JP4273860B2 - マグネシウム合金溶湯の連続鋳造方法 - Google Patents

マグネシウム合金溶湯の連続鋳造方法 Download PDF

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本発明は、マグネシウム合金溶湯の連続鋳造方法、詳しくは、鋳型上部を密閉した状態で鋳型内に継続してArガス等を流入、流出させる高温環境下で安定した湯面レベルの測定を行い、連続操業の安定性を維持し、品質良好な鋳片を製造し得るマグネシウム合金溶湯の連続鋳造方法に関する。
マグネシウム合金は、実用金属中最も軽く、また剛性が優れているため、航空機や自動車の部品、携帯電話等に利用されている。特に、携帯電話等の急激な普及により、マグネシウム合金の市場ニーズは益々高まりつつあり、安価で高品質なマグネシウム合金の提供が望まれている。
マグネシウム合金は高温での反応性が高く、酸化し易く、水素を吸収し易いことから、溶解、連続鋳造時にマグネシウム合金の溶湯が大気雰囲気にさらされると、酸化が促進して酸化物が生成したり、溶解したマグネシウム合金中に酸素や水素が吸収され、マグネシウム合金の酸素濃度や水素濃度が上昇する。その結果、酸化物が巻き込まれて鋳片品質が悪化し、また、マグネシウム合金中の酸素や水素の濃度が上昇すると、連続鋳造鋳片に気孔が生成したり、材料としての機械的性質が低下する。さらに、溶湯表面から多量のマグネシウム蒸気が発生し、安全性が損なわれるおそれもある。
マグネシウム合金の製品化に際しては、従来、インゴット製造を経て製品化する方法、ダイカスト法により精密鋳造製品とする方法、または連続鋳造によって半製品を製造した後、熱間圧延などを経て最終製品まで成型し、さらにそれを機械加工により仕上げる方法、などの方法が採られてきた。しかしながら、これら従来の方法で製造された製品は、多数の工程を経て製造されるため、製造コストが高く、マグネシウム合金製の製品を一般に普及させるに当たっての障害となっており、抜本的な対策が望まれていた。
製造コスト削減のための方策の一つは、生産性の向上である。例えば、特許文献1には、セラミックス粉末をアルミニウム合金またはマグネシウム合金からなる母相合金に分散させた粒子分散母合金を、前記母相合金組成の溶湯に添加し、10℃/秒以上の冷却速度で冷却凝固させるとともに、80〜200mm/分の引抜速度で引き抜いて連続鋳造する粒子分散合金の製造方法が開示されている。しかし、この方法は、鋳造速度が80〜200mm/分と遅く、生産性向上によるコストダウンを目指すためには限界があり、さらにマグネシウム合金の棒材等の製造に限定された方法である。
一方、近年、製造コスト削減、鋳片品質改善等を目指した新プロセスの開発が行われている。従来、反応性が高いマグネシウム合金溶湯を大気から遮断し、溶湯表面からのマグネシウム蒸気の発生を抑えるために六フッ化硫黄(SF6)混合ガスが使用されてきた。六フッ化硫黄は質量の大きいガスで、4Mg+SF6→3MgF2+MgS の反応が起こり溶融したマグネシウム合金の表面に安定した反応生成物(保護皮膜)を形成するので、マグネシウム合金溶湯の酸化、燃焼を抑制し、マグネシウム蒸気の発生を抑え、安定した製造が可能になる。しかし、前記反応生成物が鋳片表面に巻き込まれるため、鋳片品質(主に、鋳片表面品質)が悪化する。
そこで、六フッ化硫黄混合ガス(溶湯表面を被覆するので、以下、「カバーガス」という)をアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスに置き換え、溶湯表面を大気から遮蔽する方法が採られている。しかし、Arガス等はこれまで一般的に用いられてきたカバーガスに比較して密度が小さいため、大気雰囲気下でこれを使用しても溶湯表面に安定したガスの滞留域(いわば、ガスの被膜)を形成して溶湯表面を被覆するのが困難であり、鋳型内をArガス等で十分置換することは難しい。そのため、溶湯表面を大気から遮蔽する遮蔽装置(カバー)を鋳型上部に取り付け、操業中、継続して鋳型内にArガス等を流入、流出させることが必須となる。
