JP4269333B2 - ハロゲノフェニルピルビン酸および光学活性ハロゲノフェニルアラニンの製法 - Google Patents

ハロゲノフェニルピルビン酸および光学活性ハロゲノフェニルアラニンの製法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハロゲノフェニルピルビン酸の工業的に有利な、改良された製造方法に関する。また、本発明は、光学活性なハロゲノフェニルアラニンの改良された製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
フェニルピルビン酸などのα−ケト酸は有機合成化学上のみならず生化学上きわめて重要な化合物であり、近年バイオテクノロジーの進歩と共に、食品添加剤及び農医薬に使用されるα−アミノ酸の出発原料として重要な位置を占めるに至っている。特に、ハロゲノフェニルピルビン酸は、農医薬の合成に使用されるハロゲノフェニルアラニンの原料として、近年富にその重要性を増している。
【0003】
ハロゲノフェニルピルビン酸を製造する方法としては、5−(置換アリーリデン)ヒダントインを加水分解する方法(特開昭61−22042号公報)のほか、4−(ハロゲン置換ベンジリデン)−5−オキサゾロン化合物をアセトン−水で加水分解し、次いで得られる2−(アセチルアミノ)−3−(ハロゲノフェニル)プロペン酸を塩酸中で加水分解する方法が知られている(マツムラら、Enzymatic Synthesis of Fluorine-containing Amino acids(Kukhar'等編集、Fluorine-containing Amino Acids: Synthesis and Properties 、245ページ、John Wiley & Sons発行、1995年))。しかし、この方法に記載されているアセトン−水での加水分解および塩酸での加水分解は、反応が遅く、また、低収率(20%程度)であるという欠点があった。このため、工業的・経済的により有利な製法が望まれていた。
【0004】
また、ハロゲノフェニルピルビン酸から光学活性ハロゲノフェニルアラニンを合成する方法については、微生物由来のトランスアミナーゼを利用する方法が、前記マツムラらの文献、および、内田ら、有機合成化学協会誌、46巻、977ページ(1988年)に記載されている。この内田らの文献では、ハロゲノフェニルピルビン酸から光学活性ハロゲノフェニルアラニンを合成するトランスアミナーゼを産生する微生物として、ブレビバクテリウム属、シュードモナス属、アルカリゲネス属に属する微生物を挙げ、なかでもアルカリゲネス・フェカリスが好ましい旨記載している。しかし、この反応は速度が遅く、50%以上の収率で合成するには長時間の反応が必要である。例えば、アルカリゲネス・フェカリス由来のトランスアミナーゼを用いた反応では、20時間後でも、ブロモフェニルピルビン酸50mMからブロモフェニルアラニン10mMが生成するにすぎない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はハロゲノフェニルピルビン酸の改良合成方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かくして得られたハロゲン置換フェニルピルビン酸から光学活性なハロゲノフェニルアラニンを効率よく得るための製法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来技術にみられる欠点を是正し、高収率でハロゲノフェニルピルビン酸を経済的に、また工業的に有利に製造する方法を開発するために鋭意検討した結果、4−(ハロゲノベンジリデン)−5−オキサゾロン化合物を水酸化アルカリ金属で加水分解し、得られた2−(低級アルカノイルアミノ)−3−(ハロゲノフェニル)プロペン酸を、水に可溶なエーテル系溶媒と水との混合溶媒中で加水分解することにより、前記の目的が達成されることを見出した。
【0007】
また本発明者らはそのようにして得られたハロゲノフェニルピルビン酸を、宿主微生物中に他属の微生物由来のトランスアミナーゼをコードするDNAが組込まれた組換プラスミドを含有せしめた組換微生物が産生するトランスアミナーゼで処理することにより、高収率で光学活性ハロゲノフェニルアラニンが得られることを見出し本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明によれば一般式(III)
【0009】
【化13】
Figure 0004269333
【0010】
(ただし、Xはハロゲン原子を表し、Rは低級アルキル基を表す。)
で示される4−(ハロゲノベンジリデン)−5−オキサゾロン化合物を水酸化アルカリ金属で加水分解して、一般式(II)
【0011】
【化14】
Figure 0004269333
【0012】
