図1は、本発明に係るSQ(Super Quick)バッテリパック1の一実施の形態の構成を示す図である。SQバッテリパック1は、ビデオカメラ2のバッテリ装着部3に装着される。SQバッテリパック1は、例えばビデオカメラ2のバッテリ装着部3に装着され、このビデオカメラ2に対して電源を供給する一方、図5を参照して、後述する充電器151にも装着可能に構成されており、充電器151により充電される。また、バッテリ装着部3には、従来型のバッテリパック11(図4)も装着可能である。SQバッテリパック1は、バッテリパック11と比べて、充電器151において、充電する際、より大電流で充電することができるため、従来のバッテリパック11と比較して充電時間が短い。
次に図2を参照して、SQバッテリパック1の詳細について説明する。図2に示すように、図12を参照して後述するバッテリセル1251a、または、1251bを内部に収納するケース101が設けられている。
SQバッテリパック1のケース101は、例えば合成樹脂材料によって形成されている。ケース101の幅方向の両側面には、バッテリ装着部3、または、充電器151のスロット162a、または、162bに対して、図2中矢印A方向で示される装着方向へガイドするためのガイド溝102a乃至102d(図3)がそれぞれ形成されている。図2では、ガイド溝102a,102bのみが表示されている。
尚、以下の説明において、ガイド溝102a乃至102dを、個々に区別する必要がないとき、単にガイド102と称する。また、他の構成についても同様とする。
各側面の各ガイド溝102は、図3に示すように、一端がケース101の底面部115に開口して形成されており、ケース101の長手方向に並列してそれぞれ形成されている。
バッテリ装着部3、または、充電器151のスロット162に対する図3中矢印A方向で示される装着方向の前面部111には、ケース101の幅方向の両側に入出力端子112,113が、それぞれ配設されており、幅方向の略中央に通信端子114が配設されている。
入出力端子112,113は、充電器151から電力の供給を受ける。通信端子114は、充電器151とSQバッテリパック1の充電容量などの情報を通信する。また、各入出力端子112,113および通信端子114の外方に臨む一端は、ケース101の前面部111に形成された略矩形状の凹部内に位置されている。その結果、バッテリ装着部3、または、充電器151は、各接続端子以外の箇所に当接することによる破損を防止する構成となっている。
ケース101の底面部115の図3中矢印A方向で示される装着方向の前面部(長手方向の前面部)には、一対の規制凹部116,117が、それぞれ形成されている。これら規制凹部116,117は、図3に示すように、幅方向のほぼ中心線(図示せず)に対して線対称にそれぞれ形成されている。装着の際に、これらの規制凹部116,117は、充電器151の規制凸部206,207(図7)に係合して、このスロット162に対するケース101の底面部115の幅方向の傾斜を規制する。
この規制凹部116,117は、図3に示すように、ケース101の底面部115に直交して形成された第1の部分と、この第1の部分に直交して形成された第2の部分とを有しており、断面略L字状に形成されている。
また、ケース101の底面部115の略中央には、適合するスロット162であるかを識別するための略矩形状の識別用凹部118が形成されている。
識別用凹部118は、図3に示すように、ケース101の幅方向のほぼ中心線上に位置するとともに、ケース101の底面部115の略中央から前面部111側に位置して形成されている。この識別用凹部118内部の底面には、ケース101の幅方向のほぼ中心線上に位置して、略矩形状の識別用溝119が長手方向の両端に連続して形成されている。この識別用凹部118内には、ケース101の底面部115の幅方向の両側に、段部がそれぞれ形成されている。この識別用凹部118の幅方向の寸法は、寸法幅W0(W0は、所定の寸法である)に形成されている。
また、通信端子114に隣接するガイド溝120は、ケース101の長手方向と平行に形成されている。このガイド溝120は、ケース101の前面部111に一端を開口するとともに、他端が識別用凹部118に連続されて形成されている。このガイド溝120には、ケース101の前面部111側に隣接する位置に、ケース101の底面部115に直交する方向である深さが異なる段部121が形成されている。そして、ガイド溝120は、SQバッテリパック1を充電器151のスロット162に対する図中矢印A方向で示されている装着方向にガイドする。
ケース101の底面部115には、図3に示すように、通信端子114を挟んでガイド溝120と対向する位置に、ガイド溝122が形成されている。このガイド溝122は、ケース101の底面部115の長手方向と平行に形成されており、一端がケース101の前面部111に開口して形成されている。
ケース101の幅方向の両側面には、入出力端子112,113に隣接する規制溝103(図示されていないが、前面部111を正面にして左側面の同じ位置にも設けられている)が形成されている。規制溝103は、前面部111に開口するとともに底面部115に略平行にそれぞれ形成され、充電器151のスロット162に対して底面部115の幅方向の傾斜を規制する。
ケース101の底面部115には、充電器151に装着された際に、スロット162に係合される小ロック用凹部124および大ロック用凹部125がそれぞれ形成されている。小ロック用凹部124は、略矩形状に形成されており、ケース101の幅方向のほぼ中心線上に位置して、識別用凹部118に隣接する位置に形成されている。大ロック用凹部125は、小ロック用凹部124よりやや大とされた略矩形状に形成されており、ケース101の幅方向のほぼ中心線上に位置して、装着方向の背面側にそれぞれ形成されている。
バッテリパック種別判定用凹部131は、充電器151のスロット162に装着する際に、SQバッテリパック1とバッテリパック11を識別するための凹部である。バッテリパック種別判定用凹部131は、図4に示す、従来型のバッテリパック11のBに示す部分に対して、底面部115から見て、ガイド溝122と同じ深さで、かつ、規制部117の長手方向と同じ長さ分だけ、凹部が形成されている。すなわち、バッテリパック種別判定用凹部131は、従来型のバッテリパック11の底面部115の一部が切り取られたような構成となっている。尚、従来のバッテリパック11とSQバッテリパック1との外形上の違いは、バッテリパック種別判定用凹部131の有無だけであるので、その他の説明は省略する。
次に、図5を参照して、充電器151の構成を説明する。
