JP4272249B1 - 作業者の疲労度管理装置、方法及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】予めプロファイル管理部33で、その作業者の生体特徴及び環境がどのような状態のときに作業エラーが発生しやすいかを表すエラー発生確率を導出するための作業者プロファイルを生成しておく。実際の作業時には、作業者監視部30の警告部34が、一定の作業時間経過毎に、作業エラーの蓄積回数、当該作業時間内で変化した生体特徴・環境データ、及び、作業者プロファイルを読み出してエラー発生確率を導出し、このエラー発生確率が所定の基準値に達したときに警告信号を生成する。
【選択図】図1
Description
(1)打鍵負荷量による警告発生装置(特開平6−67780号公報:特許文献1)
キーボードの入力作業において打鍵負荷量をキーボードのキー配列の位置情報から計算し、その打鍵負荷量の累積値に応じて作業者に休憩を促す。
(2)車両運転業務従事者の心身情報管理システム(特開平11−34688:特許文献2)
運転業務従事者の生理信号を計測することにより、運転時の疲労状態を監視する。
本発明の疲労度管理装置は、作業者の疲労度を定量化する装置であって、それぞれ作業中に変化する前記作業者の生体特徴及び当該作業者の作業環境を表す生体特徴・環境データを時系列に取得し、取得した生体特徴・環境データを蓄積する生体特徴・環境管理手段と、前記作業者の作業進捗状況を表す作業進捗データを生成し、生成した作業進捗データを蓄積する作業進捗データ生成手段と、前記作業者による作業エラーを検出し、この作業エラーをその発生時刻と関連付けて蓄積する作業エラー検出手段と、所定時間における作業エラーの蓄積回数、当該時間における前記作業進捗データ、当該時間内で取得した生体特徴・環境データを読み出し、読み出したこれらのデータを多変量解析することにより、その作業者の生体特徴及び環境がどのような状態のときに作業エラーが発生しやすいかを表すエラー発生確率を導出するための関数からなる作業者プロファイルを生成し、生成した作業者プロファイルを蓄積するプロファイル管理手段と、一定の作業時間経過毎に、作業エラーの蓄積回数、当該作業時間内で取得した生体特徴・環境データ、及び、前記作業者プロファイルを読み出して前記エラー発生確率を導出し、このエラー発生確率が所定の基準値に達したときに警告信号を生成する警告手段と、を備えて成る。
ここでは、作業者が、コンピュータを操作して、ファイルの編集やコンパイル等の作業を行うときの疲労度を定量化する場合の例を挙げる。本発明の疲労度管理装置は、作業者が作業に使用するコンピュータをそのまま使用して実現することができる。
図1は、そのコンピュータにおいて実現される疲労度管理装置の全体構成図である。この疲労度管理装置1は、記憶装置10とインタフェース機構13とを備えたコンピュータと、コンピュータに読み取られて実行される、本発明の監視用プログラムとを主要構成要素として含む。監視用プログラムは、作業者が作業するためのアプリケーションプログラム(作業用AP)、パラメータ、データと共に、記憶装置10のプログラム領域に格納されている。
インタフェース機構13には、生体情報センサ12a及び環境情報センサ12bが適宜接続されるようになっている。
心拍計からは作業者の心拍数、体温計からは作業者の体温値、血圧計からは作業者の血圧値、血流量計測器からは作業者の計測部位の血流値、脳波計からは作業者の脳波の状態、脳磁界計測器からは作業者の脳磁界の強さ、脈拍計からは作業者の脈拍数が出力される。瞬目・眼球運動・瞳孔の画像からは作業者の眼球移動量等が得られる。これらのデータが生体特徴を表す生体情報となる。
生体特徴・環境データと関連付けられるデータIDは、使用するセンサ12a,12bを接続する際に生体特徴・環境情報DB100の管理領域に予め登録する。同様に、作業者IDは、作業者が作業を始める前に、上記の管理領域に登録しておく。
[数1]
単位時間当たりのエラー発生確率
=a×単位時間あたりの平均脈拍数
