JP4273064B2 - 多層分析要素 - Google Patents
多層分析要素 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4273064B2 JP4273064B2 JP2004277142A JP2004277142A JP4273064B2 JP 4273064 B2 JP4273064 B2 JP 4273064B2 JP 2004277142 A JP2004277142 A JP 2004277142A JP 2004277142 A JP2004277142 A JP 2004277142A JP 4273064 B2 JP4273064 B2 JP 4273064B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- organic polymer
- granular structure
- water
- reagent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
さらに好ましくは、粒状構造物展開層は、水不透過性で、水に膨潤せず、かつ非自己粘着性の有機ポリマーから成る平均粒径1μm〜200μmの有機ポリマー粒子を、有機ポリマー接着剤によって接着することによって形成され、かつ連続空隙を有するように構成されているものである。
本発明の液体試料分析用多層分析要素は、水不透過性光透過性平面支持体の片面上に、少なくとも1つの機能層と少なくとも1つの粒状構造物展開層がこの順に積層一体化されたものであり、該粒状構造物展開層が25gの連続荷重表面擦り繰り返し試験において20回以下では破壊しないことを特徴とする。
試薬層は水性液体中の被検成分と反応して光学的に検出可能な変化を生じる試薬組成物の少なくとも一部が親水性ポリマーバインダー中に実質的に一様に分散されている吸水性で水浸透性の層である。この試薬層には指示薬層、発色層なども含まれる。
例えば、アンモニア(被験物質がアンモニア又はアンモニア生成物質である場合)を分析する場合には、呈色性アンモニア指示薬として、ロイコシアニン染料、ニトロ置換ロイコ染料およびロイコフタレイン染料のようなロイコ染料(米国再発行特許第30267号明細書または特公昭58−19062号公報記載):ブロムフェノールブルー、ブロムクレゾールグリーン、ブロムチモールブルー、キノリンブルーおよびロゾール酸のようなpH指示薬(共立出版(株)、化学大辞典、第10巻63〜65頁参照):トリアリールメタン系染料前駆体: ロイコベンジリデン色素(特開昭55−379号および特開昭56−145273号各公報に記載):ジアゾニウム塩とアゾ染料カプラー:塩基漂白可能染料等を用いることができる。バインダーの重量に対する呈色性アンモニア指示薬の配合量は約1〜20重量%の範囲内であることが好ましい。
前記試薬層の上に必要に応じて光遮蔽層を設けることができる。光遮蔽層は、光吸収性または光反射性(これらを合わせて光遮蔽性という。)を有する微粒子が少量の被膜形成能を有する親水性ポリマーバインダーに分散保持されている水透過性または水浸透性の層である。光遮蔽層は試薬層にて発生した検出可能な変化(色変化、発色等)を光透過性を有する支持体側から反射測光する際に、後述する展開層に点着供給された水性液体の色、特に試料が全血である場合のヘモグロビンの赤色等、を遮蔽するとともに光反射層または背景層としても機能する。
試薬層の上に、場合によっては光遮蔽層等の層を介して、展開層を接着し積層するために接着層を設けてもよい。
本発明の多層分析要素には、支持体と試薬層の間に吸水層を設けることができる。吸水層は水を吸収して膨潤する親水性ポリマーを主成分とする層で、吸水層の界面に到達または浸透した水性液体試料の水を吸収できる層であり、全血試料を用いる場合には水性液体成分である血漿の試薬層への浸透を促進する作用を有する。吸水層に用いられる親水性ポリマーは前述の試薬層に使用されるもののなかから選択することができる。吸水層には一般的にはゼラチンまたはゼラチン誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、特に前述のゼラチン又は脱イオンゼラチンが好ましく、試薬層と同じ前述のゼラチンが最も好ましい。吸水層の乾燥時の厚さは約3μmから約100μm、好ましくは約5μmから約30μmの範囲、被覆量では約3g/m2から約100g/m2、好ましくは約5g/m2から約30g/m2の範囲である。吸水層には後述するpH緩衝剤、公知の塩基性ポリマー等を含有させて使用時(分析操作実施時)のpHを調節することができる。さらに吸水層には公知の媒染剤、ポリマー媒染剤等を含有させることができる。
検出層は、一般に、被検成分の存在下で生成した色素等が拡散し、光透過性支持体を通して光学的に検出され得る層で、親水性ポリマーにより構成することができる。媒染剤、例えばアニオン性色素に対してカチオン性ポリマーを、含んでもよい。吸水層は、一般に、被検成分の存在下で生成する色素が実質的に拡散しないような層を言い、この点で検出層とは区別される。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
