以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.第1実施形態>
<1−1.構成概要>
図1は、本発明に係る文書処理システム1を示す図である。図1に示すように、文書処理システム1は、クライアントコンピュータ(単にクライアントとも称する)30とウエアラブル端末50とを備える。クライアント30は、文書に関する処理機能(具体的には、文書の作成機能および編集機能等)を有しており、文書処理装置とも称される。
本システム1における各要素30,50は、それぞれ、通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続される。通信ネットワークは、LAN(Local Area Network)およびインターネット等などによって構成される。また、通信ネットワークに対する接続態様は、有線接続であってもよく、或いは無線接続であってもよい。たとえば、文書処理装置30およびウエアラブル端末50は、それぞれ、無線接続(無線LAN(IEEE 802.11等)による無線通信等)によってネットワーク108に接続される。
また、文書処理装置30とウエアラブル端末50とは、Bluetooth(登録商標) LE等による無線通信(近距離無線通信)を行うことにより、直接的に通信することも可能である。
<1−2.ウエアラブル端末50の構成>
次に、ウエアラブル端末(ウエアラブルデバイスとも称する)50の構成について説明す。
ウエアラブル端末50は、クライアント30(文書処理装置)との連携動作を行うことが可能な装置である。具体的には、ウエアラブル端末50は、文書処理装置30との間での無線通信(近距離無線通信およびネットワーク通信)が可能な情報入出力端末装置(情報端末)である。
ウエアラブル端末50は、ユーザ(装着者)の生体情報(より詳細には、当該ユーザの状態を反映して変化する生体情報(謂わば、動的な生体情報))を検出(測定)する生体情報検出装置である。ウエアラブル端末50は、各種の生体情報(脈波、心電、体温、脈拍および血圧等)のうちの少なくとも1つに関する情報を検出する。当該生体情報は、ユーザの精神状態および/または体調を反映して経時的に変化する情報である。ここでは、ウエアラブル端末50として、ユーザの脈拍(心拍数)、血圧および体温を当該ユーザの生体情報として検出(測定)することが可能なデバイスを例示する。ウエアラブル端末50は、ユーザの生体情報を用いてユーザの精神状態等を検出することを可能にする装置であり、ユーザ状態検出装置などとも称される。
なお、ここでは、ウエアラブル端末50として、リストバンドタイプ(手首装着型)のデバイス(装置)を例示する。ただし、これに限定されず、様々なタイプの装置がウエアラブル端末50として利用され得る。
図2は、ウエアラブル端末50の概略構成を示す機能ブロック図である。
ウエアラブル端末50は、図2の機能ブロック図に示すように、通信部54、格納部55、生体情報検出部57、バッテリ58およびコントローラ59等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
通信部54は、各種の無線通信を行うことが可能である。具体的には、通信部54は、無線LAN(IEEE 802.11等)による無線通信を行う無線LAN通信部と、Bluetooth LE等による無線通信(近距離無線通信)を行う近距離無線通信部とを備える。
格納部55は、不揮発性の半導体メモリ等の記憶装置で構成される。
生体情報検出部57は、血圧等の生体情報を検出するための各種センサを備えて構成される。生体情報検出部57は、ウエアラブル端末50の装着者であり且つ文書処理装置30における文書作成者でもあるユーザの文書入力期間(当該ユーザによる文書入力が行われる期間)における文書作成者の時系列の生体情報を検出する。詳細には、生体情報検出部57は、一定時間(たとえば、10秒)間隔で当該生体情報を検出する。ウエアラブル端末50により検出された当該生体情報は、通信部54等を用いて、ウエアラブル端末50から文書処理装置30へと送信される。
バッテリ58は、二次電池(充電池)であり、ウエアラブル端末50に対して電力を供給する。
操作部56は、ウエアラブル端末50に対する操作入力を受け付ける操作入力部56aと、各種情報の表示出力を行う表示部56bとを備えている。このウエアラブル端末50においては、液晶表示パネルに各種センサ等が埋め込まれて構成されたタッチパネルが設けられている。このタッチパネルは、操作入力部56aの一部としても機能するとともに、表示部56bの一部としても機能する。
図2のコントローラ59は、ウエアラブル端末50に内蔵され、ウエアラブル端末50を統括的に制御する制御装置である。コントローラ59は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ59は、CPUにおいて、格納部55(半導体メモリ等)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(プログラム)を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラム(詳細にはプログラムモジュール群)は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてウエアラブル端末50にインストールされるようにしてもよい。あるいは、当該プログラムは、ネットワーク等を経由してダウンロードされてウエアラブル端末50にインストールされるようにしてもよい。
