JP4272017B2 - エレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法 - Google Patents

エレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法 Download PDF

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Description

本願発明は、接着部を有するエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法に関するものである。
一般に、エレクトレットコンデンサマイクロホンは、エレクトレットコンデンサ部と、このエレクトレットコンデンサ部の静電容量の変化を電気インピーダンス変換するインピーダンス変換素子とを備えており、そのエレクトレットコンデンサ部は、振動膜が振動膜支持部材に張設固定されてなる振動膜サブアッセンブリと背面電極板とが対向配置された構成となっている。
その際、振動膜の振動膜支持部材への張設固定は、例えば「特許文献1」にも記載されているように、一般に接着固定によって行われている。
特開2002−16999号公報
エレクトレットコンデンサマイクロホンが表面実装用マイクロホンとして構成されている場合には、その完成後にリフロー処理により高温環境下に曝されることとなるので、振動膜と振動膜支持部材との接着固定を揮発硬化型接着剤を用いて行うようにした場合には、接着剤から多量のガスが発生してしまう。そして、このようにしてガスが発生すると、背面電極板のエレクトレット層から電荷が抜け出して、そのチャージ電圧が低下してしまうので、これによりマイクロホン感度が低下してしまう、という問題がある。
これに対し、振動膜と振動膜支持部材との接着固定を、上記「特許文献1」にも記載されているように、反応硬化型接着剤である熱硬化性エポキシ系接着材を用いて行うようにすれば、揮発硬化型接着剤を用いた場合に比して接着剤からのガス発生量を大幅に減少させることができるが、エレクトレット層からの電荷の抜け出しを効果的に抑制するという観点からは、依然として不十分である。
このような問題は、リフロー処理が行われる場合に限らず、完成後のエレクトレットコンデンサマイクロホンが高温環境下に曝される場合一般において同様に生じ得る問題であり、また、エレクトレットコンデンサマイクロホンの他の部位に接着部が存在する場合にも同様に生じ得る問題である。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、接着部を有するエレクトレットコンデンサマイクロホンが、その完成後に高温環境下に曝されるような場合においても、接着剤からのガス発生量を最小限に抑えることができるエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法を提供することを目的とするものである。
本願発明は、接着剤の選定に工夫を施すとともに、製造工程中に所定の加熱処理を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
すなわち、本願発明に係るエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法は、
振動膜が振動膜支持部材に張設固定されてなる振動膜サブアッセンブリと背面電極板とが対向配置されてなるエレクトレットコンデンサ部と、このエレクトレットコンデンサ部を収容する金属カバーと、上記エレクトレットコンデンサ部の静電容量の変化を電気インピーダンス変換するインピーダンス変換素子と、上記金属カバーおよび上記インピーダンス変換素子を収容する合成樹脂製のハウジングとを備えてなり、
上記ハウジングが、後部壁を有するベースハウジングと、前部壁を有するトップハウジングとにより構成され、
上記ベースハウジングの後部壁がインサート成形により複数の端子部材と一体的に形成されており、これら各端子部材の一端部が上記ベースハウジングの後部壁内面に導電パターンの一部を形成するようにして露出するとともに、上記各端子部材の他端部が上記ベースハウジングの後部壁外面に外部接続端子部として露出するように構成されたエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法において、
上記背面電極板を上記金属カバー内に収容する前に、この金属カバーを上記トップハウジングの前部壁に反応硬化型接着剤を用いて接着固定するとともに、これら接着固定された金属カバーおよびトップハウジングの前部壁に対して加熱処理を施す、ことを特徴とするものである。
