JP4271006B2 - 漏洩検査方法及び漏洩検査装置 - Google Patents

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本発明は、タンク又はタンクに接続された配管に生じた漏洩箇所を、タンク内を減圧して検査する漏洩検査方法及び漏洩検査装置に関する。
従来、給油所(ガソリンスタンド)の地下タンク等の漏洩検査方法として、液体が貯留されたタンク内部を外部に対して気密に閉塞し、タンク内部の気体又は貯留液体の少なくとも一部をタンク外部に排出してタンク内部を減圧状態にするとともに、タンク壁部に生じた漏洩箇所を介してこの減圧状態のタンク内部へ侵入する外部空気等の侵入音を集音するためのマイクロフォンをタンク内部の気相部分又は液相部分に配置し、検査作業者がこのマイクロフォンによって集音したタンク内の音響を聴取することによってタンク壁部に生じた漏洩箇所の有無を検査する方法が知られている。
実公平2−45788号公報
しかし、上述した従来の給油所の地下タンク等の漏洩検査方法にあっては、検査作業者が漏洩箇所の有無をマイクロフォンによって集音したタンク内の音響を聴取することによって判別していたため、次のような問題点があった。
まず、給油所の地下タンクの場合にあっては、一般に給油所自体が比較的交通量が多い沿道に設けられているため、漏洩検査時、マイクロフォンには、車両通行の振動等によるノイズもマイクロフォンによって集音されてしまう。そのため、検査作業者は、このようなノイズも含むマイクロフォンによって集音したタンク内の音響の中から、漏洩箇所を介してタンク内部へ侵入する外部空気等の侵入音を検査対象音として聴き分けなければならないため、その検査判断は経験が必要な熟練作業になってしまっている。
また、検査対象となる漏洩箇所の大きさ自体が僅か(例えば、約0.3mm以下)であった場合には、漏洩箇所があっても検査作業者が異なると上述した検出対象音を聴き分けられない虞れもあり、検査精度の正確性及び均一性をはかりにくいという問題点もあった。そこで、この検査精度の正確性及び均一性をはかるために、マイクロフォンによって集音した減圧状態のタンク内の音響を録音器材を用いて記録媒体に記録して持ち帰り、専門の検査判断者によって前記外部空気等の侵入音の聴き分けを行うことも考えられるが、適確かつ迅速な検査結果が検査現場では得られないという問題点があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、検査作業者の検査判断に格別な経験を必要とせず、検査精度の均一性をはかることができ、適確かつ迅速な検査結果が検査現場で取得可能な漏洩検査方法及び漏洩検査装置を提供することを目的とする。
本発明の漏洩検査方法は、給油所地下に埋設されたタンクに生じた漏洩箇所の有無を検査する漏洩検査方法であって、音を集音して電気音響信号に変換する集音変換手段を前記タンク内の液相部に配置する準備工程と、前記タンク内を外部に対して密閉する密閉工程と、密閉された前記タンク内を減圧する減圧工程と、減圧保持された前記タンク内の音を前記集音変換手段で採取する採取工程と、前記集音変換手段で採取した電気音響信号を周波数解析し、漏洩に基づき液相部に生じる特有音それぞれの周波数に対応する音の大きさを基に、漏洩箇所の有無を判定する周波数解析工程とからなることを特徴とする。
また、本発明の漏洩検査方法では、前記周波数解析工程は、特有音の周波数に対応する音の大きさが当該周波数周辺の周波数の音の大きさに対して特異レベルになっているか否かを基に、漏洩箇所の有無を判定することを特徴とする。
一方、本発明の漏洩検査装置は、給油所地下に埋設されたタンクに生じた漏洩箇所の有無を検査する漏洩検査装置であって、前記タンク内の液相部に配置され、該タンク内の音を集音して電気音響信号に変換する集音変換手段と、外部に対して密閉された前記タンク内を減圧する減圧手段と、前記集音変換手段によって採取した減圧された前記タンク内の電気音響信号を周波数解析し、漏洩に基づき液相部に生じる特有音それぞれの周波数レベル毎の音の大きさを求める周波数解析手段とを備えていることを特徴とする。
