JP4273556B2 - レンズ光学系 - Google Patents

レンズ光学系 Download PDF

Info

Publication number
JP4273556B2
JP4273556B2 JP03009799A JP3009799A JP4273556B2 JP 4273556 B2 JP4273556 B2 JP 4273556B2 JP 03009799 A JP03009799 A JP 03009799A JP 3009799 A JP3009799 A JP 3009799A JP 4273556 B2 JP4273556 B2 JP 4273556B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
group
diffraction grating
positive
optical system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03009799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000227551A (ja
Inventor
滋人 大森
祐一郎 大利
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Opto Inc
Original Assignee
Konica Minolta Opto Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Opto Inc filed Critical Konica Minolta Opto Inc
Priority to JP03009799A priority Critical patent/JP4273556B2/ja
Priority to US09/451,080 priority patent/US7295387B1/en
Publication of JP2000227551A publication Critical patent/JP2000227551A/ja
Priority to US10/096,370 priority patent/US6704149B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4273556B2 publication Critical patent/JP4273556B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B15/00Optical objectives with means for varying the magnification
    • G02B15/14Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective
    • G02B15/144Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having four groups only
    • G02B15/1441Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having four groups only the first group being positive
    • G02B15/144113Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having four groups only the first group being positive arranged +-++
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B15/00Optical objectives with means for varying the magnification
    • G02B15/14Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective
    • G02B15/145Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having five groups only
    • G02B15/1451Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having five groups only the first group being positive
    • G02B15/145113Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having five groups only the first group being positive arranged +-++-
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B15/00Optical objectives with means for varying the magnification
    • G02B15/14Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective
    • G02B15/145Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having five groups only
    • G02B15/1451Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having five groups only the first group being positive
    • G02B15/145121Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having five groups only the first group being positive arranged +-+-+

