JP4272496B2 - 障子用補助錠 - Google Patents

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本発明は、外側障子の室内面側に固定されるとともに、室内側に臨む開口が形成されたサブロックケースと、このサブロックケース内に揺動自在に支持されたストッパー片とから構成される障子用補助錠であって、詳しくは障子のこじ開けに対する抵抗耐力を向上させた障子用補助錠に関する。
近年、家屋のサッシ窓等では防犯性を向上させるため、クレセント錠等の主ロック装置とは別にサブロックと呼ばれる補助錠を付加して2重ロックとしたものが増加する傾向にある。このサブロックは、図6に示されるように、外側障子の下框/上框の室内面側に固定されるとともに、室内側に臨む開口31aが形成されたサブロックケース31と、このサブロックケース31内に鉛直軸回りに揺動自在に支持されたストッパー片32とから構成され、施錠時には前記ストッパー片32の他端側を奥側に押し込み、一端側の召合せ框側部分をサブロックケース31から室内側に突出させることにより、内側障子の開方向移動を規制するようにしたものである。なお、前記ストッパー片32の召合せ框側先端部分には、サブロックケース31の開口縁位置よりも外側に突出する先端側揺動規制係合部32aが設けられ、施錠時には図6(C)に示されるように、前記先端側揺動規制係合部32aが開口31aの召合せ框側縁部31bの裏面に当接することにより、それ以上の揺動が制限されるようになっている(例えば、下記特許文献1等参照)。
特開2002−4670号公報
しかしながら、従来一般に使用されている前記サブロック30においては、確かに人力程度の力が加わった際には、ストッパー片32が内側障子の開移動を確実に阻止することが可能であるが、近年、障子間に外側からバールなどを差し込んで強引にこじ開け、屋内に侵入する空き巣事件が多発している。
調査結果から、従来のサブロック30の場合は、前述したように、ストッパー片32の召合せ框側先端部分に設けられた先端側揺動規制係合部32aが、サブロックケース31の開口31aの召合せ框側縦縁31bの裏面に当接することにより、それ以上の揺動が制限されるようになっているが、バール等によるこじ開けのように、想定した力よりもかなり過大な力が作用すると、前記先端側揺動規制係合部32aが開口の召合せ框側縁部31bから抜け出てしまうことが明らかとなった。
そこで本発明の主たる課題は、ストッパー片に設けられる揺動規制係合部と、サブロックケースの開口縁部との係合強度を向上することにより、バール等によるこじ開けによっても容易に解錠されない堅固な障子用補助錠を提供することにある。
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、外側障子の室内面側に固定されるとともに、室内側に臨む開口が形成されたサブロックケースと、このサブロックケースの開口内部に揺動自在に支持され、施錠時に他端側を押し込み、一端側の召合せ框側部分をサブロックケースから室内側に突出させることにより、内側障子の開方向移動を規制するようにしたストッパー片とから構成される障子用補助錠において、
前記サブロックケースの召合せ框側開口部分に、開口の溝幅を狭めた狭幅溝部を形成するとともに、前記ストッパー片の召合せ框側部分に、施錠時に前記狭幅溝部を形成する両リップ片の裏面に当接し、それ以上の揺動を制限する揺動規制係合部を設けたことを特徴とする障子用補助錠が提供される。
請求項2に係る本発明として、前記ストッパー片の召合せ框側部分に、前記狭幅溝部を形成する両リップ片の裏面に当接する揺動規制係合部とともに、前記狭幅溝部の召合せ框側縁部の裏面に当接する先端側揺動規制係合部を設けた請求項1記載の障子用補助錠が提供される。
上記請求項1記載の本発明によれば、サブロックケースの召合せ框側開口部分に、開口の溝幅を狭めた狭幅溝部を形成するとともに、前記ストッパー片の召合せ框側部分に、施錠時に前記狭幅溝部を形成する両リップ片の裏面に当接し、それ以上の揺動を制限する揺動規制係合部を設けるようにした。従って、障子がバール等によってこじ開けられ、過大な力が作用した場合であっても、ストッパー片に形成した前記揺動規制係合部はサブロックケースから抜け出すことはない。すなわち、従来のサブロックのようにストッパー片の先端側部分を係合させた場合には、過大な力が作用すると、ストッパー片の変形や先端側揺動規制係合部の変形、部材の破壊などによってケースから抜け出ることがあったが、本発明のように、ストッパー片の両側に形成した前記揺動規制係合部の場合は、ストッパー片や揺動規制係合部の変形があっても容易に係合が解除されることはない。また、施錠時にストッパー片がサブロックケースに係合する箇所も多辺状に形成されることとなり、ストッパー片とサブロックケースとの係合面積が増大するため、揺動規制係合部に作用する応力を低減でき、部材の破壊を防止することができるため、バール等によるこじ開けに確実に対処できるようになる。