また、本発明の漏洩検査装置では、前記周波数解析手段は、漏洩に基づき液相部に生じる特有音それぞれの周波数レベル毎の音の大きさを含む、前記タンク内の周波数レベル毎の音の大きさ分析結果として印字出力又は表示出力することを特徴とする。
本発明の漏洩検査方法及び漏洩検査装置によれば、検査作業者の検査判断に格別な経験を必要とせず、検査精度の均一性をはかることができ、適確かつ迅速な検査結果が検査現場で取得可能である。
本発明の漏洩検査方法及び漏洩検査装置の一実施の形態について、図面とともに説明する。
図1は、本実施の形態の漏洩検査方法及び漏洩検査装置が適用した給油所の構成図である。
図中、1は給油所の地下に埋設された検査の地下タンクである。地下タンク1には、油液2が貯留され、内部には、液相部Lと気相部Gとが形成されている。3は地下タンク1にタンクローリ車等から油液を補給するための注油管で、一端が注油口3aとなり、他端が地下タンク1内の底部側に位置して開口している。注油口3aは、通常、油液の補給時以外は、蓋部材4によって気密に施蓋されている。5は地下タンク1内の油液を吸上げるための吸上げ管で、一端が地下タンク1内の底部側に位置して開口し、他端が計量機6に接続されている。計量機6は、計量機本体内にポンプ及び流量計を内蔵し、地下タンク1からポンプにより吸い上げた油液を流量計によって計量し、図示せぬ給油ホース先端に設けられた給油ノズルから車両の燃料タンク等に油液を供給する構成になっている。計量機6のポンプ吸込み側の流路部分には、ポンプの吸込みヘッド圧を確保するための逆止弁7が配設されている。地下タンク1の漏洩検査時には、この逆止弁7は地下タンク1内の圧力が負圧になるため閉弁し、自動的に吸上げ管5の他端を外部に対して閉塞可能になっている。
8は、地下タンク1の上部に埋設された金属製又はコンクリート製の埋設ボックス(マンホールプロテクタ)で、地表に開口した開口部はマンホール蓋9によって施蓋されている。埋設ボックス8内には、検尺棒,液面計のフロート等を地下タンク1内に挿入するため挿入管10の計量口11が開口している。この計量口11は、蓋部材12、又は当該計量口11に装着された液面計本体によって、常時は気密に施蓋されている。
13は、一端が排気口13aとなり、他端が地下タンク1内の上部側に連通して設けられた通気管である。通気管13は、地下タンク1内の油蒸気を外部に逃がす。
なお、以上の構成は、従来技術による給油所の構成と実質的に変わることがなく、各部の構成は上記説明した構成に限る必要はない。例えば、計量機6に関しては、ポンプが計量機本体と離れて地下タンク1内の液相部Lに配置されたサブマージポンプ式(液中ポンプ式)の計量機、給油所高所に配置されたホース昇降ユニットから給油ノズルが昇降自在に吊下された懸垂式の計量機であっても、本発明が適用される給油所の実質的な構成については変わることはない。
次に、上述した給油所を例に、本実施の形態に係る漏洩検査装置の構成について説明する。
本実施の形態の漏洩検査装置20は、タンク減圧ユニット21と漏洩検出ユニット22とから大略構成される。
タンク減圧ユニット21は、本実施の形態の場合、地下タンク1内の気相部Gの気体を外部に排出して、地下タンク1内を減圧する構成になっている。
本実施の形態の漏洩検査装置20におけるタンク減圧ユニット21は、エジェクタ23を備えて構成されている。エジェクタ23の流入口は配管を介して不活性ガス(例えば、窒素ガス等)のガスボンベ24と接続され、その配管途中には、レギュレータ25及び開閉弁26が配設されている。エジェクタ23の流入口は配管を介してサイレンサ27に接続されて外部に開放され、その配管途中には、開閉弁28が配設されている。エジェクタ23の吸引口は、連結配管29を介して、通気管13の排気口13aと気密に接続される。この連結配管29の途中には、地下タンク1内の減圧状態を測定するための圧力計30が設けられている。
そして、本実施例のタンク減圧ユニット21では、連結配管29が気密に接続された通気管13の排気口13a以外の配管部3,5,10の開口を気密に閉塞した状態で、次のようにして地下タンク1内の減圧作業を行う。