(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される2−(低級アルカノイルアミノ)−3−(ハロゲノフェニル)プロペン酸化合物またはその塩を製し、次いで水に可溶なエーテル系溶媒と水の混合溶媒中、酸で加水分解し、さらに所望により塩に変換することにより、一般式(I)
【0013】
【化15】
Figure 0004269333
【0014】
(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)
で示されるハロゲノフェニルピルビン酸またはその塩を製造することができる。
【0015】
さらに本発明によれば、前記のごとくして得られたハロゲノフェニルピルビン酸(I)またはその塩に、宿主微生物中に他属の微生物由来のトランスアミナーゼをコードするDNAが組込まれた組換プラスミドを含有せしめた組換微生物または該微生物の処理物を、アミノ供与体の存在下作用させることにより、一般式(V)
【0016】
【化16】
Figure 0004269333
【0017】
(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される光学活性ハロゲノフェニルアラニンまたはその塩を製造することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の製法についてさらに詳細に説明する。
【0019】
なお、本発明の製造方法において、反応に用いる化合物は反応に支障のない限り、たとえば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの無機酸塩、たとえば酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩などの有機酸塩、たとえばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩などの金属塩、たとえばエチルアミン塩、グアニジン塩、アンモニウム塩などの塩基との塩などの塩の形で用いられてもよい。反応に用いる化合物が遊離体で得られた場合は常法によりその塩に変換し、又反応に用いる化合物が塩で得られた場合はその塩を常法により遊離体に変換することができる。
【0020】
また本発明において、「ハロゲン原子」としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等、これら原子をいずれも好適に用いることができるが、臭素原子およびヨウ素原子がより好ましく、臭素原子が最も好ましい。
【0021】
さらに本発明において、「低級アルキル基」とは、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を意味し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基などが挙げられる。好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基をいい、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基がその具体例として挙げられる。さらに好ましくは炭素数1または2のアルキル基(すなわち、メチル基またはエチル基)であり、とりわけメチル基が好ましい。
【0022】
さらにまた本発明において、「低級アルカノイル」とは、炭素数2〜7の直鎖または分岐鎖のアルカノイル基を意味し、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基などが挙げられる。好ましくは、炭素数2〜5のアルカノイル基であり、さらに好ましくはアセチル基またはプロピオニル基であり、とりわけアセチル基が好ましい。
【0023】
本発明によれば、まず、4−(ハロゲノベンジリデン)−5−オキサゾロン化合物(III)を水酸化アルカリ金属で加水分解することにより、2−(低級アルカノイルアミノ)−3−(ハロゲノフェニル)プロペン酸化合物(II)を製する。
【0024】
水酸化アルカリ金属は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどであり、その効果に違いはないが、水酸化ナトリウムが安価であり、工業的に好ましい。
【0025】
水酸化アルカリ金属の使用量は、化合物(III)に対し、1モル当量〜3モル当量の範囲であるが、1.1モル当量〜2モル当量の範囲が好ましく、とりわけ、1.5モル当量使用するのが良い。
【0026】
反応は、通常、室温で実施する。このため、加熱が必要な従来方法と比較して温和な条件で反応が進行し、工業的に好ましい。なお、必要により、冷却下または加熱下に実施することもできる。
【0027】
