JP4272314B2 - コンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この本発明はコンテナに関するものであり、特に、ポリプロピレン繊維シート等から成る軽量な可撓性シートにて形成されたコンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の此種コンテナとして、特公昭49−18967号公報に記載されたものが知られている。而して、該公報に記載されたコンテナは可撓性シートから成る筒状のコンテナ本体の下縁全周に及んで多数枚の三角片を並設し乍ら夫々の一端を止着し、そして、該三角片の頂点をループ状に形成し、これにロープを挿通して該三角片相互を該ロープで絞ることができるように構成され、更に、該三角片の内側に上下開放の円筒体の上端部を前記コンテナ本体の下縁に止着し、且つ、該円筒体に結縛用のテープを止着して、該テープを結縛することにより該円筒体の下部開口部を閉塞できるように構成され、且つ、該三角片の内側に覆片を止着して成るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例はコンテナ本体内に塩、米ぬか或いは砂糖のような粉体を、該コンテナ本体の上面開口部を介して収容するとき、該コンテナ本体の下方の円筒部がテープによって堅く結縛され、その外側面に前記覆片を被蔽し、更に、前記三角片に挿通されたロープを締付けて該三角片の自由端を中心に集めて絞り、そして、該コンテナ本体の下部開口部を閉塞して該コンテナ本体内に前記収容物を収容し、上面開口部も閉塞して輸送できるように形成されているので、該コンテナ本体が目的に到達し、そして、該コンテナ本体内の収容物を取り出す場合は、該コンテナ本体は該コンテナ本体の側部に設けられている吊手にロープを掛合して該コンテナ本体を吊り下げ、そして、作業者が該コンテナ本体の下方部に位置して前記三角片を絞っているロープを弛緩し、円筒部のテープを解くことによりコンテナ本体の下部開口部が解放され、該コンテナ本体内の収容物が下方に向って自然排出することになる。
【0004】
このとき、もし、コンテナ本体を吊り下げるための前記ロープが何らかの原因によって切断したときには、該コンテナ本体が不慮落下して下部の作業者を直撃すると云う危険があった。
【0005】
そこで、収容物を収容しているコンテナ本体を解放して該収容物を取出すとき、コンテナ本体の吊り下げ用のロープ等が何らかの原因により切断され、そして、該コンテナ本体が落下しても、該コンテナ本体の落下時に該コンテナが作業者を直撃するようなことがなく、安全にコンテナ本体の解放作業が実施できるようにするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は該課題を解決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案せられたものであり、可撓性シートから成る筒状のコンテナ本体の下部開口部に底蓋を設けたコンテナに於いて、
上記底蓋は一側下方向を開くための解放部を有し、該解放部側と反対側の一側端部を前記コンテナ本体の下端部に縫着し、且つ、該底蓋の左右に連設される両側片は前記縫着部を頂点とする略三角形状又は略扇形状に形成され、且つ、該底蓋に係留ベルトを止着し、該係留ベルトを前記コンテナ本体に止着されている吊りベルトに係留して前記底蓋をコンテナ本体の下部開口部を閉塞できるように構成し、
更に、上記底蓋には前記解放部側をコンテナ本体の下部開口部より前方へ延設した延長部を設け、該延長部を前記底蓋の前端縁に沿って上方に折曲してコンテナ胴部に当接するように構成するとともに、コンテナ本体の下部開口部の口縁であって、且つ前記底蓋の解放部側の口縁に前記底蓋の両側片の内側に設けられるように構成した略方形の中底蓋の長手方向一端部を逢着したコンテナを提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図1乃至図3に従って詳述する。図に於て1はコンテナを示す。該コンテナ1はポリプロピレン繊維シート等から成る可撓性シートにて形成され、上下面開放のコンテナ本体2と、該コンテナ本体2の上部開口部3に設けられた上部蓋体4と、該コンテナ本体2の下部開口部5を閉塞するための底蓋6とから成る。
【0008】
而して、前記コンテナ本体2の胴部2aには一対の吊りベルト7,7が、該胴部2aの前後面に及んで縫着等の手段によって止着されている。又、該コンテナ本体2の上部開口部3に設けられた前記上部蓋体4は上下面開放の筒状体から形成されて、その下端部をコンテナ本体2の上部開口部3の周縁部に止着されており、該上部蓋体4を開放したとき、該開放部位から収容物を投入できるように形成されると共に、収容物が収容された後、該上部蓋体4の前記上面開放部を閉塞するためにロープ4aを用いて該上部蓋体4の中心部に絞り乍ら該ロープ4aを結縛して、該上部蓋体4によってコンテナ本体2の上部開口部3を閉塞できるように構成されている。但し、該コンテナ本体2の上部開口部3の前記開放閉塞手段は之に限定せらるべきではなく、他の任意の手段を採択することができる。
