JP5859874B2 - 連続鋳造装置および連続鋳造方法 - Google Patents
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Description
そして、この連続鋳造装置は、一般的に縦型(垂直型)連続鋳造装置と横型(水平型)連続鋳造装置とに分類することができる。
特許文献1に開示されている連続鋳造装置410は、図4に示すように、溶解炉(図示省略)と、保持炉420と、加圧装置430と、溶湯供給管440と、タンディッシュ450と、鋳型取付盤460と、連続鋳造用鋳型470と、引抜装置480と、を備えて構成されている。このうち、タンディッシュ450上部の開口部451には、溶湯を大気雰囲気から遮蔽するステンレス製の蓋板452が設けられている。
この特許文献2に開示されている連続鋳造装置500には、図5に示すように、保持炉501から連続鋳造用鋳型502内に供給したマグネシウム合金の溶湯Mの溶湯表面を大気雰囲気から遮蔽するステンレス(SUS)製の蓋板503が連続鋳造用鋳型502上部に設けられている。そして、この蓋板503には、マイクロ波湯面レベル測定装置(マイクロ波の周波数帯域が20〜30GHz、その放射角が30°以下)504が、蓋板503の遮蔽機能を損なわないように配置されており、これによって溶湯の湯面高さの制御を行っている。
本発明は、マグネシウム合金の鋳造物を連続的に鋳造することのできる連続鋳造装置および連続鋳造方法に関する。
(連続鋳造装置の全体的な構成)
まず、図1を参照して、連続鋳造装置の全体的な構成の一例について説明する。図1に示すように、連続鋳造装置1は、溶解炉(図示省略)と、保持炉2と、加圧装置3と、溶湯供給管4と、タンディッシュ5と、鋳型取付盤6と、連続鋳造用鋳型7と、引抜装置8とを備えて構成されている。なお、この連続鋳造装置1は、いわゆる横型(水平型)であっても、縦型(垂直型)であってもよいが、以下の説明では、横型の場合を例に説明する。
また、保持炉2には加圧装置3が設けられており、溶湯Mの流動性が高められている。
溶湯Mは、溶解炉(図示省略)で溶融され、溶湯経路9に供給される溶融金属である。溶解炉で溶融され、保持炉2に供給される溶湯M中には、一般に、0.数〜2mm程度の大きさの介在物が含まれている。
また、鋳造物Wは、連続鋳造装置1によって溶湯Mを連続鋳造して凝固させた鋳片(鋳塊)であり、例えば、直径X(図2参照)が数10〜100mm程度の丸棒に鋳造される。
保持炉2は、溶解炉(図示省略)から供給された溶湯Mを所定の温度に保温した状態で一時的に貯溜する炉であり、略密閉容器状に形成されている。保持炉2は、略容器状に形成された保持炉本体21と、この保持炉本体21の上部に形成された開口部22を閉塞する蓋板23と、から主に形成されている。保持炉2には、溶解炉(図示省略)から供給される溶湯Mを取り込む給湯口2aと、保持炉2内の溶湯Mをタンディッシュ5に供給する溶湯供給管4と、保持炉本体21に設けられた加圧ガス供給部34に接続された加圧装置3と、が設けられている。
加圧装置3は、保持炉2内の溶湯Mを加圧する加圧手段であり、例えば、保持炉2内の溶湯Mの表面を圧縮ガスで押圧する装置である。加圧装置3は、気体加圧方式の加圧手段からなる。以下、気体加圧方式の加圧装置3を使用した場合を例に挙げて説明する。
溶湯供給管4は、保持炉2内の溶湯Mをタンディッシュ5に供給するための配管であり、一端側に保持炉側開口部4aを有し、他端側にタンディッシュ側開口部4bを有している。この溶湯供給管4は、保持炉2とタンディッシュ5との間を繋ぐ配管であり、保持炉側開口部4aが保持炉2内の下部に配置され、タンディッシュ側開口部4bがタンディッシュ5内の上部に配置されている。保持炉2内において、溶湯供給管4は、保持炉2の天井面を形成する蓋板23の設置孔23aから垂下した状態に配置され、下端の保持炉側開口部4aが、酸化膜が形成される溶湯Mの表層と、スラッジが溜まる溶湯M中の底層との間の位置に配置されている。その溶湯供給管4は、例えば、内径が80mmのステンレス鋼管あるいは鋼管からなる。