溶媒としては、通常、水を用いるが、反応に影響を与えない他の有機溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、メタノール、エタノールなどのアルコール類などを用いることも可能である。また、これら有機溶媒と水の混合溶媒を用いることも可能である。
【0028】
なお、水酸化アルカリ金属で加水分解した後、酸を用いて後処理を行うことにより、カルボン酸である化合物(II)が得られるが、所望により酸で処理することなく、アルカリ金属塩として得ることも可能である。化合物(II)のアルカリ金属塩は、常法により単離・精製することができる。また、アルカリ金属塩を次工程に使用することもできる。
【0029】
次いで、2−(低級アルカノイルアミノ)−3−(ハロゲノフェニル)プロペン酸化合物(II)またはその塩を酸で加水分解し、さらに所望により塩に変換することによりハロゲノフェニルピルビン酸(I)またはその塩を製造する。
【0030】
酸としては、通常、塩化水素、臭化水素などのハロゲン化水素を用いるが、硝酸、硫酸など、ハロゲン化水素以外の鉱酸を用いることもできる。
【0031】
溶媒としては水に可溶なエーテル系溶媒および水との混合溶媒を用いる。水に可溶なエーテル系溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが好しい。エーテル系溶媒は、反応の促進と収率の向上に関係し、エーテル系溶媒の量が少なければ反応の進行が遅く、必然的に長時間の反応が必要となる。反応時間が長くなると、生成したハロゲノフェニルピルビン酸の分解が起こり、収率が低下するので好ましくない。水と該エーテル系溶媒の比率は、水:エーテル系溶媒=10:1〜1:10の範囲で行われるが、とりわけ、水:エーテル系溶媒=5:1で行うことが好ましい。
【0032】
反応は、室温から加熱下に実施することができるが、50〜150℃の範囲で実施するのが好ましく、特に100℃付近で行うのが良い。さらに本反応は、常圧下でも、加圧下でも実施することができる。
【0033】
ハロゲノフェニルピルビン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、メチルアミン塩などのアミン塩などがあるが、これら塩への変換および単離・精製は常法により実施することができる。
【0034】
さらに本発明によれば、前記のごとくして得られたハロゲノフェニルピルビン酸またはその塩に、宿主微生物中に他属の微生物由来のトランスアミナーゼをコードするDNAが組込まれた組換プラスミドを含有せしめた組換微生物または微生物の処理物を、アミノ供与体の存在下作用させ、さらに所望によりその塩とすることにより、一般式(V)
【0035】
【化17】
Figure 0004269333
【0036】
(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される光学活性ハロゲノフェニルアラニンまたはその塩を製造することができる。
【0037】
トランスアミナーゼは、アミノ供与体の存在下にハロゲノフェニルピルビン酸(I)からハロゲノフェニルアラニン(V)を生成するものであればよく、芳香族アミノ酸・トランスアミナーゼ(すなわち、Aromatic-amino-acid aminotransferase)、フェニルアラニン・トランスアミナーゼ(すなわちphenylalanine aminotransferase)がその例としてあげられる。
【0038】
トランスアミナーゼをコードするDNAの供給源となる微生物としては、トランスアミナーゼを産生する能力を有する微生物であればとくに限定されず、その例としてパラコッカス属(Paracoccus)に属する微生物を挙げることができ、パラコッカス・デニトリフィカンスIFO12442(Paracoccus denitrificans IFO12442)等を好適に使用することができる。
【0039】
トランスアミナーゼをコードするDNAとしては、例えばパラコッカス属微生物由来のフェニルアラニン・トランスアミナーゼ遺伝子の中のフェニルアラニン・トランスアミナーゼをコードする翻訳領域を用いることができる。
【0040】
パラコッカス属微生物由来のフェニルアラニン・トランスアミナーゼ遺伝子は、例えば、文献(タカギら、Biotechnology and Applied Biochemistry、第13巻、第112−119頁、1991年)記載の方法と同様に、ショットガンクローニングによりパラコッカス属微生物から以下のようにして単離することができる。
【0041】
まずパラコッカス属微生物から染色体DNAを調製する。これを適当な制限酵素で処理(Sau3AIによる部分切断等)した後、適当なベクタープラスミドのプロモータ下流(pLG339のBamHI切断部位、pUC18のマルチクローニングサイト等)に連結する。ついで、得られた組換えプラスミドを用いて、宿主大腸菌を形質転換する。
【0042】
