本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、このパチンコ遊技機は、発射された遊技球が流下する遊技領域2を備える遊技盤1を有する。
遊技盤1の盤面上の遊技領域2内には、表示手段として、可変表示装置3が設けられている。可変表示装置3は遊技領域2内の略中央部に設けられている。また、可変表示装置3は液晶表示装置からなるもので、当たり抽選手段として機能する後述の主制御装置14で行われる抽選の各種大当り(当たり)およびはずれの抽選結果を表示するものであり、抽選結果の表示に際し、識別情報としての装飾図柄の変動表示ゲーム(遊技)を表示し、この変動表示ゲームの大当りおよびはずれによって抽選結果を報知するようになっている。
遊技盤1の下部には、第1および第2特図表示装置4a,4bが設けられている。第1および第2特図表示装置4a,4bは、例えば、7セグ等のセグメント型のLED表示装置からなる。第1および第2特図表示装置4a,4bは、変動表示ゲーム(特別ゲーム)における図柄の変動の変動パターンの一部として設定される変動表示時間だけ変動表示(一部のセグメントを点滅表示)した後に識別情報としての特別図柄(特図)を停止表示する。
ここで、第1および第2特図表示装置4a,4bの前記点滅表示後に複数種類の特図から1種類の特図(停止図柄)を停止表示する特図の変動表示ゲームには、第1特図表示装置4aで行われる第1変動表示ゲーム(第1遊技)と、第2特図表示装置4bで行われる第2変動表示ゲーム(第2遊技)とがある。第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームとは、同時に行われることがなく、後述の変動表示ゲームの開始条件に基いて、第1変動表示ゲームより第2変動表示ゲームが優先的に開始される。言い換えれば、開始可能な第2変動表示ゲームが後述のように保留されている場合には、第1変動表示ゲームの開始条件が成立しない。また、可変表示装置3に表示される装飾図柄の変動表示ゲームは、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームのうちの実行されている第1または第2変動表示ゲームと略同時に表示されるとともに、実行されている第1または第2変動表示ゲームと同じ結果になる実質的に同一のゲームである。
また、可変表示装置3には、画面の周縁部分に後述の保留数の表示が行われる保留数表示領域31a、31bが設定されている。主制御装置14では、第1始動球検知センサ53aから第1始動入賞信号が入力した場合に、上限になる数値(例えば4)の範囲内で第1保留数に1加算し、この始動入賞に基づいて第1変動表示ゲームおよび装飾図柄の変動表示ゲームが開始される場合に、保留数から1減算する。この第1保留数が保留数表示領域31aにマークの数として表示される。
同様に、主制御装置14では、第2始動球検知センサ53bから第2始動入賞信号が入力した場合に、上限になる数値(例えば4)の範囲内で第2保留数に1加算し、この始動入賞に基づいて第2変動表示ゲームおよび装飾図柄の変動表示ゲームが開始される場合に、保留数から1減算する。この第2保留数が保留数表示領域31bにマークの数として表示される。なお、後述のようにこれら保留数は、状態表示装置9でも表示される。
前記可変表示装置3の直ぐ下には、第1始動入賞口52が設けられている。
また、第1始動入賞口52の下に第2始動入賞口54を備えた所謂電動チューリップ(電チュー)と呼ばれる普通変動入賞装置5が設けられている。
この普通変動入賞装置5は、開閉動作自在な1対の可動片51,51を備え、第2始動入賞口54に遊技球が入賞できない可動片51,51が閉じた状態(閉状態)と、第2始動入賞口54に遊技球が入賞し易くなるように可動片51,51が開いた状態(開状態)との間で可変するようになっている。
なお、閉じた状態の2つの可動片51,51の間には、遊技球が通過可能な遊技球の直径より少し広い間隔が開けられているが、この例では、閉じた可動片51,51の直上に第1始動入賞口52があり、可動片51,51が閉じた状態で遊技球が第2始動入賞口54に入賞できないようになっている。