ウエアラブル端末50には、文書処理装置30等との連携を図るためのプログラム(連携用プログラム)等がインストールされている。当該連携用プログラムは、各種の処理(ユーザの状態(生体情報)を検出する処理、および当該ユーザ状態を送信する処理等)を実現するアプリケーションソフトウエアプログラム(単に、アプリケーションとも称する)である。
具体的には、コントローラ59は、連携用プログラム等の実行により、通信制御部61と入力制御部62と表示制御部63と検出制御部65と動作実行部66とを含む各種の処理部を実現する。
通信制御部61は、通信部54等と協働して、文書処理装置30等との通信動作を制御する処理部である。
入力制御部62は、操作入力部56a(タッチパネル等)に対する操作入力動作を制御する制御部である。
表示制御部63は、表示部56b(タッチパネル等)における表示動作を制御する処理部である。
検出制御部65は、生体情報検出部57と協働してユーザの生体情報を検出(測定)する処理部である。
動作実行部66は、文書処理装置30との各種連携動作を総括的に実行する処理部である。
<1−3.文書処理装置30の構成>
図3は、文書処理装置30(情報処理装置とも称する)の機能ブロックを示す図である。ここでは、文書処理装置30として、パーソナルコンピュータを例示する。図3においては、文書処理装置30の機能ブロックが示されている。
通信部34は、各種のネットワーク通信を行うことが可能である。具体的には、通信部34は、無線LAN(IEEE 802.11等)による無線通信を行う無線LAN通信部と、Bluetooth LE等による無線通信(近距離無線通信)を行う近距離無線通信部とを備える。
格納部35は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。
操作部36は、文書処理装置30に対する操作入力を受け付ける操作入力部36a(キーボードおよびマウス等)と、各種情報の表示出力を行う表示部36b(液晶ディスプレイ等)とを備えている。
コントローラ39は、文書処理装置30に内蔵され、文書処理装置30を統括的に制御する制御装置である。コントローラ39は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ39は、CPUにおいて、格納部35内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラム(詳細にはプログラムモジュール群)は、DVD−ROMあるいはUSBメモリなどの可搬性の記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されて文書処理装置30にインストールされるようにしてもよい。あるいは、当該プログラムは、ネットワークを経由してダウンロードされて文書処理装置30にインストールされるようにしてもよい。
具体的には、図3に示すように、コントローラ39は、上記のプログラムの実行により、通信制御部41と入力制御部42と表示制御部43と文書制御部44と取得部45と格納制御部46と判定部47と規準変更部48とを含む各種の処理部を実現する。
通信制御部41は、他の装置(ウエアラブル端末50等)との間の通信動作(無線LAN通信および近距離無線通信等)を通信部34等と協働して制御する処理部である。通信制御部41は、各種データの送信動作を制御する送信制御部と各種データの受信動作を制御する受信制御部とを有する。
入力制御部42は、操作入力部36aに対する操作入力動作を制御する制御部である。たとえば、入力制御部42は、キーボードおよび/またはマウス等による操作入力(ユーザからの指定入力等)を受け付ける動作を制御する。詳細には、入力制御部42は、文書作成者による文書の入力等を受け付ける動作を制御する。
表示制御部43は、表示部36bにおける表示動作を制御する処理部である。表示制御部43は、文書処理装置30を操作するための操作画面等を表示部36bに表示させる。たとえば、表示制御部43は、文書の表示動作(後述する注意喚起表示等の表示動作を含む)を制御する。
文書制御部44は、文書作成制御部および文書修正制御部等を有しており、文書の作成処理(文書作成処理)および当該文書の修正処理(文書修正処理)等を入力制御部42等と協働して制御する。なお、文書の修正処理には、他者(あるいは自身)によるレビュー後の修正処理等が含まれる。
取得部45は、通信部34等と協働して、文書作成者により文書入力が行われる期間における文書作成者の時系列の生体情報をウエアラブル端末50等から受信して取得する処理部である。なお、文書処理装置30は、当該文書処理装置30の操作者(文書作成者)の操作等に基づいて、当該操作者自身が装着しているウエアラブル端末50との間で1:1の対応関係(ペアリング)を確立する。詳細には、文書処理装置30の近傍に存在する1または2以上のウエアラブル端末50の中から、文書処理装置30の操作者のウエアラブル端末50が当該操作者による選択操作等に基づいて特定され、当該特定されたウエアラブル端末50と文書処理装置30との間で無線通信(たとえば、近距離無線通信)が確立される。以後、当該無線通信を用いてウエアラブル端末50から文書処理装置30へと生体情報が随時(詳細には、一定時間間隔で)送信される。
