JP4274743B2 - 水力発電設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯水槽からの水流路に設けられた水車に対して、水流路からのバイパス路に設けられた放流弁を制御する水力発電設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な水力発電所では、河川やダムから導水路を介して貯水槽が設けられ、この貯水槽に連結された水流路に発電用の水車が設けられている。そして、この貯水槽には水流路と並列に余水路が設けられ、水車の故障停止時に貯水槽の水を余水路から流すことで、貯水槽からの流水量を一定に維持し、貯水槽から水が溢れることを防止している。
【0003】
ところが、水流路と並列に余水路を設けることは土木建設コストが増加することから、余水路の代わりに水流路から分岐したバイパス路を設けてここに放流弁を設け、水車の故障時には、この放流弁を開放してバイパス路から水を流すことで、貯水槽からの流水量を一定に維持するようにしている。このような水力発電設備としては、例えば、特開昭53−51346号公報や特開昭54−160936号公報に開示されたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の水力発電設備にあっては、水車の流水量を減少する一方、放流弁を開放してバイパス路からの流水量を増加させ、水車(水流路)の流水量と放流弁(バイパス路)の流水量とを合わせた流水量、つまり、貯水槽からの流水量を一定に維持している。ところが、このように水車の流水量と放流弁の流水量とを合わせた貯水槽からの流水量を一定に維持するためには、水車と放流弁との流水量をそれぞれ計測して両者の開度を制御しなければならず、水車と放流弁の開度制御が複雑となり、水車の故障時などに早急に水車を停止することができないという問題がある。また、水車(水流路)の流水量は貯水槽の水位や要求発電量等に応じて変動するものであり、水車の流水量を減少しながら放流弁の流水量を増加して合わせた流水量を一定に維持することは困難である。
【0005】
本発明はこのような問題を解決するものであって、水車の異常発生時には水車及び放流弁を適正に制御して安定した運転制御を可能とした水力発電設備を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための本発明の水力発電設備は、貯水槽と、基端部が該貯水槽に連結された水流路と、該水流路に設けられた水車と、基端部が前記水車よりも上流側の水流路に連結されたバイパス路と、該バイパス路に設けられた放流弁と、前記貯水槽の水位を検出する水位検出器と、該水位検出器が検出した前記貯水槽の水位に基づいて前記水車を駆動制御する水車駆動制御手段と、前記水位検出器が検出した前記貯水槽の水位が所定水位以上となったときに該水位に基づいて前記放流弁を駆動制御すると共に前記水車の流水量としてのガイドベーン開度が常時入力されている放流弁駆動制御手段とを具え、
前記水車の異常発生時には、前記水車駆動制御手段が前記水車の駆動を停止する一方、前記放流弁駆動制御手段は、常時入力されているガイドベーン開度を基に異常発生時の前記水車の流水量を求め、前記放流弁の流水量が異常発生時における前記水車の流水量と同量となるまで前記放流弁の開度を増加させることを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の水力発電設備では、前記放流弁駆動制御手段は、前記水車の異常発生時には、前記放流弁の流水量が異常発生時における前記水車の流水量と同量となるまで前記放流弁の開度を増加させ、前記水車の駆動が完全に停止した後に、前記貯水槽の水位に基づいて前記放流弁を駆動制御することを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1に本発明の一実施形態に係る水力発電設備を表す概略、図2及び図3に貯水槽の水位に対するガイドベーン及び放流弁の開度を表すグラフ、図4に水力発電設備の運転モードに応じた水車及び放流弁の制御内容を表す表、図5に水力発電設備における水車及び放流弁の制御ブロックを示す。
