JP4274748B2 - βグルカン含有油脂組成物を用いたベーカリー製品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微生物類由来または担子菌類由来のβグルカンを含有する油脂組成物に関するもので、本発明の油脂組成物は、βグルカンが油脂中に均一に分散しており、食品等に使用することにより、生体調節機能を有するβグルカンを食品等に均一に分散でき、かつ該食品等の食味、食感、風味等を向上させる効果を有するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
βグルカンは、近年その優れた生体調節機能性、例えば、脂質代謝改善作用、整腸作用、血糖値上昇抑制等、あるいは、抗腫瘍効果や免疫増強作用が解析され、その利用が注目されている素材である。このような素材を加工食品にて広く利用することは、加工食品の機能性増強(高付加価値化)に寄与するのみならず、広く国民の健康維持への貢献が期待され、極めて有用なことである。βグルカンは、多くの生物体、例えば、微生物類、担子菌類、植物に含まれており、主にこれら生物体の骨格をなすものであり、βグルカンの大部分は細胞壁を構成する成分として存在している。その構造は、1−2,1−3,1−4,1−6−β−D−グルコピラノース結合の少なくとも2種類以上を有するグルコースの重合体を主成分とする。
【0003】
特表2001−501996号公報では、穀類やイネ科植物由来のβグルカンについて検討されているが、穀類やイネ科植物由来のβグルカンは、ポリフェノールを含む場合があり、着色という問題が生じることがあった。さらに、含有量が少なく高価であるとの問題もあり、食品への応用は限界があった。
一方、微生物類や担子菌類の中には培養条件によって細胞壁成分と同様の上記βグルカンを菌体外へ分泌する菌株が存在している。微生物類や担子菌類の細胞壁には多量のβグルカンが含まれている。
【0004】
このような、微生物類や担子菌類の菌体外へ分泌されたβグルカン、微生物類や担子菌類から分離、抽出、精製等の操作により採取されたβグルカン、微生物類や担子菌類の細胞壁成分、さらには菌体自身等の、微生物類や担子菌類由来のβグルカンを、加工食品に添加する方法としては、例えば、1)微生物類や担子菌類の培養菌体を加工食品原料へ直接添加する方法、2)培養により得た微生物類や担子菌類の細胞壁成分を分離・精製し加工食品原料へ添加する方法、3)菌体や分離された細胞壁成分からβグルカンを抽出し、抽出βグルカンを加工食品原料へ添加する方法、4)微生物類や担子菌類を培養した培養上清や培養上清から分離・精製したβグルカンを加工食品原料に添加する方法が考えられる。
しかし、上記の1)や2)の方法の場合、βグルカンの多くは分子量1万以上の高分子量体であり、水に難溶性を示すβグルカンも存在し、加工食品素材に均一に混合させることが非常に困難であり、結果として、βグルカンを添加した加工食品において食感の低下や焼けムラ等の製品価値の低下等の欠点が生じている。
【0005】
これに対して、上記の3)や4)の方法の場合は、βグルカンを比較的均一に加工食品に添加でき、βグルカンの含有量を任意に調節できる利点があり有用である。しかし、抽出・精製したβグルカンは吸水性が大きく、例えば、小麦粉を主成分とする生地原料にそのまま添加し、水を加えて混捏すると、βグルカンがダマになり、生地全体の中で不均一化を引き起こし、食味・食感の低下、品質の低下につながるという問題が発生する。また、予め水に溶解してから生地原料(主に粉体)に添加することで比較的均一に分散したβグルカン含有食品を得ることができるが、水に溶解させるのに時間がかかるのと同時に水溶液は粘性を呈し、均一な水溶液を得るのが容易ではなく、製造現場では作業性を損ない実際的ではないという欠点があった。
そこで、微生物類や担子菌類由来のβグルカンを含有する加工食品を製造するにあたり、βグルカンを均一に分散でき、且つ簡便に同加工食品を製造する方法あるいは、そのようなβグルカン材料の開発が待たれていた。
【0006】
従って、本発明の目的は、優れた生体調節機能性を有するβグルカンを食品に均一に分散でき、かつ該食品の食味、食感等を低下させることのないβグルカン材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、微生物類や担子菌類由来のβグルカンを使用し、これらを油脂または油脂組成物中に分散、混合させることにより、上記目的を達成するβグルカン材料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
即ち、本発明は、油脂に微生物類由来または担子菌類由来のβグルカンを添加、混合したβグルカン含有油脂組成物を用いて調製した生地を焼成してなることを特徴とするベーカリー製品を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のβグルカン含有油脂組成物を詳細に説明する。
本発明の油脂組成物に用いられるβグルカンは、微生物類または担子菌類から得られる、微生物類由来のβグルカンまたは担子菌類由来のβグルカンである。
【0010】
まず、本発明で用いられる上記微生物類由来のβグルカンについて説明する。微生物類は、細胞自身がその細胞壁に多量のβグルカンを含有しているので、上記微生物類由来のβグルカンとしては、微生物類をそれぞれの増殖培地に接種し菌体を増殖させることで得られる培養細胞をそのまま、また該培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残査を用いることができる。また、上記培養細胞または上記培養細胞壁残査より抽出されたβグルカンをそのまま、あるいは該抽出βグルカンを精製したもののいずれも用いることができる。また、微生物類を培養することによって菌体外に分泌生産されたβグルカンを利用することも可能であり、その場合は、培養終了後の培養液をそのまま、あるいは培養液から単離・精製されたβグルカンを用いることができる。
【0011】
これらのうち、微生物類をそれぞれの増殖培地に接種し菌体を増殖させることで得られる培養細胞をそのまま使用した場合、細胞内容物が、添加対象物の加工食品の食味・食感の低下あるいは物性の低下を引き起こす惧れがあるので、該培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残査を用いるのが好ましく、さらに、上記培養細胞または上記培養細胞壁残査より抽出されたβグルカンをそのまま、あるいは精製して用いるのがさらに好ましく、さらに、菌体外に分泌生産されたβグルカンを培養液とともに、あるいは培養液から精製したものを用いるのが最も好ましい。
【0012】
上記βグルカンを得るに適した微生物類は、従来より食用に供せられている微生物類が安全性が高く適している。即ち、酵母菌、乳酸菌、納豆菌、酢酸菌、麹菌、クロレラやスピルリナ等の藻類、アウレオバシジウム(Aureobasidium) 属に属する微生物等である。これらは、環境中(例えば食品、土壌、室内等)より分離された当該微生物を用いることができる。また、単菌分離された保存株あるいは分離株、さらにはそれらを常法に従い変異操作を実施した変異株を用いることができる。変異操作の例としては、例えばUV照射、あるいはニトロソグアニジン、エチジウムブロマイド、メタンスルホン酸エチル、亜硝酸ナトリウム等による化学処理等が挙げられる。
【0013】
上記酵母菌としては、ビール、発泡酒、焼酎、日本酒、ワイン、ウイスキー等のアルコール醸造や製パン工程で使用されるサッカロマイセス(Saccharomyces) 属に分類される酵母類や、圧搾パン酵母、醤油醸造で使用される酵母類、微生物蛋白質生産に使用されるキャンディダ(Candida) 属の酵母菌等が挙げられる。
【0014】
上記乳酸菌としては、桿菌のラクトバシラス(Lactobacillus) 属やビフィドバクテリウム(Bifidobacterium) 属、球菌のロイコノストック(Leuconostoc) 属、ペディオコッカス(Pediococcus) 属、ストレプトコッカス(Streptococcus) 属、ラクトコッカス(Lactococcus) 属の乳酸菌が通常使用されるが、その他、エンテロコッカス(Enterococcus)属、バゴコッカス(Vagococcus)属、カルノバクテリウム(Carnobacterium)属、アエロコッカス(Aerococcus)属、テトラゲノコッカス(Tetragenococcus) 属の乳酸菌を利用することができる。具体的な乳酸菌株としては、ラクトバシルスブルガリス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバシルスヘルベティカス(L.helveticus)、ラクトバシルスアシドフィルス(L.acidophilus) 、ラクトバシルスラクティス(L.lactis)、ラクトバシルスカゼイ(L.casei) 、ラクトバシルスブレビス(L.brevis)、ラクトバシルスプランタラム(L.plantarum) 、ラクトバシルスサケ(L.sake)、ストレプトコッカスサーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ストレプトコッカスラクティス(S.lactis)、ストレプトコッカスクレモリス(S.cremoris)、ビィフィドバクテリウムロンガム(Bifidobacterium longum)、ビィフィドバクテリウムビィフィダム(B.bifidum) 、ビィフィドバクテリウムブレーベ(B.breve) 、ビィフィドバクテリウムインファンティス(B.infantis)、ロイコノストッククレモリス(Leuconostoc cremoris)、ロイコノストックメセンテロイデス(Ln.mesenteroides)、ロイコノストックオクノス(Ln.ocnos)、ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)、ペディオコッカスセレビシエ(P.cerevisiae)、ペディオコッカスペントサセウス(P.pentosaceus) 等の従来使用されている乳酸菌の1種類または2種類以上を使用できる。これらは単品で使用してもよく、2種類以上を共生させてもよい。また、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium) 属の乳酸菌の培養とその他の乳酸菌の培養とを別々に行い、これらを混合してもよい。
【0015】
上記アウレオバシジウム(Aureobasidium) 属に属する微生物としては、当該微生物を培養することによって菌体外にβ結合を有するグルコース重合体を生産する菌株であるならばいずれでもよく、その例としてはアウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans) の菌株であり、具体的にはIFO4464 、IFO4466 、IFO6353 、IFO7757 、ATCC9348、ATCC3092、ATCC42023 、ATCC433023等を用いることができる。その他、環境中(例えば食品、土壌、室内等)により分離された当該微生物を用いることができる。また、単菌分離された保存株あるいは分離株、さらにはそれらを常法に従い変異操作を実施した変異株を用いることができる。変異操作の例としては、例えばUV照射、あるいはニトロソグアニジン、エチジウムブロマイド、メタンスルホン酸エチル、亜硝酸ナトリウム等による化学処理等が挙げられる。
【0016】
