができる。
組換え体DNAの導入方法としては、動物細胞にDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、エレクトロポレーション法[Cytotechnology,,133(1990)]、リン酸カルシウム法(特開平2−227075)、リポフェクション法[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84,7413(1987)]、Virology,52,456(1973)に記載の方法等をあげることができる。
昆虫細胞を宿主として用いる場合には、例えばBaculovirus Expression Vectors,A Laboratory Manual,W.H.Freeman and Company,New York(1992)、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、Molecular Biology,A Laboratory Manual、Bio/Technology,,47(1988)等に記載された方法によって、蛋白質を発現することができる。
即ち、組換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイルスを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換えウイルスを得た後、さらに組換えウイルスを昆虫細胞に感染させ、蛋白質を発現させることができる。
該方法において用いられる遺伝子導入ベクターとしては、例えば、pVL1392、pVL1393、pBlueBacIII(ともにインビトロジェン社製)等をあげることができる。
バキュロウイルスとしては、例えば、夜盗蛾科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・カリフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイルス(Autographa californica nuclear polyhedrosis virus)等を用いることができる。
昆虫細胞としては、Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞、Trichoplusia niの卵巣細胞、カイコ卵巣由来の培養細胞等を用いることができる。
Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞としてはSf9、Sf21(バキュロウイルス・イクスプレッション・ベクターズ ア・ラボラトリー・マニュアル)等、Trichoplusia niの卵巣細胞としてはHigh5、BTI−TN−5B1−4(インビトロジェン社製)等、カイコ卵巣由来の培養細胞としてはBombyx mori N4等をあげることができる。
組換えウイルスを調製するための、昆虫細胞への上記組換え遺伝子導入ベクターと上記バキュロウイルスの共導入方法としては、例えば、リン酸カルシウム法(特開平2−227075)、リポフェクション法[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84,7413(1987)]等をあげることができる。
植物細胞を宿主細胞として用いる場合には、発現ベクターとして、例えば、Tiプラスミド、タバコモザイクウイルスベクター等をあげることができる。
プロモーターとしては、植物細胞中で機能するものであればいずれのものを用いてもよく、例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sプロモーター、イネアクチン1プロモーター等をあげることができる。
宿主細胞としては、タバコ、ジャガイモ、トマト、ニンジン、ダイズ、アブラナ、アルファルファ、イネ、コムギ、オオムギ等の植物細胞等をあげることができる。
組換えベクターの導入方法としては、植物細胞にDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、アグロバクテリウム(Agrobacterium)(特開昭59−140885、特開昭60−70080、WO94/00977)、エレクトロポレーション法(特開昭60−251887)、パーティクルガン(遺伝子銃)を用いる方法(特許第2606856、特許第2517813)等をあげることができる。
酵母、動物細胞または昆虫細胞を宿主として用いて遺伝子を発現させた場合には、糖あるいは糖鎖が付加された蛋白質を得ることができる。
以上のようにして得られる形質転換体を培地に培養し、培養物中に本発明の蛋白質を生成蓄積させ、該培養物から採取することにより、本発明の蛋白質を製造することができる。
本発明の形質転換体を培地に培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行うことができる。
大腸菌等の原核生物あるいは酵母等の真核生物を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、該生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行える培地であれば天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。
炭素源としては、該生物が資化し得るものであればよく、グルコース、フラクトース、スクロース、これらを含有する糖蜜、デンプンあるいはデンプン加水分解物等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類等を用いることができる。
窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸もしくは有機酸のアンモニウム塩、その他の含窒素化合物、並びに、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスチープリカー、カゼイン加水分解物、大豆粕および大豆粕加水分解物、各種発酵菌体、およびその消化物等を用いることができる。
