JP2002119288A - α1,2−フコース転移酵素および該酵素をコードするDNA - Google Patents

α1,2−フコース転移酵素および該酵素をコードするDNA

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JP2002119288A
JP2002119288A JP2000315204A JP2000315204A JP2002119288A JP 2002119288 A JP2002119288 A JP 2002119288A JP 2000315204 A JP2000315204 A JP 2000315204A JP 2000315204 A JP2000315204 A JP 2000315204A JP 2002119288 A JP2002119288 A JP 2002119288A
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protein
cells
fucose
ile
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Soji Koizumi
聡司 小泉
Hiroshi Mizoguchi
寛 溝口
Nozomi Kamata
望 鎌田
Tetsuo Endo
徹夫 遠藤
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Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 α1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋
白質、該蛋白質をコードするDNA、該DNAを用いた
α1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質の製造
法、および該蛋白質を用いたフコース含有糖鎖の製造法
を提供する。 【解決手段】 本発明によれば、α1,2−フコース転
移酵素活性を有する新規蛋白質、該蛋白質をコードする
DNA、該DNAを含有してなる組換え体DNA、該組
換え体DNAを宿主細胞に導入して得られる形質転換
体、該形質転換体を用いた上記蛋白質あるいはフコース
含有糖鎖の製造法を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α1,2−フコー
ス転移酵素活性を有する蛋白質、該蛋白質をコードする
DNA、該DNAを含有する組換え体DNA、該組換え
体DNAを保有する形質転換体、該形質転換体を用いた
α1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質の製造
法、および該形質転換体を用いたフコース含有糖質の製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術】α1,2-フコース転移酵素遺伝子に関
しては、動物由来の遺伝子[Proc. Natl. Acad. Sci. US
A, 87, 6674 (1990)、Immunogenetics, 44, 76 (199
6)、 J. Biol. Chem., 264, 3436 (1989)、 J. Biol. C
hem., 264, 11158 (1989)、 J. Biol. Chem., 267, 273
7 (1992)、J. Biol. Chem., 270, 8844 (1995)、J. Bio
l. Chem., 270, 4640 (1995)、 J. Biochem., 118, 541
(1995)、J. Biol. Chem., 271, 16975 (1996)]が取得
されているが、一般に動物細胞由来の遺伝子を微生物を
用いて活性のあるタンパク質として発現させることは困
難な場合が多く、動物由来のα1,2-フコース転移酵
素遺伝子についても、該酵素を大腸菌などの微生物を用
いて活性のある蛋白質として発現させた例はない。
【0003】一方、微生物においては、ヘリコバクター
・ピロリからα1,2−フコース転移酵素遺伝子が取得
されており、該遺伝子を用いて大腸菌でα1,2−フコ
ース転移酵素を発現させたとの報告があるが、該遺伝子
を強力なプロモーター支配下においても該酵素活性は非
常に微弱である[Microbiology, 145, 3245, (199
9)]。また、バクテロイデス・フラジリスにおいては菌
体外多糖生合成遺伝子群に存在するwcfB遺伝子の産
物が既知のα1,2−フコース転移酵素と相同性を有し
ているとの報告があるが[Infect. Immun., 67, 3525 (1
999)]、該遺伝子産物の活性を検出した例はない。
【0004】フコース含有糖鎖は、血液型抗原糖鎖とし
て知られていたが、近年、細胞の癌化に伴い、その構造
が変わることが明らかにされ[Anal. Biochem., 251, 89
(1997)]、腫瘍マーカーや医薬品としての応用が期待さ
れる。また人乳中にはオリゴ糖が豊富に含まれており、
フコース含有糖鎖(フコシルラクトースが主要成分のひ
とつ)は全オリゴ糖中、70%以上を占めている[Glycobi
ology, 8, 615 (1998)]。該オリゴ糖にも含まれるFu
cα1−2Gal構造を有する糖鎖は、Candidaalbicans
の感染を阻害することが知られていることから[Infect.
Immun., 59, 1650 (1991)]、フコース含有糖質は、安
全な感染予防薬の有力な候補と考えられる。
【0005】しかしながら、フコシルラクトースなどの
フコース含有糖質の製造に関しては、人乳からの抽出法
[J. Chromatogr., 211, 170 (1981)]やトランスジェニ
ック動物を用いた生産法[J. Biol. Chem., 270, 29515
(1995)、USP 5,700,671]、酵素を用いた方法(USP 5,58
3,042)が報告されているが、いずれもコスト面や生産
性の面で問題があり、工業的な製造法は未だ確立されて
いない。
【0006】ラン藻の1種であるProchlorococcus mari
nus (MED4) においては、そのゲノムDNAの塩基配列
決定が進行中であるが(http://spider.jgi-psf.org/JGI
_microbial/html/)、α1,2−フコース転移酵素遺伝
子は特定されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、α
1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質、該蛋白
質をコードするDNA、該DNAを用いたα1,2−フ
コース転移酵素活性を有する蛋白質の製造法、および該
蛋白質を用いたフコース含有糖質の製造法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究を行い、ゲノムDNAの配列決
定が進行中であるProchlorococcus marinus (MED4)の配
列情報からヘリコバクター・ピロリ由来のα1,2−フ
コース転移酵素のアミノ酸配列と相同性のある配列を検
索した結果、これまで特定されていなかった新規α1,
2−フコース転移酵素をコードするDNAを見出し、該
DNAを取得することにより、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】即ち、本発明は以下の(1)〜(16)に
関する。 (1) 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる蛋
白質。 (2) 配列番号1で表されるアミノ酸配列において1
個以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミ
ノ酸配列からなり、かつα1,2−フコース転移酵素活
性を有する蛋白質。 (3) (1または2)に記載の蛋白質をコードするD
NA。 (4) 配列番号2で表される塩基配列を有するDN
A。 (5) 配列番号2で表される塩基配列を有するDNA
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ
α1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質をコー
ドするDNA。 (6) DNAがラン藻(Cyanobacteria)に属する微生
物由来のDNAである、(3)〜(5)のいずれか1つ
に記載のDNA。 (7) ラン藻に属する微生物由来のDNAが、プロク
ロロコッカス(Prochlorococcus)属に属する微生物由来
のDNAである、(3)〜(6)のいずれか1つに記載
のDNA。 (8) プロクロロコッカス(Prochlorococcus)属に属
する微生物が、プロクロロコッカス・マリナス(Prochlo
