JP4271213B2 - 耐磨耗耐熱性コンベヤチェーン - Google Patents

Description

本発明は、搬送装置に使用される耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンに関し、さらに詳しくは、パン焼成用オーブンなどの耐熱作業環境下で使用される耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンに関する。

従来、耐熱などの苛酷な使用環境下で使用されるコンベヤチェーンとして、リンクピンを介して多数のリンクプレートを連鎖するとともに、前記リンクピンには、ブシュを介してローラを装着するコンベヤチェーンにおいて、前記ブシュはステンレススチールとし、前記ローラは、少なくとも内径部分をＰＥＥＫ樹脂（ポリエーテルエーテルケトン樹脂）とするコンベヤチェーンが知られている（例えば、特許文献１を参照。）。
特開平６−２２７６３２号公報（第１欄、図３参照）

ところが、前述したようなコンベヤチェーンでは、ローラのローラ端面と内リンクプレートの内側面との間の摺動接触に起因して生じる金属磨耗粉がローラの内周面とブシュの外周面との間に侵入し、このような金属磨耗粉が研磨材となってローラとブシュとの間で異常な偏磨耗を惹起させる結果、チェーン摩耗伸びを増大させてチェーン寿命を著しく損なうばかりでなく、チェーン稼動時の摺接音を著しく増大させるというチェーン取り扱い上の厄介な問題があった。

そこで、本発明は、従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、耐熱作業環境下においてもステンレス製ローラの内周面とステンレス製ブシュの外周面との間の偏磨耗によるチェーン摩耗伸びを大幅に抑制して長期にわたってチェーン寿命を維持するとともに、ステンレス製ローラの内周面とステンレス製ブシュの外周面との間の摺接騒音を低減して静粛なチェーン稼動環境を確保して、しかも、優れた耐食性、耐塩性、防錆性を発揮する耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンを提供することである。

まず、請求項１に係る本発明は、左右一対で離間配置された内プレートと該内プレートのブシュ孔に圧入嵌合されたステンレス製ブシュと該ステンレス製ブシュに回転自在に外嵌されたステンレス製ローラと前記ステンレス製ブシュ内に回転自在に挿通された連結ピンと該連結ピンの両端をピン孔に圧入嵌合して前記内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対で離間配置された外プレートとを備えた耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンにおいて、前記ステンレス製ローラのローラ端面から左右一対の内プレートに向けて突出して前記ステンレス製ローラのローラ端面と内プレートの内側面との摺接を回避するグラファイト製スリーブ状スペーサが、前記ステンレス製ローラとステンレス製ブシュとの間に同芯状に設けられていることにより、前述した課題を解決したものである。

また、請求項２に係る本発明の耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンは、請求項１に記載された発明の構成に加えて、前記グラファイト製スリーブ状スペーサが前記ステンレス製ローラの内周面側に一体に固着されていることにより、前述した課題を解決したものである。

そして、請求項３に係る本発明の耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンは、請求項１に記載された発明の構成に加えて、前記グラファイト製スリーブ状スペーサが、前記内プレートに向けてフランジを突出させるとともに前記ステンレス製ローラとステンレス製ブシュとの間に遊嵌する左右一対のフランジ付リング部材から構成されていることにより、前述した課題を解決したものである。

本発明は、左右一対で離間配置された内プレートと該内プレートのブシュ孔に圧入嵌合されたステンレス製ブシュとこのステンレス製ブシュに回転自在に外嵌されたステンレス製ローラと前記ステンレス製ブシュ内に回転自在に挿通された連結ピンとこの連結ピンの両端をピン孔に圧入嵌合して前記内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対で離間配置された外プレートとを備えた耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンにおいて、以下のような構成を備えていることによって、本発明に特有の効果を奏するものである。

すなわち、請求項１に係る本発明の耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンによれば、グラファイト製スリーブ状スペーサをステンレス製ローラとステンレス製ブシュとの間に同芯状に設けたことにより、グラファイト製スリーブ状スペーサがステンレス製ローラのローラ端面から左右一対の内プレートに向けて突出してステンレス製ローラのローラ端面と内プレートの内側面との摺動接触を完全に回避できるため、耐熱作業環境下においてもステンレス製ローラのローラ端面と内プレートの内側面との間に生じがちな金属磨耗粉を阻止してステンレス製ローラの内周面とステンレス製ブシュの外周面との間で偏磨耗を生じることなく円滑な摺動接触を維持できるとともに、チェーン摩耗伸びを大幅に抑制して長期にわたってチェーン寿命を維持でき、しかも、ステンレス製ローラの内周面とステンレス製ブシュの外周面との間の摺接騒音を低減して静粛なチェーン稼動環境を確保することができる。
また、グラファイト製スリーブ状スペーサをステンレス製ローラとステンレス製ブシュとの間に同芯状に設けたことにより、パン焼成用オーブンなどの過酷な使用環境で定期的な塩水洗浄処理などの保守メンテナンス作業を施しても優れた耐食性、耐塩性、防錆性を発揮することができる。