充電器151は、2個のバッテリパックを装着することができる。また、充電器151の端子シャッタ161a,161bは、板状のものであり、SQバッテリバック1、または、バッテリパック11が装着されないとき、充電器151本体に内蔵された図示せぬバネの反発力により図中矢印A方向と対向する方向に押し出され、所定の長さで固定され、後述する充電器151の各端子部分を覆い隠している。また、端子シャッタ161は、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11がスロット162に沿って、装着されるとき、前面部111により図中矢印A方向に、図示せぬバネの反発力に対向して押圧されると、図中矢印A方向にスライドし、充電器151の本体に収納される。このように端子シャッタ161が収納されることにより、充電器151の端子部分が露出され、さらに、SQバッテリパック11、または、バッテリパック1が装着(接続)される。尚、スロット162の詳細については、後述する。
DC(Direct Current)入力端子163は、充電器151に電源を供給する図示せぬケーブルが装着される端子であり、定格電力が供給される。DC出力端子164は、DC入力端子163により供給された電力をビデオカメラ2に出力する図示せぬケーブルが装着される端子であり、ビデオカメラ2に対応した電圧値、および、電流値の電力を出力する。
充電ランプ165a,165bは、スロット162a,162bのそれぞれに装着されたバッテリパックのうち、現在電力を供給中の(充電中の)バッテリパックを示すためのランプであり、電力を供給しているスロット162に点灯する。
モード切替スイッチ166は、充電器151の動作モードを切替えるスイッチであり、DC出力端子164に装着されたビデオカメラに出力するモードか、または、スロット162に装着されたバッテリパックの充電を行うモードのいずれかを選択するスイッチである。
充電モードランプ167は、充電器151の充電時の2個のモードを示すものである。一方の充電モードは、急速充電モードであり、従来型のバッテリパック11の充電用のモードであり、他方は、超急速充電モードであり、SQバッテリパック1の充電用のモードである。尚、超急速充電モードとは、急速充電モードと比較すると大電流で高速に充電させるモードである。
表示部168は、LCD(Liquid Crystal Display)などからなり、充電状態やその他の情報を表示する。
図6は、表示部168の詳細を示したものである。尚、図6においては、LCDとして表示できる部分が全て表示された状態を示している。従って、実際の表示は、図6の表示のうちの一部が表示されることになる。
充電異常表示部181は、表示部168の左上に位置している「充電異常」と示された部分であり、装着されたSQバッテリパック1、または、バッテリパック11の充電中に異常が感知されたとき、表示される。
充電残り時間表示部182は、充電残り時間を表示するものであり、「実用満充電終了まで」とある表示のうち、実用充電時間、すなわち、使用することができる充電状態までの時間を表示するとき「実用充電終了まで」が表示され、完全に充電されるまでの充電時間をしめすとき「満充電終了まで」が表示され、このとき、時間表示部183には、それぞれの充電終了までの時間が表示される。
使用可能時間表示部184は、装着されたSQバッテリパック1、または、バッテリパック11の使用可能時間を表示するとき表示され、そのとき、時間表示部183には、対応する使用可能時間が表示される。
ビデオカメラ表示部185は、モード切替スイッチ166によりビデオカメラ2に電力を供給しているモードのとき、表示される。
満充電表示部186は、装着されたSQバッテリパック1、または、バッテリパック11の充電状態が満充電(充電容量の100%)になったとき、表示される。バッテリマーク187は、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の充電状態を表示するもので、満充電に近付くに連れて、表示部分が増えるようになり、逆に、充電されている容量が少ないとき、表示部分が減少する。
ここで、図5の充電器151の説明に戻る。
充電スロット表示ランプ169は、スロット162a,162bのそれぞれを示す2個のランプから構成されており、現在、表示部168が、いずれに装着されているバッテリパックの情報を表示しているかを示すランプである。
表示切替ボタン170は、押下される毎に、表示部168の表示内容を変化させるボタンであり、押下するごとに、表示スロット162の切り替え(充電スロットランプ169の切替え)、充電終了までの時間表示、使用可能時間表示を切替える。
次に、図7を参照して、スロット162の詳細な構成について説明する。尚、スロット162a,162b共に、同様の構成となっている。
スロット162は、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の底面115の形状よりやや大に形成されている。スロット162は、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の幅方向の両側面に対向する各側面に、載置面208に隣接して、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の各ガイド溝102にそれぞれ係合する一対のガイド凸部201a,201bを備える。尚、図示しないが、ガイド部201a,201bは、スロット162の矢印A方向に垂直方向に対向する位置にさらに2個設けられている。
スロット162は、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の装着の際に、ケース101の各ガイド溝102にガイド凸部201がそれぞれ挿入されることによって、ケース101の底面115を載置面208に略平行とさせて挿入方向をガイドするとともに、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11を保持する。
SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の装着時にその前面部111に対向するスロットの突当面205側には、接続端子202,203、および、通信端子204が配設されている。これらの端子は、通常、端子シャッタ161が、矢印A方向の対向方向に、規制凸部206,207のL字状となった、図中の右側面と同じ位置まで、スライドした状態となることにより覆われており、衝撃などから保護されている。尚、図7においては、端子シャッタ168が、図中矢印A方向にスライドし、充電器151本体に収納された状態を示している。