rococcus marinus)(MED4)であることを特徴とする、
(7)に記載のDNA。 (9) (3)〜(8)のいずれか1項に記載のDNA
をベクターに組み込んで得られる組換え体DNA。 (10) (9)に記載の組換え体DNAを宿主細胞に
導入して得られる形質転換体。 (11) 宿主細胞がエシェリヒア・コリである、
(9)に記載の形質転換体。 (12) (10)または(11)に記載の形質転換体
を培地に培養し、培養物中にα1,2−フコース転移酵
素活性を有する蛋白質を生成蓄積させ、該培養物から該
蛋白質を採取することを特徴とする、α1,2−フコー
ス転移酵素活性を有する蛋白質の製造方法。 (13) (10)または(11)に記載の形質転換体
の培養液または該培養液の処理物を酵素源として用い、
該酵素源、グアノシン−5’−二リン酸フコースおよび
受容体糖質を水性媒体中に存在せしめ、該水性媒体中で
フコース含有糖質を生成蓄積させ、該水性媒体中からフ
コース含有糖質を採取することを特徴とするフコース含
有糖質の製造法。 (14) 培養液の処理物が、培養液の濃縮物、培養液
の乾燥物、培養液を遠心分離して得られる菌体、該菌体
の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物、該菌体の界面活性剤処
理物、該菌体の超音波処理物、該菌体の機械的摩砕処理
物、該菌体の溶媒処理物、該菌体の酵素処理物、該菌体
の蛋白質分画物、該菌体の固定化物あるいは該菌体より
抽出して得られる酵素標品であることを特徴とする、
(13)に記載の製造法。 (15) 受容体糖質が、非還元末端にガラクトースを
有するオリゴ糖を含む糖質であることを特徴とする、
(13)に記載の製造法。 (16) オリゴ糖が、ラクトース、N−アセチルラク
トサミン、グロボトリオース、ルイスX、ルイスa構造
を有することを特徴とする、(15)に記載の製造法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の蛋白質としては、配列番
号1で表されるアミノ酸配列を有す蛋白質、または配列
番号1で表されるアミノ酸配列において、1個以上のア
ミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列か
らなり、かつα1,2−フコース転移酵素活性を有する
蛋白質をあげることができる。
【0011】上記のアミノ酸の付加、欠失、あるいは置
換は、Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Seco
nd Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1
989)(以下、モレキュラー・クローニング第2版と略
す)、Current Protocols in Molecular Biology, John
Wiley & Sons (1987-1997)(以下、カレント・プロト
コールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーと略
す)、Nucleic Acids Res.,10, 6487 (1982)、Proc. Na
tl. Acad. Sci., USA, 79, 6409 (1982)、Gene, 34,315
(1985)、Nucleic Acids Res., 13, 4431 (1985)、Pro
c. Natl. Acad. Sci., USA, 82, 488 (1985)等に記載の
部位特異的変異導入法を用いて、配列番号1で表される
アミノ酸配列からなる蛋白質をコードするDNAに部位
特異的変異を導入することにより行うことができる。
【0012】欠失、置換もしくは付加されるアミノ酸の
数は特に限定されないが、上記の部位特異的変異法等の
周知の方法により欠失、置換もしくは付加できる程度の
数であり、1個から数十個、好ましくは1〜20個、より
好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個であ
る。また目的の変異(欠失、置換、付加)を導入した配
列をそれぞれの5'端に持つ1組のPCRプライマーを用
いたPCR[Gene, 77, 51 (1989)]によっても、配列
番号1で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質をコード
するDNAに変異を導入することができる。すなわち、
まず該DNAの5'端に対応するセンスプライマーと、5'
端に変異の配列と相補的な配列を有する、変異導入部位
の直前(5'側)の配列に対応するアンチセンスプライマ
ーで該DNAを鋳型にしてPCRを行い、該DNAの5'
端から変異導入部位までの断片A(3'端に変異が導入さ
れている)を増幅する。次いで、5'端に変異の配列を有
する、変異導入部位の直後(3'側)の配列に対応するセ
ンスプライマーと、該DNAの3'端に対応するアンチセ
ンスプライマーで該DNAを鋳型にしてPCRを行い、
5'端に変異が導入された該DNAの変異導入部位から3'
端までの断片Bを増幅する。これらの増幅断片同士精製
後、混合して鋳型やプライマーを加えずにPCRを行う
と、増幅断片Aのセンス鎖と増幅断片Bのアンチセンス
鎖は変異導入部位が共通しているのでハイブリダイズ
し、プライマー兼鋳型としてPCRの反応が進行し、変
異が導入された該DNAが増幅する。
【0013】また、本発明の蛋白質がα1,2−フコー
ス転移酵素活性を有するためには、配列番号1で表され
るアミノ酸配列と、BLAST[J. Mol. Biol., 215, 403
(1990)]やFASTA[Methods Enzymol., 183, 63 (199
0)]等の相同性解析プログラムを用いて計算したとき
に、少なくとも60%以上、通常は80%以上、特に95%以
上の相同性を有していることが好ましい。
【0014】本発明のDNAとしては、本発明の蛋白質
をコードするDNA、配列番号2で表される塩基配列を
有するDNA、または配列番号2で表される塩基配列を
有するDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイ
ズするDNAであり、かつα1,2−フコース転移酵素
活性を有する蛋白質をコードするDNAをあげることが
できる。
【0015】上記のストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズするDNAとは、例えば配列番号2で表される
塩基配列を有するDNAなどの本発明のDNAまたはそ
の一部のDNA断片をプローブとして、コロニー・ハイ
ブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーシ
ョン法あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション
法等を用いることにより得られるDNAを意味し、具体
的には、コロニーあるいはプラーク由来のDNAを固定
化したフィルターを用いて、0.7〜1.0mol/L
の塩化ナトリウム存在下、65℃でハイブリダイゼーシ
ョンを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC溶液(1倍
濃度のSSC溶液の組成は、150mmol/L塩化ナ
トリウム、15mmol/Lクエン酸ナトリウムよりな
る)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄すること
により同定できるDNAをあげることができる。ハイブ
リダイゼーションは、モレキュラー・クローニング第2
版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・
バイオロジー、DNA Cloning 1: Core Techniques, A
Practical Approach, Second Edition, Oxford Univer
sity (1995)等に記載されている方法に準じて行うこと
ができる。ハイブリダイズ可能なDNAとして具体的に
は、配列番号2で表される塩基配列と少なくとも60%
以上の相同性を有するDNA、好ましくは70%以上、
より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以
上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは98%
以上の相同性を有するDNAをあげることができる。
【0016】以下に、本発明を詳細に説明する。 [1] 本発明のDNAの調製 (1) ゲノムDNAデータベースを利用した、α1,2−
フコース転移酵素遺伝子の特定Prochlorococcus marinus (MED4) においては、そのゲ
ノムDNAの配列決定が進行中であり、http://spider.
