JP4270265B2 - 半導体レンズの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体レンズの製造方法に関するものである。
従来から、受光装置などの分野において、導電性基板を用いたマイクロレンズ用金型の製造方法およびそのマイクロレンズ用金型を用いたマイクロレンズの製造方法が提案されている(特許文献1参照)。なお、特許文献1には、マイクロレンズとして合成樹脂レンズが例示されている。
上記特許文献1のマイクロレンズ用金型の製造方法では、例えば、導電性基板たる低抵抗のp形シリコン基板の一表面上にシリコン窒化膜を堆積させた後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してシリコン窒化膜の所定部位に円形状の開孔部を形成し、その後、シリコン窒化膜をマスク層としてp形シリコン基板の上記一表面側の一部を陽極酸化処理にて多孔質化することにより半球状の多孔質シリコン部を形成する。その後、多孔質シリコン部を全体に亘って酸化することにより二酸化シリコン部を形成し、マスク層を除去してから、二酸化シリコン部を除去することによってp形シリコン基板の上記一表面に所望の凸レンズの形状に対応する凹部を形成し、続いて、p形シリコン基板の上記一表面側および他表面側それぞれに熱酸化膜を形成している。なお、上述の陽極酸化処理では、陽極酸化用の電解液中でp形シリコン基板の上記一表面側に対向配置される陰極と半導体基板の他表面に接する形で配置される陽極板との間に通電することで多孔質シリコン部を形成している。
ところで、上記特許文献1に開示されたマイクロレンズ用金型の製造方法では、p形シリコン基板として抵抗率が導体の抵抗率に比較的近い低抵抗のものを用いており、陽極酸化処理時にp形シリコン基板の多孔質化が等方性エッチングのように等方的に進行するので、上記開孔部の形状を円形状とすることにより、図12に示すようにp形シリコン基板90の上記一表面に形成される凹部91の深さ寸法a1と凹部91の円形状の開口面の半径a2とが略等しくなり、結果的に、マイクロレンズとして球面レンズを製造することができる。なお、上記特許文献1には、マイクロレンズ用金型の製造時に上記開孔部の形状を長方形状とすることにより、結果的に、マイクロレンズとしてシリンドリカルレンズを製造することができることも開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に開示されたマイクロレンズ用金型の製造方法では、凸曲面の曲率半径が一様な凸レンズからなるマイクロレンズを形成するためのマイクロレンズ用金型しか製造することができず、マイクロレンズとして非球面レンズや凹レンズを形成することはできなかった。また、上記特許文献1に開示されたマイクロレンズ用金型の製造方法では、製造可能なマイクロレンズのレンズ径(=2×a2)がp形シリコン基板90の厚みで制限されてしまい、より大きなレンズ径のマイクロレンズを製造するには、厚みがより大きなp形シリコン基板90を用いる必要があり、コストが高くなってしまう。
また、上記特許文献1に記載されたp形シリコン基板90への凹部91の形成方法を利用することで平凹型の半導体レンズを製造することも考えられるが、半導体レンズとして、凹曲面の曲率半径が一様な平凹型の球面レンズやシリンドリカルレンズしか形成することができず、非球面レンズを形成することはできなかった。また、このような半導体レンズの製造方法では、陽極酸化処理時に発生した気泡がマスク層の開孔部を通して脱離することとなるので、開孔部周辺に気泡が集まり、多孔質化の進行速度にばらつきが生じたり、多孔質化が停止したりして、結果的に所望の曲率半径の凹曲面を形成できないことがあった。
また、従来から、半導体基板の一部を除去して当該半導体基板の残りの部分からなる半導体レンズを製造する方法が提案されており、赤外線検出素子と、当該赤外線検出素子を収納するキャンパッケージであって赤外線検出素子の受光面の前方に透光窓が形成されたキャンパッケージと、透光窓を覆うようにキャンパッケージの内側から配設され赤外線検出素子の受光面へ赤外線を集光する光学部材とを備えた赤外線検出装置(例えば、特許文献2参照)における光学部材として半導体レンズを用いることが提案されている。ここにおいて、上述の半導体レンズの製造方法では、電子ビームリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してフレネルレンズからなるレンズ部を形成しており、レンズ部とレンズ部以外の部位とを連続一体に形成することができるので、例えば、平凸型のレンズ部とレンズ部を全周に亘って囲むフランジ部とを連続一体に形成することができ、キャンパッケージの内側から透光窓を覆う形で容易に配設することが可能となる。
