JP4269090B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばパチンコ機等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機の一つであるパチンコ機では、パチンコ球が始動口に入球した場合に、図柄表示装置(例えば、液晶表示装置)に特別図柄を変動表示する。そして、変動表示後に停止表示した特別図柄の態様によって、その入球に対して行われた抽選の結果が大当たりであるか否かを遊技者に報知している。例えば、抽選結果が大当たりである場合には、同じ種類の特別図柄が3つ揃った「777」等の大当たり図柄配列を表示して遊技者に大当たりを報知している。大当たりが報知されると、遊技者にはその後に大当たり遊技(大入賞口を一定時間開く等)が付与される。
【0003】
このようなパチンコ機では、大当たりに対してより大きな期待感を抱かせるために、特別図柄の変動表示中に始動口にパチンコ球が入球した場合でも、その入賞により生成された当落データを無効とせずに、保留データとして所定数まで記憶させる場合がある。記憶させた保留データの数(保留数)は、複数のLED等で構成される保留ランプの点灯・消灯状態によって遊技者に認識可能とされており、特別図柄の変動表示が終了する毎に保留データが1つずつ消去され、それに伴って保留ランプも1つずつ消灯される。この保留数の上限値は例えば4つに設定される。
【0004】
そして、最近では、特別図柄の変動表示に要する時間(以下、変動表示時間と呼ぶ)を短縮させる、いわゆる「時短機能」を備えたパチンコ機が多数登場している。
すなわち、始動口に多くのパチンコ球が短時間に入球した場合には、保留データを消化するための特別図柄の変動表示が追いつかない場合がある。そこで、一回の入球に対応する変動表示時間を短縮し、次々と変動表示を繰り返すことで、保留データを短時間の間に多数消化する。これにより、始動口への入球を無駄にすることが少なくなり、遊技者により大きな期待感を抱かせることが可能になる。なお、このような変動表示時間を短縮させる「時短遊技」は、大当たり遊技が終了した後の「おまけ」の遊技として、例えば50回あるいは100回等の決められた回数だけ実行されることが多い。
このような「時短機能」を備えたパチンコ機としては、例えば[特許文献1]に開示されたものが知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−71247
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のパチンコ機では、例えば50回あるいは100回の時短遊技が終了し、かつ、その決められた回数の時短遊技中に大当たりが発生しない場合には、遊技者の抱く「大当たり」に対する期待感は急激に減少することになる。すると、遊技者はこれをきっかけにパチンコ遊技を中止する場合があるという不都合を生じていた。
【0007】
本願発明は上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、例えば時短遊技等の「大当たり」になる確率が高くなる遊技期間が終了した場合であっても、遊技者の抱く「大当たり」に対する期待感が急激に失われることのない遊技機を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するための本願の第1の発明は、遊技球が始動口に入球すると遊技者に有利となる特典の当落を抽選する抽選手段を備えた遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が当たりになることで特典を獲得できる確率が一定期間高くなる高確率遊技が行われるとともに、前記高確率遊技中に前記抽選手段による抽選結果が当たりにならない場合は、前記特典が付与されないことに対する遊技者への代償としての代償特典遊技が行われることを特徴とする遊技機である。
したがって、抽選手段による抽選結果が当たりになることで特典を獲得できる確率が一定期間高くなる高確率遊技が行われる。ここでいう「特典」とは、例えばパチンコ機を例にすると、多くの賞球を獲得できる「大当たり遊技」等が該当する。また、この特典を獲得できる確率が「一定期間高くなる」とあるのは、例えば、ある一定の期間内に通常よりも多くの当落データが生成されることで全体としての「当たり」になる確率が高くなること(例えば時短遊技が行われること)をいう。
【0009】
そして、本願の第1の発明の遊技機によれば、前記高確率遊技中に抽選手段による抽選結果が当たりにならない場合は、特典が付与されないことに対する遊技者への代償としての代償特典遊技が行われる。これにより、遊技者にとっては、一度も当たりになることなく高確率遊技が突然終了するとしても、その後に「当たり」になる期待感をある程度継続して抱くことができるので、高確率遊技の終了をきっかけとして遊技者が遊技を中止するということも防止される。
【0010】
本願の第2の発明は、本願の第1の発明の遊技機であって、
遊技球が始動口に入球すると図柄変動パターンを決定する図柄変動パターン決定手段と、決定された図柄変動パターンに従って特別図柄を変動表示する表示装置とを備え、
高確率遊技では、前記始動口への所定数までの入球に対応して決定される図柄変動パターンとして、短時間の変動表示が行われる図柄変動パターンが通常の遊技時よりも高い頻度で選択される時短遊技処理が実行されることを特徴とする遊技機である。
したがって、高確率遊技では、始動口への所定数までの入球に対応して決定される図柄変動パターンとして、短時間の変動表示が行われる図柄変動パターンが通常の遊技時よりも高い頻度で選択される「時短遊技処理」が実行される。すると、この高確率遊技中は、一回の入球あたりにおける特別図柄の変動表示時間が短くなるので、遊技球の入球に対応して生成される当落データを一定の期間内により多く消化することができる。これにより、高確率遊技中における全体としての「大当たり」の確率を高くすることができる。
【0011】
本願の第3の発明は、本願の第2の発明の遊技機であって、
遊技球がゲートに入球すると普通抽選を行う普通抽選手段と、その普通抽選手段による普通抽選の結果が当たりである場合に始動口を開放する開放手段とを備え、
高確率遊技では、普通抽選の結果が当たりになる確率が通常の遊技時よりも高くなる普通抽選高確率処理と、始動口の開放時間が通常の遊技時よりも長くなる開放時間延長処理のうち少なくとも一方の処理が実行されることを特徴とする遊技機である。
したがって、高確率遊技では、普通抽選の結果が当たりになる確率が通常の遊技時よりも高くなる「普通抽選高確率処理」と、始動口の開放時間が通常の遊技時よりも長くなる「開放時間延長処理」のうち少なくとも一方の処理が実行される。
普通抽選高確率処理が実行された場合には、普通抽選の結果が当たりになることで始動口が開放される頻度が高くなり、始動口に遊技球が入球し易くなる。始動口に遊技球が入球し易くなると、一定の期間内により多くの当落データに基づく抽選が行われることになるので、「大当たり」になる確率が高くなる。
また、開放時間延長処理が実行された場合には、始動口の開放時間が長くなることで遊技球が入球し易くなり、一定の期間内により多くの当落データに基づく抽選が行われることになるので、「大当たり」になる確率が高くなる。
【0012】
本願の第4の発明は、本願の第2の発明もしくは第3の発明の遊技機であって、
代償特典遊技では、時短遊技処理における始動口への所定数まで入球のうち、最後の入球、あるいは、最後から予め設定された複数個の入球に対応する図柄変動パターンとして、長時間の変動表示が行われる図柄変動パターンが通常の遊技時よりも高い頻度で選択される変動時間延長処理が実行されることを特徴とする遊技機である。
したがって、代償特典遊技では、時短遊技処理における始動口への所定数までの入球うち、最後の入球、あるいは、最後から予め設定された複数個の入球に対応する図柄変動パターンとして、長時間の変動表示が行われる図柄変動パターンが通常の遊技時よりも高い頻度で選択される「変動時間延長処理」が実行される。
すなわち、「時短遊技処理」では、始動口への所定数までの入球に対応して決定される図柄変動パターンとして、短い変動表示時間の図柄変動パターンが高い頻度で選択されるのが原則である。しかし、この第4の発明では、それとは反対に、所定数の入球のうち、最後の入球、あるいは、最後から予め設定された複数個の入球(例えば最後から5個の入球)に対応して決定される図柄変動パターンとして、長い変動表示時間の図柄変動パターンが通常の遊技時よりも高い頻度で選択されるようにする。すると、時短遊技処理が終了する間際において、特別図柄の変動表示時間が長くなる。特別図柄の変動表示時間が長くなると、より多くの遊技球を始動口に入球させることができるので、代償としての賞球を遊技者に多く獲得させることができる。
なお、前述した「普通抽選高確率処理」あるいは「開放時間延長処理」のうち少なくとも一方の処理が実行中であれば、始動口に遊技球が入球し易い状態が継続しているので、特別図柄の変動表示時間が長くなることでより多くの遊技球を始動口に入球させることが可能になる。
【0013】
本願の第5の発明は、本願の第2から第4の発明のうちいずれか1つの遊技機であって、
始動口への入球に対応する図柄変動を保留する保留処理が実行されるとともに、
代償特典遊技では、前記保留処理における保留数の上限値を増加あるいは撤廃する処理が実行されることを特徴とする遊技機である。
したがって、始動口への入球に対応する図柄変動を保留する保留処理が実行されるとともに、代償特典遊技では、前記保留処理における保留数の上限値を増加あるいは撤廃する処理が実行される。ここで、始動口への入球に対応する「図柄変動」とは、例えば、始動口への入球に対応する抽選結果を報知するための「特別図柄の変動表示」を指している。また、図柄変動を「保留する」とは、具体的には、例えば、始動口への入球に対応して抽出される当落データ等をRAM等の記憶手段に記憶することを指している。そして、保留数の上限値を増加あるいは撤廃する処理が実行されると、短時間に多くの遊技球が始動口に入球したとしても、その入球に対応して抽出される当落データを無駄にすることが少なくなり、当落データに基づく抽選がより多く行われることで遊技者に代償を付与することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態は遊技機の一つであるパチンコ機に本発明を適用したものである。
まず図1は、カードユニット10(CRユニット)およびパチンコ機12の外観を正面図で示す。カードユニット10は、記録媒体(例えば磁気カードやICカード等)に記録された残高情報や有価価値情報等を入出力でき、残高情報等の範囲内で遊技者が望む金額分に相当するパチンコ球の貸し出しが可能に構成する。なお、カードユニット10の具体的な構成や作動等については周知の構成と同様であるので、図示および説明を省略する。
【0015】
パチンコ機12の遊技盤14には、通過するパチンコ球を検出するゲートセンサ54を有するゲート56や、ソレノイド48によって運動可能な一対の可動片50を有する始動口24、ソレノイド44によって開閉可能な開閉蓋28を有する大入賞口26、保留数表示器52,58や液晶表示器22等を有する複合役物装置16、所定形状に形成した複数の装飾用表示器(LED等)を有する装飾表示装置20、その他に一般の入賞口,風車,障害釘などを適宜に配置する。このうち始動口24は上述した可動片50(いわゆるチューリップ)の他に、入賞したパチンコ球を検出する始動口センサ46等を備える。大入賞口26は上述した開閉蓋28(いわゆるアタッカー)の他に、大入賞口開放期間(例えば20秒間)内にパチンコ球が入賞すると大当たり遊技状態を所要回数(例えば16回)内で継続可能なVゾーン(特別領域)や、当該Vゾーンに入ったパチンコ球を検出するVセンサ62等を備える。
【0016】
複合役物装置16は、普通図柄の図柄変動,特別図柄の図柄変動等を表示可能な液晶表示器22や、特別保留数(すなわち特別図柄にかかる図柄変動の保留数)を表示する保留数表示器52、普通保留数(すなわち普通図柄にかかる図柄変動の保留数)を表示する保留数表示器58等を有する。なお、ここでいう「図柄変動」とは、図柄を用いた変動表示のことを意味している。図柄は、例えば文字(英数字や漢字等),記号,符号,図形(キャラクタ等),映像などからなる抽選表示用図柄(特別図柄,普通図柄等)や装飾表示用図柄(装飾図柄,背景図柄等)などが該当する。
