以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るドライブプラン経由地提示装置を示すブロック図である。
本実施形態に係るドライブプラン経由地提示装置は、ユーザからの入力を受付ける入力部101及びユーザへの情報の提示を行うための表示部105を備えている。制御部100は装置全体の制御を司る。入力部101は制御部100に制御されて、ユーザの入力操作に基づく情報を取込むことができるようになっている。入力部101は、図示しないキーボードやマウス等の入力デバイスを有しており、ユーザのキー操作に基づく情報又はユーザのマウス操作に基づく情報等を取得する。一方、表示部105は制御部100に制御されて、各種情報を表示することができる。例えば、入力部101、制御部100及び表示部105によって、グラフィカルユーザインタフェースを提供することができ、ユーザは表示部105の表示を参照しながら、各種情報の入力が可能である。
例えば、ユーザの入力情報としては、出発地、目的地の情報、出発時間、到着時間等が考えられる。例えば出発地及び目的地の情報入力に際しては、表示部105の画面上に、地図及びポインタを表示させ、地図上でポインタを移動させながら例えばクリック等の操作を行うことで、緯度及び経度の情報を取得させる方法等が考えられる。或いは、キーボード等により、直接、経度及び緯度や出発の日時を指定するようにしてもよい。
図2は表示部105における画面表示の例を示す説明図である。図2はドライブプラン作成画面を示している。
図2のドライブプラン作成画面は、例えば3つの領域を有するメイン画面を備えている。即ち、メイン画面は、左側にドライブプランを図面上に表示するマップ表示領域、中央に選択する経由地(以下、スポットともいう)の情報を表示する経由地選択領域、右側にドライブプランを時系列で表すプラン提示領域によって構成される。
図1において、経由地データベース106は、経由地選択領域に表示する各経由地の情報をその位置情報と共に保持する。各経由地は、種別毎に分類され、その分類情報と共に経由地データベースに記憶されていても良い。ルート計算部102は、入力部101によって入力された出発地と目的地とから経路及び時間を計算して計算結果を出力する。経由地検索部103は、ルート計算部102の出力である経路及び時間に応じて、経由地データベース106から到達可能な経由地を検索して検索結果を出力する。
本実施形態においては、ラベル作成部104は、経由地にラベルを付与することができるようになっている。例えばラベル作成部104は、ルート計算部102の出力である経路及び時間と経由地検索部103の検索結果とに応じて、ラベル作成ルール記憶部107から読出したラベル作成ルールに従って、各経由地のラベルを作成する。
なお、ラベル作成部104は、到達可能な経由地にラベルを付与することになっているが、到達可能性に依存しないラベルがある場合には、到達可能な経由地以外の経由地データベース106にある経由地にもラベルを付与することも可能である。
ラベル作成部104は、作成したラベルを対応する経由地に付与するようになっている。制御部100は、表示部105を制御して、経由地をラベルに応じて例えば整理して表示することができるようになっている。
例えば、分類が「食事」の経由地について、ラベル作成部104は、経由地毎に、ラベル「朝食」,「昼食」又は「夕食」を付与することができる。例えば、ラベル作成部104は、所定のドライブプランにおいて、到達可能な経由地のうち分類が「食事」の経由地について、経路及び時間を考慮して、ラベル「朝食」,「昼食」又は「夕食」を付与する。例えば、到達可能な「食事」の経由地のうち、経由するとすれば到達時間が11時〜14時となる経由地については、ラベル「昼食」を付与するのである。
制御部100は、予め指定されている分類に基づく表示だけでなく、経路計算等を行った後にダイナミックに指定するラベルに応じて、経由地の候補を表示することができる。
図3はメイン画面中の経由地選択領域の表示を、ラベルを考慮して表示させた例を示している。図3に示すように、この場合の経由地選択領域は、上方にラベルが「昼食」であり、かつ分類が「食事」である経由地が表示され、下方にラベルが「夕食」であり、かつ分類が「食事」である経由地が表示されている。
なお、図3において分類としては「食事」という大分類ではなく、「和食」、「洋食」、「中華」等の中分類で表示されている。分類やラベルに応じて、ソーティングして表示させることも可能である。
なお、上述した各構成要素は、ネットワークを介して接続された構成であってもよく、また、ソフトウェアによって実現されていてもよい。
次に、このように構成された実施形態の動作について図4乃至図26を参照して説明する。
先ず、図4乃至図10を参照して、経由地データベース106に格納される経由地の情報とラベル作成ルールについて説明する。
図4は経由地データベース106に格納された情報の一例を示す。図4に示すように、各経由地(スポット)の情報は、スポットID、スポット名称、位置情報としての緯度経度及び分類の情報を含む。
ラベル作成ルールとしては、時間に関するルールや、既にドライブプランに組み込まれている他の経由地との関係に関するルール等がある。図5は時間ルールの一例を示すフローチャートである。
時間ルールを適用すると、経由地に到着する時刻と経由地の分類とからラベルが作成される。図5の時間ルールは、到着時刻が11時から13時の間になる、分類「食事」の経由地には、ラベル「昼食」を付与することを示している。例えば、ある経由地の分類が「食事」であり、かつ到着予想時刻が12時であった場合には、ラベル作成部104はこの経由地にラベル「昼食」を付与する。
また、図5では記述されていないが、例えば、ある経由地の分類が「食事」であり、かつ到着予想時刻が18時であった場合には、この経由地にラベル「夕食」を付与する。このように時間ルールでは、経由地の分類が「食事」であり、かつ到着予想時刻が11時から13時までである場合にはラベル「昼食」、到着予想時刻が19時から21時までである場合にはラベル「夕食」を付与するように記述されている。