まず、開閉弁26,28を開弁状態とし、不活性ガスをエジェクタ23に供給する。この際、地下タンク1は排気口13a以外の配管部3,5,10の開口は閉塞されているので、気相部Gの油蒸気を含んだ気体は、通気管13及び連結配管29を介してエジェクタ23に吸引され、不活性ガスに混合されてサイレンサ27を介して大気中に放出される。その際、圧力計30で地下タンク1内の減圧状態を監視し、地下タンク1内が所定の圧力値まで減圧されたときに、開閉弁26,28を閉弁し、気相部Gの空気及び油蒸気からなる気体の吸引を停止する。なお、本実施例のタンク減圧ユニット21による減圧作業においては、地下タンク1内の気相部Gの油蒸気を含んだ気体が大気中に放出されることになるが、この油蒸気を含んだ気体は不活性ガスに混合されて大気中に放出されるため危険環境を生じさせることはない。
一方、漏洩検出ユニット22は、マイクロフォン31と、音響装置32と、スピーカ33と、周波数解析装置34とを備えて構成されている。
マイクロフォン31は、耐油性の防食構造と油中を沈むための適宜重量を備え、地下タンク1内の音を集音して電気音響信号に変換する。マイクロフォン31からは、信号線ケーブル35が導出され、この導出された信号線ケーブル35は音響装置32に接続され、音響装置32にマイクロフォン31により検出された電気音響信号が供給されるようになっている。マイクロフォン31は、本実施の形態の場合、漏洩検査の実施に際して、前述した埋設ボックス8内の計量口11から信号線ケーブル35によって吊下された状態で挿入管10内に挿通されて、地下タンク1内の液相部L中に配置される。信号線ケーブル35が挿通された計量口11は、図示せぬ密閉部材12により気密に封止される。
音響装置32は、マイクロフォン31により検出された電気音響信号を増幅し、スピーカ33及び周波数解析装置34に供給する。
スピーカ33は、音響装置32から供給される増幅された電気音響信号を音に変換して出力する。なお、ここでのスピーカ33は、通常の拡声手段としてのスピーカに限らず、ヘッドフォン等のモニタ聴取機器をも含むものである。
周波数解析装置34は、音響装置32から供給される増幅された電気音響信号の周波数分析を行い、その分析結果を印字出力又は表示出力する。
次に、上述した給油所を例に、本実施の形態に係る漏洩検査装置について説明する。
先ず、地下タンク1の漏洩検査の実施に当たっては、検査作業者は、タンク減圧ユニット21と通気管13の排気口13aとを連結配管29によって接続するとともに、埋設ボックス8内の計量口11からマイクロフォン31を地下タンク1内の液相部L中に配置する。その上で、本実施の形態の場合は、前述したように注油管3の注油口3aは蓋部材4によって既に外部に対して密閉され、吸上げ管5は逆止弁7の作動によって自動的に外部に対して密閉されるので、この計量口11を密閉部材12により密閉して、地下タンク1内を外部に対して密閉する。その後、減圧ユニット21を作動して地下タンク1内を所定の圧力値まで減圧し、減圧ユニット21の作動を停止して地下タンク1内の圧力(すなわち、気相部Gの圧力)をこの所定の圧力値に保持する。そして、漏洩検出ユニット22を起動して、マイクロフォン31により検出された電気音響信号の周波数解析装置34による周波数分析を開始する。なお、この場合では、漏洩検出ユニット22は、地下タンク1内を所定の圧力値に保持すると同時に起動するものとして説明したが、事前に起動しておいても何ら差し支えはない。
次に、地下タンク1内を所定の圧力値の減圧状態に保持した状態で、地下タンク1に漏洩箇所がある場合について、図面に基づいて説明する。
図2は、地下タンク内の液相部のタンク壁部に漏洩箇所がある場合の説明図である。
この地下タンク1内の液相部Lのタンク壁部に漏洩箇所41がある場合、漏洩箇所41を介して地下タンク1外部との圧力差に基づき空気が地下タンク1内の液相部Lに侵入する。これにより、液相部Lに侵入した空気は液相部Lで気泡となり、この時、音を発生する。この気泡が地下タンク1の内壁から離れて液相部L中を上昇する際、また、この上昇した気泡が液面に到り破裂を起こす際等に、特有の音(検出対象音)が発生する。