【0011】
本実施形態の水力発電設備において、図1に示すように、河川やダム11から導水路12を介して貯水槽13が設けられており、この導水路12には駆動装置14によって開閉駆動可能な取水ゲート15が設けられている。そして、貯水槽13には水流路16の基端部が連結されており、この水流路16の下流側には発電用の水車17が設けられている。また、この水流路16には水車17をバイパスするバイパス路18が設けられており、このバイパス路18に放流弁19が設けられている。
【0012】
水車17は図示しないガイドベーン駆動用サーボモータ21を有し、水車駆動制御部22によりこのガイドベーン駆動用サーボモータ21を駆動してガイドベーン開度を変更し、流水量を調整することができる。一方、放流弁19は放流弁駆動用サーボモータ23を有し、放流弁駆動制御部24により放流弁駆動用サーボモータ23を駆動して放流弁開度を変更し、流水量を調整することができる。また、水車17には実際のガイドベーン開度を検出するガイドベーン開度センサ25が設けられ、水車駆動制御部22の制御部22aにフィードバックし、制御部22aは駆動部22bに制御指令値を出力し、駆動部22bがガイドベーン駆動用サーボモータ21に制御信号を出力する。一方、放流弁19には実際の放流弁開度を検出する放流弁開度センサ26が設けられ、放流弁駆動制御部24の制御部24aにフィードバックし、制御部24aは駆動部24bに制御指令値を出力し、駆動部24bが放流弁駆動用サーボモータ23に制御信号を出力する。この場合、ガイドベーン開度センサ25は実際のガイドベーン開度を放流弁駆動制御部24の制御部24aにも出力し、放流弁開度センサ26は実際の放流弁開度を水車駆動制御部22の制御部22aにも出力している。
【0013】
また、貯水槽13には水位を検出するための水位検出器として、圧力式水位計27及びフロート式水位計28が設けられており、各水位計27,28の出力は変換器29,30を介して水車駆動制御部22の制御部22aに貯水槽13の水位として入力し、更に放流弁駆動制御部24の制御部24aに入力する。この場合、貯水槽13の水位検出精度の安全性を確保するために、2つの水位計27,28を設け、高出力(高水位)側の信号を適用している。
【0014】
更に、この水力発電設備では、信頼性及び安全性を確保するために、水車17側の電源設備と放流弁19側の電源設備とがそれぞれ独立して設けられている。即ち、主電源部31には水車用バッテリ32と放流弁用バッテリ33とが接続され、各バッテリ32,33は水車駆動制御部22の駆動部22b及び放流弁駆動制御部24の駆動部24bにそれぞれ接続されている。また、各バッテリ32,33は共通電源部34を介して変換器29,30及び取水ゲート15の駆動装置14にそれぞれ接続されている。なお、各バッテリ32,33は放流弁駆動制御部24の制御部24aにも接続されている。
【0015】
このような本実施形態の水力発電設備では、河川やダム11から導水路12を通して貯水槽13に流れ込む最大流水量は決まっており、その最大流水量となるように駆動装置14により取水ゲート15を開閉する。しかし、天候等によりダム11の貯水量が変わることから、貯水槽13の水位や要求発電量等に応じて取水ゲート15を開閉量を調整する。なお、水力発電設備の内部事故や外部事故の発生時などの異常事態には、取水ゲート15を強制閉止するようにしている。また、豪雨などによる貯水槽13の水位の異常上昇時等には、取水ゲート15を半開あるいは強制閉止するようにしている。
【0016】