上記「張設固定」とは、ある部材を張った状態で他の部材に固定することを意味するものである。
上記「インピーダンス変換素子」は、コンデンサ部の静電容量の変化を電気インピーダンス変換することが可能なものであれば、特定の素子に限定されるものではなく、例えば電界効果トランジスタ等が採用可能である。また、この「インピーダンス変換素子」は、金属カバー内に収容されていてもよいし収容されていなくてもよい。
上記「反応硬化型接着剤」の種類は特に限定されるものではなく、例えば、熱反応硬化型接着剤、2液反応硬化型接着剤、光硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等が採用可能である。
上記「加熱処理」の際の条件は特に限定されるものではないが、200〜230℃の温度で1時間以上加熱することが好ましい。
本願発明に係るエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法は、背面電極板を金属カバー内に収容する前に、この金属カバーをハウジングの前部壁に反応硬化型接着剤を用いて接着固定するとともに、これら接着固定された金属カバーおよびハウジングに対して加熱処理を施すようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、金属カバーとハウジングの前部壁との接着固定を反応硬化型接着剤を用いて行うことにより、揮発硬化型接着剤等を用いた場合に比して、接着剤からのガス発生量を大幅に減少させることができる。また、背面電極板を金属カバー内に収容する前に、この金属カバーおよびこれに接着固定されたハウジングの前部壁に対して加熱処理を施すことにより、背面電極板のエレクトレット層には全く影響を及ぼさないようにした上で、予め接着剤からのガス発生を促すことができる。そしてこれにより、完成後のエレクトレットコンデンサマイクロホンがリフロー処理等により高温環境下に曝されるようなことがあっても、接着剤からのガス発生量を最小限に抑えることができる。
このように本願発明によれば、接着部を有するエレクトレットコンデンサマイクロホンが、その完成後に高温環境下に曝されるような場合においても、接着剤からのガス発生量を最小限に抑えることができる。そしてこれにより、エレクトレット層からの電荷の抜け出しを最小限に抑えて、そのチャージ電圧の低下によるマイクロホン感度の低下を効果的に抑制することができる。
上記加熱処理を、200〜230℃の温度で1時間以上加熱することにより行うようにすれば、エレクトレットコンデンサマイクロホンがリフロー処理等により200℃前後の高温環境下に曝されるような場合においても、接着剤からのガス発生量を最小限に抑えることができる。
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係るエレクトレットコンデンサマイクロホンを上向きに配置した状態で示す側断面図である。また、図2は、上記エレクトレットコンデンサマイクロホンを主要構成要素に分解して斜め後方から見て示す斜視図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係るエレクトレットコンデンサマイクロホン10は、正面視において一辺4.5mm程度の略正方形の外形形状を有する高さ1.8mm程度の表面実装用小型マイクロホンであって、略直方体状に形成されたハウジング12内に、マイクロホンアッセンブリ14と、接合型の電界効果トランジスタ16(インピーダンス変換素子)と、2つのコンデンサ18、20と、ゲートスプリング22とが収容されてなっている。
ハウジング12は、前向きに開放された液晶ポリマー製のベースハウジング52と、後向きに開放された液晶ポリマー製のトップハウジング54とが、超音波溶着により固定されてなっている。
マイクロホンアッセンブリ14は、前後方向に延びる背の低い略矩形筒状の金属カバー32内に、振動膜サブアッセンブリ34、スペーサ36、背面電極板38および絶縁性ブッシュ40が収容されてなっている。
図3は、マイクロホンアッセンブリ14をその構成部品毎に分解して、ゲートスプリング22と共に、斜め後方から見て示す斜視図である。
この図にも示すように、金属カバー32は、前部壁に音孔32aが形成されたステンレス鋼製のカバー本体32Aと、このカバー本体32Aの開放後端縁32bに溶接されたステンレス鋼製のコンタクトフレーム32Bとからなっている。