この方法は、溶解炉など密閉された雰囲気で実施する場合は比較的容易である。しかし、特に連続鋳造においては、鋳型内に継続してArガス等を流入、流出させる方法の実施は必ずしも容易ではない。連続鋳造においては、マグネシウム溶湯の鋳型外へのオーバーフローや湯面レベルの低下による鋳型出側での溶湯の漏れ等を防止するために、鋳型内の湯面レベルを操業中常時監視し、または連続的に測定、把握して、常に湯面を所定レベルに保持する必要があるが、従来は、カバーガスを使用することにより溶湯表面に安定した保護皮膜が形成されるので、CCD(Charge Coupled Device)または目視による湯面レベルの監視が可能であった。しかし、Arガス等の不活性ガスの使用に伴い鋳型上部に遮蔽装置を設けると、このような方法による鋳型内の湯面レベルの監視が困難になり、また、前記遮蔽装置に監視窓を取り付ける等の対策を講じても、Arガス等の流量、排気条件等が不適切な場合には、湯面レベルを目視できないことがある。
一方、鋳型内湯面レベルの測定方法については、例えば特許文献2に熱電対を用いる方法が開示されている。しかし、熱電対の応答性などの問題があり、特に小断面の鋳型で鋳造する場合は、この方法は不適である。
また、一般的な連続鋳造機で用いられている渦流センサーは測定精度、応答性の面でその他の方法に比べ優位にあるが、鋳型の小断面化に伴いセンサーの小型化を余儀なくされ、その結果、測定レンジが狭くなるという問題がある。さらに、マグネシウム鋳造の場合、鋳型内パウダーの使用ができず、溶湯の輻射熱を直接至近距離で受けてしまうため、センサーの温度が上昇して、使用不能になる。
その他、非接触で湯面レベルを測定する方法として、レーザー法、超音波法などが考えられる。しかし、可視光を用いるレーザー法は、目視の場合と同様、Arガス等の流量、排気条件等が不適切な場合には、湯面レベルの測定が不安定になり、空気の伝播を利用する超音波法は、鋳型内の雰囲気温度が変化すると直ちに出力が変化し、安定した測定が不可能である。
したがって、鋳型上部が密閉された状態で鋳型内に継続してArガス等を流入、流出させる高温環境下において、湯面レベルを安定して測定し得る方法(技術)の開発が望まれている。
特開平5−302137号公報
特開昭48−34028合公報
本発明は、前述した従来の技術における問題点を解決するためになされたもので、鋳型上部が密閉された状態で鋳型内に継続してArガス等を流入、流出させる高温環境下において、鋳型内の湯面レベルを安定して測定し、前記湯面レベルを常に所定レベルに保持して操業の安定性を維持するとともに、高品質の鋳片を得ることができるマグネシウム合金溶湯の連続鋳造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、連続鋳造鋳型内の密閉雰囲気下で、高温にさらされ、Arガスが継続して流入、流出する環境下で、湯面レベルを測定するに際し、適用できる測定方法を検討した。
まず、温度の影響を受けにくくするには、非接触式センサーであって、しかもセンサー本体と被測定面の距離を極力離すことが有利なので、ロングレンジセンサーであることが必要である。この点から、ロングレンジで対応できる方法として、レーザー法、超音波法、マイクロ波を用いる方法があげられる。このうち、レーザー法または超音波法による測定は、前述したように、困難である。一方、マイクロ波は、周波数帯域が0.3〜300GHzで、自由空間波長が1mから1mm付近の電磁波で、レベル計に用いた場合の測定精度は、雰囲気温度や、鋳型内へのArガス等の流入、流出によって影響されることはない。したがって、高温で、しかも鋳型内にArガス等が流入、流出する高温環境下では、マイクロ波を用いる方法が適用可能な方法であると考えられる。
このマイクロ波による測定方法を鋳型内のマグネシウム溶湯の湯面レベルの測定に適用するに際しての課題は、
(a)鋳型厚みが50mm以下の小断面鋳型での鋳型上部からの反射の影響の回避
(b)マイクロ波の測定精度の向上
である。
そこで、この課題を解決すべく検討を重ねた結果、(a)の鋳型上部からの反射の影響を極力回避するには、マイクロ波導波管の小径化と、前記導波管と鋳型上部との距離を最適化することが有効であり、(b)のマイクロ波の測定精度を向上させるには、20〜30GHzの高周波域のマイクロ波を使用すればよいことが判明した。
本発明はこの知見に基づいてなされたもので、その要旨は、下記のマグネシウム合金溶湯の連続鋳造方法にある。