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Lenses (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレンズ光学系に関するものであり、更に詳しくは回折格子を有するレンズを用いたレンズ光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学機器(例えば、デジタルカメラ,ビデオカメラ,銀塩カメラ)に用いられるレンズ光学系(例えば、ズームレンズ等の撮像光学系,ファインダー光学系等の観察光学系)をコンパクト化するには、回折格子を用いることが収差補正上有効である。具体的には、光学要素の表面や媒質境界面に形成された回折格子で回折光学面が構成され、その回折作用によってレンズ作用を実現する回折光学素子(すなわち回折レンズ)を用いればよい。回折レンズを有するズームレンズは、特開平10-148757号公報や特開平10-161022号公報で提案されている。前者は正・負・正・正の4成分タイプのズームレンズであり、第2群又は第3群に回折レンズを有している。一方、後者は負・正の2成分タイプのズームレンズであり、第2群に回折レンズを有している。しかし、いずれの場合も回折格子がコンパクト化に対して十分効果的に寄与しているとはいえない。
【0003】
ところで、用いる回折格子の形状がブレーズ形状である場合、特定波長(つまり回折格子の設計波長)の回折効率は100%となるが、それとは異なる波長の回折効率は100%に達しない。設計波長の光では回折格子の高さに対して位相の整合が起こるが、設計波長以外の波長の光では位相が不整合となるためである。設計波長以外の波長の光でも光の位相が整合するようにするために、2つの互いに異なる光学材料の境界面に回折格子を設けた例が、特開平9-127321号公報や米国特許第5,734,502号明細書で提案されている。この回折格子を用いれば、設計波長以外でも回折効率が100%となるため、広い波長域で回折効率を高くすることが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ブレーズ形状に斜入射する光線は、厳密には設計波長であってもブレーズ形状の壁の部分による回折への影響を受けるため、回折効率が100%に達しないことになる。特に、2材料の境界面に回折格子を有するために回折格子高さが大きい場合や、回折格子間隔が小さいために相対的にブレーズ形状の壁の高さ(すなわち回折格子高さ)が大きい場合には、ブレーズ形状の壁の部分の影響が大きいため、回折効率は大きく低下することになる。また、レンズ系に回折格子を用いた場合、画角の関係により光線がブレーズ形状に斜入射することは避けられないため、これによる回折効率の低下が問題となる。
【0005】
本発明は上記のような状況に鑑みてなされたものであって、の目的は、回折格子を効果的に用いることにより収差的な面からコンパクト化が達成されたレンズ光学系を提供することにある
【0006】
【課題を解決するための手段】
目的を達成するために、第1の発明のレンズ光学系は、物体側より順に、正のパワーを有する第1群と、負のパワーを有する第2群と、正のパワーを有する第3群と、正又は負のパワーを有する第4群と、を備え、前記第1群と前記第2群との間隔と、前記第3群と前記第4群との間隔と、を変化させることによりズーミングを行うレンズ光学系であって、前記第3群が接合レンズを有しており、その接合レンズが境界面に回折格子を有し、前記境界面の曲率が前記接合レンズの入射面及び射出面の曲率とは異なり、前記回折格子について以下の条件式を満たすことを特徴とする。
0.02 <φ DOE /φ gr3 0.1
ただし、
φ DOE :回折格子によるレンズパワー、
φ gr3 :第3群のパワー、
である。
【0008】
第2の発明のレンズ光学系は、上記第1発明の構成において、前記回折格子について以下の条件式を満たすことを特徴とする。
0.05<tW/fW<0.4
ただし、
tW:広角端での回折格子と絞りとの空気換算軸上面間隔、
fW:広角端でのズーム全系の焦点距離、
である。
【0009】
第3の発明のレンズ光学系は、上記第1発明の構成において、以下の条件式を満たすことを特徴とする。
|Y'max/PZ|<0.4
ただし、
Y'max:最大像高、
PZ:像面から射出瞳位置までの距離、
である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施したレンズ光学系を、図面を参照しつつ説明する。図1,図3,図5,図7は、第1〜第4の実施の形態のズームレンズにそれぞれ対応するレンズ構成図であり、その広角端[W],ミドル(中間焦点距離状態)[M]及び望遠端[T]でのレンズ配置を示している。各レンズ構成図中、di(i=1,2,3,...)が付された空気間隔は、物体側から数えてi番目の軸上面間隔のうち、ズーミングにおいて変化する可変間隔を示している。またレンズ構成図中、ri(i=1,2,3,...)が付された面は物体側から数えてi番目の面{ただし最終面は像面(I)}であり、riに*印が付された面は非球面、riに#印が付された面は回折格子が形成された回折レンズ面である。
【0014】
第1,第2の実施の形態は、物体側より順に、正のパワーを有する第1群(Gr1)と、負のパワーを有する第2群(Gr2)と、正のパワーを有する第3群(Gr3)と、正のパワーを有する第4群(Gr4)と、を備えた4成分タイプのズームレンズである。第3の実施の形態は、物体側より順に、正のパワーを有する第1群(Gr1)と、負のパワーを有する第2群(Gr2)と、正のパワーを有する第3群(Gr3)と、正のパワーを有する第4群(Gr4)と、負のパワーを有する第5群(Gr5)と、を備えた5成分タイプのズームレンズである。第4の実施の形態は、物体側より順に、正のパワーを有する第1群(Gr1)と、負のパワーを有する第2群(Gr2)と、正のパワーを有する第3群(Gr3)と、負のパワーを有する第4群(Gr4)と、正のパワーを有する第5群(Gr5)と、を備えた5成分タイプのズームレンズである。
【0015】
いずれの実施の形態も、第3群(Gr3)に回折格子を有する正・負・正・(正又は負)の4成分を備えたズームタイプであって、第1群(Gr1)と第2群(Gr2)との間隔,第3群(Gr3)と第4群(Gr4)との間隔等を変化させることによりズーミングを行う構成になっている。また、第2群(Gr2)と第3群(Gr3)との間には第3群(Gr3)と共にズーム移動する絞り(S)が配置されており、最も像面(I)側にはローパスフィルター(LPF)が配置されている。
【0016】
第1の実施の形態(図1)において、各群は物体側から順に以下のように構成されている。第1群(Gr1)は、像側に凹の負メニスカスレンズと両凸の正レンズとから成る接合レンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズと、で構成されている。第2群(Gr2)は、像側に凹の負メニスカスレンズと、両凹の負レンズと両凸の正レンズとから成る接合レンズと、で構成されている。第3群(Gr3)は、物体側に凸の正メニスカスレンズと像側に凹の負メニスカスレンズとから成る接合レンズで構成されており、第14面(r14)に回折格子を有している。第4群(Gr4)は、両凸の正レンズと、両凹の負レンズと、で構成されている。