第1始動入賞口52には、遊技球の入賞を検知する第1始動球検知センサ53a(図2に図示)が設けられており、第1始動球検知センサ53aは、主制御装置14に、遊技球が第1始動入賞口52に入賞した際に第1始動入賞信号を出力する。また、第2始動入賞口54には、遊技球の入賞を検知する第2始動球検知センサ53b(図2に図示)が設けられており、第2始動球検知センサ53bは、主制御装置14に、遊技球が第2始動入賞口54に入賞した際に第2始動入賞信号を出力する。主制御装置14は、第1始動入賞信号の入力に基づいて第1変動表示ゲームの各大当りおよびはずれを決める乱数を取得し、第2始動入賞信号の入力に基づいて第2変動表示ゲームの各大当りおよびはずれを決める乱数の取得を行う。これら第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームの大当たり判定に用いられる乱数は、後述のハード乱数発生回路14eで生成されたハード乱数が用いられる。
また、普通変動入賞装置5が開状態の際に流入した遊技球は、第2始動入賞口54の第2始動球検知センサ53を通過した後に、普通変動入賞装置5の内部空間として設けられた誘導路55を流下するようになっている。この誘導路55には、特定領域としての特定ゲート81が設けられている。特定ゲート81を通過する遊技球は、変動入球装置としての普通変動入賞装置5に流入している必要がある。誘導路55の特定ゲート81より下側には、排出口56が設けられ、遊技球を遊技盤裏面側に排出するようになっている。また、誘導路55内を流下する遊技球は、遊技者に視認可能とされ、特定ゲート81を通過する遊技球が遊技者に確認可能になっている。
第1始動入賞口52の右側に、大入賞口61を有する特別変動入賞装置(アタッカ)6が設けられている。この特別変動入賞装置6には、大入賞口61を開閉する可動扉62が備えられている。通常遊技状態では可動扉62は、遊技球を大入賞口61に流入させないように立って閉じた閉状態になっている。また、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームの結果が大当りになり、大当たり遊技状態が発生した場合に遊技球が流入し易いように可動扉62が前に略水平に倒れて開いた開状態になる。この場合に、可動扉62は、設定されたラウンド数だけ開閉動作を繰り返す。また、大入賞口61には、大入賞口61に入賞した遊技球を検知する大入賞球検知センサ63(図2に図示)が設けられている。
大当たり遊技状態では、特別変動入賞装置6が閉状態から開状態になって再び閉状態になる開閉動作としての1ラウンドの動作を、設定されたラウンド数だけ繰り返し行う。なお、大当たり遊技状態中に実行されるラウンド数については後述する。
可変表示装置3の左側方には、普通図柄(普図と略す)ゲート7が設けられている。また、普図ゲート7には、普図ゲート7内を通過した遊技球を検知する通過球検知センサ71(図2に図示)が設けられ、通過球検知センサ71は遊技球を検知すると主制御装置14に通過球検知信号を出力する。当該通過球検知信号の入力に基づいて主制御装置14は、普通変動入賞装置5を開状態とする当たりと、普通変動入賞装置5を閉状態のままとするはずれとを抽選する普図抽選を行う。この普図抽選の結果は、普図の変動表示ゲーム(普図ゲーム:普通ゲーム)を可変表示装置3の端の部分と、後述の状態表示装置9内の普図表示装置8(図2に図示)とに表示することにより報知される。
普図ゲームが当たりになった場合に、普通変動入賞装置5が開放し、第2始動入賞口54への遊技球の入賞率が高まり、第2変動表示ゲームの開始機会が増加するようになっている。また、遊技領域2の左側部には、複数の一般入賞口10,10が設けられている。また、一般入賞口10,10に対応して、一般入賞口10,10に入賞した遊技球を検知する一般入賞球検知センサ11(図2に図示)がそれぞれ設けられている。
また、遊技盤1には、大当たり遊技状態の際の大当たりの種類および通過する後述の特定ゲート81に基づくラウンド数、第1変動表示ゲームの保留数、第2変動表示ゲームの保留数、また、これら保留数と同様に求められる普図の変動表示ゲームの普図保留数等を表示するとともに、普図表示装置8を備えた状態表示装置9が設けられている。