形質転換株を培養し、得られた菌体を用いて、トランスアミナーゼ活性を測定することにより、組換えプラスミド上に目的遺伝子が含まれていることを確認することができる。トランスアミナーゼ活性は、フェニルピルビン酸、2−オキソ−4−フェニル酪酸などを基質とし、L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸などをアミノ供与体として含む反応溶液中、微生物菌体を酵素源として添加し、公知の方法により測定できる。
【0043】
また、パラコッカス属微生物由来のフェニルアラニン・トランスアミナーゼ遺伝子は、既知の塩基配列情報を利用して、取得することもできる。
【0044】
例えば、オウエらの文献(J. Biochem.、第121巻、第161−171頁、1997年)には、パラコッカス・デニトリフィカンス IFO12442から単離したフェニルアラニン・トランスアミナーゼ遺伝子を含む染色体断片の塩基配列及び当該フェニルアラニン・トランスアミナーゼのアミノ酸配列が開示されている。
【0045】
開示された塩基配列の情報をもとにプライマーやプローブを設計し、これらを用いるPCR(Polymerase chain reaction)法、コロニーハイブリダイゼーション法などを適宜組み合わせて、DNAライブラリーから、パラコッカス属微生物由来のフェニルアラニン・トランスアミナーゼ遺伝子を取得できる。
【0046】
DNAライブラリーは、パラコッカス属微生物の染色体DNAを用い、例えば、「Molecular Cloning」(Sambrookら、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989年)に記載の方法により調製できる。
【0047】
かくして単離されたパラコッカス属微生物由来のフェニルアラニン・トランスアミナーゼ遺伝子の塩基配列を決定し、翻訳領域を同定できる。この翻訳領域を含むDNA断片を切り出して、フェニルアラニン・トランスアミナーゼをコードするDNAとして用いることができる。
【0048】
フェニルアラニン・トランスアミナーゼをコードするDNAは、自然界に存在するフェニルアラニン・トランスアミナーゼ遺伝子の翻訳領域を用いることもできるが、その一部の塩基配列を改変したものであってもよい。ひとつのアミノ酸をコードするコドンは各々1〜6種類知られており、塩基配列を改変する際は、通常、コードするアミノ酸配列に変更が生じないように設計される。設計した塩基配列を持つDNAは、化学合成したDNAの連結、DNAの断片化と結合、部位特異的変異導入法(site specific mutagenesis)(Proceedings of National Academy of Sciences、第81巻、第5662〜5666頁、1984年)等を組み合わせることによって取得できる。
【0049】
トランスアミナーゼをコードするDNAを、適当なベクタープラスミド中のプロモータ下流に連結することにより、トランスアミナーゼを発現するためのプラスミド(以下、トランスアミナーゼ発現プラスミドと称する)を得ることができる。
【0050】
ベクタープラスミドは、宿主微生物中で複製可能なプラスミドであれば特に限定されない。宿主微生物として大腸菌(エシェリシア・コリ)を用いる場合、このようなベクタープラスミドとしては、例えばpBluescriptSK(+)(Stratagene社製)、pLG339(Gene、第18巻、第335頁、1982年、ATCC37131)、pUC18(Gene、第33巻、第103頁、1985年、ATCC37253)等が挙げられる。このうち、pUC18がとりわけ好ましい。
【0051】
トランスアミナーゼ発現プラスミドにおいて、トランスアミナーゼをコードするDNAはプロモータの下流に機能的に連結され、トランスアミナーゼは該プロモータの調節の下に発現することが好ましい。
【0052】
プロモータは、宿主微生物中で機能し得るプロモータであればよく、特に限定されない。このようなプロモーターとしては、例えばlacプロモーター(大腸菌ラクトースオペロンのプロモーター)が挙げられる。
【0053】
プロモータとトランスアミナーゼの翻訳開始コドンとの間の塩基配列は、トランスアミナーゼをコードするDNAの制限酵素処理などによるDNA断片化、断片化したDNAの結合、化学合成したリンカーDNAの連結、部位特異的変異導入法、PCR法等を適宜組合わせることによって構築することができる。
【0054】
トランスアミナーゼ発現プラスミドを、通常の形質転換法により宿主微生物に導入することにより、組換え微生物を取得できる。このような宿主微生物は特に限定されないが、エシェリシア・コリを好適に使用することができ、具体的には、エシェリシア・コリDH5株、エシェリシア・コリJM109株、エシェリシア・コリHB101株(Journal of molecular biology、第41巻、第459頁、1969年、ATCC33694)、エシェリシア・コリJM105株(蛋白質・核酸・酵素、第29巻、第294頁、1981年)等を挙げることができる。このうち、エシェリシア・コリHB101株が好ましい。