また、水車17及び放流弁19は水車駆動制御部22及び放流弁駆動制御部24によって駆動制御されるが、水車駆動制御部22及び放流弁駆動制御部24は、通常、貯水槽13の水位に応じて水車17及び放流弁19を駆動制御する。即ち、放流弁19にその開度が無段階調整可能な放流弁を適用した場合、図2に示すように、貯水槽13の水位が所定の最低水位LWL以下のときは、水車17のガイドベーン及び放流弁19の開度は0%とし、水車17による発電は行わない。そして、貯水槽13の水位が上昇してこの最低水位LWLを越えて水車駆動開始水位WL1以上になると、水車17のガイドベーンを開放し始め、標準水位NWLまでの間でガイドベーン開度0〜100%を調整し、貯水槽13の水位を所定水位に維持しながら水車17ではそのガイドベーン開度に応じた発電を行う。
【0017】
一方、貯水槽13の水位が更に上昇して標準水位NWLを越えて放流弁駆動開始水位WL2以上になると、放流弁19を開放し始め、最高水位HWLまでの間で放流弁開度0〜100%を調整し、貯水槽13の水位を所定水位に維持しながら水車17では100%の発電を行う。そして、貯水槽13の水位が上昇して最大水位HWLを越えて異常水位WL3以上になると、取水ゲート15を強制的に閉止して貯水槽13の水位を所定水位に維持する。
【0018】
このように貯水槽13の水位に応じて水車17のガイドベーン開度及び放流弁19の開度を調整することで、貯水槽13の水位を所定水位に維持しながら、水車17の駆動により発電を行う。但し、この貯水槽13の水位に応じた水車17及び放流弁19の駆動制御は基本的なものであり、後述するが、発電設備への要求発電量に応じて適宜変更される。
【0019】
なお、放流弁19にその開度を段階調整する放流弁を適用した場合には、図3に示すように、貯水槽13の水位が標準水位NWLを越えて、放流弁駆動開始水位WL2−1以上になると放流弁19の開度を50%とし、放流弁全開水位WL2−2以上になると放流弁19の開度を100%とし、貯水槽13の水位を所定水位に維持しながら水車17で発電を行う。
【0020】
ここで、本実施形態の水力発電設備の各運転モードに応じた水車17、放流弁19、取水ゲート15等の駆動制御について、図4の運転モード表及び図5のブロック線図を用いて説明する。なお、図4の運転モード表にて、○は制御信号の入力、×は制御信号の入力なしという意味である。
【0021】
まず、図4に示すように、水力発電設備の通常運転モードの始動時、負荷増減時、普通停止時では、水車17は貯水槽13の水位及び要求発電量に応じた制御モードであり、放流弁19は貯水槽13の水位に応じた制御モードで運転される。即ち、図5に示すように、水車駆動制御部22にて、予め設定された水車設定回転速度n0 と図示しないセンサにより検出された実際の水車回転速度nとの偏差Δnが演算器41にて算出される一方、水力発電設備の要求発電量に応じて設定された負荷設定値が補正演算器42でその作動遅れ分が補正され、速度垂下率を乗じたものを両者が加算器43で加算されて指令値設定部44に入力される。この指令値設定部44では要求発電量に必要な水車17の基準ガイドベーン開度GS を求めて指令値演算器45に出力する。一方、水車開度演算器46では、貯水槽13の水位Hに基づいて予め設定されたマップ(図2のグラフ)から水車17の適正ガイドベーン開度G0 を求め、補正演算器47でその作動遅れ分が補正されて指令値演算器45に出力する。
【0022】
この指令値演算器45では、基準ガイドベーン開度GS と適正ガイドベーン開度G0 とフィードバック制御値とに基づいて制御指令値G1 を求め、速度リミッタ48を通ってガイドベーン作動速度が設定され、補正演算器49でその作動遅れ分が補正され、ガイドベーン駆動用サーボモータ21に制御信号Gが出力される。駆動用サーボモータ21は制御信号Gに応じて駆動し、水車17のガイドベーン開度を調整する。
【0023】