上記請求項2記載の発明によれば、前記ストッパー片の召合せ框側部分に、前記狭幅溝部を形成する両リップ片の裏面に当接する揺動規制係合部とともに、前記狭幅溝部の召合せ框側縁部の裏面に当接する先端側揺動規制係合部を設けるようにしたものである。従って、ストッパー片は前記揺動規制係合部とともに、先端側揺動規制係合部がサブロックケースの開口縁部に係合することになるため、より係合強度の増大を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明に係るサブロック4を取り付けたサッシ1の水平横断面図であり、図2はそのII−II線矢視図である。
前記サッシ1は、図1に示されるように、水平方向に開閉される内側障子2と外側障子3とから構成される。代表的に前記外側障子3を例に説明すると、図2に示されるように、下框3A、縦框3B・3Cおよび図示しない上框により構成されたフレーム枠内にビード10,10を介してガラス等のパネル11が嵌め込まれており、走行レール(図示せず)に沿って案内される戸車12により開閉移動されるようになっている。
前記サッシ1の内側障子2と外側障子3との施錠を図るために、召合せ框部分にクレセント錠(図示せず)が設けられるとともに、前記外側障子3の下框3A部分に補助錠たるサブロック4が設けられている。
前記サブロック4は、図1に示されるように、外側障子3の下框3A(又は上框)の室内面側に埋め込まれるように固定されるとともに、室内側に臨む開口5Aが形成されたサブロックケース5と、このサブロックケース5の開口内部に鉛直軸回りに揺動自在に支持されたストッパー片6とから構成され、施錠時には前記ストッパー片6の他端側を奥側に押し込み、一端側の召合せ框側部分をサブロックケース5から室内側に突出させることにより、内側障子2の開方向移動を規制するようになっている。
以下、前記サブロック4について図3〜図5に基づいてさらに詳述すると、
前記サブロックケース5は、一端側に取付用係止片5aが突出して設けられるとともに、他端側にネジ孔5bが設けられ、図1に示されるように、外側障子3の下框3Aの形成された矩形状開口に対して、前記取付用係止片5aを開口縁部に係止させた状態で嵌設し、前記ネジ孔5bに挿入した固定ネジ7により下框3Aに固定されるようになっている。
前記サブロックケース5は、室内面側となる面(図3では上面)に、室内側に臨む開口5Aが設けられている。前記開口5Aは、溝幅がストッパー片6の部材幅に対応するとともに、開口の大部分を占める一般部開口溝5cと、サブロックケース5の召合せ框側部分に形成された、溝幅を前記一般部開口溝5cよりも狭めた狭幅溝部5dとから構成されている。前記狭幅溝部5dを形成する両リップ片の裏面、及び前記狭幅溝部5dの召合せ框側縁部5eの裏面がそれぞれ、ストッパー片6に形成された後述の揺動規制部6bが施錠時に当接する部分である。
前記サブロックケース5のネジ孔5b側寄りの側面位置には、両側面を貫いて支軸挿通孔5fが設けられている。また、前記サブロックケース5の底面には、図4(B)に示されるように、周囲にスリット状の溝を形成することにより片持ち梁状のバネ板片8が長手方向に沿って設けられている。このバネ板片8は、先端部分の略円弧状に起立した部分を有し、この起立部分の内面側に2段の窪み部8a、8bが設けられている。この窪み部8a、8bは、解錠時にストッパー片6の他端側底面隅部が窪み8aに係合することにより、ストッパー片6を没入状態に保持し、施錠時にはストッパー片6の他端側底面隅部が窪み8bに係合することにより、ストッパー片6を突出状態に保持するようになっている。
次いで、前記ストッパー片6は、図3に示されるように、ブロック状の部材とされ、上面形状は前記サブロックケース5の開口5Aにほぼ整合する形状となっている。すなわち、一端側には前記サブロックケース5の狭幅溝部5dに対応するように、狭幅部6aを有する形状を成し、この狭幅部6aの下部側には、上面形状がコ字状を成すように形成されるとともに、施錠時にストッパー片6を揺動させた際、前記サブロックケース5の狭幅溝部5d部分の裏面側に当接することにより、それ以上の揺動を制限する揺動規制片6bが設けられている。なお、この揺動規制片6bの内、前記狭幅溝部5dの両リップ片の裏面に当接する部分が本発明における「揺動規制係合部」を構成し、前記狭幅溝部5dの召合せ框側縁部5eの裏面に当接する部分が本発明における「先端側揺動規制係合部」を構成する部分である。