なお、普図保留数は、主制御装置14により、普図ゲート7を遊技球が通過して、通過球検知センサ71から主制御装置14に通過球検知信号が入力した際に、上限になる数(例えば、4)の範囲で、1加算され、普図の変動表示ゲームが開始されると1減算される。なお、普図ゲームの開始条件は、普図の変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置5の開放が行われていない状態で普図保留数が1になるか、はずれになる普図の変動表示ゲームが終了した際、または、当たりになる普図の変動表示ゲームが終了して普通変動入賞装置5が開放し、その開放が終了した際に普図保留数が1以上の場合である。また、普図ゲームの終了条件は、普図を変動表示する変動表示時間と普図を停止表示する停止表示時間とを合わせた普図ゲーム時間の経過である。普図ゲーム時間は、普図停止時間が一定なので、例えば、普図の変動パターンの抽選により、選択される変動パターンとしての変動表示時間によって決定される。なお、変動パターンおよび変動表示時間は、通常遊技状態や確変遊技状態や、時短遊技状態等の各遊技状態で一定であってもよい。
また、特別変動入賞装置6の下方の遊技領域2の最下端部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域2の外部になる遊技盤1裏面に排出させるアウト口12が設けられている。また、遊技盤1の前面には、遊技球の流下方向を規制するとともに流下方向を転換する遊技釘13(一部だけ図示)や風車(図示略)等の流下規制転換部材が設けられている。
この実施形態のパチンコ遊技機においては、上述のように普通変動入賞装置5の内部空間としての誘導路55に特定ゲート(特定領域)8が設けられている。普通変動入賞装置5に入賞(流入)した遊技球は、全て特定ゲート81を通過するようになっている。なお、普通変動入賞装置5に流入した遊技球の全てではなく、一部だけが特定ゲート81を通過する構成になっていてもよい。
すなわち、特定ゲート81に遊技球を通過させるためには、普通変動入賞装置5に遊技球を流入させる必要がある。
特定ゲート81には、特定ゲート81を通過する遊技球を検知する特定通過球検知センサ(特定通過検知手段)8aが設けられている。
特定ゲート81を通過する遊技機を特定通過球検知センサ81aが検知した場合に、ゲート通過信号を主制御装置14に出力する。このゲート通過信号が入力された主制御装置14では、後述のように第1または第2変動表示ゲームが大当たりとなって終了して特別条件が成立している場合に、特別変動入賞装置6の開閉動作を開始するようになっている。
すなわち、このパチンコ遊技機では、第1または第2変動表示ゲームが大当たりを報知して終了しても、特定ゲート81を遊技球が通過しないと、特別変動入賞装置6は開閉動作を開始しない。すなわち、大当たりになる変動表示ゲームが終了した時点で、大当たり遊技状態になるが、実質的な大当たり遊技状態は、変動表示ゲームで大当たりが報知された後に、特定ゲート81を遊技球が通過することにより発生する。
なお、特別変動入賞装置6の大当たり遊技状態中のラウンド数は、基本的に後述の図柄乱数を用いた抽選で決定される大当たり種類に対応しているが、大当たり種類にラウンド数未定の種類を設定し、特定ゲート81通過時に抽選で複数のラウンド数から一つのラウンド数を決定するものとしてもよい。
次に、パチンコ遊技機の制御系を図2に示されるブロック図を参照して説明する。パチンコ遊技機の制御系は、大きく分けて主制御部(主基板の制御装置としての主制御手段)15と、副制御部(副基板側の制御装置としての副制御手段)16と、これら主制御部15および副制御部16の各装置に電力を供給する電源供給装置18とから構成されている。電源供給装置18は、遊技店に設けられた遊技機外のAC24V電源21に接続され、交流を直流に変換して電力を供給する。
主制御部15には、例えば、遊技機用のワンチップマイコン等で構成される主制御装置14が備えられ、主制御装置14には、プログラムを実行するCPU14a、プログラムやプログラムで使用するデータを記憶したROM14bや、ROM14bから読み出したプログラムを実行可能に記億するとともに、プログラムの実行に基づいて発生したデータやROM14bから読み出した各種データ等を記憶するRAM14cや、同期用のクロック(周波数)信号を出力するクロック14dや、変動表示ゲームの大当たり判定に用いる乱数(擬似乱数)を発生するハード乱数発生回路14e等が備えられている。