jgi-psf.org/JGI_microbial/html/などホームページに
アクセスすることにより閲覧可能であるゲノムDNAデ
ータベースを利用して、公知のα1,2−フコース転移
酵素と相同性のある蛋白質をコードするDNAを検索す
ることができる。
【0017】相同性検索に用いる公知のα1,2−フコ
ース転移酵素が有するアミノ酸配列としてはα1,2−
フコース転移酵素活性を有する蛋白質のアミノ酸配列で
あればいかなるものも用いることができるが、具体的に
は、ヘリコバクター・ピロリ由来のα1,2−フコース
転移酵素のアミノ酸配列[Mol. Microbiol., 31, 1265(1
999)]などをあげることができる。
【0018】検索方法は利用できるものはどのような方
法でも構わないが、BLASTやFASTA等の相同性解析プログ
ラムを用いて、上記データベースでのホモロジー検索を
行う方法を例示することができる。 (2) 本発明のDNAの調製 本発明のDNAはラン藻に属する微生物より調製するこ
とができる。ラン藻に属する微生物としては、例えばプ
ロクロロコッカスをあげることができ、具体的にはProc
hlorococcus marinus (MED4)等をあげることができる。
【0019】ラン藻に属する微生物を公知の方法[例え
ば、Appl. Environ. Microbiol., 66, 284 (2000)]によ
り培養する。培養後、公知の方法(例えば、カレント・
プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー)
により、該微生物の染色体DNAを単離精製する。本発
明のDNAを含む断片の取得は、上記(1)で特定された
ゲノムの塩基配列に基づいたプライマーを調製し、ゲノ
ムDNAを鋳型として、PCR法[PCR Protocols, Acad
emic Press (1990)]により行うことができる。
【0020】また、ゲノムの塩基配列に基づいて設計さ
れた合成DNAをプローブとしたハイブリダイゼーショ
ン法(モレキュラー・クローニング第2版)などにより
目的とするDNAを取得することもできる。あるいは、
(1)のホモロジー検索により得られた、ヘリコバクタ
ー・ピロリ由来のα1,2−フコース転移酵素のアミノ
酸配列と相同性のあるアミノ酸配列をコードする塩基配
列に基づき、該塩基配列からなるDNAを全合成するこ
とによっても本発明のDNAを取得することができる。
DNAの全合成は、例えば(1)で得られた塩基配列に
基づき、隣り合う合成DNAが互いに10〜100塩基
の重複配列を有し、かつそれらがセンス鎖、アンチセン
ス鎖と交互になるように、5'末端側から40〜150
塩基の長さから成る合成DNAを自動DNA合成機(パ
ーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型DNA合成
装置)を用いて合成し、該合成DNAを用いて常法〔例
えば、PCR Protocols, Humana Press, (1993)等〕に従
ってPCR法により、本発明のDNAを人工的に合成す
ることによって行うことができる。取得したDNAをそ
のまま、あるいは適当な制限酵素などで切断後、常法に
よりベクターに組み込み、通常用いられる塩基配列解析
方法、例えばジデオキシ法[Proc. Natl. Acad. Sci., U
SA, 74, 5463 (1977)]あるいは373A・DNAシークエン
サー(パーキン・エルマー社製)等の塩基配列分析装置
を用いて分析することにより、該DNAの塩基配列を決
定することができる。
【0021】該DNAを組み込むベクターとしては、pB
luescript KS(+)(ストラタジーン社製)、pDIRECT[Nuc
leic Acids Res., 18, 6069 (1990)]、pCR-Script Amp
SK(+)(ストラタジーン社製)、pT7Blue(ノバジェン社
製)、pCR II(インビトロジェン社製)およびpCR-TRAP
(ジーンハンター社製)などをあげることができる。
【0022】更に、決定されたDNAの塩基配列に基づ
いて、パーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型D
NA合成装置等を用いて化学合成することにより目的と
するDNAを調製することもできる。上記のようにして
取得された新規な塩基配列を有するDNAとして、例え
ば、配列番号2で表される配列を有するDNA等をあげ
ることができる。
【0023】配列番号2で表される配列を有するDNA
を含有する組換え体DNAを保有する大腸菌として、例
えば後述するEscherichia coli NM522/pNM1をあげるこ
とができる。組換え体DNAを保有する宿主大腸菌とし
ては、例えば、Escherichia coli XL1-Blue、Escherich
ia coli XL2-Blue、Escherichia coli DH1、Escherichi
a co li MC1000、Escherichia coli KY3276、Escherichi
a coli W1485、Escherichiacoli JM109、Escherichia c
oli HB101、Escherichia coli No.49、Escherichiacoli
W3110、Escherichia coli NY49、Escherichia coli MP
347、Escherichia coli NM522等をあげることができ
る。
【0024】組換え体DNAの導入方法としては、上記
宿主細胞へDNAを導入する方法であればいずれも用い
ることができ、例えば、カルシウムイオンを用いる方法
[Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 69, 2110 (1972)]、プ
ロトプラスト法(特開昭63-248394)、エレクトロポレ
ーション法[Nucleic Acids Res., 16, 6127 (1988)]等
をあげることができる。 [2] 本発明の蛋白質の調製 本発明の蛋白質は、モレキュラー・クローニング第2
版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・
バイオロジー等に記載された方法等を用い、例えば以下
の方法により、上記[1]に記載の方法により取得した本
発明のDNAを宿主細胞中で発現させることにより、製
造することができる。
【0025】本発明のDNAをもとにして、必要に応じ
て、該蛋白質をコードする部分を含む適当な長さのDN
A断片を調製する。また、該蛋白質をコードする部分の
塩基配列を、宿主の発現に最適なコドンとなるように、
塩基を置換することにより、該蛋白質の生産率を向上さ
せることができる。該DNA断片を適当な発現ベクター
のプロモーターの下流に挿入することにより、組換え体
DNAを作製する。
【0026】該組換え体DNAを、該発現ベクターに適
合した宿主細胞に導入することにより、本発明の蛋白質
を生産する形質転換体を得ることができる。宿主細胞と
しては、細菌、酵母、動物細胞、昆虫細胞等、植物細胞
等、目的とする遺伝子を発現できるものであればいずれ
も用いることができる。組換え体DNAとしては、上記
宿主細胞において自立複製可能ないしは染色体中への組
込が可能で、本発明のDNAを転写できる位置にプロモ
ーターを含有しているものが用いられる。
【0027】細菌等の原核生物を宿主細胞として用いる
場合は、本発明の蛋白質をコードするDNAを含有して
なる組換え体DNAは原核生物中で自立複製可能である
と同時に、プロモーター、リボソーム結合配列、本発明
のDNA、転写終結配列、より構成された組換え体DN
Aであることが好ましい。プロモーターを制御する遺伝
子が含まれていてもよい。
【0028】発現ベクターとしては、pHelix1(ロシュ
・ダイアグノスティクス社製)、pKK233-2(アマシャム
・ファルマシア・バイオテク社製)、pSE280(インビト
ロジェン社製)、pGEMEX-1(プロメガ社製)、pQE-8
(キアゲン社製)、pET-3(ノバジェン社製)、pKYP10
(特開昭58-110600)、pKYP200[Agric. Biol. Chem., 4
8,669 (1984)]、pLSA1[Agric. Biol. Chem., 53, 277
(1989)]、pGEL1[Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 82, 43
06 (1985)]、pBluescriptII SK(+)、pBluescript II KS
(-)(ストラタジーン社製)、pTrS30 [大腸菌JM109/pTr
S30(FERM BP-5407)より調製]、pTrS32 [大腸菌JM109/pT
rS32(FERM BP-5408)より調製]、pPAC31 (WO98/12343)、
pUC19 [Gene, 33, 103 (1985)]、pSTV28(宝酒造社製)、
pUC118(宝酒造社製)、pPA1(特開昭63-233798)等を
例示することができる。
【0029】プロモーターとしては、大腸菌等の宿主細
胞中で発現できるものであればいかなるものでもよい。
例えば、trpプロモーター(Ptrp)、lacプロモーター
(Plac)、PLプロモーター、PRプロモーター、PSE
プロモーター等の、大腸菌やファージ等に由来するプロ
モーター、SPO1プロモーター、SPO2プロモータ
ー、penPプロモーター等をあげることができる。ま
たPtrpを2つ直列させたプロモーター(Ptrp
2)、tacプロモーター、lacT7プロモーター、let Iプ
ロモーターのように人為的に設計改変されたプロモータ
ー等も用いることができる。
【0030】リボソーム結合配列であるシャイン−ダル
ガノ(Shine-Dalgarno)配列と開始コドンとの間を適当
な距離(例えば6〜18塩基)に調節したプラスミドを用
いることが好ましい。本発明の組換え体DNAにおいて
は、本発明のDNAの発現には転写終結配列は必ずしも
必要ではないが、構造遺伝子の直下に転写終結配列を配
置することが好ましい。
【0031】宿主として用いる原核生物としては、エシ
ェリヒア属、セラチア属、バチルス属、ブレビバクテリ
ウム属、コリネバクテリウム属、ミクロバクテリウム
属、シュードモナス属等に属する微生物、例えば、Esch
erichia coli XL1-Blue、Escherichia coli XL2-Blue、
Escherichia coli DH1、Escherichia coli MC1000、Esc
herichia coli KY3276、Escherichia coli W1485、Esch
erichia coli JM109、Escherichia coli HB101、Escher
ichia coli No.49、Escherichia coli W3110、Escheric
hia coli NY49、Escherichia coli BL21 codon plus
(ストラタジーン社製)、Serratia ficariaSerratia
fonticolaSerratia liquefaciensSerratia marces
censBacillus subtilisBacillus amyloliquefacien
sBrevibacterium immariophilum ATCC14068、Breviba
cterium saccharolyticum ATCC14066、Corynebacterium
ammoniagenesCorynebacterium glutamicum ATCC1303
2、Corynebacterium glutamicum ATCC14067、Corynebac
terium glutamicum ATCC13869、Corynebacterium aceto
acidophilum ATCC13870、Microbacterium ammoniaphilu
m ATCC15354、Pseudomonas sp. D-0110等をあげること
ができる。
【0032】組換え体DNAの導入方法としては、上記
宿主細胞へDNAを導入する方法であればいずれも用い
ることができ、例えば、カルシウムイオンを用いる方法
[Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 69, 2110 (1972)]、プ
ロトプラスト法(特開昭63-248394)、エレクトロポレ
ーション法[Nucleic Acids Res., 16, 6127 (1988)]等
をあげることができる。
【0033】酵母菌株を宿主細胞として用いる場合に
は、発現ベクターとして、例えば、YEp13(ATCC3711
5)、YEp24(ATCC37051)、YCp50(ATCC37419)、pHS1
9、pHS15等を用いることができる。プロモーターとして
は、酵母菌株中で発現できるものであればいずれのもの
を用いてもよく、例えば、PHO5プロモーター、PGKプロ
モーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、gal 1
プロモーター、gal 10プロモーター、ヒートショックポ
リペプチドプロモーター、MFα1 プロモーター、CUP 1
プロモーター等のプロモーターをあげることができる。
【0034】宿主細胞としては、サッカロマイセス属、
シゾサッカロマイセス属、クルイベロミセス属、トリコ
スポロン属、シワニオミセス属、ピチア属、キャンディ
ダ属等に属する酵母菌株をあげることができ、具体的に
は、Saccharomyces cerevisiaeSchizosaccharomyces
pombeKluyveromyces lactisTrichosporon pullulan
sSchwanniomyces alluviusPichia pastorisCandi
da utilis等をあげることができる。
【0035】組換え体DNAの導入方法としては、酵母
にDNAを導入する方法であればいずれも用いることが
でき、例えば、エレクトロポレーション法[Methods Enz
ymol., 194, 182 (1990)]、スフェロプラスト法[Proc.