接続端子202,203は、スロット162の幅方向の両側に位置してそれぞれ設けられ、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の入出力端子112,113にそれぞれ接続される。通信端子204は、スロット162の幅方向の略中央に位置して、バッテリパック1の通信端子114に接続される。接続端子202,203、および、通信端子204は、スロット162の突当面205に、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の底面115に平行とされるとともに、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の長手方向と平行にそれぞれ設けられている。
また、スロット162には、突当面205と載置面208とに跨って、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の各規制凹部116,117にそれぞれ係合する一対の規制凸部206,207が、幅方向にほぼ中心線に対して線対称にそれぞれ一体に形成されている。
これら各規制凸部206,207は、載置面208に直交して形成された第1の部分と、この第1の部分に直交して形成された第2の部分とを有しており、断面略L字状を呈して形成されている。これら各規制凸部206,207は、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の底面115がスロット162の載置面208に対して幅方向に傾斜された状態とされることを規制する。
また、スロット162には、突当面205と載置面208とに跨って、通信端子204に隣接する位置に、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の挿入方向をガイドするガイド凸部210が一体に形成されている。このガイド凸部210は、図7に示すように、載置面208の長手方向と平行に形成されており、装着されるSQバッテリパック1、または、バッテリパック11の底面115のガイド溝120に係合する位置に形成されている。
また、スロット162には、突当面205と載置面208とに跨って、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の装着方向をガイドするガイド凸部211が、載置面208の長手方向と平行に一体に形成されている。このガイド凸部211は、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11のガイド溝122に係合することによって、装着方向をガイドする。
また、スロット162の幅方向の両側面に、規制溝123に係合する規制爪209がそれぞれ一体に突出形成されている。規制爪209は、載置面208に平行とされるとともに、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の長手方向に平行に形成されている。尚、規制爪209は、矢印A方向と垂直方向にスロット162の対向する面に、図示しないが、さらに、もう1個形成されている。
また、スロット162には、載置面208の略中央に、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11が充電可能か否かを識別する識別用凹部118に係合する識別用凸部212が一体に形成されている。この識別用凸部212は、略直方体状に形成されている。この識別用凸部212の先端部には、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の識別溝119に係合する凸片212aが一体に形成されている。そして、この識別用凸部212は、図7に示すように、載置面208の幅方向に平行な寸法が、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の識別用凹部118の幅W0より小とされた幅W1に形成されており、識別用凹部118に挿入可能とされている。また、識別用凸部212は、突当面205から直交する方向に所定の距離だけ隔てた位置に形成されている。
充電ON/OFFスイッチ213は、バネ状のスイッチであり、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11がスロット162に装着される際、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11が載置面208上に底面部115と接するように載置され、さらに、図中矢印A方向にスライドしながら底面部115により、充電ON/OFFスイッチ213のバネの反発力以上に押圧されると、ONにされ、充電の開始をマイクロコンピュータ1271(図12)に出力する。
バッテリパック種別判定スイッチ214は、バネ状のスイッチであり、装着されたバッテリパックが従来型のバッテリパック11か、または、SQバッテリパック1であるかを識別するスイッチである。例えば、図8に示すように、SQバッテリパック1が装着される場合、SQバッテリパック1のバッテリパック種別判定スイッチ214に対応する位置には、バッテリパック種別判定用凹部131が設けられており、この凹部のため、図9に示すように、バッテリパック種別判定スイッチ214は、SQバッテリパック1の底面部115により押圧されない。このとき、接点241a,241bは、バネ242の図中上方向の反発力により、接触したままの状態となり、通電している情報が、マイクロコンピュータ1271(図12)に通知されることにより、後述する充電時には、装着されたバッテリパックが、SQバッテリパック1であることを認識させる。尚、バッテリパック種別判定スイッチ214は、接点241a,241bが接触しているとき、OFFであると判定する。
一方、図10に示すように、従来型のバッテリパック11が装着されると、バッテリパック11のバッテリパック種別判定スイッチ214に対応する位置には、図4に示した凹部のないBの部分が、図中矢印A方向にスライドするため、底面部115が、図11に示すように、バネ242の図中上方向の反発力以上の力で、バッテリパック種別判定スイッチ214を押圧する。このとき、接点241a,241bは非接触の状態となり、通電しない状態となり、この情報が、マイクロコンピュータ1271(図12)に通知されることにより、後述する充電時には、装着されたバッテリパックが、従来型のバッテリパック11であることを認識させる。尚、バッテリパック種別判定スイッチ214は、接点241a,241bが非接触の状態のとき、ONであると判定する。
