JP4269641B2 - 濃度調整装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、電子写真技術を適用したプリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置の濃度調整装置及びこれを用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【特許文献1】
特開平8−275001号公報
【特許文献2】
特開平9−289589号公報
【特許文献3】
特開平11−275361号公報
【特許文献4】
特開2001−277668号公報
【0003】
【従来の技術】
近年、上記電子写真技術を適用したプリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置、特にカラー画像を形成するカラー画像形成装置においては、高画質化に対する要求が高い。その中でも、特に印刷業界に向けたプリンタや複写機等の画像形成装置では、カラー画像を含む原稿等を印刷する際に、試し刷りとして、原稿の画像をプリンタ等の画像形成装置でプリントし、原稿とプリントされた画像とを比較して、色や階調の再現性などを確認することが行われてきており、印刷原稿の画像をプリントするプリンタ等の画像形成装置には、特に、高い画質が要求されている。
【0004】
また、上記印刷業界等においては、例えば、印刷機を備えた本社が東京にあり、顧客が大阪等の本社以外の地域にいる場合に、印刷する画像の原稿見本として、大阪の支社にあるプリンタでプリントした画像を顧客に見せて、最終的なカラー画像の確認を行う場合などがある。この場合に、東京の本社でプリントした画像と、大阪の支社でプリントした画像との間に、色や階調の再現性などに違いがあると、実際に、東京の本社の印刷機で印刷した画像と、原稿の画像との間に、予期せぬ相違が現れる場合などがある。
【0005】
そこで、上記印刷業界等において使用されるプリンタ等の画像形成装置では、最低、1ヶ月に1回程度の画質のキャリブレーションを行い、異なったプリンタ等の画像形成装置間での画質を一定に維持するようにしている。
【0006】
一般的に、上記プリンタ等の画像形成装置における現像後の画像濃度は、画像処理部による画像入力信号に対する階調補正がない場合、入力濃度Cinに対する出力濃度Doutは、1次直線的にはならず、入力濃度Cinに対する出力濃度Doutの関係(以下、「Cin−Doutカーブ」という。)は、図14及び図15に示すように、湾曲した曲線となり、階調補正は、Cin−Doutカーブが目標とするカーブに近くなるように実施される。
【0007】
しかしながら、実際には、濃度調整を行う前の素のままのCin−Doutカーブは、図14や図15に一点鎖線で示すように、目標カーブに対して、高濃度側や低濃度側にずれている場合が多い。
【0008】
ここで、図14に示すように、濃度調整前の素ままのCin−Doutカーブが、高濃度側にずれているのは、例えば、環境が高湿環境下である場合、現像剤が経時的に劣化し、トナーの帯電量(Traibo Value)が低くなった場合、又は何らかの要因でトナー濃度(Toner Consentlation)が高過ぎる状態にある場合などが考えられる。
【0009】
また、図15に示すように、濃度調整前の素ままのCin−Doutカーブが、低濃度側にずれているのは、例えば、環境が低湿環境下である場合、現像剤が新しくトナーの帯電量が高い場合、又は何らかの要因でトナー濃度TCが低過ぎる状態にある場合などが考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。
まず、図14に示すような高濃度カーブからの階調補正では、高トナー濃度(又は低トナー帯電量)状態による文字の中抜けや文字の回り抜けなどの転写不良が生じたり、本来使用したいCin領域が狭まることによる擬似輪郭(トーンジャンプ)が生じるという問題点を有している。
【0011】
一方、図15に示すような低濃度カーブからの階調補正では、本来の目標とするトナー濃度(SAD)が得られないことによる色再現領域の不足が生じるという問題点を有している。
【0012】
そこで、これらの不具合を解消するため、従来技術では、回転移動する感光体ドラムを、帯電ロールに電圧を印加することにより、所定の表面電位に一様に帯電し、露光装置により基準パッチの静電潜像を形成し、現像装置により基準パッチを顕像化し、画像濃度検出装置により、基準パッチ画像の濃度を検出し、その結果に応じて、所定の濃度が得られるように露光量を決定し、制御していた。
【0013】
図14においては、高過ぎる濃度を下げるために、露光量を下げる制御を加えた結果、基準パッチのCin近傍(本例においは、a)では、濃度が合致するが、。高濃度側は依然として濃度が高く、低濃度側は依然として濃度が低過ぎるようになっている。また、図15においてはその逆となり、低過ぎる濃度を上げるために、露光量を上げる制御を加えた結果、基準パッチのCin近傍(本例においは、a)では、濃度が合致するが、高濃度側は依然として濃度が低く、低濃度側は濃度が高過ぎるようになっている。
【0014】
これは、現像の特性によるもので、通常、高濃度領域の現像濃度は、トナー帯電量により多く依存し、画像部電位と現像バイアス電圧との電位差にはより小さく依存する。低濃度領域ではその逆となり、画像部電位と現像バイアス電圧との電位差にはより多く依存し、トナー帯電量により小さく依存する。従って、露光量を変化させて電位差を増減することで濃度制御を行っても、高濃度側と低濃度側とを同時に合わせることはできないという問題点を有している。
【0015】
かかる問題点を解決し得る技術としては、例えば、特開平8−275001号公報、特開平9−289589号公報、特開平11−275361号公報及び特開2001−277668号公報に開示された技術が既に提案されている。
【0016】
上記特開平8−275001号公報に係る多色画像形成装置の画像調整方法は、多色画像形成装置の画像調整方法であって、潜像担持体と、この潜像担持体を帯電させる帯電手段と、この帯電された潜像担持体を露光することにより静電潜像を形成する露光手段と、テストパターンを出力するテストパターン出力手段と、このテストパターンを読み取る読取り手段と、このテストパターンを判定する判定手段と、この判定手段の判定結果に応じて作動時のγ係数を補正する補正手段とを用い、多色画像を構成する各色ごとに、所定の目標濃度に対応するコントラスト電位を求め、これら目標濃度およびコントラスト電位に基づき、γ係数の補正量を決定するように構成したものである。
【0017】
また、上記特開平9−289589号公報に係る画像形成装置は、原稿を読み取り、その原稿の読み取りデータを補正し、補正した読み取りデータに基づいて画像を形成するデジタル方式のカラー画像形成装置であって、
作像時に画像エリア外に階調補正用の基準パターンデータに基づいて基準パターンを作成する基準パターン作成手段と、
原稿の読み取りの際に、原稿に作成された基準パターンを検出し読み取る基準パターン読み取り手段と、
読み取った基準パターンの読み取りデータと、前記階調補正用の基準パターンデータとに基づいて階調補正条件を変更する階調補正条件変更手段と、
変更した階調補正条件を用いて、前記読み取った原稿データを補正する補正手段とを備えるように構成したものである。
【0018】
さらに、特開平11−275361号公報に係る画像形成装置は、与えられた画像データを、与えられた補正条件で補正してから印刷媒体上に形成する画像形成部と、
印刷媒体上に形成された画像を読み込む読み込み部と、
前記画像形成部により所定のテストパターン画像を形成させ、形成された画像を前記読み取り部により読み込ませ、読み込まれた画像の濃度分布が、形成させたテストパターン画像の濃度分布と一致するように、前記補正条件を設定する設定手段とを備えるように構成したものである。
【0019】
また更に、上記特開2001−277668号公報に係る画像補正パラメータ作成装置は、画像画像読取装置と複数の画像形成装置とが接続される画像形成システムの画像補正パラメータ作成装置であって、
前記複数の画像形成装置のそれぞれからテストパターンを出力させる出力部と、前記出力されたテストパターンを読取る前記画像読取装置に設けられる読取部と、
前記読取部で読取られたテストパターンのうち、1つの画像形成装置により出力されたテストパターンを目標画像とし、他の画像形成装置により出力されたテストパターンと前記目標画像とに基づいて画像補正パラメータを作成する作成部とを備え、
前記作成部によって複数の画像タイプのそれぞれに対する画像補正パラメータを作成するように構成したものである。
【0020】
しかしながら、いずれの手段も画像処理部からの階調補正が無い状態では、低濃度部から高濃度部までを目標濃度に一致させることはできないという問題点を有している。また、トナー濃度が適正範囲内にない状態で、画像処理を補正すると、高濃度カーブからの階調補正では、高トナー濃度(低トナー帯電状態)による文字中抜けや文字周り抜けなどの転写不良が生じたり、本来使用したいCin領域が狭まることによる擬似輪郭(トーンジャンプ)が生じるという問題点を有している。また、低濃度カーブからの階調補正では、本来の目標濃度(SAD)が得られないことによる色再現領域不足が生じるという問題点を有している。
【0021】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、画像濃度を目標とする濃度曲線に、中間濃度は勿論のこと、高濃度側及び低濃度側を同時に合わせることができ、文字の中抜けや文字の回り抜けなどの転写不良、あるいは擬似輪郭(トーンジャンプ)が生じたり、色再現領域の不足が生じたりすることがなく、良好な画質の画像を形成することが可能な濃度調整装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載された発明は、
画像形成装置の像担持体上に形成される中間濃度領域の基準トナー像の濃度を測定するトナー濃度測定手段を備え、当該トナー濃度測定手段の測定結果に基づいて当該基準トナー像の濃度が所定の範囲内となるように調整する第1の濃度調整と、
前記第1の濃度調整の後に行われ、前記画像形成装置により記録媒体上に形成された少なくとも最高濃度領域を含む基準パターンの画像濃度を測定する濃度測定手段を備え、当該濃度測定手段の測定結果に基づいて最高濃度領域の画像濃度が所定の範囲内となるように調整する第2の濃度調整とを繰り返す濃度調整装置において、
前記トナー濃度測定手段の測定結果に基づいて、前記基準トナー像の少なくとも中間濃度領域の画像濃度が所定の範囲内に入るように画像露光量の制御を行う制御手段と、
前記濃度測定手段の測定結果に基づいて、前記基準パターンの最高濃度領域の画像濃度が所定の範囲に入っていないときは、前記画像形成装置の現像手段内へのトナーの補給又は吐き出しを行うことによって前記現像手段内のトナー濃度を調整し、前記基準パターンの最高濃度領域の画像濃度を所定の範囲内とすることにより、少なくとも最高濃度領域の画像濃度を目標とする濃度曲線に近づけるトナー濃度調整手段と、
前記第2の濃度調整の後に行われる前記第1の濃度調整において、前記濃度測定手段の測定結果に基づいて、前記画像形成装置の現像手段内のトナー濃度を一定に制御するために、画像形成装置の像担持体上に形成される前記基準トナー像の画像濃度の目標値を補正する補正手段と
を備えたことを特徴とする濃度調整装置である。
【0023】
ここで、上記基準パターンとしては、画像形成装置のキャリブレーションを行う低濃度から最高濃度までの複数階調に渡ってパッチを記録したキャリブレーションパターンが用いられるが、これに限定される訳ではなく、少なくとも最高濃度領域のパッチが記録されるパターンであれば良い。
【0024】
また、ここで、最高濃度領域としては、例えば、入力濃度Cin=100%の最高濃度のものが用いられるが、必ずしも入力濃度Cinが100%である必要はなく、Cin−Dout特性において、出力濃度がほぼ飽和するCin=90%以上の濃度であれば良い。
【0025】
さらに、ここで、基準トナー像としては、例えば、画像形成装置のキャリブレーションに先だって行われるプロセスコントロール動作で使用される濃度50%程度のトナー像が用いられるが、これに限定される訳ではなく、他のトナー像を使用しても良い。
【0026】
また、上記濃度測定手段としては、例えば、濃度調整装置と別個に設けられた画像を読み取るスキャナーが用いられるが、画像形成装置により記録媒体上に形成された基準パターンの濃度を測定可能な手段であれば、他のものを用いても良いことは勿論である。
【0027】
また、請求項2に記載された発明は、画像形成装置の像担持体上に形成される中間濃度領域の基準トナー像の濃度を測定するトナー濃度測定手段を備え、当該トナー濃度測定手段の測定結果に基づいて当該基準トナー像の濃度が所定の範囲内となるように調整する第1の濃度調整と、
前記第1の濃度調整の後に行われ、前記画像形成装置により記録媒体上に形成された少なくとも最高濃度領域を含む基準パターンの画像濃度を測定する濃度測定手段を備え、当該濃度測定手段の測定結果に基づいて最高濃度領域の画像濃度が所定の範囲内となるように調整する第2の濃度調整とを繰り返す濃度調整装置において、
前記トナー濃度測定手段の測定結果に基づいて、前記基準トナー像の少なくとも中間濃度領域の画像濃度が所定の範囲内に入るように画像露光量の制御を行う制御手段と、
前記画像形成装置が設置される環境の温度及び湿度を検出する温湿度検出手段と、
前記濃度測定手段の測定結果及び温湿度検出手段の検出結果に基づいて、前記基準パターンの最高濃度領域の画像濃度が所定の範囲に入っていないときは、前記画像形成装置の現像手段内へのトナーの補給又は吐き出しを、前記温湿度検出手段によって検出された現在の温度及び湿度の値に対応して行うことによって前記現像手段内のトナー濃度を調整し、前記基準パターンの最高濃度領域の画像濃度を所定の範囲内とすることにより、少なくとも最高濃度領域の画像濃度を目標とする濃度曲線に近づけるトナー濃度調整手段と、
前記第2の濃度調整の後に行われる前記第1の濃度調整において、前記濃度測定手段の測定結果に基づいて、前記画像形成装置の現像手段内のトナー濃度を一定に制御するために、画像形成装置の像担持体上に形成される前記基準トナー像の画像濃度の目標値を補正する補正手段と
を備えたことを特徴とする濃度調整装置である。
【0028】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記トナー濃度調整手段は、画像形成装置の現像手段にトナーを補給するトナー補給手段を駆動させることにより、当該トナー補給手段によってトナーを現像手段に補給することを特徴とする請求項1又は2記載の濃度調整装置である。
【0029】
又、請求項4に記載された発明は、前記トナー濃度調整手段は、画像形成装置の像担持体上にトナーバンドを形成することにより、トナーを消費することを特徴とする請求項1又は2記載の濃度調整装置である。
【0030】
更に、請求項5に記載された発明は、前記トナーバンドは、画像形成装置の像担持体上に形成された現像バイアスと帯電バイアスとの電位差である潜像をバイアス現像することにより形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の濃度調整装置である。
【0031】
また、請求項6に記載された発明は、前記トナー濃度調整手段は、計算により求められた前記トナー補給手段の駆動時間あるいは前記バイアス現像時間に基づいて、トナー濃度の調整を実行することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の濃度調整装置である。
【0032】
さらに、請求項7に記載された発明は、前記濃度測定手段によって測定された基準パターンの最高濃度領域の画像濃度が、規定範囲の濃度を上回っていた場合には、前記トナー濃度調整手段によってトナーの消費を実行することを特徴とする請求項4又は5記載の濃度調整装置である。
【0033】
又さらに、請求項8に記載された発明は、前記濃度測定手段によって測定された基準パターンの最高濃度領域の画像濃度が、規定範囲の濃度を下回っていた場合には、前記トナー濃度調整手段によってトナーの補給を実行することを特徴とする請求項3記載の濃度調整装置である。
【0034】
また、請求項9に記載された発明は、前記トナー補給手段のトナー残量が規定量以下の場合には、前記トナーの補給動作を実行しないことを特徴とする請求項3又は8記載の濃度調整装置である。
【0035】
更に、請求項10に記載された発明は、前記画像形成装置が、少なくとも2色以上の複数の色に対応した複数の現像手段をもつカラー画像形成装置であり、前記濃度調整を各色毎に個々に行うことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の濃度調整装置である。
【0036】
さらに、請求項11に記載された発明は、
像担持体と、前記像担持体を一様帯電する帯電手段と、前記帯電手段にバイアスを印 加する帯電バイアス印加手段と、前記像担持体に画像情報に対応した静電潜像を形成す る潜像形成手段と、前記静電潜像を少なくともトナーを含む二成分現像剤を用いて現像 する現像手段と、前記現像手段にバイアスを印加する現像バイアス印加手段と、前記現 像手段にトナーを補給するトナー補給手段と、前記像担持体にトナーを現像することに よりトナーを消費させるトナー吐き出し手段と、前記像担持体上に形成された中間濃度 領域の基準トナー像の濃度を測定するトナー濃度測定手段と、画像形成装置が設置され る環境の温度及び湿度を検出する温湿度検出手段と、前記基準パターンの画像情報を内 蔵した基準パターン発生手段と、画像形成装置により記録媒体上に可視像化された前記 基準パターンの少なくとも最高濃度領域の画像濃度を測定する濃度測定手段と、を含む 画像形成装置において、
前記トナー濃度測定手段の測定結果に基づいて当該基準トナー像の濃度が所定の範囲内となるように調整する第1の濃度調整と、前記第1の濃度調整の後に行われ、前記濃度測定手段の測定結果に基づいて最高濃度領域の画像濃度が所定の範囲内となるように調整する第2の濃度調整とを繰り返す濃度調整モードを備え、
前記トナー濃度測定手段の測定結果に基づいて、前記基準トナー像の少なくとも中間濃度領域の画像濃度が所定の範囲内に入るように画像露光量の制御を行う制御手段と、
前記濃度測定手段の測定結果及び温湿度検出手段の検出結果に基づいて、前記基準パターンの最高濃度領域の画像濃度が所定の範囲に入っていないときは、前記画像形成装置の現像手段内へのトナーの補給又は吐き出しを、前記温湿度検出手段によって検出された現在の温度及び湿度の値に対応して行うことによって前記現像手段内のトナー濃度を調整し、前記基準パターンの最高濃度領域の画像濃度を所定の範囲内とすることにより、少なくとも最高濃度領域の画像濃度を目標とする濃度曲線に近づけるトナー濃度調整手段と、
前記第2の濃度調整の後に行われる前記第1の濃度調整において、前記濃度測定手段の測定結果に基づいて、前記画像形成装置の現像手段内のトナー濃度を一定に制御するために、画像形成装置の像担持体上に形成される前記基準トナー像の画像濃度の目標値を補正する補正手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0037】
また更に、請求項12に記載された発明は、前記基準パターンの画像情報を内蔵した基準パターン発生手段、及び前記濃度測定手段の測定結果に基づいて、前記基準トナー像の濃度の目標値を補正する補正手段とが、画像形成装置ではなく当該画像形成装置に接続されたサーバーに設けられていることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置である。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0039】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る濃度調整装置を適用した画像形成装置としてのフルカラープリンタを示す構成図である。
【0040】
このフルカラープリンタ100は、例えば、図3に示すように、サーバー200に接続して使用され、当該サーバー200から送られてくる種々の画像データに基づいて、フルカラーの画像を形成するように構成されている。また、上記サーバー200には、画像読取装置としてのスキャナー300が接続されており、このスキャナー300で読取られた画像データがサーバー200に入力されるようになっている。
【0041】
図2において、1は像担持体としての感光体ドラムを示すものであり、この感光体ドラム1は、図示しない駆動手段で矢印2方向に沿って所定の速度で回転駆動されるようになっている。上記感光体ドラム1の表面は、帯電手段としての帯電ロール3によって所定の電位に一様帯電された後、ROS(Raster Output Scanner)等からなる潜像形成手段としての露光装置4によって、フルカラーの画像を形成する場合は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の画像が、例えば感光体ドラム1が1回転する毎に順次露光され、各色に対応した静電潜像が形成される。なお、上記帯電ロール3は、当該帯電ロール3にバイアスを印加する帯電バイアス印加手段としての図示しない高圧電源に接続されている。上記感光体ドラム1の表面に形成された所定の色の静電潜像は、回転式現像装置5の対応する色の現像手段としての現像器5Y、5M、5C、5Kによって現像され、所定の色のトナー像となる。この回転式現像装置5は、フルカラーの現像を行うため、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の現像器5Y、5M、5C、5Kを備えており、各現像器5Y、5M、5C、5Kは、それぞれ感光体ドラム1上に順次形成される静電潜像を、イエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色のトナーで現像する。各色のトナーを現像する際には、図示しないモータによって回転式現像装置5を矢印R方向(時計回り方向)に回転させ、該当する色の現像器5Y、5M、5C、5Kが、感光体ドラム1と対向する現像位置に位置決めされる。上記現像器5Y、5M、5C、5Kは、現像位置に移動した際に、当該現像器5Y、5M、5C、5Kの現像ロールにバイアスを印加する現像バイアス印加手段としての図示しない高圧電源に接続されている。なお、上記感光体ドラム1上には、プロセスコントロールモードにおいて、例えば、濃度50%の基準トナー像が形成され、この基準トナー像の濃度が濃度検出手段としての濃度センサ6によって検出されるようになっている。また、上記感光体ドラム1上に現像された各色のトナー像は、一次転写ロール7によって中間転写体としての中間転写ベルト9上に順次転写され、4色のトナー像が互いに重ね合わされる。上記中間転写ベルト9は、駆動ロール10と、アイドルロール11と、バックアップロール12と、アイドルロール13とによって、回転可能に張架されている。駆動ロール10は、図示しない定速性に優れた駆動モータによって駆動され、中間転写ベルト9を所定の速度で循環駆動するものである。
【0042】
上記中間転写ベルト9上に多重に転写された4色のトナー像は、記録媒体としての記録用紙P上に、バックアップロール12と中間転写ベルト9を介して圧接する二次転写ロール14によって一括して転写される。この記録用紙Pは、プリンタ装置本体内の下部に設けられた2つの給紙カセット16、17のうちの何れかから、給紙ロール18又は19によって給紙され、複数の搬送ロール対20、21を介して、レジストロール対22へと搬送され、一旦停止される。その後、上記記録用紙Pは、中間転写ベルト9上に転写されたトナー像と同期して回転を開始するレジストロール対22によって、バックアップロール12と二次転写ロール14が中間転写ベルト9を介して互いに圧接する二次転写位置へと搬送される。そして、上記記録用紙P上には、二次転写位置において中間転写ベルト9上から4色のトナー像が一括して転写された後、記録用紙Pは、定着器23で熱及び圧力によって定着処理を受け、装置本体側面の排出トレイ24、あるいは装置本体上部に設けられた排出トレイ25上に、図示しない切り替えゲートによって切り替えられ、排出される。
【0043】
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム1は、クリーニングブレード等からなるクリーニング装置8によって残留トナーが除去され、次の画像形成工程等に備える。また、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト9は、アイドルロール13と対向するベルトクリーナー15によって残留トナーが除去され、次の画像形成工程に備えるようになっている。なお、ベルトクリーナー15は、通常、中間転写ベルト9の表面から離間しており、最終色の転写が終了した後に、中間転写ベルト9の表面に当接するように構成されている。
【0044】
上記感光体ドラム1又は中間転写ベルト9からクリーニング装置8及びベルトクリーナー15で掻き落とされた廃トナーは、輸送管27内をオーガや搬送スクリュー等からなる搬送手段によって廃トナー回収容器26まで搬送される。
【0045】
なお、この実施の形態では、図2に示すように、フルカラープリンタが設置される環境の温度及び湿度を検出する温湿度検出手段としての温湿度センサー406が、フルカラープリンタ内の定着器23等の熱的な影響を受けにくい部分に配設されている。
【0046】
図4は、前記回転式現像装置5の一具体例を示す断面図である。
【0047】
この回転式現像装置5は、図4に示すように、中央に位置する回転軸32を中心にして、時計回り方向に回転可能な回転体30を備えている。この回転体30は、略正方形状に形成された中央部33と、この中央部33から略半径方向に伸び、互いに90度の角度を成すように設けられた4本のアーム31とを備えている。上記回転体のアーム31には、後述するように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの現像器5Y、5M、5C、5Kが実装されている。
【0048】
これらの現像器5Y、5M、5C、5Kは、すべて同様に構成されているので、ここでは、イエロー(Y)の現像器5Yを例にして説明すると、このイエロー(Y)の現像器5Yは、大きく分けて、現像器本体40とトナー補給手段としての現像剤カートリッジ50とから構成されている。
【0049】
現像器本体40の内部には、紙面に垂直な方向に長尺な現像ロール41と、この現像ロール41の背面側に位置し、当該現像ロール41と平行に延びる2本のスパイラルオーガ42、43が配設されている。ここで、現像ロール41が回転すると、スパイラルオーガ42、43は、現像器本体40内に収容されているトナーとキャリアからなる二成分の現像剤44を紙面と垂直な方向に一方向に攪拌しながら搬送するものである。一方、スパイラルオーガ42は、スパイラルオーガ43の搬送方向とは逆方向に現像剤を攪拌しながら搬送して、現像剤44を現像ロール41に均等に供給するものである。
【0050】
現像ロール41は、内部に配設される図示しないマグネットロールによって、現像剤44中に含まれるキャリアを磁力で吸着し、当該現像ロール41の表面に現像剤44の磁気ブラシを形成し、キャリアに吸着したトナーを感光体ドラム1と対向する現像領域へと搬送する。そして、感光体ドラム1上に形成された静電潜像は、現像ロール41の表面に形成されたキャリアとトナーとからなる現像剤44の磁気ブラシによって顕像化されるようになっている。
【0051】
現像剤カートリッジ50は、紙面に垂直な方向に長尺な円筒状の容器からなり、当該現像剤カートリッジ50の内部は、新しい現像剤の収容室と、劣化した現像剤の回収室とに区分されている。新しい現像剤の収容室には、図示されていない供給口が設けられており、当該供給口は、新現像剤を現像器本体40に導くための略円筒状のケーシング51と連通している。この円筒状のケーシング51は、図4に示すように、現像器本体40の背面側の上部に設けられている。上記ケーシング51内には、図5及び図6に示すように、スパイラルオーガ52が配設されており、現像剤カートリッジ50から補給される現像剤44は、このスパイラルオーガ52によって、現像器本体40の背面側の上面に設けられた供給口へと導かれ、現像器本体40内に供給される。上記現像器本体40の供給口53の下端部に位置する出口には、フラップ54が開閉自在に設けられており、現像器5Yが図3の現像位置Dにあるときは開いている。一方、フラップ54は、現像器5Yが図3の位置F又は位置Gにあるときは、自重で閉じるようになっている。
【0052】
現像剤カートリッジ50の劣化現像剤回収室55には、周回する回収通路56が設けられており、該回収通路56には、略L字形状に折曲された排出管57が接続されている。上記排出管57は、現像器本体40の略中央の上部に配設されており、当該排出管57の先端(図4中、下端)に位置する回収口58は、現像器本体40内に位置している。この回収口58は、新現像剤の供給口53より前面側に位置しており、しかも現像器本体40の天井壁の部分に開口されている。そして、上記供給口53から供給される新現像剤44は、スパイラルオーガ42、43によって攪拌・搬送され、現像器本体40内を循環する間に、現像ロール41へ供給されて現像に寄与する。また、上記現像器本体40内を循環する間に現像工程に寄与した旧現像剤44は、現像器本体40が図5中の位置E又はFにあるときに、回収口58によって現像剤カートリッジ50の劣化現像剤回収室55内に回収通路56を介して回収されるようになっている。
【0053】
このように構成される現像器5Yと同様に構成された現像器5M、5C、5Kを有する回転式現像装置5は、現像器本体40が感光体ドラム1と対向する現像位置であるD位置に来たときに、フラップ54は、自重で供給口53を開放しており、スパイラルオーガ53を回転駆動することにより、必要に応じて新現像剤44が現像器本体40内に補給される。そして、現像器本体40による感光体ドラム1上に静電潜像の現像が終了し、回転体30が時計回り方向に回転して、現像器本体40がD位置から右下のE位置に来ると、図示されているようにフラップ54は半開きになると共に、回収口58が上方を向き、排出管57によって搬送される旧現像剤が現像器本体40内へ逆流せずに、回収通路56の方に流れる。この劣化現像剤Cは、現像器本体40が左下のF位置から左上のG位置に至るまでに、回収通路56を通って劣化現像剤回収室55へと回収される。このように、周回する回収通路56を設けることによって、回収される現像剤Cが現像器本体40内へ逆流するのを防止することができる。
【0054】
一方、現像器本体40が左上のG位置から右下の現像位置であるD位置に至る途中で、現像剤カートリッジ50内に設けられた図示されていないアジテータの作用により、新現像剤44は、ケーシング51へと送られ、該ケーシング51内のスパイラルオーガ52によって供給口53へと導かれる。このとき、フラップ54は、再び供給口53を開放しているので、新現像剤44は、供給口53を通って現像器本体40内に補給されるようになっている。
【0055】
ところで、この実施の形態では、画像形成装置により記録媒体上に形成された基準パターンの画像濃度を測定して濃度調整を行う濃度調整装置において、画像形成装置により記録媒体上に形成された基準パターンの最高濃度領域の画像濃度を測定する濃度測定手段と、前記画像形成装置が設置される環境の温度及び湿度を検出する温湿度検出手段と、前記濃度測定手段の測定結果及び温湿度検出手段の検出結果に基づいて、前記画像形成装置の現像手段内のトナー濃度を調整するトナー濃度調整手段と、前記濃度測定手段の測定結果に基づいて、画像形成装置の像担持体上に形成される基準トナー像の濃度の目標値を補正する補正手段とを備えるように構成されている。
【0056】
また、この実施の形態では、上記トナー濃度調整手段が、画像形成装置の現像手段にトナーを補給するトナー補給手段を駆動させることにより、当該トナー補給手段によってトナーを現像手段に補給するトナー補給手段と、画像形成装置の像担持体上にトナーバンドを形成することにより、トナーを消費するトナー吐き出し手段とから構成されている。
【0057】
さらに、この実施の形態では、上記トナーバンドは、画像形成装置の像担持体上に形成された現像バイアスと帯電バイアスとの電位差である潜像をバイアス現像することにより形成されるように構成されている。
【0058】
具体的には、上記トナーバンドの形成は、図16に示すように、トナーバンドを形成する色の現像器に所定の現像バイアス(例えば、−500V)を印加するとともに、感光体ドラム1の表面を、帯電ロール3によって通常の帯電電位である−650V程度に比べて大幅に低い、−200V程度に帯電し、この現像バイアス(例えば、−500V)と、−200V程度の帯電バイアスとの電位差によって、感光体ドラム1の表面をバンド状に一様に現像することによって行われ、トナーの消費量は、トナーバンドの面積によって制御される。
【0059】
図7はこの実施の形態1に係る濃度調整装置を適用した画像形成装置としてのフルカラープリンタの制御回路を示すブロック図である。
【0060】
図7において、400はフルカラープリンタのプリント動作等を制御する第1の制御手段としてのMCU(Machin Control Unit)を、401はMCU400で実行される制御プログラムを記憶したROM、402はMCU400で実行される制御プログラムで使用されるパラメータ等を記憶したRAM、403はサーバーの動作を制御する第2の制御手段及び補正手段としてのCPUを、404はCPU403で実行される制御プログラムや基準パターンの画像データ、あるいはCPU403で実行される制御動作のパラメータ等を記憶したROM、405はCPU403で実行される制御プログラムで使用されるパラメータ等を記憶したRAM、406は画像形成装置としてのフルカラープリンタが設置される環境の温度及び湿度を検出する温湿度検出手段としての温湿度センサーをそれぞれ示すものである。
【0061】
なお、この実施の形態では、基準パターンの画像データがサーバー側のROMに記憶されているとともに、補正手段としての機能をサーバー側のCPUが兼ねるように構成されているが、これに限定される訳では、これら基準パターンの画像データは、フルカラープリンタ又はサーバーのいずれが記憶していてもよく、又、補正手段としての機能をプリンタ側の制御手段が果たすように構成しても良い。
【0062】
以上の構成において、この実施の形態1に係る濃度調整装置を適用したフルカラープリンタでは、次のようにして、画像濃度を目標とする濃度曲線に、中間濃度は勿論のこと、高濃度側及び低濃度側を同時に合わせることができ、文字の中抜けや文字の回り抜けなどの転写不良、あるいは擬似輪郭(トーンジャンプ)が生じたり、色再現領域の不足が生じたりすることがなく、良好な画質の画像を形成することが可能となっている。
【0063】
すなわち、この実施の形態1に係る濃度調整装置を備えたフルカラープリンタでは、図1に示すように、まず、サーバー200のCPU403によって、キャリブレーションのための動作が実施される(ステップ101)。このキャリブレーションのための動作では、強制的にプロセスコントロールが実施された後に、キャリブレーションパターンが排出され、スキャナー200でキャリブレーションパターンのパッチが測色される。ここで、プロセスコントロールでは、フルカラープリンタ100の感光体ドラム1上に、50%の濃度で基準トナー像を形成し、当該感光体ドラム1上に形成された基準トナー像の濃度を、濃度センサ6によって検出して、当該濃度50%の基準トナー像の濃度が所定の値になるように、露光装置4による画像露光量などが制御される。
【0064】