『マグネシウム合金溶湯をAr雰囲気中で連続鋳造するに際し、鋳型内に供給したマグネシウム合金溶湯の溶湯表面を大気雰囲気から遮蔽する遮蔽装置を鋳型上部に設け、かつ、遮蔽機能を損なうことなく前記遮蔽装置に、マイクロ波の周波数帯域が20GHz〜30GHzで、その放射角が30°以下であるマイクロ波湯面レベル測定装置を配置して、マグネシウム合金溶湯の湯面レベル制御を行うことを特徴とするマグネシウム合金溶湯の連続鋳造方法。』
ここでいう「マグネシウム合金」とは、マグネシウムに、例えばアルミニウムや亜鉛等の合金元素を添加して溶製したマグネシウム合金、および純マグネシウムのような純金属を意味する。
本発明のマグネシウム合金溶湯の連続鋳造方法によれば、鋳型上部が密閉された状態で鋳型内に継続してArガス等を流入、流出させる高温環境下において、鋳型内の湯面レベルを安定して測定することが可能であり、湯面を所定レベルに保持して、操業の安定性を維持するとともに高品質の鋳片を得ることができる。
以下に、本発明のマグネシウム合金溶湯の連続鋳造方法を実施するに当たっての最良の形体について、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の連続鋳造方法を実施するための連続鋳造装置例の要部の概略構成を示す縦断面図である。図1に示すように、連続鋳造鋳型6の上方に溶融マグネシウム合金(以下、「マグネシウム合金溶湯」、または単に「溶湯」という)2を保持する溶湯保持炉(タンディッシュ)1が配置され、連続鋳造鋳型6の上部には、Arガス導入口および排出口を有する遮蔽装置(以下、「鋳型上部カバー」という)3が取りつけられている。溶湯保持炉1の下部には、前記溶湯2を連続鋳造鋳型6に鋳込むためのオープン給湯ノズル5が設けられ、その下方部分は前記鋳型上部カバー3をその遮蔽機能が損なわれないように突き抜けて鋳型6内空間部に達している。さらに、鋳型上部カバー3には、マイクロ波湯面レベル測定装置(以下、「マイクロ波レベル計」という)4が、鋳型上部カバー3の遮蔽機能を損なうことなく取り付けられている。図示した例では、導波管4aの下方部分が鋳型上部カバー3を突き抜けた状態に取り付けられている。
鋳型上部カバー3を連続鋳造鋳型6の上部に取り付けるのは、マグネシウム合金溶湯の溶湯表面を大気雰囲気から遮蔽するためで、それに必要なArガスを図に示したArガス導入口から鋳型6内に送通し、Arガス排出口から排出することにより、鋳型6内はArガス雰囲気に保持される。
鋳型上部カバー3に前記のようにマイクロ波レベル計4を配置するのは、鋳型上部が密閉された状態で鋳型内に継続してArガス等を流入、流出させる高温環境下で湯面2aのレベルを測定するためである。マイクロ波を使用したレベル計の測定精度は、雰囲気温度や、鋳型内へのArガス等の流入、流出には影響されないので、このような環境下であっても安定して鋳型内溶湯の湯面レベルを測定することができる。
本発明の連続鋳造方法においては、このように配設されたマイクロ波レベル計4により湯面レベルを測定し、必要に応じて湯面レベルの制御を行うのであるが、その制御方法について特に限定はない。図1には示していないが、オープン給湯ノズル5の上方部(溶湯保持炉1の直下)に設けられた溶湯の流量制御部で給湯速度を制御する方法、鋳片引き抜き速度(鋳造速度)を制御する方法など、従来用いられている方法に準じて行えばよい。
このように構成された連続鋳造装置において、溶湯保持炉1内の溶湯2はオープン給湯ノズル5により鋳型6内に供給される。前記供給されたマグネシウム合金溶湯2は鋳型6による冷却を受けながら凝固し、さらにピンチロール7により引き抜かれ、マグネシウム鋳片が製造される。
鋳型6内に供給されたマグネシウム合金溶湯2の湯面レベルは、マイクロ波レベル計4により導波管4aの下端と鋳型6内の湯面2aとの距離として常時検出され、この検出値に応じて、オープン給湯ノズル5からの給湯速度を制御する方法等によりそのレベルが一定(所定範囲内)に保たれる。給湯量は、引き抜かれるマグネシウム鋳片の量と一致するように一旦調整した後は変化させる必要はないはずであるが、通常は、溶湯保持炉1内のマグネシウム合金溶湯2の残量変化による給湯量の変化、オープン給湯ノズル5の閉塞などにより時々刻々変化している。したがって、鋳型6内の湯面レベルを一定に保つためには、湯面レベルを常時検出し、必要に応じこれを制御して所定レベルに保持することが必要になる。