以上の構成により、バッテリパック種別判定スイッチ214は、押下されるが、充電ON/OFFスイッチ213も、同様な原理的により押下される。ただし、SQバッテリパック1も、従来型のバッテリパック1も、対応する位置に凹部が構成されていないので、SQバッテリパック1か、または、バッテリパック1のいずれが装着されても、必ずONになる。図8、または、図10に示すように、バッテリパック種別判定スイッチ214は、充電ON/OFFスイッチ213よりも図中距離L1だけ突当面205より離れた位置に設けられている。このため、例えば、バッテリパック11が装着される場合、バッテリパック種別判定スイッチ214は、充電ON/OFFスイッチ213よりも早いタイミングで押下される。その結果、充電ON/OFFスイッチ213が押下されて、充電が開始されるよりも先に、バッテリパックの種別を判別することができ、これに応じて、充電モードを急速充電モードに切替えることができるので、バッテリパック11に対して、SQバッテリパック1に供給する超急速充電モードの大電流を印加させずに済み、過電流によるバッテリパック11の破損を防止することができる。
また、図9,図11に示すようなスイッチの構成にすることにより、例えば、スイッチのバネ242が、連続的にバッテリパック11の底面部115に押圧されつづけて、図中上方向の反発力が低下した場合、接点241a,241bが、非接触の状態となることが予想される。しかしながら、バネの反発力が低下しても、バッテリパック種別判定スイッチ214は、ONの状態が維持されるだけなので、急速充電モードが維持されることになるので、従来型のバッテリパック11が装着されても、過電流による破損を防止することができる。
以上のようにスロット162が構成されることによって、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11は、充電器151に対して装着可能となる。
なお、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11を装着するビデオカメラ2のバッテリ装着部3も、スロット162と同様の構成となっている。
次に、図12を参照して、SQバッテリパック1、および、充電器151の電気的構成例(第1の構成例)について説明する。尚、図12には、スロット162a,162bのいずれにもSQバッテリパック1を装着しているが、いずれの構成も同様である。
SQバッテリパック1のバッテリセル1251は、入出力端子112,113より充電器151から供給される電力を蓄えるセルである。
マイクロコンピュータ1252は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、および、ROM(Read Only Memory)より構成され、reg(regulator)1253を介して供給される電力により駆動する。マイクロコンピュータ1252は、バッテリセル1251の充電状態の他、SQバッテリパック1内の各種の情報を集めると共に、通信回路1254を制御して、通信端子114を介して、充電器151に情報を供給する。
尚、従来型のバッテリパック11も同様の構成であるが、バッテリセル1251の特性が異なり、SQバッテリパック1に比べて、大電流での充電ができない。
次に、充電器151の電気的構成例(第1の構成例)について説明する。
充電器151のマイクロコンピュータ1271は、CPU、RAM、および、ROMから構成されており、充電器151の各種の処理を実行すると共に、各種の情報を表示部168に表示させる。通信回路1272は、マイクロコンピュータ1271により制御され、通信切替器1273により、スロット162a、または、162bに装着されたSQバッテリパック1a、または、1bのいずれかと通信する。
充電切替スイッチ1274は、マイクロコンピュータ1271により制御され、充電の開始時に、休止状態の端子である端子1274aから、充電するスロット162a、または、162bのいずれかに対応する、端子1274b、または、端子1274cのいずれかの切替える。
充電モード切替スイッチ1275は、マイクロコンピュータ1271により制御され、バッテリパック種別判定スイッチ214のONまたはOFFに応じた充電モードに切替える。すなわち、充電モード切替スイッチ1275は、スロット162に装着されたバッテリパックの種類に応じて、充電時に、休止状態の端子1275aから、バッテリパック11の場合、急速充電モード電源1277に接続する端子1275cに切替えられ、SQバッテリパック1の場合、超急速充電モード電源1276に接続する端子1275cに切替えられる。
次に、図13のフローチャートを参照して、充電器151のスロット162aにSQバッテリパック1、または、バッテリパック11を装着して、充電させる場合の充電制御処理について説明する。
ステップS1において、マイクロコンピュータ1271は、バッテリパック種別判定スイッチ214がONになっているか否かを判定し、例えば、図8,図9に示すように、ONになっていないと判定した場合、その処理は、ステップS2に進む。
ステップS2において、マイクロコンピュータ1271は、装着されたバッテリパックがSQバッテリパック1であるとみなし、充電モード切替スイッチ1275を制御して、端子1275aから端子1275bに切替え、超急速充電モード電源1276に接続する。
ステップS3において、マイクロコンピュータ1271は、充電ON/OFFスイッチ213がONになっているか否かを判定し、ONになっていると判定した場合、ステップS4において、充電切替スイッチを休止状態の端子1274aから端子1274bに切替え、SQバッテリパック1への充電を開始する。
ステップS5において、マイクロコンピュータ1271は、通信回路1272、通信切替器1273、通信端子204,114を介して、マイクロコンピュータ1252と通信し、充電が完了したか否かを判定し、充電が完了するまでその処理を繰り返し、充電が完了したと判定した場合、ステップS6において、充電切替スイッチ1274を制御して、端子1274bから端子1274aに切替えると共に、充電モード切替スイッチ1275を、端子1275bから端子1275aに切替え、その処理は、ステップS1に戻る。
また、ステップS1において、例えば、図10,図11に示すように、ONになっていると判定した場合、ステップS7において、マイクロコンピュータ1271は、装着されたバッテリパックが従来型のバッテリパック11であるとみなし、充電モード切替スイッチを制御して、端子1275aから端子1275cに切替え、それ以降の処理を繰り返す。
ステップS3において、充電ON/OFFスイッチ213がONではない、すなわち、OFFであると判定された場合、その処理は、ステップS1に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
尚、スロット162bにSQバッテリパック1、または、バッテリパック11を装着して充電した場合も同様の処理であるので、その説明は省略する。
以上の説明においては、バッテリパックの種別を識別するバッテリパック種別識別判定用凹部131をガイド部122と規制凹部117に跨ぐ部分に設けていたが、この場所に限らず、例えば、図14に示すように小ロック用凹部124の一部にバッテリパック種別識別判定用凹部131aを設けるようにしても良いし、また、図15に示すように、ガイド溝102を構成する凸部を一部削るようにして、バッテリパック種別識別判定用凹部131bを設けても良い。尚、その場合、対応するスロット162の載置面208上に、バッテリパック種別判定スイッチ214を設けることになる。