【0055】
かくして得られる組換微生物(形質転換体)を本発明に使用することができるが、パラコッカス属に属する微生物由来のトランスアミナーゼをコードするDNAが組込まれた組換プラスミドをエシェリシア・コリである宿主微生物中に含有せしめた組換微生物を使用することが好ましい。とくに、パラコッカス・デニトリフィカンス由来トランスアミナーゼをコードするDNAが組込まれた組換プラスミドをエシェリシア・コリに含有せしめた組換微生物がより好ましい。
【0056】
具体的には、特開平1−153084号公報に記載された、パラコッカス・デニトリフィカンスの染色体由来のDNAを制限酵素Sau3AIで消化して得られるフェニルアラニン・トランスアミナーゼの遺伝情報を担うデオキシリボ核酸をプラスミドpLG339の制限酵素BamHI切断部位に組み込み、得られたハイブリッドプラスミドを更に制限酵素EcoRVおよびSalIで消化して得られるフェニルアラニン・トランスアミナーゼの遺伝情報を担うデオキシリボ核酸をプラスミドpUC18の制限酵素SmaIおよびSalI切断部位に組み込んでなるハイブリッドプラスミド(pPAP142)をエシェリシア・コリHB101株に含有せしめた微生物を使用することが好ましい。
【0057】
また、特開2000−270882号公報に記載された、パラコッカス・デニトリフィカンスの染色体由来のDNA断片中の、遺伝子源本来のプロモータ領域とロダニース様蛋白質をコードする領域をpPAP142から欠失させ、大腸菌でのトランスアミナーゼの発現に必要な領域のみを残したハイブリッドプラスミドpPAP243を、エシェリシア・コリHB101株に導入した形質転換株HB101(pPAP243)を使用することが好ましい。
【0058】
プラスミドpPAP243は、pPAP142中のトランスアミナーゼ翻訳域N末端側(177bp)とその上流非翻訳域の一部(95bp)を含む約300bpのDNA断片をベクタープラスミドpBluescriptSK(+)(Stratagene社製)のEcoRV切断部位に挿入し、得られたプラスミドをEcoRIで切断し、得られたDNA断片をpPAP142のEcoRI切断部位に組み込むことにより得られる。
【0059】
本発明の製法においては、特開2000−270882号公報に記載された、パラコッカス・デニトリフィカンス由来のトランスアミナーゼ発現プラスミドpPAP243をエシェリシア・コリHB101株に含有せしめた形質転換株HB101(pPAP243)がとりわけ好ましい。
【0060】
酵素反応に用いる微生物(生菌体、培養物等)及びそれらの処理物(洗浄菌体、乾燥菌体、培養上清、菌体破砕物、菌体自己消化物、菌体抽出物等)は、トランスアミナーゼ活性を有するものであればよく、その形態は特に限定されない。
【0061】
微生物の培養は常法により行うことができる。例えば、炭素源、窒素源、有機栄養源、無機塩類などを含む通常の栄養培地のpHを5.0〜9.0に調整し、これに微生物を接種したのち10〜45℃、好ましくは28〜37℃で、好気的に培養すればよい。トランスアミナーゼがlacプロモータの制御下に発現するよう構築されている場合には、培地中にラクトース、イソプロピル−1−チオ−β−D−ガラクトシドなどの酵素誘導物質を添加することが、トランスアミナーゼ発現を高めるために望ましい。
【0062】
微生物の培養液から遠心分離またはろ過等により生菌体を得ることができる。また、生菌体を生理食塩水等で洗浄することにより洗浄菌体を得ることができ、生菌体や洗浄菌体等を凍結乾燥またはアセトン乾燥することにより乾燥菌体を得ることができる。また、生菌体、洗浄菌体等を種々の物理化学的方法(例えば、超音波、フレンチプレス、浸透圧、凍結融解、アルミナ破壊、溶菌酵素、界面活性剤または有機溶媒等で処理)で処理することにより、菌体の破砕物を得ることができ、これら菌体や細胞の破砕物からろ過または遠心分離などにより固形物を除去することによって菌体の抽出物を得ることができる。
【0063】
また、触媒の経済的使用の点から、得られた酵素、菌体抽出物等を、適当な固体支持体に固定化し、反復して使用可能な固定化酵素としてバイオリアクター用に調整してもよい。そのような酵素の固定化方法は当該技術分野で既知である。
【0064】
基質とするハロゲノフェニルピルビン酸およびアミノ供与体は、遊離の形でも塩の形でも反応系に供することができる。
【0065】
アミノ供与体としては、例えばL−アスパラギン酸、L−グルタミン酸が挙げられ、L−アスパラギン酸が好ましい。アミノ供与体は、ハロゲノフェニルピルビン酸1モルに対して通常1〜3モル、とりわけ1.3〜1.5モル使用するのが好ましい。
【0066】