Natl. Acad. Sci., USA, 81,4889 (1984)]、酢酸リチウ
ム法[J. Bacteriol., 153, 163 (1983)]等をあげること
ができる。
【0036】動物細胞を宿主として用いる場合には、発
現ベクターとして、例えば、pcDNAI、pcDM8(フナコシ
社より市販)、pAGE107(特開平3-22979)、pAS3-3(特
開平2-227075)、pCDM8[Nature, 329, 840 (1987)]、pc
DNAI/Amp(インビトロジェン社製)、pREP4(インビト
ロジェン社製)、pAGE103[J. Biochem, 101, 1307 (198
7)]、pAGE210、pAMo、pAMoA等を用いることができる。
【0037】プロモーターとしては、動物細胞中で発現
できるものであればいずれも用いることができ、例え
ば、サイトメガロウイルス(CMV)のIE(immediate ear
ly)遺伝子のプロモーター、SV40の初期プロモーターあ
るいはメタロチオネインのプロモーター、レトロウイル
スのプロモーター、ヒートショックプロモーター、SR
αプロモーター等をあげることができる。また、ヒトCM
VのIE遺伝子のエンハンサーをプロモーターと共に用い
てもよい。
【0038】宿主細胞としては、マウス・ミエローマ細
胞、ラット・ミエローマ細胞、マウス・ハイブリドーマ
細胞、ヒトの細胞であるナマルバ(Namalwa)細胞また
はNamalwa KJM-1細胞、ヒト胎児腎臓細胞、ヒト白血病
細胞、アフリカミドリザル腎臓細胞、チャイニーズ・ハ
ムスターの細胞であるCHO細胞、HBT5637(特開昭63-29
9)等をあげることができる。
【0039】マウス・ミエローマ細胞としては、SP2/
0、NSO等、ラット・ミエローマ細胞としてはYB2/0等、
ヒト胎児腎臓細胞としてはHEK293(ATCC: CRL-1573)、29
3等、ヒト白血病細胞としては、BALL-1等、アフリカミ
ドリザル腎臓細胞としてはCOS-1、COS-7等をあげること
ができる。組換え体DNAの導入方法としては、動物細
胞にDNAを導入する方法であればいずれも用いること
ができ、例えば、エレクトロポレーション法[Cytotechn
ology, 3, 133 (1990)]、リン酸カルシウム法(特開平2
-227075)、リポフェクション法[Proc. Natl. Acad. Sc
i., USA, 84, 7413 (1987)]、Virology, 52, 456(1973)
に記載の方法等をあげることができる。
【0040】昆虫細胞を宿主として用いる場合には、例
えばBaculovirus Expression Vectors, A Laboratory M
anual, W. H. Freeman and Company, New York (199
2)、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・
バイオロジー、Molecular Biology, A Laboratory Manu
al、Bio/Technology, 6, 47 (1988)等に記載された方法
によって、蛋白質を発現することができる。
【0041】即ち、組換え遺伝子導入ベクターおよびバ
キュロウイルスを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上
清中に組換えウイルスを得た後、さらに組換えウイルス
を昆虫細胞に感染させ、蛋白質を発現させることができ
る。該方法において用いられる遺伝子導入ベクターとし
ては、例えば、pVL1392、pVL1393、pBlueBacIII(とも
にインビトロジェン社製)等をあげることができる。
【0042】バキュロウイルスとしては、例えば、夜盗
蛾科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・カ
リフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイルス
(Autographa californica nuclear polyhedrosis viru
s) 等を用いることができる。昆虫細胞としては、Spodo
ptera frugiperdaの卵巣細胞、Trichoplusia niの卵巣
細胞、カイコ卵巣由来の培養細胞等を用いることができ
る。
【0043】Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞として
はSf9、Sf21(バキュロウイルス・イクスプレッション
・ベクターズ ア・ラボラトリー・マニュアル)等、Tri
choplusia niの卵巣細胞としてはHigh 5、BTI-TN-5B1-4
(インビトロジェン社製)等、カイコ卵巣由来の培養細
胞としてはBombyx mori N4等をあげることができる。組
換えウイルスを調製するための、昆虫細胞への上記組換
え遺伝子導入ベクターと上記バキュロウイルスの共導入
方法としては、例えば、リン酸カルシウム法(特開平2-
227075)、リポフェクション法[Proc. Natl. Acad. Sc
i., USA, 84,7413 (1987)]等をあげることができる。
【0044】植物細胞を宿主細胞として用いる場合に
は、発現ベクターとして、例えば、Tiプラスミド、タ
バコモザイクウイルスベクター等をあげることができ
る。プロモーターとしては、植物細胞中で発現できるも
のであればいずれのものを用いてもよく、例えば、カリ
フラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sプロモータ
ー、イネアクチン1プロモーター等をあげることができ
る。
【0045】宿主細胞としては、タバコ、ジャガイモ、
トマト、ニンジン、ダイズ、アブラナ、アルファルフ
ァ、イネ、コムギ、オオムギ等の植物細胞等をあげるこ
とができる。組換えベクターの導入方法としては、植物
細胞にDNAを導入する方法であればいずれも用いるこ
とができ、例えば、アグロバクテリウム(Agrobacteriu
m)(特開昭59-140885、特開昭60-70080、WO94/0097
7)、エレクトロポレーション法(特開昭60-251887)、
パーティクルガン(遺伝子銃)を用いる方法(特許第26
06856、特許第2517813)等をあげることができる。
【0046】遺伝子の発現方法としては、直接発現以外
に、モレキュラー・クローニング第2版に記載されてい
る方法等に準じて、分泌生産、融合蛋白質発現等を行う
ことができる。酵母、動物細胞または昆虫細胞により発
現させた場合には、糖あるいは糖鎖が付加された蛋白質
を得ることができる。
【0047】以上のようにして得られる形質転換体を培
地に培養し、培養物中に本発明の蛋白質を生成蓄積さ
せ、該培養物から採取することにより、本発明の蛋白質
を製造することができる。本発明の形質転換体を培地に
培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に
従って行うことができる。
【0048】大腸菌等の原核生物あるいは酵母等の真核
生物を宿主として得られた形質転換体を培養する培地と
しては、該生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類
等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行える培地で
あれば天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。炭
素源としては、該生物が資化し得るものであればよく、
グルコース、フラクトース、スクロース、これらを含有
する糖蜜、デンプンあるいはデンプン加水分解物等の炭
水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、
プロパノール等のアルコール類等を用いることができ
る。
【0049】窒素源としては、アンモニア、塩化アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸
アンモニウム等の無機酸もしくは有機酸のアンモニウム
塩、その他の含窒素化合物、並びに、ペプトン、肉エキ
ス、酵母エキス、コーンスチープリカー、カゼイン加水
分解物、大豆粕および大豆粕加水分解物、各種発酵菌
体、およびその消化物等を用いることができる。
【0050】無機塩としては、リン酸第一カリウム、リ
ン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシ
ウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫
酸銅、炭酸カルシウム等を用いることができる。培養
は、通常振盪培養または深部通気攪拌培養等の好気的条
件下で行う。培養温度は15〜40℃がよく、培養時間は、
通常5時間〜7日間である。培養中pHは3.0〜9.0に保持す
る。pHの調整は、無機または有機の酸、アルカリ溶液、