また、以上においては、バッテリパックの種別として、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の2種類に付いて説明してきたが、例えば、上記の図3,図14、または、図15に示したバッテリパック種別識別判定用凹部131,131a,131bの有無を組み合わせるようにすることで、さらに、多くの種別のバッテリパックを識別することが可能となる。
以上により、バッテリパックの種別を判定し、適正な充電モードでバッテリパックを充電することが可能となる。
以上においては、バッテリパックの形状に基づいて、バッテリパックの充電モードを識別する例について説明してきたが、その他の方法でバッテリパックの充電モードを識別するようにしてもよく、例えば、バッテリパックに充電モードの情報を記憶させ、この情報に基づいて充電モードを切り替えるようにしても良い。
そこで、次に、図16を参照して、バッテリパックに充電モードの情報を記憶させ、この情報に基づいて充電モードを切り替えるときの、SQバッテリパック1、バッテリパック11、および、充電器151のその他の電気的構成例(第2の構成例)について説明する。尚、図16においては、スロット162aに、SQバッテリパック1が、スロット162bにはバッテリパック11が装着されている。
SQバッテリパック1のバッテリセル2251は、入出力端子112,113より充電器151から供給される電力を蓄えるセルである。
マイクロコンピュータ2252は、CPU、RAM、および、ROMより構成され、reg2253を介して供給される電力により駆動する。マイクロコンピュータ2252は、バッテリセル2251の充電状態の他、SQバッテリパック1内の各種の情報を集めると共に、通信回路2254を制御して、通信端子114を介して、充電器151に情報を供給する。
EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)2255は、制御データとして、充電に最適な充電モードデータが製造時に記憶されている。従って、SQバッテリパック1の場合、EEPROM2255aには、最適な充電モードデータとして、超急速充電モードが記録されていることになる。
尚、従来型のバッテリパック11は、SQバッテリパック1と同様の構成であるが、バッテリセル2251aと2251bでは、その特性が異なり、SQバッテリパック1に比べて、大電流での充電ができないので、超高速充電モードによる充電ができない。
次に、充電器151の電気的構成例(第2の構成例)について説明する。
充電器151のマイクロコンピュータ2271は、CPU、RAM、および、ROMから構成されており、充電器151の各種の処理を実行すると共に、各種の情報を表示部168に表示させる。また、マイクロコンピュータ2271は、通信回路2272を制御して、通信切替器2273を介して、さらに、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の通信回路2254a、または、2254bを介して、マイクロコンピュータ2252と通信し、充電モードデータを含む制御データを取得する。
マイクロコンピュータ2271は、充電ON/OFFスイッチ213がONであるいか否かに応じて、充電切替スイッチ2274を制御し、充電しようとするスロット162の端子に切り替える。すなわち、充電の開始時に、休止状態の端子である端子2274aから、充電するスロット162a、または、162bのいずれかに対応する、端子2274b、または、端子2274cのいずれかに切替える。
マイクロコンピュータ2271は、内蔵するROMに図17に示すようなテーブルを記憶しており、バッテリパック種別判定スイッチ214がONであるいか否かの情報と、バッテリパックとの通信により得られる制御データ中の充電モードデータの有無の情報に基づいて、充電モード切替スイッチ2275を制御する。すなわち、バッテリパック種別判定スイッチ214がONで、かつ、通信により充電モードデータが取得できれば、充電しようとするバッテリパックは、SQバッテリパック1であると判定し、充電モード切替スイッチ2275を休止状態の端子2275aから超急速充電モード電源2276に接続する端子2275bに切替える。また、それ以外の場合、すなわち、バッテリパック種別判定スイッチ214がONではないか、または、通信により充電モードデータが取得できなかった場合、充電モード切替スイッチ2275を端子2275cに接続し、急速充電モード電源2277に切替える。さらに、充電モード切替スイッチ2275が端子2275dに切替えられたとき、AC電源2278は、外部の図示せぬAC入力端子より供給される電力をDCに変換し、SQバッテリパック1に供給する。
次に、図18のフローチャートを参照して、充電器151のスロット162aにSQバッテリパック1、または、バッテリパック11を装着して、充電させる場合の充電制御処理について説明する。
ステップS31において、マイクロコンピュータ2271は、バッテリパック種別判定スイッチ214がONになっているか否かを判定し、例えば、図8,図9に示すように、ONになっていない(OFFになっている)と判定した場合、その処理は、ステップS32に進む。
ステップS32において、マイクロコンピュータ2271は、通信回路2272を制御して、通信切替器2273を介して、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11のマイクロコンピュータ2252にEEPROM2255に記憶されている制御データに含まれた充電モードデータを要求する。
ここで、図19のフローチャートを参照して、SQバッテリパック1、または、バッテリパック11の充電モードデータの送信処理について説明する。
ステップS51において、マイクロコンピュータ2252は、通信回路2254を介して、充電器151のマイクロコンピュータ2271から充電モードデータの要求があったか否かを判定し、要求があるまでその処理を繰り返す。ステップS51において、充電モードデータの要求があると判定された場合、ステップS52において、マイクロコンピュータ2252は、EEPROM2255にアクセスして、制御データの充電モードデータの有無を確認する。例えば、SQバッテリパック1の場合、EEPROM2255には、充電モードデータが制御データとして記憶されているので、充電モードデータがあると判定され、その処理は、ステップS53に進む。
ステップS53において、マイクロコンピュータ2252は、通信回路2254を制御して、充電モードデータを充電器151のマイクロコンピュータ2271に送信する。