また分類が「展望台」であり、到着予想時刻が18時であった場合にはラベル「夜景」を付けるようなルールを持つことも可能である。
図6は順序ルールの一例を示すフローチャートである。
ドライブプランは、乗り物での移動とドライブプランに組み込まれた経由地(以下、イベントともいう)とを含む。順序ルールは、ドライブプランに組み込み済のイベントと、ラベルを付ける対象の到達可能な経由地とを入力として、ドライブプランに組み込み済のイベントとの関係からラベルを作成するためのものである。例えば、ドライブプランに分類が「スキー」のイベントがある場合には、ラベルを付与する対象の経由地をドライブプランに組み込むとしたら、順序がそのスキーの後であり、かつその経由地の分類が「温泉」の場合には、その経由地にラベル「スキーの後の温泉」を付与することができる。
図7はこれらのラベル作成の概念を示す説明図である。
図7中の「発」は出発地を示し、「着」は目的地を示している。「発」と「着」を結ぶ線によってルートを示している。ルート中に黒丸で示すポイントは、「スキー」を行うレジャー施設のスポットを示し、ドライププラン中にこのレジャー施設を組込むものとする。
「昼食」と示す矢印範囲は、11時から13時の到着予想の範囲を示している。図5の時間ルールに従うと、この矢印の範囲内の「食事」スポットは、ラベル「昼食」が付与される。また、「スキーの後の温泉」と示す矢印範囲は、「スキー」のスポットを過ぎた後で、「温泉」のスポットを検索する範囲を示している。図6の順序ルールに従うと、この矢印の範囲内の「温泉」スポットは、ラベル「スキーの後の温泉」が付与される。また、「夜景」と示す矢印範囲は、18時以降が到着予想の範囲にある「展望台」スポットを示している。また、「夕食」と示す矢印範囲は、19時から21時の到着予想の範囲を示している。時間ルールに従うと、この矢印の範囲内の「食事」スポットは、ラベル「夕食」が付与される。
このように、経由地データベース106内の経由地の情報には、分類として「食事」、「温泉」及び「展望台」等が付与されているのみであるが、ドライブプランを作成する段階で、これらの経由地には、ラベル「昼食」又はラベル「夕食」、ラベル「スキー後の温泉」及びラベル「夜景」等が作成付与されることになる。
ラベル作成ルールとして、時間ルール、順序ルールだけでなく、種々のルールが採用される。例えば、ドライブプランに組み込み済のイベントとの距離について記述した距離ルールを設定することも可能である。
図8は、このような距離ルールの一例を示すフローチャートである。
図8の距離ルールに従うと、例えば、既に△△博物館がドライブプランに組み込まれていた場合に、このイベントとの距離が例えば500メートル以内の経由地に対して、「△△博物館の徒歩圏内」というラベルが付与される。
図8とは異なる距離ルールとして、出発地(又は自宅位置)と対象スポット(目的地)とを入力として、これらの間の距離がある一定以上の距離にある対象スポットに対してラベル「遠出スポット」を付与するルールを採用することもできる。
また、図9はラベル作成ルールのうちの代替ルールの一例を示すフローチャートである。図9の代替ルールは、ドライブプラン内のイベントに対して、距離が一定以内で同一分類に属する経由地を代替経由地とするものである。例えば、既に経由地として××レストランがドライブプランに組み込まれている場合に、この経由地との距離が2km以内で、この××レストランと同じ分類である経由地に対してラベル「××レストランの代替スポット」を付与するルールである。
また、代替ルールとして、図10に示す雨の日代替ルールを採用することもできる。例えば、各経由地がタイプ属性を有するものとし、この属性に「インドア」や「アウトドア」という属性を設定する。これを利用して、雨の日代替ルールを持つことが可能である。
例えば、既に経由地として□□牧場がドライブプランに組み込まれている場合、このイベントのタイプ属性がアウトドアで、このイベントとの距離が2km以内で、評価している経由地のタイプ属性が「インドア」である場合、「□□牧場の雨の日代替スポット」というラベルを付けることができる。
ラベル作成ルール記憶部107は、上記したようなルールを複数有している。ラベル作成部104は、各経由地に対して複数のルールを適用することができ、各経由地に複数のラベルを付けることも可能である。また、1つの経由地に複数のラベルが付与されている場合には、ユーザはいずれのラベルを適用するかを選択することも可能であるし、全てのラベルを付けておいてもよい。
次に、図11を参照してドライブプランの作成方法について説明する。
図11のステップS1801において、入力部101はユーザからの出発地・出発時刻と到着地・到着時刻のデータの入力を受け付ける。この場合には、ユーザが出発地と到着地の位置をキーボード入力等によって緯度及び経度で指定してもよい。地図上の点を指示することにより位置を示した場合には、この指示された地点の緯度経度情報を読み取るようにしてもよい。更に、GPS等を用いて現在地点を取得すること等の自動化も可能である。また時刻についても、装置に含まれる図示しない時計によって、現在時刻を自動的に取得することも可能である。
入力部101からの入力で、出発時刻または到着時刻のどちらか一方しか入力が無い場合には、システムが他方の時刻を自動的に決定する。例えば出発地から到着地までの時間の一定割合を加算した時間を出発地から到着地までの時間として、指定の無かった時刻を決定してもよいし、または出発時刻をユーザが指定して、到着時刻は最も遅くなった場合の時刻を予め決めておいてもよい。いずれの場合もユーザが変更可能である。
ルート計算部102は、入力部101からのデータに従って、出発地から目的地までの経路と時間を計算する(ステップS1802)。これらは現在のカーナビゲーションシステム等で一般的に用いられる手法を採用することができる。ルート計算部102は2地点の情報が与えられることにより、これら2地点間の経路と時間を計算する。