無機塩としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等を用いることができる。
培養は、通常振盪培養または深部通気攪拌培養等の好気的条件下で行う。培養温度は15〜40℃がよく、培養時間は、通常5時間〜7日間である。培養中pHは3.0〜9.0に保持する。pHの調整は、無機または有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニア等を用いて行う。
また、培養中必要に応じて、アンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときには、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、lacプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド等を、trpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはインドールアクリル酸等を培地に添加してもよい。
動物細胞を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているRPMI1640培地[J.Am.Med.Assoc.,199,519(1967)]、EagleのMEM培地[Science,122,501(1952)]、DMEM培地[Virology,,396(1959)]、199培地[Proc.Soc.Biol.Med.,73,1(1950)]またはこれら培地に牛胎児血清等を添加した培地等を用いることができる。
培養は、通常pH6〜8、25〜40℃、5%CO存在下等の条件下で1〜7日間行う。
また、培養中必要に応じて、カナマイシン、ペニシリン、ストレプトマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
昆虫細胞を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているTNM−FH培地(ファーミンジェン社製)、Sf−900 II SFM培地(ライフ・テクノロジーズ社製)、ExCell400、ExCell405[いずれもJRHバイオサイエンシーズ社製]、Grace’s Insect Medium[Nature,195,788(1962)]等を用いることができる。
培養は、通常pH6〜7、25〜30℃等の条件下で1〜5日間行う。
また、培養中必要に応じて、ゲンタマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
植物細胞を宿主として得られた形質転換体は、細胞として、または植物の細胞や器官に分化させて培養することができる。該形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているムラシゲ・アンド・スクーグ(MS)培地、ホワイト(White)培地、またはこれら培地にオーキシン、サイトカイニン等、植物ホルモンを添加した培地等を用いることができる。
培養は、通常pH5〜9、20〜40℃の条件下で3〜60日間行う。
また、培養中必要に応じて、カナマイシン、ハイグロマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
上記のとおり、本発明の蛋白質をコードするDNAを組み込んだ組換え体DNAを保有する微生物、動物細胞、あるいは植物細胞由来の形質転換体を、通常の培養方法に従って培養し、該蛋白質を生成蓄積させ、該培養物より該蛋白質を採取することにより、該蛋白質を製造することができる。
本発明の蛋白質の生産方法としては、宿主細胞内に生産させる方法、宿主細胞外に分泌させる方法、あるいは宿主細胞外膜上に生産させる方法がある。
本発明の蛋白質が宿主細胞内あるいは宿主細胞外膜上に生産される場合、ポールソンらの方法[J.Biol.Chem.,264,17619(1989)]、ロウらの方法[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86,8227(1989)、Genes Develop.,,1288(1990)]、または特開平05−336963、WO94/23021等に記載の方法を準用することにより、該蛋白質を宿主細胞外に積極的に分泌させることができる。
すなわち、遺伝子組換えの手法を用いて、本発明の蛋白質の活性部位を含む蛋白質の手前にシグナルペプチドを付加した形で発現させることにより、本発明の蛋白質を宿主細胞外に積極的に分泌させることができる。
また、特開平2−227075に記載されている方法に準じて、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子等を用いた遺伝子増幅系を利用して生産量を上昇させることもできる。
さらに、遺伝子導入した動物または植物の細胞を再分化させることにより、遺伝子が導入された動物個体(トランスジェニック非ヒト動物)または植物個体(トランスジェニック植物)を造成し、これらの個体を用いて本発明の蛋白質を製造することもできる。
形質転換体が動物個体または植物個体の場合は、通常の方法に従って、飼育または栽培し、該蛋白質を生成蓄積させ、該動物個体または植物個体より該蛋白質を採取することにより、該蛋白質を製造することができる。
動物個体を用いて本発明の蛋白質を製造する方法としては、例えば公知の方法[Am.J.Clin.Nutr.,63,639S(1996)、Am.J.Clin.Nutr.,63,627S(1996)、Bio/Technology,,830(1991)]に準じて遺伝子を導入して造成した動物中に本発明の蛋白質を生産する方法があげられる。