(1)粒状構造物展開層を有する多層分析要素の作製方法
ゼラチン下塗りされている180μmのポリエチレンテレフタレ−ト無色透明平滑フィルムに下記組成の水溶液を、下記の被覆量になるように塗布、乾燥し、吸水層とした。
アクリルアミド-N-ビニルピロリドン-メタクリルアルコール共重合体(48.3g/m2)
ポリオキシ(2-ヒドロキシ)プロピレンノニルフェニルエーテル(1.5g/m2)
グリセリン(4.6g/m2)
<粒状構造物展開層>
ポリメタクリル酸メチル粒子(平均粒径38μm)(197g/m2)
ポリビニルピロリドンK90(分子量100万)(3.6g/m2)
ポリオキシ(2−ヒドロキシ)プロピレンノニルフェニルエーテル(2.2g/m2)
グリセリン(0.7g/m2)
上記実施例1で作製した多層分析要素1の比較例として、同様な粒状構造物展開層を有するビトロスドライLDH及びビトロスドライγ−GT(オーソ・クリニカル・ダイアグノスティック社)を比較例1及び2として準備した。
実施例1及び比較例1及び2の各粒状構造物展開層を荷重変動型摩擦磨耗試験システムHHS2000(新東化学社製)に設置し、1〜25gの連続荷重表面擦り繰り返し試験を実施した。実施に当たってはサファイヤ製の直径1mmのボールを引掻芯に用い、2mm/秒の速度で10mm引掻く際に1g〜25gの加重を段階的に掛けたとき、25gの荷重の場合に粒状構造物展開層の破壊が始まった回数を測定した。結果を以下の表1に示す。
(1)粒状構造物を展開層に用いたアルブミン分析用分析要素の作製
ゼラチン下塗りされている180μmのポリエチレンテレフタレ−ト無色透明平滑フィルムに下記組成の水溶液(pH=2.8)を、下記の被覆量になるように塗布、乾燥し試薬層とした。
DL-リンゴ酸(4.8g/m2)
ブロモクレゾールグリーン(0.7g/m2)
グリセリン(4.8g/m2)
ポリオキシ(2-ヒドロキシ)プロピレンノニルフェニルエーテル(1.5g/m2)
ポリメタクリル酸メチル粒子(平均粒径38μm)(197g/m2)
ポリビニルピロリドンK90(3.6g/m2)
ポリオキシ(2−ヒドロキシ)プロピレンノニルフェニルエーテル(2.2g/m2)
グリセリン(0.7g/m2)
上記の多層分析要素を12mm×13mm四方のチップに裁断し、スライド枠(特開昭57-63452号公報に記載)に収めて、アルブミン分析用スライド1を作製した。
試薬層までは(1)粒状構造物を展開層に用いたアルブミン分析用分析要素の作製と同様に作製し、試薬層上に約30g/m2の供給量で水-エタノール(1:1)混合液を全面に供給して湿潤させた後50デニール相当のポリエチレンテレフタレート紡績糸を36ゲージ編みしたトリコット編物布地(以下編物布地とする)を軽く圧力をかけて積層し、乾燥させて、接着させた。
ポリビニルピロリドン(6.6g/m2)
DL−リンゴ酸(6.6g/m2)
ポリオキシエチレン(7)オレイルエーテル(3.3g/m2)
上記アルブミン分析用スライド1及び2に水及びアルブミン濃度が6.0g/dlである管理血清を各々10μL点着した。この後、各スライドを37℃でインキュベーションし、支持体側から625nmの反射光学濃度を測定し、点着後3分後の反射光学濃度を求め、感度(6.0g/dlである管理血清を点着した時の反射光学濃度と水を点着した時の反射光学濃度の差(dODr(6.0g/dl-0g/dl)))を比較した。また、アルブミン濃度が3.9、6.0g/dlの管理血清10μLを10回点着した時の精度(標準偏差<SD> g/dl)を比較した。表2に感度比較結果、表3に精度比較結果を示す。
Claims (3)
- 水不透過性光透過性平面支持体の片面上に、少なくとも1つの機能層と少なくとも1つの粒状構造物展開層がこの順に積層一体化された液体試料分析用多層分析材料において、粒状構造物展開層が、有機ポリマー粒子と有機ポリマー接着剤から構成され、有機ポリマー粒子がポリメタクリル酸メチル又はポリスチレンであり、有機ポリマー接着剤がポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ゼラチン、ポリビニルアルコール、又はヒドロキシプロピルセルロースであり、該粒状構造物展開層が25gの連続荷重表面擦り繰り返し試験において20回以下では破壊しないことを特徴とする液体試料分析用多層分析要素。
- 有機ポリマー粒子がポリメタクリル酸メチルであり、有機ポリマー接着剤がポリビニルピロリドンである、請求項1に記載の液体試料分析用多層分析要素。
- 粒状構造物展開層が、水不透過性で、水に膨潤せず、かつ非自己粘着性の有機ポリマーから成る平均粒径1μm〜200μmの有機ポリマー粒子を、有機ポリマー接着剤によって接着することによって形成され、かつ連続空隙を有するように構成されているものである、請求項1又は2に記載の液体試料分析用多層分析要素。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004277142A JP4273064B2 (ja) | 2004-09-24 | 2004-09-24 | 多層分析要素 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004277142A JP4273064B2 (ja) | 2004-09-24 | 2004-09-24 | 多層分析要素 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006090860A JP2006090860A (ja) | 2006-04-06 |