【0017】
第2の実施の形態(図3)において、各群は物体側から順に以下のように構成されている。第1群(Gr1)は、像側に凹の負メニスカスレンズと、両凸の正レンズと、で構成されている。第2群(Gr2)は、像側に凹の負メニスカスレンズと、両凹の負レンズと物体側に凸の正メニスカスレンズとから成る接合レンズと、で構成されており、第8面(r8)に回折格子を有している。第3群(Gr3)は、2枚の物体側に凸の正メニスカスレンズから成る接合レンズで構成されており、第12面(r12)に回折格子を有している。第4群(Gr4)は、両凸の正レンズと、像側に凹の負メニスカスレンズと、で構成されている。
【0018】
第3の実施の形態(図5)において、各群は物体側から順に以下のように構成されている。第1群(Gr1)は、像側に凹の負メニスカスレンズと両凸の正レンズとから成る接合レンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズと、で構成されている。第2群(Gr2)は、像側に凹の負メニスカスレンズと、両凹の負レンズと物体側に凸の正メニスカスレンズとから成る接合レンズと、で構成されている。第3群(Gr3)は、物体側に凸の正メニスカスレンズと像側に凹の負メニスカスレンズとから成る接合レンズで構成されており、第14面(r14)に回折格子を有している。第4群(Gr4)は、両凸の正レンズと、両凹の負レンズと、で構成されている。第5群(Gr5)は、物体側に凹の負メニスカスレンズで構成されている。
【0019】
第4の実施の形態(図7)において、各群は物体側から順に以下のように構成されている。第1群(Gr1)は、像側に凹の負メニスカスレンズと両凸の正レンズとから成る接合レンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズと、で構成されている。第2群(Gr2)は、像側に凹の負メニスカスレンズと、両凹の負レンズと物体側に凸の正メニスカスレンズとから成る接合レンズと、で構成されている。第3群(Gr3)は、両凸の正レンズと両凹の負レンズとから成る接合レンズで構成されており、第14面(r14)に回折格子を有している。第4群(Gr4)は、像側に凹の負メニスカスレンズで構成されている。第5群(Gr5)は、両凸の正レンズと、両凹の負レンズと、で構成されている。
【0020】
正・負・正・(正又は負)を備えたズームタイプのレンズ光学系をコンパクト化するためには、上記各実施の形態のように第3群(Gr3)に回折格子を用いることが収差補正上有効であり、また、第3群(Gr3)が接合レンズを有し、その接合レンズが境界面(つまり、2つの互いに異なる光学材料が密着する境界面)に回折格子を有し、その境界面の曲率が接合レンズの入射面及び射出面の曲率とは異なることが望ましい。これらの特徴については後で詳しく説明する。
【0021】
次に、各実施の形態のように第3群(Gr3)に回折格子を有する正・負・正・(正又は負)の4成分を備えたズームタイプであって、第3群(Gr3)が接合レンズを有しており、その接合レンズが境界面に上記回折格子を有し、その接合レンズの境界面の曲率が接合レンズの入射面及び射出面の曲率とは異なるレンズ光学系が満足することの望ましい条件式を説明する。なお、以下に示す全ての条件式を同時に満たす必要はなく、個々の条件式をそれぞれ単独に満足すれば対応する作用・効果を達成することが可能である。もちろん、複数の条件式を満足する方が、光学性能,コンパクト化等の観点からより望ましいことはいうまでもない。
【0022】
前記回折格子について以下の条件式(1)を満たすことが望ましい。
0.02<φDOE/φgr3<0.1 …(1)
ただし、
φDOE:回折格子によるレンズパワー、
φgr3:第3群(Gr3)のパワー、
である。
【0023】
条件式(1)は、第3群(Gr3)のパワーφgr3(φDOEを含む。)に対する回折格子によるレンズパワーφDOEの比の望ましい条件範囲を規定している。この条件式(1)を満たすことにより、コンパクトなレンズ光学系を達成することができる。条件式(1)の下限を下回った場合、回折レンズの色収差補正効果が得られなくなるため、レンズ光学系の大きさが大きくなる。条件式(1)の上限を上回った場合、回折レンズの非点収差が増大するため、それを補正するためにレンズ光学系の大きさが大きくなる。
【0024】
前記回折格子について以下の条件式(2)を満たすことが望ましい。この条件式(2)を満たすことにより、色収差の良好なレンズ光学系を達成することができる。条件式(2)の下限を下回った場合、レンズ保持ができなくなる。条件式(2)の上限を上回った場合、広角端[W]での軸上色収差補正が不十分となる。
0.05<tW/fW<0.4 …(2)
ただし、
tW:広角端[W]での回折格子と絞り(S)との空気換算軸上面間隔、
fW:広角端[W]でのズーム全系の焦点距離、
である。
【0025】
以下の条件式(3)を満たすことが望ましい。この条件式(3)を満たすことにより、撮像素子を用いた場合に画面周辺の照度低下が良好な範囲となる。
|Y'max/PZ|<0.4 …(3)
ただし、
Y'max:最大像高、
PZ:像面(I)から射出瞳位置までの距離、
である。
【0026】
以下に説明する条件式は、上記各実施の形態のように、2つの互いに異なる光学材料が密着する境界面に、回折格子によるレンズを有するレンズ光学系が満足することの望ましい条件式である。前述した条件式(1)〜(3)と同様、以下に示す全ての条件式を同時に満たす必要はなく、個々の条件式をそれぞれ単独に満足すれば対応する作用・効果を達成することが可能であり、また、複数の条件式を満足する方が光学性能,回折効率等の観点からより一層望ましい。
【0027】
前記回折格子が、任意の光軸垂直方向高さHでのブレーズ形状を表す以下の条件式(4)を満足することが望ましい。回折格子が条件式(4)を満たせば、斜入射光線の回折効率の低下は問題とならない程度となる。条件式(4)の上限を上回った場合、回折レンズの回折効率が不十分なものとなる。
【0028】
|(h/d)tanθ|≦0.045 …(4)
ただし、
h :回折格子高さ、
d :回折格子間隔、
θ:入射角度、
であり、
Ci :位相係数、
λ0:設計波長、
とするとき、回折格子間隔dは位相関数Φ(H)の式:
【数3】
Figure 0004273556
から光軸垂直方向高さHについての式:
d(H)=-2π/(dΦ/dH)
で表される。
【0029】
前記回折格子が以下の条件式(5)を満足することが望ましい。回折格子が条件式(5)をみたせば、斜入射光線の回折効率の低下は問題とならない程度となる。条件式(5)の下限を下回った場合、回折レンズによる色収差補正効果が不十分なものとなる。条件式(5)の上限を上回った場合、回折レンズの回折効率が不十分なものとなる。
【0030】
0.01≦|{(h・φDOE・DDOE)/(2・λ0)}・tan(ωmax)|≦0.06 …(5)
ただし、
h :回折格子高さ、
λ0:設計波長、
φDOE:回折格子によるレンズパワー、
