JP4272510B2 - ポリアルキレングリコールを含むカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物、その使用、およびその製造方法 - Google Patents

ポリアルキレングリコールを含むカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物、その使用、およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、薬剤−オリゴマー抱合体、および、より詳細には、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体に関する。
カルシトニンは、半減期の短い天然型ホルモンであり、(細胞表面上のカルシトニンに対するレセプターを介して)破骨細胞に直接的に作用すると考えられている。この作用は、破骨細胞による骨吸収を直接的に阻害することができ、これは低カルシウム血性および/または低リン酸血性血清作用をもたらすことができる。カルシトニンは、骨粗鬆症およびぺージェット病を含むがそれらに限定されない様々な骨疾患を治療する際に有用な可能性がある。
骨粗鬆症は、骨組織は正常に無機質化しているが、骨量が減少していて骨梁の構造的完全性が損なわれている骨の疾患である。皮質骨はますます多孔性に、そしてより薄くなる。これは、骨を弱くさせて骨折の可能性を高める。米合衆国では、閉経後女性の約21%が骨粗鬆症(低骨密度)を有し、そして約16%が骨折を経験している。80歳を超える女性では、約40%は股関節、脊椎、腕または骨盤の骨折を経験している。高齢の男性および女性の集団は増え続けているので、このため骨粗鬆症を有する人の数は増加し続けている。
カルシトニンを皮下注射として投与すると骨密度における有意な改善が生じることが証明されている。しかしながら、注射部位疼痛、潮紅および悪心を含む高い副作用発生率が報告されており、これらはこの薬剤の使用を制限する可能性がある。
骨のぺージェット病は、原因不明の代謝性骨疾患であり、通常は高齢者が罹患する。この疾患は骨の不規則な形成の増加を引き起こすが、それは身体内の古い骨を溶解させて新しい骨と取り替える役目を担っている骨細胞が制御不能となるからである。長期間にわたって変形した新しい骨は、より大きくかつ弱くなり、そして正常な骨より多数の血管を有する。正常な骨とは相違して、この構造は不規則であり、その結果として弱くなるので、これは軽傷を被った場合でさえ骨折し易くさせる。
その極めて軽度の形態では、この疾患は症状を示さない。より重度の症例では、疼痛が強度になることがある。この疾患の過酷な進行は骨の曲がりを引き起こし、頭蓋骨のサイズが大きくなり、脊椎は湾曲することがある。骨が大きくなるにつれて、骨はすぐ側の神経への圧力を引き起こし、筋衰弱を生じさせる可能性がある。重度の頭蓋骨拡大の症例では、この圧力は難聴、視力疾患、めまい、耳鳴を生じさせることがある。
カルシトニンは、ぺージェット病のような骨格リモデリング増加の疾患を治療することに有効な可能性がある。ぺージェット病を治療する際に、カルシトニンの連用は症状の長期的減少をもたらす。しかしながら、カルシトニン投与の副作用には、悪心、手の腫脹、蕁麻疹、および腸痙攣が含まれることがある。
様々な参考文献は、カルシトニンのようなポリペプチドとポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコール含有ポリマーの多分散混合物とをコンジュゲートすることを提案している。例えば、Ekwuribeへ付与された米国特許第5,359,030号は、カルシトニンのようなポリペプチドとポリエチレングリコール修飾糖脂質ポリマーの多分散混合物およびポリエチレングリコール修飾脂肪酸ポリマーの多分散混合物とをコンジュゲートすることを提案している。各組み合わせの結果として生じたポリマーの数平均分子量は、約500〜約10,000ダルトンの範囲内にあるのが好ましい。
Ekwuribeに記載されたポリマー混合物と抱合体の多分散性は、おそらくポリマー合成において多分散ポリエチレングリコールを使用した結果であると思われる。PEGは、典型的には酸化エチレンの塩基触媒による開環重合によって生成される。この反応は、触媒として水酸化カリウムを用いて、エチレングリコールへ酸化エチレンを添加することによって開始される。このプロセスは、所定の分子量範囲内の数平均分子量を有するポリエチレングリコールポリマーの多分散混合物を生じさせる。例えば、ウィスコンシン州ミルウォーキー所在のシグマ・アルドリッチ(Sigma−Aldrich)社によって販売されるPEG製品は、PEG 400(Mn 380〜420);PEG 1,000(Mn 950〜1,050);PEG 1,500(Mn 1,400〜1,600);およびPEG 2,000(Mn 1,900〜2,200)のような多分散混合物で提供されている。
望ましいのは、オリゴマーがポリエチレングリコールを含むカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の非多分散混合物を提供することである。
思いがけずに、本発明の実施形態によるポリエチレングリコールを含むカルシトニン−オリゴマー抱合体の混合物は、血清中カルシウム濃度を10%、15%または20%以上さえ低下させることができることが発見された。さらに、本発明の実施形態によるポリエチレングリコールを含むカルシトニン−オリゴマー抱合体の混合物は、コンジュゲートされていない(non-conjugated)カルシトニンより腸消化のインビトロモデルを生き残ることに有効な可能性がある。さらにその上、本発明の実施形態によるポリエチレングリコールを含むカルシトニン−オリゴマー抱合体の混合物は、コンジュゲートされていないカルシトニンより高いバイオアベイラビリティを示す可能性がある。
本発明の実施形態によると、ポリエチレングリコール部分を含むオリゴマーに結合されたカルシトニン薬剤を各々が含む抱合体の実質的に単分散の混合物が提供される。ポリエチレングリコール部分は、好ましくは少なくとも2個、3個、または4個のポリエチレングリコールサブユニットを有する、そして最も好ましくは、少なくとも7個のポリエチレングリコールサブユニットを有する。オリゴマーは、好ましくは親油性部分をさらに含む。カルシトニン薬剤は、好ましくはサケカルシトニンである。オリゴマーは、好ましくはサケカルシトニンのLys11およびLys18で結合されている。抱合体は、好ましくは抱合体が水溶性で生体膜に浸透できるように、両親媒性で平衡状態にある。
本発明の実施形態によると、各抱合体が、少なくとも7個のポリエチレングリコールサブユニットを有するメチル末端ポリエチレングリコール部分へカルボン酸部分に遠位で共有結合されたオクタン酸を含む第1オリゴマーのカルボン酸部分へサケカルシトニンのLys11で共有結合され、そして少なくとも7個のポリエチレングリコールサブユニットを有するメチル末端ポリエチレングリコール部分へカルボン酸部分の遠位で共有結合されたオクタン酸を含む第2オリゴマーのカルボン酸部分へサケカルシトニンのLys18で共有結合されたサケカルシトニンを含む、抱合体の実質的に単分散の混合物が提供される。
本発明のさらにまた別の実施形態によると、各抱合体が、ポリエチレングリコール部分を含むオリゴマーに結合されたカルシトニン薬剤を含む抱合体の実質的に単分散の混合物が提供され、そしてこの混合物は被験体における血清中カルシウム濃度を少なくとも5%低下させることができる。
本発明のさらに別の実施形態によると、各抱合体が、ポリエチレングリコール部分を含むオリゴマーに結合されたカルシトニン薬剤を含む抱合体の実質的に単分散の混合物が提供され、そしてこの混合物はオリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤のキモトリプシンおよび/またはトリプシンによる分解への抵抗性に比較して、キモトリプシンおよび/またはトリプシンによる分解に対する高い抵抗性を有している。
本発明のさらにまた別の実施形態によると、各抱合体が、ポリエチレングリコール部分を含むオリゴマーに結合されたカルシトニン薬剤を含む抱合体の実質的に単分散の混合物が提供され、そしてこの混合物はオリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤の生体有効性より高い生体有効性を有している。
本発明のさらになお別の実施形態によると、各抱合体が、ポリエチレングリコール部分を含むオリゴマーに結合されたカルシトニン薬剤を含む抱合体の混合物が提供され、そしてこの混合物は約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有している。
本発明のさらになお別の実施形態によると、各抱合体が、ポリエチレングリコール部分を含むオリゴマーに結合されたカルシトニン薬剤を含む抱合体の混合物が提供され、そしてこの混合物は下記の約10,000より大きい分散係数(DC)を有する。
Figure 0004272510
式中:
nは、サンプル中の様々な分子の数であり、
iは、該サンプル中のi番目の分子の数であり、
iは、i番目の分子の質量である。
本発明の他の実施形態によると、各抱合体がオリゴマーに結合されたカルシトニン薬剤を含む、そして同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有する抱合体の混合物が提供される。
本発明のさらに別の実施形態によると、各抱合体が同一の分子量および次の式を有する抱合体の混合物が提供される。
Figure 0004272510
式中:
Bは、結合部分であり、
Lは連結基であり、
G、G’およびG”は独立して選択されたスペーサー基であり、
Rは親油性基そしてR’はポリアルキレングリコール基である、またはR’は親油性基そしてRはポリアルキレンオキサイド基であり、
Tは末端基であり、
j、k、mおよびnは独立して0または1であり、
pは、1からカルシトニン薬剤上の求核性残基数までの整数である。
本発明の抱合体混合物を含む医薬組成物ならびに有効量のそのような医薬組成物を投与することにより、そのような治療を必要とする被験体において骨粗鬆症を治療する方法もまた提供される。さらに、そのような抱合体混合物を合成する方法が提供される。
本発明の実施形態によるカルシトニン−オリゴマー抱合体混合物は、血清中カルシウム濃度を20%以上低下させる可能性がある。さらにその上、そのような抱合体は、コンジュゲートされていないカルシトニンと比較して、腸酵素による分解の低下を提供する、および/またはバイオアベイラビリティの上昇を提供する可能性がある。
ここで、本明細書に記載した好ましい実施形態を参照して本発明を説明する。しかしながら、これらの実施形態は本発明を例示するためであり、請求の範囲によって規定された本発明の範囲を限定すると解釈すべきではないことが理解されなければならない。
本明細書で使用する用語「非多分散」は、Ekwuribeへの米国特許第5,359,030号に記載された多分散混合物とは対照的な分散度を有する化合物の混合物を記載するために使用される。
本明細書で使用する用語「実質的に単分散」は、混合物中の化合物の少なくとも約95%が同一の分子量を有する化合物の混合物を記載するために使用される。
本明細書で使用する用語「単分散」は、混合物中の化合物の約100%が同一の分子量を有する化合物の混合物を記載するために使用される。
本明細書で使用する用語「実質的に純粋な単分散」は、混合物中の化合物の少なくとも約95%が同一の分子量を有し、そして同一の分子構造を有する化合物の混合物を記載するために使用される。したがって、実質的に純粋な単分散混合物は実質的に単分散混合物であるが、実質的に単分散混合物は必ずしも実質的に純粋な単分散混合物ではない。
本明細書で使用する用語「純粋な単分散」は、混合物中の化合物の約100%が同一の分子量を有し、そして同一の分子構造を有する化合物の混合物を説明するために使用される。したがって、純粋な単分散混合物は単分散混合物であるが、単分散混合物は必ずしも純粋な単分散混合物ではない。
本明細書で使用する用語「重量平均分子量」は、混合物中の所定の分子に対する重量フラクションに混合物中の各分子に対する分子の質量を掛けた積の合計と規定されている。「重量平均分子量」は、記号Mwによって表される。
本明細書で使用する用語「数平均分子量」は、混合物の総重量を混合物中の分子数で割ったものと規定されており、記号Mnによって表される。
本明細書で使用する用語「分散係数」(DC)は次の式によって規定される。
Figure 0004272510
式中:
nは、サンプル中の様々な分子の数であり、
iは、サンプル中のi番目の分子の数であり、
iは、i番目の分子の質量である。
本明細書で使用する用語「被験体内変動」は、被験体に同一量の所定の薬剤または医薬製剤を異なる時間に投与したときに同一被験体内で発生する活性における変動を意味する。
本明細書で使用する用語「被験体間変動」は、各被験体に同一量の所定の薬剤または医薬製剤を投与したときに2人または3人以上の被験体間の活性における変動を意味する。
本明細書で使用する用語「生体有効性」は、薬剤または薬剤抱合体がインビボで1以上の所望のレセプターと相互作用する能力を意味する。
本明細書で使用する用語「カルシトニン薬剤」は、カルシトニンの生物学的活性の全部または一部を有する薬剤を意味する。
本明細書で使用する用語「カルシトニン」は、天然、合成、または遺伝子工学由来により提供されたニワトリカルシトニン、ウナギカルシトニン、ヒトカルシトニン、ブタカルシトニン、ラットカルシトニンまたはサケカルシトニンを意味する。
本明細書で使用する用語「カルシトニン類似体」は、カルシトニンの活性の一部または全部を保持しながら1以上のアミノ酸が置換されているカルシトニンを意味する。類似体は、上付き文字としての置換の位置とその後に続くカルシトニンの説明を用いて置換アミノ酸を注記することによって記載される。例えば、「Pro2カルシトニン、ヒト」は、典型的にはヒトカルシトニン分子の第2位で見いだされるグリシンがプロリンと置換されていることを意味する。
カルシトニン類似体は、当業者には理解されるように、様々な手段によって入手できる。例えば、一定のアミノ酸は、例えば抗体の抗原結合領域または基質分子上の結合部位のような構造との相互結合能力の感知できる消失を伴わずに、カルシトニン構造内の他のアミノ酸と置換することができる。カルシトニンの相互作用能力および性質がその生物学的機能能力を規定するので、アミノ酸配列において一定のアミノ酸配列置換を行うことができるが、それでもなお同様の特性を備えるポリペプチドが残る。
そのような置換を行う際には、アミノ酸のハイドロパシー指標を考慮に入れることができる。ポリペプチドに相互作用的生物学的機能を付与する際のアミノ酸のハイドロパシー指標の重要性は、一般に当分野で理解されている。アミノ酸の相対疎水親水性の特性は結果として生じたポリペプチドの第2構造に寄与し、これが順にポリペプチドと、例えば酵素、基質、レセプター、DNA、抗体、抗原等のような他の分子との相互作用を規定することは容認されている。各アミノ酸には、その疎水性および荷電特性に基づいて、次のようにハイドロパシー指標が指定されている。イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(−0.4);トレオニン(−0.7);セリン(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタミン酸塩(−3.5);グルタミン(−3.5);アスパラギン酸塩(−3.5);アスパラギン(−3.5);リシン(−3.9);およびアルギニン(−4.5)。当業者には理解されるように、一定のアミノ酸は類似のハイドロパシー指標またはスコアを有する他のアミノ酸と置換することができ、それでもまだ類似の生物学的活性を備えるポリペプチドを生じさせる、すなわちまだ生物学的機能が等価のポリペプチドを入手することができる。そのような変更を加える際に、そのハイドロパシー指標が相互の±2以内であるアミノ酸置換が好ましく、そのハイドロパシー指標が相互の±1以内であるアミノ酸置換が特に好ましく、そしてそのハイドロパシー指標が相互の±0.5以内であるアミノ酸置換がさらにいっそう特に好ましい。
さらにまた、当分野では同様のアミノ酸の置換は親水性に基づいて効果的に行うことができることも理解されている。米国特許第4,554,101号は、その隣接アミノ酸の親水性によって支配されるようなタンパク質の最大局所平均親水性がそのタンパク質の生物学的特性と相関することを提供している。米国特許第4,554,101号に詳述されているように、次の親水性値がアミノ酸残基に指定されている。アルギニン(+3.0);リシン(±3.0);アスパラギン酸塩(+3.0±1);グルタミン酸塩(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);トレオニン(−0.4);プロリン(−0.5±1);アラニン(−0.5);ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン(−1.8);イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5);トリプトファン(−3.4)。当業者には理解されるように、アミノ酸は類似の親水性値を有する他の置換と置換することができ、さらに生物学的に等価の、そして特に免疫学的に等価のポリペプチドを入手することができる。そのような変更では、その親水性値が相互の±2以内であるアミノ酸置換が好ましく、その親水性値が相互の±1以内であるアミノ酸置換が特に好ましく、そしてその親水性値が相互の±0.5以内であるアミノ酸置換がさらにいっそう特に好ましい。
上記で概要を説明したように、このためアミノ酸置換は一般的に、例えばそれらの疎水性、親水性、電荷、サイズ等のようなアミノ酸側鎖置換基の相対類似性に基づく。様々な上記の特徴を考慮に入れた代表的置換(すなわち、ポリペプチドの生物学的活性を有意に変化させることなく置換することができるアミノ酸)は、当業者にはよく知られており、例えば、アルギニンおよびリシン;グルタミン酸塩およびアスパラギン酸塩;セリンおよびトレオニン;グルタミンおよびアスパラギン;ならびにバリン、ロイシンおよびイソロイシンが含まれる。
本明細書で使用する用語「カルシトニンフラグメント」は、カルシトニンの活性の一部または全部を保持している、カルシトニン中で見いだされるアミノ酸配列の1セグメントを意味する。
本明細書で使用する用語「カルシトニンフラグメント類似体」は、カルシトニンの活性の一部または全部を保持しながらセグメント内の1以上のアミノ酸が置換されている、カルシトニン分子中で見いだされるアミノ酸配列の1セグメントを意味する。
本明細書で使用する用語「PEG」は、直鎖または分枝鎖ポリエチレングリコールポリマーを意味しており、そしてポリエチレングリコールのモノメチルエーテル(mPEG)を含む。用語「PEGサブユニット」およびポリエチレングリコールサブユニットは、単一ポリエチレングリコールユニット、すなわち−(CH2CH2O)−を意味する。
本明細書で使用する用語「親油性」は、脂質中に溶解する能力、および/または生体膜に浸透する、生体膜と相互作用する、および/または生体膜を横断する能力を意味しており、そして用語「親油性部分」または「親油性」は、親油性である、および/または他の化学物質に付着したときにそのような化学物質の親油性を増加させる部分を意味する。親油性部分の例には、アルキル、脂肪酸、脂肪酸のエステル、コレステリル、アダマンチル等が含まれるが、それらに限定されない。
本明細書で使用する用語「低級アルキル」は、1個〜5個の炭素原子を有する置換または非置換アルキル部分を意味する。
本明細書で使用する用語「高級アルキル」は、6個以上の炭素原子を有する置換または非置換アルキル部分を意味する。
本発明の実施形態では、実質的に単分散のカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体混合物が提供される。単分散混合物中の各カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体には、ポリエチレングリコール部分を含むオリゴマーに結合されたカルシトニン薬剤が含まれる。好ましくは、混合物中の抱合体の少なくとも約96%、97%、98%もしくは99%が同一の分子量を有する。より好ましくは、混合物は単分散混合物である。いっそうより好ましくは、混合物は実質的に純粋な単分散混合物である。さらにより好ましくは、混合物中の抱合体の少なくとも約96%、97%、98%もしくは99%が同一の分子量を有し、そして同一分子構造を有する。より好ましくは、混合物は純粋な単分散混合物である。
カルシトニン薬剤は、好ましくはカルシトニンである。より好ましくは、カルシトニン薬剤はサケカルシトニンである。しかしながら、カルシトニン薬剤は、例えばカルシトニン前駆体ペプチド、カルシトニン、カルシトニン類似体、カルシトニンフラグメント、およびカルシトニンフラグメント類似体を含む当業者に知られている様々なカルシトニン薬剤から選択できることが理解されなければならない。カルシトニン前駆体ペプチドには、カタカルシン(PDN−21)(C−プロカルシトニン)、およびN−プロCT(アミノ末端プロカルシトニン開裂ペプチド)、ヒトが含まれるがそれらに限定されない。カルシトニン類似体は、上記のようにカルシトニン中の1以上のアミノ酸の置換によって提供することができる。カルシトニンフラグメントには、カルシトニン1−7、ヒト;およびカルシトニン8−32、サケが含まれるがそれらに限定されない。カルシトニンフラグメント類似体は、上記のようにカルシトニンフラグメント中の1以上のアミノ酸の置換によって提供することができる。
オリゴマーは、当業者には理解されるように、ポリエチレングリコール部分を含む様々なオリゴマーであってよい。好ましくは、オリゴマーのポリエチレングリコール部分は少なくとも2個、3個または4個のポリエチレングリコールサブユニットを有する。より好ましくは、ポリエチレングリコール部分は、少なくとも5個または6個のポリエチレングリコールサブユニットを有する、そして最も好ましくは、ポリエチレングリコール部分は少なくとも7個のポリエチレングリコールサブユニットを有する。
オリゴマーは、当業者には理解されるように、追加の親水性部分、親油性部分、スペーサー部分、リンカー部分、および末端部分を含むがそれらに限定されない1以上の部分を含んでいてよい。オリゴマー内の様々な部分は、加水分解可能な結合または加水分解可能でない結合のどちらかによって相互に共有結合されている。
オリゴマーは、糖類、ポリアルキレンオキサイド類、およびポリアミン/PEGコポリマー類を含むがそれらに限定されない1以上の追加の親水性部分(すなわち、ポリエチレングリコール部分に追加される部分)をさらに含んでいてよい。ポリエチレングリコールがポリアルキレンオキサイドであるとき、追加の親水性部分はポリエチレングリコール部分であってよい。隣接ポリエチレングリコール部分は、それらがエーテル結合によって結合されている場合は同一部分と見なされるであろう。例えば、次の部分
Figure 0004272510
は、6つのポリエチレングリコールサブユニットを有する単一ポリエチレングリコール部分である。この部分がオリゴマー内の唯一の親水性部分である場合は、オリゴマーは追加の親水性部分を含んでいないであろう。隣接ポリエチレングリコール部分は、それらがエーテル結合以外の結合によって結合されている場合は異なる部分と見なされるであろう。例えば、部分
Figure 0004272510
は、4つのポリエチレングリコールサブユニットを有するポリエチレングリコール部分および2つのポリエチレングリコールサブユニットを有する追加の親水性部分である。好ましくは、本発明の実施形態によるオリゴマーはポリエチレングリコール部分を含むが、追加の親水性部分を含んでいない。
オリゴマーは、当業者には理解されるように、1以上の親油性部分をさらに含んでいてよい。親油性部分は、好ましくは飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分枝鎖アルキル部分である、または飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分枝鎖脂肪酸部分である。親油性部分がアルキル部分である場合は、それは1〜28個の炭素原子を有する直鎖、飽和もしくは不飽和アルキル部分であるのが好ましい。より好ましくは、アルキル部分は2〜12個の炭素原子を有する。親油性部分が脂肪酸部分である場合は、それは好ましくは2〜18個の炭素原子を有する直鎖、飽和もしくは不飽和である天然脂肪酸部分である。より好ましくは、脂肪酸部分は3〜14個の炭素原子を有する。最も好ましくは、脂肪酸部分は少なくとも4個、5個または6個の炭素原子を有する。
オリゴマーは、当業者には理解されるように、1以上のスペーサー部分をさらに含んでいてよい。スペーサー部分は、例えば、親油性部分から親水性部分を分離するため、カルシトニン薬剤から親油性部分もしくは親水性部分を分離するため、第2親水性部分もしくは親油性部分から第1親水性部分もしくは親油性部分を分離するため、またはリンカー部分から親水性部分もしくは親油性部分を分離するために使用できる。スペーサー部分は、好ましくは糖、コレステロールおよびグリセリン部分からなる群から選択される。
オリゴマーは、当業者には理解されるように、オリゴマーをカルシトニン薬剤と結合させるために使用される1以上のリンカー部分をさらに含んでいてよい。リンカー部分は、好ましくはアルキルおよび脂肪酸部分からなる群から選択される。
オリゴマーは、カルシトニン薬剤に結合されていないオリゴマーの1以上の端部で1以上の末端部分をさらに含んでいてよい。末端部分は、好ましくはアルキルもしくはアルコキシ部分であり、より好ましくは低級アルキルもしくは低級アルコキシ部分である。最も好ましくは、末端部分はメチルもしくはメトキシである。末端部分は、好ましくはアルキルもしくはアルコキシ部分であるが、当業者には理解されるように、末端部分は糖、コレステロール、アルコール、および脂肪酸を含むがそれらに限定されない様々な部分であってよいと理解されなければならない。
オリゴマーは、好ましくはカルシトニン薬剤に共有結合されている。一部の実施形態では、カルシトニン薬剤は加水分解可能な結合(例、エステル結合もしくはカーボネート結合)を利用してオリゴマーに結合されている。加水分解可能な結合は、プロドラッグとして作用するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体を提供することができる。例えば、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体が不活性である(すなわち、抱合体にはカルシトニン薬剤の主要作用機序を通して身体へ作用を及ぼす能力が欠如している)ある例では、活性薬を提供するために1以上のオリゴマーがそれらの各カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体から開裂されるように所定期間にわたってカルシトニン薬剤を投与することで、加水分解可能な結合は徐放性作用もしくは制御放出性作用を提供することができる。他の実施形態では、カルシトニン薬剤は加水分解可能でない結合(例、カルバメート結合、アミド結合、もしくはエーテル結合)を利用してオリゴマーに結合されている。加水分解可能でない結合の使用は、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体が長時間、好ましくは少なくとも2時間にわたり血流中で循環させることが所望の場合には好ましいことがある。オリゴマーがカルシトニン薬剤に共有結合されている場合は、当業者には理解されるように、オリゴマーは、オリゴマーをカルシトニン薬剤と共有結合させるために使用される1以上の結合部分をさらに含んでいる。結合部分は、好ましくは共有結合、エステル部分、カーボネート部分、カルバメート部分、アミド部分および第2級アミン部分からなる群から選択される。オリゴマー上の2つ以上の部分は、カルシトニン薬剤に共有結合されていてよい。
オリゴマーは好ましくはカルシトニン薬剤に共有結合されるが、オリゴマーは、カルシトニン薬剤に非共有結合的に結合して、非共有結合的にコンジュゲートされた(conjugated)カルシトニン薬剤−オリゴマー複合体を形成してもよいことが理解されなければならない。当業者には理解されるように、非共有結合的な結合には水素結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、およびミセル封入もしくはリポソーム封入が含まれるが、それらに限定されない。本発明の実施形態によると、オリゴマーは、当業者には理解されるように、選択された方法で非共有結合的なコンジュゲートのための能力を付与するため(例、水素結合能力を付与するため)に、適切に構築、修飾および/または適切に官能化されていてもよい。本発明の他の実施形態によると、オリゴマーは、アミノ酸、オリゴペプチド、ペプチド、胆汁酸、胆汁酸誘導体、脂肪酸、脂肪酸誘導体、サリチル酸、サリチル酸誘導体、アミノサリチル酸、およびアミノサリチル酸誘導体を含むがそれらに限定されない様々な化合物を用いて誘導体化されていてもよい。結果として生じるオリゴマーは、薬剤分子、医薬生成物、および/または医薬賦形剤と非共有結合する(複合体を形成する)ことができる。結果として生じる複合体は、好ましくは平衡状態の(balanced)親油性と親水性とを有する。本発明のさらにまた別の実施形態によると、オリゴマーはアミドおよび/またはアルキルアミンを用いて誘導体化されていてもよい。適切な酸性条件下では、結果として生じるオリゴマーは、薬剤分子、医薬生成物、および/または医薬賦形剤とともに非共有結合的にコンジュゲートされた複合体を形成することができる。そのような複合体形成の結果として生じる生成物は、好ましくは平衡状態の親油性と親水性とを有する。