尿素、炭酸カルシウム、アンモニア等を用いて行う。
【0051】また、培養中必要に応じて、アンピシリン
やテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよ
い。プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた
発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときに
は、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよ
い。例えば、lacプロモーターを用いた発現ベクターで
形質転換した微生物を培養するときにはイソプロピル−
β−D−チオガラクトピラノシド等を、trpプロモータ
ーを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養す
るときにはインドールアクリル酸等を培地に添加しても
よい。
【0052】動物細胞を宿主として得られた形質転換体
を培養する培地としては、一般に使用されているRPMI16
40培地[J. Am. Med. Assoc., 199, 519 (1967)]、Eagle
のMEM培地[Science, 122, 501 (1952)]、DMEM培地[Viro
logy, 8, 396 (1959)]、199培地[Proc. Soc. Biol. Me
d., 73, 1 (1950)]またはこれら培地に牛胎児血清等を
添加した培地等を用いることができる。
【0053】培養は、通常pH6〜8、25〜40℃、5%CO2
存在下等の条件下で1〜7日間行う。また、培養中必要に
応じて、カナマイシン、ペニシリン、ストレプトマイシ
ン等の抗生物質を培地に添加してもよい。昆虫細胞を宿
主として得られた形質転換体を培養する培地としては、
一般に使用されているTNM-FH培地(ファーミンジェン社
製)、Sf-900 II SFM培地(ライフ・テクノロジーズ社
製)、ExCell400、ExCell405[いずれもJRHバイオサイエ
ンシーズ社製]、Grace's Insect Medium[Nature, 195,
788 (1962)]等を用いることができる。
【0054】培養は、通常pH6〜7、25〜30℃等の条件下
で1〜5日間行う。また、培養中必要に応じて、ゲンタマ
イシン等の抗生物質を培地に添加してもよい。植物細胞
を宿主として得られた形質転換体は、細胞として、また
は植物の細胞や器官に分化させて培養することができ
る。該形質転換体を培養する培地としては、一般に使用
されているムラシゲ・アンド・スクーグ(MS)培地、ホワ
イト(White)培地、またはこれら培地にオーキシン、サ
イトカイニン等、植物ホルモンを添加した培地等を用い
ることができる。
【0055】培養は、通常pH5〜9、20〜40℃の条件下で
3〜60日間行う。また、培養中必要に応じて、カナマイ
シン、ハイグロマイシン等の抗生物質を培地に添加して
もよい。上記のとおり、本発明の蛋白質をコードするD
NAを組み込んだ組換え体DNAを保有する微生物、動
物細胞、あるいは植物細胞由来の形質転換体を、通常の
培養方法に従って培養し、該蛋白質を生成蓄積させ、該
培養物より該蛋白質を採取することにより、該蛋白質を
製造することができる。
【0056】本発明の蛋白質の生産方法としては、宿主
細胞内に生産させる方法、宿主細胞外に分泌させる方
法、あるいは宿主細胞外膜上に生産させる方法があり、
使用する宿主細胞や、生産させる蛋白質の構造を変える
ことにより、該方法を選択することができる。本発明の
蛋白質が宿主細胞内あるいは宿主細胞外膜上に生産され
る場合、ポールソンらの方法[J. Biol. Chem.,264, 17
619 (1989)]、ロウらの方法[Proc.Natl. Acad. Sci., U
SA, 86, 8227 (1989)、Genes Develop., 4, 1288(199
0)]、または特開平5-336963、WO94/23021等に記載の方
法を準用することにより、該蛋白質を宿主細胞外に積極
的に分泌させることができる。
【0057】すなわち、遺伝子組換えの手法を用いて、
本発明の蛋白質の活性部位を含む蛋白質の手前にシグナ
ルペプチドを付加した形で発現させることにより、本発
明の蛋白質を宿主細胞外に積極的に分泌させることがで
きる。また、特開平2-227075に記載されている方法に準
じて、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子等を用いた遺伝子増
幅系を利用して生産量を上昇させることもできる。
【0058】さらに、遺伝子導入した動物または植物の
細胞を再分化させることにより、遺伝子が導入された動
物個体(トランスジェニック非ヒト動物)または植物個
体(トランスジェニック植物)を造成し、これらの個体
を用いて本発明の蛋白質を製造することもできる。形質
転換体が動物個体または植物個体の場合は、通常の方法
に従って、飼育または栽培し、該蛋白質を生成蓄積さ
せ、該動物個体または植物個体より該蛋白質を採取する
ことにより、該蛋白質を製造することができる。
【0059】動物個体を用いて本発明の蛋白質を製造す
る方法としては、例えば公知の方法[Am. J. Clin. Nut
r., 63, 639S (1996)、Am. J. Clin. Nutr., 63, 627S
(1996)、Bio/Technology, 9, 830 (1991)]に準じて遺伝
子を導入して造成した動物中に本発明の蛋白質を生産す
る方法があげられる。動物個体の場合は、例えば、本発
明の蛋白質をコードするDNAを導入したトランスジェ
ニック非ヒト動物を飼育し、該蛋白質を該動物中に生成
・蓄積させ、該動物中より該蛋白質を採取することによ
り、該蛋白質を製造することができる。該動物中の生成
・蓄積場所としては、例えば、該動物のミルク(特開昭
63-309192)、卵等をあげることができる。この際に用
いられるプロモーターとしては、動物で発現できるもの
であればいずれも用いることができるが、例えば、乳腺
細胞特異的なプロモーターであるαカゼインプロモータ
ー、βカゼインプロモーター、βラクトグロブリンプロ
モーター、ホエー酸性プロテインプロモーター等が好適
に用いられる。
【0060】植物個体を用いて本発明の蛋白質を製造す
る方法としては、例えば本発明の蛋白質をコードするD
NAを導入したトランスジェニック植物を公知の方法
[組織培養, 20 (1994)、組織培養, 21 (1995)、Trends
Biotechnol.,15, 45 (1997)]に準じて栽培し、該蛋白質
を該植物中に生成・蓄積させ、該植物中より該蛋白質を
採取することにより、該蛋白質を生産する方法があげら
れる。
【0061】本発明の形質転換体により製造された蛋白
質を単離・精製する方法としては、通常の酵素の単離、
精製法を用いることができる。例えば、本発明の蛋白質
が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了
後、細胞を遠心分離により回収し、水系緩衝液にけん濁
後、超音波破砕機、フレンチプレス、マントンガウリン
ホモゲナイザー、ダイノミル等により細胞を破砕し、無
細胞抽出液を得る。
【0062】該無細胞抽出液を遠心分離することにより
得られる上清から、通常の酵素の単離精製法、即ち、溶
媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒によ
る沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)−セファロー
ス、DIAION HPA-75(三菱化成社製)等レジンを用いた陰
イオン交換クロマトグラフィー法、S-Sepharose FF(Ph
armacia社製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロマト
グラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセファロ
ース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、
分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグ
ラフィー法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳
動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わせて
用い、精製標品を得ることができる。
【0063】また、該蛋白質が細胞内に不溶体を形成し
て発現した場合は、同様に細胞を回収後破砕し、遠心分
離を行うことにより得られた沈殿画分より、通常の方法
により該蛋白質を回収後、該蛋白質の不溶体を蛋白質変
性剤で可溶化する。該可溶化液を、蛋白質変性剤を含ま
ないあるいは蛋白質変性剤の濃度が蛋白質が変性しない
程度に希薄な溶液に希釈、あるいは透析し、該蛋白質を