そして、請求項２に係る本発明の耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンによれば、請求項１記載の耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンが奏する効果に加えて、グラファイト製スリーブ状スペーサがステンレス製ローラの内周面側に一体に固着されていることにより、チェーン稼働時にステンレス製ローラがグラファイト製スリーブ状スペーサの外周面上でチェーン幅方向にスキュー、揺動、若しくは、偏在することを完全に阻止できるので、チェーン幅方向のチェーン蛇行を抑制して安定したチェーン走行を実現させることができる。

また、請求項３に係る本発明の耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンによれば、請求項１記載の耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンが奏する効果に加えて、グラファイト製スリーブ状スペーサが内プレートに向けてフランジを突出させるとともにステンレス製ローラとステンレス製ブシュとの間に遊嵌する左右一対のフランジ付リング部材から構成されていることにより、フランジ付リング部材のフランジがチェーン稼働時にステンレス製ローラのローラ端面と内プレートの内側面との摺動接触を完全に回避するとともにステンレス製ローラをフランジ付リング部材上で確実に位置決めしてチェーン幅方向にスキュー、揺動、若しくは、偏在することを完全に阻止し、さらに、内プレートの内側面に対するスリーブ状スペーサの接触面圧を低減してフランジ付リング部材自体の摩損を抑制してステンレス製ローラのローラ端面と内プレートの内側面との長期的な隔離機能を発揮させることができる。

さらに、請求項３に係る本発明の耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンによれば、左右一対のフランジ付リング部材がステンレス製ローラとステンレス製ブシュとの間に遊嵌していることにより、チェーン組み立て作業やチェーン切り継ぎなどの分解組み付け作業を簡便に達成でき、また、耐熱作業環境下においてステンレス製ローラやステンレス製ブシュとの熱膨張率差を吸収して円滑な摺動接触を維持でき、しかも、左右一対のフランジ付リング部材がステンレス製ローラとの間で生じるスリップに起因してステンレス製ローラよりも遅い回転速度でステンレス製ブシュの周りを回転するので、内プレートの内側面との摺動磨耗をより一段と低減して優れた耐久性を発揮することができる。

本発明は、左右一対で離間配置された内プレートと該内プレートのブシュ孔に圧入嵌合されたステンレス製ブシュと該ステンレス製ブシュに回転自在に外嵌されたステンレス製ローラと前記ステンレス製ブシュ内に回転自在に挿通された連結ピンと該連結ピンの両端をピン孔に圧入嵌合して前記内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対で離間配置された外プレートとを備えた耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンにおいて、ステンレス製ローラのローラ端面から左右一対の内プレートに向けて突出してステンレス製ローラのローラ端面と内プレートの内側面との摺接を回避するグラファイト製スリーブ状スペーサがステンレス製ローラとステンレス製ブシュとの間に同芯状に設けられて、耐熱作業環境下においてもステンレス製ローラの内周面とステンレス製ブシュの外周面との間の偏磨耗によるチェーン摩耗伸びを大幅に抑制して長期にわたってチェーン寿命を維持するとともに、ステンレス製ローラの内周面とステンレス製ブシュの外周面との間の摺接騒音を低減して静粛なチェーン稼動環境を確保するものであれば、その具体的な実施の態様は如何なるものであっても何ら構わない。

すなわち、本発明の耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンで用いるグラファイト製スリーブ状スペーサの具体的な形態については、ステンレス製ローラのローラ端面から左右一対の内プレートに向けて突出してステンレス製ローラのローラ端面と内プレートの内側面との摺接を回避するステンレス製ローラの内周面側に一体に固着されているか、あるいは、内プレートに向けてフランジを突出させるとともにステンレス製ローラとステンレス製ブシュとの間に遊嵌する左右一対のフランジ付リング部材から構成されていれば良く、前者の場合には、圧入嵌合、溶着、接着などのいずれかの加工手段で一体に固着しても差し支えなく、特に、圧入嵌合を採用した場合には、焼焦パン材料等による塵埃や高熱のために過酷な使用環境となるパン焼成用オーブン内において使用すると、確実かつ優れた固着強度を発揮できるので、より好ましい。