動物個体の場合は、例えば、本発明の蛋白質をコードするDNAを導入したトランスジェニック非ヒト動物を飼育し、該蛋白質を該動物中に生成・蓄積させ、該動物中より該蛋白質を採取することにより、該蛋白質を製造することができる。該動物中の生成・蓄積場所としては、例えば、該動物のミルク(特開昭63−309192)、卵等をあげることができる。この際に用いられるプロモーターとしては、動物で機能するものであればいずれも用いることができるが、例えば、乳腺細胞特異的なプロモーターであるαカゼインプロモーター、βカゼインプロモーター、βラクトグロブリンプロモーター、ホエー酸性プロテインプロモーター等が好適に用いられる。
植物個体を用いて本発明の蛋白質を製造する方法としては、例えば本発明の蛋白質をコードするDNAを導入したトランスジェニック植物を公知の方法[組織培養,20(1994)、組織培養,21(1995)、Trends Biotechnol.,15,45(1997)]に準じて栽培し、該蛋白質を該植物中に生成・蓄積させ、該植物中より該蛋白質を採取することにより、該蛋白質を生産する方法があげられる。
本発明の形質転換体により製造された蛋白質を単離・精製する方法としては、通常の酵素の単離、精製法を用いることができる。
例えば、本発明の蛋白質が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分離により回収し、水系緩衝液にけん濁後、超音波破砕機、フレンチプレス、マントンガウリンホモゲナイザー、ダイノミル等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。
該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られる上清から、通常の酵素の単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)−セファロース、DIAION HPA−75(三菱化成社製)等レジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィー法、S−Sepharose FF(Pharmacia社製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィー法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わせて用い、精製標品を得ることができる。
また、該蛋白質が細胞内に不溶体を形成して発現した場合は、同様に細胞を回収後破砕し、遠心分離を行うことにより得られた沈殿画分より、通常の方法により該蛋白質を回収後、該蛋白質の不溶体を蛋白質変性剤で可溶化する。
該可溶化液を、蛋白質変性剤を含まないあるいは蛋白質変性剤の濃度が蛋白質が変性しない程度に希薄な溶液に希釈、あるいは透析し、該蛋白質を正常な立体構造に構成させた後、上記と同様の単離精製法により精製標品を得ることができる。
本発明の蛋白質あるいはその糖修飾体等の誘導体が細胞外に分泌された場合には、培養上清に該蛋白質あるいはその糖鎖付加体等の誘導体を回収することができる。
即ち、該培養物を上記と同様の遠心分離等の手法により処理することにより可溶性画分を取得し、該可溶性画分から、上記と同様の単離精製法を用いることにより、精製標品を得ることができる。
このようにして取得される蛋白質として、例えば、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をあげることができる。
また、本発明のポリペプチドを他のタンパク質との融合タンパク質として生産し、融合したタンパク質に親和性をもつ物質を用いたアフィニティークロマトグラフィーを利用して精製することもできる。例えば、ロウらの方法[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86,8227(1989)、Genes Develop.,,1288(1990)]、特開平5−336963、WO94/23021に記載の方法に準じて、本発明のポリペプチドをプロテインAとの融合タンパク質として生産し、イムノグロブリンGを用いるアフィニティークロマトグラフィーにより精製することができる。
また、本発明のポリペプチドをFlagペプチドとの融合タンパク質として生産し、抗Flag抗体を用いるアフィニティークロマトグラフィーにより精製することができる[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86,8227(1989)、Genes Develop.,,1288(1990)]。更に、該ポリペプチド自身に対する抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーで精製することもできる。
上記で取得された蛋白質のアミノ酸情報を基に、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t−ブチルオキシカルボニル法)等の化学合成法により、本発明の蛋白質を製造することができる。また、Advanced ChemTech社、パーキン・エルマー社、Pharmacia社、Protein Technology Instrument社、Synthecell−Vega社、PerSeptive社、島津製作所等のペプチド合成機を利用して化学合成することもできる。
[3] N−アセチルノイラミン酸の調製
上記[2]記載の培養により得られた形質転換体の培養物および該培養物の処理物を酵素源として用い、該酵素源、N−アセチルマンノサミンおよびホスホエノールピルビン酸を水性媒体中に存在せしめ、該水性媒体中でN−アセチルノイラミン酸を製造することができる。
培養物の処理物としては、培養物の濃縮物、培養物の乾燥物、培養物を遠心分離して得られる菌体、該菌体の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物、該菌体の界面活性剤処理物、該菌体の超音波処理物、該菌体の機械的摩砕処理物、該菌体の溶媒処理物、該菌体の酵素処理物、該菌体の蛋白質分画物、該菌体の固定化物あるいは該菌体より抽出して得られる酵素標品などをあげることができる。