マイクロ波による測定方法を適用するに際しての課題の一つは、前述したように、(a)鋳型厚みが50mm以下の小断面鋳型での鋳型上部からの反射の影響の回避である。そのためには、マイクロ波導波管の小径化、および前記導波管と鋳型上部との距離の最適化が有効である。
図5はマイクロ波レベル計による湯面レベルの測定に対する鋳型上部からの反射の影響を説明するための図である。図5において、鋳型6の上方に配置されたマイクロ波レベル計4の導波管4aは、マイクロ波を照射する際の散乱防止と、反射して帰ってきたマイクロ波を受けるアンテナの役目をしており、一般的には、図5に例示したようにラッパ状をなしている。
照射されたマイクロ波は、鋳型6内の湯面2aで反射するだけでなく、鋳型上部(ここでは、上端面を指す)でも反射して導波管4aに戻ってくるので、図5の右側に示すように、湯面レベルの他に鋳型上部に対応する位置においてもピークが観測される。鋳型上部のピークが大きければその影響で湯面レベルの検出が困難になるので、鋳型上部からの反射を極力小さくすることが重要になる。
そのためには、導波管の小径化が有効である。鋳型厚みが50mm以下の小断面鋳型では、導波管の直径(先端の最大直径)が大きすぎると鋳型上部からの反射の影響が大きく、湯面レベルの検出が困難であるが、小径化することによって鋳型上部からの反射の影響を小さくすることができる。
また、鋳型上部からの反射の影響を回避するには、鋳型上部で反射するマイクロ波が導波管に戻らないように、鋳型上部と導波管先端部の距離を最適化する方法が有効である。そのためには、鋳型上部の形状、導波管の形状等に応じて鋳型上部と導波管先端部の距離を変化させ、経験的に最適条件を定めればよい。さらに、鋳型上部の面を△形(山形)にして、反射波を導波管の外側に飛ばす方法も有効である。センサーとしては、鋳型上部の受信周波数をマスクすることが可能であるが、鋳型上部に対応するピークがあまりに大きいと、マスクにより湯面レベルに対応する微小ピークの検知が難しくなる。
このような、導波管の小径化を行ってその直径(先端の最大直径)を40mmとし、導波管先端部と鋳型上部との距離を最適化することにより、鋳型上部からの反射の影響を回避するすることが可能である。
マイクロ波による測定方法を適用する際の課題の他の一つは、(b)マイクロ波の測定精度の向上である。そのためには、測定に使用する周波数を20〜30GHzの高周波域とすればよく、これにより±3mmの精度を確保することができる。その際、マイクロ波の放射角(鉛直方向基準)を30°以下とする。30°を超えると、鋳型上部からの反射の影響が大きくなるからである。
前記マイクロ波レベル計を用いて鋳型内マグネシウム合金溶湯の湯面レベルを測定し、湯面レベル制御を行う本発明の方法により連続鋳造を行った場合の鋳型内湯面レベルと鋳造速度の変化の一例を図2に示す。これは、後述する実施例で得られた結果で、鋳型厚みが50mm以下(45mm)の小断面鋳型での測定例であるが、鋳型内湯面レベルを支障なく安定して測定することができる。これにより、必要に応じて湯面レベル制御を行い湯面レベルを一定(所定範囲内)に保つことが可能である。
前記図1に例示した本発明の連続鋳造方法を実施するための連続鋳造装置では、溶湯保持炉1内の溶湯2の鋳型6内への供給をオープン給湯ノズル5により行っているが、樋を用いてもよい。なお、その場合は、樋を流れる溶湯が大気から遮蔽されるような処置を講じることが必要である。
また、前記オープン給湯ノズル5に替えて、ノズルの先端部分を鋳型内の溶湯中に浸漬させて溶湯を供給する浸漬ノズルを用いれば、溶湯の飛散などにより溶湯表面を乱すことなく給湯でき、湯面レベルの測定を円滑に精度よく行えるので望ましい。
以上述べた本発明のマグネシウム合金溶湯の連続鋳造方法によれば、鋳型上部が密閉された状態で鋳型内に継続してArガス等を流入、流出させる高温環境下で、安定した湯面レベルの測定が可能である。これにより、鋳型内の湯面レベルを常に所定レベルに保持して操業の安定性を維持することができ、カバーガスを使用しないので、高品質の鋳片を得ることができる。