DDOE:回折格子によるレンズの有効径、
ωmax:レンズ光学系の半画角の最大値、
である。
【0031】
前記回折格子が以下の条件式(6)を満足することが望ましい。一般的な撮影レンズの場合には、回折格子が条件式(6)を満たせば、斜入射光線の回折効率の低下は問題とならない程度となる。条件式(6)の下限を下回った場合、回折レンズによる色収差補正効果が不十分なものとなる。条件式(6)の上限を上回った場合、回折レンズの回折効率が不十分なものとなる。
【0032】
0.005≦|(h/dmin)・tan(ωmax)|≦0.07 …(6)
ただし、
h :回折格子高さ、
dmin :回折格子によるレンズの有効径範囲内の最小回折格子間隔、
ωmax:レンズ光学系の半画角の最大値、
である。
【0033】
次に、各実施の形態に用いられている回折格子に光線が斜入射する場合の回折効率を、上記条件式(4)〜(6)との関連において説明する。図12は、ブレーズ形状の回折格子に光線が斜入射したときの状態を示す拡大図である。図12(A)は回折格子高さhが低い場合であり、空気と接するレンズ表面に回折格子を有する場合に相当する。図12(B)は回折格子高さhが高い場合であり、2材料の境界面に回折格子を有する場合に相当する。なお図12中、点線AX'はレンズ光学系の光軸(図14中のAX)に対して平行な直線であり、塗りつぶし領域D0は回折格子高さhによる非回折部分である。
【0034】
図12から、回折格子高さhが大きくなると、非回折部分D0が増加することが分かる。また、回折格子間隔dが小さくなることで相対的に回折格子高さhが大きくなることによっても、非回折部分D0が増加することが予測される。さらに、入射角度θが大きくなる場合も、非回折部分D0が大きくなることが予測される。また、図12の関係から、非回折部分D0の大きさは、(h/d)tanθに比例することが分かる。
【0035】
図13のグラフに、格子ピッチ(d/λ0)と回折効率との関係を示す。このグラフの曲線は、回折格子高さh=17μmのブレーズ形状の回折格子に、入射角度θ=10°で設計波長λ0=587nmの光線が入射したときの、回折格子間隔dに対する回折効率の変化(計算結果)を示している。実用上の回折効率は0.9以上必要であることが実験から分かっているので、図13のグラフでは矢印α1で示す領域が実用上必要な回折効率となる。したがって、その実用上必要な回折効率から図13中の矢印α2で示す回折格子間隔dの条件範囲が決まる。得られた(h/d)tanθから、ブレーズ形状の回折格子高さh及び回折格子間隔d、並びに回折格子に入射する光線の入射角度θが条件式(4)の領域内にあれば、実用上必要な回折効率が得られることが分かる。
|(h/d)tanθ|≦0.045 …(4)
【0036】
ついで、回折格子間隔dを説明する。回折格子がレンズの作用をする場合、Ci:位相係数,λ0:設計波長とするとき、回折格子の位相関数Φ(H)は、光軸からの高さHに対して、以下の式:
【数4】
Figure 0004273556
で表される。
【0037】
特に、回折格子によるレンズのパワーφDOEは、式:
φDOE=-2・C1
で表される。また回折格子間隔dは、位相関数Φ(H)の光軸垂直方向高さHについての一階微分より、式:
d(H)=-2π/(dΦ/dH)
で表される。
【0038】
通常の回折レンズは、レンズパワーを決めるi=1の位相係数C1が十分大きいため、有効径以下の光軸垂直方向高さHについては、回折格子間隔d(H)が単調に減少する。したがって、i>1の位相係数Ciは小さいため無視して、回折格子によるレンズの有効径をDDOEとすると、回折格子間隔d(H)の最小値dminは以下の式(7)で表される。この式(7)から、回折レンズのパワーφDOEが大きいほど、また、有効径DDOEが大きいほど、回折格子間隔d(H)が小さくなることが分かる。
dmin=d(DDOE/2)=-(2・λ0)/(2・C1・DDOE)=(2・λ0)/(φDOE・DDOE) …(7)
【0039】
次に、入射角度θを説明する。レンズ光学系の場合、図14に示すように画角に応じて入射角度θが決まる(図14中、AXはレンズ光学系の光軸である。)。したがって、最大画角のときが最大の入射角度である。厳密には、レンズ面に対する入射角度θはレンズ光学系のレンズ配置により変化するが、条件式(4)中の入射角度θに代えて半画角ωの最大値ωmaxを代入しても、入射角度θによる回折効率の程度を把握することは可能である。したがって、前記式(7)を条件式(4)に用い、これらの変更に合わせて右辺の常数値を見直すと、以下の条件式(8)が得られる。
|{(h・φDOE・DDOE)/(2・λ0)}・tan(ωmax)|≦0.06 …(8)
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施したレンズ光学系の構成等を、コンストラクションデータ,収差図等を挙げて、更に具体的に説明する。なお、以下に挙げる実施例1〜4は、前述した第1〜第4の実施の形態にそれぞれ対応しており、第1〜第4の実施の形態を表すレンズ構成図(図1,図3,図5,図7)は、対応する実施例1〜4のレンズ構成をそれぞれ示している。また、実施例1に対する比較例(回折格子を有しない。)を併せて示すとともに、そのレンズ構成を図9に示す。
【0041】
実施例1〜4及び比較例のコンストラクションデータにおいて、ri(i=1,2,3,...)は物体側から数えてi番目の面の曲率半径、di(i=1,2,3,...)は物体側から数えてi番目の軸上面間隔を示しており、Ni(i=1,2,3,...),νi(i=1,2,3,...)は物体側から数えてi番目の光学要素のd線に対する屈折率(nd),アッベ数(νd)を示している。また、コンストラクションデータ中、ズーミングにおいて変化する軸上面間隔(可変間隔)は、広角端(短焦点距離端)[W]〜ミドル(中間焦点距離状態)[M]〜望遠端(長焦点距離端)[T]での各群間の軸上空気間隔である。各焦点距離状態[W],[M],[T]に対応する全系の焦点距離f,半画角ω(°)及びFナンバーFNO、並びに条件式(1)〜(3)の対応値を併せて示す。さらに、条件式(4)の対応値を表1に示し、条件式(5),(6)の対応値を表2に示す。なお、条件式(4)の対応値に幅があるのは、回折格子間隔dの値が光軸からの高さHにより変化するためである。
【0042】
曲率半径riに*印が付された面は、非球面で構成された面であることを示し、非球面の面形状を表わす以下の式(AS)で定義されるものとする。また、曲率半径riに#印が付された面は、回折格子が形成された回折レンズ面であることを示し、回折レンズ面のピッチの位相形状を表す以下の式(DS)で定義されるものとする。各非球面の非球面データ及び各回折レンズ面の回折面データを他のデータと併せて示す。
【0043】
Z(H)=(C0・H2)/{1+√(1-C02・H2)}+(A・H4+B・H6+C・H8+D・H10) …(AS)
ただし、式(AS)中、
Z(H) :高さHの位置での光軸方向の変位量(面頂点基準)、
H :光軸からの高さ(光軸垂直方向高さ)、
C0 :近軸曲率、
A,B,C,D:非球面係数、
である。
【0044】