振動膜サブアッセンブリ34は、図4(b)に単品でも示すように、振動膜34Aが支持リング34B(振動膜支持部材)の後面に張設固定されてなっている。振動膜34Aは、厚みが1.5μm程度の円形の高分子フィルム(例えばPPS(ポリフェニレンスルフィド)フィルム)の前面に金属(例えば金あるいはニッケル合金)の蒸着膜が形成されてなっている。支持リング34Bは、金属カバー32に略内接する外径を有するステンレス鋼製のリング部材で構成されている。
そして、この振動膜34Aの支持リング34Bへの張設固定は、図4(a)に示すように、下面に金属蒸着膜が形成されたPETフィルム2を、図示しない治具の重量により所定のテンションで張った状態で、上面に反応硬化型接着剤A1が塗布された支持リング34Bに押し当てて接着するとともに、PETフィルム2の不要部分を除去することにより行われるようになっている。その際、反応硬化型接着剤A1としては2液反応硬化型接着剤が用いられている。
スペーサ36は、板厚25μm程度のステンレス鋼製の薄板リングで構成されており、その外径は支持リング34Bの外径と略同じ値に設定されている。
背面電極板38は、電極板本体38Aと、この電極板本体38Aの前面に熱融着されたエレクトレット層38Bとからなり、その外径は支持リング34Bの外径よりもやや小さい値に設定されている。そして、この背面電極板38の中央部には、直径0.8mm程度の円柱状の背圧調整孔38aが形成されている。
電極板本体38Aは、板厚0.15mm程度のステンレス鋼板で構成されている。一方、エレクトレット層38Bは、厚みが25μm程度のFEP(フッ化エチレンプロピレン)フィルムで構成されている。このエレクトレット層38Bには、コロナ放電等による分極処理が施されており、これにより所定の表面電位(例えば−125V)が付与されている。
金属カバー32内においては、振動膜34Aとエレクトレット層38Bとがスペーサ36を介して所定の微小間隔をおいて対向しており、これによりコンデンサ部Cを構成するようになっている。
図5は、マイクロホンアッセンブリ14のうち、絶縁性ブッシュ40およびコンタクトフレーム32Bを、ゲートスプリング22と共に示す正面図である。
この図にも示すように、絶縁性ブッシュ40は、略矩形状に形成された液晶ポリマー製のフレーム部材であって、その内周面前部には、背面電極板38の外形形状に沿って4箇所に弓形凹部40aが形成されている。そして、背面電極板38は、この絶縁性ブッシュ40の弓形凹部40aに嵌合固定されている。
ゲートスプリング22は、ステンレス鋼板を略矩形リング状に打抜き加工するとともにその一部に曲げ加工を施すことにより逆「へ」字状に形成されている。そして、このゲートスプリング22には、その内部空間へ向けて斜め後方に延びる弾性片22aが一体的に形成されている。
コンタクトフレーム32Bは、ステンレス鋼板を略矩形リング状に打抜き加工するとともにその一部に曲げ加工を施すことにより形成されている。このコンタクトフレーム32Bの四辺外周部には、カバー本体32Aの開放後端縁32bに当接して該カバー本体32Aに溶接されるカバー本体当接部32cが各々形成されている。また、このコンタクトフレーム32Bの四隅には、カバー本体32Aに内接係合して該カバー本体32Aの開放後端縁32bとカバー本体当接部32cとの位置決めを図るための位置決め片32dが各々形成されている。さらに、このコンタクトフレーム32Bの四辺内周部には、斜め後方に延びる弾性片32eが各々切り起こしにより形成されている。
マイクロホンアッセンブリ14の製作は、金属カバー32のカバー本体32Aを図3とは上下逆さの位置関係で配置した状態で、該カバー本体32A内に、振動膜サブアッセンブリ34、スペーサ36、背面電極板38および絶縁性ブッシュ40をこの順番で落とし込み、該カバー本体32Aの開放後端縁32bにコンタクトフレーム32Bを溶接することにより行われるようになっている。
この落とし込みが行われる前に、振動膜サブアッセンブリ34に対して、200〜230℃の温度で1時間以上の加熱処理が施されるようになっている。そしてこれにより、背面電極板38のエレクトレット層38Bには全く影響を及ぼさないようにした上で、予め反応硬化型接着剤A1からのガス発生を促すようになっている。
図6は、ハウジング12のベースハウジング52を電界効果トランジスタ16およびコンデンサ18、20と共に示す正面図である。