経由地検索部103は、経由地データベース106からの情報を読出して、時間内に到達することが可能な経由地を検索する(ステップS1803)。例えば、経由地検索部103は、出発時刻と到着時刻の時間間隔と、ルート計算部102で計算された時間との差分から、経由地データベース106に登録されている到達可能な経由地を検索する。
現在のドライブプランに新たにイベントを加える場合には、経由地検索部103は、ある経由地を経由する場合の経路と時間を新たに計算し、この計算をした時間に更に当該経由地での滞在時間を加えても、出発時刻と到着時刻に間に合うような経由地を到達可能な経由地として検索する。なお、経由地の滞在時間については、経由地データベース106に予め経由地毎の滞在時間を定義していてもよく、また、全ての経由地で一定の時間に設定しても良い。更に、経由地の滞在時間をユーザが指定するようにしてもよい。予め滞在時間が定義されている場合であっても、滞在時間はユーザによって変更可能とすることが望ましい。
次にステップS1804においては、ラベル作成部104によって、経由地検索部103の出力である到達可能な経由地に対して、ラベル作成ルール記憶部107のルールに基づくラベルを付与する。
図12は図11のステップS1804のラベル付与の具体的なフローを示すフローチャートである。
ラベル作成部104は、到達可能な全経由地に変数iを割り当て、変数iを0に初期化し、i番目の経由地から順次各経由地のラベルを作成する。ラベル作成部104は、ステップS1901において、評価対象の経由地を仮想的にドライブプランに組み込む。これにより、ドライブプランに追加された場合の順序、到着時刻がルート計算部102により計算される。全ての到達可能な経由地に対して、この属性が計算される。
次に、ラベル作成部104は、ラベルを作成するための全てのルールに変数jを割り当て、変数jを0に初期化した後、j番目のルールから順次ルールを適用して、ラベルを作成する。
図13はルールの適用結果とラベルとを対応づけるルールテーブルを示す説明図である。ラベル作成部104は、各ルールの適用結果にIDを付し、各IDとラベルとを対応づける。例えば、図5、図6及び図8のルールを適用した結果、各ルールの条件を満足した場合には、この条件を満たした経由地に対して夫々ルールIDとして、「R1」,「R3」,「R2」が付される。また、経由地の分類が「食事」で、到着時刻が19時〜21時の範囲である経由地に対しては、ルールIDとして「R4」が付与される。ラベル作成部104は、ルールIDが「R1」〜「R4」のルールに対して、夫々ラベル「昼食」、ラベル「前後のイベントから徒歩圏内」、ラベル「スキーの後の温泉」又はラベル「夕食」を設定する。
図14はこうして作成されたラベルの一例を示す説明図である。
図14は図4に示すスポットIDがS1,S2,…の各経由地について、ラベルが付与された状態を示している。図14の例では、スポットIDがS2の「××レストラン」の経由地にラベル「昼食」が付与され、スポットIDがS4の「□□温泉」の経由地にラベル「スキーの後の温泉」が付与されたことを示している。
ラベル作成部104は、作成したラベル及び当該ラベルの作成に用いたルールの情報を、ルールを適用した経由地に付与して、経由地データベース106に与えることができる。これにより、ドライブプランに組み込まれたイベントについては、このイベントの経由地,この経由地に付与されたラベルの情報(例えば、図13の項目「ラベル」に記載された情報)及び当該ラベルの適用に用いたルールに関する情報(例えば、図13の項目「ルールID」に記載されたルールID)と共に記憶される。
図17以降で説明する方法で、ユーザはドライブプランを作成する。制御部100は作成したドライブプランを図示しないメモリ又は記憶手段に記憶させる。図15はこうして作成されたドライブプランの一例を示す説明図である。図15のドライブプランは、各イベント毎の情報によって構成される。図15の例ではイベントID「E0」で示すイベントは出発地に関するもので、イベントID「E100」で示すイベントは到着地に関するものである。
各イベントの情報は、各イベントのイベントID,スポットID,スポット名称,到着時刻,出発時刻,緯度,経度,分類,ルールID,対象イベントIDの情報を含んでいる。図15の例では、イベントID「E1」で示すスポット名称「××レストラン」のイベントは、ルールID「R1」のルールによって、ラベル「昼食」が付与されたことが分かる。また、図15の例では、イベントID「E2」で示すスポット名称「△△博物館」のイベントについては、ルールID「R2」の距離ルール(図13及び図8参照)によって、イベントID「E1」で示すイベントのスポット名称「××レストラン」の徒歩圏内ラベルが付与されてドライブプランに組み込まれたことが分かる。
なお、各イベントには、ルールIDと対象イベントIDの組を複数設定可能である。
図16はラベル及びルールの情報が付与された経由地を記憶する経由地データベース106の記憶例を示す説明図である。なお、図16中の対象イベントIDは図15のイベントIDとは無関係である。
経由地データベース106には、ラベル及びルールの情報として、図13のルールIDが付与されている。また、各経由地には、ルールを適用した対象のイベントのID(対象イベントID)も付与されている。例えば、スポットID「S5」のスポット名称「××レストラン」の情報には、ルールID「R1」のルールを適用してラベル「昼食」が付与されたことが分かる。更に、このスポット名称「××レストラン」の情報には、対象イベントID「E3」のイベントとの間で、ルールID「R2」のルールを適用したことも分かる。即ち、ルールID「R2」のルールが適用されることで、スポット名称「××レストラン」の情報には、ラベル「前後のイベントから徒歩圏内」が付与されており、スポット名称「××レストラン」のイベントは、イベントID「E3」のイベント地から徒歩圏内であることが分かる。
制御部100は、図15のドライブプランを、時系列で文字によって表示させるようにしてもよく、また、図2のマップ表示領域に地図上にグラフィカルに表示させるようにしてもよい。また、図15と同一の表示をドライブプランとして表示させるようにしてもよい。