格納制御部46は、取得部45によって取得された生体情報と文書作成者によって入力された各文字情報とを関連付けたデータを格納部35に格納する動作を制御する処理部である。具体的には、文書作成者によって入力された各文字情報は、当該各文字情報の各入力時点における文書作成者の生体情報に関連付けて格納される。当該生体情報は、後述するように、文書作成者(装着者)の状態(正常状態/非正常状態)の判定結果に変換されることなく変換前のデータのまま、文字情報に関連付けて格納される。
なお、格納制御部46によって格納部35に格納されたデータ(ファイル)Dは、文書レビュー時において取得部45等によって抽出(取得)されてオープンされる。
判定部47は、各文字情報の各入力時点における文書作成者の状態を、生体情報に関する所定の判定規準に沿ってデータDに基づき判定する処理部である。判定部47による当該判定処理は、格納制御部46による生体情報等の格納時点よりも後の時点、より具体的には、文書のレビュー時(あるいは、レビューの直前等)に実行される。表示部36bにおいては、文書のレビューに際して、判定部47による判定結果を反映した状態で当該文書が表示される。具体的には、文書全体(文書内の全文字情報)のうち、文書作成者が非正常状態を有するときに入力されていた文字情報に対する注意喚起表示等が行われる。
規準変更部48は、判定部47による判定処理における所定の判定規準を変更する処理部である。
<1−4.文書作成時の動作>
文書処理装置30は、ユーザU1(文書作成者)の文書入力期間において、ユーザU1の時系列の複数の生体情報を随時取得する(図6参照)。具体的には、文書処理装置30は、ユーザU1(文書作成者)によって装着されているウエアラブル端末50(50a)と通信し、当該ウエアラブル端末50にて一定時間(たとえば、10秒)間隔で検出された生体情報を随時取得する。
そして、文書処理装置30は、ユーザU1によって入力された各文字情報を当該各文字情報の各入力時点におけるユーザU1の生体情報に関連付けて格納部35に格納する(図7(後述)参照)。ユーザU1の当該生体情報(文書入力期間の全期間(文書ファイルを開いてから閉じるまで)に亘って検出され取得された生体情報)は、各時点におけるユーザU1の状態(正常状態/非正常状態)にかかわらず、全て格納される。
図4は、文書処理装置30における動作(文書作成時の動作)を示すフローチャートである。文書処理装置30は、ユーザU1による文書入力の受付を開始すると、図4に示すような動作を実行する。
まず、ステップS11において、文書処理装置30は、或る時点における生体情報をウエアラブル端末50から受信して取得する。そして、文書処理装置30は、ステップS12において、ステップS11で受信した生体情報を文書内の入力位置(生体情報の検出時の入力位置)に関連付けて記憶する。
ステップS13では、一定時間(たとえば、10秒)が経過したか否かが判定される。一定時間が未だ経過していないときには、ステップS14(終了判定)に進む。ユーザによって終了指示が付与されて文書作成が終了(中断を含む)されるときには、図4の処理は終了する。一方、文書作成が継続されるときには、ステップS14からステップS13に戻る。
一定時間が経過している旨がステップS13にて判定されると、再びステップS11に戻る。そして、生体情報の取得処理と当該生体情報の格納処理(文書への関連付け処理)とが繰り返し実行される。
このようにして、文書(図5および図7参照)が作成される。なお、図5は、作成された文書の一例を示す図である。また、図7は、当該文書の作成時におけるユーザU1の生体情報が関連付けられたデータ(文書データD1)を示す図である。
また、図6は、ウエアラブル端末50から取得され、文書処理装置30内にて格納されている生体情報(ユーザU1の時系列の生体情報)を示す図である。図6においては、3つの種類の生体情報(具体的には、脈拍、血圧、体温)が、10秒おきにそれぞれ測定(検出)され、「データ番号(No.)」、「測定年月日」、「測定時刻」と関連付けて記憶されている。たとえば、図6の最上段においては、「No.1」のデータとして、「2016年3月26日」の「14時08分10秒」に計測された3つの生体情報(脈拍「60(pulse/min)」、血圧「90(mmHg)」、体温「35.9(℃)」)が記録されている。次の段以降には、その後10秒おきに測定された各生体情報が列挙されている。
図7に示すように、文書データD1には、データ番号に対応する「タグ」が埋め込まれている。
たとえば、「Introduction」の前に2つのタグ([/1],[/2])が配置されている。これは、「Introduction」を記述する前に、データ番号「1」および「2」の各生体情報が検出されたことを示している。また、「Introduction」の次にタグ([/3])が配置されている。これは、文字列「Introduction」の入力直後にデータ番号「3」の生体情報が検出されたことを示している。
同様に、2つのタグ[/112],[/113]が文字列「This fruit is good for health」の前に配置されている。これは、データ番号「112」および「113」の各生体情報が当該文字列の入力直前に検出されたことを示している。また、タグ[/114]が文字列「This fruit is good for health」の後ろに配置されている。これは、データ番号「114」の生体情報が当該文字列の入力直後に検出されたことを示している。
このように、ユーザU1によって入力された各文字情報は、当該各文字情報の各入力時点におけるユーザU1の生体情報に関連付けて格納されている。より具体的には、生体情報の各測定時点に対応する「タグ」が、各測定時点で入力された文字情報の直後の位置に配置されることによって、「タグ」で代表される生体情報が当該文字情報に関連付けて格納されている。換言すれば、一定時間(10秒)間隔にて区分される各区分期間においててユーザU1(文書作成者)によって入力された各文字情報と当該各区分期間に関して取得された生体情報とが互いに関連付けて格納されている。また、当該生体情報は、文書作成者(装着者)の状態(正常状態/非正常状態)の判定結果に変換されることなく(変換前の元のデータのまま)、文字情報に関連付けて格納される。なお、ここでは、各文字情報の各入力時点は、単語単位で判断されているが、これに限定されず、文字単位、行単位あるいは一文単位等で判断されてもよい。
また、文書内の或る部分が文書作成中に削除された場合には、削除時点での生体情報に対応する「タグ」が当該削除部分に配置されることが好ましい。同様に、文書内の或る部分が文書作成中に上書きされた場合には、上書き時点での生体情報に対応する「タグ」が当該上書き部分に配置されることが好ましい。
なお、ここでは、「タグ」で代表される生体情報の実体データは、文書データD1とは別のデータD2(図6)として格納されている。ただし、これに限定されず、たとえば、生体情報の実体データが図7の「タグ」の位置にそのまま配置されるようにしてもよい。換言すれば、生体情報の実体データが文書データD1内に埋め込まれるようにしてもよい。
<1−5.文書レビュー時の動作等>
つぎに、文書レビュー時の動作について説明する。図4のような動作によって作成された文書を対象にして、次のようなレビュー動作が行われる。
まず、文書処理装置30は、レビューの対象文書(詳細には、当該対象文書に関するデータD(D1,D2))を取得する。レビュー動作が文書作成用の装置30aと同じ装置30aで行われる場合には、文書処理装置30aは、格納部35内の対象文書を抽出し、当該対象文書をオープンする。レビュー動作が文書作成用の装置30aとは異なる文書処理装置30b(ユーザU2の文書処理装置30b等)で行われる場合には、文書処理装置30bは、文書処理装置30aの格納部35から通信ネットワーク等を介して対象文書を抽出した後に、当該対象文書をオープンする。あるいは、文書処理装置30bは、自装置30bの格納部35に対象文書(生体情報を含む)を移動した後に、当該対象文書をオープンしてもよい。
文書処理装置30(30aあるいは30b)は、ユーザU1(文書作成者)によって作成された文書がレビューされる際において、文書作成時のユーザU1の状態(正常状態/非正常状態)を生体情報に関する所定の判定規準に基づいて判定する。たとえば、「(ユーザU1の)脈拍が80より大きい」ときにユーザU1が「非正常状態」を有する旨の判定規準に基づいて、ユーザU1の状態が判定される。より詳細には、各区分期間(10秒ごとに区切られた時間区間)単位で(各区分期間ごとに)ユーザU1の状態が判定される。当該判定規準に基づくと、図6に示されるように、データ番号「113」〜「116」に対応する入力期間においては、ユーザU1は非正常状態を有していた旨が判定される。
そして、文書処理装置30は、当該所定の判定規準に基づく判定結果を反映して文書を表示部36bに表示する。より具体的には、非正常状態を有する文書作成者によって入力されていた文字情報が強調表示されるなどの処理が行われる。換言すれば、文書処理装置30は、複数の区分期間のうち、「非正常状態」の区分期間(文書作成者が非正常状態を有する区分期間)に入力された文字情報に対して注意喚起表示を行う。
図8は、文書レビュー時の表示状態を示す図である。図7と比較すると判るように、図8においては、タグ[/113]〜[/116]に対応する文書入力期間(換言すれば、データ番号「113」〜「116」に対応する文書入力期間)に入力された文字列「This fruit is good for health. Because it has a lot of 」が、強調表示されている。ここでは、強調対象の文字列の背景色が「灰色」に変更され且つ当該文字列の文字色が「赤色」に変更されることによって、当該文字列が強調されている。
また、当該強調表示部分に対する吹き出し画像も表示されている。当該吹き出し画像には、「<重点確認箇所>脈拍が通常より高い状態で入力されました。」との文字列が記述されている。