保留数表示器52,58には、それぞれが所定個数(例えば4個や9個等)からなるLEDまたはセグメント素子で構成する。液晶表示器22に代えて、CRT,プラズマ表示器等のように図柄を表示可能な表示器(以下、単に「図柄表示器」と呼ぶ。)を用いてもよい。同様にLEDまたはセグメント素子に代えて、電球,ランプ,図柄表示器等を任意に用いてもよい。
【0017】
パチンコ球がゲート56を通過すると、液晶表示器22の特定領域22aで普通図柄を変動表示する。普通図柄の変動表示は、液晶表示器22とは別体に遊技盤14に備えた普通図柄表示器で行う構成としてもよい。当該普通図柄表示器には、例えばセグメント素子,液晶表示器,図柄表示器等を用いる。普通図柄の変動表示を開始してから所要の変動時間(例えば30秒間)を経過すると停止し、当該普通抽選の結果が当たりのときはソレノイド48を作動させて始動口24の可動片50を所定パターンで開放するように構成する。当該所定パターンは、例えば0.3秒間開放した後に閉じる等の動作を一回または二回以上を断続的に行う。なお、可動片50が、本発明における「開放手段」に対応している。
【0018】
遊技盤14の下方には、タバコの吸い殻等を入れる灰皿38や、賞球を含むパチンコ球を一時的に貯留する下皿36、遊技者が接触しているか否かを検出するタッチセンサ34を有するハンドル32、上皿30の内部に設けられて音(音声,音楽,効果音等)を奏でるスピーカ40(音響装置)などを備える。遊技領域の周囲等には、遊技状態等に応じて発光するランプ類18(発光体)を備える。上皿30の上方には、球貸しを指示する球貸ボタン42や、残高情報等を表示する情報表示器60、記録媒体の返却を指示する返却ボタン64等を備える。
【0019】
次に、パチンコ機12によるパチンコ遊技を実現するために構成をした基板や装置等の接続例について図2を参照しながら説明する。なお単に「接続する」という場合には、特に断らない限り電気的に接続することを意味する。
【0020】
CPU(プロセッサ)122を中心に構成したメイン制御基板120は、遊技制御プログラムや一定のデータ等を格納したROM124、乱数,特別保留数,普通保留数および保留数の上限値等のような一時的データを格納可能なRAM126等を備える。CPU122は、遊技制御プログラムを実行してパチンコ遊技を実現する。当該遊技制御プログラムには、後述する「始動口処理」,「保留処理」,「図柄変動パターン決定処理」、「高確率遊技処理」,「時短遊技処理」等のような各手続きを実現するためのプログラムを含む。例えばROM124にはEPROMを用い、RAM126にはDRAMを用いるが、他の記録媒体(例えばEEPROM,SRAM,フラッシュメモリ,磁気カード,ICカード等)を用いてもよい。他の構成要素については周知の技術と同様であるので、図示および説明を省略する。
【0021】
メイン制御基板120には、タッチセンサ34や払出制御基板112からの信号を受けて発射用のモータ100を駆動制御する発射制御基板110や、駆動センサ104や計数センサ106等からの信号を受けて払い出し用のモータ102を駆動制御する払出制御基板112、カードユニット10や払出制御基板112と接続してデータの送受信や情報表示器60の表示等を制御するインタフェース基板114(図2では「I/F基板」と表記する)、液晶表示器22に表示する図柄を制御する図柄制御基板130、スピーカ40から出す音を制御する音声制御基板132、ランプ類18等の表示を制御するランプ制御基板134などを接続する。これらの各基板は、いずれもメイン制御基板120と同様にCPUを中心に構成する。駆動センサ104は、モータ102やパチンコ球を払い出す払出装置等の駆動状態を監視する。計数センサ106は、実際に払い出したパチンコ球の個数をカウントする。なお駆動センサ104,計数センサ106,ゲートセンサ54,始動口センサ46,Vセンサ62等には、接触型センサ(例えばリードスイッチ,マイクロスイッチ,圧力センサ等)、あるいは非接触型センサ(例えば近接センサ,光センサ,赤外線センサ等)を用いる。
【0022】
またメイン制御基板120には、上述した始動口センサ46等のほかに、パチンコ機12の外部装置に信号(例えば大当たり,図柄確定,確変中等のような遊技情報を含む)を伝達可能な外部端子板108や、装飾表示装置20、保留数表示器52,58などを直接に接続する。さらにメイン制御基板120から離れた位置に備えた装置(例えばゲートセンサ54、Vセンサ62、ソレノイド44,48等)は、信号中継用の中継端子板136を介して接続する。ソレノイド44の作動を制御することにより、開閉蓋28を矢印D2方向に往復運動させて開閉を行うことができる。同様にしてソレノイド48の作動を制御することにより、可動片50を矢印D4方向に往復運動させて開閉(ただし閉状態でも始動口24への入球は可能)を行うことができる。
【0023】
図柄制御基板130はCPU140を中心に構成し、表示制御プログラムや所要のデータ等を格納するROM142、受信データ,大当たり図柄,抽選データ等の一時的データを格納するRAM144等を備える。図柄制御基板130には、図柄を予め記憶しておき表示コマンド等を受けて生成するキャラクタジェネレータや、CPU140から送られた表示情報を受けて液晶表示器22に図柄を表示するVDP(Video Display Processor)等を有する。当該VDPは、二以上のレイヤーで独立に表示/非表示を制御可能なものが望ましい。
CPU140はROM142に格納した表示制御プログラムを実行して液晶表示器22に図柄を表示する。ROM142にはEPROMを用い、RAM144にはDRAMを用いるが、上述した他種のメモリを任意に用いてもよい。他の構成要素については周知の構成と同様であるので、図示および説明を省略する。
【0024】
上述のように構成したパチンコ機12において、本発明を実現するべくメイン制御基板120で実行する手続きについて図3〜図7のフローチャートを参照しながら説明する。ここで図3には始動口24へパチンコ球が入賞してからの処理を実現する「始動口処理」の手続きを、図4には始動口24への入賞をきっかけとして生成された各種の乱数を保留データとして記憶する「保留処理」の手続きを、図5には特別図柄の図柄変動パターンを決定する「図柄変動パターン決定処理」の手続きを、図6には大当たり処理後に再び大当たりになる確率を一定期間高くする「高確率遊技処理」の手続きを、図7には大当たり遊技終了後に特別図柄の変動表示時間を短くする「時短遊技処理」の手続きをそれぞれフローチャートで示す。
【0025】
図3に示す始動口処理では、まず始動口24にパチンコ球が入賞したか否かを判別する〔ステップS10〕。ここでいう「入賞」とは、パチンコ球の入球により賞球が払い出される場合の「入球」のことを指している。例えば始動口センサ46からの検出信号があれば入賞した(YES)と判別し、当該検出信号がなければ入賞していない(NO)と判別する。もし始動口24にパチンコ球が入賞すると(YES)、当該入賞ごとに対応して各種乱数を読み込む〔ステップS12〕。始動口24にパチンコ球が入賞していなければ(NO)、ステップS18に進む。
ステップS12で読み込む乱数は、カウンタ等を用いて生成されるソフトウェア乱数と、発振器等を用いて生成されるハードウェア乱数とのいずれか一方または双方を用いる。例えば大当たりか否かを決定する「当落判定用乱数RA」や、特別図柄の変動表示を停止した後に確定して表示する大当たり図柄(例えば[333]や[777]等のようなゾロ目の図柄パターンなど)を特定する「停止図柄用乱数RB」、液晶表示器22での特別図柄の変動表示態様を特定する図柄変動パターンを決定するための「図柄表示用乱数RC」などが該当する。
なお、当落判定用乱数RAに基づいて大当たりか否かの当落判定を行うメイン制御基板120が、本発明における「抽選手段」対応している。図柄表示用乱数RCに基づいて図柄変動パターンを決定するメイン制御基板120が、本発明における「図柄変動パターン決定手段」に対応している。
【0026】
各種乱数を読み終えると、入賞に対応する個数の賞球を払い出すべく払出制御基板112に対して払出コマンドを送信し〔ステップS14〕、次の「保留処理」を実行する〔ステップS16〕。当該保留処理の具体的な手続きについて、図4を参照しながら説明する。
【0027】
図4に示す保留処理では、まず現在の保留数が上限値に達しているときは(ステップS30のYES)、これ以上は保留できないため保留処理を終える〔リターン〕。ここでいう「保留数」とは、液晶表示器22において変動表示中であるため次の変動表示を開始できないときなどに、ステップS12において読み込んだ各種の乱数を保留データとして記憶した数のことである。本実施の形態では、保留数の上限値が4つに設定されている。
一方、現在の保留数が上限値に達していないときは(ステップS30のNO)、図3のステップS12で読み込んだ各種乱数を保留データとしてRAM126等に記憶し〔ステップS32〕、保留数を増やして演算結果を保留数表示器52に表示し〔ステップS34〕、保留処理を終える。ステップS32で記憶した各種乱数は、後の処理において当落判定や図柄変動パターン等を決定するまで保持し、その後は容量確保のためにRAM126等から消去する。
【0028】
上述した保留処理を終えて図3のフローチャートに戻ると、変動表示不能か否か又は保留数が0以下であるか否かを判別する〔ステップS18〕。すなわち液晶表示器22において特別図柄の変動表示中であるときや大当たり遊技中であるときなどは変動表示不能と判別し、そのいずれの状態でもないときは変動表示可能と判別する。保留数が0以下であれば、既に保留データに対応する特別図柄の変動表示を全て終えている。もし変動表示が可能な時期であって、かつ保留数が1以上ならば(ステップS18のNO)、図柄変動パターンを決定するべく「図柄変動パターン決定処理」を行う〔ステップS20〕。当該図柄変動パターン決定処理の具体的な手続きについて図5を参照しながら説明する。
【0029】
図5に示す図柄変動パターン決定処理では、まず、RAM126等に記憶されている保留データの読み出しを行い、その保留データに含まれる当落判定用乱数RAに基づいて大当たりか否かの判断を行う〔ステップS40〕。例えば、当落判定用乱数RAが予め定められた所定の当選値に一致する場合には、抽選結果が大当たりであると判断する。当落判定用乱数RAに基づいて大当たりであると判断した場合には(ステップS40のYES)、次のステップS42に進み、第1テーブルを参照して図柄変動パターンを決定する。この「第1テーブル」の詳細については後述する。当落判定用乱数RAに基づいて大当たりではないと判断した場合には〔ステップS40のNO〕、ステップS44に進む。
【0030】
ステップS44では、「変動回数」が100回以下であるか否かを判断する。すなわち、本実施の形態では、特別図柄の変動表示時間を短縮する「時短遊技処理」の回数を最大で100回に設定しており、当落判定用乱数RAに基づく抽選結果が大当たりでなく(ステップS40のNO)、かつ、変動回数が100回以下である期間は(ステップS44のYES)、ステップS48の「時短遊技処理」が繰り返されるような処理を実行する。なお、「変動回数」とは、現時点から見て最後の大当たり遊技が終了した後に、液晶表示器22において行われた特別図柄の変動表示の回数のことを指している。この「変動回数」は、カウンタ用の変数としてRAM126等に記憶されており、次の大当たり遊技が終了した直後に0回にリセットされる(ステップS60参照)。
変動回数が100回以下ではないと判断した場合には(ステップS44のNO)、第2テーブルを参照して図柄変動パターンを決定する〔ステップS46〕。この「第2テーブル」の詳細については後述する。
【0031】
ステップS48では、特別図柄の変動表示時間を短縮するべく「時短遊技処理」を行う。当該時短遊技処理について、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
時短遊技処理では、まず、時短遊技終了まであと5回以内であるか否かを判断する〔ステップS70〕。本実施の形態では、時短遊技が行われる期間を、大当たり遊技が終了した後100回の変動表示が終了するまでの期間(=変動回数が100回に到達するまでの期間)に設定してあるので、言い換えれば、変動回数が96回以上であるか否かを判断する。