ここでユーザが、自動的に作成されたドライブプランを編集するものとする(ステップS1805)。図17はドライブプランを編集して新たなイベントを組み込む場合の処理を示すフローチャートである。また、図18は編集時の表示部105の表示例を示す説明図である。
制御部100は、ドライブプランの編集時に図18に示す表示を行う。即ち、制御部100は、例えば図2に示すメイン画面の他に、ドライブプランに追加する経由地を決定するために、表示部105にサブ画面を表示させることができる。例えば、制御部100は、メイン画面に、図18のラベル選択領域202を表示させる。この状態で、ユーザがラベル選択領域202中の「昼食」の欄を選択すると、制御部100は経由地データベース106中のラベル「昼食」が付与された経由地を検索して、メイン画面とは別にサブ画面として図18の検索結果表示領域201を表示させる。この場合には、ラベル「昼食」を有する経由地が検索されて(ステップS2001)、この検索結果が検索結果表示領域201に表示される。
ユーザは図18の検索結果表示領域201を参照することで、昼食をとるスポットを選択する。例えば、制御部100は、図18の選択指示領域203をサブ画面として表示させる。ユーザは選択指示領域203中の「プランに追加」項目又は「詳細表示」項目を選択することで、処理を指示する。例えば、検索結果表示領域201の検索結果の1つにカーソル(斜線部)を合わせた状態で、「プランに追加」項目を選択操作すると、この検索結果が選択されて、ドライププランに追加される(ステップS2002)。図18の例では、スポットID「S10」の経由地が昼食のイベントとして新たに追加される。
また、制御部100は、検索結果表示領域201に表示する各経由地についての詳細情報を、サブ画面である詳細表示204によってユーザに提示することもできる。
図19はこの詳細表示204の表示例を示す説明図である。例えば、図18の検索結果表示領域201に示すように、スポットIDがS10の経由地を示す表示上にカーソルが位置する場合において、選択指示領域203中の「詳細表示」項目をユーザが選択すると、この経由地についての詳細表示が表示される。
図19に示すように、詳細表示204中には、タイトル,スポットID,緯度,経度,付与可能なラベルの情報が含まれる。ユーザはラベルのチェックボックスで、付与するラベルを選択することができる。図19の例ではチェックボックスのチェックによって、この経由地は、選択可能なラベル「昼食」と「前後のイベントからの徒歩圏内」の内、ラベル「昼食」のみが付与されていることが分かる。
なお、制御部100は、ドライブプラン内のイベントをユーザが指定して、削除したり、順番を変えたりする編集機能を提供することも可能である。
選択指示領域203中の「プランに追加」項目が指定されて、経由地が新たにドライブプランに組込まれると、図11のステップS1806において、全イベントのラベルの評価が行われる。
図20は図11中のステップS1806の具体的な処理を示すフローチャートである。
新たなイベントがドライブプランに組込まれると、既存のイベントとの関係で、各イベントに付与されたラベルが、各ルールに適合しなくなることもある。そこで、制御部100は、ドライブプラン内の全イベントに対して、各イベントが保持している全ルールを評価する。即ち、イベントに割り当てる変数をiを初期化した後、i番目のイベントについての評価処理を開始する。先ず、ルールに割り当てる変数jを初期化した後、0番目から順次ルールを評価する。
イベントに付与されているルールに適合しないものがある場合には、その旨をユーザに通知する。次に、適合しないルールを有するイベントをドライブプランから削除するか否かについて、ユーザに問い合わせを行う。ユーザによって、そのイベントを削除することが指示された場合には、ドライブプランからそのイベントを削除する。次に、ルート計算部102は、ルート及び時刻を再計算する。そして、変数iを初期化して、ドライブプランの全イベントについて、再評価を行う。
なお、ユーザによって、ルールに適合していないイベントについても削除しないことが指示された場合には、そのイベントをドライブプランに組込んだ状態で、ラベルの評価を継続する。
例えば、ドライブプランに組み込んだイベントが変更された場合には、まだドライブプラン内にあるラベル「昼食」が付与されたイベントの到着予想時刻が、そのラベルが付くための条件として保持している「到着予想時刻が11時から13時」という条件を満たさなくなることもある。図20の処理を実行することにより、制御部100は、ルールに適合していないイベントがドライブプランに組込まれていることをユーザに通知して、ドライブプランを変更することを薦めることができる。更に、この場合には、条件を満たす代替経由地を経由地データベース106から検索してユーザに提示することも可能である。
また例えば、ドライブプラン中にスポット名称「△△博物館」のイベントと、ラベル「△△博物館の徒歩圏内」を有するイベントが組込まれているものとする。この場合において、スポット名称「△△博物館」のイベントがドライブプランから削除された場合には、ラベル「△△博物館の徒歩圏内」のイベントは、ラベル付与の条件を満たさなくなる。このような場合、ラベル付与の条件を満たさなくなるイベントの削除をユーザに薦めることが可能である。なお、ラベル「△△博物館の徒歩圏内」のようにスポット名称「△△博物館」のイベントを対象イベントとするラベルを保持していないイベントについては、スポット名称「△△博物館」のイベントが削除された場合でもなんらの影響も受けない。
次に、図21乃至図26を参照して実際のドライブプラン作成手順に従って、ラベル付与に伴う動作について説明する。
ユーザは、先ず出発地と到着地、出発時刻と到着時刻を入力する。これにより、各スポットに付与可能なラベルが付与される。図21はこの場合の経由地データベース106の内容を示す説明図である。制御部100は、図21と同様の表示を表示部150において表示させることもできる。
