JP2884032B2 - 小水力発電設備の出力調整装置 - Google Patents

小水力発電設備の出力調整装置

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  • Control Of Water Turbines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば僻地の発電設備
などのように、比較的電力消費の少ない負荷に電力供給
する設備に適用される小水力発電設備の出力調整装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の装置においては、発電
機用の調速機などを設け、発電機の運転時における需要
側負荷の変動にともなう発電周波数の変化に対応して、
水車の案内羽根の開度を加減することが行なわれている
が、小水力発電設備に上記調速機などを設けて負荷変動
に対応させることは、構造が複雑になり、設備コストも
上昇するといったように、積極的に採用し難いものであ
る。
【0003】そのため、従来、例えば特開昭56−12
9769号公報などに開示されているように、水車によ
り回転駆動される発電機に対して調整負荷としてのダミ
ー負荷を設け、需要側負荷の変動に応じて変化する発電
機の発電周波数を検出して、その検出された需要側負荷
に反比例する出力電流を上記ダミー負荷に流すことによ
って、つまり、需要側の変動分に応じてダミー負荷値を
調整することで、発電機にかかる全負荷が常に一定にな
るようにしたものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した構成
の従来の小水力発電設備の出力調整装置では、需要側負
荷に反比例する容量のダミー負荷を調整負荷として発電
機にかけるようにしているだけであるから、例えば需要
側負荷が減少している時でも、水車を駆動させるための
水の使用量は一定であり、水が無駄使いされるという難
点があった。
【0005】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、需要側負荷の変動に対して発電機にかかる全負荷を
常に一定に保てるだけでなく、水の無駄使いをなくする
ことができる小水力発電設備の出力調整装置を提供する
ことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る小水力発電設備の出力調整装置は、水
圧管の出口に設けられた水車により回転駆動される発電
機に対するダミー負荷を設け、需要側負荷の変動に応じ
て変化する発電機の発電周波数を検出して、上記需要側
負荷に反比例する出力電流を上記ダミー負荷に流して発
電機にかかる全負荷を一定に制御させるようにした小水
力発電設備の出力調整装置であって、上記ダミー負荷に
流れる電流量を検出する電流量検出手段と、この電流量
検出手段による検出値が電流量設定値の所定範囲内に保
たれるように、上記水車の上流側に介在させた電動式入
口弁の開度を自動制御するコントローラとを備えたもの
である。
【0007】
【作用】本発明によれば、発電機の運転時に需要側が変
動すると、これにともなって変化する発電機の発電周波
数が検出され、その検出された発電周波数値と周波数設
定値との比較にもとづいて需要側負荷に反比例する出力
電流がダミー負荷に流れて余剰電力が消費され、これに
よって、発電機にかかる全負荷が一定に保持されること
にな。
【0008】このとき、上記ダミー負荷に流れる電流量
が検出されてその検出値がコントローラに入力され、こ
のコントローラにおいて、電流量検出値が電流量設定値
の所定範囲内に保たれるように、電動式入口弁の開度が
自動制御されることになり、したがって、需要側負荷が
減少した場合、水車に対する水の供給量も少なくなっ
て、水の無駄使いが抑制されることになる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面にもとづいて
説明する。図1は本発明の一実施例による小水力発電設
備の出力調整装置を示すブロック構成図である。
【0010】図1において、1は上水槽であり、この上
水槽1に接続された水圧管2の出口には、該水圧管2内
を重力降下する水Wの勢いにより回転される水車3が配
置されており、この水車3の上流側部位の水圧管2に
は、モータ4を介して開閉駆動される電動式入口弁5が
介在されている。6は上記水車3により回転駆動され
て、需要側負荷に電力を供給する発電機である。
【0011】7は上記需要側負荷の変動に対して発電機
6を全負荷に調整させるためのダミー負荷であり、例え
ばシーズヒータなどが用いられる。8は上記需要側負荷
の変動時に発電機6の発電周波数を検出する周波数検出
器、9は上記周波数検出器8による周波数検出値と、周