正常な立体構造に構成させた後、上記と同様の単離精製
法により精製標品を得ることができる。
【0064】本発明の蛋白質あるいはその糖修飾体等の
誘導体が細胞外に分泌された場合には、培養上清に該蛋
白質あるいはその糖鎖付加体等の誘導体を回収すること
ができる。即ち、該培養物を上記と同様の遠心分離等の
手法により処理することにより可溶性画分を取得し、該
可溶性画分から、上記と同様の単離精製法を用いること
により、精製標品を得ることができる。
【0065】このようにして取得される蛋白質として、
例えば、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する蛋
白質をあげることができる。また、本発明のポリペプチ
ドを他のタンパク質との融合タンパク質として生産し、
融合したタンパク質に親和性をもつ物質を用いたアフィ
ニティークロマトグラフィーを利用して精製することも
できる。例えば、ロウらの方法[Proc. Natl.Acad. Sc
i., USA, 86, 8227 (1989)、Genes Develop., 4, 1288
(1990)]、特開平05-336963、WO94/23021に記載の方法
に準じて、本発明のポリペプチドをプロテインAとの融
合タンパク質として生産し、イムノグロブリンGを用い
るアフィニティークロマトグラフィーにより精製するこ
とができる。
【0066】また、本発明のポリペプチドをFlagペ
プチドとの融合タンパク質として生産し、抗Flag抗
体を用いるアフィニティークロマトグラフィーにより精
製することができる[Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 8
6, 8227 (1989)、Genes Develop., 4, 1288(1990)]。
更に、該ポリペプチド自身に対する抗体を用いたアフィ
ニティークロマトグラフィーで精製することもできる。
【0067】上記で取得された蛋白質のアミノ酸情報を
基に、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニ
ル法)、tBoc法(t−ブチルオキシカルボニル法)
等の化学合成法により、本発明の蛋白質を製造すること
ができる。また、AdvancedChemTech社、パーキン・エル
マー社、Pharmacia社、Protein Technology Instrument
社、Synthecell-Vega社、PerSeptive社、島津製作所等
のペプチド合成機を利用して化学合成することもでき
る。 [3] フコース含有糖質の調製 上記[2]記載の培養により得られた形質転換体の培養液
および該培養液の処理物を酵素源として用い、水性媒体
中でフコース含有糖質を製造することができる。
【0068】培養液の処理物としては、培養液の濃縮
物、培養液の乾燥物、培養液を遠心分離して得られる菌
体、該菌体の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物、該菌体の界
面活性剤処理物、該菌体の超音波処理物、該菌体の機械
的摩砕処理物、該菌体の溶媒処理物、該菌体の酵素処理
物、該菌体の蛋白質分画物、該菌体の固定化物あるいは
該菌体より抽出して得られる酵素標品などをあげること
ができる。
【0069】フコース含有糖質の生成において用いられ
る酵素源は、37℃で1分間に1 μmolのフコース含有糖質
を生成することのできる活性を1単位(U)として、1 m
U/l〜1,000 U/lであり、好ましくは10 mU/l〜100 U/lの
濃度で用いる。フコース含有糖質の生成において用いら
れる水性媒体としては、水、りん酸塩、炭酸塩、酢酸
塩、ほう酸塩、クエン酸塩、トリスなどの緩衝液、メタ
ノール、エタノールなどのアルコール類、酢酸エチルな
どのエステル類、アセトンなどのケトン類、アセトアミ
ドなどのアミド類などをあげることができる。また、酵
素源として用いた微生物の培養液を水性媒体として用い
ることができる。
【0070】フコース含有糖質の生成において、必要に
応じて界面活性剤あるいは有機溶媒を添加してもよい。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレン・オクタデシ
ルアミン(例えばナイミーンS-215、日本油脂社製)な
どの非イオン界面活性剤、セチルトリメチルアンモニウ
ム・ブロマイドやアルキルジメチル・ベンジルアンモニ
ウムクロライド(例えばカチオンF2-40E、日本油脂社
製)などのカチオン系界面活性剤、ラウロイル・ザルコ
シネートなどのアニオン系界面活性剤、アルキルジメチ
ルアミン(例えば三級アミンFB、日本油脂社製)などの
三級アミン類など、フコース含有糖質の生成を促進する
ものであればいずれでもよく、1種または数種を混合し
て使用することもできる。界面活性剤は、通常0.1〜50
g/lの濃度で用いられる。有機溶剤としては、キシレ
ン、トルエン、脂肪族アルコール、アセトン、酢酸エチ
ルなどが挙げられ、通常0.1〜50 ml/lの濃度で用いられ
る。
【0071】フコース含有糖質の生成反応は水性媒体
中、pH 5〜10、好ましくはpH 6〜8、20〜50℃の条件で1
〜96時間行う。該生成反応において、必要に応じてAT
P、MgCl2等の無機塩等を添加することができる。水
性媒体中に生成したフコース含有糖質の定量はDionex社
製の糖分析装置などを用いて行うことができる[Anal. B
iochem., 189, 151 (1990)]。
【0072】反応液中に生成したフコース含有糖質の採
取は、活性炭やイオン交換樹脂などを用いる通常の方法
によって行うことができる。以下に本発明の実施例を示
すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0073】
【実施例】実施例1 ゲノムDNA配列データベースを
利用した相同性検索Prochlorococcus marinus (MED4)のゲノム配列のデータ
ベース(http://spider.jgi-psf.org/JGI_microbial/htm
l/)に対し、ヘリコバクター・ピロリ由来のα1,2−
フコース転移酵素のアミノ酸配列[Mol. Microbiol., 3
1, 1265 (1999)]と相同性の高いアミノ酸配列を、相同
性解析ソフトBLASTを用いて検索した。
【0074】その結果、ヘリコバクター・ピロリ由来の
α1,2−フコース転移酵素のアミノ酸配列と相同性が
高いアミノ酸配列として、配列番号1で表されるアミノ
酸配列が得られ、該アミノ酸配列をコードするDNAと
して配列番号2で表される塩基配列を有するDNAが得
られた。 実施例2 プロクロロコッカス由来の遺伝子を発現する
株の造成Prochlorococcus marinus (MED4)をAppl. Environ. Mic
robiol., 66, 284 (2000) に記載の方法で培養する。
【0075】培養後、カレント・プロトコールズ・イン
・モレキュラー・バイオロジーに記載の方法により、該
微生物の染色体DNAを単離精製する。パーセプティブ
・バイオシステムズ社製8905型DNA合成機を用いて合
成できる、配列番号3および4で表される塩基配列を有
するDNAを用いて、実施例1で選択された遺伝子を含
むDNA断片を、下記方法で増幅する。
【0076】上記合成DNAをプライマーとして用い、
Prochlorococcus marinus (MED4)の染色体DNAを鋳型
としてPCRを行う。PCRは該染色体DNA0.1 mg、
プライマー各0.5 mmol/l、Pfu DNAポリメラーゼ
(ストラタジーン社製) 2.5units、Pfu DNAポリメ
ラーゼ用×10緩衝液4 ml、deoxyNTP各200 mmol/lを含
む反応液40 mlを用い、94℃で1分間、42℃で2分
間、72℃で3分間の工程を30回繰り返すことにより
行う。
【0077】該反応液の1/10量をアガロースゲル電気泳
動し、目的の断片が増幅していることを確認後、残りの
反応液と等量のTE[10 mmol/l Tris-HCl、1 mmol/l ED
TA (pH 8.0)] 飽和フェノール/クロロホルム(1 vol/1
vol)を添加し、混合する。該混合液を遠心分離後、得ら
れた上層に2倍容量の冷エタノールを加えて混合し、-8
0℃に30分間放置する。該放置液を遠心分離しDNAの
沈殿を得る。
【0078】該DNAの沈殿を20 mlのTEに溶解す
る。該溶解液5 mlを用い、DNAを制限酵素ClaIお
よびBamHIで切断し、アガロースゲル電気泳動によ
りDNA断片を分離した後、ジーンクリーンIIキット
(フナコシ社製)により0.9 kbのDNA断片を回収す
る。pTrS30 DNA 0.2 mgを制限酵素ClaIお
よびBamHIで切断後、アガロースゲル電気泳動によ
りDNA断片を分離し、上記と同様に4.2 kbのDNA断
片を回収する。
【0079】該0.9 kbおよび4.2 kbの断片をライゲーシ
ョンキット(宝酒造社製)を用いて16℃、16時間、連結
反応を行う。該連結反応液を用いて大腸菌NM522株を前