Φ(H)=(2π/λ0)・(C1・H2+C2・H4+C3・H6) …(DS)
ただし、式(DS)中、
Φ(H) :位相関数、
H :光軸からの高さ(光軸垂直方向高さ)、
λ0 :設計波長、
C1,C2,C3:位相係数、
である。
【0045】
Figure 0004273556
Figure 0004273556
【0046】
[第6面(r6)の非球面データ]
A= 1.98×10-4,B= 2.18×10-5,C=-5.66×10-7
[第7面(r7)の非球面データ]
A= 9.23×10-5,B= 2.98×10-5,C= 1.83×10-6
[第15面(r15)の非球面データ]
A= 1.59×10-4,B= 3.82×10-5,C=-8.18×10-6,D= 6.25×10-7
[第18面(r18)の非球面データ]
A= 1.60×10-3,B=-1.84×10-4,C= 2.09×10-6
[第19面(r19)の非球面データ]
A= 4.01×10-3,B=-7.71×10-5,C= 4.53×10-6
【0047】
[第14面(r14)の回折面データ]
C1=-9.46×10-4,C2=2.73×10-5
【0048】
[条件式対応値]
条件式(1):φDOE/φgr3=0.042
条件式(2):tW/fW=0.16
条件式(3)(広角端[W]時):|Y'max/PZ|=0.18
条件式(3)(望遠端[T]時):|Y'max/PZ|=0.19
【0049】
Figure 0004273556
Figure 0004273556
【0050】
[第3面(r3)の非球面データ]
A=-1.25×10-4,B=-1.06×10-6,C=-4.87×10-8
[第6面(r6)の非球面データ]
A=-3.28×10-4,B= 6.87×10-5,C=-4.27×10-6
[第7面(r7)の非球面データ]
A=-4.26×10-3,B= 2.75×10-4,C=-2.03×10-5
[第11面(r11)の非球面データ]
A= 8.72×10-4,B=-1.08×10-4,C= 2.32×10-5
[第13面(r13)の非球面データ]
A= 1.24×10-3,B=-7.98×10-5,C= 1.54×10-5,D= 1.02×10-6
[第14面(r14)の非球面データ]
A=-4.03×10-4,B=-3.29×10-5,C=-3.90×10-6
[第16面(r16)の非球面データ]
A= 1.96×10-3,B= 2.36×10-5,C=-2.19×10-6
[第17面(r17)の非球面データ]
A= 5.41×10-3,B= 2.47×10-4,C= 1.09×10-5
【0051】
[第8面(r8)の回折面データ]
C1= 2.69×10-3,C2=-2.58×10-4,C3=-1.52×10-5
[第12面(r12)の回折面データ]
C1=-2.26×10-3,C2=3.48×10-5,C3=5.95×10-6
【0052】
[条件式対応値]
条件式(1):φDOE/φgr3=0.073
条件式(2):tW/fW=0.08
条件式(3)(広角端[W]時):|Y'max/PZ|=0.17
条件式(3)(望遠端[T]時):|Y'max/PZ|=0.19
【0053】
Figure 0004273556
Figure 0004273556
【0054】
[第6面(r6)の非球面データ]
A=-1.03×10-3,B= 1.20×10-4,C=-2.65×10-6
[第7面(r7)の非球面データ]
A=-1.02×10-3,B= 7.26×10-5,C= 6.52×10-6
[第15面(r15)の非球面データ]
A= 2.18×10-4,B= 3.14×10-5,C=-6.47×10-6,D= 6.70×10-7
[第18面(r18)の非球面データ]
A= 1.97×10-3,B=-2.51×10-4,C= 2.20×10-6
[第19面(r19)の非球面データ]
A= 4.27×10-3,B=-1.41×10-4,C= 3.02×10-6
【0055】
[第14面(r14)の回折面データ]
C1=-1.20×10-3,C2=2.38×10-5
【0056】
[条件式対応値]
条件式(1):φDOE/φgr3=0.039
条件式(2):tW/fW=0.16
条件式(3)(広角端[W]時):|Y'max/PZ|=0.17
条件式(3)(望遠端[T]時):|Y'max/PZ|=0.19
【0057】
Figure 0004273556
Figure 0004273556
【0058】
[第6面(r6)の非球面データ]
A=-3.69×10-4,B= 4.50×10-5,C=-9.55×10-7
[第7面(r7)の非球面データ]
A=-4.32×10-4,B= 3.68×10-5,C= 1.77×10-6
[第15面(r15)の非球面データ]
A= 6.37×10-4,B= 2.58×10-5,C=-1.08×10-5,D= 9.99×10-7
[第17面(r17)の非球面データ]
A=-3.92×10-4,B= 3.83×10-5,C=-1.29×10-6
[第20面(r20)の非球面データ]
A= 1.53×10-3,B=-1.49×10-4,C= 2.09×10-6
[第21面(r21)の非球面データ]
A= 4.22×10-3,B=-4.32×10-5,C= 7.38×10-6
【0059】
[第14面(r14)の回折面データ]
C1=-1.15×10-3,C2=4.13×10-5
【0060】
[条件式対応値]
条件式(1):φDOE/φgr3=0.029
条件式(2):tW/fW=0.18
条件式(3)(広角端[W]時):|Y'max/PZ|=0.17
条件式(3)(望遠端[T]時):|Y'max/PZ|=0.19
【0061】
Figure 0004273556
Figure 0004273556
【0062】
[第6面(r6)の非球面データ]
A= 7.67×10-4,B=-1.15×10-5,C= 8.18×10-8
[第7面(r7)の非球面データ]
A= 8.54×10-4,B= 1.62×10-5,C= 5.77×10-7
[第16面(r16)の非球面データ]
A= 9.53×10-5,B= 2.01×10-5,C=-4.61×10-6,D= 3.69×10-7
[第19面(r19)の非球面データ]
A= 1.66×10-3,B=-1.25×10-4,C= 1.37×10-6
[第20面(r20)の非球面データ]
A= 4.20×10-3,B=-2.46×10-5,C= 5.03×10-6
【0063】
【表1】
Figure 0004273556
【0064】
【表2】
Figure 0004273556
【0065】
上記比較例は正・負・正・正の4成分ズームレンズであり、第1群(Gr1)が負レンズと正レンズと正レンズとの3枚、第2群(Gr2)が負レンズと負レンズと正レンズとの3枚、第3群(Gr3)が正レンズと負レンズと2枚、第4群(Gr4)が正レンズと負レンズとの2枚、で構成されている。表3に、比較例の広角端[W],望遠端[T]における、光学系全体の色収差係数と各群(Gr1〜Gr4)の色収差係数を示す(ただし、LC:軸上色収差係数,TC:倍率色収差係数である。)。
【0066】
【表3】
Figure 0004273556