波数設定器10に設定された周波数設定値とを比較する
比較器である。
【0012】11は上記発電機6の出力側とダミー負荷
7との間に介挿されたサイリスタあるいはトライアック
などのようなゲート付きスイッチング素子であり、ゲー
ト信号が印加された際、比較器9からの出力を受けて、
上記需要側負荷の変動に反比例する出力電流を上記ダミ
ー負荷7に流すことにより、負荷を調整して発電機6に
かかる全負荷を一定に制御するためのものである。
【0013】12は上記スイッチング素子11のアノー
ド側に設けられた検流コイル13により、上記ダミー負
荷7に流れる電流量を検出する電流検出器であり、上記
コイルとともに電流量検出手段14を構成している。1
5は上記電流検出器12による電流検出値が電流設定器
16に設定されている電流量設定値の所定の範囲内に保
たれるように、上記モータ4に対して開度制御信号を送
出するコントローラである。
【0014】つぎに、上記構成の装置の動作について説
明するまず初めに、コントローラ15からの開度制御信
号によりモータ4を介して電動式入口弁5を一定開度ま
で開放させる。これによって、水圧管2内を重力降下す
る水Wの勢いにより水車3が回転して、発電機6が回転
駆動され、需要側負荷に対して電力が供給される。そし
て、発電機6の発電周波数が周波数検出器8により検出
され、その検出値と周波数設定器10に設定されている
周波数設定値とが比較器9において比較される。
【0015】このような運転状態において、上記需要側
負荷が例えば減少すると、上記発電機6の発電周波数が
高くなるので、上記比較器9では周波数検出値が周波数
設定値以上であることが判別される。そして、このと
き、ゲート信号の印加によって上記スイッチング素子1
1がONし、上記需要側負荷の減少量に反比例する出力
電流が上記スイッチング素子11を経てダミー負荷7側
に流れ余剰電力が消費される。これによって、発電機6
には、需要側負荷に反比例する容量の調整負荷がかけら
れることになり、発電機6にかかる全負荷が一定に保た
れる。
【0016】上記ダミー負荷7に流れる電流量は検流コ
イル13を介して電流検出器12により検出され、その
検出値がコントローラ15に入力される。このコントロ
ーラ15では、上記電流量検出値が電流設定器16に設
定されている電流量設定値の所定範囲内にあるか否かを
判別し、その判別において、上記需要側負荷が減少して
上記電流量検出値が電流量設定値の所定範囲を越えてい
る場合、上記モータ4に対して開度を小さくさせるため
の制御信号を送出し、これによって、電動式入口弁5の
開度は、上記電流量検出値が電流量設定値の所定範囲内
に保たれるように小さく調整され、したがって、水車3
を回転させるための水Wの使用量が節約されることにな
る。
【0017】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、需要側
負荷の変動に対してダミー負荷に需要側負荷に反比例す
る出力電流を流すことにより、発電機の全負荷を常に一
定に保持させることができるばかりでなく、ダミー負荷
に流れる電流量を検出して、その検出値が電流量設定値
の所定範囲内に保たれるように水車の上流側の電動式入
口弁の開度を自動的に制御することによって、需要側負
荷が減少した際の水車に対する水の使用量を節減して、
水の無駄使いを抑制することができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による小水力発電設備の出力
調整装置を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
1 上水槽 2 水圧管 3 水車 5 電動式入口弁 6 発電機 7 ダミー負荷 8 周波数検出器 14 電流量検出手段 15 コントローラ W 水

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水圧管の出口に設けられた水車により回
    転駆動される発電機に対するダミー負荷を設け、需要側
    負荷の変動に応じて変化する発電機の発電周波数を検出
    して、上記需要側負荷に反比例する出力電流を上記ダミ
    ー負荷に流して発電機にかかる全負荷を一定に制御させ
    るようにした小水力発電設備の出力調整装置であって、
    上記ダミー負荷に流れる電流量を検出する電流量検出手
    段と、この電流量検出手段による検出値が電流量設定値
    の所定範囲内に保たれるように、上記水車の上流側に介
    在させた電動式入口弁の開度を自動制御するコントロー
    ラとを備えたことを特徴とする小水力発電設備の出力調
    整装置。
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