上記キャリブレーションパターン(基準パターン)としては、例えば、図8に示すように、A4サイズの記録用紙P上に、上から順に濃度Cin=0〜100%まで、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色毎に、矩形状のパッチを所定の間隔で形成したものが用いられ、一番下が最高濃度のCin=100%となっている。
【0065】
そして、上記の如くフルカラープリンタから排出されたキャリブレーションパターンは、図2に示すように、ユーザーによってスキャナー300にセットされ、キャリブレーションパターンの画像は、スキャナー300によって読み取られ、当該キャリブレーションパターンのパッチの濃度が測定される。このスキャナー300によって測定されたキャリブレーションパターンの各パッチの濃度データは、サーバー200に送られる。
【0066】
そして、サーバーのCPUは、測定された各色のパッチ濃度のうち、最高濃度領域、ここでは濃度100%のパッチの測定値SADが、所定の範囲内Dmin以上、且つDmax以下に入っているか否かが判別され(ステップ102)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のパッチともに、所定の範囲内Dmin以上、且つDmax以下に入っている場合には、キャリブレーション動作が開始される(ステップ103)。このキャリブレーション動作は、キャリブレーションパターンの各パッチの濃度データが、すべて所定の範囲内に入るように、露光装置4の画像露光量や画像データの書き換えを行うものである。
【0067】
一方、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のうち、一色のパッチでも、最高濃度領域である濃度100%のパッチの測定値SADが、所定の範囲内Dmin以上、且つDmax以下に入っていなかった場合には、濃度が薄い(高い)旨をサーバー200に接続された図示しないディスプレイ等に表示するとともに、濃度調整を実行するか否かのメッセージを表示する(ステップ104)。そして、サーバーのCPUは、ユーザーが濃度調整の実行を選択したか否かを判別し(ステップ105)、濃度調整実行を選択しなかった場合には、キャリブレーション動作を開始し(ステップ106)、濃度調整実行を選択した場合には、まず、低濃度の該当色の現像剤カートリッジ50に空状態の警告が出されているか否かを判別する(ステップ107)。
【0068】
サーバー200のCPU403は、低濃度の該当色の現像剤カートリッジ50に空状態の警告が出されている場合には、交換のメッセージを表示し、現像剤カートリッジ50が新品と交換されたか否かを判別する(ステップ108、109)。現像剤カートリッジ50が新品と交換された場合には、ステップ114に進み、現像剤カートリッジ50が新品と交換されていない場合には、濃度調整を中止し(ステップ110)、更に、キャリブレーション動作を実施するか否かをユーザーに問い合わせた後(ステップ111)、キャリブレーション動作の実施が選択された場合には、キャリブレーション動作を開始し(ステップ112)、キャリブレーション動作の実施が選択されなかった場合には、キャリブレーション動作を行わずに、濃度異常でマシンを停止する(ステップ113)。
【0069】
一方、低濃度の該当色の現像剤カートリッジ50が空状態の警告が出されていない場合には、ソフトウエアカウンタのパラメータCTRを1だけ加算して(ステップ114)、当該パラメータCTRが所定値N(例えば、N=4)以上か否かを判別する(ステップ115)。そして、上記パラメータCTRが所定値N未満である場合には、濃度調整シーケンスを実行した後(ステップ116)、最初に戻ってキャリブレーションのための動作を実行する(ステップ101)。また、パラメータCTRが所定値N以上である場合には、濃度調整を中止し(ステップ110)、更に、キャリブレーション動作を実施するか否かをユーザーに問い合わせた後(ステップ111)、キャリブレーション動作の実施が選択された場合には、キャリブレーション動作を開始し(ステップ112)、キャリブレーション動作の実施が選択されなかった場合には、キャリブレーション動作を行わずに、濃度異常でマシンを停止する(ステップ113)。
【0070】
図9は上記濃度調整シーケンスを示すフローチャートである。
【0071】
この濃度調整シーケンスでは、まず、サーバーのCPU403は、測色されたパッチの濃度SADが、低濃度側にずれているか高濃度側にずれているかを判別し(ステップ201)、測色されたパッチの濃度SADが、所定の濃度範囲よりも低濃度側にずれている場合には、
ΔDlow =Dmin−SAD
ΔTC=RADC_TC−RADCTC_SET_Adjust
を演算するとともに、温湿度センサーによって、現在の温度と湿度の値(TMP/HUM)を獲得する(ステップ202)。ここで、RADC_TC及びRADCTC_SET_Adjustの値は、サーバーのROMに予め記憶されている。
【0072】
そして、サーバー200のCPU403は、低濃度側の濃度調整を行うための計算を実施する(ステップ203)。
【0073】
ここで、低濃度側の濃度調整を行うための計算は、図10に示すように、温湿度センサーによって獲得された現在の温度と湿度の値に基づいて、図11に示すようなテーブルを参照し、現在の温度及び湿度の値に対応した、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各パラメータα1、β1、及びmの値を選択する(ステップ301)。
【0074】
次に、サーバーのCPU403は、前記ステップ202で求めたΔTCの値が、0以上か否かを判別し(ステップ302)、ΔTCの値が0以上である場合には、更に、(α1×ΔDlow−ΔTC)なる値が、0以上か否かを判別する(ステップ303)。そして、(α1×ΔDlow−ΔTC)の値が0以上である場合には、トナー補給手段によってトナーを補給する時間であるTime Addmixの値a(sec)、及びその後の現像器の空回転時間b(sec)、更に基準トナー像の目標の補正値ΔTC_SETlow
a=10×β1×ΔDlow
b=m×a
ΔTC_SETlow =−(α1×ΔDlow −ΔTC)
を計算により求める(ステップ304)。ここで、上記ΔTC_SETlow の値は、零か負の値となる。
【0075】
一方、上記ステップ303において、(α1×ΔDlow −ΔTC)の値が0未満である場合には、トナー補給手段によってトナーを補給する時間であるTime Addmixの値a(sec)、及びその後の現像器の空回転時間b(sec)、更に基準トナー像の目標の補正値ΔTC_SETlow
a=(10×β1/α1)×ΔTC
b=m×a
ΔTC_SETlow =0
を計算により求める(ステップ305)。
【0076】
また、上記ステップ302において、ΔTCの値が0未満である場合には、トナー補給手段によってトナーを補給する時間であるTime Addmixの値a(sec)、及びその後の現像器の空回転時間b(sec)、更に基準トナー像の目標の補正値ΔTC_SETlow
a=10×β1×ΔDlow
b=m×a
ΔTC_SETlow =−(α1×ΔDlow −ΔTC)
を計算により求める(ステップ306)。ここで、上記ΔTC_SETlow の値は、零か負の値となる。
【0077】
その後、サーバーのCPU403は、図9に示す濃度調整シーケンスのフロチャートに戻り、上記の如く低濃度側調整計算式により求められたTime Addmix a(sec)、及び空回転時間b(sec)、及びΔTC_SETlo w の各値を取得する(ステップ204)。
【0078】
次に、サーバーのCPU403は、基準パターンの目標濃度の補正後の値であるRADC_SET=RADC_SET+ΔTC_SETlow の値を計算した後(ステップ205)、算出されたRADC_SETが上下限値を越えていたら、これらの値を上下限値に設定する(ステップ205)。ここで、算出されたRADC_SETが上下限値を越えていたら、これらの値を上下限値に設定するのは、過剰な基準パターンの目標濃度の補正が行われるのを防止するためである。そして、サーバーのCPUは、Time Addmix a(sec)、及び空回転時間b(sec)、及びRADC_SETの各値を、フルカラープリンタのMCUに送信する(ステップ207)。
【0079】
一方、サーバーのCPU403は、上記ステップ201において、測色されたパッチの濃度SADが、所定の濃度範囲よりも高濃度側にずれている場合には、
ΔDhigh=SAD−Dmax
ΔTC=RADC_TC−RADCTC_SET_Adjust
を演算するとともに、温湿度センサー406によって、現在の温度と湿度の値(TMP/HUM)を獲得する(ステップ208)。ここで、RADC_TC及びRADCTC_SET_Adjustの値は、サーバーのROMに予め記憶されている。
【0080】
そして、サーバー200のCPU403は、高濃度側の濃度調整を行うための計算を実施する(ステップ209)。
【0081】
ここで、高濃度側の濃度調整を行うための計算は、図12に示すように、温湿度センサーによって獲得された現在の温度と湿度の値に基づいて、図13に示すようなテーブルを参照し、現在の温度及び湿度の値に対応した、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各パラメータα2、β2、及びnの値を選択する(ステップ401)。
【0082】
次に、サーバーのCPU403は、前記ステップ208で求めたΔTCの値が、0以上か否かを判別し(ステップ402)、ΔTCの値が0未満である場合には、更に、(α2×ΔDhigh+ΔTC)なる値が、0以上か否かを判別する(ステップ403)。そして、(α2×ΔDhigh+ΔTC)の値が0未満である場合には、トナー吐き出し手段によってトナーを消費する時間であるTime Sweepの値c(sec)、及びその後の現像器の空回転時間b(sec)、更に基準トナー像の目標の補正値ΔTC_SEThigh
c=10×β2×ΔDhigh
b=n×c
ΔTC_SEThigh=α2×ΔDhigh+ΔTC
を計算により求める(ステップ404)。
【0083】
一方、上記ステップ403において、(α2×ΔDhigh+ΔTC)の値が0以上である場合には、トナー吐き出し手段によってトナーを消費する時間であるTime Sweepの値c(sec)、及びその後の現像器の空回転時間b(sec)、更に基準トナー像の目標の補正値ΔTC_SEThigh
c=(10×β2/α2)×(−ΔTC)
b=n×c
ΔTC_SEThigh=0
を計算により求める(ステップ405)。
【0084】
また、上記ステップ402において、ΔTCの値が0以上である場合には、トナー吐き出し手段によってトナーを消費する時間であるTime Sweepの値c(sec)、及びその後の現像器の空回転時間b(sec)、更に基準トナー像の目標の補正値ΔTC_SEThigh
c=10×β2×ΔDhigh
b=n×c
ΔTC_SEThigh=α2×ΔDhigh+ΔTC)
を計算により求める(ステップ406)。
【0085】
その後、サーバーのCPU403は、図9に示す濃度調整シーケンスのフロチャートに戻り、上記の如く高濃度側調整計算式により求められたTime Sweep c(sec)、及び空回転時間b(sec)、及びΔTC_SEThighの各値を取得する(ステップ210)。
【0086】
次に、サーバーのCPU403は、基準パターンの目標濃度の補正後の値であるRADC_SET=RADC_SET+ΔTC_SEThighの値を計算した後(ステップ211)、算出されたRADC_SETが上下限値を越えていたら、これらの値を上下限値に設定する(ステップ212)。ここで、算出されたRADC_SETが上下限値を越えていたら、これらの値を上下限値に設定するのは、過剰な基準パターンの目標濃度の補正が行われるのを防止するためである。そして、サーバーのCPU403は、Time Sweep c(sec)、及び空回転時間b(sec)、及びRADC_SETの各値を、フルカラープリンタのMCUに送信する(ステップ213)。
【0087】
その後、上記フルカラープリンタ100のMCU401は、測色されたパッチの濃度SADが、所定の濃度範囲よりも低濃度側にずれている場合には、サーバーのCPUから送られてきたTime Addmix a(sec)、及び空回転時間b(sec)、及びRADC_SETの各値に基づき、該当する色の現像器において、トナー補給をa(sec)実行するとともに、引き続き、現像器の空回転をb(sec)だけ実行する(ステップ214)。また、上記フルカラープリンタのMCUは、基準トナー像の濃度の設定値RADC_SETを、上記の如く決定された値に変更して、所定のタイミングでプロセスコントロールを実行する。
【0088】
一方、上記フルカラープリンタ100のMCU401は、測色されたパッチの濃度SADが、所定の濃度範囲よりも高濃度側にずれている場合には、サーバーのCPUから送られてきたTime Sweep c(sec)、及び空回転時間b(sec)、及びΔTC_SEThighの各値に基づき、該当する色の現像器において、トナー消費をc(sec)実行するとともに、引き続き、現像器の空回転をb(sec)だけ実行する(ステップ215)。また、上記フルカラープリンタのMCUは、基準トナー像の濃度の設定値RADC_SETを、上記の如く決定された値に変更して、所定のタイミングでプロセスコントロールを実行する。
【0089】
その後、サーバー200のCPU403は、図1に示すように、最初のフローチャートに戻り、ステップ101のキャリブレーションのための動作を再度実行する。その際、上記キャリブレーションのための動作において、強制的にプロセスコントロールが実施されるが、このときのプロセスコントロールでは、基準トナー像の濃度の設定値RADC_SETが、補正後の値であるRADC_SETに変更された状態で、例えば、濃度50%の基準トナー像の形成が行われる。
【0090】
そして、サーバー200のCPU403は、図1に示すように、階調補正時の濃度調整判定フローを再度実施し、キャリブレーションのための動作において実行される強制的なプロセスコントロール等によって、最高濃度領域、ここでは濃度100%のパッチの測定値SADが、所定の範囲内Dmin以上、且つDmax以下に入っていれば、通常のキャリブレーションを開始し(ステップ103)、濃度100%のパッチの測定値SADが、所定の範囲内Dmin以上、且つDmax以下に入っていなければ、前述したように、濃度が薄い(高い)旨をサーバー200に接続された図示しないディスプレイ等に表示するとともに、濃度調整を実行するか否かのメッセージを表示するなどの動作を実行する(ステップ104)。
【0091】
このように、上記実施の形態では、サーバー200のCPU403は、図1に示すように、階調補正時の濃度調整判定動作において、ROM405に記憶されたキャリブレーションパターン(図8参照)を、フルカラープリンタによってプリントし、このプリントされたキャリブレーションパターンをスキャナー300で読み取り、当該キャリブレーションパターンの最高濃度領域、つまり濃度Cin=100%のパッチの濃度を測定する。そして、上記サーバー200のCPU403は、当該最高濃度領域Cin=100%のパッチの測定値SADが、所定の範囲内に入っているか否かを判別し、この最高濃度領域Cin=100%のパッチの測定値SADが、所定の範囲内に入っていれば、そのまま通常のキャリブレーション動作を開始するが、1色のパッチでも所定の範囲内に入っていない場合には、その色の最高濃度領域Cin=100%のパッチの測定値SADが、所定の範囲より薄いか濃いかによって、対応する回転式現像装置5の現像器5Y、5M、5C、5Kに、少なくともトナー、又はトナーを含む現像剤を補給するか、感光体ドラム1上にトナーバンドを形成してトナーの吐き出しを行って、現像器5Y、5M、5C、5K内のトナー濃度を調整し、図14及び図15に示すように、最高濃度領域Cin=100%におけるパッチの測定値SADが、目標とする濃度カーブの最高濃度Dの値と略一致するように制御する。
【0092】
そして、サーバー200のCPU403は、その後に、通常のキャリブレーション動作を開始して、図14及び図15に示すように、Cin−Dout特性が目標とする濃度カーブに略等しくなるように階調補正動作を行う。このとき、最高濃度領域Cin=100%のパッチの測定値SADに基づくトナー濃度の調整によって、Cin−Dout特性のうち、最高濃度領域Cin=100%においては、目標とする濃度カーブの最高濃度と略一致しており、しかも、当然のことながら、最低濃度領域Cin=0%近傍におけるDoutも、画像を形成しない領域の濃度であるため、目標とする濃度カーブの最低濃度と一致している。
【0093】
ただし、最高濃度領域Cin=100%のパッチの測定値SADに基づくトナー濃度の調整のみを行った場合には、図14及び図15に示すように、最高濃度領域Cin=100%及び最低濃度領域Cin=0%近傍におけるDoutが、目標とする濃度カーブと一致するものの、当該目標とする濃度カーブと一致した最高濃度領域Cin=100%又は最低濃度領域Cin=0%近傍から離れるに従って、階調補正動作を実行する前の素のままの濃度カーブに近くなり、Cin=50%近傍を境として、Cin=50%近傍より低濃度側では、階調補正動作を実行する前の素のままの濃度カーブと略等しくなる。
【0094】
ここで重要な点は、最高濃度領域Cin=100%のパッチの測定値SADに基づくトナー濃度の調整を行うことによって、当該最高濃度領域Cin=100%におけるCin−Doutの値が、目標とする濃度カーブに略一致し、かつ、最高濃度領域Cin=100%からCin=50%近傍にかけてのCin−Dout特性の曲線の形も目標とする濃度カーブに近くなるという点である。
【0095】