+b×単位時間あたりの平均眼球移動量
+c×単位時間あたりの平均騒音レベル
+d×単位時間あたりの平均温度
図5(a)は警告部34が実行するプログラムコードの一例、図5(b)は生体特徴・環境データと作業者プロファイルから算出したエラー発生確率の変化状態例を説明するための図である。図示の例では、エラー発生確率が10%を超えた時点で警告1、30%を超えた時点で警告2、50%を超えた時点で重大警告を生成する。これらの警告は、後続処理として、図示しないディスプレイ装置にその旨を表示することで、作業者に注意を喚起する。重大警告のときは、さらに、作業者以外の者、例えば監督者の端末にその旨をメール等で通知するための制御処理を後続処理として含める。作業者が操作する入力装置からの入力を制限するようにしても良い。これにより、作業者に、強制的に休憩を促すことができる。
なお、図5(b)では、休憩中でもある値を示しているが、これは、エラー発生確率が、生体特徴・環境データと作業者プロファイルから算出しているためである。実際のエラー発生確率は、作業中なら1、休憩中なら0をかけた値となる。なお、「再開」については、警告の内容は、作業を再開しても良いという内容となる。
次に、疲労度管理装置1の動作を説明する。
疲労度管理装置1は、作業者プロファイルを生成するための前処理動作と、この前処理動作後の実作業時の作業者監視動作とを行う。
疲労度管理装置1の生体特徴・環境情報管理部20は、生体情報センサ12aから出力される生体情報、環境情報センサ12bから出力される環境情報をそれぞれ取得し、これらを生体特徴・環境データに変換した後、作業者IDと関連付けて、生体特徴・環境情報DB100に時系列に蓄積する(図2参照:ステップS101)。蓄積期間は、例えば1日、1週間、あるいは作業単位(開始から終了まで)とし、期間経過後は、蓄積された生体特徴・環境データを削除する。
疲労度管理装置1の生体特徴・環境情報管理部20は、前処理動作のときと同様、生体情報センサ12aから生体情報、環境情報センサ12bから環境情報をそれぞれ取得し、これらを生体特徴・環境データに変換し、作業者IDと関連付けて、生体特徴・環境情報DB100に時系列に蓄積する(ステップS201)。これを一定時間繰り返す。
作業進捗データが蓄積されているので、例えばソフトウエアの開発後のバグの修正作業においても、生体特徴・環境データから、エラー発生確率の高い部分を重点的に検証することにより、ソフトウエア開発の生産性の向上にも寄与することができる。
本実施形態では、また、作業者の「作業時間」は、生体特徴情報及び作業環境としていないが、「作業時間」をエラー発生確率を演算する際の一要素として利用しても良い。
また、本実施形態では、ファイルの編集やコンパイル等の作業を行うときの疲労度を定量化する例について説明したが、自動車や電子機器、精密機械などの部品の製造ラインなどの作業においても、同様に適用が可能である。
Claims (6)
- 作業者の疲労度を定量化する装置であって、
それぞれ作業中に変化する前記作業者の生体特徴及び当該作業者の作業環境を表す生体特徴・環境データを時系列に取得し、取得した生体特徴・環境データを蓄積する生体特徴・環境管理手段と、
前記作業者がどの時刻にどの箇所の作業を行っていたかを表す作業進捗データを生成し、生成した作業進捗データを蓄積する作業進捗データ生成手段と、
前記作業者による作業終了後に作業エラーが生じている箇所と前記作業進捗データとを突き合わせることにより当該箇所を作業していた時刻をエラー発生時刻として検出し、この作業エラーをその発生時刻と関連付けて蓄積する作業エラー検出手段と、
前記作業エラーの蓄積回数と当該作業エラーに対応する時刻の生体特徴・環境データとの相関を多変量解析により求め、これによりその作業者の生体特徴及び環境がどのような状態のときに作業エラーが発生しやすいかを表すエラー発生確率を導出するための関数からなる作業者プロファイルを生成し、生成した作業者プロファイルを蓄積するプロファイル管理手段と、