次に、ユーザは、ルールID「R1」のルールによるラベル「昼食」で経由地データベース106を検索する。そして、検索結果の中からスポットID「S2」のスポット名称「××レストラン」を選択してドライブプランに組み込むものとする。この場合には、制御部100によって、図22に示すドライブプランが作成されて表示される。
次に、制御部100によって各経由地のラベルが評価され、更にルート等の計算が行われて、各経由地へのラベル付けが行われる。図23はこの場合の経由地データベース106の情報を示す説明図である。図23の例では、スポットID「S3」のスポット名称「△△博物館」の経由地の情報に、ルールID「R2」のルールによってラベル「前後のイベントから徒歩圏内」が付与されたことを示している。なお、ユーザに対して図18と図19のラベルの項目のように表示する場合には、スポット名称「△△博物館」のラベルについては、「××レストランから徒歩圏内」と表示することも可能である。
次に、ユーザがスポットID「S3」のスポット名称「△△博物館」を、ラベル「××レストランから徒歩圏内」が適用されるように選択してドライブプランに追加するものとする。この場合には、ドライブプランは図24に示すものに変更される。
ここで、ユーザがイベントID「E1」のスポット名称「××レストラン」のイベントをドライブプランから削除するように操作するものとする。この場合には、イベントID「E2」のルールID「R2」のルールが適合しなくなるので、制御部100はユーザにこのイベントの削除を提言する。ここでユーザがこのイベントをドライブプランからの削除を選択しなければ、図25に示すように、イベントID「E2」のスポット名称「△△博物館」の情報から、ルールの情報(例えば、項目「ルールID」に記載されているルールID)だけが削除される。またこの場合には、経由地データベース106の情報は図26に示すものとなる。即ち、スポットID「S3」のスポット名称「△△博物館」の情報からルールの情報(例えば、項目「ルールID」に記載されているルールID)と、項目「対象イベントID」に記載されている対象イベントIDとが削除される。
このように、本実施形態においては、ドライブプランの作成に経由地に予め設定されている分類を用いると共に、イベントの追加、編集によってドライブプランに変更が生じた場合には、この変更に応じて経由地毎にダイナミックにラベルを付与し、このラベルを用いることで、ドライブプランの作成を極めて効率的に支援することができる。例えば、ドライブプランに昼食を加える場合において、従来技術では到達可能な食事に分類されている経由地を検索した場合、経由地の分類が表示されても、その経由地には「食事」という分類しか表示されず、昼食として適当な場所にあるかどうかが不明であったが、本実施形態においては、ラベル「昼食」の付けられた経由地から選択することができ、ユーザの嗜好にあったドライブプランを容易に作成できるようになる。
(第2の実施形態)
図27は本発明の第2の実施形態に係るナビゲーションシステムのシステム構成を示すブロック図である。
図27のナビゲーションシステムは、ドライブプランを管理するドライブプラン管理部801、実際の運行を管理する行程管理部802、ドライブプランを表示する表示部803、ドライブプラン及び選択された条件を保持するドライブプランデータベース804によって構成されている。
ドライブプランデータベース804は、第1の実施形態におけるドライブプラン経由地提示装置によって作成されたドライブプラン及び、この作成に用いた経由地の情報やルール等を保持している。なお、本実施形態をカーナビゲーションシステムに適用する場合には、ドライブプランに応じてユーザを誘導するナビゲーション部が必要であるが、広く一般的に知られているカーナビゲーションシステムを用いることができ、この部分については図示及び説明を省略する。
行程管理部802は、ドライブプランデータベース804のドライブプラン通りにイベントが履行されているかどうかを監視し、もしユーザがドライブプランに組み込まれているイベントを履行しなかった場合、これを検出する。例えば、行程管理部802は、予定の到着時刻よりもある一定時間以上、たとえば1時間以上経過後において予定のイベント地に到着しなかったり、または、ドライブプランの経路から大きく外れた経路を通行したり、または明示的にユーザがイベントを削除したりすることによって、イベントの不履行を検出する。行程管理部802は、ユーザがドライブプランに組込まれているイベントを履行しなかったと判定した場合には、このイベントを不履行イベントとする。
ドライブプラン管理部801は、ドライブプランに組込まれているイベントが不履行イベントとなったものと判断すると、ドライブプランデータベース804からドライブプランに組込まれているイベントのうち、不履行イベントに関連するイベントを検索する。例えば、ドライブプラン管理部801は、この不履行イベントを対象イベントとして持つイベントを不履行イベントに関連するイベントとする。
例えば不履行イベントの分類がスキーであり、かつこの後のイベントが、このイベント登録時にラベル「スキーの後の温泉」が付与されており、さらにこの不履行イベントであるスキーを対象イベントとして持つ温泉イベントであった場合、この温泉イベントを不履行イベントが関連するイベントとして検索する。
ドライブプラン管理部801は不履行イベントに関連するイベントに保持されているルールが満たされているか否かを判定する。「スキー」イベントと「スキーの後の温泉」イベントの例では、スキーに行かなかったものと判定されており、ドライブプラン管理部801は、スキーの後の温泉として選択された温泉イベントはルールを満たさないと判定する。
行程管理部802は、不履行イベントに関連するイベントが、ルールを満たさないと判定された場合には、このイベントを実行するか否かを表示部803によってユーザに問い合わせる。これにより、ユーザの嗜好にそぐわないイベントを削除することが容易となる。なお、ドライブプラン管理部801は、ユーザの操作に応じて、イベントをドライブプランから削除することができる。また、ドライブプラン管理部801は、別のイベントをドライブプランに組み込むことことが可能であってもよい。