その他、納豆菌であるバシルス(Bacillus)属の菌株、酢酸菌であるアセトバクター(Acetobactor) 属の菌株、麹菌類であるアスペルギルス(Aspergillus) 属やペニシリウム(Penicillium) 属の菌株、クロレラやスピルリナ等の藻類、乾燥クロレラ粉末、プルランを菌体外に分泌生産することが知られているアウレオバシジウム(Aureobasidium) 属の菌株、その他食品添加物として使用される増粘多糖類を生産することが知られているキサントモナス(Xanthomonas) 属、アエロモナス(Aeromonas) 属、アゾトバクター(Azotobactor) 属、アルカリゲネス(Alcaligenes) 属、エルウィナ(Erwinia) 属、エンテロバクター(Enterobactor)属、スクレロティウム(Sclerotium)属、シュードモナス(Pseudomonas) 属、アグロバクテリウム(Agrobacterium) 属、マクロホモプシス(Macrophomopsis)属の菌株を用いることができる。
【0017】
次に、本発明で用いられる上記担子菌類由来のβグルカンについて説明する。担子菌類は、子実体や菌糸が塊状に集合した菌核に多量のβグルカンを含有しているので、子実体や菌核を微粉砕したもの、あるいは粉砕物から抽出された抽出物、あるいは抽出物からβグルカンを精製したもの等、いずれのものも担子菌類由来のβグルカンとして用いることができる。また、担子菌類の胞子を発芽させ、菌糸体をそれぞれの増殖培地に接種し菌体を増殖させることで得られる培養細胞をそのまま、また該培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残査を用いることができる。また、上記培養細胞または上記培養細胞壁残査より抽出されたβグルカンをそのまま、あるいは該抽出βグルカンを精製したもののいずれも担子菌類由来のβグルカンとして用いることができる。また、担子菌類を培養することによって菌体外に分泌生産されたβグルカンを利用することも可能であり、その場合は、培養終了後の培養液をそのまま、あるいは培養液から分離・精製されたβグルカンを担子菌由来のβグルカンとして用いることができる。
【0018】
これらのうち、子実体や菌核を微粉砕したβグルカンや、それらから抽出されたβグルカン、胞子や菌糸体をそれぞれの増殖培地に接種し菌体を増殖させることで得られる培養細胞をそのまま使用した場合は、細胞内容物が、添加対象物の加工食品の食味・食感の低下あるいは物性の低下を引き起こす惧れがあるので、該培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残査を用いるのが好ましく、さらに、上記培養細胞または上記培養細胞壁残査より抽出されたβグルカンをそのまま、あるいは精製して用いるのがさらに好ましく、さらに、菌体外に分泌生産されたβグルカンを培養液とともに、あるいは培養液から精製したものを用いるのが最も好ましい。
【0019】
担子菌類としては栽培品種が最も好ましいが、商業生産に供せられていない担子菌類からのβグルカンも本発明に利用することができる。例としては、アガリクス・ブラゼイ、アミガサタケ、アミタケ、エゾハリタケ、エノキタケ、カンゾウタケ、キクラゲ、キヌガサタケ、クリタケ、サケツバタケ、ササクレヒトヨタケ、サンゴハリタケ、シイタケ、ショウロ、シロキクラゲ、シロタモギタケ、スギヒラタケ、タモギタケ、チョレイマイタケ、ツバヒラタケ、冬中夏草、ナメコ、ナラタケ、ナラタケモドキ、ニオウシメジ、ニカワウロコタケ、ニカワハリタケ、ヌメリスギタケ、ヌメリスギタケモドキ、ハツタケ、ヒラタケ、ブクリョウ、フクロタケ、ブナシメジ、ブナハリタケ、ホンシメジ、マイタケ、マスタケ、マツオウジ、マッシュルーム、マツタケ、マンネンタケ、ムキタケ、ムラサキシメジ、ヤマドリタケ、ヤマブシタケ、ヤナギマツタケ等が挙げられる。
【0020】
上記の微生物類や担子菌類の培養細胞壁残査をβグルカンとして単離する方法としては、培養した微生物類や培養した菌糸体あるいは栽培した菌核や子実体に適当量の溶媒を加え、自己消化あるいは加水分解酵素の添加により細胞壁の一部を破壊し内容物を流去させて、残査成分を回収することで培養細胞壁残査をβグルカンとして単離する方法が挙げられる。また、フレンチプレスや超音波破砕機等の物理的力により微生物類や担子菌類の細胞にダメージを与え一部を破壊し、内容物を除去し、残査を回収することでβグルカンとして得る方法もある。
【0021】
βグルカンの抽出方法は、特に制限はなく、抽出原料となる微生物類または担子菌類に、抽出溶媒を添加し抽出すればよい。抽出溶媒は、水、塩溶液、酸水溶液、アルカリ水溶液、有機性溶媒等の一種または二種以上の混合溶媒等を用いることができる。また、細胞壁を分解する酵素を併用することで抽出効率を高めることができる。抽出物は、固液分離された場合の抽出液そのもの、あるいは抽出液より公知の方法で抽出されたβグルカンを濃縮した液体や固体状のもの、あるいは抽出液より公知の方法で精製し純度を上げた液体や固体状のもの等、いずれの製造方法で得たものでも、いずれの形態のものでも、いずれの純度のものでも使用可能である。もちろんβグルカン以外の抽出された成分が混合していても何ら問題はない。本発明では、これらを全て微生物類または担子菌類から抽出されたβグルカンという。
【0022】
さらに、βグルカンの微生物類または担子菌類からの抽出方法を説明すると、本発明で用いられるβグルカンは、水溶性高分子として水等の溶媒に溶解させることができ、例えば担子菌である一般に市販されているキノコを乾燥させ、粉砕した粉末に、水、温水、熱水あるいは塩溶液、さらには酸、アルカリ性の水溶液、有機溶媒等を用いて、対粉2〜100倍量の溶媒にて任意の時間、任意の温度で抽出することができる。さらに抽出液を固液分離してβグルカンを得ることができる。これらの中でも、水、温水または熱水で抽出されたβグルカンが好ましく、温度80℃以下4℃以上の水で抽出されたβグルカンがより好ましい。さらに抽出時に酵素溶液等の抽出促進剤等を加えてもよい。
【0023】
本発明に用いられるβグルカンは、1−2−β−D−グルコピラノース結合、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合、1−6−β−D−グルコピラノース結合を少なくとも2種類以上有するβグルカンが好ましく、特に1−3−β−D−グルコピラノース結合および1−4−β−D−グルコピラノース結合よりなるβグルカン、1−3−β−D−グルコピラノース結合および1−6−β−D−グルコピラノース結合よりなるβグルカン、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合および1−6−β−D−グルコピラノース結合よりなるβグルカンを含有することが好ましい。ただし、1−3−β−D−グルコピラノース結合からなる、いわゆるカードランは、本発明ではβグルカンに含めない。
【0024】
また、本発明に用いられるβグルカンは、高分子体で、いずれの重量平均分子量を持つβグルカンも使用可能であるが、分子量の低下と共に油脂との相和性がよくなるため、分子量300万以下、好ましくは50万以下、さらに好ましくは10万以下のものがよい。抽出されたβグルカンは、油脂との相和性が良くなるように、公知の方法で低分子化してもよく、直接低分子量のβグルカンを抽出してもよい。
【0025】
上記の微生物類由来または担子菌類由来のβグルカンを混合、分散させる油脂または油脂組成物は、食用に供することができれば特に制限されない。例えば、米油、菜種油、大豆油、綿実油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、オリーブ油、魚油、牛脂、豚脂、カカオ脂、あるいはそれらを必要に応じ加工した硬化油、微水添油、異性化水添油、エステル交換油、分別油またはこれらの2種以上の加工を行なった油、並びにこれらの油脂の2種以上を混合した油脂等のいずれも使用可能である。さらに、これらの食用油脂の乳化物(W/O乳化物あるいはO/W乳化物、さらにはO/W/O乳化物、W/O/Wの2重乳化物、またはそれ以上の高次乳化構造のエマルジョンを含む)や懸濁物等、油脂を分散媒または分散質とする分散系を使用することができる(以下、本明細書中では該分散系も油脂とする)。
【0026】
本発明のβグルカン含有油脂組成物は、上記油脂に上記βグルカンを添加後、混合させて得ることができる。
上記βグルカンの上記油脂への添加方法は、βグルカンの形態には特に制限はなく、βグルカンをそのまま、あるいはβグルカンを水やその他の水溶性の溶媒に溶解させて、油脂に添加することができる。
【0027】
上記油脂が乳化物の場合、既に乳化している油脂にβグルカンを添加させることも、乳化時にβグルカンを添加させることもできる。また、この際、βグルカンを油相、水相のいずれに添加することも可能であるが、まずβグルカンを油相に添加、分散させた後、水相と混合するほうが、βグルカンが油脂と良好に相和し、かつ均質な油脂組成物となり、βグルカン含有油脂組成物が短時間で得られるので好ましい。
【0028】
また、上記油脂が油中水型エマルジョンまたはこれを可塑化したもの等の場合は、上述のように油脂にβグルカンを添加してから乳化させることができる他、乳化時にβグルカンを添加することも、乳化後にβグルカンを添加することも、可塑化の後にβグルカンを添加することもできる。また、上記油脂が固体脂の場合は、必要に応じ適切な方法により軟化あるいは液状化させてβグルカンを混合することができる。さらに、高度に均一な状態でβグルカンを分散させるためには、粉体状のβグルカン100重量部に対して10〜50重量部の油脂を添加し混合させた後、ロール掛けあるいはロール掛けに加えてコンチングを行なうことが望ましい。この際、他の原料の添加や追油等により、得ようとするβグルカン含有油脂組成物中の該βグルカン成分含有量を調整することもできる。
【0029】
上記油脂に上記βグルカンを添加後の混合方法は特に限定されないが、βグルカンを油脂と混合し50℃以上に一定時間、好ましくは5分以上6時間以下、さらに好ましくは10分以上2時間以下保持することにより、βグルカンが均一に分散し、かつ十分に油脂と相和したβグルカン含有油脂組成物を得ることができるので好ましく、このβグルカン含有油脂組成物を用いて製造された食品は、βグルカンを直接添加する場合に比較してβグルカンが食品全体に均一に分散し、結果として、食味・食感を減じることなく、意外にも乳化剤の使用に起因した風味抑制を緩和する作用のあることや食品の風味発現の向上効果等の効果が著しい。
【0030】
上記油脂と上記βグルカンとの混合手段は特に限定されず、各種の混合・混練、撹拌機を用いることができる。例えば、プロペラ型撹拌機、往復回転型撹拌機、オリフィス混合機、かい型撹拌機、撹拌型乳化機(ホモミキサー)、カッターミキサー、コニーダー、コンチェ機、サイレントカッター、ジェットミキサー、真空撹拌機、スクリュー型混合機、スタティックミキサー、カッティングミキサー、超音波乳化機、ニーダー、ロール、ハイドロッシャー、パイプラインミキサー、ユニバーサルミキサー、ピン・マシン、ホモジナイザー(高圧均質機)、ボールカッター、リボンミキサー等を挙げることできる。好ましくは品温40℃以上80℃以下で撹拌型乳化機(ホモミキサー)および/またはホモジナイザー(高圧均質機)を使用するのが好ましい。
【0031】
本発明のβグルカン含有油脂組成物は、上記βグルカンと上記油脂とを上記方法で混合撹拌後、そのまま保存もしくは乳化物としても良く、さらには急冷可塑化させてもよい。この場合、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター、コンプレクター、オンレーター等が使用できるが、品温10℃以下でピン・マシンを使用するのが好ましい。また、上記油脂を乳化し、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター、コンプレクター、オンレーター等の急冷可塑化装置を使用した後、上記βグルカンを添加し、上記いずれかの方法でβグルカン含有油脂組成物を調製してもよい。