本発明の方法によりマグネシウム合金の連続鋳造を行い、鋳型内の湯面レベル変化を調査した。用いた装置は、前記図1に示した構成のマイクロ波レベル計を有する連続鋳造装置である。また、比較のために、レーザーレベル計を有する連続鋳造装置を用いた場合(比較例)についても、同様の調査を行った。
図4は、実施例で用いた連続鋳造装置におけるマイクロ波レベル計の設置状況を示す図で、(a)は鋳型の短辺方向(鋳片の厚み方向)の縦断面図であり、(b)は鋳型の長辺方向の縦断面の一部を示す図である。図4に示すように、マイクロ波レベル計4は、鋳型の短辺方向中央で、導波管4aの中心軸が鋳型の一方の短辺から20mm離れ、鋳型6の上端6aから導波管4aの先端までの距離が47mmの位置になるように鋳型上部カバー3に取り付けた。なお、比較例で用いたレーザーレベル計の取り付け位置も前記マイクロ波レベル計の取り付け位置と基本的に同じとした。
実験条件は下記のa〜iとした。
a.マグネシウム合金 :Mg−3%Al−1%Zn(融点632℃)
b.注湯温度(溶湯保持炉内の溶湯温度)
:750℃
c.雰囲気 :Arガス雰囲気
d.鋳型材質 :SUS430
e.鋳型サイズ(内寸):幅700mm×厚み45mm×高さ300mm
f.オープン給湯ノズルの材質
:SUS304
g.オープン給湯ノズルの形状
:外径20mm
h.引き抜き速度 :0.4m/min
i.引き抜き条件 :連続式(鋳型振動有りまたは無しの両条件で実施)
図2に、本発明の方法により連続鋳造を行った場合の鋳型内湯面レベルと鋳造速度の変化を示す。鋳型内湯面レベルの安定した測定が可能で、図示するように、湯面レベルを目標レベルに対して一定に保つことができた。なお、図2に示した結果は、鋳型に振動を付与して鋳造した場合であるが、振動を付与しない場合も同様の結果が得られた。
図3は、比較例で、レーザーレベル計を有する連続鋳造装置を用いて鋳造した場合の鋳型内湯面レベルと鋳造速度の変化を示す図であるが、この場合は、鋳造時間が約80秒経過したとき、一旦、湯面レベルが出力ダウンした。直ちにレーザー光の照射範囲をカバーガスでパージした結果、短時間で回復したので鋳造を継続したが、通常は、このように湯面レベルが出力ダウンすると鋳型内湯面レベルの情報が得られず、湯面レベルの低下による鋳型出側での溶湯の漏れや湯面上昇によるオーバーフロー等の支障が生じる懸念があるため、鋳造の中止を余儀なくされる。
以上述べたように、本発明のマグネシウム合金溶湯の連続鋳造方法によれば、安定して鋳型内の湯面レベルを測定することが可能であり、鋳型内の湯面レベルを常に所定レベルに保持して操業の安定性を維持し、高品質の鋳片を得ることができる。これにより、航空機や自動車の部品、携帯電話などへの利用等、益々高まりつつあるマグネシウム合金の市場ニーズに応え、産業の発展に寄与することができる。
本発明の連続鋳造方法を実施するための連続鋳造装置例の要部の概略構成を示す縦断面図である。 実施例の結果で、本発明の方法により連続鋳造を行った場合の鋳型内湯面レベルと鋳造速度の変化についての調査結果を示す図である。 レーザーレベル計を有する連続鋳造装置を用いて鋳造した場合の鋳型内湯面レベルと鋳造速度の変化についての調査結果を示す図である。 実施例で用いた連続鋳造装置におけるマイクロ波レベル計の設置状況を示す図である。 マイクロ波レベル計による湯面レベルの測定に対する鋳型上部からの反射の影響を説明するための図である。
符号の説明
1:溶湯保持炉
2:マグネシウム合金溶湯
2a:湯面
3:鋳型上部カバー
4:マイクロ波レベル計
4a:導波管
5:オープン給湯ノズル
6:連続鋳造鋳型
6a:上端
7:ピンチロール

Claims (1)

  1. マグネシウム合金溶湯をAr雰囲気中で連続鋳造するに際し、
    鋳型内に供給したマグネシウム合金溶湯の溶湯表面を大気雰囲気から遮蔽する遮蔽装置を鋳型上部に設け、かつ、
    遮蔽機能を損なうことなく前記遮蔽装置に、マイクロ波の周波数帯域が20GHz〜30GHzで、その放射角が30°以下であるマイクロ波湯面レベル測定装置を配置して、マグネシウム合金溶湯の湯面レベル制御を行うことを特徴とするマグネシウム合金溶湯の連続鋳造方法。
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