酵素反応は、トランスアミナーゼの安定性を考慮して40℃未満で行うのが好ましいが、とりわけ28〜37℃で実施するのが好ましく、また、そのpHは7〜9となるよう調整するのが好ましい。また、上記酵素反応に際しては、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルピリジニウム等の界面活性剤を反応液中に0.001〜0.1%程度になるよう添加しておくことにより酵素反応を促進させることもできる。
【0067】
反応液中に生成した目的ハロゲノフェニルアラニンの分離精製は、通常のイオン交換樹脂法やその他の公知方法を単独で、或いは組合せることにより、容易に行うことができる。
【0068】
なお、原料化合物である4−(ハロゲノベンジリデン)−5−オキサゾロン化合物(III)は、一般式(IV)
【0069】
【化18】
Figure 0004269333
【0070】
(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)
で示されるハロゲノベンズアルデヒドと、一般式(VI)
【0071】
【化19】
Figure 0004269333
【0072】
(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)
で示されるN−低級アルカノイルグリシンを縮合させることにより得られる。化合物(IV)と化合物(VI)との縮合反応は、常法により、例えば、塩基と脱水剤の存在下に、適当な溶媒中もしくは無溶媒で実施される。塩基としては、酢酸ナトリウムを好適に用いることができる。脱水剤としては、無水酢酸を好適に用いることができる。無水酢酸を適当量使用する場合、例えば、化合物(IV)に対して無水酢酸を2モル当量以上使用する場合には、特に溶媒を使用する必要がない。もし溶媒を使用するのであれば、反応に影響を与えない溶媒であれば特に制限がない。本反応は、室温から加熱下、好ましくは、100〜150℃で実施する。
【0073】
【実施例】
実施例1
(1)2N水酸化ナトリウム水溶液382mlに参考例1で得られた4−(4−ブロモベンジリデン)−2−メチル−5−オキサゾロン138.3gを加え、室温で4時間撹拌した。水で希釈した後、ノライトを加え、室温で一晩放置した。不溶物をろ過した後、ろ液を酢酸エチルで洗浄した。濃塩酸でろ液を酸性にし、氷冷した。析出した結晶をろ取し、水洗後、送風乾燥して2−(アセチルアミノ)−3−(4−ブロモフェニル)プロペン酸133.6gを得た。融点:221−222℃
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて純度を測定したところ、純度は89%であり、収率は81%と計算された。
HPLC条件
カラム:CHIRALCEL OJ(ダイセル化学工業社製)、溶出溶媒:ヘキサン/エタノール/トリフルオロ酢酸=92/8/0.5、流速:1.0 ml/分、温度:40℃、検出:254nm。
【0074】
(2)2−(アセチルアミノ)−3−(4−ブロモフェニル)プロペン酸40.0g、2N塩酸800ml、ジオキサン160mlの混合物を、100℃で4時間撹拌した。放冷後、液量を半分程度まで濃縮し、氷冷した。析出した結晶をろ取し、水洗後、送風乾燥し、(4−ブロモフェニル)ピルビン酸32.7gを得た。融点:179−181℃
前記HPLC条件で純度を測定したところ、純度88%であり、収率は95%と計算された。
【0075】
実施例2
生産用培地(1%乳糖、0.2%ブドウ糖、0.5%L−グルタミン酸ナトリウム、2%コーンスチープリカー、2%ミーストN、0.3%リン酸第1カリウム、0.7%リン酸第2カリウム、0.1%硫酸アンモニウム、0.025%硫酸マグネシウム・7水和物、0.03%カラリンを含む培地(pH7.0))100mlに、大腸菌形質転換株HB101(pPAP243)を1白金耳植種し、37℃で24時間培養した。この培養液を8000×gで遠心分離して、上清液を除去した。沈殿した菌体に対して最初の培養液量になるように精製水を加え、酵素溶液とした。こうして得られた酵素溶液700mlに実施例1で得られた(4−ブロモフェニル)ピルビン酸9.64g、L−アスパラギン酸モノナトリウム塩1水和物9.09gを加え、2N水酸化ナトリウム水溶液でpH8.6に調整し、30℃で撹拌して酵素反応を行った。反応開始後、2時間後まで30分間隔で、(4−ブロモフェニル)ピルビン酸2.89gとL−アスパラギン酸モノナトリウム塩1水和物2.73gを添加した。その際、2N水酸化ナトリウム水溶液でpH8.6に調整した。次いで、5時間後まで1時間間隔で(4−ブロモフェニル)ピルビン酸2.89gとL−アスパラギン酸モノナトリウム塩1水和物2.73gを添加した(2N水酸化ナトリウム水溶液でpH8.6に調整)。反応開始後7時間目に酵素溶液200mlを添加し、2N水酸化ナトリウム水溶液でpH8.6に調整して、21時間撹拌した。後記HPLC条件(1)にて測定したところ、反応液中のL−4−ブロモフェニルアラニンへの転換率は92.2%であった。反応終了後、30%水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性とした後、8000×gで遠心分離して、上清液を採取した。上清液に濃塩酸を加えて弱酸性とした後、液量がおよそ1/8〜1/9になるまで減圧濃縮した。50℃に加熱後、冷却し、析出した結晶をろ取した。得られた結晶を洗浄、乾燥して、L−4−ブロモフェニルアラニン20.5gを得た。融点:213−214℃。後記HPLC条件(2)にて、光学純度を測定したところ、光学純度は100%であった。