【0032】
上記βグルカンの含有量は、本発明の組成物中、該βグルカン以外の全組成物100重量部に対して、好ましくは0.01〜500重量部、より好ましくは0.1〜150重量部、特に好ましくは1〜100重量部である。βグルカンの含有量が0.01重量部未満であると、最終製品での該βグルカンの機能性効果が得られないおそれがあり、500重量部を超えると、その他の成分の種類に拘わらず粉末状乃至ソボロ状となり、均一にβグルカンが混合、分散した食用油脂組成物とはならず、最終製品とした時にダマが残りβグルカンの分布が不均一になってしまう傾向が強い。
なお、微生物類または担子菌類からの抽出液を精製を行わずそのまま、あるいは該抽出液を粉体化、固体化処理のみを行なったものをそのまま使用する場合、該成分中のβグルカンの純度は、1〜100%、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは20〜100%であれば良く、高純度であればある程良い。
【0033】
本発明のβグルカン含有油脂組成物には、該組成物中でβグルカンがダマや固まりになる等の不均一化をよりいっそう抑制するために、乳化剤、ゲル化剤、増粘剤、安定剤等の食品添加物を添加することも可能である。これらは食用であれば特に限定されず、乳化剤としては、例えば、レシチン、脂肪酸モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、シュガーエステル等が挙げられ、増粘剤、安定剤としては、例えば、プルラン、サイリウム、アラビアガム、ジェランガム、グルコマンナン、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、アルギン酸塩、ファーセルラン、ローカストビーンガム、ペクチン、カードラン及びそれらの低分子化物、澱粉、化工澱粉、各種α化デンプン、結晶セルロース、ゼラチン、デキストリン、寒天、デキストラン等が挙げられる。その他、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチェロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム等の糖類、リン酸塩(ヘキサメタリン酸、第2リン酸、第1リン酸)、クエン酸のアルカリ金属塩(カリウム、ナトリウム等)等の安定剤、α−ラクトアルブミンやβ−ラクトグロブリン、血清アルブミン等のホエイ蛋白質、カゼイン、その他の乳蛋白質、低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質、オボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド等の卵蛋白質、グリアジン、グルテニン、プロラミン、グルテリン等の小麦蛋白質、その他動物性及び植物性蛋白質等の蛋白質、食塩、岩塩、海塩、塩化カリウム等の無機塩類、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、β−カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、全卵、卵黄、卵白、酵素処理卵等の卵類、強力粉、中力粉、薄力粉等の穀類、大豆粉末等の豆類、水、着香料、乳製品、調味料、pH調整剤、酵素、食品保存料日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダーを含有させてもよい。これら上記に挙げた添加物の2種以上の併用も可能である。これらの添加物の添加量は特に限定されず、一般的な量であることができ、本発明の組成物中、例えば、0.01〜15重量%である。
【0034】
次に、本発明の食品について詳述する。本発明の食品は、上述した本発明のβグルカン含有油脂組成物を含有しているものであり、該油脂組成物をもって、食品中の従来の油脂の一部または全部を置換したものである。その態様としては、マーガリン、ショートニング等の油脂食品はもちろん、ベーカリー製品、製菓類、米加工品、小麦加工品、トウモロコシ加工品、大豆加工品、健康食品、薬用食品の他、油脂を含むあらゆる食品が挙げられる。また、本発明の食品は、例えば、サラダオイル、揚油、ホイップクリーム等の液状物、流動ショートニング等の流動状物、あるいは起泡性乳化脂やドレッシング、ファットスプレッド、カスタードクリーム、ディップクリーム等のペースト状物またはエマルジョン、あるいはショートニング、マーガリン、キャンディー、チョコレート、カレールー等の固体状物のいずれであっても、これらの食品中の油脂の一部または全部を本発明のβグルカン含有油脂組成物で置換して、従来と同様の使用態様で用いられるものである。
【0035】
次に、本発明のベーカリー製品について詳述する。本発明のベーカリー製品は、上述した本発明のβグルカン含有油脂組成物を含有しており、該油脂組成物をもって、ベーカリー製品中の従来の油脂の一部または全部を置換して生地を調製し、該生地を焼成したものである。その態様としては、例えば、パン、パイ、カステラ、スポンジケーキ、バターケーキ、シュー菓子、ワッフル、醗酵菓子等が挙げられる。上記生地を調製する方法は特に限定されず、従来公知の方法で用いられている油脂の一部または全部を、本発明のβグルカン含有油脂組成物で置換することにより行なうことができる。例えば、本発明のベーカリー製品がパンである場合、パン生地の調製においては、小麦粉、水、イースト、砂糖、食塩等の一般的製パン原料と、本発明のβグルカン含有食用油脂組成物とを公知の操作と同一の操作に付することによりパン生地を得ることができる。例えば混捏後、本発明のβグルカン含有油脂組成物をロールインし、一般的方法に従い、醗酵、成形、焙炉等を行い焼成することができる。同様に例えば、本発明のベーカリー製品が折パイであれば、ロールイン油脂または練込油脂の一部または全部を、練パイであれば、チップ状またはストロー状等の小片油脂の一部または全部を、スポンジケーキであれば、起泡性乳化脂またはケーキ用液状油の一部または全部を、本発明のβグルカン含有油脂組成物で置換して使用することができる。
【0036】
ベーカリー製品が焼成工程を伴うものである場合、微生物類や担子菌類をβグルカンの供給源としてそのまま添加、使用したり、生地作成後にβグルカンをそのまま添加したり、粉体等にβグルカンをそのまま混合後生地作成を行うと、生地中でダマになりやすく、ダマや固まりになった場合は、食品にざらつき感やつぶつぶ感、水分の不均一さ、固さの違いに起因した違和感が発生する。一方、本発明のβグルカン含有油脂組成物を利用することによって、βグルカンが均一に分散した、ダマや固まりの極めて少ない生地が得られ、焼成した最終製品は、異味を感じないばかりか、ソフトさが大幅に増した食感の良いベーカリー製品となる。
【0037】
次に、本発明の製菓類について詳述する。本発明の製菓類は、上述した本発明のβグルカン含有油脂組成物を含有しており、該βグルカン含有油脂組成物をもって、製菓類中の従来の油脂の一部または全部を置換して生地を調製し、該生地を加工したものである。その態様としては、例えば、生地をフライしたスナック、ドーナッツ類、蒸した蒸ケーキ、まんじゅう等の蒸菓子類が挙げられる。また、別の態様として、上述した本発明のβグルカン含有油脂組成物と、砂糖、香料等とを混合し、必要に応じて固化成形したキャンディー、ガム、チョコレート、打菓子等の他、ラクトアイス等の氷菓も挙げられる。
【0038】
製菓類として、風味のみでなく、食味、特に甘味を大切にする製菓類を得たい場合には、ダマがないことがさらに重要であって、極僅かなダマでも、直ちに違和感を生じてしまい、商品価値が低下する。本発明のβグルカン含有油脂組成物では、すでにβグルカンが均一に分散した形で存在しているため、製菓類に後添加、混合する場合でも、最終製品である本発明の製菓類は、含有するβグルカンが均一に分散し、ダマがなく、また異味の感じることのない良好な風味のものとなる。
【0039】
本発明のβグルカン含有油脂組成物は、生活習慣病予防作用を有する食品成分を含んだ食品または医薬品に添加し、その作用を増強するために使用可能である。例えば、血中脂質濃度を適正化する高不飽和脂肪酸(EPA、DHA)、血清コレステロールを調節する植物ステロール、およびそのエステル化物、ジアシルグリセロール、γリノレン酸、αリノレン酸、ビートファイバー、コーンファイバー、サイリウム種皮、茶ポリフェノール、レシチン、血圧降下に有効なカツオ節ペプチド、イワシペプチド、カゼインドデカペプチド、大豆分離蛋白質等、腸内環境を改善して整腸作用に働く乳酸菌、グルコン酸、オリゴ糖、各種食物繊維等を含む食品や医薬品である。その他、健康機能性を有することが知られている、クロレラ、スピルリナ、プロポリス、キチン、キトサン、核酸、霊芝、アガリクス、銀杏葉エキス、らかん果、ウコン、ガルシニア、アップルファイバー、ギムネマ、コラーゲン、ブルーベリー、アロエ、ノコギリヤシ、植物発酵酵素、大豆イソフラボン、葉緑素、ローヤルゼリー、高麗人参、プルーン、カモミール、タイム、セージ、ペパーミント、レモンバーム、マロウ、オレガノ、キャットニップティー、ヤロー、ハイピスカス等のハーブ類に、本発明のβグルカン含有油脂組成物を添加して生体調節機能性を増強した食品または医薬品を得ることができる。
【0040】
また、本発明のβグルカン含有油脂組成物は、米加工品、小麦加工品、トウモロコシ加工品、大豆加工品に添加して、機能性を付与、増強することが可能である。例えば、米飯類(冷凍米飯・無菌米飯);ビーフン、あられ、せんべい等の米加工品;上記に挙げたベーカリー製品、製菓類の他、パスタ、ソバ、うどん、ほうとう、中華麺等の麺類;その他小麦加工品;朝食シリアル、コーンフレークのようなトウモロコシ加工品;豆腐や豆乳、豆乳飲料、湯葉、油揚げ、厚揚げ、がんもどき、あん、みそ等の大豆加工食品が挙げられる。また、その他、牛乳、加工乳、ヨーグルト、乳清飲料、乳酸菌飲料;バター、チーズ等の乳製品;ようかん、最中、餡のような和菓子類;ポタージュスープ、シチュー、カレー等のスープ類;醤油、ソース、たれ、ジャム、トマトケチャップ等の調味料類;ソーゼージのような畜肉加工品;かまぼこ、さつま揚げ等の水産練り製品を始めとするあらゆる食品に添加することができる。
【0041】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお、「部」及び「%」は特記しない限り重量基準である。以下の実施例33、34、37及び38以外の実施例は参考例である。
【0042】
〔試験例1〕(βグルカンの確認と含有量の測定)
多糖中のβグルカンの分析は、アルコールによって沈殿する全多糖量をフェノール硫酸法にて測定し、引き続き沈殿させた多糖中のβグルカンの確認・定量を生化学工業(株)の(1-3)-β-D- 結合を含むβグルカンの検出・測定用キットを用いて行った。まず、測定サンプル中の全多糖量をフェノール硫酸法にて測定した。すなわち、サンプル溶液30μlに蒸留水30μlを加え、ここに300mMのNaClを含むリン酸緩衝液(pH6.9)を120μl加え、さらにエタノール640μl(3倍量)を添加し、−15℃に10分間放置して多糖を沈殿させた。上清を除去後、100μlの蒸留水を添加して溶解させた。ここに5%フェノール水溶液の100μl、硫酸500μlを加え、反応させた。サンプルを加えず蒸留水100μlにフェノール液、硫酸を加えたものをブランクとして、490nmの吸光度を測定した。なお、プルランの10mg/mlから2倍希釈系列を作成したものを標準サンプルとして使用して検量線を作成し、多糖量の定量を実施した。
【0043】