本実施の形態の漏洩検査装置20及び漏洩検査方法によれば、この場合、マイクロフォン31は、地下タンク1内の液相部Lに生じている暗騒音(検出の対象とする音以外の騒音のことで、ここでは、例えば車両通行の振動等によって、地下タンク1に異常がない場合でも発生するノイズを指す)に加えて、この漏洩に基づく特有の音も集音し、これら暗騒音と漏洩に基づく特有の音とが合成された電気音響信号を、音響装置32に出力する。そして、この電気音響信号は、スピーカ33から音に変換されて出力されるとともに、周波数解析装置34によってその周波数成分及び音の大きさが分析され、その分析結果が印字出力又は表示出力される。
図3は、地下タンクの上部に地下水位レベルがあり、気相部のタンク壁部又は通気管あるいは挿入管の管壁部に漏洩箇所がある場合の説明図である。
地下タンク1の上部に地下水位レベル50があり、気相部Gのタンク壁部又は通気管13あるいは挿入管10の管壁部に漏洩箇所42がある場合、漏洩箇所42を介して地下タンク1外部との圧力差に基づき地下水位レベル50の水が地下タンク1内の気相部Gに侵入する。これにより、気相部Gに侵入した水は、漏洩箇所42から直接又は地下タンク1の内壁面を伝わって間接的に液相部Lの液面に滴下する。この侵入した水が液相部Lの液面に滴下する際等に、特有の音(検出対象音)が発生する。
本実施の形態の漏洩検査装置20及び漏洩検査方法によれば、前述の図2の場合と同様に、マイクロフォン31は、地下タンク1内の液相部Lに生じている暗騒音に加えて、この漏洩に基づく特有の音も集音し、これら暗騒音と特有の音とが合成された電気音響信号が、音響装置32を介して、スピーカ33から音に変換されて出力されるとともに、周波数解析装置34によってその周波数成分及び音の大きさが分析され、その分析結果が印字出力又は表示出力される。
検査作業者は、スピーカ33から出力される音を聴取し、この音の中から、上述した液相部Lに地下タンク1の外部から侵入した空気の気泡の発生音や、上昇音又は破裂音等、また気相部Gに侵入した水の滴下音等といった、漏洩に基づく特有音の発生の有無を判別する。そして、検査作業者は、特有の音の発生を識別できたならば、地下タンク1又は通気管13あるいは挿入管10に漏洩箇所41,42が生じているものと判定する。
しかし、検査作業者は、スピーカ33から出力される音を聴取しても、この音の中から、漏洩に基づく特有の音の発生を明確に判別することができない場合もある。このような場合は、周波数解析装置34による分析結果に基づいて、次のようにして判別し、地下タンク1又は通気管13あるいは挿入管10に漏洩箇所41,42の有無を判定することができる。
図4は、実験により周波数解析装置34による分析された特有の音の発生の有無の分析結果を表わしたFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)時間周波数チャートである。
図において、チャートのA区画部分の縦軸は、周波数解析装置34に供給されるマイクロフォン31によって集音された地下タンク1の液相部L中に伝搬している音の周波数の大きさ(周波数レベル軸、単位はKHz)を表わし、チャートのA区画部分の横軸は、時間経過(時間軸、単位は秒)を表わす。
チャートのA区画部分において、所定時間(サンプリング時間)毎に周波数の大きさ方向に延びる各帯状部分Sは、地下タンク1の液相部L中でマイクロフォン31によって集音された周波数帯の音である。図中、各帯状部分Sにおける白黒濃淡は、チャートのB区画部分に表示された、音の大きさ(dB)の度合を光のスペクトルの周波数順(ここでは、青−青緑−緑−黄緑−黄−橙−赤の色順)のインデックスで表わした場合における、実際のチャート上の各周波数別の音の大きさ(dB)が着色されて現れている様子を示したものである。光のスペクトル順(紫−青紫−青−青緑−緑−黄緑−黄−橙−赤)のインデックスは、青色方向に向かって音の大きさ(dB)が小さくなり、赤色方向に向かって音の大きさ(dB)が大きくなっている。
実験は、地下タンク1内の貯留液としてガソリンを貯留し、図2に示した漏洩箇所41に対応させて、液面下100mmのタンク壁部に孔径0.2mmの擬似的な漏洩孔を形成し、地下タンク1内を“−4kPa”に減圧保持して行った。さらに、チャートのA区画部分において、時間経過の0秒から4.6秒までのA1区画部分は、この擬似的な漏洩孔を気密に閉塞して漏洩箇所が生じていないタンク状態を仮想し、時間経過4.6秒の段階でこの擬似的な漏洩孔の閉塞を除去して開放し、それ以降のA2区画部分は漏洩箇所が生じているタンク状態を仮想して行った区画部分である。
この結果、本実験により、A1区画部分とA2区画部分と対照すれば明らかなように、漏洩箇所が生じているタンク状態では、漏洩箇所が生じていないタンク状態に対し、特定の周波数の音の大きさ(dB)が大きくなって変化している現象が顕在化することが判明した。これは、漏洩に基づく特有の音が液相部L中を縦波(疎密波)で伝播し、マイクロフォン31によって集音されことに起因するものである。
図5は、図4中のA1区画部分に属する時間経過4.2秒の音の大きさの周波数特性である。
図6は、図4中のA2区画部分に属する時間経過6.2秒の音の大きさの周波数特性である。
図5に示す、図4中のA1区画部分に属する時間経過4.2秒の音の大きさの周波数特性、すなわち漏洩箇所が生じていないタンク状態の帯状部分S1の周波数特性からは、周波数全域に亘って“−60dB〜−50dB”の大きさの音が地下タンク1内にいわゆる暗雑音として発生してことを示している。
また、図6に示す、図4中のA2区画部分に属する時間経過6.8秒の音の大きさの周波数特性、すなわち漏洩箇所が生じているタンク状態の帯状部分S2の周波数特性からは、この場合は周波数約1.7kHz,2.2kHz,及び4.9kHz近傍の音の大きさ(dB)が“−30dB”を超え、その両側周辺の周波数の音の大きさ(dB)に対して特異レベルとなって現れていることが理解できる。これまでの実験結果から、1.7k Hz,2.2k Hzは気泡の発生音又は上昇音、4.9k Hzは液面における破裂音と推定できる。これらの特異な周波数ピークは、タンク容量,漏洩個所の穴の大きさ,液体の種別を問わず同様の結果となる。
したがって、前述した漏洩検査の説明において、検査作業者は、スピーカ33から出力される音を聴取しても、この音の中から、漏洩に基づく特有の音の発生を明確に判別することができない場合であっても、周波数解析装置34から印字出力又は表示出力される図4乃至は図6に示したような周波数レベルに応じた音の大きさ(dB)の分析を見て、ある周波数の音の大きさ(dB)がその周辺両側の周波数の音の大きさ(dB)に対して特異レベルになっている箇所が存在しているか否かを視覚的に判別して、地下タンク1又は通気管13あるいは挿入管10に漏洩箇所41,42が有るか否かを適確かつ容易に判定することができる。
以上説明した如く、本実施の形態の漏洩検査方法及び漏洩検査装置は構成されるが、本発明の漏洩検査方法及び漏洩検査装置は上述した実施の形態に限るものではなく、種々の変形例が可能である。
例えば、本実施の形態の漏洩検査方法及び漏洩検査装置20では、地下タンク1の減圧工程及び減圧ユニット21は、地下タンク1内の気相部Gの気体を地下タンク1の外部に排出して地下タンク1内を減圧する構成にしたが、地下タンク1内の液相部Lの液体を地下タンク1の外部に排出して減圧状態とし、検査終了後、この排出した液体を地下タンク1に戻すように構成してもよい。
また、本実施の形態の漏洩検査装置20では、漏洩検出ユニット22は周波数解析装置34に加えてスピーカ33も備えている構成としたが、このスピーカ33は省略してもよい。