HPLC条件(1)
カラム:Nucleocil 10C18 (MACHEREY-NAGEL社製)、溶出溶媒:40mM KH2PO4-H3PO4 (pH 2.5)/アセトニトリル=9/1,流速:1.0 ml/分、温度:50℃、検出:254nm。
HPLC条件(2)
カラム:Crownpak CR(+) (4.0×250mm)(ダイセル化学工業製)、溶出溶媒:HClO4 (pH2.0) /メタノール=85/15、流速:0.4 ml/分、温度:25℃、検出:254nm
参考例1
4−ブロモベンズアルデヒド110g、N−アセチルグリシン69.6g、酢酸ナトリウム36g、無水酢酸151.7gを80−100℃で溶解した後、140℃で1時間撹拌した。一晩室温で放置し、析出結晶をろ取し、水洗、乾燥して、4−(4−ブロモベンジリデン)−2−メチル−5−オキサゾロン140.4gを得た。
【0076】
参考例2
(1)発現プラスミドpPAP142の調製
タカギらの文献(Biotechnology and Applied Biochemistry、第13巻、112-119頁、1991年)または特開平1−153084号公報記載の方法に従って、パラコッカス・デニトリフィカンス(Paracoccus denitrificans IFO12442)の染色体DNAからトランスアミナーゼ遺伝子を含むDNA断片を単離し、これを含む組換え発現プラスミドpPAP142を得た。
pPAP142は、トランスアミナーゼ遺伝子を含むパラコッカス・デニトリフィカンス染色体DNA断片(約2.2kb)が、ベクタープラスミドpUC18のlacプロモータ下流に連結されている。この染色体DNA断片中、トランスアミナーゼ遺伝子翻訳領域の上流には、パラコッカス・デニトリフィカンス由来の、プロモータ領域とロダニース様蛋白質をコードする領域が存在する。
【0077】
(2)発現プラスミドpPAP243の調製
前記(1)で得たプラスミドpPAP142から、パラコッカス・デニトリフィカンス由来の、プロモータ領域とロダニース様蛋白質をコードする領域を欠失させたプラスミドを、特開2000−270882号公報記載の方法に従って構築した。まず、pPAP142を鋳型とするPCR(polymerase chain reaction)により、pPAP142中のトランスアミナーゼ翻訳域N末端側(177bp)とその上流非翻訳域の一部(95bp)を含む断片を増幅した。PCRのためのプライマーとしては、合成オリゴヌクレオチドをセンスプライマーおよびアンチセンスプライマーに用いた。センスプライマーの配列は、上流非翻訳域部分配列のN末側を一部改変してKpnI認識部位が生成されるように設計した。また、アンチセンスプライマーの配列は、トランスアミナーゼ翻訳域中の部分配列に基づいて設計した。PCRは、5μl(0.09μg)のプラスミドpPAP142、各4μMのプライマー、1.0単位のDNAポリメラーゼ、5μlの10倍緩衝液、各5μl(2mM)のデオキシNTPおよび30.5μlの水からなる混合液を用いて、94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で1分の工程を、30回繰り返して行った。反応後、反応液をアガロースゲル電気泳動に供し、目的とするPCR産物のDNA断片(約300bp)をゲル中から回収した。得られたDNA断片をベクタープラスミドpBluescriptSK(+)(Stratagene社製)のEcoRVで切断部位に挿入し、プラスミドpBSK1を得た。プラスミドpBSK1をさらにEcoRIで切断し、得られた約150bpのDNA断片をpPAP142のEcoRI切断断片(約3800bp:アンピシリン耐性遺伝子、lacプロモータ及びトランスアミナーゼ遺伝子の3’末端側を含む)と連結して、組換え発現プラスミドpPAP243を得た。
【0078】
(3)発現プラスミドpPAP243を含む大腸菌形質転換株の取得
前項(2)で得た発現プラスミドpPAP243を、常法によりエシェリシア・コリ(Escherichia coli)HB101株に導入し、形質転換株HB101(pPAP243)を得た。
【0079】
【発明の効果】
本発明の製法は、従来法におけるハロゲノフェニルピルビン酸の低収率および長時間の反応が必要という欠点を解消するもので、工業的に有利な方法である。