JP4273064B2 true JP4273064B2 (ja) | 2009-06-03 |
Family
ID=36231991
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004277142A Expired - Fee Related JP4273064B2 (ja) | 2004-09-24 | 2004-09-24 | 多層分析要素 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4273064B2 (ja) |
-
2004
- 2004-09-24 JP JP2004277142A patent/JP4273064B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006090860A (ja) | 2006-04-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2552199B2 (ja) | アンモニア又はアンモニア生成物質定量用一体型多層分析要素 | |
JPH0664056B2 (ja) | アンモニア生成物質定量用一体型多層分析要素 | |
JP4465291B2 (ja) | 多層分析要素及びその製造方法 | |
JP4842828B2 (ja) | 多層分析要素の製造方法 | |
KR101086787B1 (ko) | 다층 분석 소자 | |
US20050186109A1 (en) | Multilayer analysis element | |
JPWO2006035874A1 (ja) | 多層分析要素 | |
JP4273065B2 (ja) | 多層分析要素 | |
JP4273064B2 (ja) | 多層分析要素 | |
JP4745975B2 (ja) | 多層分析要素 | |
JP4361502B2 (ja) | 多層分析要素 | |
JP2005265838A (ja) | 多層分析要素(多孔質膜の強度) | |
JP2006090862A (ja) | 多層分析要素 | |
JP2006090859A (ja) | 多層分析要素 | |
JP2006266704A (ja) | 多層分析要素及びその製造方法 | |
JP2006208063A (ja) | 多層分析要素の製造方法 | |
JP2006098102A (ja) | 多層分析要素 | |
JP2005265839A (ja) | 多層分析要素 | |
JP2731982B2 (ja) | 一体型多層分析要素 | |
JP2006308419A (ja) | マイクロチップ及びそれを用いた分析方法 | |
JP3770544B2 (ja) | グロブリンの影響を回避した乾式分析要素 | |
JPH0743359A (ja) | アンモニア又はアンモニア生成基質分析用一体型多層分析素子 | |
JPH04157364A (ja) | アンモニア又はアンモニア生成物質定量用一体型多層分析要素 | |
US20050186110A1 (en) | Multilayer analysis element | |
JPH08166384A (ja) | 全血試料分析用乾式分析素子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20061213 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070216 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081125 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090123 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090217 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090302 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130306 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130306 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140306 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |