JP4270824B2 - エレベータの遠隔監視システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータの動作状態を遠隔的に監視するエレベータの遠隔監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のエレベータの設置台数の増加に伴い、これらのエレベータの動作状態を遠隔的に監視するための遠隔監視システムが考えられている。図6に従来のエレベータ遠隔監視システムの構成を示す。
【0003】
このエレベータ遠隔監視システムでは、各エレベータ毎に遠隔監視用の端末装置1a、1b…を設け、これらの端末装置1a、1b…と保守会社の監視センター2とを電話回線3(中継回線3aと市内回線3bを含む)を介して結ぶことにより、各端末装置1a、1b…のそれぞれが収集するエレベータの動作状態情報を電話回線3を介して監視センター2に送信することにより、監視センター2側で遠隔監視を行っている。
【0004】
また、図7に示すように、端末装置1a、1b…は各エレベータ毎に設けられており、それぞれにエレベータ機械室4内のエレベータ制御盤5に接続されている。エレベータ制御盤5はテールコード6を介して乗りかご7の動作を制御するものである。なお、近年、エレベータ機械室のないエレベータもあり、このようなタイプのエレベータでは、昇降路8内に端末装置1が設置されている場合もある。
【0005】
端末装置1a、1b…は、オートダイヤル機能、担当エレベータの動作状態情報を記憶、伝送する機能、リダイヤル機能、端末自身の動作状態情報を伝送する機能、遠隔点検機能などを備えている。監視センター2は、端末装置1a、1b…からのエレベータや端末の動作状態情報を受信する機能、その動作状態情報を記憶、表示する機能、エレベータを遠隔操作により運転して点検する機能、異常発生時の報知機能などを備えている。
【0006】
エレベータの遠隔監視を行う場合、端末装置1a、1b…がそれぞれに担当しているエレベータの正常運転時の動作情報を定期的に監視センター2へ送り、また、緊急停止指令、停電、かご内閉じ込めなどの発生や、その他の異常発生があれば、直ちにオートダイヤルによって監視センター2を呼び出して、その異常状態を通報する。監視センター2では、各端末装置1a、1b…から定期的に送られてくるエレベータの動作状態情報を記憶し、また、異常通報を受けた場合にはその旨の警報を発すると共に、異常情報を印字出力したり、モニターに表示する。そして、監視センター2で待機している監視員がモニター上でエレベータの設置場所や異常状態を判断し、保守の必要があれば現地に出向く態勢をとっている。
【0007】
また、各端末装置1a、1b…が正しく動作していることを監視センター3側にて確認するために、毎日定期的に各端末装置1a、1b…から自身の動作状態情報を監視センター2へ発報するか、監視センター3から各端末装置1a、1b…に通信して動作状態の確認を行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のエレベータ遠隔監視システムでは、各端末装置1a、1b…の全てが監視センター2に直接発報する構成になっている。このため、監視センター2が受ける1日あたりの動作確認の回数は、監視センター2が管理しているエレベータ数と同じになる。
【0009】
近年、エレベータの遠隔監視は増え続けており、これに伴い監視センターが各端末装置から受ける動作確認の回数は増える一方である。この場合、監視センターは地域毎に設置され、各端末装置から最寄りの監視センターへ発報する仕組みになっているが、監視センターまでの距離が長い現場も多々あり、動作確認だけでもその通信費は膨大な額となる。
【0010】
また、監視センターに対する発報には、動作確認の他に、遠隔監視本来の目的である緊急度の高いかご内閉じ込めやその他エレベータの異常状態による発報などがあり、監視センターはこれら緊急性を要する発報を優先的に受けられるようにしなければならない。しかしながら、各端末装置から動作確認の発報が集中すると、監視センターの電話回線が全てビジー状態となり、緊急度の高い発報がなかなか受け付けられず、異常発生に対する処置に遅れが生じることになる。
【0011】
また、地震や大雨などの同時多発的に生じる災害時には各端末から監視センターに対して集中的に発報がある。このような場合も、通常の動作確認の発報は定期的に行われているので、回線はさらに集中してしまい、監視センターに繋がり難い状態になる。
【0012】
そこで、監視センターの回線数を増やすことが考えられる。この場合、発報が集中するときの最大値で電話回線数を設定すれば、どのような状況でも監視センターに発報することができるが、通常時の回線使用率は低いために効率が悪く、また、回線使用料が膨大な額となってしまうなどの問題がある。
【0013】
また、例えば特願平5−213553号公報に開示されているように、各端末装置を統括的に管理する主端末装置を設け、各端末装置の通常の動作確認については主端末装置に送り、異常発生時には監視センターへ直接発報することが考えられている。これによれば、各端末装置の動作確認の情報は主端末装置でまとめられて監視センターへ送られるので、監視センターの回線の負荷が軽減され、緊急時の発報にも対応できるといった利点がある。しかしながら、その一方で各端末装置から主端末装置への発報が集中することになり、そこでの回線を増設する必要がでてくる。
【0014】
本発明は上記のような点に鑑みなされたもので、回線数を増やすことなく、監視センターへの定期的な動作確認の通知を緊急時の発報に支障なく行うことのできるエレベータの遠隔監視システムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るエレベータの遠隔監視システムにおいて、複数のエレベータを遠隔監視する監視センターと、上記各エレベータ毎に設置された複数の端末装置とが通信回線を介して接続されてなるエレベータの遠隔監視システムにおいて、定期的に行われる動作確認時に、同一グループ内の上記各端末装置間で動作確認用の情報を所定の順に転送すると共に、上記各端末装置に設定された転送回数を更新し、その更新後の転送回数に基づいて上記各端末装置の中のいずれか1つをグループの代表として選択的に決定し、そのグループ代表の端末装置が上記各端末装置間で順次転送された各情報を受け取り、自身の情報と共に上記通信回線を介して上記監視センターに一括して送ることを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、動作確認時にグループ代表の端末装置が決定され、各端末装置を経て集められた動作確認用の情報がそのグループ代表の端末装置の情報と共に一括して監視センターへ送信される。これにより、監視センターの回線数や特定の端末装置の回線数を増やすことなく、定期的な動作確認の通知を緊急時の発報に支障なく行うことができる。
【0017】
また、本発明の請求項2では、上記請求項1のエレベータの遠隔監視システムにおいて、動作確認時に前回グループ代表であった端末装置以外の端末装置がグループの代表となるように上記転送回数を更新することにより、上記各端末装置を順番にグループ代表として決定することを特徴とする。
【0018】
このような構成によれば、監視センターに対して通知を行うグループ代表としての端末装置を固定化せずに順番に決めていくため、各端末装置のそれぞれが監視センターに対して平均的に通知を行うことになり、これらの通信コストを均一化することができる。
【0019】
また、本発明の請求項3では、上記請求項1のエレベータの遠隔監視システムにおいて、上記動作確認用の情報は、上記各端末装置のそれぞれが監視対象としているエレベータの動作状態および端末自身の動作状態のうちの少なくとも一方の動作状態を示す情報を含むことを特徴とする。
【0020】
このような構成によれば、動作確認時に、各端末装置のそれぞれが監視対象としているエレベータの動作状態や端末自身の動作状態を動作確認用の情報として監視センターに定期的に知らせることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0022】
図1は本発明の一実施形態に係るエレベータの遠隔監視システムの構成を示す図である。本システムでは、各エレベータに設置された遠隔監監視用の端末装置をグループ分けし、各グループ毎に1つのネットワークを構築しておき、定期的に行われる動作確認時に同じグループ内の各端末装置間で動作状態情報を所定の順に転送すると共に、グループ代表の端末装置が同じグループ内のすべての動作状態情報を取りまとめて保守会社の監視センターへ一括して送るようにしたものである。また、本システムでは、上記グループ代表の端末装置は固定化されておらず、動作確認時に同一グループ内の各端末装置のいずれかに選択的に決定される。
【0023】
図1の例では、端末装置11a、11b、11c…が1つのグループであり、これらの中でグループ代表としての端末装置が選択的に決定される。同様に、端末装置12a、12b、12c…が1つのグループであり、これらの中でグループ代表としての端末装置が選択的に決定される。端末装置11a、11b、11c…、端末装置12a、12b、12c…は図示せぬエレベータの機械室などに設置されており、それぞれに監視対象としているエレベータの動作状態情報をエレベータ制御盤から取得してバッファする機能や、その動作状態情報を所定の相手に転送するための転送機能などを備えている。
【0024】
ここで、同じグループに属する端末装置は隣接した場所に設置されており、これらの端末間は市内回線で結ばれている。すなわち、図1の例で、端末装置11a、11b、11c…はある地域に点在する各エレベータに設置されており、これらは同地域の市内回線13aを介して互いに接続されている。同様に、端末装置12a、12b、12c…は上記端末装置11a、11b、11c…とは別の地域に存在する各エレベータに設置されており、これらは同地域の市内回線13bを介して互いに接続されている。
【0025】
また、監視センター14は端末装置11a、11b、11c…、端末装置12a、12b、12c…から離れた地域に存在し、これらの端末装置とは市内回線13a、13bよりも広域の通信回線網である電話回線15(中継回線)を介して接続される。この監視センター14は、端末装置11a、11b、11c…、端末装置12a、12b、12c…の動作状態情報を受信してバッファする機能や、その動作状態情報を印字出力したりモニター表示する機能や、異常発生時に報知する機能などを備えている。この監視センター14では、監視員が待機しており、モニター上でエレベータの設置場所や異常状態を判断し、保守の必要があれば現地に出向く態勢をとっている。
【0026】
図2は本システムに用いられる端末装置の構成を示すブロック図である。なお、図2では便宜的に端末装置11aとしての構成を示すが、他の端末装置11b、11c…、端末装置12a、12b、12c…についても同様の構成であり、コンピュータによって実現される。
【0027】
図2に示すように、端末装置11aは、通信装置21、制御装置22、バッファ23、24、テーブル25、信号入出力装置26を備えている。
【0028】
通信装置21は、監視センター14との間で電話回線15を介してデータの送受信処理を行ったり、市内回線13aを介して同一グループ内の他の端末装置との間でデータの送受信処理を行う。制御装置22は、装置全体の制御を行うものであり、マイクロプロセッサからなり、内部メモリに記憶されたプログラムを読み込むことで、そのプログラムに記述された手順に従って遠隔監視に関する一連の処理を実行する。また、この制御装置22は、本端末装置が監視対象としているエレベータの動作状態を判定するための動作状態判定部22aや、発報時の相手先を選択するための発報宛先選択部22b、自身がグループ代表の端末装置であるか否かを判断するグループ代表判断部22cなどを備えている。
【0029】
バッファ23は本端末装置の動作状態情報を保持するためのメモリであり、バッファ24は他の端末装置から送られて来た動作状態情報を保持するためのメモリである。テーブル25には、監視センター14や同一グループ内の各端末装置のダイヤルデータが予め登録されている。また、信号入出力装置26は、エレベータ制御盤31との間でエレベータの動作データを入出力するためのインタフェースである。
【0030】
このような構成のエレベータ遠隔監視システムでは、定期的に行う動作確認時において、端末装置11a、11b、11c…、端末装置12a、12b、12c…のそれぞれが動作状態情報を監視センター14に直接発報するのではなく、同じグループ内の各端末装置がそれぞれの動作状態情報を所定の順に転送し、最終的にグループ代表の端末装置がすべての動作状態情報を取りまとめて監視センター14に一括して送る。なお、動作確認時に監視センター14に送る動作確認用の情報には、エレベータが正常に動作しているか否かを示す情報および端末自体が正常に機能しているか否かを示す情報の少なくともいずれか一方の情報が含まれる。
【0031】
具体的に説明すると、図3のようになる。
【0032】
今、端末装置11a〜11dの4つの端末装置にてネットワークが構築されているものとする。この端末装置11a〜11dが1つのグループであり、これらの端末間は市内回線13aで結ばれている。言い換えれば、市内回線13aを使用して発報可能な同じ地域内に存在する各端末を1つのグループとしている。
【0033】
ここで、予め決められた動作確認時刻になったときに、例えば端末装置11aから転送を開始して、端末装置11a、11b、11c、11dの順で動作状態情報(エレベータの動作状態/端末の動作状態)を送って、最終的に端末装置11dが各動作状態情報を取りまとめて監視センター14に送るものとする。この場合、端末装置11dがグループ代表の端末装置である。なお、グループ代表の端末装置のことを「親機」、その他の端末装置のことを「子機」と呼ぶこともある。
【0034】
このような場合、まず、端末装置11aが端末装置11bにダイヤルして動作状態情報(データ1)を送る。なお、この動作状態情報にはどの端末から発せられた情報かを識別するための識別情報が付加されている。端末装置11bは端末装置11aから動作状態情報を受け取ると、その動作状態情報に自身の動作状態情報(データ2)を付けて端末装置11cに送る。端末装置11cは端末装置11bから動作状態情報を受け取ると、その動作状態情報に自身の動作状態情報(データ3)を付けて端末装置11dに送る。このようにして、グループ代表の端末装置11dには、端末装置11a、11b、11cのそれぞれの動作状態情報(データ1+データ2+データ3)が与えられる。そして、端末装置11dは、これらの動作状態情報に自身の動作状態情報(データ4)を加えて、遠隔地にある監視センター14に電話回線15を介して一括して送る。
【0035】
なお、上記のような転送順序は図2に示す発報宛先選択部22bに予め登録されており、発報宛先選択部22bではテーブル25を参照して、相手先の番号を選択する。また、各端末装置では、誰から動作状態情報が送られて来て、誰に送るのかを把握しており、例えば定刻になっても相手から動作状態情報が送られて来なかった場合には、自身の動作状態情報にその旨のエラー情報を付けて次の相手に送る。これにより、監視センター14では、動作状態情報を受信した際に、その中に含まれるエラー情報によって動作異常の端末装置を判断することができる。
【0036】
このように、各端末装置の動作状態情報を所定の順に転送しながら、最終的にグループ代表の端末装置に渡して、その端末装置がすべての動作状態情報をまとめて監視センター14に一括送信するといった方法を採ることで、動作確認時に監視センター14に対する集中的な発報を防いで緊急時の発報に対応できるようになり、さらに、グループ代表の端末装置に対する他の端末装置からの集中的な発報も防ぐことができる。
【0037】
しかしながら、グループ代表としての役割を果たす端末装置(親機)が固定であると、市内回線で構成されたグループであれば、その端末装置以外の端末装置(子機)については市内回線料金分しか発生しないが、親機である端末装置は遠隔地にある監視センター14に定期的に通知しなければならないため、子機の端末装置よりも通信コストがかかってしまう問題がある。動作確認発報は、ほぼ毎日定期的に行われるものであるため、1ヶ月あたりの親機と子機の通信コスト差は大きく異なってしまうことになる。また、親機の端末装置に故障が発生して通信不要な状況になると、グループ全体の動作状態を監視センター14に対して通知できなくなってしまう問題もある。
【0038】
そこで、本実施形態では、グループ代表の端末装置(親機)を固定化せずに、動作確認時にその都度変更することで上述したような問題を解消する。具体的には、図3に示すように、動作状態情報の先頭に転送回数設定値を付加して転送を開始する。この転送回数設定値は、グループ代表を決定するための制御情報であって、その値はグループの端末数などを考慮して決定され、情報転送毎に更新(ここでは1ずつディクリメント)される。
【0039】
端末装置は動作状態情報を受信した際に、その動作状態情報に付加された転送回数設定値を読み取る。そして、その値が“0”以外ならば、当該転送回数設定値を1つ減らして次の端末装置に送る。また、その値が“0”であった場合は、グループ代表としての権利が与えられたものと判断し、その時点ですべての動作状態情報をまとめて監視センター14に対して一括送信する。
【0040】
図3の例では、端末装置11aから動作状態情報の転送が開始され、そのときに転送回数設定値として“2”が付加されている。この場合、転送回数設定値をn、グループの端末数をmとすると、n=m−2となる。例えば、グループの端末数が4台であればn=2として設定し、5台であればn=3として設定しておく。
【0041】
端末装置11b、11cでは、動作状態情報を受信したときに転送回数設定値を1つずつ減らしていく。端末装置11dが端末装置11cから転送される動作状態情報を受信したときには転送回数設定値が“0”となっているので、その時点で動作状態情報の転送を終了して監視センター14ヘ送る。この例では、端末装置11dがグループ代表としての権利を持った端末装置になる。
【0042】
ここで、前回監視センター14に対して動作状態情報を一括送信した端末装置を基準にして、当該端末装置から所定時間(例えば24時間)経過後に端末間の情報転送を開始するように設定しておけば、次のグループ代表を他の端末装置に代えることができる。すなわち、今、端末装置11dがグループ代表として監視センター14に動作状態情報を一括送信したとすると、24時間後(つまり、次の動作確認時)にその端末装置11dから動作状態情報の転送を開始する。この場合、動作状態情報に転送回数設定値“2”が付加されて次の端末装置11aに転送される。これにより、端末装置11cに動作状態情報が回って来たときに転送回数設定値が“0”になり、次回のグループ代表は端末装置11cとして決定されることになる。
【0043】
なお、図3の例では、予め端末数に応じて設定された転送回数設定値を転送毎に1ずつディクリメントしながら、その値が“0”になった時点で当該端末装置をグループ代表として決定するようにしたが、例えば“0”から始めて1ずつインクリメントしていき、所定の値になった時点でグループ代表として決定することでもよい。この転送回数設定値の更新処理を含め、その値に基づいてグループ代表であるか否かを判断する処理は各端末装置に設けられたグループ代表判断部22cで行われる。
【0044】
また、端末動作の確認以外のかご内閉じ込めやその他エレベータの異常状態による緊急度の高い発報に関しては、グループ代表に関係なく、各端末装置から個別に異常状態を監視センター14へ直接発報できるものとする。但し、地震や大雨などの同時多発的な災害の発生時には、監視センター14に対する発報が集中するため、グループ代表の端末装置が他の端末装置から得られる状況をまとめて監視センター14へ送るものとする。
【0045】
以下に、端末装置の処理動作について説明する。
【0046】
図4は端末装置の発報時の処理動作を示すフローチャートであり、端末装置がグループ代表である場合とグループ代表以外の場合の処理が示されている。
【0047】
何らかの発報条件が成立すると、本端末装置はその発報条件の内容を判断する(ステップA11)。その結果、定期的に行われるエレベータの動作確認であった場合には(ステップA12のYes)、本端末装置は、まず、自身がグループ代表であるか否かを判断する(ステップA13)。上述したように、グループ代表であるか否かは、動作状態情報に付加される転送回数設定値が所定値(例えば“0”)であるか否かによって判断される。
【0048】
ここで、グループ代表でなかった場合(ステップA13のYes)、本端末装置はエレベータ制御盤31から得られる正常運転時時のエレベータの動作状態情報を所定の順で転送する(ステップA14)。すなわち、図3で説明したように、例えば端末装置11a→端末装置11b→端末装置11c→端末装置11dといったように、予め決められた順番に従って自身の動作状態情報を加えながら次の端末装置に送っていく。
【0049】
一方、本端末装置がグループ代表であった場合には(ステップA13のYes)、各端末装置を経由して転送されて来た動作状態情報を自身の動作状態情報と共に監視センター14に電話回線15を介して送る(ステップA15)。このように、グループ代表の端末装置が他の端末装置の動作状態情報を含めて一括して監視センター14に送ることで、監視センター14に対する集中報知を回避することができる。
【0050】
また、地震や大雨などの同時多発的な災害発生時での特定の発報であった場合にも(ステップA16のYes)、上記同様に本端末装置がグループ代表でなければ、上述したような方法により所定の順でそのときの状況を示す情報を転送し(ステップA17→A18)、グループ代表である場合には、すべての情報を取りまとめて監視センター14に電話回線15を介して送る(ステップA17→A19)。
【0051】
また、異常時の発報であった場合には(ステップA16のNo)、グループ代表であるか否かに関係なく、本端末装置は監視センター14へ直接発報する(ステップA20)。上記異常時の発報とは、例えば緊急停止指令、停電、かご内閉じ込めなどが相当し、これらに関する信号をエレベータから受けたときに、その旨の異常発報がなされる。
【0052】
図4は端末装置の動作確認時の処理動作を示すフローチャートであり、端末装置が親機である場合と子機である場合の処理が示されている。
【0053】
本実施形態では、監視センター14側で各端末装置が正常に機能しているか否かをチェックするため、定期的に各端末装置から監視センター14に対して端末自身の動作状態を発報するようにしている。
【0054】
ここで、予め設定された端末動作状態の確認時刻になると(ステップB11)、本端末装置は、まず、自身がグループ代表であるか否かを判断する(ステップB12)。グループ代表でなければ(ステップB12のYes)、本端末装置は所定の順に自身が正常に機能していることを示す端末の動作状態情報を転送する(ステップB13)。この場合も図3で説明したような方法により、予め設定された転送順序に従って各端末装置間で動作状態情報を転送しながら最終的に次のグループ代表として決定される端末装置にまとめて渡すようにする。
【0055】
一方、グループ代表であれぱ(ステップB12のNo)、本端末装置はグループ内の他の端末装置へ端末動作状態の要求を行い(ステップB14)、上記のようにして各端末装置間で転送されている動作状態情報を受け取ることで、自身の動作状態情報と共に監視センター14に電話回線15を介して送る(ステップB15)。
【0056】
このように、本システムでは、定期的に行われる動作確認時において、監視センターが全ての端末装置と通信をするのではなく、各グループ毎にそのグループ代表となる権利を持った端末装置のみと通信を行うので、動作状態確認の発報によって回線がビジィー状態となることを回避することができ、電話回線を増設しなくとも、かご内閉じ込めなどの緊急時にその旨の発報を優先的に受け付けることができるようになり、システムの信頼性が向上する。