一定の作業時間経過毎に、前記作業者プロファイルを読み出し、この作業者プロファイルと新たに取得した前記生体特徴・環境データとに基づいて当該取得時点での前記エラー発生確率を導出し、このエラー発生確率が所定の基準値に達したときに警告信号を生成する警告手段と、
を備えて成る、作業者の疲労度管理装置。 - 前記プロファイル管理手段は、単位時間あたりの生体特徴・環境データの時系列の変化と、同じ時間におけるエラー発生確率を多変量解析により求めることで、当該作業者用の変数を算出し、この変数を、算出に用いた生体特徴・環境データと共に前記作業者プロファイルとして蓄積する、
請求項1記載の疲労度管理装置。 - 前記プロファイル管理手段は、前記作業者プロファイルを、前記エラー発生確率が高くなる変数及び生体特徴・環境データの組み合わせが見つかる度に更新する、
請求項2記載の疲労度管理装置。 - 前記基準値が、段階的に設定されており、
前記警告手段は、導出した前記エラー発生確率が前記段階的に設定された基準値を越える度に、それぞれ異なる後続処理を実行可能にする警告信号を生成し、前記後続処理の一つは、前記作業者以外の者が操作する操作端末宛の通知を含む、
請求項1記載の疲労度管理装置。 - 記憶装置を備えたコンピュータが実行する方法であって、
それぞれ作業中に変化する前記作業者の生体特徴及び当該作業者の作業環境を表す生体特徴・環境データを時系列に取得し、取得した生体特徴・環境データを前記記憶装置に蓄積するとともに、前記作業者がどの時刻にどの箇所の作業を行っていたかを表す作業進捗状況データを生成し、この作業進捗データとその作業者による作業終了後に作業エラーが生じている箇所とを突き合わせることにより当該箇所を作業していた時刻をエラー発生時刻として検出し、この作業エラーをその発生時刻と関連付けて蓄積する段階と、
所定時間における作業エラーの蓄積回数と当該作業エラーに対応する時刻の生体特徴・環境データとを前記記憶装置より読み出し、読み出したこれらのデータの相関を多変量解析により求め、これによりその作業者の生体特徴及び環境がどのような状態のときに作業エラーが発生しやすいかを表すエラー発生確率を導出するための関数からなる作業者プロファイルを生成し、生成した作業者プロファイルを前記記憶装置に蓄積する段階と、
一定の作業時間経過毎に、前記作業者プロファイルを前記記憶装置より読み出し、この作業者プロファイルと新たに取得した前記生体・環境データとに基づいて当該取得時点での前記エラー発生確率を導出し、このエラー発生確率が所定の基準値に達したときに警告信号を生成する段階とを有する、
作業者の疲労度管理方法。 - コンピュータを、作業者の疲労度を定量化する疲労度管理装置として動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、
前記作業者がどの時刻にどの箇所の作業を行っていたかを表す作業進捗データを生成し、生成した作業進捗データを蓄積する作業進捗データ生成手段、
前記作業者による作業終了後に作業エラーが生じている箇所と前記作業進捗データとを突き合わせることにより当該箇所を作業していた時刻をエラー発生時刻として検出し、この作業エラーをその発生時刻と関連付けて蓄積する作業エラー検出手段、
前記作業エラーの蓄積回数と当該作業エラーに対応する時刻の生体特徴・環境データとの相関を多変量解析により求め、これによりその作業者の生体特徴及び環境がどのような状態のときに作業エラーが発生しやすいかを表すエラー発生確率を導出するための関数からなる作業者プロファイルを生成し、生成した作業者プロファイルを蓄積するプロファイル管理手段、
一定の作業時間経過毎に、前記作業者プロファイルを読み出し、この作業者プロファイルと新たに取得した前記生体特徴・環境データとに基づいて当該取得時点での前記エラー発生確率を導出し、このエラー発生確率が所定の基準値に達したときに警告信号を生成する警告手段、
として機能させる、コンピュータプログラム。
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