タンディッシュ5は、保持炉2から供給された溶湯Mを保温した状態で一時的に貯溜する炉である。タンディッシュ5は、略容器状に形成された筐体51と、この筐体51の上部の開口部52を閉塞する蓋板53と、から主に形成された密閉状の容器である。
蓋板53は、筐体51の開口部52を開閉自在に閉塞してタンディッシュ5内を密閉状態にするための蓋体である。蓋板53は、筐体51内の溶湯M上の空間に不活性ガスGを充満させた密閉空間にすることにより、溶湯Mが大気と接触して酸化するのを防止している。
フィルタ4cは、溶湯Mの流れを遮るようにして設けられており、溶湯Mが浄化された状態で連続鋳造用鋳型7に供給されるようになっている。つまり、フィルタ4cは、溶湯M中の介在物が、タンディッシュ5から連続鋳造用鋳型7側(下流側)へ流れるのを阻止したり、介在物を取り除いたりするための濾過機である。フィルタ4cは、例えば、ステンレス鋼等の金属製の網目状のものからなる。
鋳型取付盤6は、連続鋳造用鋳型7をタンディッシュ5に固定するための部材であり、筐体51内の溶湯Mが吐出される溶湯供給口54が設けられた外壁55と、連続鋳造用鋳型7との間に介在されている。鋳型取付盤6は、例えば、耐熱性の略リング状の部材からなり、一端側(上流側)が筐体51の溶湯供給口54に連通した状態にタンディッシュ5に固定され、他端側(下流側)が連続鋳造用鋳型7の注入口(図示省略)に連通した状態に連続鋳造用鋳型7に固定されている。
連続鋳造用鋳型7は、タンディッシュ5の溶湯供給口54から型内に供給された溶湯Mを冷却しながらこの連続鋳造用鋳型7から送り出すことによって、所定の形状に成型する冷却鋳型である。連続鋳造用鋳型7は、例えば、棒状の鋳造物Wを連続鋳造する略筒状の型面を有している。この連続鋳造用鋳型7は、例えば、熱伝導率の高い銅、アルミニウム合金、ステンレス鋼、または黒鉛製のものからなる。連続鋳造用鋳型7には、例えば、この連続鋳造用鋳型7および鋳造物Wを強制的に一次冷却するウォータジャケットや二次冷却する冷却水噴射ノズル装置等からなる冷却装置(図示省略)と、連続鋳造用鋳型7の鋳造面に潤滑剤を供給して鋳造物Wが鋳造面に焼き付くのを防止する潤滑剤供給装置(図示省略)と、が設けられている。略筒状の連続鋳造用鋳型7の上流側開口端は、タンディッシュ5の溶湯供給口54に連通している。
引抜装置8は、連続鋳造用鋳型7から鋳造物Wを引き出して搬送する装置であり、例えば、電動モータ(図示省略)によって回転される複数のローラ8a、8b等を備えている。ローラ8aは、例えば、連続鋳造用鋳型7の開口端の近傍の下側から鋳造物Wが送られる鋳造方向に沿って、鋳造物Wの下側に敷設するように複数配置され、このローラ8aに対向する上側に、ローラ8bが配置されている。
引抜装置8によって搬送された鋳造物Wは、電動鋸(図示省略)等により、所定長さに切断して保管することができる。
また、本発明における蓋板53は、溶湯表面の様子を視認するため、タンディッシュ5内を視認できる視認手段53bを有する必要がある。
ここで、蓋板53の一部に耐熱ガラスで形成した耐熱ガラス板を使用する場合としては、例えば、ステンレス製の蓋板53の一部に、表面から裏面に掛けて貫通する孔部(図示省略)を設け、当該孔部に耐熱ガラス板を取り付ける態様を挙げることができる。以下、このような態様を視認窓と呼ぶ。視認窓を設ける場合はこれを複数設け、一つの視認窓をレーザ光透過手段53a用とし、他の視認窓を視認手段53b用などとすることもできる。
(湯面高さの制御)
以上に説明した連続鋳造装置1を用いれば、好適に湯面高さを監視し、制御する連続鋳造方法を具現できる。
図3に示すように、かかる連続鋳造方法は、鋳造物Wを水平に引き出して連続鋳造するものであり、レーザ測定ステップS1と、供給量調節ステップS2と、を含んでなる。
レーザ測定ステップS1は、前記した蓋板53を介してレーザ測定器10により湯面高さを測定するステップである。
レーザ測定ステップS1は、マグネシウム合金の鋳造物Wの連続鋳造中、継続的にまたは断続的に行われる。継続的に行う場合の時間的間隔は任意に設定することができる。例えば、1分毎、5分毎などとすることができる。
次いで行う供給量調節ステップS2は、レーザ測定ステップS1にて測定される湯面高さに応じて保持炉2から供給する溶湯Mの供給量を調節するステップである。
2 保持炉
21 保持炉本体
22 開口部
23 蓋板
23a 設置孔
2a 給湯口
3 加圧装置
31 圧縮機
32 制御装置
33 電源
34 加圧ガス供給部
4 溶湯供給管
4a 保持炉側開口部
4b タンディッシュ側開口部
4c フィルタ
5 タンディッシュ
51 筐体
52 開口部
53 蓋板
53a レーザ光透過手段
53b 視認手段
54 溶湯供給口
55 外壁
6 鋳型取付盤
7 連続鋳造用鋳型
8 引抜装置
8a、8b ローラ
9 溶湯経路
10 レーザ測定器
CL 中心線
G 不活性ガス
M 溶湯
W 鋳造物
S1 レーザ測定ステップ
S2 供給量調節ステップ
410 横型連続鋳造装置
420 保持炉
430 加圧装置
440 溶湯供給管
450 タンディッシュ
451 開口部
452 蓋板
460 鋳型取付盤
470 連続鋳造用鋳型
480 引抜装置
500 連続鋳造装置
501 保持炉
502 連続鋳造用鋳型
503 蓋板
504 マイクロ波湯面レベル測定装置
505 送受信部
Claims (3)
- マグネシウムまたはマグネシウム合金の溶湯を保持する保持炉と、
上部に開口部を有する容器であり、前記保持炉から供給された前記溶湯をその内部に貯留し、貯留した前記溶湯を連続鋳造用鋳型に連続供給するタンディッシュと、
を備えた連続鋳造装置であって、
前記タンディッシュの上方に設けられ、当該タンディッシュ内の溶湯の湯面高さを測定するレーザ測定器と、
前記開口部を塞ぎ、前記レーザ測定器から発射されたレーザ光を透過するレーザ光透過手段および前記タンディッシュ内を視認できる透明な耐熱性ガラスで形成された視認手段を有する蓋板と、
を有し、
前記視認手段は、当該蓋板の同一平面内において前記レーザ光透過手段とは別に設けられている
ことを特徴とする連続鋳造装置。 - 前記レーザ測定器を前記溶湯の湯面から500mm以上離間させて設けたことを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造装置。
- 請求項1または請求項2に記載の連続鋳造装置を用いてマグネシウムまたはマグネシウム合金の鋳造物を水平に引き出して鋳造する連続鋳造方法であって、
前記蓋板を介して前記レーザ測定器により溶湯の湯面高さを測定するレーザ測定ステップと、
前記レーザ測定ステップにて測定される湯面高さに応じて前記保持炉から供給する前記溶湯の供給量を調節する供給量調節ステップと、
を含み、
前記供給量調節ステップは、
前記連続鋳造用鋳型から引き出される前記鋳造物の直径が85mm以上であるときは、前記レーザ測定器によって測定される前記湯面高さが、前記連続鋳造用鋳型の中心線から350mm以上となるように前記供給量を調節し、
前記連続鋳造用鋳型から引き出される前記鋳造物の直径が85mm未満であるときは、前記レーザ測定器によって測定される前記湯面高さが、前記連続鋳造用鋳型の中心線から300mm以上となるように前記供給を調節することを特徴とする連続鋳造方法。
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