次に、全多糖量が1〜0.1mg/ml前後の溶液をまず、0.5MのNaOHにて10倍希釈し、引き続きβグルカンフリーの蒸留水にて希釈し、10-10 まで希釈液を調製した。βグルカン希釈液の50μlをチューブにとり、主反応試薬50μlを添加して、37℃にて30分間インキュベートした。続いて亜硝酸ナトリウム溶液50μl、スルファミン酸アンモニウム50μl、Nメチル2ピロリドン溶液50μlを加え、反応させた後、溶液の吸光度545nm(対象波長630nm)を測定した。なお、添付のβグルカン標準品で7.5〜60pg/mlのβグルカン溶液にて検量線を得て、各βグルカン溶液の濃度を算出した。
【0044】
〔試験例2〕(分子量の測定)
βグルカンの分子量測定は、以下の通りとした。すなわち、3倍量のアルコールを加え、−20℃に冷却して10分間放置し、沈殿を得た。沈殿させたβグルカン沈殿物の5mgをチューブに取り、1mlの蒸留水を加えて、沸騰水中で溶解させた。0.22μmのフィルターを通してHPLC用のサンプルとした。分離にはHPLCゲル濾過カラムであるShodexのパックドカラムKS−805(昭和電工社製)を用い、流速0.6ml/min.、温度50℃、検出にはRI検出器、分離溶媒は水で実施した。分子量マーカーとしてはShodexプルラン標準液P−82(昭和電工社製)を用いて測定した。
【0045】
〔製造例1〕(キノコ由来βグルカンの調製)
1)キノコ抽出液の調製
カワリハラタケの子実体を破砕し、粉砕して、その粉砕物10kgに熱水50リットルを加え、煮沸条件下で穏やかに撹拌しながら3時間、熱水抽出処理した。熱水抽出処理した後、遠心分離して、その分離液を得た。
【0046】
2)キノコ抽出液の精製物の調製
上記1)で得た分離液に3倍量の99%エチルアルコールを加えて、沈殿物を得て、凍結乾燥して、粗精製物1200g(キノコ由来βグルカン粗精製物:サンプルA)を得た。サンプルAの1g中に含まれるβグルカン量は、860mgと算出された。また、最大ピークの分子量は100万を示した。
【0047】
3)キノコ酵素処理抽出物の調製
アガリックスブラゼイの子実体1kgに2リットルの水を加えて、ミキサーで破砕した。これに2gのファンセラーゼ(ヤクルト社製)を添加して混合し、55℃で3時間、酵素反応を実施した。ついで、85℃に昇温し、10分間保持して酵素活性を失活させた。3リットルの蒸留水を加えよく混合した後、残査を除去し抽出液4.5リットル(キノコ酵素処理βグルカン抽出液:サンプルB)を得た。サンプルBの1ml中に含まれるβグルカン量は、93mgと算出された。また、分子量は1万〜80万に分布し、最大ピークは12万であった。
【0048】
4)キノコ菌糸体培養物の調製
500ml容の3角フラスコにグルコース馬鈴薯煮汁培地(グルコース2%、馬鈴薯200g/l)を120ml分注し、120℃、30分間滅菌を行い、別に斜面培養保存してあるエノキタケの菌糸(Flammulina velutipes)IFO-30602 を接種して、25℃で回転式培養装置にて200rpmで10日間の培養を行った。この三角フラスコ4本分を合わせて、生理食塩水で培地を洗浄し、凍結乾燥させて、乾燥菌糸体8gを得た。得られた菌糸体1gに10mlの0.2M水酸化ナトリウム溶液を加えて、15℃にて1昼夜、撹拌抽出を行った。抽出物はそのまま塩酸にてpH3.0とし、120℃にて30分間オートクレーブ処理した。遠心分離により上清を得てから、リン酸2ナトリウムにてpH7.0とし、3倍量のエチルアルコールを加えて沈殿を得た。沈殿に10mlの蒸留水を加えサンプルCを得た。サンプルCの1ml中に含まれるβグルカン量は、40mgと算出された。また、最大ピークの分子量は20万であった。
【0049】
〔製造例2〕(微生物由来βグルカンの調製)
1)菌体細胞壁の調製
リゾレシチンを0.5% となるように溶解させた水に、菌体を1g/mlの濃度となるように懸濁し、超音波破砕器にて10分間処理し、遠心分離にて上清を除去して、沈殿を凍結乾燥し、細胞壁成分とした。乳酸菌菌体として、市販の森永乳酸菌末(森永乳業社製)を使用して得られたものを乳酸菌体細胞壁(サンプルD)とし、酵母菌体として市販の圧搾パン酵母(ダイヤイースト:協和発酵社製)を使用して得られたものを酵母菌体細胞壁(サンプルE)とし、クロレラ菌体として市販の乾燥クロレラである、クロレラマイクロパウダー(日本クロレラ工業社製)を使用して得られたものをクロレラ菌体細胞壁(サンプルF)とした。各サンプルの10mgに1M水酸化ナトリウム溶液1mlを加え、50℃にて1昼夜抽出操作を実施した。遠心分離後の上清を蒸留水で100倍から10倍希釈系列を作成し、βグルカンの測定を実施したところ、各サンプル10mg中のβグルカン量は、サンプルDは2.8mg、サンプルEは4.9mg、サンプルFは3.5mgと算出された。次に分子量測定を実施した。各サンプルの10mgに1M水酸化ナトリウム溶液1mlを加え、50℃にて1昼夜抽出操作を実施し、遠心分離した上清に3倍量のエタノールを加え、沈殿物を1mlの蒸留水に溶解させた。各サンプルの平均重量分子量は、サンプルDが120万、サンプルEは200万、サンプルFは180万であった。
【0050】
〔製造例3〕(細胞壁からのアルカリ抽出物の調製)
1)キノコ細胞壁からのアルカリ抽出物の調製
ハナビラタケ試料100gに1%水酸化ナトリウムの1リットルを加え、65℃にて2時間撹拌抽出を行った。抽出残査を遠心分離で除去後、抽出液はHClにて中和してから、等量のエタノールを加えて沈殿物20g(キノコ細胞壁抽出βグルカン:サンプルG)を得た。サンプルGの1g中に含まれるβグルカン量は、500mgと算出された。また、最大ピークの分子量は120万であった。
【0051】
2)微生物細胞壁からのアルカリ抽出物の調製
市販の圧搾パン酵母より調製された細胞壁(酵母菌体細胞壁E)の100gに2%水酸化ナトリウムの1リットルを加えて、4℃にて24時間撹拌抽出した。遠心分離した抽出液をHClで中和し、2倍量のエタノールで沈殿させ、20gの抽出物(酵母菌体細胞壁抽出βグルカン:サンプルH)を得た。サンプルHの10mg中に含まれるβグルカン量は、4.2mgと算出された。また、最大ピークの分子量は160万であった。
【0052】
〔製造例4〕(微生物培養液の調製)
1)乳酸菌培養液の調製
ペディオコッカスダンノーサス(Pediococcus damnosus)菌株(大阪発酵研究所に保存のIFO-3896株)を、ポリペプトン(Polypepton)5g、イーストエキス(Yeast extract) 5g、グルコース(Glucose) 5g、MgSO4 ・7H2 O 1g、蒸留水1リットルの割合で混合溶解し、pH5.5に調整した培地5リットルに植菌し、5日間、30℃にて通気せず撹拌(50rpm)培養した。培養を2回実施して10リットルの培養液を得た。この培養液を遠心分離して得た上清を減圧濃縮し、2リットルの培養濃縮液を得た。得られた濃縮液の2倍量のエタノールを加えて沈殿を回収し、凍結乾燥して粉末15g(乳酸菌培養物:サンプルI)を得た。サンプルIの1g中に含まれるβグルカン量は、600mgと算出された。また、最大ピークの分子量は190万であった。
【0053】
2)アウレオバシジウム(Aureobasidium) 培養物の調製
アウレオバシジウム(Aureobasidium) 属に属する微生物として遺伝的・形態学的に同定され、培養することによって菌体外にβ結合を有するグルコース重合体を生産するアウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans) の菌株であるIFO7757 株を、ポテトデキストロース寒天斜面培地で培養して保存菌株とし、YM液体培地(ディフコ社製)100mlを入れた500ml容三角フラスコに接種して、28℃にて3日間前培養した。本培養は、フルゾーン翼を搭載した5リットル容発酵槽に、クザペック(Czapeak's) 培地(ディフコ社製)3リットル、得られた前培養物を添加して28℃にて5日間培養した。なお培養中、pHは5.0となるように調整し、通気は1vvmとなるように通気量と回転数をシーケンス制御した。培養液3リットルを90℃にて30分間加熱殺菌した後、遠心分離によって菌体を除去し、その内の1リットルをそのまま凍結乾燥して27gの凍結乾燥物を得た(Aureobasidium 培養物:サンプルJ)。サンプルJの1g中に含まれるβグルカン量は、440mgと算出された。また、サンプルJの10mg/ml蒸留水溶液にプルラナーゼ酵素の懸濁液(和光順薬社製)を0.05%となるように添加し、2時間反応させた後、2倍量のエタノールを加え、得られた沈殿に、再度1mlの蒸留水を加え溶解させ、分子量の測定を実施した。なお、対照としてプルラン10mg/ml蒸留水溶液を同様に操作したものも分子量測定を行った。その結果、サンプルJの最大ピークの分子量は20万であった。プルラン溶液ではピークは認めなかった。
残りの培養液2リットルに2倍量のエタノールを加えて沈殿物を回収した。沈殿物を凍結乾燥して、粉末として26gを得た(Aureobasidium 培養精製物:サンプルK)。サンプルKの10mg中に含まれるβグルカン量は、6mgと算出された。また、サンプルKの10mg/ml蒸留水溶液にプルラナーゼ酵素の懸濁液(和光順薬社製)を0.05%となるように添加し、2時間反応させた後、2倍量のエタノールを加え、得られた沈殿に、再度1mlの蒸留水を加え溶解させ、分子量の測定を実施した。なお、対照としてプルラン10mg/ml蒸留水溶液を同様に操作したものも分子量測定を行った。その結果、サンプルKの最大ピークの分子量は20万であった。プルラン溶液ではピークは認めなかった。
【0054】
〔実施例1〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルAの100部と大豆油100部をニダーでよく混合し、60℃で10分間放置後、室温に冷却してクリーム状になった本発明のβグルカン含有油脂組成物−1(βグルカン含有量43%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0055】
〔実施例2〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルBの80部と大豆油120部をニダーでよく混合し、60℃で10分間放置後、室温に冷却してクリーム状になった本発明のβグルカン含有油脂組成物−2(βグルカン含有量3.7%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0056】
〔実施例3〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルHの100部と大豆油100部をニダーでよく混合し、60℃で10分間放置後、室温に冷却してクリーム状になった本発明のβグルカン含有油脂組成物−3(βグルカン含有量21%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0057】
〔実施例4〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルKの300部に70℃に加温して溶解させたパーム油100部およびレシチン1部を添加し、高速ホモミキサーで混合して、50℃で20分間放置後、室温に冷却してそぼろ状になった本発明のβグルカン含有油脂組成物−4(βグルカン含有量44.9%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0058】
〔実施例5〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルEの300部に70℃に加温して溶解させたパーム油100部およびレシチン1部を添加し、高速ホモミキサーで混合して、50℃で20分間放置後、室温に冷却してそぼろ状になった本発明のβグルカン含有油脂組成物−5(βグルカン含有量36.6%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0059】