2つ以上のオリゴマー(すなわち、複数のオリゴマー)をカルシトニン薬剤に結合してもよい。複数あるオリゴマーは、好ましくは同一である。しかしながら、複数あるオリゴマーは相互に相違していてもよい、あるいはまた、複数あるオリゴマーの一部が同一で、一部が相違していてもよい。複数のオリゴマーがカルシトニン薬剤に結合される場合は、1以上のオリゴマーを加水分解可能な結合によりカルシトニン薬剤に結合させ、そして1以上のオリゴマーを加水分解可能でない結合によりカルシトニン薬剤に結合させるのが好ましいことがある。あるいはまた、複数のオリゴマーをカルシトニン薬剤に結合されているすべての結合が加水分解可能であってもよいが、しかし、例えば1以上のオリゴマーが本体における加水分解によってカルシトニン薬剤から迅速に除去され、そして1以上のオリゴマーが本体における加水分解によってカルシトニン薬剤から緩徐に除去されるように、様々な程度の加水分解性を有していてよい。
オリゴマーは、求核性ヒドロキシル官能基および/またはアミノ官能基を含むがそれらに限定されないカルシトニン薬剤の様々な求核性残基でカルシトニン薬剤に結合されていてもよい。カルシトニン薬剤がポリペプチドである場合は、ポリペプチドの例えばセリンおよび/またはチロシン残基で求核性ヒドロキシル官能基が見いだされ、例えばヒスチジンおよび/またはリシン残基、および/またはポリペプチドの1以上のN−末端で求核性アミノ官能基が見いだされることがある。オリゴマーがカルシトニンポリペプチドの1以上のN−末端に結合されている場合は、この結合は好ましくは第2級アミンを形成する。カルシトニン薬剤がサケカルシトニンである場合は、例えばオリゴマーはLys11、Lys18および/またはN−末端のアミノ官能基を含むサケカルシトニンのアミノ官能基に結合されていてもよい。1以上のオリゴマーがサケカルシトニンに結合されていてよいが、オリゴマーがLys11およびLys18のアミノ官能基に結合されているジコンジュゲートされたサケカルシトニンについては、例えば向上した血清中カルシウム濃度低下能力のようなより高い生体有効性が観察される。
本発明の実質的に単分散のカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体混合物は、様々な方法によって合成することができる。例えば、カルボン酸およびポリエチレングリコールからなるオリゴマーの実質的に単分散の混合物は、オリゴマーの実質的に単分散の混合物を得るのに十分な条件下で、カルボン酸の実質的に単分散の混合物をポリエチレングリコールの実質的に単分散の混合物と接触させることによって合成される。実質的に単分散の混合物のオリゴマーは、その後、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体を提供するために、それらがカルシトニン薬剤と反応することができるように活性化される。オリゴマーの実質的に単分散の混合物を提供するための合成経路の1つの実施形態は、図3に示し、下記の実施例11〜18に記載した。オリゴマーの実質的に単分散の混合物を提供するための合成経路のまた別の実施形態は、図4に示し、下記の実施例19〜24に記載した。オリゴマーの実質的に単分散の混合物を提供するための合成経路のさらにまた別の実施形態は、図5に示し、下記の実施例25〜29に記載した。オリゴマーの実質的に単分散の混合物を提供するための合成経路のさらにまた別の実施形態は、図6に示し、下記の実施例30〜31に記載した。オリゴマーの実質的に単分散の混合物を提供するための合成経路のまた別の実施形態は、図7に示し、下記の実施例32〜37に記載した。オリゴマーの実質的に単分散の混合物を提供するための合成経路のさらにまた別の実施形態は、図8に示し、下記の実施例38に記載した。オリゴマーの実質的に単分散の混合物を提供するための合成経路のさらにまた別の実施形態は、図9に示し、下記の実施例39に記載した。オリゴマーの実質的に単分散の混合物を提供するための合成経路の別の実施形態は、図10に示し、下記の実施例40に記載した。
活性化オリゴマーの実質的に単分散の混合物は、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を得るのに十分な条件下で、カルシトニン薬剤の実質的に単分散の混合物と反応させてもよい。好ましい合成については、下記の実施例41に記載した。当業者には理解されるように、反応条件(例、選択されたモル比、溶媒混合物および/またはpH)は、活性化オリゴマーの実質的に単分散の混合物とカルシトニン薬剤の実質的に単分散の混合物との反応の結果として生じるカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物が実質的に単分散の混合物であるように制御することができる。例えば、リシンのアミノ官能基でのコンジュゲートは、反応溶液のpHをリシンのpKa未満に維持することによって抑制することができる。あるいはまた、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、例えばモノ抱合体、ジ抱合体、もしくはトリ抱合体のような実質的に単分散のカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体混合物を提供するために、例えばHPLCを利用して分離および単離することができる。特定の単離された抱合体のコンジュゲートの程度(例、単離分子がモノ抱合体、ジ抱合体、またはトリ抱合体のいずれであるか)は、当業者には理解されるように、質量分析法を含むがそれに限定されない様々な方法を利用して決定および/または検証することができる。特定の抱合体の構造(例、オリゴマーがサケカルシトニンモノ抱合体のLys11、Lys18またはN−末端のいずれにあるか)は、当業者には理解されるように、配列解析、ペプチドマッピング、選択的な酵素分解、および/またはエンドペプチダーゼ開裂を含むがそれらに限定されない様々な技術を利用して決定および/または検証することができる。
当業者には理解されるように、カルシトニン薬剤上の1以上の反応部位は、例えば、カルシトニン薬剤を例えばN−tert−ブトキシカルボニル(t−BOC)、もしくはN−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)(N−FMOC)のような適切なブロッキング試薬と反応させることによってブロックすることができる。このプロセスは、例えば、カルシトニン薬剤がポリペプチドであり、ポリペプチドのN−末端でオリゴマーを有する不飽和抱合体(すなわち、全部の求核性残基がコンジュゲートされてはいない抱合体)を形成するのが所望の場合に好ましいことがある。そのようなブロッキング後、ブロックされたカルシトニン薬剤の実質的に単分散の混合物は、1以上の求核性残基に結合されたオリゴマーを有し、そして他の求核性残基に結合されたブロッキング部分を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を提供するために、活性化オリゴマーの実質的に単分散の混合物と反応させてもよい。コンジュゲーション反応後、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体は、当業者には理解されるように、脱ブロッキングすることができる。必要であれば、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、その後実質的に単分散のカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体混合物を提供するために、上記で記載したように分離することができる。あるいはまた、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、脱ブロッキングの前に分離することができる。
本発明の実施形態による実質的に単分散のカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体混合物は、好ましくは従来型の混合物の特性と比較して向上した特性を有する。例えば、実質的に単分散のカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体混合物は、好ましくは血清中カルシウム濃度を少なくとも5%低下させることができる。好ましくは、抱合体の混合物は、血清中カルシウム濃度を少なくとも10%、11%、12%、13%もしくは14%低下させることができる。より好ましくは、抱合体の混合物は、血清中カルシウム濃度を少なくとも15%、16%、17%、18%もしくは19%低下させることができ、そして最も好ましくは、抱合体の混合物は血清中カルシウム濃度を少なくとも20%低下させることができる。
別の実施例として、実質的に単分散のカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体混合物は、好ましくはオリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤のキモトリプシンおよび/またはトリプシン各々による分解に対する抵抗性と比較して、キモトリプシンおよび/またはトリプシンによる分解に対する高い抵抗性を有する。キモトリプシンまたはトリプシンに対する抵抗性は、試験される分子が下記の実施例51で略述した手法を使用して適切な酵素中で消化させられたときに残っている百分率に一致する。好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性より約10%大きい。より好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性より約15%大きい、そして最も好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性より約20%大きい。好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性より約10%大きい。より好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性より約20%大きい、そして、最も好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性より約30%大きい。
さらにまた別の実施例では、実質的に単分散のカルシトニン−オリゴマー抱合体混合物は、好ましくはオリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤の生体有効性より高い生体有効性を有する。特定化合物の生体有効性は、その曲線下面積(AUC)値に一致する。好ましくは、混合物の生体有効性は、オリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤の生体有効性より約5%高い。より好ましくは、混合物の生体有効性は、オリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤の生体有効性より約10%高い。
さらにまた別の実施例として、実質的に単分散のカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体混合物は、好ましくは実質的に単分散の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物のインビボ活性より大きいインビボ活性を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量は、例えばH.R.Allcock & F.W.Lampe,「現代高分子化学(CONTEMPORARY POLYMER CHEMISTRY)」,394−402(第2版,1991)に記載されているように、ゲル透過クロマトグラフィーのようなサイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれらに限定されない様々な方法によって測定できる。
さらにまた別の実施例として、実質的に単分散のカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体混合物は、好ましくは実質的に単分散の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物のインビトロ活性より大きいインビトロ活性を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれに限定されない様々な方法によって測定できる。
さらに別の実施例として、実質的に単分散のカルシトニン−オリゴマー抱合体混合物は、好ましくは実質的に単分散の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の単分散混合物のキモトリプシンおよび/またはトリプシンによる分解に対する抵抗性と比較して、キモトリプシンおよび/またはトリプシンによる分解に対する高い抵抗性を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれに限定されない様々な方法によって測定できる。
さらにまた別の実施例として、実質的に単分散のカルシトニン−オリゴマー抱合体混合物は、好ましくは実質的に単分散の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物の被験体間変動より低い被験体間変動を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれに限定されない様々な方法によって測定できる。被験体間変動は、当業者には理解されるように、様々な方法によって測定することができる。被験体間変動は、好ましくは次のように計算する。用量反応曲線下面積(AUC)(すなわち用量反応曲線とベースライン値との間の面積)を各被験体について決定する。全被験体についての平均AUCは、各被験体のAUCを合計し、この合計を被験体の数で割ることによって決定する。その後、被験体のAUCと平均AUCとの差の絶対値を、各被験体について決定する。入手した差の絶対値を合計して、被験体間変動を表す数値を得る。低い数値は低い被験体間変動を表し、高い数値は高い被験体間変動を表す。
本発明の実施形態による実質的に単分散のカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体混合物は、2つもしくは3つ以上の上記の向上した特性を有する。より好ましくは、本発明の実施形態による実質的に単分散のカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体混合物は、2つもしくは3つ以上の上記の向上した特性を有する。最も好ましくは、本発明の実施形態による実質的に単分散のカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体混合物は、4つもしくは5つ以上の上記の向上した特性を有する。
本発明のさらにまた別の実施形態では、約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有する抱合体の混合物が提供される。混合物中の各抱合体には、ポリエチレングリコール部分を含むオリゴマーに結合されたカルシトニン薬剤が含まれる。標準偏差は、好ましくは約14ダルトン未満であり、より好ましくは約11ダルトン未満である。分子量分布は、例えばH.R.Allcock & F.W.Lampe,「現代高分子化学(CONTEMPORARY POLYMER CHEMISTRY)」,394−402(第2版,1991)に記載されているように、ゲル透過クロマトグラフィーのようなサイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれらに限定されない当業者に知られている方法によって決定できる。分子量分布の標準偏差はその後、当業者には理解されるように、統計的方法によって決定できる。
カルシトニン薬剤は、好ましくはカルシトニンである。より好ましくは、カルシトニン薬剤はサケカルシトニンである。しかしながら、カルシトニン薬剤は、例えばカルシトニン前駆体ペプチド、カルシトニン、カルシトニン類似体、カルシトニンフラグメント、およびカルシトニンフラグメント類似体を含む当業者に知られている様々なカルシトニン薬剤から選択できることが理解されなければならない。カルシトニン前駆体ペプチドには、カタカルシン(PDN−21)(C−プロカルシトニン)、およびN−プロCT(アミノ末端プロカルシトニン開裂ペプチド)、ヒトが含まれるがそれらに限定されない。カルシトニン類似体は、上記のようにカルシトニン中の1以上のアミノ酸の置換によって提供することができる。カルシトニンフラグメントには、カルシトニン1−7、ヒト;およびカルシトニン8−32、サケが含まれるがそれらに限定されない。カルシトニンフラグメント類似体は、上記のようにカルシトニンフラグメント中の1以上のアミノ酸の置換によって提供することができる。
オリゴマーは、当業者には理解されるように、ポリエチレングリコール部分を含む様々なオリゴマーであってよい。好ましくは、オリゴマーのポリエチレングリコール部分は少なくとも2個、3個または4個のポリエチレングリコールサブユニットを有する。より好ましくは、ポリエチレングリコール部分は、少なくとも5個または6個のポリエチレングリコールサブユニットを有する、そして最も好ましくは、ポリエチレングリコール部分は少なくとも7個のポリエチレングリコールサブユニットを有する。
オリゴマーは、追加の親水性部分、親油性部分、スペーサー部分、リンカー部分、および末端部分を含むがそれらに限定されない当業者には理解されるであろう1以上の部分を含んでいてよい。オリゴマー内の様々な部分は、加水分解可能な結合または加水分解可能でない結合のどちらかによって相互に共有結合されている。
オリゴマーは、糖類、ポリアルキレンオキサイド類、およびポリアミン/PEGコポリマー類を含むがそれらに限定されない1以上の追加の親水性部分(すなわち、ポリエチレングリコール部分に追加される部分)をさらに含んでいてよい。ポリエチレングリコールがポリアルキレンオキサイドであるとき、追加の親水性部分はポリエチレングリコール部分であってよい。隣接ポリエチレングリコール部分は、それらがエーテル結合によって結合されている場合は同一部分と見なされるであろう。例えば、次の部分
Figure 0004272510
は、6つのポリエチレングリコールサブユニットを有する単一ポリエチレングリコール部分である。この部分がオリゴマー内の唯一の親水性部分である場合は、オリゴマーは追加の親水性部分を含んでいないであろう。隣接ポリエチレングリコール部分は、それらがエーテル結合以外の結合によって結合されている場合は異なる部分と見なされるであろう。例えば、次の部分
Figure 0004272510
は、4つのポリエチレングリコールサブユニットを有するポリエチレングリコール部分および2つのポリエチレングリコールサブユニットを有する追加の親水性部分である。好ましくは、本発明の実施形態によるオリゴマーはポリエチレングリコール部分を含むが、追加の親水性部分を含んでいない。
オリゴマーは、当業者には理解されるように、1以上の親油性部分をさらに含んでいてよい。親油性部分は、好ましくは飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分枝鎖アルキル部分である、または飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分枝鎖脂肪酸部分である。親油性部分がアルキル部分である場合は、それは1〜28個の炭素原子を有する直鎖、飽和もしくは不飽和アルキル部分であるのが好ましい。より好ましくは、アルキル部分は2〜12個の炭素原子を有する。親油性部分が脂肪酸部分である場合は、それは2〜18個の炭素原子を有する直鎖、飽和もしくは不飽和である天然脂肪酸部分であるのが好ましい。より好ましくは、脂肪酸部分は3〜14個の炭素原子を有する。最も好ましくは、脂肪酸部分は少なくとも4、5もしくは6個の炭素原子を有する。
オリゴマーは、当業者には理解されるように、1以上のスペーサー部分をさらに含んでいてもよい。スペーサー部分は、例えば、親油性部分から親水性部分を分離するため、カルシトニン薬剤から親油性部分もしくは親水性部分を分離するため、第2親水性部分もしくは親油性部分から第1親水性部分もしくは親油性部分を分離するため、またはリンカー部分から親水性部分もしくは親油性部分を分離するために使用できる。スペーサー部分は、好ましくは糖、コレステロールおよびグリセリン部分からなる群から選択される。
オリゴマーは、当業者には理解されるように、オリゴマーをカルシトニン薬剤と結合させるために使用される1以上のリンカー部分をさらに含んでいてよい。リンカー部分は、好ましくはアルキルおよび脂肪酸部分からなる群から選択される。
オリゴマーは、カルシトニン薬剤に結合されていないオリゴマーの1以上の端部で1以上の末端部分をさらに含んでいてよい。末端部分は、好ましくはアルキルもしくはアルコキシ部分であり、より好ましくは低級アルキルもしくは低級アルコキシ部分である。最も好ましくは、末端部分はメチルもしくはメトキシである。末端部分は、好ましくはアルキルもしくはアルコキシ部分であるが、当業者には理解されるように、末端部分は糖、コレステロール、アルコール、および脂肪酸を含むがそれらに限定されない様々な部分であってよいと理解されなければならない。
オリゴマーは、好ましくはカルシトニン薬剤に共有結合されている。一部の実施形態では、カルシトニン薬剤は加水分解可能な結合(例、エステル結合もしくはカーボネート結合)を利用してオリゴマーに結合されている。加水分解可能な結合は、プロドラッグとして作用するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体を提供することができる。例えば、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体が不活性である(すなわち、抱合体にはカルシトニン薬剤の主要作用機序を通して身体へ作用を及ぼす能力が欠如している)ある例では、活性薬を提供するために1以上のオリゴマーがそれらの各カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体から開裂されるように所定期間にわたってカルシトニン薬剤を投与することで、加水分解可能な結合は徐放性作用もしくは制御放出性作用を提供することができる。他の実施形態では、カルシトニン薬剤は加水分解可能でない結合(例、カルバメート結合、アミド結合、もしくはエーテル結合)を利用してオリゴマーに結合されている。加水分解可能でない結合の使用は、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体が長時間、好ましくは少なくとも2時間にわたり血流中で循環させることが所望である場合には好ましいことがある。オリゴマーがカルシトニン薬剤に共有結合されている場合は、当業者には理解されるように、オリゴマーは、オリゴマーをカルシトニン薬剤と共有結合させるために使用される1以上の結合部分をさらに含んでいる。結合部分は、好ましくは共有結合、エステル部分、カーボネート部分、カルバメート部分、アミド部分および第2級アミン部分からなる群から選択される。オリゴマー上の2つ以上の部分は、カルシトニン薬剤に共有結合されていてもよい。
オリゴマーは好ましくはカルシトニン薬剤に共有結合されているが、オリゴマーは非共有結合的にコンジュゲートされたカルシトニン薬剤−オリゴマー複合体を形成するためにカルシトニン薬剤に非共有結合されていてもよいことが理解されなければならない。当業者には理解されるように、非共有結合には水素結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、およびミセル封入もしくはリポソーム封入が含まれるが、それらに限定されない。本発明の実施形態によると、オリゴマーは、当業者には理解されるように、選択された方法で非共有結合的なコンジュゲートのための能力を付与するため(例、水素結合能力を付与するため)に、適切に構築、修飾および/または適切に官能化されていてもよい。本発明の他の実施形態によると、オリゴマーは、アミノ酸、オリゴペプチド、ペプチド、胆汁酸、胆汁酸誘導体、脂肪酸、脂肪酸誘導体、サリチル酸、サリチル酸誘導体、アミノサリチル酸、およびアミノサリチル酸誘導体を含むがそれらに限定されない様々な化合物を用いて誘導体化されていてもよい。結果として生じるオリゴマーは、薬剤分子、医薬生成物、および/または医薬賦形剤と非共有結合する(複合体を形成する)ことができる。結果として生じる複合体は、好ましくは平衡状態の親油性と親水性とを有する。本発明のさらにまた別の実施形態によると、オリゴマーはアミンおよび/またはアルキルアミンを用いて誘導体化されていてもよい。適切な酸性条件下では、結果として生じるオリゴマーは、薬剤分子、医薬生成物、および/または医薬賦形剤とともに非共有結合的にコンジュゲートされた複合体を形成することができる。そのような複合体形成の結果として生じる生成物は、好ましくは平衡状態の親油性と親水性とを有する。
2つ以上のオリゴマー(すなわち、複数のオリゴマー)が、カルシトニン薬剤に結合されていてもよい。複数あるオリゴマーは、好ましくは同一である。しかしながら、複数のオリゴマーは相互に相違していてもよい、あるいはまた、複数のオリゴマーの一部が同一で、一部が相違していてもよい。複数のオリゴマーをカルシトニン薬剤に結合させる場合は、1以上のオリゴマーを加水分解可能な結合によりカルシトニン薬剤に結合させ、そして1以上のオリゴマーを加水分解可能でない結合によりカルシトニン薬剤に結合させるのが好ましいことがある。あるいはまた、複数のオリゴマーをカルシトニン薬剤に結合しているすべての結合が加水分解可能であってもよいが、しかし、例えば1以上のオリゴマーが本体における加水分解によってカルシトニン薬剤から迅速に除去され、そして1以上のオリゴマーが本体における加水分解によってカルシトニン薬剤から緩徐に除去されるように、様々な程度の加水分解性を有していてよい。
オリゴマーは、求核性ヒドロキシル官能基および/またはアミノ官能基を含むがそれらに限定されないカルシトニン薬剤の様々な求核性残基でカルシトニン薬剤に結合されていてもよい。カルシトニン薬剤がポリペプチドである場合は、ポリペプチドの例えばセリンおよび/またはチロシン残基で求核性ヒドロキシル官能基が見いだされ、例えばヒスチジンおよび/またはリシン残基、および/またはポリペプチドの1以上のN−末端で求核性アミノ官能基が見いだされることがある。オリゴマーがカルシトニンポリペプチドの1以上のN−末端に結合されている場合は、この結合は好ましくは第2級アミンを形成する。カルシトニン薬剤がサケカルシトニンである場合は、例えばオリゴマーはLys11、Lys18および/またはN−末端のアミノ官能基を含むサケカルシトニンのアミノ官能基に結合されていてもよい。1以上のオリゴマーがサケカルシトニンに結合されていてもよいが、オリゴマーがLys11およびLys18のアミノ官能基に結合されているジコンジュゲートされたサケカルシトニンについては、例えば向上した血清中カルシウム濃度低下能力のようなより高い生体有効性が観察される。
約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、様々な方法によって合成することができる。例えば、カルボン酸およびポリエチレングリコールから構成される約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するオリゴマーの混合物は、約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するオリゴマーの混合物を得るのに十分な条件下で、約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルボン酸の混合物と約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するポリエチレングリコールの混合物とを接触させることによって合成される。約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するオリゴマーの混合物は、その後、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体を提供するために、それらがカルシトニン薬剤と反応することができるように活性化される。約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路の1つの実施形態は、図3に示し、下記の実施例11〜実施例18に記載した。約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路の別の実施形態は、図4に示し、下記の実施例19〜実施例24に記載した。約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路のさらに別の実施形態は、図5に示し、下記の実施例25〜実施例29に記載した。約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路のさらに別の実施形態は、図6に示し、下記の実施例30〜実施例31に記載した。約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路の別の実施形態は、図7に示し、下記の実施例32〜実施例37に記載した。約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路のさらに別の実施形態は、図8に示し、下記の実施例38に記載した。約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路のさらに別の実施形態は、図9に示し、下記の実施例39に記載した。約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路の別の実施形態は、図10に示し、下記の実施例40に記載した。