この図にも示すように、ベースハウジング52は、略正方形の後部壁52Aと、その外周縁部から前方へ延びる外周壁52Bとからなり、インサート成形により4つの端子部材56A、56B1、56B2、56Cと一体的に形成されている。これら4つの端子部材56A、56B1、56B2、56Cは、帯板状の導電性部材に打抜き加工および曲げ加工を施すことによりインサートとして形成されている。
これら各端子部材56A、56B1、56B2、56Cの一端部は、後部壁52Aの内面に導電パターンPの一部を構成する3つのランド部56Aa、56Ba、56Caとして露出している。一方、各端子部材56A、56B1、56B2、56Cの他端部は、後部壁52Aの外面に4つの外部接続端子部56Ab、56B1b、56B2b、56Cbとして露出している。これら各外部接続端子部56Ab、56B1b、56B2b、56Cbは、後部壁52Aの各コーナ部近傍において後部壁52Aの外面から外周壁52Bの外面へ回り込むようにしてL字形に形成されている。その際、各外部接続端子部56Ab、56B1b、56B2b、56Cbは、後部壁52Aに対してはインサート成形により該後部壁52Aの外面と面一で形成されており、外周壁52Bに対してはインサート成形後の切断および曲げ加工により該外周壁52Bの外面から板厚分だけ突出するようにして形成されている。
4つの端子部材56A、56B1、56B2、56Cのうち、端子部材56Aは、外部基板に表面実装されたとき負荷抵抗を介して電源に接続される出力端子であり、端子部材56B1、56B2はアース端子であり、残り1つの端子部材56Cはダミー端子である。
ベースハウジング52の後部壁52Aには、導電パターンPを分断する貫通孔52aが形成されている。この貫通孔52aはピン挿入あるいはレーザ光照射等により導電パターンPを分断することにより形成されている。そしてこれによりベースハウジング52の後部壁52Aの内面には、ランド部56Aa、56Caから電気的に分離した新たなランド部58が形成されている。この後部壁52Aの貫通孔52aには、ベースハウジング52内の空間を外部空間から隔絶するためのシール剤として反応硬化型接着剤A3が充填されている。この反応硬化型接着剤A3としては2液反応硬化型接着剤が用いられている。
電界効果トランジスタ16および各コンデンサ18、20は、導電パターンPの所定部位においてベースハウジング52に実装されている。
電界効果トランジスタ16は、エレクトレットコンデンサ部Cの静電容量の変化を電気インピーダンス変換する素子であって、そのドレイン電極Dを端子部材56Aのランド部56Aaと導通させ、そのソース電極Sを端子部材56Bのランド部56Baと導通させ、そのゲート電極Gをランド部58と導通させるようにして実装されている。また、コンデンサ18、20は、ノイズ除去のために設けられる静電容量の異なる2種類のコンデンサであって、端子部材56Aのランド部56Aaと端子部材56Bのランド部56Baとに跨るようにして並列で実装されている。
同図において2点鎖線で示すように、ランド部58には、ゲートスプリング22の弾性片22aの先端部が当接している。このゲートスプリング22は、無負荷状態では、その前後方向の寸法が、背面電極板38の後面とベースハウジング52の後部壁52Aの内面との間隔よりもある程度大きい値に設定されており、これによりエレクトレットコンデンサマイクロホン10の組付完了段階では、その弾性片22aが撓んで背面電極板38を前方へ向けて弾性的に押圧するようになっている。そしてこれにより電界効果トランジスタ16のゲート電極Gを、ランド部58およびゲートスプリング22を介して背面電極板本体38Aと確実に導通させるようになっている。
このとき、絶縁性ブッシュ40とコンタクトフレーム32Bとの間には、0.05mm〜0.1mm程度の隙間が形成されるようになっている。これは、背面電極板38と絶縁性ブッシュ40とが嵌合しているため、ゲートスプリング22により背面電極板本体38Aが前方へ押圧されると同時に絶縁性ブッシュ40がコンタクトフレーム32Bから離れる方向へ変位することによるものである。
また、同図において2点鎖線で示すように、ランド部56Ba、56Caには、コンタクトフレーム32Bの4つの弾性片32eのうち2つの弾性片32eの先端部が当接している。これら各弾性片32eの前後方向の寸法は、コンタクトフレーム32Bの後面とベースハウジング52の後部壁52Aの内面との間隔よりもある程度大きい値に設定されており、これによりエレクトレットコンデンサマイクロホン10の組付完了段階では各弾性片32eが撓むようになっている。そしてこれにより、電界効果トランジスタ16のソース電極Sを、端子部材56B1、56B2のランド部56Ba、コンタクトフレーム32B、カバー本体32Aおよび支持リング34Bを介して振動膜34Aと導通させるとともに、端子部材56Cのランド部56Caとも導通させ、この端子部材56Cをもアース端子として使用可能とするようになっている。