〔実施例6〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルFの300部に70℃に加温して溶解させたパーム油100部およびレシチン1部を添加し、高速ホモミキサーで混合して、50℃で20分間放置後、室温に冷却してそぼろ状になった本発明のβグルカン含有油脂組成物−6(βグルカン含有量26%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0060】
〔実施例7〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルGの50部にパームオレイン油30部、菜種油70部、プロテアーゼによって加水分解処理した卵黄0.2部を添加し、ミキサーで混合して、65℃で15分間放置後、室温に冷却してクリーム状になった本発明のβグルカン含有油脂組成物−7(βグルカン含有量16.6%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0061】
〔実施例8〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルIの50部にパームオレイン油30部、菜種油70部、プロテアーゼによって加水分解処理した卵黄0.2部を添加し、ミキサーで混合して、65℃で15分間放置後、室温に冷却してクリーム状になった本発明のβグルカン含有油脂組成物−8(βグルカン含有量20%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0062】
〔実施例9〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルKの50部にパームオレイン油30部、菜種油70部、プロテアーゼによって加水分解処理した卵黄0.2部を添加し、ミキサーで混合して、65℃で15分間放置後、室温に冷却してクリーム状になった本発明のβグルカン含有油脂組成物−9(βグルカン含有量20%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0063】
〔実施例10〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルAの5部に米油40部、オリーブ油20部および紅花油35部を添加し、高速ホモミキサーで混合して、50℃で30分間放置後、室温に冷却して粘度はほとんど原料油と変わらないが若干濁りを生じた本発明のβグルカン含有油脂組成物−10(βグルカン含有量4.3%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0064】
〔実施例11〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルIの5部に米油40部、オリーブ油20部および紅花油35部を添加し、高速ホモミキサーで混合して、50℃で30分間放置後、室温に冷却して粘度はほとんど原料油と変わらないが若干濁りを生じた本発明のβグルカン含有油脂組成物−11(βグルカン含有量3%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0065】
〔実施例12〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルJの5部に米油40部、オリーブ油20部および紅花油35部を添加し、高速ホモミキサーで混合して、50℃で30分間放置後、室温に冷却して粘度はほとんど原料油と変わらないが若干濁りを生じた本発明のβグルカン含有油脂組成物−12(βグルカン含有量2.2%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0066】
〔実施例13〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルGの13部に硬化大豆油20部(融点45℃)、パーム油35部、綿実油30部および大豆リゾレシチン0.2部を加え70℃で10分間放置後、高速ミキサーで乳化後、急冷可塑化によりマーガリン様の物性を示す本発明のβグルカン含有油脂組成物−13(βグルカン含有量6.6%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0067】
〔実施例14〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルHの13部に硬化大豆油20部(融点45℃)、パーム油35部、綿実油30部および大豆リゾレシチン0.2部を加え70℃で10分間放置後、高速ミキサーで乳化後、急冷可塑化によりマーガリン様の物性を示す本発明のβグルカン含有油脂組成物−14(βグルカン含有量5.6%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0068】
〔実施例15〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルKの13部に硬化大豆油20部(融点45℃)、パーム油35部、綿実油30部および大豆リゾレシチン0.2部を加え70℃で10分間放置後、高速ミキサーで乳化後、急冷可塑化によりマーガリン様の物性を示す本発明のβグルカン含有油脂組成物−15(βグルカン含有量8%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0069】
〔実施例16〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルBの50部に魚硬化油27.6部(融点36℃)、コーンサラダ油18部および酒石酸モノグリセライド0.4部を加え50℃で30分間撹拌混合後、高速ミキサーで乳化後、急冷可塑化によりファットスプレッド様の物性を示す本発明のβグルカン含有油脂組成物−16(βグルカン含有量4.8%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0070】
〔実施例17〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルHの50部に魚硬化油27.6部(融点36℃)、コーンサラダ油18部および酒石酸モノグリセライド0.4部を加え50℃で30分間撹拌混合後、高速ミキサーで乳化後、急冷可塑化によりファットスプレッド様の物性を示す本発明のβグルカン含有油脂組成物−17(βグルカン含有量22%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0071】
〔実施例18〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルIの50部に魚硬化油27.6部(融点36℃)、コーンサラダ油18部および酒石酸モノグリセライド0.4部を加え50℃で30分間撹拌混合後、高速ミキサーで乳化後、急冷可塑化によりファットスプレッド様の物性を示すβグルカン含有油脂組成物−18(βグルカン含有量31%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0072】
〔実施例19〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルGの20部にオリーブ油0.3部(融点36℃)およびカゼインナトリウム0.1部を加え55℃で15分間放置後、高速ミキサーで乳化後、スプレイドライヤーで乾燥させ、粉末化した本発明のβグルカン含有油脂組成物−19(βグルカン含有量49%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0073】
〔実施例20〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルHの20部にオリーブ油0.3部(融点36℃)およびカゼインナトリウム0.1部を加え55℃で15分間放置後、高速ミキサーで乳化後、スプレイドライヤーで乾燥させ、粉末化した本発明のβグルカン含有油脂組成物−20(βグルカン含有量41%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0074】
〔実施例21〕(βグルカン含有油脂組成物)
前記サンプルKの20部にオリーブ油0.3部(融点36℃)およびカゼインナトリウム0.1部を加え55℃で15分間放置後、高速ミキサーで乳化後、スプレイドライヤーで乾燥させ、粉末化した本発明のβグルカン含有油脂組成物−21(βグルカン含有量59%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0075】
〔実施例22〕(ショートニングの製造例)
パーム油30部、パーム硬化油50部、ナタネ油20部およびレシチン0.3部からなる油相を70℃で溶解し、該油相100部に対し、前記サンプルGの5. 0部を添加し、70℃にてそのまま30分間放置した。次にホモミキサーにより高速回転で2分間撹拌混合して、本発明のβグルカン含有油脂組成物−22を得た。目視によれば、βグルカンは十分に油脂に分散されていた。その後、急冷可塑化を行った後、5℃まで冷却した。このようにして、本発明のショートニング(βグルカン含有量2.4%)を得た。得られたショートニングについて、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたショートニングは、下記比較例1のショートニングに比べて、滑らかさと風味に優れていることが分かる。得られたショートニングは、結晶の熟成工程、すなわちエージングを省略しても食感に優れた適度な結晶の生成を形成、促進する効果、乳化剤による風味抑制を防止する効果を有しているといえる。
【0076】
〔実施例23〕(ショートニングの製造例)
パーム油30部、パーム硬化油50部、ナタネ油20部およびレシチン0.3部からなる油相を70℃で溶解し、該油相100部に対し、前記サンプルKの5. 0部を添加し、70℃にてそのまま30分間放置した。次にホモミキサーにより高速回転で2分間撹拌混合して、本発明のβグルカン含有油脂組成物−23を得た。目視によれば、βグルカンは十分に油脂に分散されていた。その後、急冷可塑化を行った後、5℃まで冷却した。このようにして、本発明のショートニング(βグルカン含有量2.9%)を得た。得られたショートニングについて、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたショートニングは、下記比較例1のショートニングに比べて、滑らかさと風味に優れていることが分かる。得られたショートニングは、結晶の熟成工程、すなわちエージングを省略しても食感に優れた適度な結晶の生成を形成、促進する効果、乳化剤による風味抑制を防止する効果を有しているといえる。
【0077】
〔比較例1〕(ショートニングの比較製造例)
パーム油30部、パーム硬化油50部、ナタネ油20部およびレシチン0.3部からなる油相を70℃で溶解し、ホモミキサーにより高速回転で2分間撹拌混合して、その後、急冷可塑化を行った後、5℃まで冷却しショートニングを得た。得られたショートニングについて、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表2に示す。得られたショートニングは、風味が非常に劣っていることが分かる。
【0078】
〔実施例24〕(マーガリンの製造例)