時短遊技終了まであと5回以内ではないと判断した場合には(ステップS70のNO)、第3テーブルを参照して図柄変動パターンを決定する〔ステップS72〕。時短遊技終了まであと5回以内であると判断した場合には(ステップS70のYES)、保留数の上限値を4から20に増加する処理を行うとともに〔ステップS74〕、第4テーブルを参照して図柄変動パターンを決定する〔ステップS76〕。保留数の上限値を20に増加する処理は、変動回数が100回に到達するか、あるいは、当落判定用乱数RAに基づく抽選結果が「大当たり」になるまで継続する。
【0032】
ここで、第1テーブル〜第4のテーブルの一例を、図8〜図11に示す。
第1テーブル〜第4テーブルは、いずれも図柄表示用乱数RCと図柄変動パターンとの関係を設定したテーブルであって、ROM124等に予め記憶されている。
第1テーブル〜第4テーブル中において、1列目の剰余値は図柄表示用乱数RCを一定値で除した余りである。本例では、剰余値が5までの例を示すが、剰余値として6以上を設定してもよい。また、本例では、第1テーブル〜第4テーブル中において6種類の図柄変動パターンがそれぞれ用意されている例を示すが、6種類以上の図柄変動パターンを用意してもよい。これら第1テーブル〜第4テーブルを遊技中に切り換えることにより、遊技時の様々な条件や場面等に応じて図柄変動パターンを決定することができる。
【0033】
図8に示すように、当落判定用乱数RAに基づいて大当たりであると判断した場合に参照する第1テーブルは、剰余値がいずれの値をとったとしても、遊技者に大当たりを報知するための図柄変動パターンである「大当たりパターン」を選択するように設定されている。すなわち、「大当たりパターン1−▲1▼」〜「大当たりパターン1−▲6▼」は、いずれも液晶表示器22の画面において特別図柄を変動表示した後に、「777」等の大当たり図柄配列を停止表示するために用意された図柄変動パターンである。
また、第1テーブルの3列目は、リーチ/非リーチの別を示している。図柄変動パターンが「リーチ」であるということは、第2停止図柄までが揃って表示される「7↓7」(↓は変動中を示す)等の「リーチ」の状態を経由するということである。第1テーブルでは、剰余値がいずれの値をとったとしても「大当たり」になるので、図柄変動中はかならずこの「リーチ」の状態を経由するように設定されている。
また、第1テーブルの4列目は、それぞれの図柄変動パターンに対応する変動表示時間を示している。第1テーブルで用意されている「大当たりパターン1−▲1▼」〜「大当たりパターン1−▲6▼」は、必ず「リーチ」の状態を経由する図柄変動パターンであるので、変動表示時間が比較的長い時間に設定されている(いずれも30秒以上に設定されている)。これにより、液晶表示器22において「7↓7」等のリーチ図柄配列を表示した後に、いわゆるリーチ演出のためのアニメーション等を表示することができる。
【0034】
図9に示すように、当落判定用乱数RAに基づいて大当たりではない(つまり、はずれ)と判断し、かつ、変動回数が100回以下ではない(つまり、101回以上)と判断した場合に参照する第2テーブルは、剰余値がいずれの値をとったとしても、遊技者にはずれを報知するための図柄変動パターンである「はずれパターン」を選択するように設定されている。すなわち、「はずれパターン2−▲1▼」〜「はずれパターン2−▲6▼」は、いずれも液晶表示器22の画面において特別図柄を変動表示した後に、「787」等のはずれ図柄配列を停止表示するために用意された図柄変動パターンである。
また、第2テーブルの3列目は、リーチ/非リーチの別を示している。本例では、「はずれパターン2−▲1▼」〜「はずれパターン2−▲4▼」までが「非リーチ」に設定されており、「はずれパターン2−▲5▼」と「はずれパターン2−▲6▼」が「リーチ」に設定されている。つまり、第2テーブルでは、およそ2/3の確率で「非リーチ」の図柄変動パターンを選択し、およそ1/3の確率で「リーチ」の図柄変動パターンを選択するように設定されている。
また、第2テーブルの4列目は、それぞれの図柄変動パターンに対応する変動表示時間を示している。「リーチ」の図柄変動パターンに対応する変動表示時間は、「非リーチ」の図柄変動パターンに対応する変動表示時間よりも長くなるように設定されている。これは、前述したように、いわゆるリーチ演出のためのアニメーション等を表示する時間が長く確保されているからである。
【0035】
図10に示すように、当落判定用乱数RAに基づいて大当たりではないと判断し、かつ、変動回数が100回以下であると判断した場合に参照する第3テーブルは、剰余値がいずれの値をとったとしても、遊技者にはずれを報知するための図柄変動パターンである「はずれパターン」を選択するように設定されている。すなわち、「はずれパターン3−▲1▼」〜「はずれパターン3−▲6▼」は、いずれも液晶表示器22の画面において特別図柄を変動表示した後に、「787」等のはずれ図柄配列を停止表示するために用意された図柄変動パターンである。
また、第3テーブルの3列目は、リーチ/非リーチの別を示している。本例では、「はずれパターン3−▲1▼」〜「はずれパターン3−▲4▼」までが「非リーチ」に設定されており、「はずれパターン3−▲5▼」と「はずれパターン3−▲6▼」が「リーチ」に設定されている。つまり、第3テーブルでは、およそ2/3の確率で「非リーチ」の図柄変動パターンを選択し、およそ1/3の確率で「リーチ」の図柄変動パターンを選択するように設定されている。
また、第3テーブルの4列目は、それぞれの図柄変動パターンに対応する変動表示時間を示している。この第3テーブルの特徴は、「非リーチ」の図柄変動パターンである「はずれパターン3−▲1▼」〜「はずれパターン3−▲4▼」に対応する変動表示時間が、第2テーブルにおける「非リーチ」の図柄変動パターンである「はずれパターン2−▲1▼」〜「はずれパターン2−▲4▼」に対応する変動表示時間よりも極端に短いということである。例えば、「はずれパターン2−▲1▼」〜「はずれパターン2−▲4▼」に対応する変動表示時時間は10秒もしくは15秒であるのに対して、「はずれパターン3−▲1▼」〜「はずれパターン3−▲4▼」に対応する変動表示時間はいずれも3秒である。
【0036】
図11に示すように、当落判定用乱数RAに基づいて大当たりではないと判断し、かつ、時短遊技終了まであと5回以内であると判断した場合に参照する第4テーブルは、剰余値がいずれの値をとったとしても、遊技者にはずれを報知するための図柄変動パターンである「はずれパターン」を選択するように設定されている。すなわち、図柄変動パターンとして用意された「はずれパターン4−▲1▼」〜「はずれパターン4−▲6▼」は、いずれも液晶表示器22の画面において特別図柄を変動表示した後に、「787」等のはずれ図柄配列を停止表示するために用意された図柄変動パターンである。
また、第4テーブルの3列目は、リーチ/非リーチの別を示している。本例では、「はずれパターン4−▲1▼」及び「はずれパターン4−▲2▼」が「非リーチ」に設定されており、「はずれパターン4−▲3▼」〜「はずれパターン4−▲6▼」が「リーチ」に設定されている。つまり、第4テーブルは、およそ2/3の確率で「リーチ」の状態を経由する図柄変動パターンを選択するように設定されている。
また、第4テーブルの4列目は、それぞれの図柄変動パターンに対応する変動表示時間を示している。この第4テーブルの特徴は、すべての図柄変動パターンに対応する変動表示時間が比較的長い時間に設定されていることである。具体的には、「はずれパターン4−▲1▼」〜「はずれパターン4−▲6▼」に対応する変動表示時間は、いずれも30秒以上の長い時間に設定されている。この第4テーブルを参照して図柄変動パターンを決定することが、本発明における「変動時間延長処理」に対応している。
【0037】
第1テーブル〜第4テーブルを参照して図柄変動パターンを決定することにより、以下の(1)〜(4)説明するような作用を得ることができる。
【0038】
(1)第1テーブルを参照する場合
この場合には、液晶表示器22において特別図柄の変動表示が行われた後、「777」等の大当たり図柄配列が停止表示される。このとき、「大当たりパターン1−▲1▼」〜「大当たりパターン1−▲6▼」に含まれたパラメータ等が読み出しされることにより、例えばリーチ演出として表示するアニメーションの種類、画面に登場させて表示するキャラクターの種類、変動表示時間など、液晶表示器22の画面に表示する変動表示の態様が特定される。
【0039】
(2)第2テーブルを参照する場合
この場合には、液晶表示器22において特別図柄の変動表示が行われた後、「787」等のはずれ図柄配列が停止表示される。このとき、「はずれパターン2−▲1▼」〜「はずれパターン2−▲6▼」に含まれたパラメータ等が読み出しされることにより、液晶表示器22の画面に表示する変動表示の態様が特定される。
【0040】
(3)第3テーブルを参照する場合
この場合には、液晶表示器22において特別図柄の変動表示が行われた後、「787」等のはずれ図柄配列が停止表示される。このとき、「はずれパターン3−▲1▼」〜「はずれパターン3−▲6▼」に含まれたパラメータ等が読み出しされることにより、液晶表示器22の画面に表示する変動表示の態様が特定される。
また、第3テーブルを参照する場合には、変動表示時間の短い図柄変動パターンが高い頻度で選択される。すなわち、第3テーブルを参照する場合には、3秒という短い変動表示時間の図柄変動パターンがおよそ2/3の確率で選択されるので、第2テーブルを参照するよりも始動口24への一回の入球あたりに行われる特別図柄の変動表示時間が全体として大幅に短縮される。これにより、一定の期間内により多くの変動表示を繰り返すことができるので、保留データをより多く読み出しすることでこの期間内における「大当たり」の確率を高くすることができる。
【0041】
(4)第4テーブルを参照する場合
この場合には、液晶表示器22において特別図柄の変動表示が行われた後、「787」等のはずれ図柄配列が停止表示される。このとき、「はずれパターン4−▲1▼」〜「はずれパターン4−▲6▼」に含まれたパラメータ等が読み出しされることにより、液晶表示器22の画面に表示する変動表示の態様が特定される。
また、第4テーブルを参照する場合には、変動表示時間の長い図柄変動パターンが選択される。これにより、始動口24への一回の入球あたりに行われる特別図柄の変動表示時間が長くなるので、時短遊技処理が終了する間際において、より多くのパチンコ球を始動口24に入球させることが可能になる。始動口24に多くのパチンコ球が入球することにより、遊技者は、当落判定用乱数RAに基づく抽選結果が「大当たり」にならないことの代償としての賞球をより多く獲得することができる。
さらに、第4テーブルを参照する場合には、保留数の上限値を20に増加する処理が実行されているので(ステップS74)、短時間に多くのパチンコ球が始動口24に入球したとしても、ステップS30において保留数が上限値を超えることが少なくなる。これにより、始動口24へのパチンコ球の入球を無駄にすることが少なくなり、当落判定用乱数RAに基づく抽選をより多く行うことで「大当たり」の確率を高くすることができる。
【0042】
第1テーブル〜第4テーブルのうちいずれかのテーブルを参照して図柄変動パターンを決定した後、次にステップS50、ステップS52に進む。
ステップS50では、保留数を1減らす演算処理が行われる。これは、ROM124に記憶した保留データを読み出して当落判定用乱数RAに基づく抽選を行ったからである(つまり、保留データを1つ消化したからである)。演算した保留数は、遊技者に視認可能とするために保留数表示器52に表示する。
ステップS52では、変動回数を1増やす演算処理が行われる。これは、現時点から見て最後の大当たり遊技が終了した後に、特別図柄の変動表示がさらに1回行われるからである。変動回数を1増やすと、図柄変動パターン決定処理を終える〔リターン〕。
【0043】
図柄変動パターン決定処理を終えると、再び図3のフローチャートに戻って、液晶表示器22で特別図柄の変動表示を開始する〔ステップS22〕。具体的には、図5のステップS42,S46、もしくは、図7のS72,S76のいずれかで決定した図柄変動パターンを含む表示コマンドを図柄制御基板130に送信する。
【0044】
液晶表示器22において特別図柄の変動表示を終えると、ステップS40と同様に、今回の抽選結果が大当たりか否かを判別する〔ステップS24〕。外来ノイズ等の影響を受けにくく信頼性が高いパチンコ機12では、大当たりか否か(すなわち当落判定用乱数RA=所定の当選値であるか否か)を判別する。もし大当たりならば(ステップS24でYES)、大当たり遊技を実現して賞球を得る機会を遊技者に与えるべく大当たり処理を実行する〔ステップS26〕。当該大当たり処理は、例えば大入賞口26の開閉蓋28を所要期間(一例として30秒間)だけ開放し、当該大入賞口26等に入賞したパチンコ球の数に応じて賞球を払い出す等を行う。当該大当たり処理の具体的な手続きは周知であるので、その説明および図示を省略する。
