JP4272237B2 - 車両のリヤフレーム構造 - Google Patents
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Description
リヤフレームとクロスメンバとの各結合部から左右のダイアゴナルメンバが車体後方に向けてリヤエンドパネルが車体中央まで直線状に延出され、リヤエンドパネルの車体中央にガードブロックが設けられている。
このため、車体後部に衝撃荷重が作用した場合に、衝撃荷重を左右のダイアゴナルメンバで左右のリヤフレームやクロスメンバに伝えて分散させることは可能である。
しかし、左右のダイアゴナルメンバは直線状に延出されているので、車体後部に衝撃荷重が作用した場合に、それぞれのダイアゴナルメンバを好適に変形させて衝撃荷重を吸収することは難しい。
一方、衝撃吸収部材で衝撃荷重を良好に吸収するためには、中央部を車体前方に良好に移動させることが好ましい。
そこで、リヤエンドパネルが、車体後方からの衝撃荷重が作用する部位であり、衝撃荷重が作用した際に、車体前方に向けて良好に変形することに着目し、中央部をリヤエンドパネルに設けることにした。
加えて、左右の側部をそれぞれ中央部から左右の端部まで直線状に上り勾配で延出させることができる。
したがって、左右の側部をそれぞれ軸方向に変形(圧縮)させて、圧縮荷重(すなわち、衝撃荷重の一部)を吸収することができる。
これにより、左右の側部をそれぞれ車体前方に向けて曲げ変形させて、残りの衝撃荷重を吸収することができる。
これにより、左右の側部をそれぞれ車体前方に向けて安定的に曲げ変形させて、残りの衝撃荷重を安定的に吸収することができるという利点がある。
これにより、衝撃荷重が作用した際に、左右の側部を車体前方に向けて安定的に曲げ変形させて、衝撃荷重を安定的に吸収することができるという利点がある。
なお、本実施の形態においては、本発明に係る車両のリヤフレーム構造10をハイブリッド自動車に適用した例について説明するが、本発明は通常の自動車に適用することも可能である。
右リヤホイールハウス15は、右リヤフレーム12に設けられ、右後輪および右後ダンパー(図示せず)を収容する部材である。
このリヤフロア17は、左取付側部31の内辺から下方に垂下する左壁部33(図4も参照)と、右取付側部32の内辺から下方に垂下する右壁部34と、左壁部33の下辺および右壁部34の下辺に設けられた底部35とを有する。
バッテリー収納空間37にバッテリー38が収納されている。バッテリー38は、ハイブリッド自動車用のモータ(図示せず)に電圧を供給する大型バッテリーである。
以下、衝撃吸収手段20の各構成を図2〜図4に基づいて詳しく説明する。
衝撃吸収部材21は、延性に優れた金属製の補強部材である。衝撃吸収部材21は、図3に示すように、平面視において車体後方に突出するように略V字状に形成された部材である。
また、補強部材は、円筒形の筒状部材に限定するものではなく、断面矩形状や断面多角形状の筒部材を用いることも可能である。
加えて、補強部材として、例えば、プレス成形において、断面略C字状や断面略コ字状などの開放断面(開断面)に形成したプレス部材を用いることも可能である。
左端パイプ部22は、左取付ブラケット41に溶接されている。左取付ブラケット41は左接続部45に4本のボルト48で取り付けられている。
この左端パイプ部22は、左取付側部31に沿って水平に配置された状態で、左取付ブラケット41を介して左接続部45に設けられている。
右端パイプ部23は、右取付ブラケット42に溶接されている。右取付ブラケット42は右接続部46に4本のボルト49で取り付けられている。
この右端パイプ部23は、右取付側部32に沿って水平に配置された状態で、右取付ブラケット42を介して右接続部46に設けられている。
具体的には、図6(b)に示すように、後方車両71の衝突面72がリヤエンドパネル18に衝突した場合に、衝突面72からリヤエンドパネル18に衝突荷重F1が作用する位置(高さ位置)に中央パイプ部24が設けられている。
なお、衝突荷重F1が作用する位置(高さ位置)は法規要件で求められる。