ステップS52において、例えば、従来のバッテリパック11の場合、充電モードデータは記録されていないので、ステップS54において、マイクロコンピュータ2252は、充電モードデータが存在しないことを、通信回路2254を制御して、充電器151のマイクロコンピュータ2271に送信し、その処理は、ステップS51に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ここで、図18のフローチャートの説明に戻る。
ステップS33において、マイクロコンピュータ2271は、スロット162aに装着されているSQバッテリパック1、または、バッテリパック11からの応答により、通信が可能であるか否かを判定し、通信が可能であると判定した場合、その処理は、ステップS34に進む。
ステップS34において、マイクロコンピュータ2271は、通信により充電モードデータが取得できるか否かにより、取得できた場合、その処理は、ステップS35に進む。
ステップS35において、マイクロコンピュータ2271は、ROMに記憶されている図17に示したテーブルを参照して、装着されたバッテリパックがSQバッテリパック1であるとみなし、充電モード切替スイッチ2275を制御して、端子2275aから端子2275bに切替え、超急速充電モード電源2276に接続する。
ステップS36において、マイクロコンピュータ2271は、充電ON/OFFスイッチ213がONになっているか否かを判定し、ONになっていると判定した場合、ステップS37において、充電切替スイッチを休止状態の端子2274aから端子2274bに切替え、SQバッテリパック1への充電を開始する。
ステップS38において、マイクロコンピュータ2271は、通信回路2272、通信切替器2273、通信端子204,114を介して、SQバッテリパック1のマイクロコンピュータ2252と通信し、充電が完了したか否かを判定し、充電が完了するまでその処理を繰り返し、充電が完了したと判定した場合、ステップS39において、充電切替スイッチ2274を制御して、端子2274bから休止状態の端子2274aに切替えると共に、充電モード切替スイッチ2275を、端子2275bから端子2275aに切替え、その処理は、ステップS31に戻る。
また、ステップS31において、例えば、図10,図11に示すように、ONになっていると判定した場合、ステップS40において、マイクロコンピュータ2271は、ROMに記憶されている図17に示したテーブルを参照して、装着されたバッテリパックが従来型のバッテリパック11であるとみなし、充電モード切替スイッチ2275を制御して、端子2275aから端子2275cに切替え、それ以降の処理を繰り返す。
ステップS33において、通信が可能ではないと判定された場合、ステップS41において、マイクロコンピュータ2271は、通信のリトライを10回行ったか否かを判定し、リトライを10回行っていない場合、その処理は、ステップS32に戻る。すなわち、10回の通信リトライが繰り返されるまでは、ステップS32,S33,S41の処理が繰り返される。ステップS41において、リトライが10回であると判定された場合、ステップS42において、マイクロコンピュータ2271は、表示部168を制御して、エラーを表示し、その処理は、ステップS31に戻る。
ステップS36において、充電ON/OFFスイッチ213がONではない、すなわち、OFFであると判定された場合、その処理は、ステップS31に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
尚、スロット162bにSQバッテリパック1、または、バッテリパック11を装着して充電した場合も同様の処理であるので、その説明は省略する。
以上においては、充電モードデータをEEPROM2255に記憶させる例について、説明してきたが、EEPROMに限らず、充電モードデータが記憶できるものであれば良く、フラッシュメモリやROMに書込むようにしても良い。
また、以上によれば、バッテリパック種別判定用凹部131、および、バッテリパック種別判定スイッチ214による機械的なバッテリパックの種別判定と、SQバッテリパック1のEEPROM2255に記憶された充電モードデータの有無による電気的なバッテリパックの種別判定による、2重のバッテリパックの種別判定が可能となり、バッテリパック種別判定用凹部131、および、バッテリパック種別判定スイッチ214にゴミ等が付着による読み取りエラーや、故意に発生させられたエラーや、あるいは、電気的なノイズによる充電モードデータの読み取りエラーが生じた場合でも、従来型のバッテリパック11への過電流による破損を防止することができる。
また、製造時に、形状が類似した従来型のバッテリパック11と、SQバッテリパック1が混在してしまうような事態が生じてもバッテリパックを充電器151に装着させるだけで、種別を判定させることができる。
以上により、バッテリパックの種別を判定し、適正な充電モードでバッテリパックを充電することが可能となり、過電流によるバッテリパックの破損を防止することができる。
以上においては、バッテリパックの充電モードをバッテリパックに予め記憶させておき、その情報に基づいてバッテリパックへの充電モードを切り替えるようにした例について説明してきたが、温度の条件によりバッテリパックへの充電モードを切り替えるようにしても良い。
そこで、次に、図20を参照して、温度の条件によりバッテリパックへの充電モードを切り替えるときの、SQバッテリパック1、および、充電器151のさらにその他の電気的構成例(第3の構成例)について説明する。尚、図20には、スロット162a,162bのいずれにもSQバッテリパック1を装着しているが、いずれの構成も同様である。
SQバッテリパック1のバッテリセル3251は、入出力端子112,113より充電器151から供給される電力を蓄えるセルである。
マイクロコンピュータ3252は、CPU、RAM、および、ROMより構成され、reg3253を介して供給される電力により駆動する。マイクロコンピュータ3252は、バッテリセル3251の充電状態の他、SQバッテリパック1内の各種の情報を集めると共に、通信回路3254を制御して、通信端子114を介して、充電器151に情報を供給する。サーミスタ3252は、マイクロコンピュータ3252により制御され、SQバッテリパック1の周辺温度TBを計測し、出力する。
尚、従来型のバッテリパック11は、同様の構成であるが、バッテリセル3251の特性が異なり、SQバッテリパック1に比べて、大電流での充電ができない。
次に、充電器151の電気的構成例(第3の構成例)について説明する。
充電器151のマイクロコンピュータは、CPU、RAM、および、ROMから構成されており、充電器151の各種の処理を実行すると共に、各種の情報を表示部168に表示させる。通信回路3272は、マイクロコンピュータ3271により制御され、通信切替器3273により、スロット162a、または、162bに装着されたSQバッテリパック1a、または、1bのいずれかと通信する。