述の公知の方法に従って形質転換し、該形質転換体をア
ンピシリン50 mg/mlを含むLB寒天培地[バクトトリプ
トン(ディフコ社製)10 g/l、酵母エキス(ディフコ社
製)10 g/l、塩化ナトリウム5 g/l、アガロース15g/l]
に塗布後、30℃で一晩培養する。
【0080】生育してきた形質転換体のコロニーより前
述の公知の方法に従ってプラスミドを抽出し、発現プラ
スミドであるpNM1を得る。制限酵素消化により該プ
ラスミドが図1に示す構造を有することを確認する。 実施例3 2’-フコシルラクトースの生産 実施例2で得られたEscherichia coli NM522/pNM1株を
アンピシリン50 mg/mlを含むLB培地8 mlの入った太型
試験管に接種し 28℃で17 時間培養する。該培養液をア
ンピシリン50 mg/mlを含むLB培地 8 ml の入った太型
試験管に1%接種し、28℃で5時間培養する。該培養液
0.1 ml分を遠心分離し湿菌体を取得する。該湿菌体は必
要に応じて-20℃で保存することが可能で、使用前に解
凍して用いることができる。
【0081】NM522/pNM1株湿菌体(0.1 ml分)、50 mmo
l/lクエン酸バッファー(pH 7.0)、10 mmol/l MnC
2、10 mmol/l ラクトース、10 mmol/l GDP−フコ
ース、4 g/lナイミーンS-215からなる0.1 mlの反応液中
で、30℃、16時間反応を行う。反応終了後、反応生成物
をダイオネックス社製糖分析装置(DX-500)を用いて以下
の分析条件で分析し、反応液中に2'−フコシルラクトー
スが生成蓄積していることを確認できる。 分析条件: カラム:CarboPAC PA10 溶離液:A;H2O、B;500 mmol/l NaOH グラジエント:8−20% B in 21 min 検出器:パルスドアンペロメトリー検出器
【0082】
【発明の効果】本発明により、α1,2−フコース転移
酵素を遺伝子組換え手法により大量に生産することが可
能となる。また、該酵素を用いることにより効率的にフ
コース含有糖質を製造できる。
【0083】
【配列表フリーテキスト】配列番号3−人工配列の説
明:合成DNA 配列番号4−人工配列の説明:合成DNA
【0084】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> KYOWA HAKKO KOGYO CO., LTD. <120> Alpha 1,2-fucosyltransferase and a DNA coding the same <130> <140> <141> <160> 4 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 277 <212> PRT <213> Prochlorococcus marinus (MED4) <400> 1 Met Leu Phe Ser Arg Ile Val Gly Gly Leu Gly Asn Gln Leu Phe Gln 1 5 10 15 Ile Ala Ala Cys Leu Lys Tyr Arg Asn Arg Arg Glu Lys Val Ile Ile 20 25 30 Ser Phe Leu Gly Asp Ile His Val Pro Lys Arg Ile Asn Cys Leu Asp 35 40 45 Tyr Ile Phe Val Arg Pro Asn Trp Leu Cys Phe Asp Asn Ser His Asn 50 55 60 Leu Asn Leu Thr Thr Gln Ile Ile Ala Lys Thr Ser Ala Ser Ile Arg 65 70 75 80 Leu Gly Ser Tyr Ile Pro Phe Ile Ser Ile Asn Asp Arg Asn Phe Ser 85 90 95 Leu Arg Asn Asn Arg Ser Ser Ile Lys Lys Ile Leu Phe Leu Asp Gly 100 105 110 Tyr Phe Asn Gln Asn Trp Thr Tyr Asn Ser Leu Lys Asp Ala Phe Met 115 120 125 Pro Leu Lys Leu Lys Pro Ile Glu Leu Asn Lys Glu Cys Leu Gln Val 130 135 140 Cys Lys Asn Asp Val Val Ile His Leu Arg Gly Gly Asp Phe Leu Lys 145 150 155 160 Ile Pro Asn Leu Asn Ile Cys Asn Phe Glu Tyr Tyr Lys Lys Ser Ile 165 170 175 Ser Tyr Ala Ile Ser Lys Gly Tyr Tyr Ser Phe Lys Leu Ile Ser Glu 180 185 190 Asp Gln Ile Tyr Gly Lys Ala Ile Leu Lys Glu Ile Lys Lys Cys Phe 195 200 205 Val Gly Leu Lys Ile Gln Leu Leu Asp Ser Tyr Ser Ile Lys Asn Asp 210 215 220 Phe Asn Leu Ile Arg Ser Ser Lys Leu Ala Ile Leu Ser Asn Ser Thr 225 230 235 240 Phe Ser Trp Trp Ala Ser Phe Leu Ser Thr Ser Lys Lys Glu Phe Ile 245 250 255 Val Pro Lys Asn Phe Ser Ile Lys Glu Lys Arg Ile Ile Leu Pro Asn 260 265 270 Glu Thr Ile Val Asn 275 277 <210> 2 <211> 831 <212> DNA <213> Prochlorococcus marinus (MED4) <400> 2 atg ctt ttt tca cga ata gta ggt gga ctg ggc aac caa ctg ttc cag 48 Met Leu Phe Ser Arg Ile Val Gly Gly Leu Gly Asn Gln Leu Phe Gln 1 5 10 15 ata gct gct tgc ttg aaa tat aga aat cga aga gaa aaa gta att att 96 Ile Ala Ala Cys Leu Lys Tyr Arg Asn Arg Arg Glu Lys Val Ile Ile 20 25 30 tct ttc tta gga gat att cat gtt cct aaa aga att aat tgt tta gat 144 Ser Phe Leu Gly Asp Ile His Val Pro Lys Arg Ile Asn Cys Leu Asp 35 40 45 tat att ttt gta aga cct aat tgg cta tgt ttt gat aat tca cat aat 192 Tyr Ile Phe Val Arg Pro Asn Trp Leu Cys Phe Asp Asn Ser His Asn 50 55 60 tta aat tta aca acg caa att att gct aaa aca tcc gcc tcc ata aga 240 Leu Asn Leu Thr Thr Gln Ile Ile Ala Lys Thr Ser Ala Ser Ile Arg 65 70 75 80 ttg ggg agc tat ata cca ttt ata agt att aat gat aga aat ttc agt 288 Leu Gly Ser Tyr Ile Pro Phe Ile Ser Ile Asn Asp Arg Asn Phe Ser 85 90 95 tta aga aat aat cgt tct tct ata aaa aaa ata tta ttt tta gat gga 336 Leu Arg Asn Asn Arg Ser Ser Ile Lys Lys Ile Leu Phe Leu Asp Gly 100 105 110 tat ttc aac caa aac tgg aca tac aat agt tta aaa gat gca ttt atg 384 Tyr Phe Asn Gln Asn Trp Thr Tyr Asn Ser Leu Lys Asp Ala Phe Met 115 120 125 ccg tta aag tta aag cca ata gaa ctt aat aaa gaa tgt ctt caa gtt 432 Pro Leu Lys Leu Lys Pro Ile Glu Leu Asn Lys Glu Cys Leu Gln Val 130 135 140 tgc aaa aac gat gta gtc att cat tta agg ggt ggt gac ttc ctc aaa 