ベースハウジング52の後部壁52Aの外面には、所定形状の凹部52bが形成されており、この凹部52bには該凹部52bの深さよりも薄い金属製のシールドプレート60が設けられている。なお、ランド部56Ba、56Caは凹部52bの外面に露出しており、これらランド部56Ba、56Caにシールドプレート60を接触させるようになっている。
ベースハウジング52は、その後部壁52Aの貫通孔52aに反応硬化型接着剤A3が充填された後、トップハウジング54への固定が行われる前に、200〜230℃の温度で1時間以上の加熱処理が施されるようになっている。そしてこれにより、背面電極板38のエレクトレット層38Bには全く影響を及ぼさないようにした上で、予め反応硬化型接着剤A3からのガス発生を促すようになっている。
トップハウジング54は、ベースハウジング52の後部壁と同一形状の前部壁54Aと、この前部壁54Aの外周縁部から後方へ延びる外周壁54Bとからなっている。このトップハウジング54の前部壁54Aには、複数の音孔54aが形成されている。
また、このトップハウジング54の前部壁54Aの内面には、金属カバー32のカバー本体32Aが接着固定されており、これによりハウジング12内の空間を振動膜34Aを境にして前後に仕切るようになっている。この接着固定は、図7に示すように、マイクロホンアッセンブリ14を製作する前のカバー本体32A単品の状態で、反応硬化型接着剤A2を用いて行われるようになっている。この反応硬化型接着剤A2としては2液反応硬化型接着剤が用いられている。
さらに、これら接着固定されたカバー本体32Aおよびトップハウジング54に対して、200〜230℃の温度で1時間以上の加熱処理が施されるようになっている。そしてこれにより背面電極板38のエレクトレット層38Bには全く影響を及ぼさないようにした上で、予め反応硬化型接着剤A2からのガス発生を促すようになっている。
ベースハウジング52とトップハウジング54との超音波溶着は、次のようにして行われるようになっている。
すなわち、図6に示すように、超音波溶着前のベースハウジング52は、その外周壁52Bの前端面52cが全周にわたって略角錐面状に形成されている。一方、超音波溶着前のトップハウジング54は、その外周壁54Bの後端面54bが全周にわたって平面状に形成されている。そして、これら外周壁52Bの前端面52cと外周壁54Bの後端面54bとを全周にわたって面接触させた状態で超音波振動を付与することにより、主としてベースハウジング52の外周壁52Bの前端面近傍部位を塑性変形させ、これにより、図1に示すように、外周壁52Bの前端面52cと外周壁54Bの後端面54bとを全周にわたって溶着固定するようになっている。
図8(a)は、本実施形態に係る製造方法により製造されたエレクトレットコンデンサマイクロホン10のリフロー特性を数値データで示す図であり、図9は、これをグラフで示す図である。また、図8(b)は、その比較例のリフロー特性を数値データで示す図であり、図10は、これをグラフで示す図である。
このリフロー特性は、ピーク温度235℃のリフロー炉を通過させたことによるマイクロホン感度の変化の様子を示すものであり、「初期」はリフロー炉を通過させる前の特性、「リフロー1」はリフロー炉を1回通過させた後の特性、「リフロー2」はリフロー炉を2回通過させた後の特性、「リフロー3」はリフロー炉を3回通過させた後の特性である。
比較例は、エレクトレットコンデンサマイクロホン10における2箇所の接着部および1箇所のシール部に、反応硬化型接着剤A1、A2、A3を使用する代わりに揮発硬化型接着剤を使用した上で、本実施形態と同様の加熱処理を施したエレクトレットコンデンサマイクロホンである。
図8(a)および図9に示すように、本実施形態に係るエレクトレットコンデンサマイクロホン10は、リフロー炉を3回通過させた後でも、感度変化が±1dB以内に収まっている。これは、反応硬化型接着剤の使用および事前の加熱処理により、エレクトレットコンデンサマイクロホン10が完成した時点において、すでにガス発生要因が略完全に除去されているため、エレクトレット層38Bからの電荷の抜け出しによるチャージ電圧の低下がほとんどないことによるものと考えられる。