充電切替スイッチ3274は、マイクロコンピュータ3271により制御され、充電の開始時に、休止状態の端子である端子3274aから、充電するスロット162a、または、162bのいずれかに対応する、端子3274b、または、端子3274cのいずれかの切替える。
充電モード切替スイッチ3275は、マイクロコンピュータ3271により制御され、バッテリパック種別判定スイッチ214のONまたはOFFに応じた充電モードに切替える。すなわち、充電モード切替スイッチ3275は、スロット162に装着されたバッテリパックの種類に応じて、充電時に、休止状態の端子3275aから、バッテリパック11の場合、急速充電モード電源3277に接続する端子3275cに切替えられ、SQバッテリパック1の場合、超急速充電モード電源3276に接続する端子3275bに切替えられる。また、SQバッテリパック1のサーミスタ3255により計測されるバッテリパック周辺温度TBが、設定された温度範囲ではない場合、充電モード切替スイッチ3275は、低電流充電モード電源3278に切替えられる。低電流充電モード電源3278は、急速充電モード電源3277や超急速充電モード電源3276と比較して、充電電流が小さい電源である。SQバッテリパック1、および、バッテリパック11は、温度適正範囲が設定されており、それ以外の範囲で充電されると、過電流と同様の現象を起こすことが知られており、この低電流充電モード電源3278は、この現象を回避するために、充電電流値を小さくして充電させる電源である。さらに、充電モード切替スイッチ3275が端子3275eに切替えられたとき、AC電源3280は、外部の図示せぬAC入力端子より供給される電力をDCに変換し、SQバッテリパック1に供給する。
サーミスタ3279は、マイクロコンピュータ3271により制御され、充電器151の周辺温度を計測し、マイクロコンピュータ3271に出力する。
次に、図21のフローチャートを参照して、充電器151のスロット162aにSQバッテリパック1を装着して、充電させる場合の充電制御処理について説明する。
ステップS71において、マイクロコンピュータ3271は、サーミスタ3279を制御して、充電器周辺温度TCを取得し、充電器周辺温度の上限温度TCU(充電器周辺温度の上限温度TCUは、例えば、65℃に設定される)未満であるか否かを判定する。例えば、充電器周辺温度TCが、その上限温度TCU未満であると判定された場合、ステップS72において、マイクロコンピュータ3271は、通信回路3272を制御して、スロット162aに装着されているSQバッテリパック1aの通信回路3254aに対して、バッテリパック周辺温度TBを要求し、取得して、バッテリパック周辺温度TBが、上限温度TBU(上限温度TBUは、例えば、65℃に設定される)と下限温度TBL(下限温度TBLは、例えば、0℃に設定される)の範囲内であるか否かを判定する。
ここで、図22のフローチャートを参照して、SQバッテリパック1aが、充電器151のマイクロコンピュータ3271からバッテリパック周辺温度TBの要求を受けて、周辺温度TBを送信する処理について説明する。
ステップS101において、マイクロコンピュータ3252aは、充電器151からバッテリパック周辺温度TBの要求を受けたか否かを判定し、例えば、図21のフローチャートのステップS72の処理により、バッテリパックの周辺温度TBの要求があったと判定した場合、ステップS102において、サーミスタ3255aが計測したバッテリパック周辺温度TBを読み出す。
ステップS103において、マイクロコンピュータ3252は、通信回路3254を制御して、読み取ったバッテリパック周辺温度TBを充電器151に送信し、その処理は、ステップS101に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
尚、以下において、SQバッテリパック1が、バッテリパック周辺温度TBを送信する処理は、同様であるので、その説明は省略する。
ここで、図21のフローチャートの説明に戻る。
ステップS72において、バッテリパック周辺温度TBが、上限温度TBUと下限温度TBLの範囲内であると判定された場合、ステップS73において、マイクロコンピュータ3271は、充電モード切替スイッチ3275を制御して、休止状態の端子3275aから端子3275bに切替える。
ステップS74において、マイクロコンピュータ3271は、充電ON/OFFスイッチ213がONであるか否かを判定し、例えば、ONであると判定された場合、その処理は、ステップS75に進む。
ステップS75において、充電切替スイッチ3274が、ONとなっているか、すなわち、スロット162aへの電力供給するために、充電切替スイッチ3274が、端子3274bに切替えられているか否かを判定する。例えば、最初の処理である場合、すなわち、充電切替スイッチ3274が休止状態の端子3274aに接続されていた場合、充電切替スイッチ3274は、ONではないと判定され、ステップS76において、マイクロコンピュータ3271は、充電切替スイッチ3274を制御して、端子3274bに接続し、ONにする。
ステップS77において、マイクロコンピュータ3271は、サーミスタ3279を制御して、充電器周辺温度TCを取得し、その上限温度TCU未満であるか否かを判定し、上限温度未満であると判定した場合、その処理は、ステップS78に進む。
ステップS78において、マイクロコンピュータ3271は、通信回路3272を制御して、バッテリパック周辺温度TBを取得して、バッテリパック周辺温度TBが、上限温度TBUと下限温度TBLの範囲内であるか否かを判定し、範囲内であると判定した場合、その処理は、ステップS79に進む。
ステップS79において、マイクロコンピュータ3271は、通信回路3272、通信切替器3273、通信端子204,114を介して、マイクロコンピュータ3252aと通信し、充電が完了したか否かを判定し、充電が完了したと判定した場合、ステップS80において、充電モード切替スイッチ3275を端子3275aに切替えて、OFF(休止)にし、さらに、充電切替スイッチ3274を端子3274aに切替え、充電を終了する。
ステップS71において、充電器周辺温度TCが、その上限温度TCU未満ではないと判定された場合、ステップS11において、マイクロコンピュータ3271は、表示部168を制御して、充電異常表示部181を表示させ、「充電異常」が生じたことを表示して、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、この場合、マイクロコンピュータ3271は、充電を中止する。