加えて、本発明の耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンで用いるグラファイト製スリーブ状スペーサの場合、ステンレス製ローラのローラ端部から突出した周面部分に摺接磨耗度合いを判別するための環状溝等を設けると、磨耗しているグラファイト製スリーブ状スペーサの交換時期を計測器等を使用することなく目視判別できるので、チェーン保守メンテナンス上より好ましい。

以下、本発明の一実施例である耐磨耗耐熱性コンベヤチェーン１００を図面に基づいて説明する。
ここで、図１は、本発明の第１実施例である耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンの概要図であり、図２は、図１に示す耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンの一部断面図とその要部拡大図であり、図３は、本発明の第２実施例である耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンの概要図であり、図４は、図３に示す耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンの一部断面図とその要部拡大図である。

まず、本発明の第１実施例である耐磨耗耐熱性コンベヤチェーン１００は、図１及び図２に示すように、左右一対で離間して配置された内プレート１１０と、この内プレート１１０のブシュ孔１１１に圧入嵌合された耐熱性のステンレス製ブシュ１２０と、このステンレス製ブシュ１２０に回転自在に外嵌された耐熱性のステンレス製ローラ１３０と、前記ステンレス製ブシュ１２０内に回転自在に挿通された連結ピン１４０と、この連結ピン１４０の両端をピン孔１５１に圧入嵌合して内プレート１１０をチェーン長手方向に連結する左右一対で離間して配置された外プレート１５０とを備え、パン焼成用オーブン（図示せず）に組み込まれて使用されている。

そして、前述した耐熱性のステンレス製ブシュ１２０、ステンレス製ローラ１３０に加えて内プレート１１０、連結ピン１４０、外プレート１５０からなるチェーン部品は、耐熱性を有するステンレス製で全て形成されているため、パン焼成用オーブン内部の温度が使用時に約２００℃程度まで上昇しても、寸法変形等の異常を生じることがなく、また、定期的に塩水洗浄処理を施されるなど発錆要因の多いパン焼成用オーブン内であっても優れた耐食性、防錆性を発揮するようになっている。

そこで、本実施例の耐磨耗耐熱性コンベヤチェーン１００が最も特徴とするグラファイト製スリーブ状スペーサ１６０についてさらに詳しく説明する。
まず、図１及び図２に示すように、グラファイト製スリーブ状スペーサ１６０は、耐磨耗性及び耐熱性を備えているとともに、ステンレス製ローラ１３０の内周面側に圧入嵌合して一体に固着され、ステンレス製ローラ１３０とステンレス製ブシュ１２０との間に同芯状に配置されている。

そして、グラファイト製スリーブ状スペーサ１６０の両端部は、ステンレス製ローラ１３０のローラ端面から左右の内プレート１１０に向けて突出してステンレス製ローラ１３０のローラ端面と内プレート１１０の内側面との摺動接触を完全に回避するようになっている。
なお、図示しないが、ステンレス製ローラ１３０の端部から突出したグラファイト製スリーブ状スペーサ１６０の周面部分には、グラファイト製スリーブ状スペーサ１６０の磨耗度合いを目視判別するための環状溝が設けられている。

このようにして得られた本実施例の耐磨耗耐熱性コンベヤチェーン１００は、グラファイト製スリーブ状スペーサ１６０をステンレス製ローラ１３０とステンレス製ブシュ１２０との間に同芯状に設けたことにより、グラファイト製スリーブ状スペーサ１６０が耐熱性のステンレス製ローラ１３０のローラ端面から左右一対の内プレート１１０、１１０に向けて突出してステンレス製ローラ１３０のローラ端面と内プレート１１０の内側面との摺動接触を完全に回避できるため、耐熱作業環境下においてもステンレス製ローラ１３０のローラ端面と内プレート１１０の内側面との間に生じがちな金属磨耗粉を阻止してステンレス製ローラ１３０の内周面とステンレス製ブシュ１２０の外周面との間で偏磨耗を生じることなく円滑な摺動接触を維持できるとともに、チェーン摩耗伸びを大幅に抑制して長期にわたってチェーン寿命を維持でき、しかも、ステンレス製ローラ１３０の内周面とステンレス製ブシュ１２０の外周面との間の摺接騒音を低減して静粛なチェーン稼動環境を確保することができる。