パーム油:パーム硬化油:菜種油:ソルビタン脂肪酸エステルを、30:50:20:0.3の割合(重量比)で含有する食用油脂100部を70℃で融解し、これに前記サンプルGの8部を添加し、65℃にて30分間放置した後、ホモミキサーで撹拌しながら、70℃に加温した水16部に脱脂粉乳0.5部および食塩1部を溶解させた溶液を徐々に添加、混合した後、急冷可塑化を行い、25℃で一晩調温後、5℃まで冷却した。このようにして、本発明のマーガリン(βグルカン含有量3.2%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られたマーガリンについて、安定性、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたマーガリンは、きめの細かい滑らかな食感のよいものであった。さらに下記比較例2のマーガリンに比べて、風味もよく、乳化剤の風味低減を抑制する効果があるといえる。
【0079】
〔実施例25〕(マーガリンの製造例)
パーム油:パーム硬化油:菜種油:ソルビタン脂肪酸エステルを、30:50:20:0.3の割合(重量比)で含有する食用油脂100部を70℃で融解し、これに前記サンプルHの8部を添加し、65℃にて30分間放置した後、ホモミキサーで撹拌しながら、70℃に加温した水16部に脱脂粉乳0.5部および食塩1部を溶解させた溶液を徐々に添加、混合した後、急冷可塑化を行い、25℃で一晩調温後、5℃まで冷却した。このようにして、本発明のマーガリン(βグルカン含有量2.7%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られたマーガリンについて、安定性、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたマーガリンは、きめの細かい滑らかな食感のよいものであった。さらに下記比較例2のマーガリンに比べて、風味もよく、乳化剤の風味低減を抑制する効果があるといえる。
【0080】
〔実施例26〕(マーガリンの製造例)
パーム油:パーム硬化油:菜種油:ソルビタン脂肪酸エステルを、30:50:20:0.3の割合(重量比)で含有する食用油脂100部を70℃で融解し、これに前記サンプルKの8部を添加し、65℃にて30分間放置した後、ホモミキサーで撹拌しながら、70℃に加温した水16部に脱脂粉乳0.5部および食塩1部を溶解させた溶液を徐々に添加、混合した後、急冷可塑化を行い、25℃で一晩調温後、5℃まで冷却した。このようにして、本発明のマーガリン(βグルカン含有量3.8%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られたマーガリンについて、安定性、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたマーガリンは、きめの細かい滑らかな食感のよいものであった。さらに下記比較例2のマーガリンに比べて、風味もよく、乳化剤の風味低減を抑制する効果があるといえる。
【0081】
〔比較例2〕(マーガリンの比較製造例)
パーム油:パーム硬化油:菜種油:ソルビタン脂肪酸エステルを、30:50:20:0.3の割合(重量比)で含有する食用油脂100部を70℃で融解し、ホモミキサーで撹拌しながら、70℃に加温した水16部に脱脂粉乳0.5部および食塩1部を溶解させた溶液を徐々に添加、混合した後、急冷可塑化を行い、25℃で一晩調温後、5℃まで冷却しマーガリンを得た。得られたマーガリンについて、安定性、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0082】
〔実施例27〕(ドレッシングの製造例)
前記サンプルGの10部、卵黄10部、食塩1.5部、酢11部、上白糖2.5部、マスタードパウダー0.05部およびオニオンパウダー0.05部を、ミキサーにより高速で5分間撹拌、混合し、水相とした。該水相を、さらにホモミキサーで高速撹拌しながら、これに大豆サラダ油75部を70℃に加温したものを、徐々に添加、混合し、50℃に10分間放置後、乳化させ、24時間、5℃に冷却し、本発明のドレッシング(βグルカン含有量4.5%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られたドレッシングについて、安定性と風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたドレッシングは、安定性と風味に優れていることが分かる。
【0083】
〔比較例3〕(ドレッシングの比較製造例)
卵黄10部、食塩1.5部、酢11部、上白糖2.5部、マスタードパウダー0.05部およびオニオンパウダー0.05部を、ミキサーにより高速で5分間撹拌、混合し、水相とした。以後は実施例27と同様に操作し、ドレッシングを得た。得られたドレッシングについて、安定性と風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0084】
〔実施例28〕(ドレッシングの製造例)
卵黄10部、食塩1.5部、酢11部、上白糖2.5部、マスタードパウダー0.05部およびオニオンパウダー0.05部を、ミキサーにより高速で5分間撹拌、混合し、水相とした。該水相を、さらにホモミキサーで高速撹拌しながら、これに実施例12のβグルカン含有油脂組成物−12の75部を、徐々に添加、混合し、乳化させ、24時間、5℃に冷却し、本発明のドレッシング(βグルカン含有量1.65%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られたドレッシングについて、安定性と風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたドレッシングは安定性と風味に優れていることが分かる。
【0085】
〔比較例4〕(ドレッシングの比較製造例)
卵黄10部、食塩1.5部、酢11部、上白糖2.5部、マスタードパウダー0.05部およびオニオンパウダー0.05部を、ミキサーにより高速で5分間撹拌、混合し、水相とした。該水相を、さらにホモミキサーで高速撹拌しながら、これに油脂(米油40部、オリーブ油20部および紅花油35部を混合したもの)75部を、徐々に添加、混合し、乳化させ、24時間、5℃に冷却し、ドレッシングを得た。得られたドレッシングについて、安定性と風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0086】
〔実施例29〕(マヨネーズの製造例)
前記サンプルHの30部に大豆サラダ油30部を添加し、撹拌して予備乳化後、本発明のβグルカン含有油脂組成物を得た。これに、卵黄9部、デンプン5.2部、砂糖8.2部、食塩2.8部、食酢8部、調味香辛料1部および水6部をよく混合したものを添加し、コロイドミルによって仕上げ乳化を行い、本発明のマヨネーズ(βグルカン含有量12.6%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られたマヨネーズについて、安定性、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたマヨネーズは、1ヶ月の保存期間中に水の分離がなく、また、滑らかで風味も非常に良好であった。
【0087】
〔比較例5〕(マヨネーズの比較製造例)
水30部に大豆サラダ油30部を添加し、撹拌して予備乳化後、油脂組成物を得た。これに、卵黄9部、デンプン5.2部、砂糖8.2部、食塩2.8部、食酢8部、調味香辛料1部および水6部をよく混合したものを添加し、コロイドミルによって仕上げ乳化を行い、マヨネーズを得た。得られたマヨネーズについて、安定性、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0088】
〔実施例30〕(マヨネーズの製造例)
卵黄9部、砂糖8.2部、食塩2.8部、食酢8部、調味香辛料1部およびサンプルBの36部を混合し、水相を調製した。これに菜種油25部、実施例3のβグルカン含有油脂組成物−3の10部を添加し、撹拌して予備乳化後、コロイドミルによって仕上げ乳化を行い、本発明のマヨネーズ(βグルカン含有量5.5%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られたマヨネーズについて、安定性、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたマヨネーズは、1ヶ月の保存期間中に水の分離がなく、また、滑らかで風味も非常に良好であった。
【0089】
〔比較例6〕(マヨネーズの比較製造例)
卵黄9部、砂糖8.2部、食塩2.8部、食酢8部、調味香辛料1部および36部の水を混合し、水相を調製した。これに菜種油25部、パーム油10部を添加し、撹拌して予備乳化後、コロイドミルによって仕上げ乳化を行い、マヨネーズを得た。得られたマヨネーズについて、安定性、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0090】
〔実施例31〕(ファットスプレッドの製造例)
魚硬化油(融点36℃)27.6部、綿実油18.4部、前記サンプルKの40部、水12.3部、食塩1部、脱脂粉乳0.5部、フレーバー0.2部およびレシチン0.3部を乳化、急冷可塑化により本発明のファットスプレッド(βグルカンの含有量24%)を調製した。βグルカンは均一に分散していた。得られたファットスプレッドについて、安定性、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたファットスプレッドは、1ヶ月の保存期間中に水の分離がなく、また、滑らかで風味も良好であった。
【0091】
〔比較例7〕(ファットスプレッドの比較製造例)
魚硬化油(融点36℃)27.6部、綿実油18.4部、水52.3部、食塩1部、脱脂粉乳0.5部、フレーバー0.2部およびレシチン0.3部を乳化、急冷可塑化によりファットスプレッドを調製した。得られたファットスプレッドについて、安定性、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0092】
〔実施例32〕(カレールーの製造例)
小麦粉(薄力粉)44部および実施例22で得られたショートニング34部をキツネ色になるまで炒め、さらに市販のカレー粉8部を加え、本発明のカレールー(βグルカン含有量0.95%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。
【0093】
〔実施例33〕(クッキーの製造例)
実施例9で得られたβグルカン含有油脂組成物−9の50部と上白糖50部とをホバートミキサーにて高速6分クリーミングし、これに全卵(正味)15部、食塩1部および重炭安0.5部を合わせたものを添加し、中速で30秒間混合した。さらに、篩にかけた小麦粉100部を添加混合し、低速で30秒間混合して、生地を得た。この生地を直径6cmの筒につめ、生地を厚み1cmづつ押し出したところでカットし、200℃、13分間焼成して、本発明のクッキー(βグルカン含有量4.6%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られたクッキーについて、硬さ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。
【0094】
〔比較例8〕(クッキーの比較製造例)
油脂(パームオレイン油30部、菜種油70部、プロテアーゼによって加水分解した卵黄0.2部を混合したもの)50部と上白糖50部とをホバートミキサーにて高速6分クリーミングし、これに全卵(正味)15部、食塩1部および重炭安0.5部を合わせたものを添加し、中速で30秒間混合した。以後は実施例33と同様に操作し、クッキーを得た。得られたクッキーについて、硬さ、風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0095】