その結果、上記の如く調整動作を行った後、キャリブレーションパターンの他の検出結果に基づいた通常のキャリブレーション動作を実行することにより、Cin−Dout特性を、図14及び図15に示すように、中間濃度から低濃度側の領域を目標とする濃度カーブに略等しくすることができるとともに、中間濃度から高濃度側の領域も、目標とする濃度カーブからやや高濃度側あるいは低濃度側にずれているものの、目標とする濃度カーブに近いCin−Dout特性に調整することが可能となる。その結果、画像濃度を目標とする濃度曲線に、中間濃度は勿論のこと、高濃度側及び低濃度側を同時に合わせることができ、文字の中抜けや文字の回り抜けなどの転写不良、あるいは擬似輪郭(トーンジャンプ)が生じたり、色再現領域の不足が生じたりすることがなく、良好な画質の画像を形成することが可能となる。
【0096】
ところで、当初設定されるRADC_TCの値は、例えば、基準トナー像であるCin50%のパッチの濃度を、濃度センサー6で検出したときの値であり、このRADC_TCの値が目標値であるRADC_SETになるように、プロセスコントロールでは、トナー濃度TC(現像剤中のトナーの割合)を制御している。よって、RADC_TCの値が目標値であるRADC_SETに達している場合には、マシンは、このときのトナー濃度TCが正常であると判断して、このトナー濃度TCを一定に維持するように制御する。そのため、トナー濃度TCが支配的であるベタ画像の濃度も一定に保たれることになる。
【0097】
しかし、上記の如く、本実施の形態の制御において、トナーの補給又はトナーの吐き出し動作を行うと、図17に示すように、現像器内のトナー濃度TCの変化に伴って、形成すべき最高濃度Cin=100%のパッチの濃度が変化し、目標とする最高濃度に合わせることが可能となるが、同時に、現像器内のトナー濃度TCが変化するため、この現像器内のトナー濃度TCの変化に伴って、図18に示すように、RADC_TCの値が変化し、そのままでは、マシンとしては、トナー濃度TCが正常でないと判断して、トナー濃度TCを元に戻すように制御して、トナー濃度TCが元の値に戻ってしまうことになる。
【0098】
そこで、本実施の形態の制御においては、これを防ぐために、トナーの補給又はトナーの吐き出し動作を行うと同時に、予め目標値であるRADC_SETを補正しておいて、トナーの補給又はトナーの吐き出し動作を行って、トナー濃度TCが変化しても、それが正常であるとマシンに判断させるようになっている。こうすることによって、トナーの補給又はトナーの吐き出し動作によって調整された濃度が一定に維持することが可能となる。
【0099】
なお、露光量のみを調整したときの最高濃度Cin=100%のパッチの濃度、及び基準トナー像の濃度であるRADC_TC(Cin=50%)の値は、図19に示すように変化する。
【0100】
実施の形態2
図20及び図21はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、画像形成装置と、当該画像形成装置により記録媒体上に形成された基準パターンの画像濃度を測定する濃度測定手段との対応関係が、前記実施の形態1と異なっている。
【0101】
すなわち、図20に示す実施の形態では、画像形成装置としてのフルカラープリンタ100が3台設けられているとともに、これらのフルカラープリンタ100にそれぞれ対応してサーバー200が3台設けられている。これに対して、画像形成装置としてのフルカラープリンタ100により記録媒体上に形成された基準パターンの画像濃度を測定する濃度測定手段としてのスキャナー300が、1台のみ設けられており、この1台のスキャナー300が、3台のサーバー200それぞれに画像データを出力可能となっている。その際、上記1台のスキャナー300は、3台のサーバー200を識別し、特定のサーバー200に所定の画像データを出力するように構成しても良いし、3台のサーバー200すべてに同一の画像データを出力し、サーバー200側で画像データを識別するように構成しても良い。
【0102】
また、図21に示す実施の形態では、画像形成装置としてのフルカラープリンタ100が3台設けられているとともに、これら3台のフルカラープリンタ100すべてに対応して1台のサーバー200のみが設けられている。そして、この1台のサーバー200に1台のスキャナー300が接続されている。
【0103】
この実施の形態では、キャリブレーション等の動作時に、図22に示すように、各フルカラープリンタ100から基準パターンとしてのキャリブレーションパターン500がプリンタされて出力されるが、当該キャリブレーションパターン500を読み取るスキャナー300が、1台のみ設けられている。そのため、上記スキャナー300でキャリブレーションパターン500を読み取った際に、いま読み取ったキャリブレーションパターン500が、どのフルカラープリンタ100から出力されたものであるかを識別する必要がある。
【0104】
そこで、この実施の形態2では、スキャナー300で読み取ったキャリブレーションパターンのデータを、対応するフルカラープリンタ100及び/又は対応するサーバー200にフィードバックするために振り分ける必要がある。そのため、この実施の形態2では、各フルカラープリンタ100でプリントされたキャリブレーションパターンの印刷物に、識別用のナンバーやバーコード等の識別子を付与するように構成されている。
【0105】
また、この実施の形態2では、キャリブレーションパターンの印刷物に識別子を付与する代わりに、サーバー200に接続されたキーボードや、フルカラープリンタ100のユーザーインターフェイス等によって、ユーザーが識別子を入力するように構成しても良い。
【0106】
そして、この実施の形態では、スキャナー300自身が識別子に基づいて、当該スキャナー300で読み取ったキャリブレーションパターンの画像データを、対応するフルカラープリンタ100のサーバー200にのみ送るか、スキャナー300は、当該スキャナー300で読み取ったキャリブレーションパターンの画像データを、すべてのサーバー200に送り、このサーバー200が識別子に基づいて、対応するキャリブレーションパターンの画像データを選択するようになっている。
【0107】
そのため、スキャナー300の台数が少ないでも、識別子に基づいてキャリブレーションパターンの画像データを識別して、対応するフルカラープリンタ100の階調補正動作を実行することが可能となる。
【0108】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、画像濃度を目標とする濃度曲線に、中間濃度は勿論のこと、高濃度側及び低濃度側を同時に合わせることができ、文字の中抜けや文字の回り抜けなどの転写不良、あるいは擬似輪郭(トーンジャンプ)が生じたり、色再現領域の不足が生じたりすることがなく、良好な画質の画像を形成することが可能な濃度調整装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の実施の形態1に係る濃度調整装置の動作を示すフローチャートである。
【図2】 図2はこの発明の実施の形態1に係る濃度調整装置を適用した画像形成装置としてのフルカラープリンタを示す構成図である。
【図3】 図3はこの発明の実施の形態1に係る濃度調整装置を適用した画像形成装置としてのフルカラープリンタの接続状態を示す構成図である。
【図4】 図4は回転式現像装置を示す断面構成図である。
【図5】 図5は回転式現像装置の一部を示す構成図である。
【図6】 図6は回転式現像装置の一部を示す構成図である。
【図7】 図7はこの発明の実施の形態1に係る濃度調整装置を適用した画像形成装置としてのフルカラープリンタの制御回路を示すブロック図である。
【図8】 図8はキャリブレーションパターンを出力した記録用紙を示す説明図である。
【図9】 図9はこの発明の実施の形態1に係る濃度調整装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】 図10はこの発明の実施の形態1に係る濃度調整装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】 図11はこの発明の実施の形態1に係る濃度調整装置で使用されるパラメータを示す図表である。
【図12】 図12はこの発明の実施の形態1に係る濃度調整装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】 図13はこの発明の実施の形態1に係る濃度調整装置で使用されるパラメータを示す図表である。
【図14】 図14はこの発明の実施の形態1に係る濃度調整装置の作用を示すグラフである。
【図15】 図15はこの発明の実施の形態1に係る濃度調整装置の作用を示すグラフである。
【図16】 図16はトナーバンドの形成方法を示す説明図である。
【図17】 図17はこの発明の実施の形態1に係る濃度調整装置の作用を示すグラフである。
【図18】 図18はこの発明の実施の形態1に係る濃度調整装置の作用を示すグラフである。
【図19】 図19はこの発明の実施の形態1に係る濃度調整装置の作用に関連するグラフである。
【図20】 図20はこの発明の実施の形態2に係る濃度調整装置を適用した画像形成装置としてのフルカラープリンタの接続状態を示す構成図である。