よって、中央パイプ部24は、中央取付ブラケット43を介してリヤエンドパネル18の車幅方向中央部位19に設けられている。
右側パイプ部26は、中央パイプ部24の右端24bから右端パイプ部23の内側端23aまで直線状に上り勾配で延出されている。
なお、左取付ブラケット41は、アルミ材、ステンレス材など金属材料であればよく、特に、剛性の高い高張力鋼板で形成したものを用いることが好ましい。
この左取付ブラケット41は、衝撃吸収部材21の左端パイプ部22の先端部22bを受け入れる受入凹部55と、受入凹部55に一体に形成された取付部56とを有する。
左端パイプ部22の先端部22bを受入凹部55で受け入れた状態で、内壁55aは、先端部22bに沿って配置されている。
受入凹部55は先端部22bに溶接で一体に取り付けられている。
後張出片62の各取付孔にボルト48…を差し込み、差し込んだボルト48…を左取付側部31側にねじ結合する。
同様に、上張出片63の各取付孔にボルト48…を差し込み、差し込んだボルト48…を左取付側部31側にねじ結合する。
具体的には、左端パイプ部22は、左取付側部31に沿って水平に配置され、かつ、図3に示すように車体後方に向けて車体中央側に徐々に近づくようにテーパ状に配置されている。
以下、右取付ブラケット42を右接続部46に取り付ける例について説明する。
後張出片62の各取付孔にボルト48…を差し込み、差し込んだボルト48…を右取付側部32側にねじ結合する。
同様に、上張出片63の各取付孔にボルト48…を差し込み、差し込んだボルト48…を右取付側部32側にねじ結合する。
具体的には、右端パイプ部23は、右取付側部32に沿って水平に配置され、かつ、図3に示すように車体後方に向けて車体中央側に徐々に近づくようにテーパ状に配置されている。
この中央ブラケット43には、中央受入凹部65および中央取付部66に渡って補強用のリブ67が形成されている。
中央パイプ部24を中央受入凹部65で受け入れた状態で、中央受入凹部65が中央パイプ部24に溶接により一体に取り付けられている。
よって、中央取付ブラケット43がリヤエンドパネル18の車幅方向中央部位19に設けられ、中央パイプ部24が車幅方向中央部位19に略水平に取り付けられる。
よって、通常状態において、衝撃吸収部材21を車体に安定させた状態で取り付けることができる。
クロスメンバー58の後方にメンテナンス用のカバー59が着脱自在に設けられている。カバー59の下方に燃料タンク(図示せず)が設けられている。
衝撃吸収部材21の左端パイプ部22は、左リヤフレーム11の上部(詳しくは、左取付側部31)に左取付ブラケット41で取り付けられている。
また、図3に示すように、衝撃吸収部材21の右端パイプ部23は、右リヤフレーム12の上部(詳しくは、右取付側部32)に右取付ブラケット42で取り付けられている。
すなわち、左右端のパイプ部22,23はバッテリー収納空間37の上方に取り付けられている。
中央パイプ部24は、バッテリー収納空間37の後部において、上下方向略中央に配置されている。
換言すれば、中央パイプ部24は、後方車両71の衝突面72において、上下方向の中央72aに一致した位置(対応した位置)に設けられている。
図1に示すように、衝撃吸収部材21の右側パイプ部26は、中央パイプ部24の右端24bから右端パイプ部23の内側端23aまで直線状に上り勾配で延出されている。
左右端のパイプ部22,23をバッテリー収納空間37の上方に設けることで、バッテリー収納空間37を大きく確保することができる。
左接続部45は、左リヤフレーム11および左リヤホイールハウス14が接続された部位であり、衝撃変形の少ない部位である。
衝撃吸収部材21の左右端のパイプ部22、23をそれぞれ衝撃変形の少ない部位に取り付けることで、衝撃吸収部材21による衝撃荷重(衝撃エネルギー)の吸収効率を向上させることができる。
図5は本発明に係るリヤフレーム構造を備えた車両に後方車両がオフセット衝突する例を説明する図である。以下、本発明に係るリヤフレーム構造10を備えた車両を車両70として説明する。