【0067】
比較例の光学系全体での色収差係数値から、広角端[W]での軸上色収差係数LCと倍率色収差係数TCが正に大きいこと、望遠端[T]での倍率色収差係数TCが負に大きいことが分かる。また、広角端[W]での軸上色収差の光学系全体に対する悪さ度合いは、広角端[W]及び望遠端[T]での倍率色収差の光学系全体に対する悪さ度合いに比べて大きいことが分かる。したがって、広角端[W]での軸上色収差を補正することが収差的に効果的である。
【0068】
一方、軸上色収差係数LCを大きく発生する位置は絞り(S)の近傍であり、広角端[W]で該当する群位置は第3群(Gr3)である。したがって、第3群(Gr3)に回折レンズを配置すれば、色収差補正を効果的に行うことが可能であると予測できる。前記比較例の第3群(Gr3)に回折レンズを用いたときのレンズ構成は、前記実施例1に相当する。表4に、実施例1の広角端[W],望遠端[T]における、光学系全体の色収差係数と各群(Gr1〜Gr4)の色収差係数を、表3と同様に示す。ただし、第3群(Gr3)で発生する色収差係数については、第3群(Gr3)全体での色収差係数と回折レンズが発生する色収差係数とに分けて示す。表4から、第3群(Gr3)の回折レンズが発生する負の軸上色収差係数LCが、広角端[W]での光学系全体の軸上色収差係数LCを改善していることが分かる。
【0069】
【表4】
Figure 0004273556
【0070】
次に、回折レンズを用いたときの非点収差とペッツバールの効果を以下に検討する。図11(a)〜(c)に示す3種類の薄肉レンズの光学系:
(a)正・負の接合レンズ,
(b)接合面が回折レンズ面(破線部)から成る正・負の接合レンズ,
(c)回折レンズ面(破線部)を有する正の単レンズ,
をモデルとして考える。モデル(a)では正・負の接合で色収差補正が行われ、モデル(b)では正・負の接合と回折レンズ面で色収差補正が行われ、モデル(c)では回折レンズ面のみで色収差補正が行われる。回折レンズによる色収差補正度合いには(a)<(b)<(c)の関係があるため、回折レンズのレンズパワーにも(a)<(b)<(c)の関係が生じる。したがって、回折レンズによる色収差補正度合いの最も大きいモデル(c)の回折レンズのレンズパワーが最も大きくなる。
【0071】
前記比較例の第3群(Gr3)は正レンズと負レンズで構成されており、正レンズの硝種は相対的に低屈折率・低分散、負レンズの硝種は相対的に高屈折率・高分散である。そこで、モデル(a),(b)の接合レンズも、正レンズの硝種を相対的に低屈折率・低分散とし、負レンズの硝種を相対的に高屈折率・高分散とする。また、前記実施例1の第3群(Gr3)は、正レンズの硝種が相対的に高屈折率・低分散、負レンズの硝種が相対的に低屈折率・高分散である。そこで、モデル(b)の接合レンズとして、相対的に高屈折率・低分散の硝種から成る正レンズと、相対的に低屈折率・高分散の硝種から成る負レンズと、についても検討する。表5に、各レンズの硝種データ(ただし、nd:d線に対する屈折率,νd:アッベ数である。)を示す。
【0072】
【表5】
Figure 0004273556
【0073】
表6に、各モデル(a)〜(c)の光学系全体の収差係数を示す(ただし、PT:ペッツバール係数,AS:非点収差係数である)。比較例において第3群(Gr3)は絞り(S)より後ろに位置するため、各モデル(a)〜(c)も同様に絞り(S)より後ろに位置すると仮定して、収差係数の計算を行った。また、各モデル(a)〜(c)の収差係数算出に当たっては、光学系全体の球面収差係数が最小となるベンディングを与えた。表6から、ペッツバール係数PTは回折レンズのレンズパワーが大きくなるほど小さくなることが分かる。また、非点収差係数ASは回折レンズのレンズパワーが大きくなるほど大きくなることが分かる。
【0074】
【表6】
Figure 0004273556
【0075】
表7に、比較例と実施例1{第3群(Gr3)に回折レンズを有する光学系}のペッツバール係数PTと非点収差係数ASを示す。2つの光学系は、同等のレンズ性能が得られる大きさで設計した。表7から分かるように、比較例は広角端[W]で非点収差係数ASがやや正に大きい。回折レンズの効果により第3群(Gr3)のペッツバール係数PTが小さくなることで収差上に余裕が発生し、その結果、大きさの小さいズームタイプが得られたと考えられる。
【0076】
【表7】
Figure 0004273556
【0077】
以上の検討結果から、回折レンズを用いる場合、色収差補正効果とペッツバール及び非点収差の影響とのバランスにより、コンパクト化度合いが決まることが分かる。そして、本実施例のように正・負・正・(正又は負)の4成分を備えたズームタイプの第3群(Gr3)に回折レンズを用いれば、色収差補正効果によりコンパクトな光学系を得ることができる。
【0078】
図2,図4,図6,図8は実施例1〜4の収差図、図10は比較例の収差図であり、それぞれ広角端[W],ミドル[M],望遠端[T]での諸収差を示している。各焦点距離状態での収差図は、左から順に、[A]球面収差,[B]非点収差,[C]歪曲収差を表している。球面収差図[A]において、縦軸は入射瞳への入射高さHをその最大高さH0(=1)で規格化した値(すなわち入射瞳平面を切る相対高さ)H/H0であり、横軸は近軸結像位置からの光軸方向のズレ量(mm)である。破線はC線(波長:λC=656.3nm)に対する球面収差量、実線はd線(波長:λd=587.6nm)に対する球面収差量、一点鎖線はg線(波長:λg=435.8nm)に対する球面収差量を表している。非点収差図[B]において、縦軸は像高Y'(mm)であり、横軸は近軸結像位置からの光軸方向のズレ量(mm)である。また、実線Xはサジタル面での非点収差を表しており、実線Yはメリディオナル面での非点収差を表している。歪曲収差図[C]において、縦軸は像高Y'(mm)であり、横軸は歪曲収差量(%)である。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように発明によれば、回折格子が効果的に用いられるため、収差的な面からレンズ光学系のコンパクト化を達成することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態(実施例1)のレンズ構成図。
【図2】実施例1の収差図。
【図3】第2の実施の形態(実施例2)のレンズ構成図。
【図4】実施例2の収差図。
【図5】第3の実施の形態(実施例3)のレンズ構成図。
【図6】実施例3の収差図。
【図7】第4の実施の形態(実施例4)のレンズ構成図。
【図8】実施例4の収差図。
【図9】比較例のレンズ構成図。
【図10】比較例の収差図。
【図11】回折レンズを用いた場合の非点収差とペッツバールの効果を説明するための図。
【図12】光線がブレーズ形状の回折格子に斜入射するとき回折格子高さの影響を説明するための図。
【図13】入射角度10°における回折格子間隔と回折効率との関係を示すグラフ。
【図14】レンズ光学系に対する入射角度を説明するための光路図。
【符号の説明】
Gr1 …第1群
Gr2 …第2群
Gr3 …第3群
Gr4 …第4群
Gr5 …第5群
S …絞り
LPF …ローパスフィルター