そして、グラファイト製スリーブ状スペーサ１６０がステンレス製ローラ１３０の内周面側に一体に固着されていることにより、チェーン稼働時にステンレス製ローラ１３０がグラファイト製スリーブ状スペーサ１６０の外周面上でチェーン幅方向にスキュー、揺動、若しくは、偏在することを完全に阻止できるので、チェーン幅方向のチェーン蛇行を抑制して安定したチェーン走行を実現させることができる。
また、グラファイト製スリーブ状スペーサ１６０をステンレス製ローラ１３０とステンレス製ブシュ１２０との間に同芯状に設けたことにより、パン焼成用オーブンなどの過酷な使用環境で定期的な塩水洗浄処理などの保守メンテナンス作業を施しても優れた耐食性、耐塩性、防錆性を発揮することができるなど、その効果は甚大である。

つぎに、本発明の第２実施例である耐磨耗耐熱性コンベヤチェーン２００について、図３及び図４に基づいて説明する。
まず、本発明の第２実施例である耐磨耗耐熱性コンベヤチェーン２００は、左右一対で離間して配置された内プレート２１０と、この内プレート２１０のブシュ孔２１１に圧入嵌合された耐熱性のステンレス製ブシュ２２０と、このステンレス製ブシュ２２０に回転自在に外嵌された耐熱性のステンレス製ローラ２３０と、前記ステンレス製ブシュ２２０内に回転自在に挿通された連結ピン２４０と、この連結ピン２４０の両端をピン孔２５１に圧入嵌合して内プレート２１０をチェーン長手方向に連結する左右一対で離間して配置された外プレート２５０とを備え、パン焼成用オーブン（図示せず）に組み込まれて使用されている。

そして、前述した内プレート２１０、ステンレス製ブシュ２２０、ステンレス製ローラ２３０、連結ピン２４０、外プレート２５０からなるチェーン部品は、耐熱性を有するステンレス製で全て形成されているため、パン焼成用オーブン内部の温度が使用時に約２００℃程度まで上昇しても、寸法変形等の異常を生じることがなく、また、定期的に塩水洗浄処理を施されるなど発錆要因の多いパン焼成用オーブン内であっても優れた耐食性、防錆性を発揮するようになっている。

そこで、本実施例の耐磨耗耐熱性コンベヤチェーン２００が最も特徴とするグラファイト製スリーブ状スペーサ２６０についてさらに詳しく説明する。
まず、図３及び図４に示すように、グラファイト製スリーブ状スペーサ２６０は、耐磨耗性及び耐熱性を備えているとともに、内プレート２１０に向けてフランジ２６１ａを突出させるとともにステンレス製ローラ２３０とステンレス製ブシュ２２０との間に遊嵌する左右一対のフランジ付リング部材２６１、２６１から構成され、ステンレス製ローラ２３０とステンレス製ブシュ２２０との間に同芯状に配置されている。

そして、グラファイト製スリーブ状スペーサ２６０を構成する左右一対のフランジ付リング部材２６１、２６１の両端部は、ステンレス製ローラ２３０のローラ端面から左右の内プレート２１０，２１０に向けて突出してステンレス製ローラ２３０のローラ端面と内プレート２１０の内側面との摺動接触を完全に回避するようになっている。
なお、図示しないが、ステンレス製ローラ２３０の端部から突出したグラファイト製スリーブ状スペーサ２６０の周面部分には、グラファイト製スリーブ状スペーサ２６０の磨耗度合いを目視判別するための環状溝が設けられている。

このようにして得られた本発明の第２実施例である耐磨耗耐熱性コンベヤチェーン２００は、左右一対のフランジ付リング部材２６１，２６１から構成されているグラファイト製スリーブ状スペーサ２６０をステンレス製ローラ２３０とステンレス製ブシュ２２０との間に同芯状に設けたことにより、グラファイト製スリーブ状スペーサ２６０がステンレス製ローラ２３０のローラ端面から左右一対の内プレート２１０、２１０に向けて突出してステンレス製ローラ２３０のローラ端面と内プレート２１０の内側面との摺動接触を完全に回避できるため、耐熱作業環境下においてもステンレス製ローラ２３０のローラ端面と内プレート２１０の内側面との間に生じがちな金属磨耗粉を阻止してステンレス製ローラ２３０の内周面とステンレス製ブシュ２２０の外周面との間で偏磨耗を生じることなく円滑な摺動接触を維持できるとともに、チェーン摩耗伸びを大幅に抑制して長期にわたってチェーン寿命を維持でき、しかも、ステンレス製ローラ２３０の内周面とステンレス製ブシュ２２０の外周面との間の摺接騒音を低減して静粛なチェーン稼動環境を確保することができる。