また、従来から、半絶縁性のGaAs基板のような高抵抗(例えば、抵抗率が10Ωcm程度)の半導体基板の一表面側にメサ形状に応じてパターン設計したマスク層を設けることなく陽極酸化技術を利用してメサ形状を形成する方法として、半導体基板の他表面側にメサ形状に応じて形状を設計した陽極(電極)を接触させ、その後、陽極と電解液中において半導体基板の上記一表面に対向配置した陰極との間に通電して酸化膜を形成する陽極酸化工程を行い、続いて、酸化膜をエッチング除去する酸化膜除去工程を行う方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
上記特許文献3に記載されたメサ形状の形成方法では、陽極酸化工程において陽極の形状や酸化膜の厚さなどによって半導体基板に流れる電流の電流密度の面内分布が決まるので、メサの側面の勾配が緩く、メサの側面と平坦面とが滑らかに連続したメサ形状を形成することができる。
特開2000−263556号公報 特開平5−133803号公報 特開昭55−13960号公報
ところで、上述の赤外線検出装置の光学部材として上記特許文献2や上記特許文献3に記載の技術を適用して製造した半導体レンズを用いた赤外線検出装置では、レンズ部や透光窓の形状によっては、半導体レンズのうち透光窓の内側に位置するレンズ部以外の部位を透過した赤外線が赤外線検出素子へ入射してしまい、赤外線検出素子の感度が低下してしまうことがあった。
また、上記特許文献2に記載された半導体レンズの製造方法では、電子ビームリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して半導体基板をエッチングすることでレンズ部を形成しているので、曲率半径が大きな非球面レンズを形成することが難しかった。
そこで、上記特許文献3に記載の技術を半導体レンズの製造方法に適用することが考えられるが、陽極酸化工程において、形成された酸化膜の厚さの増加に伴って陽極と陰極との間の電位差が上昇し、例えば、半導体基板として厚さが400μmで抵抗率が10ΩcmのGaAs基板を用いた場合には1mA/cmの定電流で酸化膜を形成した際に酸化膜の厚さが0.6μm程度でも上記電位差が400Vもの高い値となってしまうので、陽極酸化工程と酸化膜除去工程とからなる基本工程を繰り返す必要があり、製造プロセスが複雑になるとともに、所望のレンズ形状の半導体レンズを製造するのが難しかった。
また、上記特許文献3に記載の技術では、陽極酸化工程において利用する陽極を高抵抗の半導体基板の上記他表面に押し当てて接触させているだけなので、半導体基板と陽極との接触抵抗が大きく、半導体基板と陽極との接触がショットキ接触となってしまい、電流密度の面内分布の制御性や再現性に問題があった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、レンズ部以外の部位であるベース部を通して赤外線検出素子の受光面へ赤外線が入射するのを防止することが可能な半導体レンズの製造方法を提供することにある。
請求項1の発明は、赤外線検出素子を収納するパッケージにおいて赤外線検出素子の受光面の前方に形成された透光窓を覆うようにパッケージの内側から配設され、赤外線検出素子の受光面へ赤外線を集光するレンズ部を有する半導体レンズであり、透光窓の内側に位置するレンズ部以外の部位であるベース部を通して赤外線検出素子の受光面へ入射しようとする赤外線を阻止する赤外線阻止部が設けられてなり、レンズ部およびベース部は、半導体基板の一表面側に形成した陽極を利用して当該半導体基板の他表面側を陽極酸化することで除去部位となる多孔質部を形成してから当該多孔質部を除去することにより形成されてなり、前記赤外線阻止部が前記陽極により構成されてなり、レンズ部を複数有し、当該複数のレンズ部が隣り合うレンズ部が互いに重なる形で近接してなり、前記陽極は、各レンズ部ごとに独立した開孔部が形成されてなり、隣り合うレンズ部の境界部を通して赤外線が出射されるのを防止する半導体レンズの製造方法であって、レンズ部の形状に応じてパターン設計した陽極を半導体基板の一表面側に形成する陽極形成工程と、電解液中で半導体基板の他表面側に対向配置される陰極と前記陽極との間に通電して半導体基板の他表面側に除去部位となる多孔質部を形成する陽極酸化工程と、当該多孔質部を除去する多孔質部除去工程とを有し、陽極形成工程では、前記陽極の材料として赤外線を反射する金属材料を採用して前記陽極と半導体基板との接触がオーミック接触となるように前記陽極を形成し、陽極酸化工程では、電解液として、半導体基板の構成元素の酸化物をエッチング除去する溶液を用いるようにし、多孔質部除去工程では、前記陽極を前記赤外線阻止部として残存させるように多孔質部を選択的に除去することを特徴とする。
この発明によれば、陽極形成工程にて形成する陽極のパターンにより陽極酸化工程において半導体基板に流れる電流の電流密度の面内分布が決まるので、陽極酸化工程にて形成する多孔質部の厚みの面内分布の制御が容易になり、しかも、陽極形成工程では、陽極と半導体基板との接触がオーミック接触となるように陽極を形成しているので、陽極と半導体基板との間にショットキ障壁が生じないから、陽極酸化工程での通電時に流れる電流がショットキ障壁により遮られたり所望の電流値が得られなかったりショットキ障壁の不安定さに起因して接触抵抗の面内ばらつきが起こるような不具合の発生を防止でき、さらに、陽極酸化工程では、電解液として、半導体基板の構成元素の酸化物をエッチング除去する溶液を用いているので、所望の厚さ分布で厚みが連続的に変化した多孔質部を1回の陽極酸化工程で容易に形成することが可能であり、当該多孔質部を多孔質部除去工程にて選択的に除去することで所望の形状のレンズ部および前記赤外線阻止部を有する半導体レンズが形成されるから、前記赤外線阻止部を形成するために別途の工程を必要とせず、製造プロセスの簡略化を図れるとともに、前記赤外線阻止部の位置精度を高めることができる
請求項1の発明では、赤外線阻止部を形成するために別途の工程を必要とせず、製造プロセスの簡略化を図れるとともに、前記赤外線阻止部の位置精度を高めることができるという効果がある。
(参考例1)
以下、本参考例の赤外線検出装置について図1〜図4を参照しながら説明する。
本参考例の赤外線検出装置は、赤外線検出素子1と、当該赤外線検出素子1を収納するキャンパッケージからなるパッケージ2とを備えている。
ここにおいて、パッケージ2は、赤外線検出素子1が実装される円板状のステム21と、赤外線検出素子1を覆うようにステム21に固着される金属製のキャップ22とを備え、赤外線検出素子1の各パッド15a,15c(図3および図4参照)それぞれに一端部が結線されたボンディングワイヤ24,24の他端部が結線される2つのリード端子25,25がステム21に貫通する形で設けられている。また、キャップ22は、後面が開放された有底円筒状の形状に形成されており、後面がステム21により閉塞されている。また、キャップ2において赤外線検出素子1の前方に位置する前壁には、矩形状(本参考例では、正方形状)の透光窓23が形成されており、赤外線検出素子1の受光面へ赤外線を集光する光学部材としての半導体レンズ3が透光窓23を覆うようにキャップ22の内側から配設されている。
赤外線検出素子1は、図3および図4に示すように、第1のシリコンウェハからなる第1の半導体ウェハを用いて形成され一表面側において周囲と熱絶縁された赤外線検出部13が形成されている。なお、赤外線検出素子1の外形は矩形状となっている。
赤外線検出部13は、温度に応じて電気抵抗値が変化するサーミスタ型のセンシングエレメントであり、クロム膜からなる下部電極13aと、下部電極13a上に形成されたアモルファスシリコン膜からなる抵抗体層13bと、抵抗体層13b上に形成されたクロム膜からなる上部電極13cとで構成されている。また、本参考例における赤外線検出素子1では、赤外線検出部13に赤外線吸収層17が積層されており、赤外線吸収層17の表面が受光面を構成している。ここにおいて、赤外線検出素子1は、検出対象の赤外線として人体から放射される8μm〜13μmの波長帯の赤外線を想定しており、赤外線吸収層17の材料としてSiONを採用しているが、赤外線吸収層17の材料はSiONに限らず、例えばSi、SiO、金黒などを採用してもよい。なお、赤外線検出部13は、サーミスタ型のセンシングエレメントに限らず、例えば、サーモパイル型のセンシングエレメント、抵抗ボロメータ型のセンシングエレメント、焦電型のセンシングエレメントなどのように、温度変化を電気信号変化に変換できるものであればよい。また、本参考例では、上述の説明から明らかなように赤外線検出素子1が熱型の赤外線検出素子により構成されているが、赤外線検出素子1は、熱型の赤外線検出素子に限らず、例えば、InGaAs,InSb,InAs,HgCdTe,PbS,PbSeなどの材料を利用した量子型の赤外線検出素子により構成してもよいし、p形Geのフォトンドラッグ効果を利用した赤外線検出素子により構成してもよい。また、赤外線検出素子1は、1つのセンシングエレメントにより構成されたものに限らず、複数のセンシングエレメントがアレイ状に配置されたアレイタイプのものでもよい。また、赤外線検出装置は、センシングエレメントの種類の異なる複数の赤外線検出素子1を備えた複合タイプでもよい。
ところで、図3および図4に示した赤外線検出素子1は、上述のように第1の半導体ウェハを用いて形成された支持基板10の一表面(図1における上面)に形成された凹所10aの周部の内側に配置された薄膜状のベース部11a上に赤外線検出部13が形成されている。ベース部11aは外周形状が矩形状に形成されており、当該ベース部11aの四隅それぞれからベース部11aの対角線の方向に沿って連続一体に延長された4つの梁部11bを介して支持基板10における凹所10aの周部に支持されている。ここにおいて、支持基板10は、一表面上に絶縁層11が形成されており、上述の各梁部11bは、支持基板10の絶縁層11に連続一体に形成されている。要するに、各梁部11bは、支持基板10における凹所10aの周部の内側に配置され且つ一端部がベース部11aに連続一体に連結され他端部が凹所10aの周部に連続一体に連結されている。なお、絶縁層11は、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層膜により構成してあるが、当該積層膜に限らず、例えば、いわゆる低応力窒化ケイ素などにより形成してもよい。