Claims (3)

  1. 物体側より順に、正のパワーを有する第1群と、負のパワーを有する第2群と、正のパワーを有する第3群と、正又は負のパワーを有する第4群と、を備え、前記第1群と前記第2群との間隔と、前記第3群と前記第4群との間隔と、を変化させることによりズーミングを行うレンズ光学系であって、
    前記第3群が接合レンズを有しており、その接合レンズが境界面に回折格子を有し、前記境界面の曲率が前記接合レンズの入射面及び射出面の曲率とは異なり、前記回折格子について以下の条件式を満たすことを特徴とするレンズ光学系
    0.02 <φ DOE /φ gr3 0.1
    ただし、
    φ DOE :回折格子によるレンズパワー、
    φ gr3 :第3群のパワー、
    である。
  2. 前記回折格子について以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項記載のレンズ光学系;
    0.05<tW/fW<0.4
    ただし、
    tW:広角端での回折格子と絞りとの空気換算軸上面間隔、
    fW:広角端でのズーム全系の焦点距離、
    である。
  3. 以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項記載のレンズ光学系;
    |Y'max/PZ|<0.4
    ただし、
    Y'max:最大像高、
    PZ:像面から射出瞳位置までの距離、
    である。
JP03009799A 1998-04-21 1999-02-08 レンズ光学系 Expired - Fee Related JP4273556B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03009799A JP4273556B2 (ja) 1999-02-08 1999-02-08 レンズ光学系
US09/451,080 US7295387B1 (en) 1998-04-21 1999-11-30 Lens optical system
US10/096,370 US6704149B2 (en) 1998-04-21 2002-03-13 Lens optical system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03009799A JP4273556B2 (ja) 1999-02-08 1999-02-08 レンズ光学系