【0009】
而して、コンテナ本体2の下部開口部5に設けられている前記底蓋6は一側方向に解放部8が形成できるように、該底蓋6の該解放部8の反対側の一側端部6aが前記コンテナ本体2の下端部に縫着等の手段によって止着されており、更に、該底蓋6の左右両側片6b,6bを前記止着部、即ち、前記一側端部6aを頂点とする略三角形状に形成されている。従って、該底蓋6にてコンテナ本体2の下部開口部5を閉塞するときには、該三角形状の左右両側片6b,6bは前記頂点から幅方向中心線Cに沿って折曲されて折畳まれ乍ら該底蓋6をコンテナ本体2の前記下部開口部5を閉塞できるように構成されている。而して、該底蓋6を閉塞したときには後述の手段等により該閉塞状態が解かれないように形成される。
【0010】
又、図4に示すように前記底蓋6は、通常前記開放部8側をコンテナ本体2の下部開口部5より前方へ延設した延長部9を設けてある。而して、該底蓋6の外側(図3に於て上面)に係留ベルト10,10を止着し、そして、該係留ベルト10,10の先端部にフック11,11が取り付けられている。一方、コンテナ本体2の胴部2aに止着されている前記吊りベルト7,7の下端部は可及的に該胴部2aの下方部に位置するように延設されており、そして、該吊りベルト7,7の下端部に係止リング12,12を夫々取り付け、前記底蓋6の左右両側片6b,6bを折り畳み乍ら該底蓋6にてコンテナ本体2の下部開口部5を閉塞するとき、該延長部9を該底蓋6の前端縁に沿って上方へ折曲し乍ら該延長部9をコンテナ本体2の前記胴部2aに当接し、更に、前記係留ベルト10,10に設けたフック11,11を前記吊りベルト7,7に設けた係止リング12,12に係合することにより、該コンテナ本体2の下部開口部5は前記底蓋6によって確実に閉塞されることができる。尚、前記吊りベルト7,7はコンテナ本体2の胴部2aの両側縁近傍に設けられ、そして、之に対峙する前記係留ベルト10,10は前記延長部9の両側縁近傍に設けられている。然るときは、コンテナ本体2内に収容されている収容物の重量が底蓋6に負荷されるとき、前記係留ベルト10,10相互間の間隔が大であるため、該底蓋6の中央部位に於て該底蓋6に設けられている前記解放部8が開いて前記収容物が不慮漏洩する虞れがあることも考えられる。そこで、前記左右の吊りベルト7,7間に補助的に、ベルベットファスナー13の上方部位を止着し、そして、該ベルベットファスナー13の下方部位13aを上方へ折り曲げて該下方部位13aを前記ベルベットファスナー13の上方部位に合着するように形成し、更に、前記延長部9の中央部にも前記ベルベットファスナー13に対応して先端にリング14を有するベルト15を止着し、そして、前記係留ベルト10,10と吊りベルト7,7とを係合するとともに、ベルト15の先端部に設けたリング14を前記ベルヘツトファスナー13の略中央部に当接し、そして、該ベルベットファスナー13の前記下方部位13aを該リング14に通し乍ら、該ベルベットファスナー13の上方部位へ合着せしめる。斯くして、コンテナ本体2の下部開口部5を底蓋6にて閉塞するとき、該底蓋6はコンテナ本体2の下部開口部5を確実に閉塞し、収容物の漏洩を阻止できるように構成されている。但し、前記係留ベルト10,10及び之に対応する吊りベルト7,7との係合のみで底蓋6をコンテナ本体2の下部開口部5を確実に閉塞し、そして、コンテナ1の吊り上げ時に於て収容物の漏洩の虞れがない場合は、前記補助的な手段であるベルベットファスナー13等は省略されてもよい。又、該ベルベットファスナー13及び先端部にリング14を有するベルト15に代えて他の任意の接合手段を選択してもよい。
【0011】
又、図に於て16は中底蓋である。該中底蓋16は略方形に形成され、そして、その長手方向一端部が、コンテナ本体2の下部開口部5の口縁であって、且つ、前記底蓋6の解放部8側の口縁に縫着等の手段によって取り付けられている。但し、該中底蓋16は前記底蓋6の左右両側片6b,6bの内側部に設けられる。従って、コンテナ本体2内に収容物を収容する際には該中底蓋16をコンテナ本体2に対する前記縫着部を介して該コンテナ本体2側に折曲し乍ら該コンテナ本体2の下部開口部5を閉塞し、そして、底蓋6の左右両側片6b,6bを各中心線Cに沿って折り畳み乍ら該底蓋6をコンテナ本体2の下部開口部5を閉塞する。このとき、該底蓋6は前記中底蓋16の下面に位置することになる。更に、前述したように、前記延長部9を上方へ折曲し、そして、コンテナ本体2の胴部2aに当接し乍ら、前記係留ベルト10,10及びベルト15を夫々対応する前記吊りベルト7,7及びベルベットファスナー13に係合することにより、該コンテナ本体2の下部開口部5は確実に閉塞される。そこで、該コンテナ本体2の上部開口部3から収容物を容れ、満杯になった時点で、該コンテナ本体2の上部に設けられている上部蓋体4をロープ4a等を用いて堅く締結する。斯くして、例えばじゃが芋のような収容物が収容されたコンテナ1が形成され、目的地まで輸送されることになる。