N−アセチルノイラミン酸の生成において用いられる酵素源は、37℃で1分間に1μmolのN−アセチルノイラミン酸を生成することのできる活性を1単位(U)として、1mU/l〜1,000U/lであり、好ましくは10mU/l〜100U/lの濃度で用いる。
N−アセチルノイラミン酸の生成において用いられる水性媒体としては、水、りん酸塩、炭酸塩、酢酸塩、ほう酸塩、クエン酸塩、トリスなどの緩衝液、メタノール、エタノールなどのアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類、アセトンなどのケトン類、アセトアミドなどのアミド類などをあげることができる。また、酵素源として用いた微生物の培養液を水性媒体として用いることができる。
N−アセチルノイラミン酸の生成において、必要に応じて界面活性剤あるいは有機溶媒を添加してもよい。界面活性剤としては、ポリオキシエチレン・オクタデシルアミン(例えばナイミーンS−215、日本油脂社製)などの非イオン界面活性剤、セチルトリメチルアンモニウム・ブロマイドやアルキルジメチル・ベンジルアンモニウムクロライド(例えばカチオンF2−40E、日本油脂社製)などのカチオン系界面活性剤、ラウロイル・ザルコシネートなどのアニオン系界面活性剤、アルキルジメチルアミン(例えば三級アミンFB、日本油脂社製)などの三級アミン類など、N−アセチルノイラミン酸の生成を促進するものであればいずれでもよく、1種または数種を混合して使用することもできる。界面活性剤は、通常0.1〜50g/lの濃度で用いられる。有機溶剤としては、キシレン、トルエン、脂肪族アルコール、アセトン、酢酸エチルなどが挙げられ、通常0.1〜50ml/lの濃度で用いられる。
N−アセチルノイラミン酸の生成反応は水性媒体中、pH5〜10、好ましくはpH6〜8、20〜50℃の条件で1〜96時間行う。該生成反応において、必要に応じてMnCl等の無機塩等を添加することができる。
水性媒体中に生成したN−アセチルノイラミン酸の定量はDionex社製の糖分析装置などを用いて行うことができる[Anal.Biochem.,189,151(1990)]。
反応液中に生成したN−アセチルノイラミン酸の採取は、活性炭やイオン交換樹脂などを用いる通常の方法によって行うことができる。
発明を実施するための最良の形態
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 ゲノムDNA配列データベースを利用した相同性検索
Nostoc punctiforme ATCC29133のゲノム配列のデータベース(http://spider.jgi−psf.org/JGI_microbial/html/)に対し、エシェリヒア・コリ由来のN−アセチルノイラミン酸合成酵素のアミノ酸配列[J.Bacteriol.,177,312(1995)]と相同性のあるアミノ酸配列を、BLASTを用いて検索した。
その結果、エシェリヒア・コリ由来のN−アセチルノイラミン酸合成酵素のアミノ酸配列と相同性が高いアミノ酸配列として、配列番号1で表されるアミノ酸配列が得られ、該アミノ酸配列をコードするDNAとして配列番号2で表される塩基配列を有するDNAが得られた。
実施例2 ノストック属に属する微生物由来の遺伝子を発現する株の造成
Nostoc punctiforme ATCC29133をMicrobiology,140,3233(1994)に記載の方法で培養した。
培養後、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーに記載の方法により、該微生物の染色体DNAを単離精製した。
パーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型DNA合成機を用いて合成した配列番号3および4で表される塩基配列を有するDNAを用いて、実施例1で選択された遺伝子を含むDNA断片を、下記方法で増幅した。
上記合成DNAをプライマーセットとして用い、Nostoc punctiforme ATCC29133の染色体DNAを鋳型としてPCRを行った。PCRは染色体DNA0.1mg、プライマー各0.5mmol/l、Pfu DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)2.5units、Pfu DNAポリメラーゼ用×10緩衝液4ml、deoxyNTP各200mmol/lを含む反応液40mlを用い、94℃で1分間、42℃で2分間、72℃で3分間の工程を30回繰り返すことにより行った。
該反応液の1/10量をアガロースゲル電気泳動し、目的の断片が増幅していることを確認後、残りの反応液と等量のTE[10mmol/l Tris−HCl、1mmol/l EDTA(pH8.0)]飽和フェノール/クロロホルム(1vol/1vol)を添加し、混合した。
該混合液を遠心分離後、得られた上層に2倍容量の冷エタノールを加えて混合し、−80℃に30分間放置する。該液を遠心分離しDNAの沈殿を取得した。
該DNAの沈殿を20mlのTEに溶解した。
該溶解液5mlを用い、DNAを制限酵素ClaIおよびBamHIで切断し、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を分離した後、ジーンクリーンIIキット(フナコシ社製)により1.0kbのDNA断片を回収した。
pTrS30 DNA0.2mgを制限酵素ClaIおよびBamHIで切断後、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を分離し、同様に4.2kbのDNA断片を回収した。
該1.0kbおよび4.2kbの断片をライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて、16℃、16時間、連結反応を行った。