【0057】
さらに、本システムでは、グループ代表の端末装置を固定化せずに、前回グループ代表であった端末装置以外の端末装置が次のグループ代表となるように各端末装置を順番にグループ代表として決定しているので、グループ内の各端末装置が平均的に監視センターへ通知することになり、これらの通信コストを均一化することができる。また、グループ代表の端末装置をその都度変更することで、ある特定の端末装置の故障によってグループ内のすべての動作状態が監視センターに通知されなくなるといった事態を回避することができる。
【0058】
なお、上記実施形態では、グループ代表の端末装置が監視センターに対して動作状態(エレベータ/端末の動作状態)を発報する場合に、正常な状態であっても発報していたが、例えばエレベータに正常に機能していない場合や端末自体に異常が発生した場合などにのみ、監視センターに対して発報するような機能を各端末装置に持たせるようにすれば、監視センターの電話回線使用率を低減でき、また、緊急度の高い発報に対して迅速な対応が可能となる。
【0059】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、各エレベータに個別に設置された遠隔監視用の複数の端末装置をグループ分けし、定期的に行われる動作確認時に、同一グループ内の各端末装置間で動作確認用の情報(エレベータの動作状態および端末自身の動作状態のうちの少なくとも一方の動作状態を示す情報)を所定の順に転送すると共に、これらの端末装置の中のいずれか1つをグループの代表として選択的に決定し、そのグループ代表の端末装置がすべての情報を取りまとめて監視センターに一括して送ることで、監視センターの回線数や特定の端末装置の回線数を増やすことなく、定期的な動作確認の通知を緊急時の発報に支障なく行うことができる。これにより、システムの信頼性が向上すると共に、動作状態確認のための通信費が大幅に削減される。
【0060】
さらに、監視センターにグループ代表として通知を行う端末装置を固定化せずに、同一グループ内で順番に決定するようにしたため、すべての端末装置が監視センターに対して平均的に通知を行うことになり、これらの通信コストを均一化することができ、また、ある特定の端末装置の故障によってグループ内のすべての動作状態が監視センターに通知されなくなるといった事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るエレベータ遠隔監視システムの構成を示す図。
【図2】上記エレベータ遠隔監視システムに用いられる端末装置の構成を示すブロック図。
【図3】同一グループ内の各端末装置間での情報転送方法とグループ代表の決定方法を説明するための図。
【図4】上記端末装置の発報時の処理動作を示すフローチャート。
【図5】上記端末装置の端末動作確認時の処理動作を示すフローチャート。
【図6】従来のエレベータ遠隔監視システムの構成を示す図。
【図7】従来のエレベータ遠隔監視システムに用いられる端末装置とエレベータとの関係を示す図。
【符号の説明】
11a〜11d…端末装置
12a〜12e…端末装置
13a,13b…市内回線
14…監視センター
15…電話回線(中継回線)
21…通信装置
22…制御装置
22a…動作状態判定部
22b…発報宛先選択部
22c…グループ代表判断部
23,24…バッファ
25…テーブル
26…信号入出力装置
31…エレベータ制御盤
Claims (3)
- 複数のエレベータを遠隔監視する監視センターと、上記各エレベータ毎に設置された複数の端末装置とが通信回線を介して接続されてなるエレベータの遠隔監視システムにおいて、
定期的に行われる動作確認時に、同一グループ内の上記各端末装置間で動作確認用の情報を所定の順に転送すると共に、上記各端末装置に設定された転送回数を更新し、その更新後の転送回数に基づいて上記各端末装置の中のいずれか1つをグループの代表として選択的に決定し、そのグループ代表の端末装置が上記各端末装置間で順次転送された各情報を受け取り、自身の情報と共に上記通信回線を介して上記監視センターに一括して送ることを特徴とするエレベータの遠隔監視システム。 - 動作確認時に前回グループ代表であった端末装置以外の端末装置がグループの代表となるように上記転送回数を更新することにより、上記各端末装置を順番にグループ代表として決定することを特徴とする請求項1記載のエレベータの遠隔監視システム。
- 上記動作確認用の情報は、上記各端末装置のそれぞれが監視対象としているエレベータの動作状態および端末自身の動作状態のうちの少なくとも一方の動作状態を示す情報を含むことを特徴とする請求項1記載のエレベータの遠隔監視システム。
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