一方、放流弁駆動制御部24にて、放流弁開度演算器51では、貯水槽13の水位Hに基づいて予め設定されたマップ(図2のグラフ)から放流弁19の適正放流弁開度V0 を求め、スイッチ52を介して演算器53で適正放流弁開度V0 とフィードバック制御値とに基づいて制御指令値V1 を求め、速度リミッタ54を通って放流弁作動速度が決まり、補正演算器55でその作動遅れ分が補正され、放流弁駆動用サーボモータ23に制御信号Vが出力される。駆動用サーボモータ23は制御信号Vに応じて駆動し、放流弁19の開度を調整する。
【0024】
次に、図4に示すように、水力発電設備内で事故が発生した内部事故運転停止モードでは、水車17は貯水槽13の水位及び要求発電量に応じた制御モードからガイドベーンを強制的に閉止するモードに切り換わると共に、放流弁19は貯水槽13の水位に応じた制御モードから放流弁19を強制的に開放するモードに切り換わり、水車17の完全停止後に水位制御モードで運転される。また、同時に、取水ゲート15も閉じる。
【0025】
即ち、図5に示すように、水車駆動制御部22にて、指令値設定部44に非常停止信号Aが入力されると、この指令値設定部44では要求発電量に関係なくガイドベーン全閉信号GE を指令値演算器45に出力し、この指令値演算器45では、適正ガイドベーン開度G0 等に拘らずガイドベーン全閉信号GE を出力し、速度リミッタ48及び補正演算器49を介してガイドベーン駆動用サーボモータ21にガイドベーン全閉信号GE を制御信号Gとして出力する。駆動用サーボモータ21は制御信号G(ガイドベーン全閉信号GE )に応じて駆動し、ガイドベーンを閉じて水車17を直ちに停止する。
【0026】
一方、放流弁駆動制御部24にて、非常停止信号Aがスイッチ56に入力するとタイマ57が作動して通電し、非常停止信号Aがスイッチ52に入力する。すると、放流弁開度演算器51からの放流弁19の適正放流弁開度V0 の入力が停止する。一方、スイッチ58で保持された適正ガイドベーン開度G0 が演算器59を介して放流弁同期開度演算器60に入力し、予め設定されたG−Vシンクロマップに基づいて適正ガイドベーン開度G0 に応じた適正放流弁開度V0 が求められてスイッチ52に入力し、演算器53、速度リミッタ54、補正演算器55を介して放流弁駆動用サーボモータ23に制御信号Vが出力される。駆動用サーボモータ23は制御信号Vに応じて駆動し、放流弁19の開度を適正ガイドベーン開度G0 に応じた開度に調整する。
【0027】
その後、所定時間経過して放流弁19の開度が内部事故発生時の適正ガイドベーン開度G0 (制御信号G)になると共に、水車17のガイドベーン開度が0、つまり、水車が停止すると、タイマ57が停止して断線し、放流弁開度演算器51からの放流弁19の適正放流弁開度V0 がスイッチ52に入力し、貯水槽13の水位に基づく水位制御に移行する。また、放流弁19の開放制御及び水車17の停止制御に伴って取水ゲート15を閉じる。なお、放流弁駆動制御部24に非常停止信号Aが入力しても放流弁19が何らかの影響により開放しないときには、取水ゲート15を閉止を待って水車17を停止する。
【0028】
また、図4に示すように、水力発電設備の外部で事故が発生した外部事故モードでは、水車17は貯水槽13の水位に応じた制御モードからガイドベーンを閉止するモードに切り換わると共に、放流弁19は貯水槽13の水位に応じた制御モードから放流弁19を強制的に開放するモードに切り換わって運転される。
【0029】
即ち、水力発電設備の外部事故が発生すると、実際の水車回転速度nが異常上昇するため、水車駆動制御部22では水車設定回転速度n0 とこの水車回転速度nとの偏差Δnが大きくなり、指令値設定部44で外部事故と判断する。一方、放流弁駆動制御部24にて、負荷遮断検出器61が水車回転速度nが異常上昇を検出すると、リミッタ62を介して非常停止信号Aがスイッチ56に入力する。すると前述の内部事故と同様に、予め設定されたG−Vシンクロマップに基づいて適正ガイドベーン開度G0 に応じた適正放流弁開度V0 を求め、放流弁駆動用サーボモータ23に制御信号Vを出力して放流弁19の開度を適正ガイドベーン開度G0 に応じた開度に調整する。
【0030】