【0080】
また、本発明のトランスアミノ化法により、比較的短時間で収率良く光学活性ハロゲノフェニルアラニンを得ることができる。

Claims (9)

  1. 一般式(II)
    Figure 0004269333
    (ただし、Xはハロゲン原子を表し、Rは低級アルキル基を表す。)
    で示される化合物を、水に可溶なエーテル系溶媒と水の混合溶媒中、酸で加水分解した後、所望により塩に変換することを特徴とする、一般式(I)
    Figure 0004269333
    (ただし、記号は前記と同一意味を有する。)
    で示されるハロゲノフェニルピルビン酸またはその塩の製法。
  2. 一般式(III)
    Figure 0004269333
    (ただし、Xはハロゲン原子を表し、Rは低級アルキル基を表す。)
    で示される化合物を、水酸化アルカリ金属で加水分解して、一般式(II)
    Figure 0004269333
    (ただし、記号は前記と同一意味を有する。)
    で示される化合物またはその塩を製した後、水に可溶なエーテル系溶媒と水の混合溶媒中、酸で加水分解し、さらに所望により塩に変換することを特徴とする、一般式(I)
    Figure 0004269333
    (ただし、記号は前記と同一意味を有する。)
    で示されるハロゲノフェニルピルビン酸またはその塩の製法。
  3. 一般式(IV)
    Figure 0004269333
    (ただし、Xはハロゲン原子をあらわす。)
    で示される化合物と、一般式(VI)
    Figure 0004269333
    (ただし、Rは低級アルキル基を表す。)
    で示される化合物を縮合させ、一般式(III)
    Figure 0004269333
    (ただし、記号は前記と同一意味を有する。)
    で示される化合物を製した後、該化合物を水酸化アルカリ金属で加水分解して、一般式(II)
    Figure 0004269333
    (ただし、記号は前記と同一意味を有する。)
    で示される化合物またはその塩を製し、次いで水に可溶なエーテル系溶媒と水の混合溶媒中、酸で加水分解し、さらに所望により塩に変換することを特徴とする、一般式(I)
    Figure 0004269333
    (ただし、記号は前記と同一意味を有する。)
    で示されるハロゲノフェニルピルビン酸またはその塩の製法。
  4. 請求項1,2または3記載の方法で一般式(I)
    Figure 0004269333
    (ただし、Xはハロゲン原子を表す。)
    で示されるハロゲノフェニルピルビン酸またはその塩を得た後、宿主微生物中に他属の微生物由来のトランスアミナーゼをコードするDNAが組込まれた組換プラスミドを含有せしめた組換微生物またはその微生物の処理物をアミノ供与体の存在下に作用させ、さらに所望により塩とすることを特徴とする、一般式(V)
    Figure 0004269333
    (ただし、記号は前記と同一意味を有する。)
    で示される光学活性ハロゲノフェニルアラニンまたはその塩の製法。
  5. 宿主微生物中に他属の微生物由来のトランスアミナーゼをコードするDNAが組込まれた組換プラスミドを含有せしめた組換微生物が、パラコッカス属に属する微生物由来のトランスアミナーゼをコードするDNAが組込まれた組換プラスミドをエシェリシア・コリである宿主微生物中に含有せしめた組換微生物である、請求項4記載の製法。
  6. パラコッカス属に属する微生物由来のトランスアミナーゼが、パラコッカス・デニトリフィカンス由来トランスアミナーゼである、請求項5記載の製法。
  7. パラコッカス属に属する微生物由来のトランスアミナーゼをコードするDNAが組込まれた組換プラスミドが、パラコッカス・デニトリフィカンスの染色体由来のDNAを制限酵素Sau3AIで消化して得られるフェニルアラニン・トランスアミナーゼの遺伝情報を担うデオキシリボ核酸をプラスミドpLG339の制限酵素BamHI切断部位に組み込み、得られたプラスミドを更に制限酵素EcoRVおよびSalIで消化して得られるフェニルアラニン・トランスアミナーゼの遺伝情報を担うデオキシリボ核酸をプラスミドpUC18の制限酵素SmaIおよびSalI切断部位に組み込んでなるハイブリッドプラスミドであるか、該ハイブリッドプラスミドからパラコッカス・デニトリフィカンスの染色体由来のDNA断片中の、遺伝子源本来のプロモータ領域とロダニース様蛋白質をコードする領域を欠失させたハイブリッドプラスミドである、請求項5記載の製法。
  8. Xが臭素原子またはヨウ素原子である請求項1〜7のいずれか1項に記載の製法。
  9. Xが臭素原子である請求項8に記載の製法。
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