【0045】
大当たり処理が終了すると、次に、高確率遊技処理が行われる〔ステップS28〕。図6のフローチャートを参照しながら、この高確率遊技処理について説明する。
高確率遊技処理では、まず、特別図柄の変動表示時間を短縮することで時短遊技を実現するべく時短遊技開始処理を実行する〔ステップS60〕。具体的には、変動回数を0回にリセットすることで、図5のフローチャートに示す「図柄変動パターン決定処理」においてステップS48の「時短遊技処理」が行われるようにする。
【0046】
変動回数を0回にリセットした後、「普通抽選高確率処理」を実行する〔ステップS62〕。具体的には、パチンコ球がゲート56を通過することで行われる普通抽選の結果が「当たり」になる確率を上昇させる。本実施の形態では、普通抽選の結果が当たりになる確率を、通常時はおよそ1/2であるのに対して、およそ2/3にまで上昇させる。これにより、始動口24が開放する頻度が高くなるので、始動口24にパチンコ球が入球し易くなる。始動口24にパチンコ球が入球し易くなると、一定の期間内により多くの当落判定用乱数RAに基づく抽選が行われることになるので、「大当たり」になる確率が高くなる。この普通抽選高確率処理は、大当たり処理が終了してから、変動回数が100回に到達するか、あるいは、当落判定用乱数RAに基づく抽選結果が再び「大当たり」になるまで継続する。
なお、この「普通抽選高確率処理」において、普通抽選の結果が当たりになる確率を内部的に上昇させるのではなく、そのかわりに、特定領域22aにおける普通図柄の変動表示時間を短縮するようにしてもよい。すなわち、普通図柄の変動表示時間を短縮すると、短時間の間により多くの普通抽選を繰り返すことができる。すると、普通抽選の結果が当たりになることで始動口24が開放する頻度が高くなるので、この期間内に当落判定用乱数RAに基づく抽選結果が「大当たり」になる確率を高くすることができる。
さらに、この「普通抽選高確率処理」において、普通抽選の結果が当たりになる確率を内部的に上昇させる処理と、普通図柄の変動表示時間を短縮する処理の両方を実行したとしても、「大当たり」になる確率を高くすることができる。
【0047】
普通抽選高確率処理を実行した後、「開放時間延長処理」を実行する〔ステップS64〕。具体的には、普通抽選の結果が「当たり」になることで開放される始動口24の開放時間を延長する。本実施の形態では、始動口24の開放時間を、通常時はおよそ0.4秒であるのに対して、およそ4秒にまで延長する。これにより、始動口24にパチンコ球が入球し易くなる。始動口24にパチンコ球が入球し易くなると、一定の期間内により多くの当落判定用乱数RAに基づく抽選が行われることになるので、「大当たり」になる確率が高くなる。なお、この開放時間延長処理は、大当たり処理が終了してから、変動回数が100回に到達するか、あるいは、当落判定用乱数RAに基づく抽選結果が再び「大当たり」になるまで継続する。
開放時間延長処理を実行すると、図6のフローチャートにおける高確率遊技処理を終了し〔リターン〕、図3のフローチャートにおける始動口処理も終了する〔リターン〕。
【0048】
上記したパチンコ機12によれば、以下の(1)〜(4)に説明するようなパチンコ遊技を実現することができる。
(1)「時短遊技処理」が実行されることにより、大当たり遊技が終了した後、特別図柄の変動表示の回数が100回に到達するか、あるいは、次の「大当たり」になるまでは、一回の入球あたりにおける特別図柄の変動表示時間が短縮される(ただし、「リーチ」の場合は通常の変動表示時間が維持される)。したがって、この時短遊技が行われている期間中は、特別図柄の変動表示を一定の期間内により多く繰り返すことができるので、当落判定用乱数RAに基づく抽選を一定の期間内により多く繰り返すことができる。これにより、この時短遊技中における全体としての「大当たり」になる確率を高くすることができる。
(2)ただし、時短遊技が終了する間際の期間は、一回の入球あたりにおける特別図柄の変動表示時間が延長される。具体的には、時短遊技中に当落判定用乱数RAに基づく抽選結果が一回も「大当たり」にならず、かつ、時短遊技の残りの回数があと5回となった時点から、始動口24への一回の入球あたりにおける特別図柄の変動表示時間が必ず30秒以上になる。これにより、遊技者は、始動口24へより多くのパチンコ球を入球させることができるので、時短遊技中に「大当たり」にならないことに対する代償としての賞球をより多く獲得することができる。
(3)なお、時短遊技中は、前述した「普通抽選高確率処理」及び「開放時間延長処理」が実行中である。したがって、始動口24にパチンコ球が入球し易い状態が継続しているので、変動表示時間が延長されることでより多くのパチンコ球を始動口24に入球させることが可能である。
(4)さらに、時短遊技が終了する間際の期間は、保留数の上限値が20に増加する。これにより、短時間に多くのパチンコ球が始動口24に入球したとしても、生成された当落判定用乱数RAを無駄にすることが少なくなり、当落判定用乱数RAに基づく抽選がより多く行われることで遊技者に代償を付与することが可能になる。
【0049】
〔他の実施の形態〕
上述したパチンコ機12(遊技機)において、他の部分の構造、形状、大きさ、材質、配置および動作条件等については、上記実施の形態に限定するものでない。
【0050】
上記実施の形態では、「高確率遊技」として、時短遊技処理、普通抽選高確率処理、開放時間延長処理の3つの処理をすべて実行する例を示したが、このような態様に限定するものではない。例えば、高確率遊技として、時短遊技処理、及び、普通抽選高確率処理のみを実行してもよい。
【0051】
上記実施の形態では、「代償特典遊技」として、変動時間延長処理、及び、保留数の上限値を20に増加する処理を実行する例を示したが、このような態様に限定するものではない。例えば、代償特典遊技として、変動時間延長処理のみを実行してもよい。
【0052】