その後、所定時間経過すると放流弁19は貯水槽13の水位に応じて開度を制御する水位制御モードに切り換わり、外部事故の修復を待って水車17が待機状態となるが、一定時間経過しても送電系統が復旧しない場合は、送電線等の永久事故と判断して取水ゲート15を閉止する。
【0031】
なお、外部事故が復旧し、待機状態の水車17を駆動する場合、放流弁19の実際の開度(制御信号V)は放流弁開度センサ26が検出して水車駆動制御部22の制御部22aに入力しているので、放流弁19を閉止すると共に、水車駆動制御部22はガイドベーンの開度を放流弁19の放水量に応じた適正なガイドベーン開度G0 に開放する。
【0032】
そして、図4に示すように、水力発電設備における水車駆動制御部22側の電源(水車用バッテリ32)が故障して電力が供給されなくなると、水車17は水位制御モードから重錘によりガイドベーンを強制的に閉止する一方、放流弁19は水位制御モードから強制的に開放するモードに切り換わり、水車17の完全停止後に水位制御モードで運転される。また、同時に取水ゲート15も閉じる。
【0033】
即ち、図5に示すように、水車駆動制御部22に水車電源断信号が入力すると、図示しない電磁弁が消勢され、切り離されていた重錘がガイドベーン駆動用サーボモータ21と連結してガイドベーンを緩やかに閉止する。一方、放流弁駆動制御部24のスイッチ56に水車電源断信号が入力すると、前述の内部事故と同様に、予め設定されたG−Vシンクロマップに基づいて適正ガイドベーン開度G0 に応じた適正放流弁開度V0 を求め、放流弁駆動用サーボモータ23に制御信号Vを出力して放流弁19の開度を適正ガイドベーン開度G0 に応じた開度に調整する。その後、所定時間経過すると放流弁19は貯水槽13の水位に応じて開度を制御する水位制御モードに切り換わり、取水ゲート15も閉じられると放流弁19も閉止する。
【0034】
一方、図4に示すように、水力発電設備における放流弁駆動制御部24側の電源(放流弁用バッテリ33)が故障して電力が供給されなくなると、水車17は水位制御モードで閉止する一方、放流弁19は水位制御モードから重錘により強制的に開放する。また、同時に取水ゲート15も閉じる。
【0035】
即ち、図5に示すように、水車駆動制御部22に放流弁電源断信号が入力すると、スイッチ63の接点が切り換わり、放流弁補助制御部50により重錘が放流弁19と連結して緩やかに開放する。一方、水車17は貯水槽13の水位に応じて開度を制御する水位制御モードで、取水ゲート15の閉止により閉止する。
【0036】
また、図4及び図5に示すように、水車17を手動停止する場合には、放流弁19は水位制御モードのまま運転される。
【0037】
更に、図4及び図5に示すように、豪雨などによる貯水槽13の水位が異常上昇した場合、水車17は貯水槽13の水位及び要求発電量に応じた制御モードで、放流弁19は貯水槽13の水位に応じた制御モードのまま運転し、取水ゲート15を閉止する。
【0038】
このように本実施形態の水力発電設備にあっては、水車17を水車駆動制御部22によりガイドベーン開度を変更して流水量を調整する一方、放流弁19を放流弁駆動制御部24により放流弁開度を変更して流水量を調整するようにし、各駆動制御部22,24にはガイドベーン開度及び放流弁開度が常時入力されるようにし、水車17の内部事故等の異常発生時には、水車17のガイドベーンを閉止して水車17の駆動を停止する一方、放流弁19の開度を異常発生時における水車17のガイドベーン開度(流水量)に対応する開度とし、水車17が完全に停止した後には貯水槽13の水位に基づいて放流弁開度を駆動制御するようにしている。
【0039】
従って、異常発生時の水車17と放流弁19の開度制御が容易となり、水車17のガイドベーン開度に拘らず、貯水槽13の水位を制御しながら水車17を早急に停止することで十分な安全性を確保できる。
【0040】