車両70の後方から、車両(すなわち、後方車両)71が低速で矢印Aの如くオフセット衝突する。
具体的には、車両70に対して後方車両71が右側にオフセットした状態で、低速衝突する。
(a)に示すように、車両70のリヤエンドパネル18に後方車両71の衝突面72がオフセットした状態で低速衝突することで、衝突面72は左リヤフレーム11の後端部に当たらない。
中央パイプ部24は、中央ブラケット43でリヤエンドパネル18の車幅方向中央部位19に取り付けられている。
このため、後方車両71の衝突面72がオフセットした状態でリヤエンドパネル18に低速衝突すると、衝突荷重F1が衝撃吸収部材21の中央パイプ部24に作用する。
さらに、左側パイプ部25は、中央パイプ部24から左端パイプ部22まで直線状に上り勾配で延出されている。また、右側パイプ部26は、中央パイプ部24から右端パイプ部23まで直線状に上り勾配で延出されている。
加えて、衝撃吸収部材21は延性に優れた金属製の補強部材で形成されている。
右側パイプ部26に作用する圧縮荷重F2は図6(a)に示す。
さらに、中央パイプ部24で受けた衝撃荷重F1のうち、残りの衝撃荷重F3は、中央パイプ部24を車体前方に移動させる荷重として矢印の如く作用させることができる。
(a)に示すように、左右側のパイプ部25,26に軸方向に圧縮荷重F2を作用させることで、左右側のパイプ部25,26を軸方向に変形(圧縮)させる。
左右側のパイプ部25,26が軸方向に変形(圧縮)することで、圧縮荷重F2(図6参照)を吸収する。
同時に、右側パイプ部26を内側端23aを支点にして矢印Cの如く車体前方に曲げ変形させる。
左右側のパイプ部25,26が車体前方に向けて曲げ変形することで、残りの衝撃荷重F3(図6参照)を吸収する。
よって、リヤエンドパネル18に中央パイプ部24を設けることで、衝撃荷重F1が作用した際に、中央パイプ部24をリヤエンドパネル18とともに車体前方に向けて良好に移動させることができる。
これにより、左右側のパイプ部25,26をそれぞれ車体前方に向けて安定的に曲げ変形させて、残りの衝撃荷重F3を安定的に吸収することができる。
よって、残りの衝撃荷重F3が作用した際に、左右端のパイプ部22,23が曲げ変形することを左右の取付ブラケット41,42で防止することができる。
これにより、残りの衝撃荷重F3が作用した際に、左右側のパイプ部25,26を車体前方に向けて安定的に曲げ変形させて、残りの衝撃荷重F3を安定的に吸収することができる。
衝撃荷重F1を良好に吸収することで、バッテリー収納空間37の大型バッテリー38を確実に保護することができる。
Claims (3)
- 左右のリヤフレームに後輪を収容するリヤホイールハウスがそれぞれ設けられ、前記左右のリヤフレームの後方にリヤエンドパネルが設けられ、前記左右のリヤフレーム間で、かつ前記リヤエンドパネルの車体前方側に衝撃吸収部材が設けられた車両のリヤフレーム構造において、
前記衝撃吸収部材は、延性に優れた金属製の補強部材であって、
前記左リヤフレームおよび前記左リヤホイールハウスの左接続部に設けられた左端部と、
前記右リヤフレームおよび前記右リヤホイールハウスの右接続部に設けられた右端部と、
車体後方に向けて突出させて折り曲げられ、前記左右の端部に対して下方に変位させることで前記衝撃荷重が作用する位置に設けられた中央部と、
前記中央部から前記左端部まで直線状に上り勾配で延出された左側部と、
前記中央部から前記右端部まで直線状に上り勾配で延出された右側部と、
を有し、
前記左右の側部、前記左右の端部および前記中央部で平面視略V字状に形成されたことを特徴とする車両のリヤフレーム構造。 - 前記中央部は前記リヤエンドパネルに設けられたことを特徴とする請求項1記載の車両のリヤフレーム構造。
- 前記左右の端部に高張力鋼板の取付ブラケットがそれぞれ設けられ、
前記左右の取付ブラケットが前記左右の接続部にそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両のリヤフレーム構造。
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