これらの表示(強調表示および吹き出し画像表示等)は、「注意喚起表示」(文書内の多数の文字列のうち特定の文字列に対する注意を喚起する表示)であるとも表現される。強調表示の対象文字列が、ユーザU1の非正常状態(たとえば焦っている状態)にて入力された文字情報(文字列)である場合、当該文字情報に過誤(誤記等)が存在する可能性が比較的高い。このような事情に基づき、文書処理装置30は、強調表示の対象文字列に関して、当該過誤の有無に関する確認を重点的に行うべき旨の注意を喚起している。レビューユーザは、全文書をチェックする際に、当該注意喚起表示の箇所を特に重点的にチェックすることができる。
以上のような態様によれば、文書の全範囲に亘って全体的に細心の注意を払いつつ文書の誤り(誤記等)を発見する場合に比べて、文書のレビューにおいて文書の誤記等を効率的に発見することが可能である。詳細には、上述のような注意喚起表示を用いることによれば、当該文書のレビュー者(たとえばユーザU2あるいはユーザU1自身)は、全文書のうち過誤が生じやすい部分を重点的にチェックすることが可能である。
<1−6.第1実施形態の変形例>
なお、上記実施形態においては、各区分期間(10秒ごとに区切られた時間区間)単位で所定の判定規準に基づいて文書作成者の状態がそれぞれ判定されている。より詳細には、各区分期間における文書作成者の状態が各区分期間の生体情報のみに基づいて(謂わば他の区分期間からは独立して)判定されている。
しかしながら、本発明は、これに限定されない。たとえば、各区分期間(生体情報の検出間隔)以外の区分期間(隣接する区分期間等)の生体情報にも基づいて、各区分期間における文書作成者の状態が判定されてもよい。より詳細には、次のような判定規準に基づいてユーザU1の状態が判定されるようにしてもよい。当該判定規準は、或る区分期間とそれに引き続く1つ以上の区分期間(たとえば、2つの区分期間)に亘って「(ユーザU1の)脈拍が80より大きい」ときにユーザU1が「非正常状態」を有する旨の規準である。このように、時系列の生体情報がその検出間隔よりも長い一定時間に亘って所定の基準範囲を超える(基準値以上である)場合に、文書作成者の状態が「非正常状態」(誤りを生み出し易い状態)であると判定されるようにしてもよい。換言すれば、時系列の生体情報が所定程度以上連続して(3つ以上連続して)所定の基準範囲から外れる期間においてユーザU1の状態が非正常状態である、と判定されるようにしてもよい。
他の実施形態に関しても同様である。
<2.第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第1実施形態においては、ユーザ状態判定の基準値が固定値である態様が例示されている。
この第2実施形態においては、ユーザ状態判定の基準値がユーザの操作入力に応じて変更される態様について例示する。
具体的には、上記第1実施形態においては、生体情報「脈拍」を利用したユーザ状態判定の基準値として「80」が常に利用されているが、第2実施形態においては当該基準値が変更される。変更後の判定規準は、変更前の判定規準と比較して、互いに異なる判定用閾値(基準値)に基づく規準である。
第2実施形態においても、文書作成者(ユーザU1)による文書の入力は、第1実施形態と同様に実行される。
その後(換言すれば、文書の作成後)、文書のレビューを行う人物(レビューユーザあるいは文書チェック者とも称する)は、文書処理装置30(30a,30b等)において所定の操作を行うことによって、当該設定変更画面を表示部36bに表示させる。なお、レビューユーザは、たとえば、文書作成者とは別のユーザU2であってもよく、あるいは文書作成者U1自身であってもよい。
そして、当該設定変更画面(図9参照)を用いた設定変更操作が行われ、ユーザ状態判定の判定規準が変更される。図9は、当該基準値の設定変更画面を示す図である。
具体的には、「脈拍」に関する基準値が例えば「80」から「70」に変更されるとともに当該設定変更画面内のOKボタンが押下されると、ユーザ状態判定の判定規準が変更される。
その後、文書処理装置30は、ユーザU1によって作成された文書のレビューに際して、各文字情報の各入力時点におけるユーザU1の状態(文書作成者の各入力時点の状態)を当該変更後の判定規準に基づいて判定する。
さらに、文書処理装置30は、当該変更後の判定規準に基づく判定結果を反映した注意喚起表示(強調表示等)を伴って当該文書を表示する(図10参照)。具体的には、図10に示すように、図8と比べると判るように、タグ[/117]に対応する文書入力期間(換言すれば、データ番号「117」に対応する文書入力期間)に入力された文字列「nutritional elements. 」等もが、強調表示されている。また、他の文字列部分(具体的には、データ番号「113」〜「117」に対応する文書入力期間に入力された文字列よりも若干上側に配置されている他の文字列部分)も、強調表示されている。
このようにしてユーザ状態判定の基準値(判定に関する閾値)を事後的に変更することによれば、より柔軟な対応をとることが可能である。
たとえば、当初の基準値が必ずしも妥当ではないと考えられる場合に、規準値を変更することによって非正常状態と判定される区分期間数を増大あるいは低減することが可能であり、ひいては注意喚起の対象領域を変更することが可能である。詳細には、基準値を低減すること(正常範囲を狭める)によれば、ユーザ状態が非正常状態であると判定され易くして、比較的多数の注意喚起対象を表示させることが可能である。逆に、基準値を増大すること(正常範囲を広げる)によれば、ユーザ状態が非正常状態であると判定され難くして、比較的少数の注意喚起対象を表示させることが可能である。