【図21】 図21はこの発明の実施の形態2に係る濃度調整装置を適用した画像形成装置としてのフルカラープリンタの接続状態を示す構成図である。
【図22】 図22はこの発明の実施の形態2に係る濃度調整装置を適用した画像形成装置としてのフルカラープリンタでキャリブレーションパターンを出力した記録用紙を示す説明図である。
【符号の説明】
100:フルカラープリンタ(画像形成装置)、200:サーバー、300:スキャナー(濃度測定手段)、P:記録媒体、403:サーバーのCPU(補正手段)、500:キャリブレーションパターン(基準パターン)、1:感光体ドラム(像担持体)、5Y、5M、5C、5K:現像器(現像手段)。

Claims (12)

  1. 画像形成装置の像担持体上に形成される中間濃度領域の基準トナー像の濃度を測定するトナー濃度測定手段を備え、当該トナー濃度測定手段の測定結果に基づいて当該基準トナー像の濃度が所定の範囲内となるように調整する第1の濃度調整と、
    前記第1の濃度調整の後に行われ、前記画像形成装置により記録媒体上に形成された少なくとも最高濃度領域を含む基準パターンの画像濃度を測定する濃度測定手段を備え、当該濃度測定手段の測定結果に基づいて最高濃度領域の画像濃度が所定の範囲内となるように調整する第2の濃度調整とを繰り返す濃度調整装置において、
    前記トナー濃度測定手段の測定結果に基づいて、前記基準トナー像の少なくとも中間濃度領域の画像濃度が所定の範囲内に入るように画像露光量の制御を行う制御手段と、
    前記濃度測定手段の測定結果に基づいて、前記基準パターンの最高濃度領域の画像濃度が所定の範囲に入っていないときは、前記画像形成装置の現像手段内へのトナーの補給又は吐き出しを行うことによって前記現像手段内のトナー濃度を調整し、前記基準パターンの最高濃度領域の画像濃度を所定の範囲内とすることにより、少なくとも最高濃度領域の画像濃度を目標とする濃度曲線に近づけるトナー濃度調整手段と、
    前記第2の濃度調整の後に行われる前記第1の濃度調整において、前記濃度測定手段の測定結果に基づいて、前記画像形成装置の現像手段内のトナー濃度を一定に制御するために、画像形成装置の像担持体上に形成される前記基準トナー像の画像濃度の目標値を補正する補正手段と
    を備えたことを特徴とする濃度調整装置。
  2. 画像形成装置の像担持体上に形成される中間濃度領域の基準トナー像の濃度を測定するトナー濃度測定手段を備え、当該トナー濃度測定手段の測定結果に基づいて当該基準トナー像の濃度が所定の範囲内となるように調整する第1の濃度調整と、
    前記第1の濃度調整の後に行われ、前記画像形成装置により記録媒体上に形成された少なくとも最高濃度領域を含む基準パターンの画像濃度を測定する濃度測定手段を備え、当該濃度測定手段の測定結果に基づいて最高濃度領域の画像濃度が所定の範囲内となるように調整する第2の濃度調整とを繰り返す濃度調整装置において、
    前記トナー濃度測定手段の測定結果に基づいて、前記基準トナー像の少なくとも中間濃度領域の画像濃度が所定の範囲内に入るように画像露光量の制御を行う制御手段と、
    前記画像形成装置が設置される環境の温度及び湿度を検出する温湿度検出手段と、
    前記濃度測定手段の測定結果及び温湿度検出手段の検出結果に基づいて、前記基準パターンの最高濃度領域の画像濃度が所定の範囲に入っていないときは、前記画像形成装置の現像手段内へのトナーの補給又は吐き出しを、前記温湿度検出手段によって検出された現在の温度及び湿度の値に対応して行うことによって前記現像手段内のトナー濃度を調整し、前記基準パターンの最高濃度領域の画像濃度を所定の範囲内とすることにより、少なくとも最高濃度領域の画像濃度を目標とする濃度曲線に近づけるトナー濃度調整手段と、
    前記第2の濃度調整の後に行われる前記第1の濃度調整において、前記濃度測定手段の測定結果に基づいて、前記画像形成装置の現像手段内のトナー濃度を一定に制御するために、画像形成装置の像担持体上に形成される前記基準トナー像の画像濃度の目標値を補正する補正手段と
    を備えたことを特徴とする濃度調整装置。
  3. 前記トナー濃度調整手段は、画像形成装置の現像手段にトナーを補給するトナー補給手段を駆動させることにより、当該トナー補給手段によってトナーを現像手段に補給することを特徴とする請求項1又は2記載の濃度調整装置。
  4. 前記トナー濃度調整手段は、画像形成装置の像担持体上にトナーバンドを形成することにより、トナーを消費することを特徴とする請求項1又は2記載の濃度調整装置。
  5. 前記トナーバンドは、画像形成装置の像担持体上に形成された現像バイアスと帯電バイアスとの電位差である潜像をバイアス現像することにより形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の濃度調整装置。
  6. 前記トナー濃度調整手段は、計算により求められた前記トナー補給手段の駆動時間あるいは前記バイアス現像時間に基づいて、トナー濃度の調整を実行することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の濃度調整装置。
  7. 前記濃度測定手段によって測定された基準パターンの最高濃度領域の画像濃度が、規定範囲の濃度を上回っていた場合には、前記トナー濃度調整手段によってトナーの消費を実行することを特徴とする請求項4又は5記載の濃度調整装置。
  8. 前記濃度測定手段によって測定された基準パターンの最高濃度領域の画像濃度が、規定範囲の濃度を下回っていた場合には、前記トナー濃度調整手段によってトナーの補給を実行することを特徴とする請求項3記載の濃度調整装置。
  9. 前記トナー補給手段のトナー残量が規定量以下の場合には、前記トナーの補給動作を実行しないことを特徴とする請求項3又は8記載の濃度調整装置。
  10. 前記画像形成装置が、少なくとも2色以上の複数の色に対応した複数の現像手段をもつカラー画像形成装置であり、前記濃度調整を各色毎に個々に行うことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の濃度調整装置。
  11. 像担持体と、前記像担持体を一様帯電する帯電手段と、前記帯電手段にバイアスを印 加する帯電バイアス印加手段と、前記像担持体に画像情報に対応した静電潜像を形成す る潜像形成手段と、前記静電潜像を少なくともトナーを含む二成分現像剤を用いて現像 する現像手段と、前記現像手段にバイアスを印加する現像バイアス印加手段と、前記現 像手段にトナーを補給するトナー補給手段と、前記像担持体にトナーを現像することに よりトナーを消費させるトナー吐き出し手段と、前記像担持体上に形成された中間濃度 領域の基準トナー像の濃度を測定するトナー濃度測定手段と、画像形成装置が設置され る環境の温度及び湿度を検出する温湿度検出手段と、前記基準パターンの画像情報を内 蔵した基準パターン発生手段と、画像形成装置により記録媒体上に可視像化された前記 基準パターンの少なくとも最高濃度領域の画像濃度を測定する濃度測定手段と、を含む 画像形成装置において、
    前記トナー濃度測定手段の測定結果に基づいて当該基準トナー像の濃度が所定の範囲内となるように調整する第1の濃度調整と、前記第1の濃度調整の後に行われ、前記濃度測定手段の測定結果に基づいて最高濃度領域の画像濃度が所定の範囲内となるように調整する第2の濃度調整とを繰り返す濃度調整モードを備え、
    前記トナー濃度測定手段の測定結果に基づいて、前記基準トナー像の少なくとも中間濃度領域の画像濃度が所定の範囲内に入るように画像露光量の制御を行う制御手段と、
    前記濃度測定手段の測定結果及び温湿度検出手段の検出結果に基づいて、前記基準パターンの最高濃度領域の画像濃度が所定の範囲に入っていないときは、前記画像形成装置の現像手段内へのトナーの補給又は吐き出しを、前記温湿度検出手段によって検出された現在の温度及び湿度の値に対応して行うことによって前記現像手段内のトナー濃度を調整し、前記基準パターンの最高濃度領域の画像濃度を所定の範囲内とすることにより、少なくとも最高濃度領域の画像濃度を目標とする濃度曲線に近づけるトナー濃度調整手段と、
    前記第2の濃度調整の後に行われる前記第1の濃度調整において、前記濃度測定手段の測定結果に基づいて、前記画像形成装置の現像手段内のトナー濃度を一定に制御するために、画像形成装置の像担持体上に形成される前記基準トナー像の画像濃度の目標値を補正する補正手段と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  12. 前記基準パターンの画像情報を内蔵した基準パターン発生手段、及び前記濃度測定手段の測定結果に基づいて、前記基準トナー像の濃度の目標値を補正する補正手段とが、画像形成装置ではなく当該画像形成装置に接続されたサーバーに設けられていることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
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