〔実施例34〕(クッキーの製造例)
実施例14で得られたβグルカン含有油脂組成物−14の50部とビート上白糖40部とをホバートミキサーにて高速6分クリーミングし、これにレーズンペースト20部を添加し、中速で30秒間混合した。更に、篩にかけた粟粉を添加混合し、低速で30秒間混合して、生地を得た。この生地を直径6cmの筒につめ、生地を厚み1cmづつ押し出したところでカットし、160℃、15分間焼成して、本発明のクッキー(βグルカン含有量2.5%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られたクッキーについて、硬さ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたクッキーは、卵、乳製品を使用しないにも拘わらず食感のよいものが得られた。
【0096】
〔比較例9〕(クッキーの比較製造例)
硬化大豆油20部(融点45℃)、パーム油35部、綿実油30部および大豆リゾレシチン0.2部を加え70℃で10分間放置後、高速ミキサーで乳化後、急冷可塑化により得られたマーガリン様の物性を示す食用油脂組成物50部とビート上白糖40部とをホバートミキサーにて高速6分クリーミングし、これにレーズンペースト20部を添加し、中速で30秒間混合した。以後は実施例34と同様に操作し、クッキーを得た。得られたクッキーについて、硬さと風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0097】
〔実施例35〕(チョコレートの製造例)
カカオマス12部、粉糖45部、全粉乳20部、カカオバター23部および前記サンプルGの2部を配合のうち、カカオバター10部を残し、他の原料をホバートミキサーに投入し、ビーターを用いて中速で3分間混合し、さらに、ロール掛け、コンチングして、本発明のβグルカン含有油脂組成物を得た(βグルカン含量1%)。目視によれば、βグルカンは均一に分散していた。この本発明のβグルカン含有油脂組成物に、残るカカオバターを投入、混合してチョコレートの原液を得、これをテンパリング処理後、型に流し込み、冷却し、本発明のチョコレートを得た。得られたチョコレートについて、滑らかさ、硬さ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたチョコレートは、口溶けのよい風味が良好なものであった。
【0098】
〔比較例10〕(チョコレートの比較製造例)
カカオマス12部、粉糖45部、全粉乳20部、カカオバター23部および油脂(パームオレイン油30部、菜種油70部およびプロテアーゼ処理卵黄0.2部を混合したもの)2部を配合のうち、カカオバター10部を残し、他の原料をホバートミキサーに投入し、ビーターを用いて中速で3分間混合し、さらに、ロール掛け、コンチングして、油脂組成物を得た。この油脂組成物に、残るカカオバターを投入、混合して、以後は実施例35と同様に操作し、チョコレートを得た。得られたチョコレートについて、滑らかさ、硬さ、風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0099】
〔実施例36〕(チョコレートの製造例)
カカオマス12部、粉糖45部、全粉乳20部、カカオバター23部および実施例4で得たβグルカン含有油脂組成物−4の20部をホバートミキサーに投入し、ビーターを用いて中速で3分間混合し、さらに、ロール掛け、コンチングして、これをテンパリング処理後、型に流し込み、冷却し、本発明のチョコレートを得た(βグルカン含量15%)。βグルカンは均一に分散していた。得られたチョコレートについて、滑らかさ、硬さ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたチョコレートは、口溶けのよい風味が良好なものであった。
【0100】
〔比較例11〕(チヨコレートの比較製造例)
カカオマス12部、粉糖45部、全粉乳20部、カカオバター23部およびパーム油20部をホバートミキサーに投入し、以後は実施例36と同様に操作して、チョコレートを得た。得られたチョコレートについて、滑らかさ、硬さ、風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0101】
〔実施例37〕(食パンの製造例)
実施例26で得られたβグルカン含有マーガリンを使用して食パンを製造した。小麦粉100部、イースト3部、砂糖4部、食塩2部、実施例26で得られたマーガリン6部および水60部を加え、こね上げ温度28℃にて、ホッパーミキサーで低速2分、高速4分、ミキシングしパン生地を調製した。28℃で60分間発酵させ、450gに分割、丸め、ねかし(28℃、20分)、シーターに3回通して整形後、ワンローフタイプの型に挿入した。ホイロは、38℃で相対湿度90%の条件下、型上縁2cmまで実施し、42分を要した。焼成は、220℃にて23分間行い、本発明の食パン(βグルカン含有量0.16%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られた食パンについて、硬さ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られた食パンは、ソフトでボリュームのある品質で食感も良好であった。
【0102】
〔比較例12〕(食パンの比較製造例)
実施例26で得られたマーガリンの代わりに、βグルカン(サンプルK)を配合しない以外は実施例26と同様にして得られたマーガリンを使用して、以後は実施例37と同様に操作して食パンを製造した。得られた食パンについて、硬さ、風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0103】
〔実施例38〕(食パンの製造例)
小麦粉100部、イースト3部、砂糖4部、食塩2部、実施例19で得られた粉末化したβグルカン含有油脂組成物−19の2部、ショートニング4部、サンプルBの30部および水33部を加え、こね上げ温度28℃にて、ホッパーミキサーで低速2分、高速4分、ミキシングし、パン生地を調製した。28℃で60分間発酵させ、450gに分割、丸め、ねかし(28℃、20分)、シーターに3回通して整形後、ワンローフタイプの型に挿入した。ホイロは、38℃で相対湿度90%の条件下、型上縁2cmまで実施し、46分を要した。焼成は、210℃にて30分間行い、本発明の食パン(βグルカン含有量2.5%)を得た。食パン中にβグルカンは均一に分散していた。得られた食パンについて、硬さ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られた食パンは、ソフトでボリュームのある品質で食感も良好であった。
【0104】
〔比較例13〕(食パンの比較製造例)
小麦粉100部、イースト3部、砂糖4部、食塩2部、βグルカン(サンプルG)を配合しない以外は実施例19と同様にして得られた粉末油脂組成物2部、ショートニング4部および水63部を加え、こね上げ温度28℃にて、ホッパーミキサーで低速2分、高速4分、ミキシングし、パン生地を調製した。以後は実施例38と同様に操作し、食パンを得た。得られた食パンについて、硬さ、風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0105】
〔実施例39〕(米飯の製造例)
新潟産コシヒカリを水でよく研ぎ、その100部に水60部、実施例3で得られたβグルカン含有油脂組成物−3を4部添加し、電気炊飯器にて炊飯し、本発明の米飯(βグルカン含有量0.51%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られた米飯について、硬さを評価した。その結果を下記表1に示す。得られた米飯は、ふっくらとした食感の良好なものであった。
【0106】
〔比較例14〕(米飯の比較製造例)
新潟産コシヒカリを水でよく研ぎ、その100部に水60部、大豆油を4部添加し、電気炊飯器にて炊飯し、米飯を得た。得られた米飯について、硬さを評価した。その結果を下記表2に示す。
【0107】
〔実施例40〕(ポップコーンの製造例)
ナベにトウモロコシ100部、食塩2部、実施例10で得られたβグルカン含有油脂組成物−10の10部を入れ、ふたをして直火で加熱し、本発明のポップコーン(βグルカン含有量0.38%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られたポップコーンについて、滑らかさを評価した。その結果を下記表1に示す。得られたポップコーンは、さらっとしており食感は滑らかで良好であった。
【0108】
〔実施例41〕(豆腐の製造例)
実施例22で製造したショートニングを用いて豆腐を製造した。水で浸漬処理した大豆100部に水140部を加えて磨砕し、100℃で5分間沸騰させた。煮汁は木綿袋に入れ、圧搾濾過し、豆乳を得た。ここに凝固剤(硫酸カルシウム)3部、実施例22で製造したショートニングを10部添加し、静かに撹拌してから、75℃にて凝固させ、木綿布を敷いたザルに流し込み30分間放置して本発明品の豆腐(βグルカン含有量0.095%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られた豆腐について、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られた豆腐は、良好な食感であった。
【0109】
〔比較例15〕(豆腐の比較製造例)
水で浸漬処理した大豆100部に水140部を加えて磨砕し、100℃で5分間沸騰させた。煮汁は木綿袋に入れ、圧搾濾過し、豆乳を得た。ここに凝固剤(硫酸カルシウム)3部、βグルカン(サンプルG)を配合しない以外は実施例22と同様にして製造したショートニングを10部添加し、静かに撹拌してから、75℃にて凝固させ、木綿布を敷いたザルに流し込み30分間放置して豆腐を得た。得られた豆腐について、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0110】
〔実施例42〕(ソフトチョコレートの製造例)
砂糖50部、カカオマス5部、全脂粉乳15部、実施例4で得られたβグルカン含有油脂組成物−4を30部、レシチン0.3部およびバニリン0.04部からなる配合で、常法に従いロール掛け、コンチング処理し、本発明のソフトチョコレート(βグルカン含有量13.5%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られたソフトチョコレートについて、滑らかさ、硬さ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたソフトチョコレートは、ブルームが発生せず、風味も良好であった。
【0111】
〔比較例16〕(ソフトチョコレートの比較製造例)
砂糖50部、カカオマス5部、全脂粉乳15部、パーム油30部、レシチン0.3部およびバニリン0.04部からなる配合で、常法に従いロール掛け、コンチング処理し、ソフトチョコレートを得た。得られたソフトチョコレートについて、滑らかさ、硬さ、風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0112】
〔実施例43〕(無水クリームの製造例)
実施例23で製造したショートニング35部、砂糖45部、呈味パウダー10部および粉乳10部を混合し、本発明の無水クリーム(βグルカン含有量1%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られた無水クリームについて、滑らかさと風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られた無水クリームは、口溶けがよく、風味が非常に良好であった。