換言すれば、当初の判定規準を変更すること(具体的には、当初の基準値以外の事後的な基準値を利用すること)によって、より柔軟にユーザ状態を判定し、ユーザのレビュー時における注意喚起箇所をより柔軟に変更することが可能である。
特に、図4に示すように生体情報が文書に関連づけて格納される時点では、生体情報は、文書作成者(装着者)の状態(正常状態/非正常状態)の判定結果に変換されることなく(元のデータのまま)、文字情報に関連付けて格納部35に格納される(図6および図7も参照)。それ故、上述のような柔軟な対応を取ること(事後的にユーザ状態の判定結果を変更すること等)が可能になり、ひいては、より柔軟にユーザ状態を判定し、ユーザ(文書作成者)のレビュー時における注意喚起箇所をより柔軟に変更することが可能である。
<3.第3実施形態>
第3実施形態は、第2実施形態の変形例である。以下では、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第2実施形態においては、ユーザ状態判定の基準値がユーザの操作入力に応じて変更されている。
この第3実施形態においては、ユーザ状態判定の基準値が文書に対する修正の履歴情報(詳細には、修正の多寡)に応じて自動的に変更される。
第3実施形態では、たとえば第1実施形態と同様の技術を用いて、ユーザU1による作成文書(1又は複数の文書)に関するレビューが行われ、更にレビュー結果に基づく修正が行われたものとする。当該修正のための操作は、文書作成者(ユーザU1)自身、あるいはレビューユーザ(たとえばユーザU2)等によって行われる。この第3実施形態では、当該修正の回数等が集計され、当該集計結果(修正の履歴情報)が利用される。
図12は、ユーザの修正操作に基づく修正処理の集計結果(履歴情報)を示す図である。図12においては、処理対象文書内の修正箇所(修正回数等)に関する度数分布等が示されている。当該度数分布等は、文書入力時点(図4参照)でのユーザU1の「脈拍」の大きさに基づいて分類されている。
具体的には、図12の縦方向において、文書入力時点のユーザU1の「脈拍」の大きさが5つの区間(分類区間)に区分されている。具体的には、最上段は、「脈拍が60以下」の分類区間(第1分類区間)の欄であり、上から2段目は、「脈拍が61以上(60より大きく)且つ70以下」の分類区間(第2分類区間)の欄である。また、上から3段目は、「脈拍が71以上(70より大きく)且つ80以下」の分類区間(第3分類区間)の欄であり、上から4段目は、「脈拍が81以上(80より大きく)且つ90以下」の分類区間(第4分類区間)の欄である。さらに、上から5段目(最下段)は、「脈拍が91以上(90より大きい)」の分類区間(第5分類区間)の欄である。
図12の横方向においては、「総度数」、「修正回数」、「修正実行率」の各欄が設けられている。「総度数」は、文書入力中における区分期間(10秒単位で区切られた時間区間)の総数(分類区間ごとの総数)を示す欄である。また、修正回数は、実際に修正が施された区分期間の数(分類区間ごとの数)を示す欄である。さらに、「修正実行率」は、「修正回数」を「総度数」で除した値であり、実際に修正が実行された比率(分類区間ごとの値)を示している。
そして、これらの「総度数」、「修正回数」、「修正実行率」の各値が、それぞれ、ユーザU1の文書入力時点での生体情報に関する指標値(「脈拍」)の大きさに基づく分類区間ごとに集計されて示されている。
たとえば、図12の最上段の「総度数」の欄には、「脈拍が60以下」(第1分類区間)のユーザによる入力(文字情報の入力)が受け付けられた区分期間(10秒単位の時間区間)の総数(「60」)が示されている。換言すれば、当該最上段の「総度数」は、その分類区間(第1分類区間)に対応するユーザ状態で入力された「文字列領域」の総数である。なお、当該文字列領域は、1または複数の単語(あるいは文字列等)で構成される領域であり、文書内の文字列が或る規準(入力時間の長さあるいは文字列の長さ等)に基づいて区分されて形成される。ここでは、当該文字列領域は、文書内の文字列が入力時間の長さに基づいて区分されている。具体的には、当該文字列領域は、一定時間(10秒)内に入力される文字列で構成される領域である。
また、図12の最上段の「修正回数」の欄には、「脈拍が60以下」のユーザによって入力された文字列に対して、上述の修正処理において実際に修正が行われた区分期間の数(「1」)が示されている。換言すれば、当該最上段の「修正回数」は、その分類区間(第1分類区間)に対応するユーザ状態で入力された文字列領域であって実際に修正が行われた文字列領域の数である。
そして、図12の最上段の「修正実行率」の欄には、「脈拍が60以下」のときの「総度数」に対する「修正回数」の割合(「0.4%」=1/60)が示されている。換言すれば、当該最上段の「修正実行率」は、その分類区間(第1分類区間)に対応するユーザ状態で入力された文字列領域の総数「60」のうち、実際に修正が行われた文字列領域の数の割合を示す修正実行率である。