なお、上述の実施形態では、水力発電設備内で事故が発生した内部事故運転停止モードにて、水車17を強制停止する一方、放流弁19を事故発生時のガイドベーン開度に応じた放流弁開度に調整するようにしている。この場合、水車17と放流弁19が全開(開度100%)のときにその流水量を同量として説明したが、相違する場合には流水量が同量となるように水車17のガイドベーン開度と放流弁19の開度を調整すればよい。
【0041】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明の水力発電設備によれば、貯水槽の水位に基づいて水車を駆動制御可能とすると共に、貯水槽の水位が所定水位以上となったときにこの水位に基づいて放流弁を駆動制御可能とし、且つ、水車の異常発生時には、水車の駆動を停止する一方、水車の流水量としてのガイドベーン開度を常時把握し、水車の異常発生時に放流弁の流水量が異常発生時における水車の流水量と同量となるまで放流弁の開度を増加させるようにしたので、異常発生時の水車と放流弁の開度制御が容易となり、水車の開度に拘らずこの水車を容易且つ早急に停止することで十分な安全性を確保することができ、その結果、水車の異常発生時に水車及び放流弁を適正に制御して安定した運転制御を可能とすることができる。
【0043】
請求項2の発明の水力発電設備によれば、放流弁の流水量が異常発生時における水車の流水量と同じ流水量となって水車が完全に停止した後に、貯水槽の水位に基づいて放流弁を駆動制御するようにしたので、水車が停止しても放流弁を適正に駆動制御することで貯水槽の水位を所定水位に確実に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る水力発電設備を表す概略図である。
【図2】貯水槽の水位に対するガイドベーン(水車)及び開度を無段階調整可能な放流弁の開度を表すグラフである。
【図3】貯水槽の水位に対するガイドベーン(水車)及び開度を段階調整可能な放流弁の開度を表すグラフである。
【図4】水力発電設備の運転モードに応じた水車及び放流弁の制御内容を表す表である。
【図5】水力発電設備における水車及び放流弁の制御ブロック図である。
【符号の説明】
13 貯水槽
15 取水ゲート
16 流水路
17 水車
18 バイパス路
19 放流弁
22 水車駆動制御部
24 放流弁駆動制御部
25 ガイドベーン開度センサ
26 放流弁開度センサ
27 圧力式水位計
28 フロート式水位計
Claims (2)
- 貯水槽と、基端部が該貯水槽に連結された水流路と、該水流路に設けられた水車と、基端部が前記水車よりも上流側の水流路に連結されたバイパス路と、該バイパス路に設けられた放流弁と、前記貯水槽の水位を検出する水位検出器と、該水位検出器が検出した前記貯水槽の水位に基づいて前記水車を駆動制御する水車駆動制御手段と、前記水位検出器が検出した前記貯水槽の水位が所定水位以上となったときに該水位に基づいて前記放流弁を駆動制御すると共に前記水車の流水量としてのガイドベーン開度が常時入力されている放流弁駆動制御手段とを具え、
前記水車の異常発生時には、前記水車駆動制御手段が前記水車の駆動を停止する一方、前記放流弁駆動制御手段は、常時入力されているガイドベーン開度を基に異常発生時の前記水車の流水量を求め、前記放流弁の流水量が異常発生時における前記水車の流水量と同量となるまで前記放流弁の開度を増加させることを特徴とする水力発電設備。 - 請求項1記載の水力発電設備において、
前記放流弁駆動制御手段は、前記水車の異常発生時には、前記放流弁の流水量が異常発生時における前記水車の流水量と同量となるまで前記放流弁の開度を増加させ、前記水車の駆動が完全に停止した後に、前記貯水槽の水位に基づいて前記放流弁を駆動制御することを特徴とする水力発電設備。
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Cited By (1)
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