このように、本実施形態においては、イベントが行われたか否かを自動的に検出し、この検出結果に応じて関連するイベントのドライブプランへの組み込みの可否をユーザに問い合わせることができる。これにより、ドライブ中にドライブプランの見直しを効果的に支援することができる。
(第3の実施形態)
図28は本発明の第3の実施形態に係るドライブプラン経由地提示装置のシステム構成を示すブロック図である。図28において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、ユーザの行動履歴からルールを作成するルール自動作成部108を付加した点が第1の実施形態と異なる。
ルール自動作成部108は、ユーザの行動履歴などから、あるイベントの代替経由地のラベルを付与するための代替ルールを作成することが可能である。ルール自動作成部108が、ある経由地を代替経由地と判定する方法としては、例えばユーザの行動履歴から判定する方法がある。ユーザが一旦プランに組み込んだが、他の経由地に変更して、結果的にドライブプランには組み込まれなかった経由地を代替経由地と判定するようにルールを作成することができる。
また別の方法として、ユーザが明示的に指示することもできる。例えば代替経由地であることをチェックボックスをチェックする等の操作によってユーザが指定することで、ドライブプランには組み込まないが、その経由地がユーザの嗜好に合う代替経由地であることを予め指定しておくのである。ルール自動作成部108はその経由地を代替経由地とするようにルールを作成することができる。
また、ある代替経由地がドライブプラン内のイベントと切り替わるための条件をユーザが指定することも可能である。
次に、このように構成された実施形態の動作について図29を参照して説明する。図29は経由地データベース106に格納される各経由地の情報を示す説明図である。
ルール自動作成部108は、例えばユーザの行動履歴や、ユーザの明示的な指示等によって、各経由地に代替経由地の指定をする。また、ルール自動作成部108は、代替経由地として指定した経由地については、その経由地をドライブプランに組込むための条件を設定する。
例えば、図29の例では、ルール自動作成部108は、ルールID「R11」の代替ルールによって、ドライブプランに組込んだイベント「E1」の代替経由地として、スポットID「S1」の経由地(スポット名称「○○遊園地」)を設定すると共に、この経由地をドライブプランに組込む条件としてイベント「E1」が「混んでいた場合」と指定している。また、図29では、ルール自動作成部108によって、ドライブプランに組込んだイベント「E2」の代替経由地として、スポットID「S3」の経由地(スポット名称「△△博物館」)が設定され、この経由地をドライブプランに組込む条件としてイベント「E2」が「雨である場合」と指定されたことを示している。また、図29では、ルール自動作成部108によって、ドライブプランに組込んだイベント「E3」の代替経由地として、スポットID「S4」の経由地(スポット名称「□□温泉」)を設定すると共に、この経由地をドライブプランに組込む条件としてイベント「E3」が「時間が1時間以上遅れた場合」と指定されたことを示している。
このように、本実施形態においては、ルール自動作成部を設けることによって、種々の代替経由地を設定し、代替経由地をドライブプランに組込む条件を指定することができるので、実際のドライブ中の種々の変動要因に従った最適なドライブプランを動的に構築することができる。
(第4の実施形態)
図30は第4の実施形態に係るナビゲーションシステムのシステム構成を示すブロック図である。図30において図27と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。本実施形態は第3の実施形態による代替経由地の指定を含むドライブプランに従って、ユーザを誘導可能にした例である。
本実施形態は、代替経由地検索部805を付加した点が第3の実施形態と異なる。代替経由地検索部805は、代替経由地を検索する。なお、ドライブプランデータベース804には、ドライブプランと代替ルールの情報が記憶されているものとする。
次に、このように構成された実施形態の動作について説明する。
先ず、ドライブプランよりも時間が遅れた場合について説明する。ドライブプランに従って行動中に、行程管理部802は、ユーザがドライブプラン通りに行動しているか、またはドライブプランの予定に遅れ又は進みが生じているかを判定する。例えば、行程管理部802は、予定の到着時刻よりも一定時間以上、例えば1時間以上たっても予定のイベント地に到着しなかったり、イベント地から出発する時刻が予定の出発時刻よりもある一定時間以上、例えば1時間以上遅かったりしたことを検出することによって、ドライブプランに時間の遅れが生じたものと判定する。
この場合には、代替経由地検索部805は、経由地毎に設定されている代替ルールに基づいて、次のイベントの代替経由地を検索する。即ち、代替経由地検索部805は、予めドライブプランに登録されている代替経由地から、次のイベントの代替として選択した場合に必要な時間を計算する。代替経由地検索部805は、検索結果をユーザに提示する。
例えば、対象のイベントに対して「時間が1時間以上遅れた場合」にはドライブプランに組込むという代替ルールに適合する代替経由地が存在する場合には、代替経由地検索部805は、この条件にしたがって、優先的にユーザに提示するようにしてもよい。また例えば、代替経由地検索部805は、経路と滞在時間の合計が、元のイベントの経路と滞在時間の合計よりも少なく、より時間の遅れが少なくなるような代替経由地を優先的にユーザに提示するようにしてもよい。
ユーザは提示された1つ以上の代替経由地のうち、ドライブプランに組み込む代替経由地を選択し、ドライブプランに組み込まれていたイベントと入れ替えるように操作を行う。これにより、ドライブプラン管理部801は、代替経由地を組込んだ新たなドライブプランを作成する。ただし、ユーザは必ずしも代替経由地を組み込む必要は無い。
このように、ユーザは実際のドライブの行程に応じた代替経由地を容易に選択することができ、ユーザの嗜好にあったドライブプランを容易に作成することができる。
次に、ドライブプランよりも行程の進み具合が早かった場合について説明する。
行程管理部802は、例えば、予定のイベント地に到着する時刻が、予定の到着時刻よりもある一定以上、例えば1時間以上早く到着したり、イベント地から出発する時刻が予定の出発時刻よりもある一定時間以上、たとえば1時間以上早い場合には、ドライブプランよりも実際の行程の方が早い時間で進行しているものと判定する。
行程管理部802は、ドライブプランに従った行動中に、ドライブプランよりも時間が進んでいることを判定すると、この結果を代替経由地検索部805に通知する。代替経由地検索部805は、ドライブプランデータベースに保持されている代替ルールの中から、ドライブプランに追加できるスポットを検索する。例えば、代替経由地検索部805は、ドライブプランデータベース804に保持されている代替ルールに適合するスポットから、現在のドライブプランにさらに経由地を追加した場合に、追加された場所の次のイベントへの到着予定時刻が、追加する前の同じイベントの到着予定時刻との時間間隔が小さくなる経由地を優先的にユーザに提示する。
ユーザは代替経由地の提示を参照して、ドライブプランに追加する経由地を選択する。これにより、ドライブプラン管理部801は、代替経由地を新たに追加した新たなドライブプランを作成する。
これにより、新たに立ち寄る経由地をユーザは容易に選択することができ、ユーザの嗜好にあったドライブプランを容易に作成できるようになる。
次に、雨が降った場合について説明する。
ドライブプランに従って運転中に、行程管理部802は、雨が降ってきたことを判定する。例えば、行程管理部802は、車のワイパーの動きを検知することで雨が降ってきたものと判定することができる。また、行程管理部802は、ユーザ入力によって雨が降ってきたことを検出しても良く、また、VICSシステムのような通信手段を用いて、雨が降っているという情報を受け取ってもよい。また更に、行程管理部802は、VICSシステムのような通信手段を用いて、ドライブプランに組込まれたイベント地での天気予報情報を取得して、到着予定時刻に雨が降ることを検出してもよい。
代替経由地検索部805は、先ず、ドライブプランに組込まれているイベントのうち他のイベントに変更した方がよいと考えられるイベント(要交換イベント)を検索する。例えば、代替経由地検索部805は、ドライブプラン作成時に、ユーザによって、「雨である場合」にドライブプランに組込むという条件が付された代替経由地の対象となったイベントを変更した方がよいイベントと判定する。また、経由地データベース106(図28参照)に格納されている経由地の情報中に「晴れである場合」にドライブプランに組み込み可能であるという条件を付与することもできる。この場合には、代替経由地検索部805は、代替ルールが作成されていない場合であっても、「晴れである場合」という条件が付されたイベントを要交換イベントとして検出することができる。
要交換イベントが検出されると、代替経由地検索部805はそのイベントの代替経由地を検索する。例えば、代替経由地検索部805は、要交換イベントについて、代替ルール及び代替経由地が指定されている場合には、この代替経由地を優先的にユーザに提示する。また或いは、代替経由地検索部805は、代替経由地のうち、「雨でも可」という情報を有する代替経由地を優先的にユーザに提示するようにしてもよい。
ユーザは代替経由地検索部805が提示した代替経由地のうち、要交換イベントに代えてドライブプランに組み込む代替経由地を選択する。これにより、ドライブプラン管理部801は、ドライブプランに組み込まれていた要交換イベントに代えて代替経由地を組み込んで、新たなドライブプランを作成する。
こうして、ユーザは代替経由地を容易に選択できるようになり、ユーザの嗜好にあったドライブプランを容易に作成することができる。
また、他の例として、ドライブプランに組み込まれているイベント地が混雑していた場合や、道路が通行止めになっていてドライブプランに組み込まれていたイベント地に到着できない場合等にも、本実施形態を適用することで、適切な代替経由地を容易に検索することができる。
従来、実際のドライブ中に、ドライブプランに変更を加える必要が生じた場合には、代替案をその場で検索し直さなくてはならず、ドライブプランの変更は極めて困難であった。これに対し、本実施形態においては、予め保持しておいた代替ルールを用いて代替経由地を検索し、検索結果の複数の代替経由地案からユーザの嗜好にあった代替経由地を選択することができ、ユーザ操作の手間を大幅に省くことができる。
このように本実施形態においては、代替経由地の情報を保持し、代替ルールに従って代替経由地を検索してその情報をユーザに提示しており、ユーザは実際のドライブの行程に応じた代替経由地を容易に選択することができ、ユーザの嗜好にあったドライブプランを容易に再作成することができる。
(第5の実施形態)
図31は本発明の第5の実施形態を示す説明図である。本実施形態は図1と同様の構成によって実現することができる。
第1の実施形態の説明では、経由地毎にラベルを付与する例について説明した。しかし、希望のルート上に希望する経由地を検索することができるとは限らない。この場合において、ドライブプランを作成するために、例えば昼食のための経由地を仮に選択すると、ルートが希望のルートから外れてしまう。ユーザが昼食のための経由地を任意に指定することも可能ではあるが、この場合には、その位置の到着時刻を事前に知る必要があると共に、変更等の柔軟性に欠ける。
そこで、本実施形態においては、条件のみを指定するために、ラベルのみが付された場所不確定経由地の情報を使用する。即ち、本実施形態においては、ラベル作成部104は、スポットID及びラベルの情報のみを有する場所不確定経由地の情報を作成することができる。そして、経由地データベース106には、場所不確定経由地の情報を蓄積することができるようになっている。この場所不確定経由地を、場所不確定イベントとしてドライブプランに組み込むことにより、ユーザが場所不確定イベントの位置等を事前に知る必要を無くし、また変更等を柔軟に行うことを可能にする。
次に、このように構成された実施形態の動作について図31を参照して説明する。図31中の「A」は出発地を示し、「B」は目的地を示している。「A」と「B」を結ぶ線によってルートを示している。また、四角で囲った数字は到着又は出発時刻を示している。
いま、ユーザが「昼食」イベントをドライブプランに追加する場合を例にして説明する。第1の実施形態と同様に、ユーザは経由地をドライブプランに追加する。更に、本実施形態においては、ユーザは場所不確定イベントをドライブプランに追加することができる。この場合の場所不確定イベントは、「昼食」のためのものであるので、到着時刻が指定されるイベントである。ユーザは入力部101によってイベントの到着時刻を指定する。この場合には、所定の時間幅を有する到着時刻は指定することも可能である。
例えば、場所不確定イベントとして「昼食」イベントをドライブプランに追加する場合には、到着時刻を「11:00〜12:00」のようにして指定する。また、場所不確定イベントにおいても、他のイベントと同様に、滞在時間を指定することができる。
場所不確定イベントがドライブプランに追加された場合には、ルート計算部102は、指定された場所不確定イベントの到着時刻に通る場所を経路上で検索する。到着時刻が幅を持つ場合には、経路上の到着時刻の開始から到着時刻の終了までの場所を検索する。この場所を場所不確定イベントの場所範囲としてドライブプランに登録する。次にルート計算部102は、時間を計算する。この場合には、場所不確定イベントの前のイベントの出発時刻から場所不確定イベントの次のイベントまでの移動に必要な時間に、場所不確定イベントの滞在時間を加える。
例えば、A地点を10時に出発し、移動時間を4時間として、15時にB地点に到着するドライブプランを例に説明する。図31はこの場合の時間概念を示す説明図である。10時から15時までの間で、到着予定時刻が11時から12時で滞在時間1時間の場所不確定イベントを追加するものとする。この場合には、A地点からB地点の経路上で、11時に予定している場所から12時に予定している場所までを検索し、この場所不確定イベントの場所範囲とする。
次に時刻の計算をする。場所不確定イベントの到着時刻が「11:00〜12:00」の場合、A地点を10時に出発してから場所範囲の開始地点までが1時間であるため、場所不確定イベントの場所範囲の開始地点の時刻は11時で、終了地点の時刻は12時である。また場所不確定イベントでの滞在時間が1時間である場合には、A地点からB地点の移動時間が4時間であるため、ドライブプランでB地点の到着予定時刻は15時となる。
このドライブプランにおいては、ユーザがドライブプランに従って行動中に、場所不確定イベントに相当する立ち寄り地を、ユーザ自信が探すことになる。
このような場所不確定イベントを採用したドライブプランを、第2又は第4の実施形態のナビゲーションシステムに適用することも可能である。
例えば、第2又は第4の実施形態のナビゲーションシステムを積載した乗り物で、ドライブプランに従ったドライブを行うものとする。この乗り物が、場所不確定イベントの場所範囲の開始地点にさしかかると、ナビゲーションシステムは、場所不確定イベントを探しながら運転するように、画面表示又は音声等によってユーザに知らせる。また、場所不確定イベントの前のイベントを出発する時刻が、ドライブプランと相違する場合には、ナビゲーションシステムは場所範囲の開始地点と終了地点を再検索する。この場合には、新たに計算された場所範囲の開始地点にさしかかると、ナビゲーションシステムは場所不確定イベントを探しながら運転するようにユーザに知らせる。
上述したように、第1の実施形態の説明では、経由地データベース中に、ユーザの嗜好にあった経由地が存在しない場合には、経由地をドライブプランに追加することができないか、又は場所が不確定にも拘わらず、地図上で経由地を登録してその登録経由地をドライブプランに追加しなければならなかった。経由地を追加できない場合には、滞在時間を考慮することができず、ドライブプランを作成することが困難であった。
これに対し、本実施形態においては、場所不確定イベントを用いることにより、ユーザは、場所を特定しない場所不確定イベントをドライブプランに追加することができるようになる。これにより、例えば、経由地データベースからユーザの嗜好に合う経由地の情報を検索することができない場合にも、ドライブプランに場所不確定イベントを追加しておくことにより、滞在時間を考慮したドライブプランを作成することができる。
また、ドライブの経験が豊富なユーザは、場所不確定イベントの場所範囲を見て、実際にドライブプランに従って運行中に、場所不確定イベントとなる経由地を発見することができるか、できないかを予想することができる。これにより、場所不確定イベントとなる経由地を発見できないことが予想される場合には、予め、ドライブプランを変更した方がよいと判断することもできる。
また、実行の状況に応じて場所範囲を再検索し、ユーザに場所範囲の開始地点であることを知らせることにより、ユーザはいつから場所不確定イベントを探し始めたら良いのかを知ることができるようになる。
このように、本実施形態においては、条件を決めるラベルのみを有する場所不確定イベントの設定を可能にしていることから、容易にドライブプランを作成することができ、また、ドライブプランの変更に柔軟に対応することができる。
なお、上記各実施形態においては、説明を解りやすくするために、装置を独立した1つの装置として示しているが、各部の機能がネットワークを介して接続される複数の装置によって実現されるような構成も可能である。また、上記各実施形態と同様の構成を、コンピュータで実行可能なプログラムによって実現することができることも明らかである。
100…制御部、101…入力部、102…ルート計算部、103…経由地検索部、104…ラベル作成部、105…表示部、106…経由地データベース、107…ラベル作成ルール記憶部。
代理人 弁理士 伊 藤 進