一方、図8(b)および図10に示すように、比較例のエレクトレットコンデンサマイクロホンは、リフロー炉を通過させるたびに感度が低下している。これは、揮発硬化型接着剤が使用されているため、事前の加熱処理が行われているにもかかわらず、再加熱のたびにガスが発生し、エレクトレット層38Bからの電荷の抜け出しによるチャージ電圧の低下が発生していることによるものと考えられる。
以上詳述したように、本実施形態においては、振動膜34Aの支持リング34Bへの張設固定が、反応硬化型接着剤A1を用いた接着固定によって行われるようになっているので、この接着固定に揮発硬化型接着剤等を用いた場合に比して接着剤からのガス発生量を大幅に減少させることができる。しかも、金属カバー32内に収容する前の振動膜サブアッセンブリ34に対して、200〜230℃の温度で1時間以上の加熱処理が施されるようになっているので、背面電極板38のエレクトレット層38Bには全く影響を及ぼさないようにした上で、予め反応硬化型接着剤A1からのガス発生を促すことができる。
なお、この加熱処理時の200〜230℃の温度は、リフロー処理等で加熱される程度の温度であるため、リフロー処理時のガス発生量を抑制することができる。また、この加熱処理時に200〜230℃の温度で1時間以上の加熱を行うのは、実験結果より、1時間以上加熱すれば大半のガス発生を促すことができることに基づいている。
また、本実施形態においては、金属カバー32のカバー本体32Aがトップハウジング54の前部壁54Aに反応硬化型接着剤A2を用いて接着固定されるようになっているので、この接着固定に揮発硬化型接着剤等を用いた場合に比して接着剤からのガス発生量を大幅に減少させることができる。しかも、背面電極板38が金属カバー32内に収容される前に、接着固定されたカバー本体32Aおよびトップハウジング54に対して、200〜230℃の温度で1時間以上の加熱処理が施されるようになっているので、背面電極板38のエレクトレット層38Bには全く影響を及ぼさないようにした上で、予め反応硬化型接着剤A2からのガス発生を促すことができる。
さらに、本実施形態においては、ベースハウジング52の後部壁52Aに形成された貫通孔52aに、シール剤として反応硬化型接着剤A3が充填されているので、この充填に揮発硬化型接着剤等を用いた場合に比してシール剤からのガス発生量を大幅に減少させることができる。しかも、ベースハウジング52とトップハウジング54とが超音波溶着により固定される前に、反応硬化型接着剤A3が充填されたベースハウジング52に対して、200〜230℃の温度で1時間以上の加熱処理が施されるようになっているので、背面電極板38のエレクトレット層38Bには全く影響を及ぼさないようにした上で、予め反応硬化型接着剤A3からのガス発生を促すことができる。
このように本実施形態によれば、完成後のエレクトレットコンデンサマイクロホン10がリフロー処理等により高温環境下に曝されるようなことがあっても、各反応硬化型接着剤A1、A2、A3からのガス発生量を最小限に抑えることができる。そしてこれにより、エレクトレット層38Bからの電荷の抜け出しを最小限に抑えて、そのチャージ電圧の低下によるマイクロホン感度の低下を効果的に抑制することができる。
なお、上記実施形態においては、各反応硬化型接着剤A1、A2、A3として2液反応硬化型接着剤が用いられているが、その代わりに熱反応硬化型接着剤を用いるようにした場合においても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、接着剤の使用が必要な接着部およびシール部が3箇所に存在するエレクトレットコンデンサマイクロホン10を製造する場合において、これら3箇所の接着部およびシール部に対して反応硬化型接着剤A1、A2、A3が用いられる場合について説明したが、接着剤の使用が必要な接着部およびシール部が2箇所以下あるいは4箇所以上である場合においても、上記実施形態と同様、これら各箇所の接着部およびシール部に対して反応硬化型接着剤を用いるとともに、その接着部およびシール部に対して200〜230℃の温度で1時間以上の加熱処理を施すようにすれば、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