約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有する活性化オリゴマーの混合物は、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を得るのに十分な条件下で、約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤の混合物と反応させる。好ましい合成については、下記の実施例41に記載した。当業者には理解されるように、反応条件(例、選択されたモル比、溶媒混合液および/またはpH)は、約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有する活性化オリゴマーの混合物と約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤の混合物との反応の結果として生じるカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物が、約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有する混合物であるように制御することができる。例えば、リシンのアミノ官能基でのコンジュゲートは反応溶液のpHをリシンのpKa未満に維持することによって抑制することができる。あるいはまた、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有する例えばモノ抱合体、ジ抱合体、もしくはトリ抱合体のようなカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を提供するために、例えばHPLCを利用して分離および単離することができる。特定の単離された抱合体のコンジュゲートの程度(例、単離分子がモノ抱合体、ジ抱合体、もしくはトリ抱合体のいずれであるか)は、当業者には理解されるように、質量分析法を含むがそれに限定されない様々な技術を利用して決定および/または検証することができる。特定の抱合体の構造(例、オリゴマーがサケカルシトニンモノ抱合体のLys11、Lys18またはN−末端のいずれにあるか)は、当業者には理解されるように、配列解析、ペプチドマッピング、選択的な酵素分解、および/またはエンドペプチダーゼ開裂を含むがそれに限定されない様々な技術を利用して決定する、および/または検証することができる。
当業者には理解されるように、カルシトニン薬剤上の1以上の反応部位は、例えば、カルシトニン薬剤を例えばN−tert−ブトキシカルボニル(t−BOC)、もしくはN−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)(N−FMOC)のような適切なブロッキング試薬と反応させることによってブロックすることができる。このプロセスは、例えば、カルシトニン薬剤がポリペプチドであり、ポリペプチドのN−末端でオリゴマーを有する不飽和抱合体(すなわち、全部の求核性残基がコンジュゲートされてはいない抱合体)を形成するのが所望の場合に好ましいことがある。そのようなブロッキング後、約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するブロックされたカルシトニン薬剤の混合物は、1以上の求核性残基に結合されたオリゴマーを有し、そして他の求核性残基に結合されたブロッキング部分を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を提供するために、約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有する活性化オリゴマーの混合物と反応させてもよい。コンジュゲーション反応後、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体は、当業者には理解されるように、脱ブロックすることができる。必要であれば、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物はその後、約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を提供するために、上記のように分離することができる。あるいはまた、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、脱ブロッキングの前に分離することができる。
本発明の実施形態による約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、従来型混合物の特性と比較したときに、好ましくは向上した特性を有する。例えば、約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは血清中カルシウム濃度を少なくとも5%低下させることができる。好ましくは、抱合体の混合物は、血清中カルシウム濃度を少なくとも10%、11%、12%、13%もしくは14%低下させることができる。より好ましくは、抱合体の混合物は血清中カルシウム濃度を少なくとも15%、16%、17%、18%もしくは19%低下させることができ、そして最も好ましくは、抱合体の混合物は血清中カルシウム濃度を少なくとも20%低下させることができる。
別の実施例として、約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくはオリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤のキモトリプシンおよび/またはトリプシン各々による分解に対する抵抗性と比較して、キモトリプシンおよび/またはトリプシンによる分解に対する高い抵抗性を有する。キモトリプシンまたはトリプシンに対する抵抗性は、下記の実施例51で略述した手法に類似する手法を使用して試験される分子を適切な酵素中で消化させたときに残っている百分率に一致する。好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性より約10%大きい。より好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性より約15%大きい、そして最も好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性より約20%大きい。好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性より約10%大きい。より好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性より約20%大きい、そして、最も好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性より約30%大きい。
さらに別の実施例として、約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくはオリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤の生体有効性より高い生体有効性を有する。特定化合物の生体有効性は、その曲線下面積(AUC)値に一致する。好ましくは、混合物の生体有効性は、オリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤の生体有効性より約5%高い。より好ましくは、混合物の生体有効性は、オリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤の生体有効性より約10%高い。
さらに別の実施例として、約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物のインビボ活性より高いインビボ活性を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量は、例えばH.R.Allcock & F.W.Lampe,「現代高分子化学(CONTEMPORARY POLYMER CHEMISTRY)」,394−4(第2版,1991)に記載されているように、ゲル透過クロマトグラフィーのようなサイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれに限定されない様々な方法によって測定できる。
別の実施例として、約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物のインビトロ活性より高いインビトロ活性を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれに限定されない様々な方法によって測定できる。
さらに別の実施例として、約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物のキモトリプシンおよび/またはトリプシンによる分解に対する抵抗性に比較して、キモトリプシンおよび/またはトリプシンによる分解に対する高い抵抗性を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量はサイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれに限定されない様々な方法によって測定できる。
さらに別の実施例として、約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物の被験体間変動より低い被験体間変動を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれに限定されない様々な方法によって測定できる。被験体間変動は、当業者には理解されるように、様々な方法によって入手できる。被験体間変動は、好ましくは次のように計算する。用量反応曲線下面積(AUC)(すなわち用量反応曲線とベースライン値との間の面積)を各被験体について決定する。全被験体についての平均AUCは、各被験体のAUCを合計し、この合計を被験体の数で割ることによって決定する。その後、被験体のAUCと平均AUCとの差の絶対値を、各被験体について決定する。入手した差の絶対値を合計して、被験体間変動を表す数値を得る。低い数値は低い被験体間変動を表し、高い数値は高い被験体間変動を表す。
本発明の実施形態による約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは2つもしくは3つ以上の上記の向上した特性を有する。より好ましくは、本発明の実施形態による約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、3つもしくは4つ以上の上記の向上した特性を有する。最も好ましくは、本発明の実施形態による約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、4つもしくは5つ以上の上記の向上した特性を有する。
本発明のさらに別の実施形態によると、各抱合体が、ポリエチレングリコール部分を含むオリゴマーに結合されたカルシトニン薬剤を含む抱合体の混合物が提供され、そしてこの混合物は約10,000より大きい分散係数(DC)を有する。
Figure 0004272510
式中:
nは、サンプル中の様々な分子の数であり、
iは、サンプル中のi番目の分子の数であり、
iは、i番目の分子の質量である。
抱合体の混合物は、好ましくは100,000より大きい分散係数を有する。より好ましくは、抱合体の混合物は、500,000より大きい分散係数を有する。そして、最も好ましくは、分散係数は10,000,000である。変数n、Ni、およびMiは、当業者には理解されるように、下記の実施例49に記載した方法を含むがそれらに限定されない様々な方法によって決定できる。
カルシトニン薬剤は、好ましくはカルシトニンである。より好ましくは、カルシトニン薬剤はサケカルシトニンである。しかしながら、カルシトニン薬剤は、例えばカルシトニン前駆体ペプチド、カルシトニン、カルシトニン類似体、カルシトニンフラグメント、およびカルシトニンフラグメント類似体を含む当業者によく知られている様々なカルシトニン薬剤から選択できることが理解されなければならない。カルシトニン前駆体ペプチドには、カタカルシン(PDN−21)(C−プロカルシトニン)、およびN−プロCT(アミノ末端プロカルシトニン開裂ペプチド)、ヒトが含まれるがそれらに限定されない。カルシトニン類似体は、上記のようにカルシトニン中の1以上のアミノ酸の置換によって提供することができる。カルシトニンフラグメントには、カルシトニン1−7、ヒト;およびカルシトニン8−32、サケが含まれるがそれらに限定されない。カルシトニンフラグメント類似体は、上記のようにカルシトニンフラグメント中の1以上のアミノ酸の置換によって提供することができる。
オリゴマーは、当業者には理解されるように、ポリエチレングリコール部分を含む様々なオリゴマーであってよい。好ましくは、オリゴマーのポリエチレングリコール部分は少なくとも2個、3個または4個のポリエチレングリコールサブユニットを有する。より好ましくは、ポリエチレングリコール部分は、少なくとも5個または6個のポリエチレングリコールサブユニットを有する、そして最も好ましくは、ポリエチレングリコール部分は少なくとも7個のポリエチレングリコールサブユニットを有する。
オリゴマーは、追加の親水性部分、親油性部分、スペーサー部分、リンカー部分、および末端部分を含むがそれらに限定されない当業者には理解されるであろう1以上の部分を含んでいてよい。オリゴマー内の様々な部分は、加水分解可能な結合または加水分解可能でない結合のどちらかによって相互に共有結合されている。
オリゴマーは、糖類、ポリアルキレンオキサイド類、およびポリアミン/PEGコポリマー類を含むがそれらに限定されない1以上の追加の親水性部分(すなわち、ポリエチレングリコール部分に追加される部分)をさらに含んでいてよい。ポリエチレングリコールがポリアルキレンオキサイドであるとき、追加の親水性部分はポリエチレングリコール部分であってよい。隣接ポリエチレングリコール部分は、それらがエーテル結合によって結合されている場合は同一部分と見なされるであろう。例えば、この部分
Figure 0004272510
は、6つのポリエチレングリコールサブユニットを有する単一ポリエチレングリコール部分である。この部分がオリゴマー内の唯一の親水性部分である場合は、オリゴマーは追加の親水性部分を含んでいないであろう。隣接ポリエチレングリコール部分は、それらがエーテル結合以外の結合によって結合されている場合は異なる部分と見なされるであろう。例えばこの部分
Figure 0004272510
は、4つのポリエチレングリコールサブユニットを有するポリエチレングリコール部分および2つのポリエチレングリコールサブユニットを有する追加の親水性部分である。好ましくは、本発明の実施形態によるオリゴマーはポリエチレングリコール部分を含むが、追加の親水性部分を含んでいない。
オリゴマーは、当業者には理解されるように、1以上の親油性部分をさらに含んでいてよい。親油性部分は、好ましくは飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分枝鎖アルキル部分である、または飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分枝鎖脂肪酸部分である。親油性部分がアルキル部分である場合は、それは1〜28個の炭素原子を有する直鎖、飽和もしくは不飽和アルキル部分であるのが好ましい。より好ましくは、アルキル部分は2〜12個の炭素原子を有する。親油性部分が脂肪酸部分である場合は、それは2〜18個の炭素原子を有する直鎖、飽和もしくは不飽和である天然脂肪酸部分であるのが好ましい。より好ましくは、脂肪酸部分は3〜14個の炭素原子を有する。最も好ましくは、脂肪酸部分は少なくとも4、5もしくは6個の炭素原子を有する。
オリゴマーは、当業者には理解されるように、1以上のスペーサー部分をさらに含んでいてよい。スペーサー部分は、例えば、親油性部分から親水性部分を分離するため、カルシトニン薬剤から親油性部分もしくは親水性部分を分離するため、第2親水性部分もしくは親油性部分から第1親水性部分もしくは親油性部分を分離するため、またはリンカー部分から親水性部分もしくは親油性部分を分離するために使用できる。スペーサー部分は、好ましくは糖、コレステロールおよびグリセリン部分からなる群から選択される。
オリゴマーは、当業者には理解されるように、オリゴマーをカルシトニン薬剤と結合させるために使用される1以上のリンカー部分をさらに含んでいてよい。リンカー部分は、好ましくはアルキルおよび脂肪酸部分からなる群から選択される。
オリゴマーは、カルシトニン薬剤に結合されていないオリゴマーの1以上の端部で1以上の末端部分をさらに含んでいてよい。末端部分は、好ましくはアルキルもしくはアルコキシ部分であり、より好ましくは低級アルキルもしくは低級アルコキシ部分である。最も好ましくは、末端部分はメチルもしくはメトキシである。末端部分は、好ましくはアルキルもしくはアルコキシ部分であるが、当業者には理解されるように、末端部分は糖、コレステロール、アルコール、および脂肪酸を含むがそれらに限定されない様々な部分であってよいと理解されなければならない。
オリゴマーは、好ましくはカルシトニン薬剤に共有結合されている。一部の実施形態では、カルシトニン薬剤は加水分解可能な結合(例、エステルもしくはカーボネート結合)を利用してオリゴマーに結合されている。加水分解可能な結合は、プロドラッグとして作用するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体を提供することができる。例えば、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体が不活性である(すなわち、抱合体にはカルシトニン薬剤の主要作用機序を通して身体へ作用を及ぼす能力が欠如している)ある例では、活性薬を提供するために1以上のオリゴマーがそれらの各カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体から開裂されるように所定期間にわたってカルシトニン薬剤を投与することで、加水分解可能な結合は徐放性作用もしくは制御放出性作用を提供することができる。他の実施形態では、カルシトニン薬剤は加水分解可能でない結合(例、カルバメート結合、アミド結合、もしくはエーテル結合)を利用してオリゴマーに結合されている。加水分解可能でない結合の使用は、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体が長時間、好ましくは少なくとも2時間にわたり血流中で循環させることが所望の場合には好ましいことがある。オリゴマーがカルシトニン薬剤に共有結合されている場合は、当業者には理解されるように、オリゴマーは、オリゴマーをカルシトニン薬剤と共有結合させるために使用される1以上の結合部分をさらに含んでいる。結合部分は、好ましくは共有結合、エステル部分、カーボネート部分、カルバメート部分、アミド部分および第2級アミン部分からなる群から選択される。オリゴマー上の2つ以上の部分は、カルシトニン薬剤に共有結合されていてよい。
オリゴマーは好ましくはカルシトニン薬剤に共有結合されているが、オリゴマーは非共有結合的にコンジュゲートされたカルシトニン薬剤−オリゴマー複合体を形成するためにカルシトニン薬剤に非共有結合されていてもよいことが理解されなければならない。当業者には理解されるように、非共有結合には水素結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、およびミセル封入もしくはリポソーム封入が含まれるが、それらに限定されない。本発明の実施形態によると、オリゴマーは、当業者には理解されるように、選択された方法で非共有結合的なコンジュゲートのための能力を付与するため(例、水素結合能力を付与するため)に、適切に構築、修飾および/または適切に官能化されていてもよい。本発明の他の実施形態によると、オリゴマーは、アミノ酸、オリゴペプチド、ペプチド、胆汁酸、胆汁酸誘導体、脂肪酸、脂肪酸誘導体、サリチル酸、サリチル酸誘導体、アミノサリチル酸、およびアミノサリチル酸誘導体を含むがそれらに限定されない様々な化合物を用いて誘導体化されていてもよい。結果として生じるオリゴマーは、薬剤分子、医薬生成物、および/または医薬賦形剤と非共有結合する(複合体を形成する)ことができる。結果として生じる複合体は、好ましくは平衡状態の親油性と親水性とを有する。本発明のさらにまた別の実施形態によると、オリゴマーはアミンおよび/またはアルキルアミンを用いて誘導体化されていてもよい。適切な酸性条件下では、結果として生じるオリゴマーは、薬剤分子、医薬生成物、および/または医薬賦形剤とともに非共有結合的にコンジュゲートされた複合体を形成することができる。そのような複合体形成の結果として生じる生成物は、好ましくは平衡状態の親油性と親水性とを有する。
2つ以上のオリゴマー(すなわち、複数のオリゴマー)は、カルシトニン薬剤に結合されていてもよい。複数あるオリゴマーは、好ましくは同一である。しかしながら、複数あるオリゴマーは相互に相違していてもよい、あるいはまた、複数あるオリゴマーの一部が同一で、一部が相違していてもよい。複数のオリゴマーがカルシトニン薬剤に結合される場合は、1以上のオリゴマーを加水分解可能な結合によりカルシトニン薬剤に結合させ、そして1以上のオリゴマーを加水分解可能でない結合によりカルシトニン薬剤に結合させるのが好ましいことがある。あるいはまた、複数のオリゴマーをカルシトニン薬剤に結合しているすべての結合が加水分解可能であってよいが、しかし、例えば1以上のオリゴマーが本体における加水分解によってカルシトニン薬剤から迅速に除去され、そして1以上のオリゴマーが本体における加水分解によってカルシトニン薬剤から緩徐に除去されるように、様々な程度の加水分解性を有していてもよい。
オリゴマーは、求核性ヒドロキシル官能基および/またはアミノ官能基を含むがそれらに限定されないカルシトニン薬剤の様々な求核性残基でカルシトニン薬剤に結合されていてもよい。カルシトニン薬剤がポリペプチドである場合は、ポリペプチドの例えばセリンおよび/またはチロシン残基で求核性ヒドロキシル官能基が見いだされ、例えばヒスチジンおよび/またはリシン残基、および/またはポリペプチドの1以上のN−末端で求核性アミノ官能基が見いだされることがある。オリゴマーがカルシトニンポリペプチドの1以上のN−末端に結合されている場合は、この結合は好ましくは第2級アミンを形成する。カルシトニン薬剤がサケカルシトニンである場合は、例えばオリゴマーはLys11、Lys18および/またはN−末端のアミノ官能基を含むサケカルシトニンのアミノ官能基に結合されていてもよい。1以上のオリゴマーがサケカルシトニンに結合されていてもよいが、オリゴマーがLys11およびLys18のアミノ官能基に結合されているジコンジュゲートされたサケカルシトニンについては、例えば向上した血清中カルシウム濃度低下能力のようなより高い生体有効性が観察される。
10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、様々な方法によって合成することができる。例えば、カルボン酸およびポリエチレングリコールから構成される10,000より大きい分散係数を有するオリゴマーの混合物は、10,000より大きい分散係数を有するオリゴマーの混合物を得るのに十分な条件下で、10,000より大きい分散係数を有するカルボン酸の混合物を10,000より大きい分散係数を有するポリエチレングリコールの混合物と接触させることによって合成される。10,000より大きい分散係数を有する混合物のオリゴマーは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体を提供するために、それらがカルシトニン薬剤と反応することができるように活性化される。10,000より大きい分散係数を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路の1つの実施形態は、図3に示し、下記の実施例11〜実施例18に記載した。10,000より大きい分散係数を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路の別の実施形態は、図4に示し、下記の実施例19〜実施例24に記載した。10,000より大きい分散係数を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路のさらに別の実施形態は、図5に示し、下記の実施例25〜実施例29に記載した。10,000より大きい分散係数を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路のさらに別の実施形態は、図6に示し、下記の実施例30〜実施例31に記載した。10,000より大きい分散係数を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路の別の実施形態は、図7に示し、下記の実施例32〜実施例37に記載した。10,000より大きい分散係数を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路のさらに別の実施形態は、図8に示し、下記の実施例38に記載した。10,000より大きい分散係数を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路のさらに別の実施形態は、図9に示し、下記の実施例39に記載した。10,000より大きい分散係数を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路の別の実施形態は、図10に示し、下記の実施例40に記載した。
10,000より大きい分散係数を有する活性化オリゴマーの混合物は、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を得るのに十分な条件下で、10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤の混合物と反応させる。好ましい合成については、下記の実施例41に記載した。当業者には理解されるように、反応条件(例、選択されたモル比、溶媒混合物および/またはpH)は、10,000より大きい分散係数を有する活性化オリゴマーの混合物と10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤の混合物との反応の結果として生じるカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物が10,000より大きい分散係数を有する混合物であるように制御することができる。例えば、リシンのアミノ官能基でのコンジュゲートは、反応溶液のpHをリシンのpKa未満に維持することによって抑制することができる。あるいはまた、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、例えばモノ抱合体、ジ抱合体、もしくはトリ抱合体のような10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を提供するために、例えばHPLCを利用して分離および単離することができる。特定の単離された抱合体のコンジュゲートの程度(例、単離分子がモノ抱合体、ジ抱合体、もしくはトリ抱合体のいずれであるか)は、当業者には理解されるように、質量分析法を含むがそれに限定されない様々な技術を利用して決定および/または検証することができる。特定の抱合体の構造(例、オリゴマーがサケカルシトニンモノ抱合体のLys11、Lys18またはN−末端のいずれにあるか)は、当業者には理解されるように、配列解析、ペプチドマッピング、選択的な酵素分解、および/またはエンドペプチダーゼ開裂を含むがそれに限定されない様々な技術を利用して決定および/または検証することができる。
当業者には理解されるように、カルシトニン薬剤上の1以上の反応部位は、例えば、カルシトニン薬剤を例えばN−tert−ブトキシカルボニル(t−BOC)、もしくはN−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)(N−FMOC)のような適切なブロッキング試薬と反応させることによってブロックすることができる。このプロセスは、例えば、カルシトニン薬剤がポリペプチドであり、ポリペプチドのN−末端でオリゴマーを有する不飽和抱合体(すなわち、全部の求核性残基がコンジュゲートされてはいない抱合体)を形成するのが所望の場合に好ましいことがある。そのようなブロッキング後、10,000より大きい分散係数を有するブロックされたカルシトニン薬剤の混合物は、1以上の求核性残基に結合されたオリゴマーを有し、そして他の求核性残基に結合されたブロッキング部分を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を提供するために、10,000より大きい分散係数を有する活性化オリゴマーの混合物と反応させてもよい。コンジュゲーション反応後、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体は、当業者には理解されるように、脱ブロックすることができる。必要であれば、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、その後10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を提供するために、上記で記載したように分離することができる。あるいはまた、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、脱ブロッキングの前に分離することができる。
本発明の実施形態による10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは従来型混合物の特性と比較して向上した特性を有する。例えば、10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは血清中カルシウム濃度を少なくとも5%低下させることができる。好ましくは、抱合体の混合物は、血清中カルシウム濃度を少なくとも10%、11%、12%、13%もしくは14%低下させることができる。より好ましくは、抱合体の混合物は血清中カルシウム濃度を少なくとも15%、16%、17%、18%もしくは19%低下させることができ、そして最も好ましくは、抱合体の混合物は血清中カルシウム濃度を少なくとも20%低下させることができる。
別の実施例として、10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくはオリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤のキモトリプシンおよび/またはトリプシン各々による分解に対する抵抗性と比較して、キモトリプシンおよび/またはトリプシンによる分解に対する高い抵抗性を有する。キモトリプシンまたはトリプシンに対する抵抗性は、下記の実施例51で略述した手法に類似する手法を使用して試験される分子を適切な酵素中で消化させたときに残っている百分率に一致する。好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性より約10%大きい。より好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性より約15%大きい、そして最も好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性より約20%大きい。好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性より約10%大きい。より好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性より約20%大きい。そして、最も好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性より約30%大きい。
さらにまた別の実施例では、10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくはオリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤の生体有効性より高い生体有効性を有する。特定化合物の生体有効性は、その曲線下面積(AUC)値に一致する。好ましくは、混合物の生体有効性は、オリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤の生体有効性より約5%高い。より好ましくは、混合物の生体有効性は、オリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤の生体有効性より約10%高い。
さらに別の実施例として、10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物のインビボ活性より高いインビボ活性を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量は、例えばH.R.Allcock & F.W.Lampe,「現代高分子化学(CONTEMPORARY POLYMER CHEMISTRY)」,394−402(第2版,1991)に記載されているように、ゲル透過クロマトグラフィーのようなサイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれらに限定されない様々な方法によって測定できる。
別の実施例として、10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物のインビトロ活性より高いインビトロ活性を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれに限定されない様々な方法によって測定できる。
さらに別の実施例として、10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物のキモトリプシンおよび/またはトリプシンによる分解に対する抵抗性に比較したときに、キモトリプシンおよび/またはトリプシンによる分解に対する高い抵抗性を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれに限定されない様々な方法によって測定できる。
さらに別の実施例として、10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物の被験体間変動より低い被験体間変動を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれに限定されない様々な方法によって測定できる。被験体間変動は、当業者には理解されるように、様々な方法によって入手できる。被験体間変動は、好ましくは次のように計算する。用量反応曲線下面積(AUC)(すなわち用量反応曲線とベースライン値との間の面積)を各被験体について決定する。全被験体についての平均AUCは、各被験体のAUCを合計し、この合計を被験体の数で割ることによって決定する。その後、被験体のAUCと平均AUCとの差の絶対値を、各被験体について決定する。入手した差の絶対値を合計して、被験体間変動を表す数値を得る。低い数値は低い被験体間変動を表し、高い数値は高い被験体間変動を表す。
本発明の実施形態による10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは2つもしくは3つ以上の上記の向上した特性を有する。より好ましくは、本発明の実施形態による10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、3つもしくは4つ以上の上記の向上した特性を有する。最も好ましくは、本発明の実施形態による10,000より大きい分散係数を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、4つもしくは5つ以上の上記の向上した特性を有する。
本発明の他の実施形態によると、各抱合体が、オリゴマーに結合されたカルシトニン薬剤を含む、そして同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有する抱合体の混合物が提供される。
カルシトニン薬剤は、好ましくはカルシトニンである。より好ましくは、カルシトニン薬剤はサケカルシトニンである。しかしながら、カルシトニン薬剤は、例えばカルシトニン前駆体ペプチド、カルシトニン、カルシトニン類似体、カルシトニンフラグメント、およびカルシトニンフラグメント類似体を含む当業者によく知られている様々なカルシトニン薬剤から選択できることが理解されなければならない。カルシトニン前駆体ペプチドには、カタカルシン(PDN−21)(C−プロカルシトニン)、およびN−プロCT(アミノ末端プロカルシトニン開裂ペプチド)、ヒトが含まれるがそれらに限定されない。カルシトニン類似体は、上記のようにカルシトニン中の1以上のアミノ酸の置換によって提供することができる。カルシトニンフラグメントには、カルシトニン1−7、ヒト;およびカルシトニン8−32、サケが含まれるがそれらに限定されない。カルシトニンフラグメント類似体は、上記のようにカルシトニンフラグメント中の1以上のアミノ酸の置換によって提供することができる。
オリゴマーは、当業者には理解されるように、ポリエチレングリコール部分を含む様々なオリゴマーであってよい。好ましくは、オリゴマーのポリエチレングリコール部分は少なくとも2個、3個または4個のポリエチレングリコールサブユニットを有する。より好ましくは、ポリエチレングリコール部分は、少なくとも5個または6個のポリエチレングリコールサブユニットを有する、そして最も好ましくは、ポリエチレングリコール部分は少なくとも7個のポリエチレングリコールサブユニットを有する。
オリゴマーは、追加の親水性部分、親油性部分、スペーサー部分、リンカー部分、および末端部分を含むがそれらに限定されない当業者には理解されるであろう1以上の部分を含んでいてよい。オリゴマー内の様々な部分は、加水分解可能な結合または加水分解可能でない結合のどちらかによって相互に共有結合されている。
オリゴマーは、糖類、ポリアルキレンオキサイド類、およびポリアミン/PEGコポリマー類を含むがそれらに限定されない1以上の追加の親水性部分(すなわち、ポリエチレングリコール部分に追加される部分)をさらに含んでいてよい。ポリエチレングリコールがポリアルキレンオキサイドであるとき、追加の親水性部分はポリエチレングリコール部分であってよい。隣接ポリエチレングリコール部分は、それらがエーテル結合によって結合されている場合は同一部分と見なされるであろう。例えば、部分
Figure 0004272510
は、6つのポリエチレングリコールサブユニットを有する単一ポリエチレングリコール部分である。この部分がオリゴマー内の唯一の親水性部分である場合は、オリゴマーは追加の親水性部分を含んでいないであろう。隣接ポリエチレングリコール部分は、それらがエーテル結合以外の結合によって結合されている場合は異なる部分と見なされるであろう。例えば、部分
Figure 0004272510
は、4つのポリエチレングリコールサブユニットを有するポリエチレングリコール部分および2つのポリエチレングリコールサブユニットを有する追加の親水性部分である。好ましくは、本発明の実施形態によるオリゴマーはポリエチレングリコール部分を含むが、追加の親水性部分を含んでいない。
オリゴマーは、当業者には理解されるように、1以上の親油性部分をさらに含んでいてよい。親油性部分は、好ましくは飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分枝鎖アルキル部分である、または飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分枝鎖脂肪酸部分である。親油性部分がアルキル部分である場合は、それは1〜28個の炭素原子を有する直鎖、飽和もしくは不飽和アルキル部分であるのが好ましい。より好ましくは、アルキル部分は2〜12個の炭素原子を有する。親油性部分が脂肪酸部分である場合は、それは2〜18個の炭素原子を有する直鎖、飽和もしくは不飽和である天然脂肪酸部分であるのが好ましい。より好ましくは、脂肪酸部分は3〜14個の炭素原子を有する。最も好ましくは、脂肪酸部分は少なくとも4個、5個もしくは6個の炭素原子を有する。
オリゴマーは、当業者には理解されるように、1以上のスペーサー部分をさらに含んでいてよい。スペーサー部分は、例えば、親油性部分から親水性部分を分離するため、カルシトニン薬剤から親油性部分もしくは親水性部分を分離するため、第2親水性部分もしくは親油性部分から第1親水性部分もしくは親油性部分を分離するため、またはリンカー部分から親水性部分もしくは親油性部分を分離するために使用できる。スペーサー部分は、好ましくは糖、コレステロールおよびグリセリン部分からなる群から選択される。
オリゴマーは、当業者には理解されるように、オリゴマーをカルシトニン薬剤と結合させるために使用される1以上のリンカー部分をさらに含んでいてよい。リンカー部分は、好ましくはアルキルおよび脂肪酸部分からなる群から選択される。
オリゴマーは、カルシトニン薬剤に結合されていないオリゴマーの1以上の端部で1以上の末端部分をさらに含んでいてよい。末端部分は、好ましくはアルキルもしくはアルコキシ部分であり、より好ましくは低級アルキルもしくは低級アルコキシ部分である。最も好ましくは、末端部分はメチルもしくはメトキシである。末端部分は、好ましくはアルキルもしくはアルコキシ部分であるが、当業者には理解されるように、末端部分は糖、コレステロール、アルコール、および脂肪酸を含むがそれらに限定されない様々な部分であってよいと理解されなければならない。
オリゴマーは、好ましくはカルシトニン薬剤に共有結合されている。一部の実施形態では、カルシトニン薬剤は加水分解可能な結合(例、エステル結合もしくはカーボネート結合)を利用してオリゴマーに結合されている。加水分解可能な結合は、プロドラッグとして作用するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体を提供することができる。例えば、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体が不活性である(すなわち、抱合体にはカルシトニン薬剤の主要作用機序を通して身体へ作用を及ぼす能力が欠如している)ある例では、活性薬を提供するために1以上のオリゴマーがそれらの各カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体から開裂されるように所定期間にわたってカルシトニン薬剤を投与することで、加水分解可能な結合は徐放性作用もしくは制御放出性作用を提供することができる。他の実施形態では、カルシトニン薬剤は加水分解可能でない結合(例、カルバメート結合、アミド結合、もしくはエーテル結合)を利用してオリゴマーに結合されている。加水分解可能でない結合の使用は、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体が長時間、好ましくは少なくとも2時間にわたり血流中で循環させることが所望の場合には好ましいことがある。オリゴマーがカルシトニン薬剤に共有結合されている場合は、当業者には理解されるように、オリゴマーは、オリゴマーをカルシトニン薬剤と共有結合させるために使用される1以上の結合部分をさらに含んでいる。結合部分は、好ましくは共有結合、エステル部分、カーボネート部分、カルバメート部分、アミド部分および第2級アミン部分からなる群から選択される。オリゴマー上の2つ以上の部分は、カルシトニン薬剤に共有結合されていてよい。
オリゴマーは好ましくはカルシトニン薬剤に共有結合されているが、オリゴマーは非共有結合的にコンジュゲートされたカルシトニン薬剤−オリゴマー複合体を形成するためにカルシトニン薬剤に非共有結合されていてもよいことが理解されなければならない。当業者には理解されるように、非共有結合には水素結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、およびミセル封入もしくはリポソーム封入が含まれるが、それらに限定されない。本発明の実施形態によると、オリゴマーは、当業者には理解されるように、選択された方法で非共有結合的なコンジュゲートのための能力を付与するため(例、水素結合能力を付与するため)に、適切に構築、修飾および/または適切に官能化されていてもよい。本発明の他の実施形態によると、オリゴマーは、アミノ酸、オリゴペプチド、ペプチド、胆汁酸、胆汁酸誘導体、脂肪酸、脂肪酸誘導体、サリチル酸、サリチル酸誘導体、アミノサリチル酸、およびアミノサリチル酸誘導体を含むがそれらに限定されない様々な化合物を用いて誘導体化されていてもよい。結果として生じるオリゴマーは、薬剤分子、医薬生成物、および/または医薬賦形剤と非共有結合する(複合体を形成する)ことができる。結果として生じる複合体は、好ましくは平衡状態の親油性と親水性とを有する。本発明のさらにまた別の実施形態によると、オリゴマーはアミンおよび/またはアルキルアミンを用いて誘導体化されていてもよい。適切な酸性条件下では、結果として生じるオリゴマーは、薬剤分子、医薬生成物、および/または医薬賦形剤とともに非共有結合的にコンジュゲートされた複合体を形成することができる。そのような複合体形成の結果として生じる生成物は、好ましくは平衡状態の親油性と親水性とを有する。
2つ以上のオリゴマー(すなわち、複数のオリゴマー)は、カルシトニン薬剤に結合されていてもよい。複数のオリゴマーは、好ましくは同一である。しかしながら、複数あるオリゴマーは相互に相違していてもよい、あるいはまた、複数のオリゴマーの一部が同一で、一部が相違していてもよい。複数のオリゴマーがカルシトニン薬剤に結合される場合は、1以上のオリゴマーを加水分解可能な結合によりカルシトニン薬剤に結合させ、そして1以上のオリゴマーを加水分解可能でない結合によりカルシトニン薬剤に結合させるのが好ましいことがある。あるいはまた、複数のオリゴマーをカルシトニン薬剤に結合しているすべての結合が加水分解可能であってよいが、しかし、例えば1以上のオリゴマーが本体における加水分解によってカルシトニン薬剤から迅速に除去され、そして1以上のオリゴマーが本体における加水分解によってカルシトニン薬剤から緩徐に除去されるように、様々な程度の加水分解性を有していてもよい。
オリゴマーは、求核性ヒドロキシル官能基および/またはアミノ官能基を含むがそれらに限定されないカルシトニン薬剤の様々な求核性残基でカルシトニン薬剤に結合されていてもよい。カルシトニン薬剤がポリペプチドである場合は、ポリペプチドの例えばセリンおよび/またはチロシン残基で求核性ヒドロキシル官能基が見いだされ、例えばヒスチジンおよび/またはリシン残基、および/またはポリペプチドの1以上のN−末端で求核性アミノ官能基が見いだされることがある。オリゴマーがカルシトニンポリペプチドの1以上のN−末端に結合されている場合は、この結合は好ましくは第2級アミンを形成する。カルシトニン薬剤がサケカルシトニンである場合は、例えばオリゴマーはLys11、Lys18および/またはN−末端のアミノ官能基を含むサケカルシトニンのアミノ官能基に結合されていてもよい。1以上のオリゴマーがサケカルシトニンに結合されていてもよいが、オリゴマーがLys11およびLys18のアミノ官能基に結合されているジコンジュゲートされたサケカルシトニンについては、例えば向上した血清中カルシウム濃度低下能力のようなより高い生体有効性が観察される。
混合物中の各抱合体が同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、様々な方法によって合成することができる。例えば、混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルボン酸およびポリエチレングリコールから構成される混合物は、混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有する混合物を得るのに十分な条件下で、カルボン酸の混合物と混合物中の各ポリエチレングリコールサブユニットが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するポリエチレングリコールの混合物とを接触させることによって合成する。混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有する混合物のオリゴマーは、その後、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体を提供するために、それらがカルシトニン薬剤と反応することができるように活性化される。混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路の1つの実施形態は、図3に示し、下記の実施例11〜実施例18に記載した。混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路の1つの実施形態は、図4に示し、下記の実施例19〜実施例24に記載した。混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路の1つの実施形態は、図5に示し、下記の実施例25〜実施例29に記載した。混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路のさらに別の実施形態は、図6に示し、下記の実施例30〜実施例31に記載した。混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路の1つの実施形態は、図7に示し、下記の実施例32〜実施例37に記載した。混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路のさらに別の実施形態は、図8に示し、下記の実施例38に記載した。混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路のさらに別の実施形態は、図9に示し、下記の実施例39に記載した。混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有する活性化オリゴマーの混合物を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路の別の実施形態は、図10に示し、下記の実施例40に記載した。
混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有する活性化オリゴマーの混合物は、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を得るのに十分な条件下で、カルシトニン薬剤の混合物と反応させる。好ましい合成については、下記の実施例41に記載した。当業者には理解されるように、反応条件(例、選択されたモル比、溶媒混合物および/またはpH)は、混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有する活性化オリゴマーの混合物とカルシトニン薬剤の混合物との反応の結果として生じるカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物が、混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有する抱合体の混合物であるように制御することができる。例えば、リシンのアミノ官能基でのコンジュゲートは、反応溶液のpHをリシンのpKa未満に維持することによって抑制することができる。あるいはまた、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、例えばモノ抱合体、ジ抱合体、もしくはトリ抱合体のような同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を提供するために、例えばHPLCを利用して分離および単離することができる。特定の単離された抱合体のコンジュゲートの程度(例、単離分子がモノ抱合体、ジ抱合体、もしくはトリ抱合体のいずれであるか)は、当業者には理解されるように、質量分析法を含むがそれに限定されない様々な技術を利用して決定および/または検証することができる。特定の抱合体の構造(例、オリゴマーがサケカルシトニンモノ抱合体のLys11、Lys18またはN−末端のいずれにあるか)は、当業者には理解されるように、配列解析、ペプチドマッピング、選択的な酵素分解、および/またはエンドペプチダーゼ開裂を含むがそれに限定されない様々な技術を利用して決定および/または検証することができる。
当業者には理解されるように、カルシトニン薬剤上の1以上の反応部位は、例えば、カルシトニン薬剤を例えばN−tert−ブトキシカルボニル(t−BOC)、もしくはN−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)(N−FMOC)のような適切なブロッキング試薬と反応させることによってブロックすることができる。このプロセスは、例えば、カルシトニン薬剤がポリペプチドであり、ポリペプチドのN−末端でオリゴマーを有する不飽和抱合体(すなわち、全部の求核性残基がコンジュゲートされてはいない抱合体)を形成するのが所望の場合に好ましいことがある。そのようなブロッキング後、ブロックされたカルシトニン薬剤の混合物は、1以上の求核性残基に結合されたオリゴマーを有し、そして他の求核性残基に結合されたブロッキング部分を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を提供するために、混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有する活性化オリゴマーの混合物と反応させてもよい。コンジュゲーション反応後、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体は、当業者には理解されるように、脱ブロックすることができる。必要であれば、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、その後混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を提供するために、上記で記載したように分離することができる。あるいはまた、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、脱ブロッキングの前に分離することができる。
本発明の実施形態による混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは従来型混合物の特性と比較して向上した特性を有する。例えば、混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは血清中カルシウム濃度を少なくとも5%低下させることができる。好ましくは、抱合体の混合物は、血清中カルシウム濃度を少なくとも10%、11%、12%、13%もしくは14%低下させることができる。より好ましくは、抱合体の混合物は血清中カルシウム濃度を少なくとも15%、16%、17%、18%もしくは19%低下させることができ、そして最も好ましくは、抱合体の混合物は血清中カルシウム濃度を少なくとも20%低下させることができる。
別の実施例として、混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくはオリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤のキモトリプシンおよび/またはトリプシン各々による分解に対する抵抗性と比較して、キモトリプシンおよび/またはトリプシンによる分解に対する高い抵抗性を有する。キモトリプシンまたはトリプシンに対する抵抗性は、下記の実施例51で略述した手法に類似する手法を使用して試験される分子を適切な酵素中で消化させたときに残っている百分率に一致する。好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性より約10%大きい。より好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性より約15%大きい、そして最も好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性より約20%大きい。好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性より約10%大きい。より好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性より約20%大きい、そして、最も好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性より約30%大きい。
さらにまた別の実施例として、混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくはオリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤の生体有効性より高い生体有効性を有する。特定化合物の生体有効性は、その曲線下面積(AUC)値に一致する。好ましくは、混合物の生体有効性は、オリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤の生体有効性より約5%高い。より好ましくは、混合物の生体有効性は、オリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤の生体有効性より約10%高い。
さらに別の実施例として、混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物のインビボ活性より高いインビボ活性を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量は、例えばH.R.Allcock & F.W.Lampe,「現代高分子化学(CONTEMPORARY POLYMER CHEMISTRY)」,394−402(第2版,1991)に記載されているように、ゲル透過クロマトグラフィーのようなサイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれらに限定されない様々な方法によって測定できる。
さらに別の実施例として、混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物のインビトロ活性より高いインビトロ活性を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量はサイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれに限定されない様々な方法によって測定できる。
さらに別の実施例として、混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは混合物中の各オリゴマーが同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物のキモトリプシンおよび/またはトリプシンによる分解に対する抵抗性と比較したときに、キモトリプシンおよび/またはトリプシンによる分解に対する高い抵抗性を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれに限定されない様々な方法によって測定できる。
さらに別の実施例として、混合物中の各抱合体が同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは混合物中の各抱合体が同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物の被験体間変動より低い被験体間変動を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれに限定されない様々な方法によって測定できる。被験体間変動は、当業者には理解されるように、様々な方法によって入手できる。被験体間変動は、好ましくは次のように計算する。用量反応曲線下面積(AUC)(すなわち用量反応曲線とベースライン値との間の面積)を各被験体について決定する。全被験体についての平均AUCは、各被験体のAUCを合計し、この合計を被験体の数で割ることによって決定する。その後、被験体のAUCと平均AUCとの差の絶対値を、各被験体について決定する。入手した差の絶対値を合計して、被験体間変動を表す数値を得る。低い数値は低い被験体間変動を表し、高い数値は高い被験体間変動を表す。
本発明の実施形態による混合物中の各抱合体が同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは2つもしくは3つ以上の上記の向上した特性を有する。より好ましくは、本発明の実施形態による混合物中の各抱合体が同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、3つもしくは4つ以上の上記の向上した特性を有する。最も好ましくは、本発明の実施形態による混合物中の各抱合体が同一数のポリエチレングリコールサブユニットを有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、4つもしくは5つ以上の上記の向上した特性を有する。
本発明のさらに別の実施形態によると、各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aの構造を有する抱合体の混合物が提供される。
Figure 0004272510
式中:
Bは、結合部分であり、
Lはリンカー部分であり、
G、G’およびG”は独立して選択されたスペーサー部分であり、
Rは親油性部分およびR’はポリアルキレングリコール部分である、またはR’は親油性部分およびRはポリアルキレングリコール部分であり、
Tは末端部分であり、
j、k、mおよびnは独立して0もしくは1であり、
pは、1からカルシトニン薬剤上の求核性残基数までの整数である。
カルシトニン薬剤は、好ましくはカルシトニンである。より好ましくは、カルシトニン薬剤はサケカルシトニンである。しかしながら、カルシトニン薬剤は、例えばカルシトニン前駆体ペプチド、カルシトニン、カルシトニン類似体、カルシトニンフラグメント、およびカルシトニンフラグメント類似体を含む当業者に知られている様々なカルシトニン薬剤から選択できることが理解されなければならない。カルシトニン前駆体ペプチドには、カタカルシン(PDN−21)(C−プロカルシトニン)、およびN−プロCT(アミノ末端プロカルシトニン開裂ペプチド)、ヒトが含まれるがそれらに限定されない。カルシトニン類似体は、上記のようにカルシトニン中の1以上のアミノ酸の置換によって提供することができる。カルシトニンフラグメントには、カルシトニン1−7、ヒト;およびカルシトニン8−32、サケが含まれるがそれらに限定されない。カルシトニンフラグメント類似体は、上記のようにカルシトニンフラグメント中の1以上のアミノ酸の置換によって提供することができる。
本発明のこれらの実施形態によると、オリゴマーのポリアルキレングリコール部分は、好ましくは少なくとも2個、3個または4個のポリアルキレングリコールサブユニットを有する。より好ましくは、ポリアルキレングリコール部分は、少なくとも5個または6個のポリアルキレングリコールサブユニットを有する、そして最も好ましくは、ポリエチレングリコール部分は、少なくとも7つのポリアルキレングリコールサブユニットを有する。ポリアルキレングリコール部分は、好ましくはポリエチレングリコール部分、ポリプロピレングリコール部分、もしくはポリブチレングリコール部分のような低級ポリアルキレングリコール部分である。より好ましくは、ポリアルキレングリコール部分はポリエチレングリコール部分またはポリプロピレングリコール部分である。最も好ましくは、ポリアルキレングリコール部分はポリエチレングリコール部分である。ポリアルキレングリコール部分がポリプロピレングリコール部分である場合は、その部分は好ましくは一様な(すなわち、非ランダム)構造を有する。一様な構造を有する代表的なポリプロピレングリコール部分は次の通りである。
Figure 0004272510
この一様なポリプロピレングリコール構造は、ポリプロピレングリコール鎖中の各酸素原子に隣接する唯一のメチル置換炭素原子を有すると記載することができる。そのような一様なポリプロピレングリコール部分は、親油性および親水性の両方の特徴を示すことができ、したがって親水性ポリマー部分を使用せずに両親媒性カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体を提供する際に有用な可能性がある。さらにその上、ポリプロピレングリコール部分の第2級アルコール部分とカルシトニン薬剤とを結合することは、例えば腸内で見いだされるトリプシンおよびキモトリプシンのような酵素によって惹起される分解に対する向上した抵抗性を備えるカルシトニン薬剤(例、サケカルシトニン)を提供することができる。
本発明の実施形態による一様なポリプロピレングリコールは、好ましくはここで記載する図11〜図13に示した通りに合成する。図11に示した通りに、1,2−プロパンジオール53は第2級アルコール伸長モノマー54を提供するために第1級アルコールブロッキング試薬と反応させる。第1級アルコールブロッキング試薬は、当業者には理解されるように、例えばt−ブチルジフェニルシリルクロリドおよびt−ブチルジメチルシリルクロリドのようなシリルクロリド化合物、および例えばAc2Oのようなエステル化試薬を含むがそれらに限定されない様々な第1級アルコールブロッキング試薬であってよい。好ましくは、第1級アルコールブロッキング試薬は例えばt−ブチルジフェニルシリルクロリドもしくはt−ブチルジメチルシリルクロリドのような第2級アルコールと実質的に非反応性である第1級アルコールブロッキング試薬である。第2級アルコール伸長モノマー(54)は、第1級アルコール伸長モノマーメシレート55を提供するために、メタンスルホニルクロリド(MeSO2Cl)と反応させてもよい。
あるいはまた、第2級アルコール伸長モノマー54は、化合物56を提供するために、第2級アルコールブロッキング試薬と反応させてもよい。第2級アルコールブロッキング試薬は、当業者には理解されるように、ベンジルクロリドを含むがそれらに限定されない様々な第2級アルコールブロッキング試薬によって決定できる。化合物56は、ブロッキング部分B1を取り除き、そして第1級アルコール伸長モノマー57を提供するためにB1脱ブロッキング試薬と反応させてもよい。B1脱ブロッキング試薬は、当業者には理解されるように、様々な脱ブロッキング試薬から選択できる。第1級アルコールがエステルを形成することによってブロックされている場合は、B1脱ブロッキング試薬は例えば塩基(例、炭酸カリウム)のような脱エステル化試薬である。第1級アルコールがシリルクロリドを使用してブロックされている場合は、B1脱ブロッキング試薬は好ましくはフッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)である。第1級アルコール伸長モノマー57は、第2級アルコール伸長モノマーメシレート58を提供するために、メタンスルホニルクロリドと反応させてもよい。
第1級アルコール伸長モノマー54および第2級アルコール伸長モノマー57は次のようにキャッピングすることができる。第2級アルコール伸長モノマー54は、化合物59を提供するために、キャッピング試薬と反応させてもよい。キャッピング試薬は、当業者には理解されるように、例えばメチルクロリドのようなハロゲン化アルキルを含むがそれらに限定されない様々なキャッピング試薬であってよい。化合物59は、第1級アルコールキャッピングモノマー60を提供するために、上記のようにB1脱ブロッキング試薬と反応させてもよい。第1級アルコールキャッピングモノマー60は、第2級アルコールキャッピングモノマーメシレート61を提供するために、メタンスルホニルクロリドと反応させてもよい。第1級アルコール伸長モノマー57は、化合物62を提供するために、キャッピング試薬と反応させてもよい。キャッピング試薬は、上記のように様々なキャッピング試薬であってよい。化合物62は、ブロッキング部分B2を取り除き、そして第2級アルコールキャッピングモノマー63を提供するためにB2脱ブロッキング試薬と反応させてもよい。第B2脱ブロッキング試薬は、当業者には理解されるように、パラジウム/活性炭触媒の存在下で、H2を含むがそれに限定されない様々な脱ブロッキング試薬であってよい。第2級アルコールキャッピングモノマーは、第1級アルコールキャッピングモノマーメシレート64を提供するために、メタンスルホニルクロリドと反応させてもよい。図11に示した実施形態はキャッピングモノマーの合成を示しているが、キャッピングポリマーを提供するために類似の反応を実施できることが理解されなければならない。
一般に、鎖伸長は、様々な一様なポリプロピレン鎖を提供するために第1級アルコール伸長モノマー57のような第1級アルコール伸長モノマーもしくはポリマーと第1級アルコール伸長モノマーメシレート55のような第1級アルコール伸長モノマーもしくはポリマーメシレートとを反応させることによって、または第2級アルコール伸長モノマー54のような第2級アルコール伸長モノマーもしくはポリマーと第2級アルコール伸長モノマーメシレート58のような第2級アルコール伸長モノマーもしくはポリマーメシレートとを反応させることによって達成できる。
例えば、図13では、第1級アルコール伸長モノマーメシレート55は、ダイマー化合物65を提供するために、第1級アルコール伸長モノマー57と反応させる。あるいはまた、第2級アルコール伸長モノマーメシレート58が、ダイマー化合物65を提供するために、第2級アルコール伸長モノマー54と反応させられてもよい。ダイマー化合物65上のB1ブロッキング部分は、第1級アルコール伸長ダイマー66を提供するために、上記のようにB1脱ブロッキング試薬を使用して除去されていてもよい。第1級アルコール伸長ダイマー66は、第2級アルコール伸長ダイマーメシレート67を提供するために、メタンスルホニルクロリドと反応させてもよい。あるいはまた、ダイマー化合物65上のB2ブロッキング部分が、第2級アルコール伸長ダイマー69を提供するために、上記のようにB2脱ブロッキング試薬を使用して除去されていてもよい。第2級アルコール伸長ダイマー69は、第1級アルコール伸長ダイマーメシレート70を提供するために、メタンスルホニルクロリドと反応させてもよい。
当業者には理解されるように、鎖伸長プロセスは様々な他の鎖長を達成するために繰り返すことができる。例えば、図13に示したように、第1級アルコール伸長ダイマー66は、テトラマー化合物72を提供するために、第1級アルコール伸長ダイマーメシレート70と反応させる。図13にさらに示したように、一般鎖伸長反応スキームには、一様なポリプロピレンポリマー75を提供するために、第1級アルコール伸長モノマーもしくはポリマー73と第1級アルコール伸長モノマーもしくはポリマーメシレート74とを反応させるステップが含まれる。mおよびnの数値は、各々0〜1,000以上の範囲であってよい。好ましくは、mおよびnは各々0〜50である。図13に示した実施形態は、第1級アルコール伸長モノマーおよび/またはポリマーが第1級アルコール伸長モノマーおよび/またはポリマーメシレートと反応させられているのを示しているが、第2級アルコール伸長モノマーおよび/またはポリマーと第2級アルコール伸長モノマーおよび/またはポリマーメシレートとを使用して類似の反応を実施できることが理解されなければならない。
第1級アルコール伸長モノマーもしくはポリマーの一端または第1級アルコール伸長モノマーもしくはポリマーメシレートの一端は、キャッピングされた一様なポリプロピレン鎖を提供するために、各々第1級アルコール伸長モノマーもしくはポリマーメシレートまたは第1級アルコール伸長モノマーもしくはポリマーと反応させてもよい。例えば、図12に示したように、第1級アルコール伸長ダイマーメシレート70が、キャッピング/ブロックされた第1級アルコール伸長トリマー71を提供するために、第1級アルコールキャッピングモノマー60と反応させる。当業者には理解されるように、B1ブロッキング部分を取り除いて、結果として生じたキャッピングされた第1級アルコール伸長トリマーは、キャッピングされたトリマー71の鎖を伸長させるために第1級アルコール伸長モノマーもしくはポリマーメシレートと反応させてもよい。
第2級アルコール伸長モノマーもしくはポリマーの一端または第2級アルコール伸長モノマーもしくはポリマーメシレートの一端は、キャッピングされた一様なポリプロピレン鎖を提供するために、各々第2級アルコールキャッピングモノマーもしくはポリマーメシレートまたは第2級アルコールキャッピングモノマーもしくはポリマーと反応させてもよい。例えば、図12に示したように、第2級アルコール伸長ダイマーメシレート67が、キャッピング/ブロックされた第1級アルコール伸長トリマー68を提供するために、第2級アルコールキャッピングモノマー63と反応させる。B2ブロッキング部分を上記のように取り除いて、結果として生じたキャッピングされた第2級アルコール伸長トリマーは、キャッピングされたトリマー68の鎖を伸長させるために第2級アルコール伸長モノマーメシレートと反応させてもよい。図12に示した合成はトリマーを提供するためのダイマーとキャッピングモノマーとの反応を示しているが、一様なポリプロピレングリコール部分の合成におけるいずれかの時点にキャッピングプロセスが実施されていてもよい、あるいはまたキャッピングされていない一様なポリプロピレングリコール部分が提供されていてもよいことが理解されなければならない。図12に示した実施形態はキャッピングモノマーとの合成によるポリブチレンオリゴマーのキャッピングを示しているが、本発明のポリブチレンオリゴマーは図11において上記で記載したキャッピング試薬を使用して直接に(すなわち、キャッピングモノマーの添加を行わずに)キャッピングされていてもよいことが理解されなければならない。
本発明の実施形態による一様なポリプロピレングリコール部分は、ポリエチレングリコール部分に関して本明細書に記載したものを含むがそれらに限定されない当業者には理解されるような様々な方法によってカルシトニン薬剤、カルボン酸のような親油性部分、および/またはその他の部分に結合されていてもよい。
本発明の実施形態によると、親油性部分は、当業者には理解されるような親油性部分である。親油性部分は、好ましくは飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分枝鎖アルキル部分である、または飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分枝鎖脂肪酸部分である。親油性部分がアルキル部分である場合は、それは1〜28個の炭素原子を有する直鎖の飽和もしくは不飽和アルキル部分であるのが好ましい。より好ましくは、アルキル部分は2〜12個の炭素原子を有する。親油性部分が脂肪酸部分である場合は、それは2〜18個の炭素原子を有する直鎖の飽和もしくは不飽和である天然脂肪酸部分であるのが好ましい。より好ましくは、脂肪酸部分は3個〜14個の炭素原子を有する。最も好ましくは、脂肪酸部分は少なくとも4個、5個もしくは6個の炭素原子を有する。
本発明の実施形態によると、スペーサー部分、G、G’およびG”は、当業者には理解されるようなスペーサー部分である。スペーサー部分は、好ましくは糖、コレステロールおよびグリセリン部分からなる群から選択される。好ましくは、これらの実施形態のオリゴマーにはスペーサー部分は含まれない(すなわち、k、mおよびnは0であることが好ましい)。
本発明のこれらの実施形態によると、リンカー部分、Lは、当業者には理解されるようにオリゴマーと薬剤とを結合させるために使用することができる。リンカー部分は、好ましくはアルキルおよび脂肪酸部分からなる群から選択される。
本発明のこれらの実施形態によると、末端部分は、好ましくはアルキルもしくはアルコキシ部分であり、そしてより好ましくは低級アルキルもしくは低級アルコキシ部分である。最も好ましくは、末端部分はメチルもしくはメトキシである。末端部分は、好ましくはアルキルもしくはアルコキシ部分であるが、当業者には理解されるように、末端部分は糖、コレステロール、アルコール、および脂肪酸を含むがそれらに限定されない様々な部分であってよいと理解されなければならない。
本発明のこれらの実施形態によると、式Aの構造の括弧で囲まれた部分によって表されるオリゴマーは、カルシトニン薬剤に共有結合されている。一部の実施形態では、カルシトニン薬剤は加水分解可能な結合(例、エステル結合もしくはカーボネート結合)を利用してオリゴマーに結合されている。加水分解可能な結合は、プロドラッグとして作用するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体を提供することができる。例えば、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体が不活性である(すなわち、抱合体にはカルシトニン薬剤の主要作用機序を通して身体へ作用を及ぼす能力が欠如している)ある例では、活性薬を提供するために1以上のオリゴマーがそれらの各カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体から開裂されるように所定期間にわたってカルシトニン薬剤を投与することで、加水分解可能な結合は徐放性作用もしくは制御放出性作用を提供することができる。他の実施形態では、カルシトニン薬剤は加水分解可能でない結合(例、カルバメート結合、アミド結合、もしくはエーテル結合)を利用してオリゴマーに結合されている。加水分解可能でない結合の使用は、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体が長時間、好ましくは少なくとも2時間にわたり血流中で循環させることが所望の場合に好ましいことがある。結合部分、Bは、当業者には理解されるように、オリゴマーをカルシトニン薬剤と共有結合させるために使用できる様々な結合部分であってよい。結合部分は、好ましくは共有結合、エステル部分、カーボネート部分、カルバメート部分、アミド部分および第2級アミン部分からなる群から選択される。
変数pは、1からカルシトニン薬剤上の求核性残基数までの整数である。pが2以上であるときは、2つ以上のオリゴマー(すなわち、複数のオリゴマー)が、該薬剤に結合されている。本発明のこれらの実施形態によると、複数であるオリゴマーは同一である。複数のオリゴマーが薬剤に結合させられる場合は、1以上のオリゴマーを加水分解可能な結合により該薬剤に結合させ、そして1以上のオリゴマーを加水分解可能でない結合により該薬剤に結合させるのが好ましいことがある。あるいはまた、複数のオリゴマーを該薬剤に結合しているすべての結合が加水分解可能であってよいが、しかし、例えば1以上のオリゴマーが本体における加水分解によって該薬剤から迅速に除去され、そして1以上のオリゴマーが本体における加水分解によって該薬剤から緩徐に除去されるように、様々な程度の加水分解性を有していてもよい。カルシトニン薬剤がサケカルシトニンであるときは、pは1もしくは2であるのが好ましく、そして2であるのがより好ましい。
オリゴマーは、求核性ヒドロキシル官能基および/またはアミノ官能基を含むがそれらに限定されないカルシトニン薬剤の様々な求核性残基でカルシトニン薬剤に結合されていてもよい。カルシトニン薬剤がポリペプチドである場合は、ポリペプチドの例えばセリンおよび/またはチロシン残基で求核性ヒドロキシル官能基が見いだされ、例えばヒスチジンおよび/またはリシン残基、および/または1以上のN−末端で求核性アミノ官能基が見いだされることがある。オリゴマーがカルシトニンポリペプチドの1以上のN−末端に結合されている場合は、この結合は好ましくは第2級アミンを形成する。カルシトニン薬剤がサケカルシトニンである場合は、例えばオリゴマーはLys11、Lys18および/またはN−末端のアミノ官能基を含むサケカルシトニンのアミノ官能基に結合されていてもよい。1以上のオリゴマーがサケカルシトニンに結合されていてもよいが、オリゴマーがLys11およびLys18のアミノ官能基に結合されているジコンジュゲートされたサケカルシトニンについては、例えば向上した血清中カルシウム濃度低下能力のようなより高い生体有効性が観察される。
混合物中の各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aの構造を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、様々な方法によって合成することができる。例えば、カルボン酸およびポリエチレングリコールからなるオリゴマーの混合物は、オリゴマーの混合物を得るのに十分な条件下で、カルボン酸の混合物をポリエチレングリコールの混合物と接触させることによって合成される。混合物のオリゴマーは、その後、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体を提供するために、それらがカルシトニン薬剤と反応することができるように活性化される。各オリゴマーが同一の分子量を有し、そして式Aのオリゴマーの構造を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路の1つの実施形態は、図3に示し、下記の実施例11〜実施例18に記載した。各オリゴマーが同一の分子量を有し、そして式Aのオリゴマーの構造を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路の別の実施形態は、図4に示し、下記の実施例19〜実施例24に記載した。各オリゴマーが同一の分子量を有し、そして式Aのオリゴマーの構造を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路のまた別の実施形態は、図5に示し、下記の実施例25〜実施例29に記載した。各オリゴマーが同一の分子量を有し、そして式Aのオリゴマーの構造を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路のさらに別の実施形態は、図6に示し、下記の実施例30〜実施例31に記載した。各オリゴマーが同一の分子量を有し、そして式Aのオリゴマーの構造を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路の別の実施形態は、図7に示し、下記の実施例32〜実施例37に記載した。各オリゴマーが同一の分子量を有し、そして式Aのオリゴマーの構造を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路のまた別の実施形態は、図8に示し、下記の実施例38に記載した。各オリゴマーが同一の分子量を有し、そして式Aのオリゴマーの構造を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路のさらに別の実施形態は、図9に示し、下記の実施例39に記載した。各オリゴマーが同一の分子量を有し、そして式Aのオリゴマーの構造を有する活性化オリゴマーの混合物を提供するための合成経路の別の実施形態は、図10に示し、下記の実施例40に記載した。
各オリゴマーが同一の分子量を有し、そして式Aのオリゴマーの構造を有する活性化オリゴマーの混合物は、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を得るのに十分な条件下で、混合物中の各薬剤が同一の分子量を有するカルシトニン薬剤の混合物と反応させる。好ましい合成については、下記の実施例41に記載した。当業者には理解されるように、反応条件(例、選択されたモル比、溶媒混合物および/またはpH)は、各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aのオリゴマーの構造を有する活性化オリゴマーの混合物とカルシトニン薬剤の混合物との反応の結果として生じるカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物が、各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aの構造を有する抱合体の混合物であるように制御することができる。例えば、リシンのアミノ官能基でのコンジュゲートは、反応溶液のpHをリシンのpKa未満に維持することによって抑制することができる。あるいはまた、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、混合物中の各抱合体が同一数の分子量を有し、そして式Aの構造を有する例えばモノ抱合体、ジ抱合体、もしくはトリ抱合体のようなカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を提供するために、例えばHPLCを利用して分離および単離することができる。特定の単離された抱合体のコンジュゲートの程度(例、単離分子がモノ抱合体、ジ抱合体、もしくはトリ抱合体のいずれであるか)は、当業者には理解されるように、質量分析法を含むがそれに限定されない様々な技術を利用して決定および/または検証することができる。特定の抱合体の構造(例、オリゴマーがサケカルシトニンモノ抱合体のLys11、Lys18またはN−末端のいずれにあるか)は、当業者には理解されるように、配列解析、ペプチドマッピング、選択的な酵素分解、および/またはエンドペプチダーゼ開裂を含むがそれに限定されない様々な技術を利用して決定および/または検証することができる。
当業者には理解されるように、カルシトニン薬剤上の1以上の反応部位は、例えば、カルシトニン薬剤を例えばN−tert−ブトキシカルボニル(t−BOC)、もしくはN−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)(N−FMOC)のような適切なブロッキング試薬と反応させることによってブロックすることができる。このプロセスは、例えば、カルシトニン薬剤がポリペプチドであり、ポリペプチドのN−末端でオリゴマーを有する不飽和抱合体(すなわち、全部の求核性残基がコンジュゲートされてはいない抱合体)を形成することが所望の場合に好ましいことがある。このようなブロッキング後、ブロックされたカルシトニン薬剤の混合物は、1以上の求核性残基に結合したオリゴマーを有し、そして他の求核性残基に結合したブロッキング部分を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を提供するために、混合物中の各オリゴマーが同一の分子量を有し、そして式Aのオリゴマーの構造を有する活性化オリゴマーの混合物と反応させてもよい。コンジュゲーション反応後、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体は、当業者には理解されるように、脱ブロックすることができる。必要であれば、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、その後混合物中の各オリゴマーが同一数の分子量を有し、そして式Aの構造を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を提供するために、上記で記載したように分離することができる。あるいはまた、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、脱ブロッキングの前に分離することができる。
本発明の実施形態による混合物中の各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aの構造を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは従来型混合物の特性と比較して向上した特性を有する。例えば、混合物中の各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aの構造を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは血清中カルシウム濃度を少なくとも5%低下させることができる。好ましくは、抱合体の混合物は、血清中カルシウム濃度を少なくとも10%、11%、12%、13%もしくは14%低下させることができる。より好ましくは、抱合体の混合物は血清中カルシウム濃度を少なくとも15%、16%、17%、18%もしくは19%低下させることができ、そして最も好ましくは、抱合体の混合物は血清中カルシウム濃度を少なくとも20%低下させることができる。
別の実施例として、混合物中の各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aの構造を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくはオリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤のキモトリプシンおよび/またはトリプシン各々による分解に対する抵抗性と比較して、キモトリプシンおよび/またはトリプシンによる分解に対する高い抵抗性を有する。キモトリプシンまたはトリプシンに対する抵抗性は、下記の実施例51で略述した手法に類似する手法を使用して試験される分子を適切な酵素中で消化させたときに残っている百分率に一致する。好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性より約10%大きい。より好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性より約15%大きい、そして最も好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のキモトリプシンによる分解に対する抵抗性より約20%大きい。好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性より約10%大きい。より好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性より約20%大きい、そして、最も好ましくは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性は、オリゴマーとコンジュゲートされていないカルシトニン薬剤の混合物のトリプシンによる分解に対する抵抗性より約30%大きい。
さらにまた別の実施例として、混合物中の各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aの構造を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくはオリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤の生体有効性より高い生体有効性を有する。特定化合物の生体有効性は、その曲線下面積(AUC)値に一致する。好ましくは、混合物の生体有効性は、オリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤の生体有効性より約5%高い。より好ましくは、混合物の生体有効性は、オリゴマーに結合されていないカルシトニン薬剤の生体有効性より約10%高い。
さらに別の実施例として、混合物中の各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aの構造を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは混合物中の各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aの構造を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物のインビボ活性より高いインビボ活性を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量は、例えばH.R.Allcock & F.W.Lampe,「現代高分子化学(CONTEMPORARY POLYMER CHEMISTRY)」,394−402(第2版,1991)に記載されているようにゲル透過クロマトグラフィーのようなサイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれらに限定されない様々な方法によって測定できる。
別の実施例として、混合物中の各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aの構造を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは混合物中の各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aの構造を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物のインビトロ活性より高いインビトロ活性を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれには限定されない様々な方法によって測定できる。
さらに別の実施例として、混合物中の各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aの構造を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは混合物中の各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aの構造を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物のキモトリプシンおよび/またはトリプシンによる分解に対するキモトリプシンおよび/またはトリプシンによる分解に対する高い抵抗性を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれに限定されない様々な方法によって測定できる。
さらに別の実施例として、混合物中の各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aの構造を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは混合物中の各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aの構造を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物と同一の数平均分子量を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の多分散混合物の被験体間変動より低い被験体間変動を有する。当業者には理解されるように、混合物の数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーを含むがそれに限定されない様々な方法によって測定できる。被験体間変動は、当業者には理解されるように、様々な方法によって入手できる。被験体間変動は、好ましくは次のように計算する。用量反応曲線下面積(AUC)(すなわち用量反応曲線とベースライン値との間の面積)を各被験体について決定する。全被験体についての平均AUCは、各被験体のAUCを合計し、この合計を被験体の数で割ることによって決定する。その後、被験体のAUCと平均AUCとの差の絶対値を、各被験体について決定する。入手した差の絶対値を合計して、被験体間変動を表す数値を得る。低い数値は低い被験体間変動を表し、高い数値は高い被験体間変動を表す。
本発明の実施形態による混合物中の各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aの構造を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、好ましくは2つもしくは3つ以上の上記の向上した特性を有する。より好ましくは、本発明の実施形態による混合物中の各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aの構造を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、3つもしくは4つ以上の上記の向上した特性を有する。最も好ましくは、本発明の実施形態による混合物中の各抱合体が同一の分子量を有し、そして式Aの構造を有するカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、4つもしくは5つ以上の上記の向上した特性を有する。
本発明の実施形態による抱合体混合物を含む医薬組成物もまた提供される。上記で記載したカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、既知の技術により医薬担体に入れて投与するために調製できる。例えば、「レミントン、製薬の科学および実践、第9版、1995年(Remington,The Science And Practice of Pharmacy(9th Ed.1995))」を参照されたい。本発明の実施形態による医薬組成物の製造においては、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は典型的には、特に医薬的に許容可能な担体と混合される。担体は、医薬組成物中のあらゆる他の成分と適合するという意味において許容できなければならず、そして患者にとって有害であってはならない。担体は、固体もしくは液体、またはその両方であってよく、そして好ましくは例えば錠剤のような単位用量製剤としてのカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を用いて調製されるが、これはカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物の重量で約0.01%もしくは0.5%〜約95%もしくは99%含んでいてよい。医薬組成物は、任意で1以上の補助成分を含めて、構成成分を混合することを含むがそれに限定されない周知のいずれかの製薬技術によって調製できる。
本発明の実施形態による医薬組成物には、経口投与、直腸投与、局所投与、吸入投与(例、エーロゾルを介して)、口内(例、舌下)投与、膣投与、非経口投与(例、皮下投与、筋内投与、皮内投与、関節内投与、胸腔内投与、腹腔内投与、脳内投与、動脈内投与、もしくは静脈内投与)、局所投与(すなわち、気道表面を含む皮膚表面および粘膜表面の両方)および経皮投与が含まれるが、いずれか所定の症例において最も適切な経路は治療されている状態の性質および重症度、ならびに使用されている特定のカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物の性質に依存するであろう。
経口投与のために適切な医薬組成物は、各々が散剤もしくは顆粒剤として;水溶液もしくは非水溶液中の液剤もしくは懸濁剤として;または水中油型もしくは油中水型乳剤として規定量のカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を含有する例えばカプセル剤、カシェ剤、トローチ剤、もしくは錠剤のような個別単位で提示することができる。このような製剤は、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物と適切な担体(上記のような1以上の補助成分を含有することができる)を結び付けるステップを含むいずれか適切な製薬方法によって調製できる。一般に、本発明の実施形態による医薬組成物は、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を液体もしくは微細に粉砕した固体担体、またはその両方と一様かつ密接に混合し、そして必要であれば、結果として生じた混合物を成形することよって調製される。例えば、錠剤は、任意で1以上の補助成分と一緒に、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を含有する散剤もしくは顆粒剤を圧縮もしくは成型することによって調製できる。圧縮錠剤は、適切な機械で、任意で結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、および/または界面活性剤/分散剤と混合された散剤もしくは顆粒剤のような易流動性形にある混合物を圧縮することによって調製できる。成型錠剤は、不活性液状結合剤で湿潤させた粉末状化合物を適切な機械で成型することによって製造できる。
口内(舌下)投与のために適した医薬組成物には、通常は蔗糖およびアカシアもしくはトラガカントである風味を付けた基剤中にカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を含むトローチ剤、および例えばゼラチンおよびグリセリンもしくは蔗糖およびアカシアのような不活性基剤中にカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を含む香錠が含まれる。
非経口投与のために適切な本発明の実施形態による医薬組成物は、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物の無菌の水溶性注射液もしくは非水溶性注射液を含むが、これらの製剤は好ましくは予定されるレシピエントの血液と等張性である。これらの製剤は、組成物を予定されるレシピエントの血液と等張性にさせる抗酸化剤、緩衝液、静菌剤および溶質を含むことができる。水性および非水性の無菌懸濁液は、懸濁化剤および増粘剤を含むことができる。組成物は、例えば密封アンプルおよびバイアルのような単回投与もしくは複数回投与容器で提示することができる、そして例えば使用直前に生理食塩液もしくは注射水のような無菌液状担体の添加だけを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存することができる。即時注射液および懸濁液は、上記に記載した種類の無菌散剤、顆粒剤および錠剤から調製できる。例えば、密封容器中の単回投与形態にあるカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を含む注射可能な安定性無菌組成物を提供できる。カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物は、それを被験体に注射するために適切な液状組成物を形成するために適切な医薬的に許容可能な担体を用いて復元することのできる凍結乾燥物の形状で提供される。単位用量は、典型的には約10mg〜約10gのカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を含む。カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物が実質的に非水溶性である場合は、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を水性担体中に乳化させるために十分な量で生理学的に許容される十分量の乳化剤を使用することができる。1つのそのような有用な乳化剤はホスファチジルコリンである。
直腸投与のために適切な医薬組成物は、好ましくは単位用量座剤として提示される。これらは、カルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を例えばカカオ脂のような1以上の従来型固形担体と混合し、そしてその後結果として生じた混合物を成形することよって調製することができる。
皮膚への局所投与のために適切な医薬組成物は、好ましくは軟膏、クリーム剤、ローション剤、ペースト剤、ゲル剤、スプレー剤、エーロゾル剤もしくは油剤の形状を取る。使用できる担体には、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール、経皮吸収増強剤、およびそれらの2つもしくは3つ以上の組み合せが含まれる。
経皮的投与のために適切な医薬組成物は、長期間に渡りレシピエントの皮膚と密接な接触を維持するために適した個別のパッチとして提示することができる。経皮的投与のために適した組成物は、さらにイオントフォレーシス(例えば、「製薬学研究(Pharmaceutical Research)3(6):318(1986)」を参照)によって送達することができ、典型的にはカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物の任意緩衝水溶液の形状を取る。適切な製剤は、クエン酸もしくはbis/tris緩衝液(pH6)またはエタノール/水を含有し、さらに0.1〜0.2Mの有効成分を含有する。
有効量のこのような医薬組成物を投与することによりこのような治療を必要とする被験体における骨疾患を治療する方法もまた提供される。骨疾患は、過度の破骨細胞性骨吸収および/または高カルシウム血性血清作用を特徴とする。本発明の方法によって治療および/または予防することのできる骨疾患には、骨粗鬆症、ページェット病、および低カルシウム血症が含まれるが、それらに限定されない。
有効量のいずれかのカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物、本発明の範囲内にあるその使用は、混合物毎に、そして患者毎にいくらかは変化し、そして患者の年齢および状態ならびに送達経路のような要素に依存するであろう。このような用量は、当業者には知られている日常的な薬理学的方法によって決定できる。一般的提案として、全重量をカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物の重量に基づいて計算したときに、約0.1〜約50mg/kgは治療有効性を有するであろう。より高レベルでの毒物性に関する懸念は、全重量を有効基剤の重量に基づいて計算したときに、静脈内用量を例えば約10mg/kgまでのような低いレベルへ制限することがある。経口投与のためには約10mg/kg〜約50mg/kgまでの用量を使用できる。典型的には、筋内投与のためには約0.5mg/5mg/kgまでの用量を使用できる。投与頻度は、通常は1日当たり1、2、もしくは3回、またはその状態を管理するための必要に合わせる。あるいはまた、薬剤−オリゴマー抱合体は持続性注入によって投与されていてもよい。治療期間は、治療されている骨疾患のタイプに依存し、そして患者が生きている全期間にわたってよい。
本発明の実施形態による抱合体混合物を合成する方法もまた提供される。次の合成経路の実施形態は単分散混合物の合成に向けられているが、類似の合成経路をして本発明の実施形態による他のカルシトニン薬剤−オリゴマー抱合体の混合物を合成することができる。
ポリエチレングリコール部分を含むポリマーの実質的に単分散の混合物は次の反応1に示したように提供される。
Figure 0004272510
1はHもしくは親油性部分である。R1は、H、アルキル、アリールアルキル、芳香族部分、脂肪酸部分、脂肪酸部分のエステル、コレステリル、もしくはアダマンチルであるのが好ましい。R1は、H、低級アルキル、もしくは芳香族部分であるのがより好ましい。R1は、H、メチル、もしくはベンジルであるのが最も好ましい。
式Iでは、nは1〜25である。好ましくは、nは1〜6である。
+は陽性イオンである。好ましくは、X+は、PEG上のヒドロキシル部分をイオン化することのできる例えば強塩基のような化合物中のいずれかの陽性イオンである。陽性イオンの例には、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、セシウムイオン、およびタリウムイオンが含まれるが、それらに限定されない。
2はHもしくは親油性部分である。R2は、直鎖もしくは分枝鎖アルキル、アリールアルキル、芳香族部分、脂肪酸部分、もしくは脂肪酸部分のエステルであるのが好ましい。R2は、低級アルキル、ベンジル、1〜24個の炭素原子を有する脂肪酸部分、もしくは1〜24個の炭素原子を有する脂肪酸部分のエステルであるのがより好ましい。R2は、メチル、1〜18個の炭素原子を有する脂肪酸部分、もしくは1〜18個の炭素原子を有する脂肪酸部分のエステルであるのが最も好ましい。
式IIでは、mは1〜25である。好ましくは、mは1〜6である。
Msは、メシレート部分(すなわち、CH3S(O2)−)である。
反応式1で例示したように、式Iの構造を有する化合物の混合物は、ポリエチレングリコール部分を含み、そして式IIIの構造を有するポリマーの混合物を提供するために、式IIの構造を有する化合物の混合物と反応させる。式Iの構造を有する化合物の混合物は、実質的に単分散の混合物である。好ましくは、式Iの化合物の混合物中の化合物の少なくとも約96%、97%、98%もしくは99%が同一の分子量を有し、そしてより好ましくは、式Iの化合物の混合物は単分散混合物である。式IIの化合物の混合物は、実質的に単分散の混合物である。好ましくは、式IIの化合物の混合物中の化合物の少なくとも約96%、97%、98%もしくは99%は同一の分子量を有し、そしてより好ましくは、式IIの化合物の混合物は単分散混合物である。式IIIの化合物の混合物は、実質的に単分散の混合物である。好ましくは、式IIIの化合物の混合物中の化合物の少なくとも約96%、97%、98%もしくは99%は同一の分子量を有する。より好ましくは、式IIIの化合物の混合物は、単分散混合物である。
反応1は、約0℃〜約40℃で実施されるのが好ましく、約15℃〜約35℃で実施されるのがより好ましく、そして室温(およそ25℃)で実施されるのが最も好ましい。
反応1は、当業者には理解されるように、様々な期間にわたり実施されていてもよい。反応1は、好ましくは約0.25時間、0.5時間もしくは0.75時間および約2、4もしくは8時間にわたり実施される。
反応1は、好ましくは例えばN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルリン酸トリアミド、テトラヒドロフラン(TKF)、ジオキサン、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、ペンタン、N−メチルピロリジノン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、またはそれらの混合物を含むがそれらに限定されない非プロトン性溶媒中で実施される。より好ましくは、溶媒はDMF、DMAもしくはトルエンである。
式Iの化合物対式IIの化合物のモル比は、約1:1より大きいのが好ましい。より好ましくは、モル比は少なくとも約2:1である。過剰な式Iの化合物を提供することによって、式IIの化合物の実質的に全部が反応させられことを保証でき、これは下記のような式IIIの化合物の回収に役立つ可能性がある。
式Iの化合物は、好ましくは次の反応2に示したように調製する。
Figure 0004272510
1およびX+は上記の通りであり、そして式IVの化合物の混合物は実質的に単分散の混合物であり、好ましくは、式IVの化合物の混合物中の化合物の少なくとも約96%、97%、98%もしくは99%は同一の分子量を有する。より好ましくは、式IVの化合物の混合物は、単分散混合物である。
式IVの化合物のPEG部分上のヒドロキシル部分をイオン化できる様々な化合物は、当業者には理解されるであろう。ヒドロキシル部分をイオン化できる化合物は、強塩基であるのが好ましい。より好ましくは、ヒドロキシル部分をイオン化できる化合物は、水素化ナトリウム、水素化カリウム、t−ナトリウムブトキシド、t−カリウムブトキシド、ブチルリチウム(BuLi)、およびリチウムジイソプロピルアミンからなる群から選択される。ヒドロキシル部分をイオン化できる化合物は、水素化ナトリウムであるのがより好ましい。
式IVの化合物のPEG部分上のヒドロキシル部分をイオン化できる化合物対式IVの化合物のモル比は、少なくとも約1:1であるのが好ましく、そして少なくとも約2:1であるのがより好ましい。過剰なヒドロキシル部分をイオン化できる化合物を提供することによって、式Iの化合物を提供するために式IVの化合物の実質的に全部が反応させることが保証される。したがって、式IVの化合物および式Iの化合物の両方が反応生成物混合物中に存在する場合に発生する可能性がある分離の困難は回避できる。
反応2は、約0℃〜約40℃で実施されるのが好ましく、約0℃〜約35℃で実施されるのがより好ましく、そして約0℃〜室温(およそ25℃)で実施されるのが最も好ましい。
反応2は、当業者には理解されるように、様々な期間にわたり実施されていてもよい。反応2は、好ましくは約0.25、0.5もしくは0.75時間および約2、4もしくは8時間にわたり実施される。
反応2は、好ましくは例えばN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルリン酸トリアミド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、ペンタン、N−メチルピロリジノン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、もしくはそれらの混合物を含むがそれらに限定されない非プロトン性溶媒中で実施される。より好ましくは、溶媒はDMF、ジクロロメタンもしくはトルエンである。
式IIの化合物は、好ましくは次の反応3に示したように調製する。
Figure 0004272510
2およびMsは上記の通りであり、そして式Vの化合物は式Vの化合物の実質的に単分散の混合物として提示される。好ましくは、式Vの化合物の混合物中の化合物の少なくとも約96、97、98もしくは99%は同一の分子量を有する。および、より好ましくは、式Vの化合物の混合物は、単分散混合物である。
Qはハロゲン化物、好ましくは塩化物もしくはフッ化物である。
CH3S(O2)Qは、ハロゲン化メタンスルホニルである。ハロゲン化メタンスルホニルは、塩化メタンスルホニルもしくはフッ化メタンスルホニルであるのが好ましい。より好ましくは、ハロゲン化メタンスルホニルは塩化メタンスルホニルである。
ハロゲン化メタンスルホニル対式Vの化合物のモル比は、好ましくは約1:1であり、そしてより好ましくは少なくとも約2:1である。過剰なハロゲン化メタンスルホニルを提供することによって、式IIの化合物を提供するために式Vの化合物の実質的に全部が反応させることが保証される。したがって、式Vの化合物および式IIの化合物の両方が反応生成物混合物中に存在する場合に発生する可能性がある分離の困難は回避できる。
反応3は、約−10℃〜約40℃で実施されるのが好ましく、約0℃〜約35℃で実施されるのがより好ましく、そして0℃〜室温(およそ25℃)で実施されるのが最も好ましい。
反応3は、当業者には理解されるように、様々な期間にわたり実施されていてもよい。反応3は、好ましくは約0.25時間、0.5時間もしくは0.75時間および約2、4時間もしくは8時間にわたり実施される。
反応3は、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノ−n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、モノシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、もしくはそれらの混合物を含むがそれらに限定されない脂肪族アミンの存在下で実施されるのが好ましい。より好ましくは、脂肪族アミンはトリエチルアミンのような第3級アミンである。
当業者には理解されるように、様々な式Vの化合物の実質的に単分散の混合物は市販で入手できる。例えばR2はHもしくはメチルであるとき、式Vの化合物は、ウィスコンシン州ミルウォーキー所在のアルドリッチ(Aldrich)社;スイスのフルカ(Fluka)社、および/またはオレゴン州ポートランド所在のTCIアメリカ社から市販で入手できる各々PEGもしくはmPEG化合物である。
2が例えば高級アルキル、脂肪酸、脂肪酸部分のエステル、コレステリル、もしくはアダマンチルのような親油性部分である場合は、式Vの化合物は当業者には理解されるような様々な方法によって提供できる。式Vの化合物は、好ましくは次のように提供される。
Figure 0004272510
Figure 0004272510
2は、親油性部分であり、好ましくは高級アルキル、脂肪酸エステル、コレステリル、もしくはアダマンチルであり、より好ましくは脂肪酸の低級アルキルエステルであり、そして最も好ましくは1〜18個の炭素原子を有する脂肪酸のエチルエステルである。
3は、当業者には理解されるように、H、ベンジル、トリチル、テトラヒドロピラン、もしくはその他のアルコール保護基である。
2 +は、X+に関して上記に記載したように陽性イオンである。
mの数値は上記に記載した通りである。
反応4に関して、式VIの化合物の混合物は、反応1を参照しながら記載した条件に類似する反応条件下で、式VIIの化合物の混合物と反応させる。式VIの化合物の混合物は、実質的に単分散の混合物である。好ましくは、式VIの化合物の混合物中の化合物の少なくとも約96%、97%、98%もしくは99%は同一の分子量を有する。より好ましくは、式VIの化合物の混合物は、単分散混合物である。式VIIの化合物の混合物は、実質的に単分散の混合物である。好ましくは、式VIの化合物の混合物中の化合物の少なくとも約96%、97%、98%もしくは99%は同一の分子量を有する。より好ましくは、式VIIの化合物の混合物は、単分散混合物である。
反応5に関して、式VIIIの化合物は、当業者には理解されるように様々な方法によってR3部分をアルコールへ転換させるために加水分解することができる。R3がベンジルもしくはトリチルである場合、加水分解は、当業者に理解されるようにパラジウム炭触媒の存在下でH2を利用して実施されるのが好ましい。当然ながら、R3がHである場合、反応5は不要である。
式VIの化合物は市販で入手できる、または反応3を参照しながら上記で記載した通りに提供できる。式VIIの化合物は、反応2を参照しながら上記で記載した通りに提供できる。
PEG部分を含み、上記の式IIIの構造を有するポリマーの実質的に単分散の混合物は、PEG鎖を伸長させるためにPEG部分を含む他の実質的に単分散の混合物とさらに反応させることができる。例えば、次のスキームを使用できる。
Figure 0004272510
Figure 0004272510
Ms、mおよびnは反応1を参照しながら上記に記載した通りであり、pはnおよびmに類似する、そしてX2 +は、反応1を参照しながら上記に記載した通りにX+に類似する。Qは、反応3を参照しながら上記に記載した通りである。R2は、反応1を参照しながら上記に記載した通りであり、好ましくは低級アルキルである。R1はHである。反応6は、反応3を参照しながら上記に記載した方法に類似する方法で実施される。反応7は、反応1を参照しながら上記に記載した方法に類似する方法で実施される。好ましくは、式IIIの化合物の混合物中の化合物の少なくとも約96%、97%、98%もしくは99%が同一の分子量を有し、そしてより好ましくは、式IIIの化合物の混合物は単分散混合物である。式Xの化合物の混合物は、実質的に単分散の混合物である。好ましくは、式Xの化合物の混合物中の化合物の少なくとも約96%、97%、98%もしくは99%は同一の分子量を有し、そしてより好ましくは、式Xの化合物の混合物は単分散混合物である。
本発明の実施形態によるプロセスは図1に示したスキームにより例示したが、それについてこれから説明する。実質的単分散ポリエチレングリコール含有オリゴマーの合成は、実質的単分散ポリエチレングリコールのモノベンジルエーテル(1)の調製から開始する。過剰の市販で入手できる実質的単分散ポリエチレングリコールを、Coudertら(Synthetic Communications,16(1):19−26(1986))に記載された通りに水酸化ナトリウム水溶液の存在下で塩化ベンジルと反応させる。その後NaHの添加によって1のナトリウム塩を調製し、そしてこのナトリウム塩はヒドロキシアルカノール酸のエステル(2)から合成されたメシレートと反応させる。メシレートの置換の生成物(3)は、アルコール(4)を入手するために接触水素添加を介して脱ベンジル化される。このアルコールのメシレート(5)は、塩化メタンスルホニルの添加によって調製でき、実質的に単分散のポリエチレングリコール誘導体のモノメチルエーテルのナトリウム塩との反応において求電子物質として使用でき、それによって伸長したエステル(6)を入手するために、オリゴマーのポリエチレングリコール部分が所望の長さへ伸長させられる。このエステルは塩基水溶液中の酸(7)へ加水分解させて、カルボジイミドおよびN−ヒドロキシスクシンイミドとの反応によって活性化エステル(8)へ転換させることができる。図1に示したオリゴマーはN−ヒドロキシスクシンイミドを用いて活性化させられるが、本発明のオリゴマーを活性化させるためには、例えばパラ−ニトロフェニルクロロホルメート、フェニルクロロホルメート、3,4−フェニルジクロロホルメート、および3,4−フェニルジクロロホルメートのような活性フェニルクロロホルメート;トレシル化(tresylation);およびアセタール形成を含むがそれらに限定されない様々な他の試薬を使用できることが理解されなければならない。
さらに図1を参照すると、qは1〜24である。好ましくは、qは1〜18であり、そしてqはより好ましくは4〜16である。R4は、カルボン酸を提供するために加水分解を受けることのできる部分であり、R4は、低級アルキルであるのが好ましく、そしてエチルであるのがより好ましい。変数nおよびmは、反応1を参照しながら上記に記載した通りである。
本明細書に記載した方法で使用したすべての出発原料は、市販で入手できる、または市販で入手できる出発原料を使用して当分野で知られている方法によって調製できる。
ここで、本発明を以下の実施例を参照しながら説明する。これらの実施例は本発明の態様を例示するためのものであり、請求項によって規定された本発明の範囲を限定しないと解釈されなければならない。
[実施例]
[実施例1〜10]
実施例1〜10における反応は、他に特に明記していない限り、マグネチックスターラーを使用して窒素下で実施した。「ワークアップ(Work−up)」とは、有機溶媒を用いての抽出、飽和NaCl溶液を用いての有機相の洗浄、乾燥(MgSO4)、および蒸発(ロータリー・エバポレーター)を意味する。薄層クロマトグラフィーは、シリカゲル60°F―254が事前に塗布されたメルク(Merck)社製ガラスプレートを用いて実施し、ヨウ素蒸気によりスポットを可視化した。すべての質量スペクトルは、コロラド州所在のコロラド州立大学高分子資源(Macromolecular Resources)によって測定され、m/z、(相対強度)の大きさで報告された。元素分析および融点測定は、テネシー州ノックスビル所在のガルブレイス・ラボラトリーズ(Galbraith Laboratories)社によって実施された。実施例1〜実施例10は、図2に示したスキームを参照する。
[8−メトキシ−l−(メチルスルホニル)オキシ−3,6−ジオキサオクタン(9)]
無水ジクロロメタン(50mL)中の非多分散トリエチレングリコールモノメチルエーテル分子(4.00mL,4.19g,25.5mmol)およびトリエチルアミン(426mL,3.09g,30.6mmol)の溶液を氷浴中で冷却し、窒素雰囲気下に置いた。無水ジクロロメタン(20mL)中の塩化メタンスルホニル(2.37mL,3.51g,30.6mmol)の溶液を添加用漏斗から滴下法で加えた。塩化物添加の完了10分後、この反応混合液を氷浴から取り出し、室温になるのに任せた。この混合液をさらに1時間撹拌したが、その時点でTLC(溶出剤として15%のMeOHを含むCHCl3)でトリエチレングリコールモノメチルエーテルの残留は証明されなかった。
この反応混合液を別のジクロロメタン75mLを用いて希釈し、飽和NaHCO3、水および食塩液を用いて連続的に洗浄した。この有機相をNaHSO4の上方を通して乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して透明油として化合物9の非多分散混合物(5.31g,86%)を得た。
[エチレングリコールモノメチルエーテル(10)(m=4,5,6)]
無水DMF(25.7mL)中の非多分散化合物11(35.7mmol)の撹拌溶液に、N2雰囲気下で鉱油中のNaHの60%分散液を少しずつ加え、そしてこの混合物を室温で1時間撹拌した。この塩12に無水DMF(4mL)中の非多分散メシレート9(23.36)の溶液を1部分で加え、この混合液を室温で3.5時間撹拌した。反応の進行は、TLC(12% CH3OH−CHCl3)によって監視した。この反応混合液を等量の1NのHClを用いて希釈し、そして酢酸エチル(2×20mL)を用いて抽出して廃棄した。水溶液の抽出およびワークアップにより、非多分散ポリマー10が得られた(収率82〜84%)。
[3,6,9,12,15,18,21−ヘプタオキサドコサノール(10)(m=4)]
油;Rf 0.46(メタノール:クロロホルム=3:22);MS m/z C15328に対する計算値340.21(M++l)、実測値341.2。
[3,6,9,12,15,18,21,24−オクタオキサペンタコサノール(10)(m=5)]
油;Rf 0.43(メタノール:クロロホルム=6:10);MS m/z C17369に対する計算値384.24(M++l)、実測値385.3。
[3,6,9,12,15,18,21,24,27−ノナオキサオクタコサノール(10)(m=6)]
油;Rf 0.42(メタノール:クロロホルム=6:10);MS m/z C194010に対する計算値428.26(M++l)、実測値429.3。
[20−メトキシ−l−(メチルスルホニル)オキシ−3,6,12,15,18−ヘキサオキサエイコサン(14)]
非多分散化合物14は、9について記載した通りにアルコール13(m=4)および塩化メタンスルホニルから油として定量的収率で入手した;Rf 0.4(酢酸エチル:アセトニトリル=1:5);MS m/z C173710に対する計算値433.21(M++l)、実測値433.469。
[エチレングリコールモノメチルエーテル(15)(m=3,4,5)]
非単分散化合物15は、化合物10について上記に記載した方法を使用することによりジオールから調製した。
[3,6,9,12,15,18,21,24,27,30−デカオキサヘンエイコサノール(15)(m=3)]
油;Rf 0.41(メタノール:クロロホルム=6:10);MS m/z C214411に対する計算値472.29(M++l)、実測値472.29。
[3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンエカオキサテトラトリコサノール(15)(m=4)]
油;Rf 0.41(メタノール:クロロホルム=6:10);MS m/z C234812に対する計算値516.31(M++l)、実測値516.31。
[3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33,36−ドデカオキサヘプタトリコサノール(15)(m=5)]
油;Rf 0.41(メタノール:クロロホルム=6:10);MS m/z C255213に対する計算値560.67(M++l)、実測値560.67。
実施例11〜実施例18は、図3に示したスキームを参照する。
[ヘキサエチレングリコールモノベンジルエーテル(16)]
4mLの水に3.99g(100mmol)のNaOHを溶解させることで調製した水酸化ナトリウム水溶液を非多分散ヘキサエチレングリコール(28.175g,25mL,100mmol)へ緩徐に加えた。塩化ベンジル(3.9g,30.8mmol,3.54mL)を加え、この反応混合液を撹拌しながら100℃へ18時間加熱した。その後、この反応混合液を冷却し、食塩水(250mL)を用いて希釈し、そして塩化メチレンを用いて抽出した(200mL×2)。結合した有機層を食塩液により1回洗浄し、Na2SO4の上方を通して乾燥させ、そして真空中で暗褐色油へ濃縮した。粗生成物混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶離:酢酸エチレンから9/1酢酸エチル/メタノール)により精製すると、黄色油として8.099g(70%)の非単分散化合物16が産生した。
[エチル6−メチルスルホニルオキシヘキサノエート(17)]
無水ジクロロメタン(75mL)中の非多分散エチル6−ヒドロキシヘキサノエート(50.76mL,50.41g,227mmol)の溶液を氷浴中で冷却し、窒素雰囲気下に置いた。トリエチルアミン(34.43mL,24.99g,247mmol)を加えた。無水ジクロロメタン(75mL)中の塩化メタンスルホニル(19.15mL,28.3g,247mmol)の溶液を添加用漏斗から滴下法で加えた。この混合液を3時間半撹拌し、氷浴が溶けるにしたがって緩徐に室温になるに任せた。この混合液をシリカゲルに通して濾過し、そして濾液を水、飽和NaHCO3、水および食塩液を用いて連続的に洗浄した。Na2SO4の上方を通して有機相を乾燥させ、濾過し、そして真空中で浅黄色油へ濃縮した。粗生成物の最終精製は、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、1/1のヘキサン/酢酸エチル)により達成し、透明な無色油として非単分散生成物(46.13g,85%)を得た。FAB MS:m/e 239(M+H),193(M−C25O)。
[6−{2−[2−(2−{2−[2−(2−ベンジルオキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−ヘキサン酸エチルエステル(18)]
水素化ナトリウム(3.225gもしくは60%油分散液,80.6mmol)を80mLの無水トルエン中に懸濁させ、窒素雰囲気下に置き、そして氷浴中で冷却した。80mLの無水トルエン中の非多分散アルコール16(27.3g,73.3mmol)の溶液をNaH懸濁液に加えた。この混合液を0℃で30分間撹拌し、室温になるに任せ、さらに5時間撹拌したところ、その時間内に混合物は透明褐色溶液になった。80mLの無水トルエン中の非多分散メシレート17(19.21g,80.6mmol)をNaH/アルコール混合液に加え、そして結合した溶液を室温で3日間撹拌した。この反応混合液を50mLのメタノールを用いて急冷し、塩基性アルミナを通して濾過した。この濾液を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶離:3/1酢酸エチレン/ヘキサンから酢酸エチル)により精製すると、浅黄色油として非単分散生成物(16.52g,44%)が産生した。FAB MS:m/e 515(M+H)。
[6−{2−[2−(2−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−ヘキサン酸エチルエステル(19)]
非多分散ベンジルエーテル18(1.03g,2.0mmol)を25mLのエタノール中へ溶解させた。この溶液に270mgの10%のPd/Cを加え、この混合液を水素雰囲気下に置き、4時間攪拌したところ、その時点でTLCは出発原料の完全な消失を示した。この反応混合液をセライト(Celite)545に通して濾過して触媒を除去し、そして濾液を真空中で濃縮すると透明油として非多分散の標題化合物(0.67g,79%)が産生した。FAB MS:m/e 425(M+H),447(M+Na)。
[6−{2−[2−(2−{2−[2−(2−メチルスルホニルエトキシ)エトキシ]エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−ヘキサン酸エチルエステル(20)]
非多分散アルコール19(0.835g,1.97mmol)を35mLの無水ジクロロメタン中に溶解させ、窒素雰囲気下に置いた。トリエチルアミン(0.301mL,0.219g,2.16mmol)を加え、この混合液を氷浴中で冷却した。2分間後、塩化メタンスルホニル(0.16mL,0.248g,2.16mmol)を加えた。この混合液を0℃で15分間、その後室温で2時間攪拌した。この反応混合液をシリカゲルに通して濾過して塩化トリエチルアンモニウムを除去し、そして濾液を水、飽和NaHCO3、水および食塩液を用いて連続的に洗浄した。有機相をNa2SO4の上方を通して乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、9/1酢酸エチル/メタノール)により精製して、透明油として非多分散化合物20(0.819g,83%)を得た。FAB MS:m/e 503(M+H)。
[6−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)ヘキサン酸エチルエステル(21)]
NaH(88mgの60%油中分散液,2.2mmol)をN2雰囲気下で無水トルエン(3mL)中に懸濁させ、0℃へ冷却した。トルエンを用いた共沸蒸留を介して乾燥させた非多分散ジエチレングリコールモノメチルエーテル(0.26mL,026g,22mmol)を加えた。この反応混合液が室温に加温するに任せ、4時間攪拌したところ、その間に濁った灰色の懸濁液は透明な黄色になり、その後褐色に変色した。2.5mLの無水トルエン中のメシレート20(0.50g,1.0mmol)を加えた。室温で一晩攪拌した後、2mLのメタノールを添加することによりこの反応液を急冷し、結果として生じた溶液をシリカゲルに通して濾過した。濾液を真空中で濃縮した。FAB MS:m/e 499(M+H),521(M+Na)。予備クロマトグラフィー(シリカゲル、19/3クロロホルム/メタノール)による追加の精製で、透明黄色油として非多分散生成物(0.302g,57%)が得られた。FAB MS:m/e 527(M+H),549(M+Na)。
[6−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)ヘキサン酸(22)]
非多分散エステル21(0.25g,0.46mmol)を0.71mLの1NのNaOH中で18時間攪拌した。18時間後、この混合液を真空中で濃縮してアルコールを除去し、残留物をさらに10mLの水に溶解させた。2NのHClを用いてこの水溶液をpH2へ酸性化させ、その生成物をジクロロメタン中で抽出した(30mLx2)。その後、結合した有機相は食塩液を用いて洗浄し(25mL×2)、Na2SO4の上方を通して乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮すると黄色油として非多分散の標題化合物(0.147g,62%)が産生した。FAB MS:m/e 499(M+H),521(M+Na)。
[6−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)ヘキサン酸2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イル−エステル(23)]
非多分散酸22(0.209g,0.42mmol)を4mLの無水ジクロロメタン中に溶解させ、既にNHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)(57.8mg,0.502mmol)およびEDC(l−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド)(98.0mg,0.502mmol)を含有する乾燥したフラスコにN2雰囲気下で加えた。この溶液を室温で一晩攪拌し、シリカゲルに通して濾過して過剰な試薬およびEDCから形成された尿素を除去した。この濾液を真空中で濃縮すると暗黄色油(0.235g,94%)として非多分散生成物が得られた。FAB MS:m/e 596(M+H),618(M+Na)。
実施例19〜実施例24は、図4に示したスキームを参照する。
[トリエチレングリコールモノメチルエーテルのメシレート(24)]
氷浴中で0℃に冷却したCH2Cl2(100mL)の溶液に非多分散トリエチレングリコールモノメチルエーテル(25g,0.15mol)を加えた。その後、トリエチルアミン(29.5mL,0.22mol)を加え、この溶液を0℃で15分間攪拌し、この後に滴下法で塩化メタンスルホニル(13.8mL,0.18mol,20mLのCH2Cl2に溶解させた)を加えた。この反応混合液を0℃で30分間攪拌し、室温へ加温するに任せ、その後2時間攪拌した。この粗反応混合液をセライトに通して濾過し(〜200mLのCH2Cl2で洗浄した)、その後H2O(300mL)、5%のNaHCO3(300mL)、H2O(300mL)、飽和NaCl(300mL)を用いて洗浄し、MgSO4の上方を通して乾燥させ、乾燥するまで蒸発させた。この油を、その後乾燥を保証するために〜2時間、真空ライン上に置き、黄色油として非多分散の標題化合物(29.15g,収率80%)を得た。
[ヘプタエチレングリコールモノメチルエーテル(25)]
THF(1L)中の非多分散テトラエチレングリコール(51.5g,0.27mol)の溶液へt−カリウムブトキシド(14.8g,0.13mol,30分間にわたり少しずつ)を加えた。この反応混合液を1時間攪拌し、その後THF(90mL)中に溶解させた24(29.15g,0.12mol)を滴下法で加え、この反応混合液を一晩攪拌した。粗反応混合液をセライトに通して濾過し(〜200mLのCH2Cl2で洗浄した)、乾燥するまで蒸発させた。この油をその後HCl(250mL,1N)中に溶解させ、過剰な24を除去するために酢酸エチル(250mL)を用いて洗浄した。残っている24を除去するために、酢酸エチル(125mL)による追加の洗浄が必要になることがある。25の大部分が水性相から除去されるまで、CH2Cl2(容量125mL)を用いて水性相を繰り返し洗浄した。初回抽出では24、25および二重結合副生成物を含むであろうから、HCl(125mL,1N)を用いて逆抽出しなければならない。有機層を結合し、乾燥するまで蒸発させた。生じた油をその後CH2Cl2(100mL)中に溶解させ、25が除去されるまでH2O(容量、50mL)を用いて繰り返し洗浄した。総容量が500mLになるように水性フラクションを結合し、この溶液が濁るまでNaClを加え、その後CH2Cl2(2×500mL)を用いて洗浄した。有機層を結合し、MgSO4で乾燥させ、乾燥するまで蒸発させると、油として非多分散の標題化合物(16.9g,収率41%)が得られた。高純度を保証するために1以上の精製ステップを繰り返すのが望ましいことがある。
[8−ブロモオクタネート(Bromooctoanate)(26)]
エタノール(100mL)中の8−ブロモオクタン酸(5.0g,22mmol)の溶液にH2SO4(0.36mL,7.5mmol)を加え、この反応液を加熱して攪拌しながら3時間環流させた。この粗反応混合液を室温へ冷却し、H2O(100mL)、飽和NaHCO3(2×100mL)、H2O(100mL)を用いて洗浄し、MgSO4で乾燥させ、乾燥するまで蒸発させると、透明油(5.5g,収率98%)が得られた。
[MPEG7−C8エステル(27)の合成]
エーテル(90mL)中の非多分散化合物25(3.0g,8.8mmol)の溶液にt−カリウムブトキシド(1.2g,9.6mmol)を加え、この反応混合液を1時間攪拌した。その後、エーテル(10mL)中に溶解させた非多分散化合物26(2.4g,9.6mmol)を滴下法で加え、この反応混合液を一晩攪拌した。粗反応混合液をセライトに通して濾過し(〜200mLのCH2Cl2で洗浄した)、乾燥するまで蒸発させた。生じた油を酢酸エチル中に溶解させ、H2Oで洗浄し(2×200mL)、MgSO4で乾燥させ、乾燥するまで蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル対酢酸エチル/メタノール、10:1)を実施して、透明油として非多分散の標題化合物(0.843g,収率19%)を得た。
[MPEG7−C8酸(28)]
非多分散化合物27の油(0.70g,1.4mmol)へ1NのNaOH(2.0mL)を加え、この反応混合液を4時間攪拌した。この粗反応混合液を濃縮し、酸性化し(pH〜2)、NaClを用いて飽和させ、そしてCH2Cl2(2×50mL)を用いて洗浄した。有機層を結合し、NaClを用いて飽和させ、MgSO4で乾燥させ、乾燥するまで蒸発させると、透明油として非多分散の標題化合物(0.35g,収率53%)が得られた。
[MPEG7−C8酸(29)の活性化]
非多分散mPEG7−C8酸(28)(0.3lg,0.64mmol)を3mLの無水塩化メチレン中に溶解させ、無水塩化メチレン中のN−ヒドロキシスクシンイミド(0.079g,0.69mmol)およびEDCI−HCl(135.6mg,0.71mmol)の溶液を加えた。この反応液を数時間攪拌し、その後1NのHCl、水を用いて洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過して濃縮した。粗物質をカラムクロマトグラフィーにより精製し、濃縮すると透明油として非多分散の標題化合物が得られたので、これを真空により乾燥させた。
実施例25〜実施例29は、図5に示したスキームを参照する。
[10−ヒドロキシデカノエート(30)]
エタノール(100mL)中の非多分散10−ヒドロキシデカン酸(5.0g,26.5mmol)の溶液にH2SO4(0.43mL,8.8mmol)を加え、この反応液を加熱して攪拌しながら3時間還流させた。この粗反応混合液を室温へ冷却し、H2O(100mL)、飽和NaHCO3(2×100mL)、H2O(100mL)を用いて洗浄し、MgSO4で乾燥させ、乾燥するまで蒸発させると、透明油として非多分散の標題化合物(6.9g,収率98%)が得られた。
[10−ヒドロキシデカノエートのメシレート(31)]
CH2Cl2(27mL)の溶液に非多分散10−ヒドロキシデカノエート30(5.6g,26mmol)を加え、氷浴中で0℃に冷却した。その後トリエチルアミン(5mL,37mmol)を加え、この反応混合液を0℃で15分間攪拌した。CH2Cl2(3mL)中に溶解させた塩化メタンスルホニル(2.7mL,24mmol)を加え、この反応混合液を0℃で30分間攪拌し、氷浴を取り除き、この反応液をさらに2時間、室温で攪拌した。この粗反応混合液をセライトに通して濾過(CH2Cl2、80mLを用いて洗浄)し、濾液をH2O(100mL)、5%のNaHCO3(2×100mL)、H2O(100mL)、飽和NaCl(100mL)を用いて洗浄し、MgSO4で乾燥させ、乾燥するまで蒸発させると黄色油として非多分散の標題化合物(7.42g,収率97%)が得られた。
[MPEG7−C10エステル(32)]
テトラヒドロフラン(100mL)中の非多分散ヘプタエチレングリコールモノメチルエーテル25(2.5g,7.3mmol)の溶液に水素化ナトリウム(0.194g,8.1mmol)を加え、この反応混合液を1時間攪拌した。その後、テトラヒドロフラン(10mL)中に溶解させた非多分散10−ヒドロキシデカノエートのメシレート31(2.4g,8.1mmol)を滴下法で加え、この反応混合液を一晩攪拌した。粗反応混合液をセライトに通して濾過し(〜200mLのCH2Cl2で洗浄した)、乾燥するまで蒸発させた。生じた油を酢酸エチル中に溶解させ、H2O(2×200mL)を用いて洗浄し、MgSO4で乾燥させ、乾燥するまで蒸発させ、クロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/メタノール、10:1)にかけ、そしてさらにクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル)にかけると透明油として非多分散の標題化合物(0.570g,収率15%)が得られた。
[MPEG7−C10酸(33)]
非多分散のmPEG7−C10エステル32の油(0.570g,1.1mmol)へ1NのNaOH(1.6mL)を加え、この反応混合液を一晩攪拌した。この粗反応混合液を濃縮し、酸性化し(pH〜2)、NaClを用いて飽和させ、そしてCH2Cl2(2×50mL)を用いて洗浄した。有機層を結合し、NaCl(2×50mL)を用いて飽和させ、MgSO4で乾燥させ、乾燥するまで蒸発させると、透明油として非多分散の標題化合物(0.340g,収率62%)が得られた。
[MPEG7−C10酸(34)の活性化]
非多分散酸33は実施例24で記載した方法に類似する方法を使用して活性化した。
実施例30および実施例31は、図6に示したスキームを参照する。
[C18(PEG6)オリゴマー(36)の合成]
非多分散塩化ステアロイル(0.7g,2.31mmol)をベンゼン中のPEG6(5g,17.7mmol)およびピリジン(0.97g,12.4mmol)の混合液へ緩徐に加えた。この反応混合液を数時間(〜5)攪拌した。この反応の後に展開溶媒として酢酸エチル/メタノールを使用するTLCを実施した。その後、この反応液を水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濃縮して真空により乾燥させた。精製した非多分散化合物36をFAB MSにより解析した。m/e 549/M+H。
[C18(PEG6)オリゴマーの活性化]
非多分散C18(PEG6)の活性化は次の2段階で実施した。
1)非多分散ステアロイル−PEG6 36(0.8g,1.46mmol)をトルエン中に溶解させ、ホスゲン液(10mL,トルエン中で20%)に加え、これを氷浴を用いて冷却した。この反応混合液を0℃で1時間攪拌し、その後室温で3時間攪拌した。蒸留によりホスゲンおよびトルエンを除去し、残っている非多分散ステアロイルPEG6クロロホルメート37をP25で一晩乾燥させた。
2)無水塩化メチレン中の非多分散ステアロイルPEG6クロロホルメート36(0.78g,1.27mmol)およびTEA(128mg,127mmol)の溶液に、塩化メチレン中のN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)溶液を加えた。この反応混合液を16時間攪拌し、水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過紙、濃縮し、真空で乾燥させると非多分散活性化C18(PEG6)オリゴマー38が得られた。
実施例32〜実施例37は、図7に示したスキームを参照する。
[テトラエチレングリコールモノベンジルエーテル(39)]