【0012】
該コンテナ1が目的地に到達したときには、該コンテナ1内の前記収容物は外部に取り出されるのであるが、該収容物を取り出す際は、作業者が該コンテナ1の前面に立って前記係留ベルト10,10、ベルト15と夫々之等に対応する吊りベルト7,7及びベルベットファスナー13との係合を解除する。然るときは、コンテナ本体2の下部開口部5を閉塞している底蓋6が収容物の重量によって該底蓋6の解放部8の反対側であって、コンテナ本体2の下端部に縫着されている部位を回動基部として該底蓋6が下方斜め方向へ回動し、解放部8が解放される。
【0013】
即ち、該底蓋6の左右両側片6b,6bの各中心線Cを介して折り畳まれている状態から該左右両側片6b,6bが拡開され乍ら前記解放部8が解放されることになる。然るときは、該底蓋6は先ず、前記収容物の重量によってその左右両側片6b,6bの三角形状の拡開の範囲内に於て該解放部8が解放されることになるので、収容物が緩やかに該解放部8より外部に取り出されることになる。従って、収容物の取り出し時に、該収容物が一挙に外部に排出するようなことがないため、該収容物は極めて安全に取り出されることができる。更に、前述したように、該底蓋6を解放して内容物を取り出す際に於て、前記係留ベルト10,10及びベルト15と夫々対応する前記吊りベルト7,7及びベルベットファスナー13との係合を解脱する作業は該コンテナ1の下面に於て行われるのではなくその前方に位置して行われるので、吊りベルト7,7が何らかの原因によって切断され、そして、コンテナ1が落下しても、該コンテナ1は作業者を打撃することはない。斯くして、収容物の取り出し作業性が向上することになる。
【0014】
尚、上記実施の形態に於いては、コンテナ本体2は角形について説明しているが、該コンテナ本体2は円筒形のものを用いることもできる。この場合、前記両側片6b,6bは夫々略扇形状に形成される。
【0015】
又、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0016】
【発明の効果】
本発明は上記一実施の形態にて詳述したように、コンテナ内の収容物を外部に排出するとき、作業者はコンテナの前方に位置して底蓋及び中底蓋の開放動作を行い、且つ、該底蓋は左右両側片が略三角形状又は略扇形状に形成されているので、この三角形又は扇形の範囲で拡開されるので、コンテナ内の収容物は、当初下方斜め方向に緩やかに落下して取り出されることになり、依って、収容物の取り出し作業は極めて安全に行われて作業性が向上し、特に、じゃが芋、ビート、にんじん等の固体物のコンテナとして好適である等、正に、著大なる効果を奏する発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示し、底蓋の左右両側片を折り畳んでコンテナ本体の下部開口部を閉塞しようとする状態を示すコンテナの斜視図。
【図2】図1の底蓋を開拡した状態を示すコンテナの斜視図。
【図3】図1の底面図。
【図4】図1のコンテナに収容物を収容してコンテナ本体の上下面を閉塞した状態を示すコンテナの斜視図。
【符号の説明】
1 コンテナ
2 コンテナ本体
5 下部開口部
6 底蓋
6a 一側端部
6b 左右両側片
7 吊りベルト
8 解放部
9 延長部
10 係留ベルト
16 中底蓋
Claims (1)
- 可撓性シートから成る筒状のコンテナ本体の下部開口部に底蓋を設けたコンテナに於いて、
上記底蓋は一側下方向を開くための解放部を有し、該解放部側と反対側の一側端部を前記コンテナ本体の下端部に縫着し、且つ、該底蓋の左右に連設される両側片は前記縫着部を頂点とする略三角形状又は略扇形状に形成され、且つ、該底蓋に係留ベルトを止着し、該係留ベルトを前記コンテナ本体に止着されている吊りベルトに係留して前記底蓋をコンテナ本体の下部開口部を閉塞できるように構成し、
更に、上記底蓋には前記解放部側をコンテナ本体の下部開口部より前方へ延設した延長部を設け、該延長部を前記底蓋の前端縁に沿って上方に折曲してコンテナ胴部に当接するように構成するとともに、コンテナ本体の下部開口部の口縁であって、且つ前記底蓋の解放部側の口縁に前記底蓋の両側片の内側に設けられるように構成した略方形の中底蓋の長手方向一端部を逢着したことを特徴とするコンテナ。
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