また、図12の上から3段目の「総度数」の欄には、「脈拍が71以上且つ80以下」(第3分類区間)のユーザによる入力が受け付けられた区分期間(10秒単位の時間区間)の総数(「10」)が示されている。また、図12の上から3段目の「修正回数」の欄には、「脈拍が71以上且つ80以下」のユーザによって入力された文字列に対して、上述の修正処理において実際に修正した区分期間の数(「2」)が示されている。そして、図12の上から3段目の「修正実行率」の欄には、「脈拍が71以上且つ80以下」のときの「総度数」に対する「修正回数」の割合(「20%」=2/10)が示されている。
その他の段の各欄にも同様の趣旨の数値が記録されている。
この結果、図12の右端列においては、各分類区間(第1分類区間〜第5分類区間)の「修正実行率」が示されている。換言すれば、各分類区間に関して、その分類区間に対応するユーザ状態で入力された文字列領域の総数Nのうち、実際に修正が行われた文字列領域の数(修正数)Mに関する比率を示す修正実行率γ(=M/N)が求められている。各分類区間の修正実行率γは、当該総数Nに対する実際の修正数Mの割合を、分類区間ごとに求めた値であるとも表現される。
この第3実施形態では、ユーザU1による作成文書(1又は複数の文書)に対して修正が施された後において、文書処理装置30は、当該修正の履歴情報(図12参照)を取得する。そして、文書処理装置30は、更にその次のレビュー時(ユーザU1によって作成された更に別の文書(更なる作成文書)のレビュー時等)に用いるべき基準値を、当該修正履歴情報(図12)に基づいて自動的に決定する。換言すれば、或る作成文書のレビュー時に用いるべき判定規準(変更後の判定規準)が、当該作成文書よりも前に作成(および修正)された少なくとも1つの文書に関する修正履歴情報に基づいて自動的に変更(決定)される。
具体的には、文書入力時点におけるユーザU1の「脈拍」の大きさに関する5つの区間(図12の縦方向参照)のうち、その修正実行率が所定の閾値(たとえば、20%)以上である区間が、「要注意区間」(他の区間よりも相対的に注意を要する区間)であると判定される。図12の場合には、上から3段目、4段目および5段目の各区間が「要注意区間」であると判定される。すなわち、「脈拍が71以上」に関する各区間が要注意区間であると判定される。そして、要注意区間として検出された区間の最低脈拍値に対応する閾値(ここでは「70」)が、変更後の基準値として決定される。
なお、複数の区間が要注意区間であると判定されるときには、複数の要注意区間のうちその脈拍が最も低い区間の最低脈拍値に対応する閾値(ここでは「70」)が、変更後の基準値として決定されればよい。たとえば、仮に上から4段目および5段目の区間の修正実行率が所定の閾値(たとえば20%)を下回る場合であっても、上から3段目の区間の修正実行率が所定の閾値以上であるときには、当該上から3段目の区間の最低脈拍値に対応する閾値(ここでは「70」)が、変更後の基準値として決定されればよい。
このように、修正履歴情報において、各文書入力時の生体情報に関する指標値(「脈拍」等)が複数の区間に区分され、当該複数の区間の修正実行率(実際に修正が行われた割合を示す値)がそれぞれ求められる。そして当該複数の区間のうちの一の区間の修正実行率(修正頻度)が所定の割合(たとえば20%)を超えるときには、当該一の区間に対応する値に基づき所定の判定規準が変更される。
そして、このようにして自動的に決定された新たな基準値(「70」)が、次回のレビュー時に用いられる。そして、次回のレビュー時においては、「80」から「70」に変更された新たな基準値(脈拍値)よりも大きな脈拍を有する状態で入力された文字列(文字情報)に対して、注意喚起表示が施される。
これによれば、実際に修正が施される可能性が高い区分(所定の閾値(20%)以上の確率で修正が施される区分)に関する文字列に対して注意喚起表示が行われるので、ユーザに対してより適切に注意を喚起することが可能である。なお、基準値が「80」から「70」に変更される場合(換言すれば、基準値が低減される場合)には、変更前の基準値による判定よりも比較的厳しい判定が行われ、比較的多数の注意喚起表示が行われる。逆に、基準値が増大する場合(たとえば、基準値が「80」から「90」に変更される場合)には、変更前の基準値による判定よりも比較的緩い判定が行われ、比較的少数の注意喚起表示が行われる。
<4.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
たとえば、上記第2実施形態においては、変更後の判定規準と変更前の判定規準とは、同一の種類(ここでは、「脈拍」)の生体情報に関する規準であるが、これに限定されない。具体的には、変更後の判定規準と変更前の判定規準とは、互いに異なる種類の生体情報に関する規準であってもよい。
たとえば、図11に示すように、「変更前の判定規準」(具体的には、「脈拍」に関する判定規準)が「変更後の判定規準」(具体的には、「血圧」に関する判定規準)に変更されるようにしてもよい。
図11の設定変更画面においては、3つの生体情報(「脈拍」、「血圧」、「体温」)が表示されている。当該3つの生体情報(選択肢)の中から、ユーザは所望の選択肢を選択する。詳細には、ユーザは、3つの選択肢のうち所望の選択肢(ここでは、「血圧」)に対応するラジオボタンをマウスでクリック等することによって、所望の選択肢を選択することができる。そして、OKボタンが押下されることによって当該選択が確定される。これにより、「判定規準」は、「血圧」を用いた判定規準に変更される。