また、本実施の形態の漏洩検査方法では、地下タンク1内の音の検出、及びマイクロフォン31により検出された電気音響信号の周波数解析装置34による解析を、地下タンク1内の圧力を減圧保持した期間を含む1回だけ行う構成としたが、例えば、地下タンク1を密閉して減圧する前の圧力状態、1回目の地下タンク1内の音の検出、及びマイクロフォン31により検出された電気音響信号の周波数解析装置34による解析を行って、地下タンク1内の暗雑音の分析結果を取得し、地下タンク1内の圧力を減圧保持した状態で、2回目の地下タンク1内の音の検出、及びマイクロフォン31により検出された電気音響信号の周波数解析装置34による解析を行って、両分析結果を比較対照することにより、漏洩箇所41,42の有無を判定するようにしてもよい。この場合、いずれの分析の際も、マイクロフォン31は気相部Gに設けられずに液相部Lに設けられるので、マイクロフォン31までの液相部Lの音伝搬路が、気相部Gの音伝搬路と比較して、減圧前と減圧後とで変化が起こり難いため、上記のような比較対照が行える。この結果、検出作業者はさらに適確かつ容易に、漏洩箇所の発生の有無を判定できる。
本実施の形態の漏洩検査方法及び漏洩検査装置が適用した給油所の構成図である。 地下タンク内の液相部のタンク壁部に漏洩箇所がある場合の説明図である。 地下タンクの上部に地下水位レベルがあり、気相部のタンク壁部又は通気管あるいは挿入管の管壁部に漏洩箇所がある場合の説明図である。 実験により周波数解析装置34による分析された特有の音の発生の有無の分析結果を表わしたFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)時間周波数チャートである。 図4中のA1区画部分に属する時間経過4.2秒の音の大きさの周波数特性である。 図4中のA2区画部分に属する時間経過6.2秒の音の大きさの周波数特性である。
符号の説明
1 地下タンク
2 油液
3 注油管
3a 注油口
4 蓋部材
5 吸上げ管
6 計量機
7 逆止弁
8 埋設ボックス
9 マンホール蓋
10 挿入管
11 計量口
12 密閉部材
13 通気管
20 漏洩検査装置
21 減圧ユニット
22 漏洩検出ユニット
23 エジェクタ
24 ガスボンベ
25 レギュレータ
26 開閉弁
27 サイレンサ
28 開閉弁
29 連結配管
30 圧力計
31 マイクロフォン
32 音響装置
33 スピーカ
34 周波数解析装置
35 信号線ケーブル
L 液相部
G 気相部

Claims (4)

  1. 給油所地下に埋設されたタンクに生じた漏洩箇所の有無を検査する漏洩検査方法であって、
    音を集音して電気音響信号に変換する集音変換手段を前記タンク内の液相部に配置する準備工程と、
    前記タンク内を外部に対して密閉する密閉工程と、
    密閉された前記タンク内を減圧する減圧工程と、
    減圧保持された前記タンク内の音を前記集音変換手段で採取する採取工程と、
    前記集音変換手段で採取した電気音響信号を周波数解析し、漏洩に基づき液相部に生じる特有音それぞれの周波数に対応する音の大きさを基に、漏洩箇所の有無を判定する周波数解析工程
    らなることを特徴とする漏洩検査方法。
  2. 前記周波数解析工程は、特有音の周波数に対応する音の大きさが当該周波数周辺の周波数の音の大きさに対して特異レベルになっているか否かを基に、漏洩箇所の有無を判定する
    ことを特徴とする請求項1記載の漏洩検査方法。
  3. 給油所地下に埋設されたタンクに生じた漏洩箇所の有無を検査する漏洩検査装置であって、
    前記タンク内の液相部に配置され、該タンク内の音を集音して電気音響信号に変換する集音変換手段と、
    外部に対して密閉された前記タンク内を減圧する減圧手段と、
    前記集音変換手段によって採取した減圧された前記タンク内の電気音響信号を周波数解析し、漏洩に基づき液相部に生じる特有音それぞれの周波数レベル毎の音の大きさを求める周波数解析手段と
    を備えていることを特徴とする漏洩検査装置。
  4. 前記周波数解析手段は、漏洩に基づき液相部に生じる特有音それぞれの周波数レベル毎の音の大きさを含む、前記タンク内の周波数レベル毎の音の大きさ分析結果として印字出力又は表示出力する
    ことを特徴とする請求項3記載の漏洩検査装置。
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