グラファイト製スリーブ状スペーサ２６０が内プレート２１０に向けてフランジ２６１ａを突出させるとともにステンレス製ローラ２３０とステンレス製ブシュ２２０との間に遊嵌する左右一対のフランジ付リング部材２６１，２６１から構成されていることにより、フランジ付リング部材２６１のフランジ２６１ａが、チェーン稼働時にステンレス製ローラ２３０のローラ端面と内プレート２１０の内側面との摺動接触を完全に回避するとともにステンレス製ローラ２３０をフランジ付リング部材２６１上で確実に位置決めしてチェーン幅方向にスキュー、揺動、若しくは、偏在することを完全に阻止し、さらに、内プレート２１０の内側面に対するフランジ付リング部材２６１の接触面圧を低減してフランジ付リング部材２６１自体の摩損を抑制してステンレス製ローラ２３０のローラ端面と内プレート２１０の内側面との長期的な隔離機能を発揮させることができる。

さらに、左右一対のフランジ付リング部材２６１，２６１がステンレス製ローラ２３０とステンレス製ブシュ２２０との間に遊嵌していることにより、チェーン組み立て作業やチェーン切り継ぎなどの分解組み付け作業を簡便に達成でき、また、耐熱作業環境下においてステンレス製ローラ２３０やステンレス製ブシュ２２０との熱膨張率差を吸収して円滑な摺動接触を維持でき、しかも、左右一対のフランジ付リング部材２６１，２６１がステンレス製ローラ２３０との間で生じるスリップに起因してステンレス製ローラ２３０よりも遅い回転速度でステンレス製ブシュ２２０の周りを回転するので、内プレート２１０の内側面との摺動磨耗をより一段と低減して優れた耐久性を発揮することができる。
また、グラファイト製スリーブ状スペーサ２６０をステンレス製ローラ２３０とステンレス製ブシュ２２０との間に同芯状に設けたことにより、パン焼成用オーブンなどの過酷な使用環境で定期的な塩水洗浄処理などの保守メンテナンス作業を施しても優れた耐食性、耐塩性、防錆性を発揮することができるなど、その効果は甚大である。

本発明の第１実施例である耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンの概要図。 図１に示す耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンの一部断面図とその要部拡大図。 本発明の第２実施例である耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンの概要図。 図２に示す耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンの一部断面図とその要部拡大図。

１００，２００ ・・・ 耐磨耗耐熱性コンベヤチェーン
１１０，２１０ ・・・ 内プレート
１１１，２１１ ・・・ ブシュ孔
１２０，２２０ ・・・ ステンレス製ブシュ
１３０，２３０ ・・・ ステンレス製ローラ
１４０，２４０ ・・・ 連結ピン
１５０，２５０ ・・・ 外プレート
１５１，２５１ ・・・ ピン孔
１６０，２６０ ・・・ グラファイト製スリーブ状スペーサ
２６１ ・・・ フランジ付リング部材
２６１ａ・・・ フランジ

Claims (3)

1. 左右一対で離間配置された内プレートと該内プレートのブシュ孔に圧入嵌合されたステンレス製ブシュと該ステンレス製ブシュに回転自在に外嵌されたステンレス製ローラと前記ステンレス製ブシュ内に回転自在に挿通された連結ピンと該連結ピンの両端をピン孔に圧入嵌合して前記内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対で離間配置された外プレートとを備えた耐磨耗耐熱性コンベヤチェーンにおいて、
   前記ステンレス製ローラのローラ端面から左右一対の内プレートに向けて突出して前記ステンレス製ローラのローラ端面と内プレートの内側面との摺接を回避するグラファイト製スリーブ状スペーサが、前記ステンレス製ローラとステンレス製ブシュとの間に同芯状に設けられていることを特徴とする耐磨耗耐熱性コンベヤチェーン。
2. 前記グラファイト製スリーブ状スペーサが、前記ステンレス製ローラの内周面側に一体に固着されていることを特徴とする請求項１記載の耐磨耗耐熱性コンベヤチェーン。
3. 前記グラファイト製スリーブ状スペーサが、前記内プレートに向けてフランジを突出させるとともに前記ステンレス製ローラとステンレス製ブシュとの間に遊嵌する左右一対のフランジ付リング部材から構成されていることを特徴とする請求項１記載の耐磨耗耐熱性コンベヤチェーン。

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