【0113】
〔比較例17〕(無水クリームの比較製造例)
βグルカン(サンプルK)を配合しない以外は実施例23と同様にして製造したショートニング35部、砂糖45部、呈味パウダー10部および粉乳10部を混合し、無水クリームを得た。得られた無水クリームについて、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0114】
〔実施例44〕(サンドクリームの製造例)
実施例23で製造したショートニング100部およびモノグリセライド0.1部を混合し、ホイップし、比重を0.3とした。そしてシロップ100部を添加し、さらにホイップし、比重0.65の本発明のサンドクリーム(βグルカン含有量1.45%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られたサンドクリームについて、滑らかさと風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたサンドクリームは、風味が非常に良好であった。
【0115】
〔比較例18〕(サンドクリームの比較製造例)
βグルカン(サンプルK)を配合しない以外は実施例23と同様にして製造したショートニング100部を用いた以外は実施例44と同様に操作し、サンドクリームを得た。得られたサンドクリームについて、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0116】
〔実施例45〕(ハードキャンディーの製造例)
実施例1のβグルカン含有油脂組成物−1を100部、実施例6のβグルカン含有油脂組成物−6を100部、ポリグリセリン脂肪酸エステル23部、グリセリン脂肪酸エステル14部およびショ糖脂肪酸エステル4部を添加混合した油脂組成物の35部、砂糖35部、水飴8.5部、脱脂粉乳1.5部および水40部を混合して、水中油型乳化物とし、これを140℃になるまで煮詰め、水分含量が1.9%となるまで水をとばし、冷却、成形し、本発明のハードキャンディー(βグルカン含有量12.5%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られたハードキャンデーについて、安定性、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたハードキャンディーは保存中の油のしみだしがなく、風味も良好であった。
【0117】
〔比較例19〕(ハードキャンディーの比較製造例)
大豆油100部、パーム油100部、ポリグリセリン脂肪酸エステル23部、グリセリン脂肪酸エステル14部およびショ糖脂肪酸エステル4部を添加混合した油脂組成物の35部、砂糖35部、水飴8.5部、脱脂粉乳1.5部および水40部を混合して、水中油型乳化物とし、これを140℃になるまで煮詰め、水分含量が1.9%となるまで水をとばし、冷却、成形し、ハードキャンディーを得た。得られたハードキャンデーについて、安定性、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表2にした。
【0118】
〔実施例46〕(ホイップクリームの製造例)
水50部を60℃に昇温し、撹拌しながら、脱脂粉乳5部およびトリポリ燐酸ナトリウム0.1部を溶解した水相を調製した。別に実施例3のβグルカン含有油脂組成物−3を10部、実施例4のβグルカン含有油脂組成物−4を20部および実施例7のβグルカン含有油脂組成物−7を15部を混合した油相を用意し、上記の水相に該油相を混合撹拌し、予備乳化物を調製した。予備乳化後5Mpaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機で142℃、4秒間殺菌し、再度5Mpaの圧力で均質化後5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間エージングを行い、本発明のホイップクリーム(βグルカン含有量13.6%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られたホイップクリームについて、安定性、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたホイップクリームは、オーバーラーン、乳化安定性、耐熱保形、風味、口溶け、造花性のいずれもが良好であった。
【0119】
〔比較例20〕(ホイップクリームの比較製造例)
水50部を60℃に昇温し、撹拌しながら、脱脂粉乳5部およびトリポリ燐酸ナトリウム0.1部を溶解した水相を調製した。別に大豆油10部、パーム油20部および菜種油15部を混合した油相を用意し、上記の水相に該油相を混合撹拌し、予備乳化物を調製した。以後は実施例46と同様に操作し、ホイップクリームを得た。得られたホイップクリームについて、安定性、風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0120】
〔実施例47〕(乳代替組成物の製造例)
水64部を60℃に昇温し、撹拌しながら、脱脂粉乳25部、ヘキサメタ燐酸ナトリウム0.2部、クエン酸ナトリウム0.2部およびショ糖脂肪酸エステル0.3部を溶解した水相に、実施例17のβグルカン含有油脂組成物−17を10部、グリセリン脂肪酸エステル0.3部を添加、混合撹拌し、予備乳化物を調製した。予備乳化後5Mpaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機で142℃、4秒間殺菌し、再度15Mpaの圧力で均質化後5℃まで冷却し、本発明の乳代替組成物(βグルカン含有量2.2%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られた乳代替組成物について、安定性、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られた乳代替組成物は、風味、乳化安定性のいずれも良好であった。
【0121】
〔比較例21〕(乳代替組成物の比較製造例)
水64部を60℃に昇温し、撹拌しながら、脱脂粉乳25部、ヘキサメタ燐酸ナトリウム0.2部、クエン酸ナトリウム0.2部およびショ糖脂肪酸エステル0.3部を溶解した水相に、βグルカン(サンプルH)を配合しない以外は実施例17と同様に製造した油脂組成物10部およびグリセリン脂肪酸エステル0.3部を添加、混合撹拌し、予備乳化物を調製した。以後は実施例47と同様に操作し、乳代替組成物を得た。得られた乳代替組成物について、安定性と風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0122】
〔実施例48〕(生活習慣病予防作用を有する食品(マーガリン)の製造例)
硬化大豆油(融点45℃)10部、パーム油35部、実施例3のβグルカン含有油脂組成物−3の10部、植物ステロールあるいは植物ステロール脂肪酸エステルを10%以上含有するエステル交換油30部、前記サンプルKの13.3部、食塩1部、脱脂粉乳0.5部およびフレーバー0.2部を乳化、急冷可塑化により本発明のコレステロール低下作用を有するマーガリン(βグルカン含有量10%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られたコレステロール低下作用を有するマーガリンについて、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたマーガリンは、口溶けのよい、風味が良好なマーガリンであった。
【0123】
〔比較例22〕(生活習慣病予防作用を有する食品(マーガリン)の比較製造例)
硬化大豆油(融点45℃)10部、パーム油35部、大豆油の10部、植物ステロールあるいは植物ステロール脂肪酸エステルを10%以上含有するエステル交換油30部、水13.3部、食塩1部、脱脂粉乳0.5部およびフレーバー0.2部を乳化、急冷可塑化によりコレステロール低下作用を有するマーガリンを得た。得られたコレステロール低下作用を有するマーガリンについて、滑らかさ、風味を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0124】
〔実施例49〕(生活習慣病予防作用を有する医薬品の製造例)
高純度DHA(純度98%、POV1.0meq/kg以下)に4000ppmとなるようにαトコフェロールを添加したもの3部、前記サンプルKの20部およびカゼインナトリウム10部を加え窒素下、高速ミキサーで乳化後、スプレイドライヤーで乾燥させ、粉末化した本発明の生活習慣病予防作用を有する医薬品(βグルカン含有量36.4%)を得た。βグルカンは均一に分散していた。得られた生活習慣病予防作用を有する医薬品について、安定性を評価した。その結果を下記表1に示す。得られた医薬品は、POVが0.8meq/kgと酸化安定性に優れたものであった。
【0125】
〔比較例23〕(生活習慣病予防作用を有する医薬品の比較製造例)
高純度DHA(純度98%、POV1.0meq/kg以下)に4000ppmとなるようにαトコフェロールを添加したもの3部、水20部およびカゼインナトリウム10部を加え窒素下、高速ミキサーで乳化後、スプレイドライヤーで乾燥させ、粉末化した生活習慣病予防作用を有する医薬品を得た。得られた生活習慣病予防作用を有する医薬品について、安定性を評価した。その結果を下記表2に示す。得られた医薬品は、POVが1.4meq/kgと酸化安定性の劣るものであった。
【0126】
上記の実施例および比較例における安定性、食感(滑らかさ、硬さ、風味)は次のようにして評価した。なお、下記の表1および2中の−は、評価をしていないことを示す。
【0127】
・安定性の評価方法
安定性は5℃で1 ヶ月保存後の状態変化を目視で確認し、下記3段階の評価基準で評価した。
<評価基準>
○:安定性に優れている。
△:やや分離等、外観に変化がみられる。
×:分離がみられる。
【0128】
・食感(滑らかさ、硬さ、風味)の評価方法
食感については、パネラー10名により、それぞれ下記3段階の評価基準で評価を行ない、最も人数の多い評価を評価結果とした。
<評価基準>
(滑らかさ)
○:非常に滑らかである。
△:滑らかである。
×:滑らかでない。
(硬さ)
○:非常にソフトである。
△:ソフトである。
×:ソフトでない。
(風味)
○:優れている。
△:やや劣っている。
×:劣っている。
【0129】
【表1】
【0130】
【表2】
【0131】
【発明の効果】
本発明のβグルカン含有油脂組成物は、優れた生体調節機能性を有するβグルカンが油脂中に均一に分散しており、食品等に使用することにより、上記βグルカンを食品等に均一に分散でき、かつ該食品等の食味、食感、安定性等を向上させることができる。
Claims (5)
- 油脂に微生物類由来または担子菌類由来のβグルカンを添加、混合したβグルカン含有油脂組成物を用いて調製した生地を焼成してなることを特徴とするベーカリー製品。
- 上記βグルカンが、微生物類または担子菌類を培養することによって菌体外に分泌されたβグルカンである請求項1記載のベーカリー製品。
- 上記βグルカンが、微生物類または担子菌類を培養することによって得た培養細胞である請求項1記載のベーカリー製品。
- 上記微生物類が、酵母菌、乳酸菌、クロレラ、藻類、またはアウレオバシジウム(Aureobasidium) 属に属する微生物である請求項1〜3の何れかに記載のベーカリー製品。
- 上記βグルカン含有油脂組成物中のβグルカン含有量が、該βグルカン含有油脂組成物中のβグルカン以外の全組成物100重量部に対して0.01〜500重量部である請求項1〜4の何れかに記載のベーカリー製品。
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