また、前記ストッパー片6は、他端側の側面に支軸挿通孔6cを有し、サブロックケース5の開口5Aよりケース内に嵌設し、サブロックケース5に形成された支持挿通孔5f、およびストッパー片6に形成された前記支持挿通孔6cを貫いて挿入された支軸9によって揺動自在に支持されるようになっている。
なお、前記ストッパー片6の支軸挿通孔6cを含む領域6eは、部分的に部材幅が小さくなっており、前記領域6eを画成する段部6dがサブロックケース5の内壁面に形成された突出壁部5g、5gの上に乗り上がり、ストッパー片6の揺動動作をガイドするようになっている。
次いで、前記サブロック4の施錠操作方法について説明すると、まず解錠時には図4(B)に示されるように、ストッパー片6がサブロックケース5の開口5A内に完全に嵌り込んでおり、室内面側に突出しないようになっている。そして、施錠の際にはストッパー片6の他端側(押操作部6f)を開口5Aの奥側に押し込むと、図5に示されるように、ストッパー片6が揺動し、一端側の召合せ框側部分がサブロックケース5から室内側に突出することにより、内側障子2の開方向移動を規制するようになる。なお、前記ストッパー片6の他端側(押操作部6f)の上面は、滑り止めのためギザ加工またはローレット加工を施すようにするのが望ましい。
この施錠状態において、ストッパー片6の揺動規制片6bは、サブロックケース5の狭幅溝部5dの両リップ片の裏面に当接するとともに、狭幅溝部5dの召合せ框側縁部5eの裏面に当接しているため、障子がバール等によってこじ開けられることがあっても、ストッパー片6の揺動規制片6bは開口5Aから抜け出すことはなく、障子の開移動を確実に防止することができる。
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、ストッパー片6の揺動規制片6bは上面をコ字状とし、サブロックケース5の狭幅溝部5dの両リップ片の裏面に当接するとともに、狭幅溝部5dの召合せ框側縁部5eの裏面に当接させるようにしたが、揺動規制片6bはサブロックケース5の狭幅溝部5dの両リップ片の裏面に当接する部分のみとし、ストッパー片6の先端側は狭幅溝部5dの召合せ框側縁部5eの裏面に当接させないようにしてもよい。
(2)上記形態例では、サブロック4を外側障子3の下框3Aに取り付けることしたが、上框側に取り付けるようにしてもよい。
(3)上記形態例では引戸障子(サッシ)に対して本発明を適用した場合について述べたが、本発明は上げ下げ窓のように昇降移動させる障子に対しても同様に適用することが可能である。
本発明に係るサブロック4を取り付けたサッシ1の水平横断面図である。 そのII−II線矢視図である。 サブロック4の分解斜視図である。 サブロック4を示す、(A)は平面図、(B)は側面図である。 施錠時のサブロック4の断面図である。 従来のサブロック30を示す、(A)は平面図、(B)は解錠時断面図、(C)は施錠時断面図である。
符号の説明
1…サッシ、2…内側障子、3…外側障子、3A…下框、3B・3C…縦框、4…サブロック、5…サブロックケース、5d…狭幅溝部、5e…召合せ框側縁部、6…ストッパー片、6a…狭幅部、6b…揺動規制片、8…バネ板片、9…支軸

Claims (2)

  1. 外側障子の室内面側に固定されるとともに、室内側に臨む開口が形成されたサブロックケースと、このサブロックケースの開口内部に揺動自在に支持され、施錠時に他端側を押し込み、一端側の召合せ框側部分をサブロックケースから室内側に突出させることにより、内側障子の開方向移動を規制するようにしたストッパー片とから構成される障子用補助錠において、
    前記サブロックケースの召合せ框側開口部分に、開口の溝幅を狭めた狭幅溝部を形成するとともに、前記ストッパー片の召合せ框側部分に、施錠時に前記狭幅溝部を形成する両リップ片の裏面に当接し、それ以上の揺動を制限する揺動規制係合部を設けたことを特徴とする障子用補助錠。
  2. 前記ストッパー片の召合せ框側部分に、前記狭幅溝部を形成する両リップ片の裏面に当接する揺動規制係合部とともに、前記狭幅溝部の召合せ框側縁部の裏面に当接する先端側揺動規制係合部を設けた請求項1記載の障子用補助錠。
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