該連結反応液を用いて大腸菌NM522株を前述の公知の方法に従って形質転換し、該形質転換体をアンピシリン50mg/mlを含むLB寒天培地[バクトトリプトン(ディフコ社製)10g/l、酵母エキス(ディフコ社製)10g/l、塩化ナトリウム5g/l、アガロース15g/l]に塗布後、28℃で一晩培養した。
生育してきた形質転換体のコロニーより前述の公知の方法に従ってプラスミドを抽出し、発現プラスミドであるpNP1を取得した。該プラスミドの造成手順および構造を第1図に示した。
実施例3 N−アセチルノイラミン酸の生産
実施例2で得られたEscherichia coli NM522/pNP1株をアンピシリン50mg/mlを含むLB培地8mlの入った太型試験管に接種し、28℃で17時間培養した。該培養液をアンピシリン50mg/mlを含むLB培地8mlの入った太型試験管に1%接種し28℃で5時間培養した後、該培養液0.4ml分を遠心分離し湿菌体を取得した。
該湿菌体は必要に応じて−20℃で保存することが可能で、使用前に解凍して用いることができた。
上記で取得したNM522/pNP1株湿菌体、100mmol/l Tris−HCl(pH7.5)、8.3mmol/l MnCl、91mmol/l N−アセチルマンノサミン、42mmol/lホスホエノールピルビン酸、4g/lナイミーンS−215からなるからなる0.1mlの反応液中で、28℃、30分間反応を行った。
反応終了後、反応生成物をダイオネックス社製糖分析装置(DX−500)を用いて以下の分析条件で分析し、反応液中に0.48mmol/l(150mg/l)のN−アセチルノイラミン酸が生成蓄積していることを確認した。
分析条件:
カラム:CarboPAC PA10
溶離液:溶離液A;HO、溶離液B;500mmol/l NaOH
グラジェント:0分において溶離液B8%からなる組成から、30分かけて直線的に溶離液B100%からなる組成にする。
検出器:パルスドアンペロメトリー検出器
産業上の利用可能性
本発明により、N−アセチルノイラミン酸合成酵素を大量に生産することが可能となる。また、該酵素を用いることにより効率的にN−アセチルノイラミン酸を製造できる。
「配列表フリーテキスト」
配列番号3−人工配列の説明:合成DNA
配列番号4−人工配列の説明:合成DNA
【配列表】
Figure 2002033070
Figure 2002033070
Figure 2002033070
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【図面の簡単な説明】
第1図 第1図はN−アセチルノイラミン酸合成酵素発現プラスミドpNP1の造成工程を示す図である。
図面中の符号は、以下の意味を表す。
Amp:アンピシリン耐性遺伝子
trp:Trpプロモーター
neuB:N−アセチルノイラミン酸合成酵素遺伝子

Claims (14)

  1. 配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
  2. 配列番号1で表されるアミノ酸配列において1個以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつN−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有する蛋白質。
  3. 請求項1または2に記載の蛋白質をコードするDNA。
  4. 配列番号2で表される塩基配列を有するDNA。
  5. 配列番号2で表される塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつN−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA。
  6. DNAがラン藻(Cyanobacteria)に属する微生物由来のDNAである、請求項3〜5のいずれか1項に記載のDNA。
  7. ラン藻に属する微生物由来のDNAが、ノストック(Nostoc)属に属する微生物由来のDNAである、請求項6に記載のDNA。
  8. ノストック(Nostoc)属に属する微生物が、ノストック・パンクチフォルム(Nostoc punctiforme)であることを特徴とする、請求項7に記載のDNA。
  9. 請求項3〜8のいずれか1項に記載のDNAをベクターに組み込んで得られる組換え体DNA。
  10. 請求項9に記載の組換え体DNAを宿主細胞に導入して得られる形質転換体。
  11. 宿主細胞がエシェリヒア・コリである、請求項10に記載の形質転換体。
  12. 請求項10または11に記載の形質転換体を培地に培養し、培養物中にN−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有する蛋白質を生成蓄積させ、該培養物から該蛋白質を採取することを特徴とする、N−アセチルノイラミン酸合成酵素活性を有する蛋白質の製造方法。
  13. 請求項10または11に記載の形質転換体の培養物または該培養物の処理物を酵素源として用い、該酵素源、N−アセチルマンノサミンおよびホスホエノールピルビン酸を水性媒体中に存在せしめ、該水性媒体中でN−アセチルノイラミン酸を生成蓄積させ、該水性媒体中からN−アセチルノイラミン酸を採取することを特徴とするN−アセチルノイラミン酸の製造法。
  14. 培養物の処理物が、培養物の濃縮物、培養物の乾燥物、培養物を遠心分離して得られる菌体、該菌体の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物、該菌体の界面活性剤処理物、該菌体の超音波処理物、該菌体の機械的摩砕処理物、該菌体の溶媒処理物、該菌体の酵素処理物、該菌体の蛋白質分画物、該菌体の固定化物あるいは該菌体より抽出して得られる酵素標品であることを特徴とする、請求項13に記載の製造法。
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