また、赤外線検出素子1の赤外線検出部13は、下部電極13aおよび上部電極13cそれぞれが互いに異なる梁部11b,11bに沿って延長された金属配線14a,14cを介して支持基板10の上記一表面側に形成された上述のパッド15a,15cと電気的に接続されている。なお、本参考例では、上述のマイクロブリッジ構造を利用して赤外線検出部13を周囲と熱絶縁してあるが、赤外線検出部13を周囲と熱絶縁するための構造はマイクロブリッジ構造に限らず、ダイヤフラム状の膜で形成された断熱構造を利用してもよい。
また、半導体レンズ3は、上述のように赤外線検出素子1を収納するパッケージ2において赤外線検出素子1の受光面の前方に形成された透光窓23を覆うようにパッケージ2の内側から配設されており、赤外線検出素子1の受光面へ赤外線を集光するレンズ部3aを有している。
ここにおいて、半導体レンズ3は、シリコンレンズであり、図1および図2に示すように、レンズ部3aが、平凸型の非球面レンズの形状に形成されており、レンズ部3a以外の部位であるベース部3bの外周形状が矩形状に形成されている。
ところで、半導体レンズ3は、透光窓23の内側に位置するレンズ部3a以外の部位であるベース部3bを通して赤外線検出素子1の受光面へ入射しようとする赤外線を阻止する赤外線阻止部3cが設けられている。ここで、赤外線阻止部3cは、金属材料(例えば、Alなど)からなる赤外線反射膜により構成してあるが、当該赤外線反射膜の材料は、Alに限らず、薄膜形成時に光沢があり凹凸を小さくできる材料であればよいが、特に、赤外線の反射率が0.8よりも高いAl、Au、Ag、Rt、Ni、Mo、W、Cr、Cu、Fe、Ti、Ta、黄銅、Nb、Coなどの金属材料や、これらの金属材料を主成分とする材料を採用することが好ましい。ここにおいて、本参考例では、赤外線阻止部3cを構成する赤外線反射膜として用いるAl膜の膜厚を1μmに設定してあるが、赤外線阻止部3cの膜厚は1μmに限定するものではない。
しかして、本参考例における半導体レンズ3では、レンズ部3a以外の部位であるベース部3bを通して赤外線検出素子1へ入射しようとする赤外線を赤外線阻止部3cにより阻止することが可能となり、レンズ部3aの形状などにより決まる検知エリア以外からの不要な赤外線の赤外線検出素子1への入射を防止することができ、赤外線検出素子1の感度を高めることが可能となり、本参考例における赤外線検出装置では、半導体レンズ3のレンズ部3a以外の部位であるベース部3bを通して赤外線が赤外線検出素子1の受光面へ入射するのを防止することができ、高感度化を図れる。また、本参考例の赤外線検出装置では、半導体レンズ3をキャップ22と電気的に接続することで電磁シールドを行うことができ、赤外線検出素子1への電磁ノイズの影響を防止できる。
ところで、本参考例の赤外線検出装置では、キャップ22の透光窓23を矩形状に開口してあるが、キャップ22の透光窓23を円形状に開口しておき、半導体レンズ3をレンズ部3aのみにより構成して透光窓23へ落とし込んでキャップ22と半導体レンズ3とを接着することも考えられる。しかしながら、このような構成を採用する場合には、透光窓23へ半導体レンズ3を落とし込む際に半導体レンズ3の光軸に直交する平面がキャップ22の前壁に対して傾いてしまい、半導体レンズ3と赤外線検出素子1との平行度が出なくなり、半導体レンズ3の集光点が赤外線検出素子1からずれてしまう可能性がある。
これに対して、本参考例の赤外線検出装置では、上述のようにキャップ22において半導体レンズ3のレンズ部3aを落とし込む透光窓23の開口形状を、1辺がレンズ部3aのレンズ径よりもやや大きな正方形状としてあり、半導体レンズ3のベース部3bをキャップ22の前壁の後面に当接させた形でベース部3bの周部を接着剤からなる接合部4を介してキャップ22に固着してある。したがって、半導体レンズ3と赤外線検出素子1との平行度を高めることができ、半導体レンズ3の集光点が赤外線検出素子1からずれるのを防止することができる。
以下、上述の半導体レンズ3の形成方法について図5(a)〜(e)を参照しながら説明する。
まず、図5(a)に示す第2のシリコンウェハからなる第2の半導体ウェハ30を洗浄する洗浄工程、第2の半導体ウェハ30の一表面(図5(a)における下面)にマークを設けるマーキング工程を行ってから、第2の半導体ウェハ30の上記一表面側に陽極酸化工程で利用する陽極32(図5(c)参照)の基礎となる所定膜厚(例えば、1μm)の金属膜(本参考例では、Al膜)からなる導電性層31を形成する導電性層形成工程を行うことによって、図5(b)に示す構造を得る。ここにおいて、導電性層形成工程では、例えばスパッタ法によって第2の半導体ウェハ30の上記一表面上に導電性層31を成膜した後、NガスおよびHガス雰囲気中で導電性層31のシンタ(熱処理)を行うことにより第2の半導体ウェハ30との接触がオーミック接触をなす導電性層31を形成する。なお、導電性層31の成膜方法はスパッタ法に限らず、例えば蒸着法などの他の周知の薄膜形成方法を採用してもよい。また、導電性層31の材料もAlに限定するものではなく、第2の半導体ウェハ30とのオーミック接触が可能な材料であればよく、例えばAlを主成分とするAl−Siなどを採用してもよい。また、本参考例では、第2の半導体ウェハ30が半導体基板を構成している。
導電性層形成工程の後、導電性層31に円形状の開孔部33を設けるように導電性層31をパターニングするパターニング工程を行うことによって、図5(c)に示す構造を得る。ここにおいて、パターニング工程では、フォトリソグラフィ技術を利用して第2の半導体ウェハ30の上記一表面側に上記開孔部33に対応する部位が開孔されたレジスト層(図示せず)を形成した後、レジスト層をマスクとして導電性層31の不要部分を例えばウェットエッチング技術あるいはドライエッチング技術によってエッチング除去して開孔部33を設けることにより導電性層31の残りの部分からなる陽極32を形成し、その後、上記レジスト層を除去する。なお、導電性層31がAl膜であれば、導電性層31の不要部分をウェットエッチング技術によりエッチング除去する場合には、例えば燐酸系エッチャントを用いればよく、導電性層31の不要部分をドライエッチング技術によりエッチング除去する場合には、例えば反応性イオンエッチング装置などを用いればよい。また、本参考例では、上述の導電性層形成工程とパターニング工程とで、所望のレンズ形状に応じてパターン設計した陽極32を上記半導体基板の上記一表面側に形成する陽極形成工程を構成している。
パターニング工程の後、陽極酸化用の電解液中で第2の半導体ウェハ30の他表面側(図5(a)の上面側)に対向配置される陰極と上記陽極32との間に通電して第2の半導体ウェハ30の上記他表面側に除去部位となる多孔質部34を形成する陽極酸化工程(陽極酸化処理)を行うことによって、図5(d)に示す構造を得る。なお、本参考例では、第2の半導体ウェハ30として、導電形がp形のものを用いているので、陽極酸化工程において第2の半導体ウェハ30の上記他表面側に光を照射する必要はないが、第2の半導体ウェハ30として導電形がn形のものを用いる場合には光を照射する必要がある。また、電解液としては、55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを1:1で混合した混合溶液を用いているが、フッ化水素水溶液の濃度やフッ化水素水溶液とエタノールとの混合比は特に限定するものではない。また、フッ化水素水溶液と混合する液体もエタノールに限らず、メタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)などのアルコールなど、陽極酸化反応で発生した気泡を除去できる液体であれば、特に限定するものではない。
ところで、p形の第2のシリコンウェハからなる第2の半導体ウェハ30の一部を陽極酸化工程において多孔質化する際には、ホールをh、電子をeとすると、以下の反応が起こっていると考えられる。
Si+2HF+(2−n)h→SiF+2H+ne
SiF+2HF→SiF+H
SiF+2HF→SiH
すなわち、第2のシリコンウェハからなる第2の半導体ウェハ30の陽極酸化では、Fイオンの供給量とホールhの供給量との兼ね合いで多孔質化あるいは電解研磨が起こることが知られており、Fイオンの供給量の方がホールの供給量よりも多い場合には多孔質化が起こり、ホールhの供給量がFイオンの供給量よりも多い場合には電解研磨が起こる。したがって、本参考例のように第2の半導体ウェハ30としてp形のシリコンウェハを用いている場合には、陽極酸化による多孔質化の速度はホールhの供給量で決まるから、第2の半導体ウェハ30中を流れる電流の電流密度で多孔質化の速度が決まり、多孔質部34の厚みが決まることになる。ここで、第2の半導体ウェハ30の上記他表面側では、陽極32の厚み方向に沿った開孔部33の中心線から離れるほど電流密度が徐々に大きくなるような電流密度の面内分布を有することとなり、第2の半導体ウェハ30の上記他表面側に形成される多孔質部34は、陽極32の開孔部33の上記中心線に近くなるほど徐々に薄くなっている。
上述の陽極酸化工程の終了後、多孔質部34を除去する多孔質部除去工程を行うことで図5(e)に示す構造の半導体レンズ3を形成する。
ところで、上述の半導体レンズ3の製造方法において、陽極形成工程では、陽極32の材料として赤外線を反射する金属材料(例えば、Al)を採用し、多孔質部除去工程では、陽極32を赤外線阻止部3cとして残存させるように多孔質部34を選択的に除去するようにしている。
しかして、本参考例における半導体レンズ3の製造方法によれば、陽極形成工程にて形成する陽極32のパターンにより陽極酸化工程において半導体基板たる第2の半導体ウェハ30に流れる電流の電流密度の面内分布が決まるので、陽極酸化工程にて形成する多孔質部34の厚みの面内分布を制御することができて厚みが連続的に変化した多孔質部34を形成することが可能であり、しかも、陽極形成工程では、陽極32と第2の半導体ウェハ30との接触がオーミック接触となるように陽極32を形成しているので、陽極32と第2の半導体ウェハ30との間にショットキ障壁が生じないから、陽極酸化工程での通電時に流れる電流がショットキ障壁により遮られたり所望の電流値が得られなかったりショットキ障壁の不安定さに起因して接触抵抗の面内ばらつきが起こるような不具合の発生を防止でき、さらに、陽極酸化工程では、電解液として、第2の半導体ウェハ30の構成元素の酸化物をエッチング除去する溶液を用いているので、所望の厚さ分布で厚みが連続的に変化した多孔質部34を1回の陽極酸化工程で容易に形成することが可能であり、当該多孔質部34を多孔質部除去工程にて選択的に除去することで所望の形状のレンズ部3aおよび赤外線阻止部3cを有する半導体レンズ3が形成されるから、赤外線阻止部3cを形成するために別途の工程を必要とせず、製造プロセスの簡略化を図れるとともに、赤外線阻止部3cの位置精度を高めることができる。
ところで、上述の半導体レンズ3の製造方法においては、陽極酸化工程において第2の半導体ウェハ30に流れる電流の電流密度の面内分布によってレンズ部3aの形状(本参考例では、平凸型の非球面レンズ状のレンズ部3aにおける非球面の曲率半径やレンズ径)が決まるので、第2の半導体ウェハ30の抵抗率や厚み、陽極酸化工程にて用いる電解液の電気抵抗値や、第2の半導体ウェハ30と陰極との間の距離、陰極の平面形状(第2の半導体ウェハ30に対向配置した状態において第2の半導体ウェハ30に平行な面内での形状)、陽極32における円形状の開孔部33の内径などを適宜設定することにより、レンズ部3aの形状を制御することができる。ここにおいて、電解液の電気抵抗値は、例えば、フッ化水素水溶液の濃度や、フッ化水素水溶液とエタノールとの混合比などを変えることにより調整することができるので、陽極32の形状の他に、陽極32の形状以外の条件(例えば、電解液の電気抵抗値)を適宜設定することによって、半導体レンズ3のレンズ部3aの形状をより制御しやすくなる。なお、上述の半導体レンズ3の製造方法では、陽極形成工程において円形状の開孔部33が設けられた陽極32を形成しているが、開孔部33の形状を円形状ではなくて長方形状の形状とすれば、半導体レンズ3として、シリンドリカルレンズを形成することも可能である。また、陽極32を円形状の平面形状とすれば、半導体レンズ3として、平凹型の非球面レンズを形成することも可能である。
また、上述の半導体レンズ3としては、図6に示すように、レンズ部3aの両面に、所望の波長域(例えば、8μm〜13μm)の赤外線を透過し不要な波長域(例えば、5μm以下)の赤外線を反射する多層干渉フィルタ3d,3eを形成した構成を採用してもよい。図6に示した構成の半導体レンズ3では、レンズ部3aの両面に、所望の波長域の赤外線を透過し不要な波長域の赤外線を反射する多層干渉フィルタ3d,3eが形成されているので、不要な波長域の赤外線をカットすることができ(太陽光によるノイズを除去することができ)、高感度化を図れる。なお、図6に示した例では、レンズ部3aの両面に多層干渉フィルタ3d,3eを形成してあるが、少なくとも一面に形成してあればよい。
(参考例2)
本参考例の赤外線検出装置の基本構成は参考例1と略同じであり、図7に示すように、半導体レンズ3のレンズ部3aの凸曲面を赤外線検出素子1に向けた形で半導体レンズ3をキャップ2に取り付けてある点が相違する。なお、参考例1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本参考例の赤外線検出装置では、半導体レンズ3のレンズ部3aの一部がキャップ22の透光窓23を通してキャップ22の前面を含む平面よりも突出することがなく、レンズ部3aに傷が付きにくくなり、信頼性を高めることができる。また、本参考例では、金属材料からなる赤外線阻止部3cが、キャップ22に電気的に接続されるアース用電極を兼ねており、赤外線検出素子1への電磁ノイズの影響をより確実に防止できる。
(実施形態)
本実施形態の赤外線検出装置の基本構成は参考例1と略同じであり、図8および図9に示すように、半導体レンズ3が複数(4つ)のレンズ部3aを有し互いに重なり合うような形で近接した所謂マルチレンズからなる点が相違する。なお、参考例1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
ここにおいて、本実施形態における半導体レンズ3の製造にあたっては、参考例1と同様に、陽極形成工程では、陽極32の材料として赤外線を反射する金属材料(例えば、Al)を採用し、多孔質部除去工程では、陽極32を赤外線阻止部3cとして残存させるように多孔質部34を選択的に除去するようにしている。
しかして、本実施形態の赤外線検出装置では、半導体レンズ3におけるベース部3bのうち複数のレンズ部3aにより囲まれた部分および複数のレンズ部3aを囲んだ部分それぞれに赤外線阻止部3cが形成されており、半導体レンズ3の形状が複雑であるにもかかわらず、半導体レンズ3のレンズ部3a以外の部位であるベース部3bを赤外線が透過して赤外線検出素子1へ入射するのを防止することができる。
なお、本実施形態では、半導体レンズ3が複数のレンズ部3aを有し隣り合うレンズ部3aが互いに重なり合う形で近接して形成されているが、複数のレンズ部3aは離間していてもよく、この場合にも各レンズ部3a以外の部位(隣り合うレンズ部3a間の部位を含む)であるベース部3bを赤外線が透過して赤外線検出素子1へ入射するのを防止することができる。また、1つの半導体レンズ3におけるレンズ部3aの数は特に限定するものではない。
ところで、上述の図8および図9における半導体レンズ3では、隣り合うレンズ部3aが互いに重なるような形で近接して形成されているので、隣り合うレンズ部3aの境界部へ入射した赤外線の進行方向を制御できない。
そこで、隣り合うレンズ部3aが互いに重なるような形で近接したマルチレンズを構成する場合には、図10に示すように、赤外線阻止部3cを構成する陽極が、各レンズ部3aごとに独立した複数の開孔部33が形成されていることが望ましい。図10に示した構成の半導体レンズ3では、複数のレンズ部3aが隣り合うレンズ部3aが互いに重なる形で近接したマルチレンズを構成するようにしても、隣り合うレンズ部3aの境界部を通して赤外線が出射されるのを防止することができ、高感度化を図れる。
(参考例3)
本参考例の赤外線検出装置の基本構成は参考例1と略同じであり、半導体レンズ3として図11(h)に示すような両凸型の非球面レンズ状のレンズ部3aを有する半導体レンズ3を用いる点が相違するだけである。
以下、本参考例における半導体レンズ3の製造方法について図11(a)〜(h)を参照しながら説明するが、参考例1と同様の工程については説明を適宜省略する。
まず、図11(a)に示す第2の半導体ウェハ30に洗浄工程、マーキング工程を行ってから、第2の半導体ウェハ30の一表面側(図11(a)における下面側)に第1の陽極酸化工程で利用する第1の陽極32(図11(c)参照)の基礎となる所定膜厚(例えば、1μm)の金属膜(本参考例では、Al膜)からなる第1の導電性層31を形成する第1の導電性層形成工程を行うことによって、図11(b)に示す構造を得る。なお、第1の導電性層31は第2の半導体ウェハ30との接触がオーミック接触となるように形成する。
第1の導電性層形成工程の後、第1の導電性層31に円形状の開孔部33を設けるように第1の導電性層31をパターニングする第1のパターニング工程を行うことによって、図11(c)に示す構造を得る。なお、第1の導電性層形成工程と第1のパターニング工程とで、レンズ部の形状に応じてパターン設計した第1の陽極32を半導体基板たる第2の半導体ウェハ30の上記一表面側に形成する第1の陽極形成工程を構成している。
第1のパターニング工程の後、陽極酸化用の電解液中で第2の半導体ウェハ30の他表面側(図11(a)の上面側)に対向配置される陰極と第1の陽極32との間に通電して第2の半導体ウェハ30の上記他表面側に除去部位となる第1の多孔質部34を形成する第1の陽極酸化工程を行うことによって、図11(d)に示す構造を得る。
第1の陽極酸化工程の終了後、第1の多孔質部34を除去する第1の多孔質部除去工程を行う。ここにおいて、第1の多孔質部34を除去するエッチング液としてアルカリ系溶液(例えば、KOH水溶液、TMAH水溶液、NaOH水溶液など)やHF系溶液を用いれば、第1の多孔質部除去工程において、Alにより形成されている第1の陽極32もエッチング除去することができ、図11(e)に示す構造を得ることができる。なお、第1の多孔質部除去工程と、第1の陽極32を除去する第1の陽極除去工程とを別々に行ってもよい。
第1の多孔質部除去工程の後に、第2の半導体ウェハ30において第1の多孔質部34の除去により曲面が形成されている側(つまり、第2の半導体ウェハ30の上記他表面側)とは反対側(つまり、第2の半導体ウェハ30の上記一表面側)に、第1の陽極形成工程と同様にして所望のレンズ部3aの形状に応じてパターン設計した第2の陽極42(ここでは、第2の陽極42は第1の陽極32の円形状の開孔部33と第2の陽極42の厚み方向に沿った中心線が一致する円形状の開孔部が設けられるようにパターン設計してある)を形成することによって、図11(f)に示す構造を得る。
その後、上述の第1の陽極酸化工程と同様にして第2の半導体ウェハ30の上記一表面側に所望のレンズ形状に応じた厚み分布を有する第2の多孔質部44を形成する第2の陽極酸化工程を行うことによって、図11(g)に示す構造を得る。
第2の陽極酸化工程の終了後、第2の多孔質部44を除去する第2の多孔質部除去工程を行うことで図11(h)に示す構造の半導体レンズ3を形成する。
ところで、上述の半導体レンズ3の製造方法において、第2の陽極形成工程では、第2の陽極42の材料として赤外線を反射する金属材料(例えば、Al)を採用し、第2の多孔質部除去工程では、第2の陽極42を赤外線阻止部3cとして残存させるように第2の多孔質部44を選択的に除去するようにしている。