上記実施の形態では、変動回数が100回になるまで「時短遊技処理」を実行する例を示したが、このような態様に限定するものではない。「時短遊技処理」を実行する回数は任意に設定することが可能であり、例えば、変動回数が50回になるまで「時短遊技処理」を実行してもよい。
また、上記実施の形態では、時短遊技の終了まであと5回以内になると(変動回数が96回以上になると)、第4テーブルを参照して「変動時間延長処理」を実行する例を示したが、このような態様に限定するものではない。「変動時間延長処理」を実行する回数は任意に設定することが可能であり、例えば、時短遊技の終了まであと1回となったときにのみ「変動時間延長処理」を実行してもよい。
【0053】
上記実施の形態では、第4テーブルを参照することにより、変動表示時間が必ず30秒以上になる例を示したが(ステップS76)、このような態様に限定するものではない。例えば、「変動時間延長処理」を実現するためには、他のテーブルを参照するときよりも高い頻度で長い変動表示時間が選択されるように第4テーブルを設定すればよい。
また、図柄変動パターンを決定するためのテーブルを切り替えるのではなく、例えば、テーブルを一つだけにして、そのテーブルに用意された複数の図柄変動パターンを選択する確率をそれぞれ変化させることによっても、「変動時間延長処理」や「時短遊技処理」などを実現することができる。
【0054】
上記実施の形態では、代償特典遊技の一態様として、保留数の上限値を4から20に増加する例を示したが、このような態様に限定するものではない。たとえば、保留数の上限値を撤廃して無制限にすることにより、高確率遊技時に「大当たり」にならないことに対する遊技者への代償としての代償特典遊技を付与するようにしてもよい。
【0055】
また、上記実施の形態における図3〜図7に示すフローチャートは、本発明を実施するための処理手順の一例を示したものである。したがって、その他の異なるアルゴリズム等を用いて同様の機能を実現することにより、本発明を実施し得ることは勿論である。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高確率遊技時に「大当たり」にならないことに対する遊技者への代償としての代償特典遊技を付与することができるので、遊技者が高確率遊技の終了と同時に「大当たり」への期待感を急激に失うことを防止することができる。これにより、高確率遊技の終了をきっかけとして、遊技者が遊技を中止してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ機の外観を示す正面図である。
【図2】基板と装置とを接続した概略の構成例を示すブロック図である。
【図3】始動口処理の手続きを示すフローチャートである。
【図4】保留処理の手続きを示すフローチャートである。
【図5】図柄変動パターン決定処理の手続きを示すフローチャートである。
【図6】高確率遊技処理の手続きを示すフローチャートである。
【図7】時短遊技処理の手続きを示すフローチャートである。
【図8】第1テーブルの一例を示す図である。
【図9】第2テーブルの一例を示す図である。
【図10】第3テーブルの一例を示す図である。
【図11】第4テーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
10 カードユニット
12 パチンコ機
14 遊技盤
24 始動口
26 大入賞口
52,58 保留数表示器
56 ゲート
110 発射制御基板
112 払出制御基板
114 インタフェース基板
120 メイン制御基板
132 音声制御基板
134 ランプ制御基板
Claims (1)
- 遊技球が始動口に入球すると、遊技者に有利となる大当たりの当落を抽選する抽選手段と、
遊技球がゲートに入球すると普通抽選を行う普通抽選手段と、
前記普通抽選手段による普通抽選の結果が当たりである場合に、前記始動口を開放する開放手段と、
前記始動口に遊技球が入球すると、特別図柄の図柄変動パターンを決定する図柄変動パターン決定手段と、
前記図柄変動パターン決定手段で決定された図柄変動パターンに従って前記特別図柄を変動表示する表示装置と、
前記表示装置が特別図柄を変動表示不能なときに、前記始動口への入球に対応する図柄変動を予め設定した上限値まで保留する保留手段と、
前記抽選手段による抽選結果が大当たりになることに基づいて大当たり遊技を実現する手段と、を備えた遊技機であって、
前記大当たり遊技の終了後に、前記特別図柄の変動表示に基づき前記大当たりを獲得できる確率が一定期間高くなる高確率遊技を実行する手段と、
前記高確率遊技中に、遊技球が前記始動口に入球し前記抽選手段による抽選結果が大当たりにならない場合は、前記保留手段の保留数の上限値を増加させる手段と、を具備し、
前記高確率遊技を実行する手段は、
前記一定期間における始動口への入球に対応して決定される前記特別図柄の図柄変動パターンとして、短時間の変動表示が行われる図柄変動パターンが通常の遊技時よりも高い頻度で選択される時短遊技処理と、前記一定期間における前記普通抽選手段の普通抽選の結果が当たりになる確率が通常の遊技時よりも高くなる普通抽選高確率処理若しくは前記始動口の開放時間が通常の遊技時よりも長くなる開放時間延長処理のうち少なくとも一方の処理と、をそれぞれ実行し、
前記保留数の上限値を増加させる手段は、
前記一定期間における特別図柄の変動表示の回数が、当該一定期間が終了する間際の特定回数になったことを判断して、前記予め設定された上限値から増加した所定数値に変更する処理を実行し、
前記時短遊技処理と、普通抽選高確率処理若しくは開放時間延長処理のうち少なくとも一方の処理及び保留数の上限値を増加する処理を、前記一定期間が終了するか、あるいは、前記抽選手段の抽選結果が大当たりになるかのいずれかが早く達成するまで継続して実行し、
前記時短遊技処理は、前記一定期間における特別図柄の変動表示の回数が、当該一定期間が終了する間際の特定回数になったことに基づいて、以降の始動口への入球に対応して決定される前記特別図柄の図柄変動パターンとして、長時間の変動表示が行われる図柄変動パターンが通常の遊技時よりも高い頻度で選択される変動時間延長処理を含むことを特徴とする遊技機。
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