非多分散テトラエチレングリコールの油(19.4g,0.10mol)にNaOH(4.0mL中の4.0g)の溶液を加え、この反応液を15分間攪拌した。塩化ベンジル(3.54mL,30.8mmol)を加え、この反応混合液を100℃へ加熱し、一晩攪拌した。この反応混合液を室温へ冷却させ、飽和NaCl(250mL)を用いて希釈し、そしてCH2Cl2(2×200mL)を用いて洗浄した。有機層を結合し、飽和NaClを用いて洗浄し、MgSO4で乾燥させ、クロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル)にかけると、黄色油として非多分散の標題化合物(6.21g,収率71%)が得られた。
[テトラエチレングリコールモノベンジルエーテルのメシレート(40)]
CH2Cl2(20mL)の溶液に非多分散テトラエチレングリコールモノベンジルエーテル39(6.21g,22mmol)を加え、氷浴中で0℃に冷却した。その後トリエチルアミン(3.2mL,24mmol)を加え、この反応混合液を0℃で15分間攪拌した。その後CH2Cl2(2mL)中に溶解させた塩化メタンスルホニル(1.7mL,24mmol)を加え、この反応混合液を0℃で30分間攪拌し、氷浴を取り除き、この反応液をさらに2時間、室温で攪拌した。この粗反応混合液をセライトに通して濾過(80mLのCH2Cl2で洗浄)し、濾液を水(100mL)、5%のNaHCO3(2×100mL)、H2O(100mL)、飽和NaCl(100mL)を用いて洗浄し、MgSO4で乾燥させた。生じた黄色油を活性炭(10g)を含有するシリカのパッド上でクロマトグラフィーにかけると、透明油として非多分散の標題化合物(7.10g,収率89%)が得られた。
[オクタエチレングリコールモノベンジルエーテル(41)]
水素化ナトリウム(0.43g,18mmol)を含有するテトラヒドロフラン(140mL)の溶液に、テトラヒドロフラン(10mL)中の非多分散テトラエチレングリコール(3.5g,18mmol)の溶液を滴下法で加え、その反応混合液を1時間攪拌した。その後、テトラヒドロフラン(10mL)中に溶解させた非多分散テトラエチレングリコールモノベンジルエーテル40のメシレート(6.0g,16.5mmol)を滴下法で加え、この反応混合液を一晩攪拌した。粗反応混合液をセライトを通して濾過(250mLのCH2Cl2で洗浄)し、濾液をH2Oで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、乾燥するまで蒸発させた。結果として生じた油はクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/メタノール、10:1)にかけ、さらにクロマトグラフィー(シリカ、クロロホルム/メタノール、25:1)を実施して、透明油として非多分散の標題化合物(2.62g,収率34%)を得た。
[ステアリン酸PEG8−ベンジル(43)の合成]
非多分散オクタエチレングリコールモノベンジルエーテル41(0.998g,2.07mmol)およびピリジン(163.9mg,2.07mmol)の攪拌冷却溶液にベンゼン中の非多分散塩化ステアロイル42(627.7mg,2.07mmol)を加えた。この反応混合液を一晩(18時間)攪拌した。翌日、この反応液を水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濃縮して真空により乾燥させた。その後、粗生成物を、10%メタノール/90%クロロホルムを使用してフラッシュシリカゲルカラム上でクロマトグラフィーにかけた。生成物を含有するフラクションを結合し、濃縮し、真空で乾燥させると非多分散の標題化合物が得られた。
[ステアリン酸−PEG8−ベンジルの水素化分解]
非多分散ステアリン酸−PEG8−Bzl 43(0.854g,1.138mmol)のメタノール液へPd/C(10%)(パラジウム、活性炭上で10重量%)を加えた。この反応混合液を水素下で一晩(18時間)攪拌した。その後、この溶液を濾過し、濃縮し、10%メタノール/90%クロロホルムを使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、Rt=0.6のフラクションを収集し、濃縮し、乾燥させると非多分散酸44が得られた。
[C18(PEG8)オリゴマーの活性化]
非多分散活性化C18(PEG8)オリゴマー45を得るために、非多分散ステアリン酸−PEG8オリゴマーの2段階活性化を上記実施例31におけるステアリン酸PEG6について記載した通りに実施した。
[活性化されたトリエチレングリコールモノメチルオリゴマー類の合成]
以下の説明は、図8に示したスキームを参照する。20%ホスゲンを含有するトルエン溶液(100mL,約18.7g,189mmolのホスゲン)をN2雰囲気下で0℃へ冷却した。非多分散mTEG(トリエチレングリコール、モノメチルエーテル、7.8g,47.5mol)を25mLの無水酢酸エチル中に溶解させ、これを冷却したホスゲン溶液に加えた。この反応混合液を6℃で1時間攪拌し、室温へ加温するに任せ、その後さらに2時間半攪拌した。残っているホスゲン、酢酸エチルおよびトルエンは真空蒸留を介して取り除くと、透明油性残留物として非多分散mTEGクロロホルメート46が残された。
非多分散残留物46を50mLの無水ジクロロメタン中に溶解させ、これにTEA(トリエチルアミン、6.62mL,47.5mmol)およびNHS(N−ヒドロキシスクシンイミド、5.8g、50.4mmol)を加えた。この混合液を室温の乾燥した雰囲気下で20時間攪拌すると、その間に大量の白色沈降物が現れた。混合液を濾過してこの沈降物を除去し、真空中で濃縮した。結果として生じた油47をジクロロメタン中に取り出し、低温脱イオン水を用いて2回、1NのHClを用いて2回、そして食塩液を用いて1回洗浄した。有機相はMgSO4の上方を通して乾燥させ、濾過し、濃縮させると、透明な浅黄色油としての非多分散の標題化合物が得られた。必要であれば、NHSエステルは溶離剤としてEtOAcを使用したシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによりさらに精製できよう。
[活性化されたパルミチン酸−TEGオリゴマーの合成]
以下の説明は、図9に示したスキームを参照する。非多分散パルミチン酸無水物(5g;10mmol)を無水THF(20mL)中に溶解させ、室温で攪拌した。この攪拌溶液に、3モル過剰のピリジンを加え、その後に非多分散トリエチレングリコール(1.4mL)を加えた。この反応混合液を1時間攪拌した(反応の進行はTLC;酢酸エチル−クロロホルム;3:7により監視した)。反応の終了時に、THFを除去し、生成物を10%のH2SO4と混合し、酢酸エチルにより抽出した(3×30mL)。結合した抽出物を水、食塩液を用いて連続的に洗浄し、MgSO4で乾燥させ、蒸発させて非多分散生成物48を得た。DMF(〜10mL)中のN−ジスクシンイミジルカルボネート(3mmol)の溶液を、10mLの無水DMF中の非多分散生成物48(1mmol)の溶液へ攪拌しながら加えた。水素化ナトリウム(3mmol)をこの反応混合液に緩徐に加えた。この反応混合液を数時間(例、5時間)攪拌した。活性化オリゴマーを沈降させるためにジエチルエーテルを加えた。このプロセスを3回繰り返し、生成物を最終的に乾燥させた。
[活性化されたヘキサエチレングリコールモノメチルオリゴマー類の合成]
以下の説明は、図10に示したスキームを参照する。非多分散活性化ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテルは上記の実施例39における非多分散トリエチレングリコールと同様に調製した。トルエン中の20%ホスゲン溶液(35mL,6.66g,67.4mmolホスゲン)をN2雰囲気下の氷/塩水浴中で冷却した。非多分散ヘキサエチレングリコール50(1.85mL,2.0g,6.74mmol)を5mLの無水EtOAc中に溶解させ、これをシリンジによりホスゲン溶液に加えた。この反応混合液を1時間、氷浴中で攪拌し続け、取り出し、さらに室温で2.5時間攪拌した。ホスゲン、EtOAc、およびトルエンを真空蒸留を介して取り除くと、透明油性残留物として非多分散化合物51が残された。
非多分散残留物51を20mLの無水ジクロロメタン中に溶解させ、乾燥した不活性雰囲気下に置いた。トリエチルアミン(0.94mL,0.68g,6.7mmol)およびその後NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド,0.82g,7.1mmol)を加え、そしてこの反応混合液を室温で18時間攪拌した。シリカゲルを通してこの混合液を濾過して白色沈降物を除去し、真空中で濃縮した。残留物をジクロロメタン中に取り出し、冷水を用いて2回、1NのHClを用いて2回、そして食塩液を用いて1回洗浄した。有機相をNa2SO4の上方を通して乾燥させ、濾過し、濃縮した。最終精製をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc)により実施すると、UV活性非多分散NHSエステル52が得られた。
150mgのサケカルシトニン(MW 3432,0.043mmol)を30mLの無水DMF中に溶解させた。その後、TEA(35μL)および無水THF(2mL)中の実施例24の活性化オリゴマー(42mg,0.067mmol)を加えた。この反応液を1時間攪拌し、その後水中の2mLの0.1%のTEFを用いて急冷した。この反応の後にHPLCを実施した。その後この反応混合液を濃縮し、予備HPLC(RC Vydac C18タンパク質およびペプチド,1×25カラム,0.1%のTFAを含む水/アセトニトリル,280nmでの検出)により精製した。モノ抱合体およびジ抱合体に一致する2つのピークが単離された。サンプルはMALDI−MSにより定量解析した。PEG7−オクチル−sCT、モノ抱合体についてのMS:3897。PEG7−オクチル−sCT、ジ抱合体についてのMS:4361。
実施例41の方法を使用して、サケカルシトニンを実施例29の活性化オリゴマーとコンジュゲートさせた。PEG7−デシル−sCT、モノ抱合体についてのMS:3926。PEG7−デシル−sCT、ジ抱合体についてのMS:4420。
実施例41の方法を使用して、サケカルシトニンを実施例31の活性化オリゴマーとコンジュゲートさせた。ステアリン酸−PEG6−sCT、モノ抱合体についてのMS:4006。ステアリン酸−PEG6−sCT、ジ抱合体についてのMS:4582。
実施例41の方法を使用して、サケカルシトニンを実施例37の活性化オリゴマーとコンジュゲートさせた。ステアリン酸−PEG8−sCT、モノ抱合体についてのMS:4095。
実施例41の方法を使用して、サケカルシトニンを実施例18の活性化オリゴマーとコンジュゲートさせる。
実施例41の方法を使用して、サケカルシトニンを実施例38の活性化オリゴマーとコンジュゲートさせる。
実施例41の方法を使用して、サケカルシトニンを実施例39の活性化オリゴマーとコンジュゲートさせる。
実施例41の方法を使用して、サケカルシトニンを実施例40の活性化オリゴマーとコンジュゲートさせる。
[サケカルシトニン−オリゴマー抱合体の混合物についての分散係数の決定]
サケカルシトニン−オリゴマー抱合体の混合物についての分散係数は次のように決定する。サケカルシトニン−オリゴマー抱合体の混合物は、例えば実施例41に記載したように用意する。この混合物の第1サンプルは、サンプル中の様々なサケカルシトニン−オリゴマー抱合体を分離し、単離するためにHPLCにより精製する。各単離フラクションが抱合体の純粋な単分散混合物を含有すると仮定すると、「n」は収集されたフラクションの数に等しい。この混合物は、コンジュゲートの位置、抱合体の程度の順に記載されている次の抱合体の1以上を含む可能性がある。Lys11モノ抱合体;Lys18モノ抱合体;N−末端モノ抱合体;Lys11,18ジ抱合体;Lys11,N−末端ジ抱合体;Lys18,N−末端ジ抱合体;および/またはLys11,18,N−末端トリ抱合体。フラクションの質量を決定するために、この混合物の各単離フラクションは、各単離フラクションをモノ抱合体、ジ抱合体もしくはトリ抱合体として分類することができ、サンプル中の各抱合体に対して可変の「Mi」に対する数値を提供する質量分析法により解析する。
混合物の第2サンプルは、HPLCトレースを提供するためにHPLCで分析する。コンジュゲートの結果としてモル吸光係数は変化しないことを前提に、混合物中の特定の抱合体の重量%はHPLCトレースの全ピーク下の総面積の百分率としての特定の抱合体に一致するHPLCトレースのピーク下面積によって提供される。サンプルの無水状態でのグラム重量を決定するためには、サンプルを収集して乾燥するまで凍結乾燥させる。サンプルのグラム重量にサンプル中の各成分の重量%をかけると、サンプル中の各抱合体のグラム重量を決定できる。特定の抱合体(i番目の抱合体)についての変数「Ni」は、サンプル中の特定の抱合体の分子数Niを得るために、サンプル中の特定の抱合体のグラム重量を特定の抱合体の質量で割り、アボガドロ数(6.02205×1023mole-1)による指数、上記で決定したMiをかけると決定される。分散係数は、その後n、各抱合体について決定したMiおよび各抱合体について決定したNiを使用して計算する。
[Cytosensor(登録商標)試験]
T−47D細胞(乳腺管癌細胞系、アメリカンタイプカルチャーコレクションから入手)をランニング緩衝液(カリフォルニア州サニーベール所在のMolecular Devicesから入手した低緩衝、血清フリー、重炭酸塩フリーRPMI 1640培地)中の1×107cell/mLの密度で懸濁させた。およそ100,000cellを10μLの液滴中のアガロース細胞捕捉培地中に固定化し、サイトセンサー・カプセルカップ内の2枚の厚さ3μmのポリカーボネート膜の間に挟んだ。Cytosensor(登録商標)マイクロフィジオメーター(微小生理機能測定器)上のセンサーチャンバー内に入れたサイトセンサー・カプセルカップをpH感受性検出器の極めて近くに保持した。流動が停止する30秒間の間隔を除いて、ランニング緩衝液を100μL/分の速度で全細胞に行き渡るようにポンプで送り込み、センサーチャンバー内のランニング緩衝液の酸性化を測定した。酸性化率は2分間毎に測定した。センサーチャンバー内の温度は37℃であった。細胞は、実験開始前2〜3時間はセンサーチャンバー内で平衡化させ、その間に基底酸性化率を監視した。その後、細胞を様々なnM濃度のランニング緩衝液中で希釈した試験化合物(サケカルシトニンまたはオクチル−ジ−カルシトニン)に曝露させた。試験化合物への細胞の曝露は、合計20分間の反復パターンで行った各2分間のポンプサイクルの最初の40秒間に行った。これは細胞代謝におけるレセプター媒介性反応を引き出すための細胞の試験化合物への十分な曝露を許容し、その後に化合物を含有しないランニング緩衝液を約50秒間流動させた。この方法は酸性化率を測定する前にセンサーチャンバー内から試験液(ランニング緩衝液単独よりわずかに低いpHを有していた)を洗い流した。したがって、酸性化率は完全に細胞活性の尺度であった。類似の方法を使用して、PEG7−オクチル−sCT、モノ抱合体(オクチル−モノ);PEG7−デシル−sCT、モノ抱合体(デシル−モノ);PEG7−デシル−sCT、ジ抱合体(デシル−ジ);ステアリン酸−PEG6−sCT、モノ抱合体(PEG6 St.モノ);およびステアリン酸−PEG8−sCT、モノ抱合体(PEGS St.モノ)についてのデータを入手した。データは、各サイトセンサーチャンバーの酸性化率のグラフについて曲線下面積(AUC)を計算し、同一実験条件下で実施した複数の実験から入手した平均AUC測定値を示している図14に示した棒グラフとしてプロットすることにすることにより化合物の相対活性について解析した。
[酵素安定性]
凍結乾燥粉末として供給された化合物をpH7.4の10mMのリン酸緩衝液中に再懸濁させ、その後HPLCによる濃度測定のために提出した。リン酸緩衝液を使用して、各特定の腸酵素の活性のために最適なpHを備える溶液を作製した。こうして調製した化合物のアリコートを1.7mL微量高速遠心管へ移し、37℃水浴中で15分間攪拌して化合物をその温度へ平衡化させた。15分後、適切に濃縮した腸酵素2μLを各遠心管へ加えて所望の最終濃度を達成した。キモトリプシンおよびトリプシンを1mMのHCl中へ再懸濁させた。同様に、コントロールとしての化合物も2μLの1mMのHClを用いて処理した。添加の直後に、コントロール遠心管から100μLのサンプルを取り出し、25μLのキモトリプシン/トリプシン急冷液(1:1 1%TFA:イソプロパノール)のどちらかを用いて急冷した。このサンプルはT=0minとする。使用した腸酵素に依存する様々な時間間隔でサンプリング方法を繰り返す。キモトリプシンは15分間、30分間および60分間のサンプルを有する。トリプシンは30分間、60分間、120分間および180分間のサンプルを有する。全時点が獲得されたら、観察された分解が温度もしくは緩衝液関連性ではないことを確認するために最終サンプルをコントロール遠心管から取り出す。キモトリプシンおよびトリプシンサンプルは、HPLCバイアル内へ直接に採取してよい。RP−HPLC(アセトニトリル勾配)を使用して各サンプルについてAUCを決定し、T=0minコントロールに基づいて分解率(%)を計算する。結果は以下の表1〜4に示した。
Figure 0004272510
Figure 0004272510
Figure 0004272510
Figure 0004272510
[活性および被験体間変動]
体重20〜25gの雄性CF−1マウス(チャールスリバー(Charles River)、ローリー、NC)をノベックス(Nobex)社動物飼養場内の照明(12:12の明暗周期、午前6時からの照明)、温度(21〜23℃)、そして湿度(40〜60%の相対湿度)を調節した飼養室に収容した。動物には、実験動物用飼料(PMI Nutrition社製)および水道水を自由に摂取させた。マウスは、実験当日前の45〜72時間に収容条件へ馴化させた。
マウスは、投与前に一晩絶食させたが、水は任意に与えた。マウスは各時点につき各群5匹ずつに無作為に分配し、本発明によるPEG7−オクチル−sCT、ジ抱合体(オクチル−ジ)または比較目的のサケカルシトニン(sCTもしくはカルシトニン)の単回経口用量を投与した。経口用量は胃管栄養針(Popper#18、ハブから斜端まで5cm)を使用して10mL/kgで投与し、その後に0.2μg/mLリン酸緩衝PEG7−オクチル−sCT、ジ抱合体製剤を投与した。
Figure 0004272510
緩衝製剤は、清潔な自重を計測したガラスビーカー内のリン酸緩衝液80mLを加えることにより調製した。攪拌しながら溶解するまでリン酸緩衝液へコール酸ナトリウムを緩徐に加えた。デオキシコール酸塩を加え、溶解するまで攪拌を持続した。20μgに等価のPEG7−オクチル−sCT、ジ抱合体を加えた。最後に、最終重量100gを達成するために残っているリン酸緩衝液を加えた。全実験において賦形剤コントロールのマウスを使用した。薬剤投与60分後の単一時点を使用して用量反応曲線を構築した。これらの曲線は図15〜図18に示した。
適切な時点に、マウスにエーテル麻酔をかけ、大静脈を露出させ、25ゲージ針を備えたシリンジを介して血液サンプルを入手した。血液アリコートを1時間にわたり22℃で凝固させ、血清を除去し、清潔な容器内へピペットで移した。校正済みVitros DT60 II分析装置を使用して、各動物について全血清カルシウム濃度を測定した。
血清カルシウム濃度データをプロットし、Sigma Plotソフトウェア(バージョン4.1)を使用してカーブフィッティングにより薬剤動態パラメータを決定した。平均値および標準偏差(もしくは標準誤差)を計算し、用量群間での作用差を決定するためにプロットした。様々の抱合体についての平均血清カルシウム濃度データは以下の表5に提供した。
Figure 0004272510
PEG7−オクチル−sCTならびにPEG7−デシル−sCT モノ抱合体およびジ抱合体のインビトロ活性とは匹敵しない可能性がある上記の実施例50で決定したインビトロ活性にもかかわらず、ステアリン酸−PEG6−sCT、ジ抱合体、およびステアリン酸−PEG8−sCT、ジ抱合体は、PEG7−オクチル−sCTおよびPEG7−デシル−sCTのモノ抱合体およびジ抱合体について観察されたインビボ活性と匹敵するインビボ活性を有すると思われる(上記の表5からのベースラインからのカルシウム低下率によって証明された)。特定理論によって結び付けることを望まなくとも、抱合体を含有するステアリン酸のインビボ活性における向上は、これらの抱合体が活性サケカルシトニンもしくは活性サケカルシトニン−PEG抱合体を提供するためにインビボで加水分解を受けることを示している。
本明細書では、本発明の典型的に好ましい実施形態を開示して、そして特別の用語を使用してきたが、それらは一般的および説明的意味でのみ使用したもので、限定する目的で使用したものではなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲に記載されている。
本発明の実施形態によるポリエチレングリコール部分および脂肪酸部分を含む活性化されたポリマーの混合物を合成するための包括的スキームである。 本発明の実施形態によるmPEGの混合物を合成するためのスキームである。 本発明の実施形態による活性化mPEG7−ヘキシルオリゴマーの混合物を合成するためのスキームである。 本発明の実施形態による活性化mPEG7−オクチルオリゴマーの混合物を合成するためのスキームである。 本発明の実施形態による活性化mPEG7−デシルオリゴマーの混合物を合成するためのスキームである。 本発明の実施形態による活性化ステアリン酸−PEG6オリゴマーの混合物を合成するためのスキームである。 本発明の実施形態による活性化ステアリン酸−PEG8オリゴマーの混合物を合成するためのスキームである。 本発明の実施形態による活性化PEG3オリゴマーの混合物を合成するためのスキームである。 本発明の実施形態による活性化パルミチン酸塩−PEG3オリゴマーの混合物を合成するためのスキームである。 本発明の実施形態による活性化PEG6オリゴマーの混合物を合成するためのスキームである。 本発明の実施形態による様々なプロピレングリコールモノマーを合成するためのスキームである。 本発明の実施形態による様々なプロピレングリコールポリマーを合成するためのスキームである。 本発明の実施形態による様々なプロピレングリコールポリマーを合成するためのスキームである。 本発明の実施形態によるカルシトニン−オリゴマー抱合体の様々な混合物とコンジュゲートされていないカルシトニンとの平均AUCの比較を示した図であり、これは比較のためだけに提供したもので、本発明の一部を形成するものではない。 カルシトニンについての用量反応曲線と比較した本発明の実施形態によるmPEG7−オクチル−カルシトニンジ抱合体の混合物についての用量反応曲線の図であり、これは比較のために提供したもので、本発明の一部ではない。 本発明の実施形態によるmPEG7−オクチル−カルシトニンジ抱合体の混合物を経口投与した後の用量反応曲線の図である。 本発明の実施形態によるmPEG7−オクチル−カルシトニンジ抱合体の混合物を皮下投与した後の用量反応曲線の図である。 サケカルシトニンを皮下投与した後の用量反応曲線の図であり、これは比較のために提供したもので、本発明の一部ではない。

Claims (17)

  1. 抱合体の単分散混合物であって、該抱合体の100%が同一の分子量を有する混合物、
    抱合体の実質的に純粋な単分散混合物であって、該抱合体の少なくとも95%が同一の分子量を有し、同一の分子構造を有する混合物、または
    抱合体の純粋な単分散混合物であって、該抱合体の100%が同一の分子量を有し、そして同一の分子構造を有する混合物
    であって、
    前記抱合体が、第1オリゴマーと、第2オリゴマーとを含み、各オリゴマーがポリエチレングリコール部分を含み、各オリゴマーがカルシトニンに結合しており、該第1オリゴマーが該カルシトニンのLys 11 のアミノ基に共有結合的に結合しており、該第2オリゴマーが該カルシトニンのLys 18 のアミノ基に共有結合的に結合している、混合物。
  2. 前記ポリエチレングリコール部分が少なくとも2個のポリエチレングリコールサブユニットを有する請求項1に記載の混合物。
  3. 前記ポリエチレングリコール部分の付加が、(a)血清中カルシウム濃度を少なくとも5%低下させる能力、(b)オリゴマーに結合されていないカルシトニンのキモトリプシンまたはトリプシンによる分解に対する抵抗性と比較した、キモトリプシンまたはトリプシンによる分解に対する高い抵抗性、(c)オリゴマーに結合されていないカルシトニンの生体有効性より高い生体有効性、及びこれらの組み合わせから選択される性質を提供する請求項1に記載の混合物。
  4. 前記カルシトニンが前記オリゴマーに、加水分解可能な結合、加水分解可能でない結合、またはそれらの両方により共有結合されている請求項1に記載の混合物。
  5. 前記カルシトニン薬剤が前記オリゴマーのポリエチレングリコール部分に共有結合されている請求項1に記載の混合物。
  6. 前記オリゴマーが親油性部分をさらに含む、及び/又は各オリゴマーが同一の分子構造を有する請求項1に記載の混合物。
  7. 前記カルシトニン及び/又はポリエチレングリコール部分が親油性部分に共有結合され
    ている請求項6記載の混合物。
  8. 請求項1に記載の混合物と
    医薬的に許容可能な担体と
    を含む医薬組成物。
  9. 前記第1オリゴマーと、前記第2オリゴマーとが、カルボン酸含有化合物をさらに含み、該化合物のカルボン酸末端が、前記Lys 11 、及びLys 18 にアミド結合として結合され、該カルボン酸含有化合物の他方の末端が、少なくとも7個のポリエチレングリコールサブユニットを有するメチル末端ポリエチレングリコール部分に共有結合的に結合されている、請求項1に記載の抱合体の実質的に単分散の混合物。
  10. 前記カルボン酸含有化合物が、オクタン酸である請求項9に記載の混合物。
  11. 過度の破骨細胞性骨吸収または低カルシウム血性血清作用を特徴とする骨疾患の治療のための医薬の調製のための、請求項1〜10のいずれかに記載の抱合体の混合物の使用。
  12. 前記骨疾患が骨粗鬆症、ぺージェット病、または低カルシウム血症である請求項11に記載の使用。
  13. 各抱合体が少なくとも4個のポリエチレングリコールサブユニットを有するポリエチレングリコール部分を含むオリゴマーに結合されたカルシトニンを含む、抱合体の混合物であって、約22ダルトン未満の標準偏差を伴う分子量分布を有する、請求項1に記載の混合物。
  14. 前記混合物が10,000より大きい分散係数(DC):
    Figure 0004272510
    (式中:
    nは、サンプル中の異なる分子の数であり、
    は、サンプル中のi番目の分子の数であり、
    は、i番目の分子の質量である)を有する、請求項1に記載の抱合体の混合物。
  15. 前記分散係数が100,000より大きい請求項14に記載の抱合体の混合物。
  16. 各抱合体が同一の分子量を有し、各抱合体が次の式:
    Figure 0004272510
    (式中:
    Bは、結合部分であって、共有結合、エステル部分、カルボネート部分、アミド部分、及び第二級アミン部分から選択される結合部分であり
    Lはリンカー部分であって、アルキル部分及び脂肪酸部分から選択されるリンカー部分であり、
    G、G’およびG”は独立して選択されたスペーサー部分であって、糖コレステロール部分及びグリセリン部分から選択されるスペーサー部分であり、
    Rは親油性部分およびR’はポリアルキレングリコール部分である、またはR’は親油性部分およびRはポリアルキレングリコール部分であり、
    Tは末端部分であって、アルキル部分またはアルコキシ部分から選択される末端部分であり、
    j、k、mおよびnは独立して0または1であり、
    pは、1からカルシトニン薬剤上の求核性残基数までの整数である)を有する、請求項1に記載の抱合体の混合物であって、
    該カルシトニン薬剤が、サケカルシトニンである、混合物
  17. 各抱合体がポリエチレングリコール部分を含むオリゴマーに結合されたカルシトニンを含む、請求項1に記載の抱合体の実質的に単分散の混合物を合成するプロセスであって、式I:
    Figure 0004272510
    (式中、RはHもしくは親油性部分であり、mは1〜25であり、そしてXは陽イオンである)の構造を有する化合物を含む実質的に単分散の混合物と、式II:
    Figure 0004272510
    (式中、RはHもしくは親油性部分であり、nは1〜25である)の構造を有する化合物を含む実質的に単分散の混合物とを、式III:
    Figure 0004272510
    の構造を有するポリマーを含む実質的に単分散の混合物を得るのに十分な条件下で反応させるステップと、
    式IIIのポリマーを含む実質的に単分散の混合物を活性化させて、カルシトニンと反応することのできる活性化されたポリマーの実質的に単分散の混合物を得るステップであって、該実質的に単分散の混合物を活性化するステップが、前記式IIIのポリマーの実質的に単分散の混合物を、N−ヒドロキシスクシンイミドと反応させるステップを含む、ステップと、
    m+n個のサブユニットを備えるポリエチレングリコール部分を含むオリゴマーにカルシトニンのLys 11 及びLys 18 のアミノ官能基で結合されたカルシトニンを各々が含んでいる抱合体の実質的に単分散の混合物を得るのに十分な条件下で、該活性化されたポリマーの実質的に単分散の混合物と、カルシトニンとを反応させるステップと
    を含むプロセス。
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