このような判定規準の変更に応じて、文書処理装置30は、各文字情報の各入力時点における文書作成者の状態(文書作成者の状態が正常状態であったか非正常状態であったか)を、変更後の判定規準に基づいて判定する。そして、文書処理装置30は、当該変更後の判定規準に基づく判定結果を反映した注意喚起表示(対象文字列に対する注意喚起表示)を伴って当該文書を表示する。
このように、変更後の判定規準が、変更前の判定規準で利用した種類とは異なる種類の生体情報に関する規準に変更されるようにしてもよい。
なお、このような改変を第2実施形態と組み合わせて実現してもよい。すなわち、変更後の判定規準と変更前の判定規準とは、互いに異なる種類の生体情報に関する規準であり且つ互いに異なる判定用閾値(基準範囲)に基づく規準であってもよい。具体的には、図11の設定変更画面において、生体情報の種類を「脈拍」から「血圧」に変更し且つ当該血圧の基準値を「100」から別の値(たとえば「120」)に変更するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、強調対象の文字列等の色を変更した表示と吹き出し画像を付加した表示との双方が注意喚起表示として例示されているが、これに限定されない。たとえば、これらのうちの一方のみが行われてもよく、あるいは、その他の態様による強調表示等が行われてもよい。吹き出し画像を付加した表示のみが行われる場合には、注意喚起の対象文字列を判別し易くするために、対象文字列を含む行を指し示す表示(たとえば矢印表示)等が併せて行われることが好ましい。
また、上記各実施形態においては、全てのユーザに共通の判定規準に基づいて、特定のユーザU1に関する状態判定(特に1回目のレビュー時における状態判定)が行われているが、これに限定されない。
具体的には、ユーザごとに設けられた個別の判定規準に基づいて、各ユーザに関する状態判定が行われるようにしてもよい。
より詳細には、各ユーザの生体情報の測定値(調整用測定値)と標準ユーザ(標準的なユーザ)の当該生体情報に関する標準値との比較結果に基づいて、ユーザごとに設定されればよい。
たとえば、或るユーザU10に関する安静時(通常時)の生体情報(調整用データ)を所定期間に亘って測定して或る記憶部(文書処理装置30の格納部35、ウエアラブル端末50内の格納部55、あるいはサーバの格納部等)に格納しておく。また、標準ユーザに関する当該指標値に関する標準値(安静時の標準値)も、同一あるいは別の記憶部(文書処理装置30の格納部35、ウエアラブル端末50内の格納部55、あるいはサーバの格納部等)に格納しておく。
そして、ユーザU10の当該測定情報における或る指標値(「脈拍」)に関する測定値(詳細には、幾つかの測定データに関する平均値)と、標準ユーザに関する当該指標値に関する標準値(安静時の標準値)とが比較され、その比較結果に基づいて指標値に関する標準値を補正した値が、上述の基準値として決定されるようにしてもよい。たとえば、多数ユーザに関する脈拍の標準値が「60」であり、ユーザU10の脈拍の平均値が「50」であるときには、その差分値「10」(=60−50)に基づき、ユーザの状態判定に用いる基準値が「80」ではなく「70」(=80−10)に設定されればよい。
あるいは、ユーザごとに異なる種類の生体情報に基づいて、各ユーザに関する状態判定が行われるようにしてもよい。たとえば、ユーザU11の状態判定では「脈拍」が用いられ、ユーザU12の状態判定では「血圧」が用いられてもよい。
また、第2実施形態および第3実施形態等に関して、ユーザごとの判定規準がユーザごとに変更されて、2回目以降のレビュー時(別文書のレビュー時を含む)における各ユーザの状態判定が行われるようにしてもよい。
また、上記各実施形態においては、文書処理装置30において生体情報と文字情報とが関連付けて格納されているが、これに限定されない。たとえば、別のサーバコンピュータ(単にサーバとも称する)において生体情報と文字情報とが関連付けて格納されてもよい。文書作成者の文書入力期間における文書作成者の時系列の生体情報を取得する処理も、サーバ等によって行われてもよい。たとえば、当該サーバ等は、当該情報をウエアラブル端末50から直接受信してもよく、或いはウエアラブル端末50からの当該情報を文書処理装置30を経由して受信してもよい。
また、各文字情報の各入力時点における文書作成者の状態を生体情報に関する所定の判定規準に基づいて判定する処理が、文書処理装置30以外の装置(たとえば、サーバ)にて行われてもよい。さらに、文書のレビューに際して、注意喚起表示を含む表示用データがサーバ等にて生成されて文書処理装置30へと送信され、当該表示用データに基づく表示画面(注意喚起表示を含む)が文書処理装置30にて表示されるようにしてもよい。換言すれば、サーバが当該表示用データの生成処理を行うことによって、文書を表示する動作をサーバが制御するようにしてもよい。
さらに、その他の処理もサーバ等にて適宜行われるようにしてもよい。なお、サーバと各装置との通信は、通信ネットワーク等を用いて行われればよい。