本願発明の一実施形態に係る製造方法の対象となるエレクトレットコンデンサマイクロホンを上向きに配置した状態で示す側断面図 上記エレクトレットコンデンサマイクロホンを主要構成要素に分解して斜め後方から見て示す斜視図 上記エレクトレットコンデンサマイクロホンのマイクロホンアッセンブリを、その構成部品毎に分解して、ゲートスプリングと共に、斜め後方から見て示す斜視図 上記製造方法における振動膜の支持リングへの張設固定の様子を示す斜視図(a)および該張設固定により製造された振動膜サブアッセンブリを単品で示す斜視図(b) 上記マイクロホンアッセンブリのうち、絶縁性ブッシュおよびコンタクトフレームを、ゲートスプリングと共に示す正面図 上記エレクトレットコンデンサマイクロホンのハウジングのベースハウジングを、電界効果トランジスタおよびコンデンサと共に示す正面図 上記ハウジングのトップハウジングの前部壁に対する金属カバーのカバー本体の接着固定の様子を示す斜視図 上記エレクトレットコンデンサマイクロホンのリフロー特性を数値データで示す図(a)および比較例のリフロー特性を数値データで示す図(b) 上記エレクトレットコンデンサマイクロホンのリフロー特性をグラフで示す図 上記比較例のリフロー特性をグラフで示す図
符号の説明
10 エレクトレットコンデンサマイクロホン
12 ハウジング
14 マイクロホンアッセンブリ
16 電界効果トランジスタ(インピーダンス変換素子)
18、20 コンデンサ
22 ゲートスプリング
32 金属カバー
32A カバー本体
32B コンタクトフレーム
32a 音孔
32b 開放後端縁
32c カバー本体当接部
32d 位置決め片
32e 弾性片
34 振動膜サブアッセンブリ
34A 振動膜
34B 支持リング(振動膜支持部材)
36 スペーサ
38 背面電極板
38A 背面電極板本体
38B エレクトレット層
40 絶縁性ブッシュ
40a 弓形凹部
52 ベースハウジング
52A 後部壁
52B 外周壁
52a 貫通孔
52b 凹部
52c 前端面
54 トップハウジング
54A 前部壁
54B 外周壁
54a 音孔
54b 後端面
56A、56B1、56B2、56C 端子部材
56Aa、56Ba、56Ca ランド部
56Ab、56B1b、56B2b、56Cb 外部接続端子部
58 ランド部
60 シールドプレート
A1、A2、A3 反応硬化型接着剤
C エレクトレットコンデンサ部
D ドレイン電極
G ゲート電極
P 導電パターン
S ソース電極

Claims (4)

  1. 振動膜が振動膜支持部材に張設固定されてなる振動膜サブアッセンブリと背面電極板とが対向配置されてなるエレクトレットコンデンサ部と、このエレクトレットコンデンサ部を収容する金属カバーと、上記エレクトレットコンデンサ部の静電容量の変化を電気インピーダンス変換するインピーダンス変換素子と、上記金属カバーおよび上記インピーダンス変換素子を収容する合成樹脂製のハウジングとを備えてなり、
    上記ハウジングが、後部壁を有するベースハウジングと、前部壁を有するトップハウジングとにより構成され、
    上記ベースハウジングの後部壁がインサート成形により複数の端子部材と一体的に形成されており、これら各端子部材の一端部が上記ベースハウジングの後部壁内面に導電パターンの一部を形成するようにして露出するとともに、上記各端子部材の他端部が上記ベースハウジングの後部壁外面に外部接続端子部として露出するように構成されたエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法において、
    上記背面電極板を上記金属カバー内に収容する前に、この金属カバーを上記トップハウジングの前部壁に反応硬化型接着剤を用いて接着固定するとともに、これら接着固定された金属カバーおよびトップハウジングの前部壁に対して加熱処理を施す、ことを特徴とするエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法。
  2. 上記反応硬化型接着剤として熱反応硬化型接着剤を用いる、ことを特徴とする請求項記載のエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法。
  3. 上記反応硬化型接着剤として2液反応硬化型接着剤を用いる、ことを特徴とする請求項記載のエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法。
  4. 上記加熱処理を、200〜230℃の温度で1時間以上加熱することにより行う、ことを特徴とする請求項1〜いずれか記載のエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法。
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