以上説明した半導体レンズ3の製造方法によれば、第2の多孔質部除去工程までの工程を行うことにより、両凸レンズの形状のレンズ部3aを有し且つ赤外線阻止部3cを有する半導体レンズ3が形成されるから、赤外線阻止部3cを形成するために別途の工程を必要とせず、製造プロセスの簡略化を図れるとともに、赤外線阻止部3cの位置精度を高めることができる。なお、上述の第1の陽極32、第2の陽極42のパターン設計を適宜変更することにより、凹凸レンズなどの形状のレンズ部3aを有し且つ赤外線阻止部3cを有する半導体レンズ3を製造することも可能となる。
ところで、上記各参考例および上記実施形態では、半導体レンズ3の基礎となる半導体基板としてp形のシリコン基板(第2のシリコンウェハ)を採用しているが、半導体基板の材料はSiに限らず、Ge、SiC、GaAs、GaP、InPなどの陽極酸化処理による多孔質化が可能な他の材料でもよく、導電形もp形に限らず、n形でもよい。ただし、半導体基板の導電形をp形とした場合には、陽極酸化工程にて半導体基板に光を照射することなく多孔質部を形成することができるので、半導体基板の導電形をn形とした場合に比べて陽極酸化工程にて用いる陽極酸化装置を簡略化することができ、低コスト化を図れる。
陽極酸化工程において用いる電解液であって半導体基板の構成元素の酸化物を除去する電解液としては、例えば、下記表1のような電解液を用いればよい。
Figure 0004270265
なお、半導体基板に代えて、陽極酸化処理による多孔質化が可能な金属基板(例えば、Al基板、Ti基板など)を用いることも可能である。
参考例1における赤外線検出装置を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図である。 同上の赤外線検出装置における半導体レンズを示し、(a)は概略断面図、(b)は概略下面図である。 同上の赤外線検出装置における赤外線検出素子の概略断面図である。 同上の赤外線検出装置における赤外線検出素子の概略平面図である。 同上の赤外線検出装置における半導体レンズの製造方法を説明するための主要工程断面図である。 同上の赤外線検出装置における半導体レンズの他の構成例を示す概略断面図である。 参考例2における赤外線検出装置を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図である。 実施形態における赤外線検出装置を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図である。 同上の赤外線検出装置における半導体レンズを示し、(a)は概略平面図、(b)は概略下面図である。 同上の赤外線検出装置における半導体レンズの他の構成例を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略下面図である。 参考例3における半導体レンズの製造方法を説明するための主要工程断面図である。 従来のマイクロレンズ用金型の製造方法の説明図である。

Claims (1)

  1. 赤外線検出素子を収納するパッケージにおいて赤外線検出素子の受光面の前方に形成された透光窓を覆うようにパッケージの内側から配設され、赤外線検出素子の受光面へ赤外線を集光するレンズ部を有する半導体レンズであり、透光窓の内側に位置するレンズ部以外の部位であるベース部を通して赤外線検出素子の受光面へ入射しようとする赤外線を阻止する赤外線阻止部が設けられてなり、レンズ部およびベース部は、半導体基板の一表面側に形成した陽極を利用して当該半導体基板の他表面側を陽極酸化することで除去部位となる多孔質部を形成してから当該多孔質部を除去することにより形成されてなり、前記赤外線阻止部が前記陽極により構成されてなり、レンズ部を複数有し、当該複数のレンズ部が隣り合うレンズ部が互いに重なる形で近接してなり、前記陽極は、各レンズ部ごとに独立した開孔部が形成されてなり、隣り合うレンズ部の境界部を通して赤外線が出射されるのを防止する半導体レンズの製造方法であって、レンズ部の形状に応じてパターン設計した陽極を半導体基板の一表面側に形成する陽極形成工程と、電解液中で半導体基板の他表面側に対向配置される陰極と前記陽極との間に通電して半導体基板の他表面側に除去部位となる多孔質部を形成する陽極酸化工程と、当該多孔質部を除去する多孔質部除去工程とを有し、陽極形成工程では、前記陽極の材料として赤外線を反射する金属材料を採用して前記陽極と半導体基板との接触がオーミック接触となるように前記陽極を形成し、陽極酸化工程では、電解液として、半導体基板の構成元素の酸化物をエッチング除去する溶液を用いるようにし、多孔質部除去工程では、前記陽極を前記赤外線阻止部として残存させるように多孔質部を選択的に除去することを特徴とする半導体レンズの製造方法
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