ステップS72において、バッテリパック周辺温度TBが、その上限温度TBUと下限温度TBLの範囲内ではないと判定された場合、ステップS82において、マイクロコンピュータ3271は、バッテリパック周辺温度TBが、その下限温度TBL未満であるか否かを判定する。
ステップS82において、バッテリパック周辺温度TBが、その下限温度TBL未満であると判定された場合、ステップS83において、マイクロコンピュータ3271は、表示部168を制御して、図23に示すような、Lowerを示す「Lo」が表示され、適正温度範囲よりも低温であることにより、現在低電流充電モードで充電中であることを示す表示をさせる。
ステップS85において、マイクロコンピュータ3271は、充電モード切替スイッチ3275を制御して、端子3275cに接続し、低電流充電モード電源3278に切替え、それ以降の処理を繰り返す。
ステップS82において、バッテリパック周辺温度TBが、その下限温度TBL未満ではないと判定された場合、すなわち、バッテリパック周辺温度TBが、その下限温度TBU以上であると判定された場合、ステップS84において、マイクロコンピュータ3271は、表示部168を制御して、図24に示すような、Higherを示す「Hi」を表示し、適正温度範囲よりも高温であることにより、現在低電流充電モードで充電中であることを示す表示をさせる。
ステップS74において、充電ON/OFFスイッチ213がONになっていないと判定された場合、ステップS75乃至S79の処理がスキップされて、その処理は、ステップS80に進み、充電が中止される。
ステップS75において、充電切替スイッチ3274がONであると判定された場合、ステップS76の処理は、スキップされる。すなわち、既に、充電中であるとみなされ、充電切替スイッチ3274は、その状態が維持される。
ステップS77において、充電器周辺温度TCが、その上限温度TCU未満ではないと判定された場合、その処理は、ステップS81に進む。
ステップS78において、バッテリパック周辺温度TBが、その上限温度TBUと下限温度TBLの範囲内ではないと判定された場合、ステップS86において、マイクロコンピュータ3271は、充電モード切替スイッチ3275が、現在低電流充電モード電源3278に接続されているか否かを判定し、低電流充電モード電源3278に接続されていると判定されたとき、その処理は、ステップS79に戻り、低電流充電モード電源3278に接続されていないと判定されたとき、その処理は、ステップS82に戻る。
すなわち、低電流充電モードにおける充電制御処理は、バッテリパック周辺温度による制限が無いので、元の処理へと戻される。また、ステップS86の処理で、低電流充電モード電源3278に接続されていないということは、超急速充電モード電源3276に接続されていることになるので、ステップS82以降の処理に戻り、低電流充電モード充電を実行する。
以上においては、温度条件により低電流モードによる充電に切替える例について説明してきたが、これ以外の充電モードを設定してもよく、その場合、充電電圧や充電電流を様々に変化させ、温度条件に適合した最大電圧と最大電流を電源として設定することで、バッテリパックの充電容量を低下させることなく、高速で充電することが可能となる。
以上によれば、バッテリパックと充電器周辺の温度を測定することにより、温度条件に対応した適正な充電モードでバッテリパックを充電することができるので、温度適正範囲ではない状態で、バッテリパックの充電する際に、生じる過電流による充電容量の低下を抑制することが可能となる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行させることが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどにプログラム格納媒体からインストールされる。
図25は、充電器151をソフトウェアにより実現する場合のパーソナルコンピュータの一実施の形態の構成を示している。パーソナルコンピュータのCPU4001は、パーソナルコンピュータの全体の動作を制御する。また、CPU4001は、バス4004および入出力インタフェース4005を介してユーザからキーボードやマウスなどからなる入力部4006から指令が入力されると、それに対応してROM(Read Only Memory)4002に格納されているプログラムを実行する。あるいはまた、CPU4001は、ドライブ4010に接続された磁気ディスク4011、光ディスク4012、光磁気ディスク4013、または半導体メモリ4014から読み出され、記憶部4008にインストールされたプログラムを、RAM(Random Access Memory)4003にロードして実行する。これにより、上述した画像処理装置1の機能が、ソフトウェアにより実現されている。さらに、CPU4001は、通信部4009を制御して、外部と通信し、データの授受を実行する。
プログラムが記録されているプログラム格納媒体は、図25に示すように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク4011(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク4012(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク4013(MD(Mini-Disc)を含む)、もしくは半導体メモリ4014などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM4002や、記憶部4008に含まれるハードディスクなどで構成される。
尚、本明細書において、プログラム格納媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は、もちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
1 SQバッテリパック,131 バッテリパック種別判定用凹部,162,162a,162b スロット,213 充電ON/OFFスイッチ,214 バッテリパック種別判定スイッチ,1271 マイクロコンピュータ,1274 充電切替スイッチ,1275 充電モード切替スイッチ,1276 超急速充電モード電源,1277 急速充電モード電源,2252,2252a,2252b マイクロコンピュータ,2255a EEPROM,2271,2271a,2271b マイクロコンピュータ,2274 充電切替スイッチ,2275 充電モード切替スイッチ,2276 超急速充電モード電源,2277 急速充電モード電源,3255,3255a,3255b サーミスタ,3271 マイクロコンピュータ,3274 充電切替スイッチ,3275 充電モード切替スイッチ,3276 超急速充電モード電源,3277 急速充電モード電源,3278 低電流充電モード電源,3279 サーミスタ