480 Cys Lys Asn Asp Val Val Ile His Leu Arg Gly Gly Asp Phe Leu Lys 145 150 155 160 ata cca aac ttg aat att tgt aat ttt gag tac tat aaa aaa tca ata 528 Ile Pro Asn Leu Asn Ile Cys Asn Phe Glu Tyr Tyr Lys Lys Ser Ile 165 170 175 agt tac gcc ata tca aag gga tat tat tct ttc aaa tta att tct gaa 576 Ser Tyr Ala Ile Ser Lys Gly Tyr Tyr Ser Phe Lys Leu Ile Ser Glu 180 185 190 gat caa ata tat gga aaa gca att tta aaa gaa atc aaa aaa tgt ttt 624 Asp Gln Ile Tyr Gly Lys Ala Ile Leu Lys Glu Ile Lys Lys Cys Phe 195 200 205 gtt ggt tta aaa ata caa ctg tta gat tct tat tcc att aaa aat gat 672 Val Gly Leu Lys Ile Gln Leu Leu Asp Ser Tyr Ser Ile Lys Asn Asp 210 215 220 ttt aat ctc atc aga tct tca aaa tta gca atc cta agt aac agt act 720 Phe Asn Leu Ile Arg Ser Ser Lys Leu Ala Ile Leu Ser Asn Ser Thr 225 230 235 240 ttt tca tgg tgg gcg tct ttt cta tca act tca aaa aaa gaa ttt ata 768 Phe Ser Trp Trp Ala Ser Phe Leu Ser Thr Ser Lys Lys Glu Phe Ile 245 250 255 gtt cca aaa aat ttc tca ata aaa gaa aaa cga ata att ctt cca aat 816 Val Pro Lys Asn Phe Ser Ile Lys Glu Lys Arg Ile Ile Leu Pro Asn 260 265 270 gaa act ata gta aat 831 Glu Thr Ile Val Asn 275 <210> 3 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 3 tctatcgata tgcttttttc acgaatagt 29 <210> 4 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 4 tgtggatcct taatttacta tagtttcat 29
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はα1,2−フコース転移酵素発現プラ
スミドpNM1の造成工程を示す。
【符号の説明】 Ampr:アンピシリン耐性遺伝子 Ptrp:Ptrpプロモーター fucT:α1,2−フコース転移酵素遺伝子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 19/44 (C12N 1/21 //(C12N 1/21 C12R 1:19) C12R 1:19) (C12N 9/10 (C12N 9/10 C12R 1:19) C12R 1:19) C12N 15/00 ZNAA (72)発明者 遠藤 徹夫 東京都町田市旭町3丁目6番6号 協和醗 酵工業株式会 社 東京研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA10 CA04 DA06 EA04 GA11 GA19 HA01 HA12 4B050 CC01 CC03 DD02 LL01 4B064 AF03 AF04 AF21 AF41 CA02 CA19 CA21 CB30 CC03 CC24 CD09 CD12 DA01 4B065 AA01Y AA26X AA83Y AB01 AC14 BA25 CA29 CA44

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1で表されるアミノ酸配列から
    なる蛋白質。
  2. 【請求項2】 配列番号1で表されるアミノ酸配列にお
    いて1個以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加され
    たアミノ酸配列からなり、かつα1,2−フコース転移
    酵素活性を有する蛋白質。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の蛋白質をコー
    ドするDNA。
  4. 【請求項4】 配列番号2で表される塩基配列を有する
    DNA。
  5. 【請求項5】 配列番号2で表される塩基配列を有する
    DNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
    し、かつα1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白
    質をコードするDNA。
  6. 【請求項6】 DNAがラン藻(Cyanobacteria)に属す
    る微生物由来のDNAである、請求項3〜5のいずれか
    1項に記載のDNA。
  7. 【請求項7】 ラン藻に属する微生物由来のDNAが、
    プロクロロコッカス(Prochlorococcus)属に属する微生
    物由来のDNAである、請求項3〜6のいずれか1項に
    記載のDNA。
  8. 【請求項8】 プロクロロコッカス(Prochlorococcus)
    属に属する微生物が、プロクロロコッカス・マリナス(P
    rochlorococcus marinus)(MED4)であることを特徴とす
    る、請求項7に記載のDNA。
  9. 【請求項9】 請求項3〜8のいずれか1項に記載のD
    NAをベクターに組み込んで得られる組換え体DNA。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の組換え体DNAを宿
    主細胞に導入して得られる形質転換体。
  11. 【請求項11】 宿主細胞がエシェリヒア・コリであ
    る、請求項10に記載の形質転換体。
  12. 【請求項12】 請求項10または11に記載の形質転
    換体を培地に培養し、培養物中にα1,2−フコース転
    移酵素活性を有する蛋白質を生成蓄積させ、該培養物か
    ら該蛋白質を採取することを特徴とする、α1,2−フ
    コース転移酵素活性を有する蛋白質の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項10または11に記載の形質転
    換体の培養液または該培養液の処理物を酵素源として用
    い、該酵素源、グアノシン−5’−二リン酸フコースお
    よび受容体糖質を水性媒体中に存在せしめ、該水性媒体
    中でフコース含有糖質を生成蓄積させ、該水性媒体中か
    らフコース含有糖質を採取することを特徴とするフコー
    ス含有糖質の製造法。
  14. 【請求項14】 培養液の処理物が、培養液の濃縮物、
    培養液の乾燥物、培養液を遠心分離して得られる菌体、
    該菌体の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物、該菌体の界面活
    性剤処理物、該菌体の超音波処理物、該菌体の機械的摩
    砕処理物、該菌体の溶媒処理物、該菌体の酵素処理物、
    該菌体の蛋白質分画物、該菌体の固定化物あるいは該菌
    体より抽出して得られる酵素標品であることを特徴とす
    る、請求項13に記載の製造法。
  15. 【請求項15】 受容体糖質が、非還元末端にガラクト
    ースを有するオリゴ糖を含む糖質であることを特徴とす
    る、請求項13に記載の製造法。
  16. 【請求項16】 オリゴ糖が、ラクトース、N−アセチ
    ルラクトサミン、グロボトリオース、ルイスX、ルイス
    a構造を有することを特徴とする、請求項15に記載の
    製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8003369B2 (en) 2005-11-29 2011-08-23 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Bacteriolytic agent

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