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000227551A JP2000227551A (ja) 2000-08-15
JP4273556B2 true JP4273556B2 (ja) 2009-06-03

Family

ID=12294286

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03009799A Expired - Fee Related JP4273556B2 (ja) 1998-04-21 1999-02-08 レンズ光学系

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4273556B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9069157B2 (en) 2010-12-16 2015-06-30 Fujifilm Corporation Projection zoom lens and projection apparatus

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3376351B2 (ja) * 1999-11-29 2003-02-10 キヤノン株式会社 光学系及び原稿読取装置
JP4850331B2 (ja) * 2000-09-13 2012-01-11 キヤノン株式会社 走査光学装置及びそれを用いたカラー画像形成装置
JP4234957B2 (ja) 2001-10-30 2009-03-04 株式会社リコー ズームレンズ、撮像装置および携帯情報端末システム
JP4266617B2 (ja) * 2001-12-28 2009-05-20 オリンパス株式会社 広角高倍ズームレンズ及びそれを用いた撮影装置
JP4284641B2 (ja) * 2002-12-27 2009-06-24 株式会社ニコン ズームレンズ
KR20040061658A (ko) * 2002-12-31 2004-07-07 삼성전자주식회사 하이브리드 애크로매틱 광학 렌즈 및 그 제조방법
JP4059145B2 (ja) * 2003-05-30 2008-03-12 ソニー株式会社 ズームレンズおよび撮像装置
JP4902240B2 (ja) * 2006-03-29 2012-03-21 キヤノン株式会社 ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
JP5006634B2 (ja) * 2006-12-20 2012-08-22 キヤノン株式会社 ズームレンズ及びこれを有する撮像装置
JP5028103B2 (ja) * 2007-02-15 2012-09-19 キヤノン株式会社 ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
JP5163007B2 (ja) * 2007-08-15 2013-03-13 ソニー株式会社 ズームレンズ及び撮像装置
JP5510876B2 (ja) * 2008-08-12 2014-06-04 株式会社ニコン ズームレンズ、及び、このズームレンズを備えた光学機器
JP5617172B2 (ja) * 2009-02-26 2014-11-05 株式会社ニコン 変倍光学系、光学機器
JP5605675B2 (ja) * 2009-02-26 2014-10-15 株式会社ニコン 変倍光学系、光学機器
US9625733B2 (en) 2011-04-06 2017-04-18 Nikon Corporation Zoom optical system comprising diffractive optical element and imaging device having the same
JP6057669B2 (ja) * 2012-10-31 2017-01-11 キヤノン株式会社 ズームレンズ及びそれを有する光学機器
JP6987717B2 (ja) * 2018-08-21 2022-01-05 富士フイルム株式会社 ズームレンズ及び撮像装置
CN109884774B (zh) * 2019-04-22 2023-07-25 中科院南京天文仪器有限公司 一种高分辨率大视场超低畸变光学系统
CN115166956B (zh) * 2022-07-05 2023-08-01 福建优恩立光电科技有限公司 一种用于机器视觉成像的变焦工业镜头

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9069157B2 (en) 2010-12-16 2015-06-30 Fujifilm Corporation Projection zoom lens and projection apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000227551A (ja) 2000-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4273556B2 (ja) レンズ光学系
US6704149B2 (en) Lens optical system
JP2001124989A (ja) ズームレンズ
JP2001324677A (ja) ズームレンズ
JP2013044964A (ja) ズームレンズ
JP5202025B2 (ja) 撮像光学系及びそれを有する撮像装置
JP4774710B2 (ja) ズームレンズ
US20020089761A1 (en) Zoom lens system
JPH11119100A (ja) ズームレンズ
JP3505980B2 (ja) 撮像装置
JPH10282416A (ja) ズームレンズ
JP5013663B2 (ja) フロントコンバータレンズ
JP4806943B2 (ja) ズームレンズ
JP3858443B2 (ja) レンズ光学系
JP2002107627A (ja) 投射ズームレンズ
JP2000221402A (ja) レンズ光学系
JP4585796B2 (ja) ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
JP2000221403A (ja) レンズ光学系
JPH10333037A (ja) ズームレンズ
US7295387B1 (en) Lens optical system
JP4670300B2 (ja) ズームレンズ
JP2000221397A (ja) レンズ光学系
JP2000275524A (ja) ズームレンズ
JP3569473B2 (ja) ズームレンズ系
JPH10333039A (ja) ズームレンズ

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20050615

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050622

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050921

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20080208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090210

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090223

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120313

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees