JP4273813B2 - 光学素子保持冷却装置及び露光装置 - Google Patents

光学素子保持冷却装置及び露光装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイス露光装置等の精密光学機械において、レンズやミラー等の光学素子の変形を抑制し、光源からの残留熱量を適切に除熱することのできる光学素子保持冷却装置に関する。また、そのような保持冷却装置を有する露光装置に関する。
【0002】
【背景技術】
EUV光(極端紫外光)露光装置を例に採って、背景技術を説明する。
図5は、EUV光露光装置の概略構成例を示す図である。
図5に示す露光装置は、EUV源101と、このEUV源101から射出したEUV光(波長13.5nm)100を反射型マスク102に照射させる照明光学系103と、反射型マスク102上の回路パターンをウエハ104上に投影するEUV投影光学系105と、マスクステージ106及びウエハステージ107から構成されている。
【0003】
この露光装置においては、EUV源101から発したEUV光100が照明光学系103を経て反射型マスク102に照射される。反射型マスク102で反射したEUV光100は、投影光学系105に入射する。投影光学系105を通ったEUV光100は、ウエハ104上に到達し、反射型マスク102上のパターンがウエハ104上に縮小転写される。
【0004】
投影光学系105は、一例で6枚の多層膜反射ミラー(図示されず)で構成されており、その縮小倍率は1/5である。投影光学系105は、ウエハ104上において、幅2mm・長さ30mmの輪帯状の露光視野を有する。各反射ミラーは反射面形状が非球面であり、その表面にはEUV光の反射率を向上するためのMo/Si多層膜がコートされている。露光時において、反射型マスク102、ウエハ104は、それぞれステージ106、107上で走査される。ウエハ104の走査速度は、常に反射型マスク102の走査速度の1/5となるように同期している。その結果、光学系の視野よりも大きい領域に広がるパターンを転写することができる。
【0005】
次いで、図6を参照して、光学系鏡筒についてより詳細に説明する。
図6は、EUV光露光装置の光学系鏡筒の一例を示す構成図である。
図6には、2枚の反射ミラー(光学素子)111、112を保持する光学系鏡筒110が示されている。この鏡筒110は、鏡筒本体部110aとフランジ部110bを有する。なお、この鏡筒110はインバー製であり、熱変性が生じにくい。
【0006】
反射ミラー111は、鏡筒110のフランジ部110b上において、位置調整機構(ピエゾモータ等)115を介して保持装置116で保持されている。位置調整機構115は、組み立て時あるいはその後において反射ミラーの位置を調整するための機構である。一方、反射ミラー112は、鏡筒110のフランジ部110b下において、保持装置117で保持されている。2枚の反射ミラー111、112には、それぞれ穴111a、112aが開けられている。図の上部のマスク(物体、図示されず)から発した光100は、上の反射ミラー111の穴111aを通って下の反射ミラー112の上面に達し、ここで反射した光100が反射ミラー111の下面に向かう。この光100は、さらに反射ミラー111の下面で反射して下方に向かい、反射ミラー112の穴112aを通ってウエハ(像面、図示されず)に到達する。
【0007】
EUV光学系においては、前述の通り反射ミラー(光学素子)表面にMo/Si多層膜がコートされている。EUV光学系の開口数は0.3であり、波面収差は1nmRMS以下が求められる。このような小さな波面収差を実現するためには、反射ミラーとして高精度な形状を有する非球面ミラーを用い、高精度なミラー組み立て・調整を行う必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述の通り、EUV源101から射出したEUV光100は、極短波長(13.5nm)であり、ほとんどの物質はこの波長のEUV光を吸収する。そのため、EUV光学系では、透過型投影レンズ系を用いる光ステッパー等とは異なり、反射型投影レンズ系を用いる。このような反射型投影レンズ系の反射ミラーは、反射面に多層膜をコートしたとしても100%近い反射率は得られず(反射率約70%)、EUV光100のエネルギの一部(残りの約30%)は反射ミラー自身に吸収される。そして、その際に吸収される熱量は数サブW〜数Wであり、反射ミラーの反射面を熱変形させるのに充分な量であるため、この熱の影響によって反射面の精度の悪化が引き起こされるおそれがある。
【0009】
一方、反射ミラーの変形に関しては、EUV光の吸収熱量の影響以外にも、自重や圧力変動に伴う静的な変形、あるいは、床振動やステージ反力、搬送系振動に伴う動的な変形等も考えられる。さらには、EUV光を用いる場合は、真空雰囲気下での露光が想定されているため、反射ミラーの位置・姿勢を計測して微調整する微調整機構及び制御系は、真空雰囲気内での作動が可能であるものが求められる。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、レンズやミラー等の光学素子の変形を抑制し、光源からの残留熱量を適切に除熱することのできる光学素子保持冷却装置を提供することを目的とする。また、そのような保持冷却装置を有する露光装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の光学素子保持冷却装置は、光学素子の外周部を支持する、該外周部の内外方向に弾性変形可能な、低熱伝導率材からなる支持部材と、 前記光学素子の非光学的機能面に沿って配置された熱輸送板と、 該熱輸送板の外周を冷媒で冷却するとともに、前記支持部材を支持する、内部に前記光学素子の冷却媒体通路の形成された冷却フレームと、を具備することを特徴とする。
【0012】
この保持冷却装置によれば、光学素子に加わった熱は熱輸送板に伝わり、さらにこの熱輸送板から冷却フレームに伝わる。このようにして、光学素子は外周側から冷却フレームの冷媒で冷却されるので、熱の影響による変形の可能性が低減される。さらに、光学素子が熱膨張した場合や、静的又は動的な変形が起こった場合等には、支持部材が弾性変形することで光学素子の変形量を吸収できるので、光学素子の形状精度悪化の可能性も低減できる。
【0013】
なお、本発明における光学素子とは、ミラーやレンズ、レチクル(マスク)等を指す。
光学素子の形状は円盤状のものに限られず、楕円盤状や扇盤状、円弧状であってもよい。
光学素子の外周部の内外方向とは、概ね該外周部の外面の法線方向を意味し、円盤状の場合は径方向を意味する。
低熱伝導材としては、例えばZrOやキン(菫)青石系(Cordierite系)等を挙げることができ、その熱伝導率は数W/mK°以下であることが好ましい。支持部材の個数・配置形態は、光学素子外周を均等に3点支持するものが好ましいが、それ以外であってもよい。
【0014】
なお、光学素子の非光学的機能面とは、光学素子に関与する光の通らない面を意味し、例えばミラーの場合は、反射面以外の面(例えば裏面)である。
熱輸送板としては、ヒートパイプを用いることが好ましい。
熱輸送板と光学素子との間は接触している(隙間ゼロ)か、ごく小さい隙間を隔てて対向しており、前者の場合は光学素子から熱輸送板への熱伝導によって、後者の場合は光学素子と熱輸送板間の熱輻射によって主に熱が伝わる。
【0015】
本発明の光学素子保持冷却装置においては、前記熱輸送板が前記光学素子の非光学的機能面に対して小さい隙間を介して対向しており、 前記光学素子の光学的機能面の温度分布がより均一となるように、該隙間が前記光学素子の各部で調整されているものとすることができる。
光学素子の光学的機能面の温度がより均一となると、光学素子の光学性能(波面収差等)が良好になるという利点がある。本発明のこの形態は、加工性や熱膨張等の理由から光学素子を高熱伝導材で製作できない等、光学素子が無視できない温度分布を持つことが予想される場合に適用して効果的である。さらに、熱輸送板と光学素子との間に小さい隙間が存在すると、これら両者が非接触となり、熱輸送板から光学素子に力がかからないので、光学素子の形状精度悪化の可能性も低減できる。
【0016】
なお、この隙間は、例えば0〜数mm程度が好ましい。
前記隙間の調整方法は、例えば、熱輸送板を或る望ましい設計製作形状とする、あるいは、熱輸送板の所定箇所にピエゾアクチュエータを取り付ける等で実現することができる。
【0017】
本発明においては、ベースと、 該ベース上に固定された、前記冷却フレームの外周部を支持する冷却フレーム支持部材と、 該冷却フレーム支持部材に設けられた、前記光学素子の外周部の内外方向に弾性変形可能な板バネ、及び、前記光学素子の光学的機能面と垂直方向(Z方向)に駆動可能な駆動手段と、 前記ベース上に取り付けられた、該ベース上面と前記光学素子の非光学的機能面との距離を計測するセンサと、をさらに具備することができる。
【0018】
また、本発明においては、前記ベースの外側に、該ベースを水平面(XY平面)内で駆動する駆動手段、及び、該ベースの変位量を検出するセンサをさらに具備することができる。
【0019】
これらの場合、センサで距離・変位量を検出しつつ、駆動手段で弾性支持部材に変位を加えて、光学素子の位置・姿勢を微調整することができる。
【0020】
本発明の露光装置は、エネルギ線を感応基板に選択的に照射してパターン形成する露光装置であって、 該エネルギ線の光学系の光学素子を保持冷却する前記請求項1〜4の保持冷却装置を具備することを特徴とする。
なお、前記エネルギ線の種類は、EUV光に限られるものではなく、紫外光、電子線、イオンビーム等であってもよい。また、露光の方式も特に限定されず、縮小投影露光や等倍近接転写であってよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る光学系鏡筒内のミラー及びその保持冷却装置を示す図である。(A)は側面断面図であり、(B)は平面図である。
図2は、図1のミラー及びその保持冷却装置の一部を模式的に拡大して示す図である。
図3は、同ミラー保持冷却装置の熱輸送板を示す斜視図である。
図4は、同ミラー保持冷却装置の支持部材を示す平面図である。
【0022】
図1及び図2に示すミラー(光学素子)1は、EUV光学系の鏡筒(図示されず)内に配置されている。本実施例のミラー1は、一例で厚さ1〜2cm程度の楕円形ミラー(図1(B)参照)であるが、これ以外にも円盤状や扇盤状等を用いることもできる。ミラー1は、反射面1A(光学的機能面)、裏面1B及び側面1C(非光学的機能面)を有する。このミラー1には、側面1Cの一部が切り欠かれてなる支持部3が周方向に離れて3箇所に形成されている。ミラー1は、各支持部3に設けられた支持部材10を介して、楕円環状の冷却フレーム20上に支持されている。すなわち、ミラー1は、各支持部材10で冷却フレーム20上に3点支持されている。
【0023】
図4(A)にわかり易く示すように、支持部材10は、固定部11、板バネ13A、13B及び連結部15A、15Bを備えている。この支持部材10は、例えばZrO等の低熱伝導材から形成されており、その熱伝導率は数W/mK°以下となっている。
【0024】
固定部11は、冷却フレーム20への固定用の部材であり、固定用ボルトb1(図1参照)を挿通するためのボルト孔11aが形成されている。
板バネ13A、13Bは、固定部11の一端から両横方向に延び出ている。各板バネ13A、13Bは、一例で厚さが数mm程度であって、バネ性状(屈曲性)を向上するための切欠き13´が形成されている。
連結部15A、15Bは、各板バネ13A、13Bの先側にそれぞれ一体形成されている。これら連結部15A、15Bは、ミラー1の側面1Cの支持部3への連結用の部材であり、連結用ボルトb3(図1(B)参照)を挿通するためのボルト孔15a、15bが形成されている。
【0025】
各支持部材10は、EUV光の照射によりミラー1に熱が加わって変形(熱膨張)した場合や、自重や圧力変動に伴う静的な変形、あるいは、EUV露光装置の床振動やステージ反力、搬送系振動に伴う動的な変形等が起こった場合等に、板バネ13A、13Bが弾性変形する。そして、この板バネ13A、13Bの弾性変形によってミラー1の変形量を吸収することができ、ミラー1の形状精度の悪化を低く抑えることができる。
【0026】
支持部材10の固定部11は、前述の通り、楕円環状の冷却フレーム20上に固定用ボルトb1(図1参照)で固定される。図1に示すように、この冷却フレーム20の内周は、ミラー1の外周よりも大きく形成されている。冷却フレーム20の中空部21内は、水あるいはフロリナート系冷却液等の冷却媒体が流れる流路となっている。図1(B)中左側に示すように、冷却フレーム20の側面には、冷却媒体の導入管23及び排出管24が取り付けられている。これらの管23、24の先には、冷却媒体循環ポンプ(図示されず)が繋がっている。
【0027】
図1及び図2に示すように、ミラー1の裏面1B側には、一例で厚さ1mm程度のヒートパイプからなる熱輸送板30が配置されている。図3に最もわかりやすく示すように、このヒートパイプ(熱輸送板)30は、皿型の楕円盤を上下転置させた状態のもの、すなわち、鍔状の外周端33から中央の楕円盤面31が隆起した形状を有する。図2にわかり易く示すように、ヒートパイプ30の楕円盤面31は、ミラー1の裏面1Bとの間に所定の隙間t(一例で20μm程度)を設けて配置されている。ヒートパイプ30の楕円盤面31には、後述するレーザ干渉計55のレーザ光を通過させるための孔35が形成されている。
なお、図2においては、隙間は誇張して描かれている。
【0028】
ヒートパイプ30の鍔状の外周端33は、冷却フレーム20内側周面のスリット26に差し込まれている。冷却フレーム20の中空部21内において、ヒートパイプ30の外周端33は冷却媒体に晒されている。ヒートパイプ30の外周端33は、冷却フレーム20内側周面でろう付けされている。このろう付けにより、ヒートパイプ30が冷却フレーム20に固定されるとともに、冷却フレーム20の中空部21の水密性が確保される。
【0029】
EUV光の照射によりミラー1に熱が加わると、この熱はまずミラー1の裏面1Bから隙間tを介してヒートパイプ30の楕円盤面31に輻射されて伝わり、さらにヒートパイプ30の楕円盤面31から外周端33を経て冷却フレーム20内の冷却媒体に伝わる。このようにして、ミラー1の蓄熱が冷却フレーム20の冷却媒体で除熱されるので、ミラー1の熱の影響による変形の可能性が低減される。さらに、ミラー1とヒートパイプ30との間に小さい隙間tが存在すると、これら両者が非接触となり、ヒートパイプ30からミラー1に力がかからないので、ミラー1の形状精度悪化の可能性も低減される。
【0030】
なお、本実施例では、ミラー1の裏面1Bとヒートパイプ30の楕円盤面31との間に小さい隙間tが存在するものとして説明しているが、これら両者を接触させて(つまり隙間t=0)配置することもできる。この場合は、ミラー1からヒートパイプ30への熱伝導によって主に熱が伝わる。
【0031】
ところで、ミラー1の反射面1A(光学的機能面)の温度分布がより均一となるように、ミラー1とヒートパイプ30との間の隙間tをミラー1の各部で調整することもできる。隙間tの調整は、例えば、ヒートパイプ30を或る望ましい設計製作形状とする、あるいは、ヒートパイプ30の所定箇所にピエゾアクチュエータを取り付ける等で実現できる。ミラー1の反射面1Aの温度がより均一となると、ミラー1の光学性能(波面収差等)が良好になるという利点がある。
【0032】
なお、冷却フレーム20の中空部21に冷却媒体を流すことにより生じる流体振動を抑制するため、図1(A)や図2では、中空部21が断面四角形に描かれているが、この四隅は滑らかな曲面状となっている。冷却媒体の流れは層流(レイノルズ数が約1000以下)が望ましい。さらに、除熱効率を高めるためには、ヒートパイプ30との接触面積(つまり冷却フレーム20の中空部21内へのヒートパイプ30の外周端33の差し込み量)を大きく取り、流路断面積を大きくすることが望ましい。
【0033】
図1に示すように、冷却フレーム20は、3つの支持部材(冷却フレーム支持部材)40を介して、三角形の板状をしたミラーベース50上に支持されている。これら支持部材40は、前述した3つの支持部材20(ミラー1を支持する支持部材)間のほぼ中間位置に配置されている。なお、各支持部材40とミラーベース50との間には、スペーサ52(図1(A)参照)が介装されている。
【0034】
図4(B)にわかり易く示すように、支持部材40は、固定部41、アクチュエータ42、板バネ43A、43B及び連結部45A、45Bを備えている。支持部材40は、前述と同様に、例えばZrO等の低熱伝導材から形成されている。
【0035】
固定部41は、ミラーベース50への固定用の部材であり、固定用ボルトb2(図1参照)を挿通するためのボルト孔41aが形成されている。
アクチュエータ42は、固定部41に組み込まれている。このアクチュエータ42は、例えばピエゾアクチュエータからなり、後述するレーザ干渉計55の検出結果に基づき、冷却フレーム20及びその上のミラー1のZ、θx、θy方向の位置・姿勢の微調整を行う。
【0036】
板バネ43A、43Bは、固定部41の一端から両横方向に延び出ている。各板バネ43A、43Bは、一例で厚さが数mm程度であって、バネ性状(屈曲性)を向上するための切欠き43´が形成されている。
連結部45A、45Bは、各板バネ43A、43Bの先側にそれぞれ一体形成されている。これら連結部45A、45Bは、冷却フレーム20の側面への連結用の部材であり、連結用ボルトb4(図1(B)参照)を挿通するためのボルト孔45a、45bが形成されている。
【0037】
ミラー1の下方において、ミラーベース1の上面には、この例では3個のレーザ干渉計(距離センサ)55(55a、55b、55c)が設置されている。図2にわかり易く示すように、これら各レーザ干渉計55a〜55cからヒートパイプ30の孔35を通ってミラー1の裏面1Bに向けてレーザを当て、その反射レーザを受けることにより、ミラー1の変形量やミラーチルト等を検出することができる。前述した支持部材40のアクチュエータ42は、これら各レーザ干渉計55a〜55cの検出結果に基づき、冷却フレーム20及びその上のミラー1のZ、θx、θy方向の位置・姿勢の微調整を行う。
【0038】
ミラーベース50の一部(図1(B)の下部)には、張り出し部51が一体に設けられている。そして、ミラーベース50の一側面50´には2個のアクチュエータ56、57が取り付けられており、張り出し部51の一側面51´には1個のアクチュエータ58が取り付けられている。これら各アクチュエータ56、57、58は、例えばピエゾアクチュエータからなり、ミラーベース50のX、Y、θzの位置調整を行う。
【0039】
さらに、ミラーベース50の外側には、各アクチュエータ56、57、58に対応して、レーザ干渉計(位置センサ)59a、59b、59cが設置されている。各アクチュエータ56、57、58は、各レーザ干渉計59a〜59cの検出結果に基づき、ミラーベース50のX、Y、θz方向の位置・姿勢の微調整を行う。このミラーベース50の微調整を行うことで、その上のミラー1のX、Y、θz方向の微調整が実現される。
【0040】
本実施例においては、支持部材40に組み込まれたZ、θx、θy方向の微調整用のアクチュエータ42、ならびに、ミラーベース50・張り出し部51に取り付けたX、Y、θz方向の微調整用のアクチュエータ56、57、58により、6軸調整機能(つまりX、Y、Z、θx、θy、θz調整機能)が実現されている。そのため、この機能を用いて適宜調整することで、ミラー1の位置・姿勢を微調整し、誤差を補正することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、レンズやミラー等の光学素子の変形を抑制し、光源からの残留熱量を適切に除熱することのできる光学素子保持冷却装置等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る光学系鏡筒内のミラー及びその保持冷却装置を示す図である。(A)は側面断面図であり、(B)は平面図である。
【図2】図1のミラー及びその保持冷却装置の一部を模式的に拡大して示す図である。
【図3】同ミラー保持冷却装置の熱輸送板を示す斜視図である。
【図4】同ミラー保持冷却装置の支持部材を示す平面図である。
【図5】EUV光露光装置の概略構成例を示す図である。
【図6】EUV光露光装置の光学系鏡筒の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 ミラー(光学素子) 1A 反射面1A(光学的機能面)
1B 裏面1B(非光学的機能面) 1C 側面1C(非光学的機能面)
3 支持部 10 支持部材
11 固定部 13A、13B 板バネ
13´ 切欠き 15A、15B 連結部
20 冷却フレーム 21 中空部
30 ヒートパイプ(熱輸送板) 31 楕円盤面
33 外周端 35 孔
40 支持部材(冷却フレーム支持部材)
41 固定部 42 アクチュエータ
43A、43B 板バネ 45A、45B 連結部
50 ミラーベース 51 張り出し部
55(55a、55b、55c) レーザ干渉計(距離センサ)
56、57、58 アクチュエータ
59a、59b、59c レーザ干渉計(位置センサ)

Claims (5)

  1. 光学素子の外周部を支持する、該外周部の内外方向に弾性変形可能な、低熱伝導率材からなる支持部材と、
    前記光学素子の非光学的機能面に沿って配置された熱輸送板と、
    該熱輸送板の外周を冷媒で冷却するとともに、前記支持部材を支持する、内部に前記光学素子の冷却媒体通路の形成された冷却フレームと、
    を具備することを特徴とする光学素子保持冷却装置。
  2. 前記熱輸送板が前記光学素子の非光学的機能面に対して小さい隙間を介して対向しており、
    前記光学素子の光学的機能面の温度分布がより均一となるように、該隙間が前記光学素子の各部で調整されていることを特徴とする請求項1記載の光学素子保持冷却装置。
  3. ベースと、
    該ベース上に固定された、前記冷却フレームの外周部を支持する冷却フレーム支持部材と、
    該冷却フレーム支持部材に設けられた、前記光学素子の外周部の内外方向に弾性変形可能な板バネ、及び、前記光学素子の光学的機能面と垂直方向(Z方向)に駆動可能な駆動手段と、
    前記ベース上に取り付けられた、該ベース上面と前記光学素子の非光学的機能面との距離を計測するセンサと、
    をさらに具備することを特徴とする請求項1又は2記載の光学素子保持冷却装置。
  4. 前記ベースの外側に、該ベースを水平面(XY平面)内で駆動する駆動手段、及び、該ベースの変位量を検出するセンサをさらに具備することを特徴とする請求項3記載の光学素子保持冷却装置。
  5. エネルギ線を感応基板に選択的に照射してパターン形成する露光装置であって、
    該エネルギ線の光学系の光学素子を保持冷却する前記請求項1〜4の保持冷却装置を具備することを特徴とする露光装置。
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