主制御装置14(CPU14a)には、パチンコ遊技機に設けられた各種センサからの信号が入力可能になっており、前述の第1および第2始動球検知センサ53a,53b、大入賞球検知センサ63、通過球検知センサ71、一般入賞球検知センサ11が接続されるとともに、パチンコ遊技機におけるエラー(例えば、磁気検知、電波検知等)を検知するエラー検知センサ19等が接続されている。
また、主制御装置14には、特定ゲート81に設けられた特定通過球検知センサ81aが接続されている。
また、主制御装置14は、パチンコ遊技機の各種装置を動作させるため各種信号を出力するようになっている。例えば、主制御装置14には、外部情報端子基板40が接続されており、この外部情報端子基板40を介して各種データを遊技機外のホールコンピュータ20に出力可能になっている。ホールコンピュータ20は、各遊技機からのデータを集中管理し、各遊技機の稼動状況を出力可能になっている。
また、主制御装置14には、副制御部16のサブ制御装置30、主制御部15の払出制御装置22等が接続され、これらに対してコマンド(制御指令)を出力可能とされている。
サブ制御装置30は、可変表示装置3における画像表示を制御する図柄制御部、演出用の後述のランプ(LED)の点灯及び消灯を制御するランプ制御装部、各種音声、効果音、音楽等の出力を制御する音声制御部としての機能を有する。
また、払出制御装置22は、賞球としての遊技球の払い出しの制御を行う払出制御部としての機能と、遊技領域2への遊技球の発射を制御する発射制御部としての機能を有する。
また、主制御装置14には、第1および第2特図表示装置4a,4bと普図表示装置8と状態表示装置9が接続され、主制御装置14が第1および第2特図表示装置4a,4bにおける第1変動表示ゲーム、第2変動表示ゲームの表示制御と、普図表示装置8における普図の変動表示ゲームの表示制御と、状態表示装置9における上述の各種の状態を示すLEDの表示制御とを行う。
また、主制御装置14には、普通変動入賞装置5の可動片51,51を駆動する普通可変入賞駆動装置55が接続されている。また、主制御装置14には、特別変動入賞装置6の可動扉62を駆動する特別可変入賞駆動装置64が接続されている。この主制御装置14が、普通変動入賞装置5、特別変動入賞装置6の開閉動作を制御する。
主制御装置14は、パチンコ遊技機における遊技の進行を制御するもので、第1および第2始動球検知センサ53a,53b、大入賞球検知センサ63、一般入賞球検知センサ11から遊技球の検知信号が入力された場合、すなわち、各入賞口に遊技球が入賞した場合に、払出制御装置22にコマンドを出力して、賞球として遊技球の排出を行なう。
また、主制御装置14は、通過球検知センサ71から遊技球の検知信号が入力した場合に、普図保留数が上限未満ならば、上述の普図保留数に1加算する処理を行うとともに、普図ゲームの当たり外れを決定する抽選処理で用いられる各種乱数を取得し、乱数を記憶する。なお、この乱数は、主制御装置14で生成されるソフト乱数である。また、主制御装置14は、上述の所定の開始条件にしたがって普図ゲームを開始し、普図保留数を1減算する。この際に乱数による抽選処理によって、普図ゲームの当たり外れを決定し、この決定に基づいて当たりまたははずれになる普図ゲームを普図表示装置8に表示する。
また、主制御装置14は、第1および第2始動球検知センサ53a,53bからの始動入賞信号の入力に基づいて、第1変動表示ゲームの第1保留数および第2の変動表示ゲームの第2保留数が上限未満の場合に、上述の第1および第2保留数の加算処理を行い、変動表示ゲームが開始される際に減算処理を行う。また、変動表示ゲームの大当り外れを決定する抽選処理で用いられる抽選決定情報としての各種乱数(当たり判定乱数、図柄乱数(当たり種類乱数)、演出乱数)を取得し、当該乱数をRAM14cに記憶する。なお、後述のラウンド乱数を、始動入賞信号の入力時に取得してもいいが、この実施形態では、上述の第1ゲート通過信号または第2ゲート通過信号が主制御装置14に入力した際に取得する。
なお、当たり判定乱数は、上述のハード乱数を用い、その他は上述のソフト乱数を用いる。また、前記抽選処理によって、当たり判定乱数に基づいて第1および第2変動表示ゲームの大当りおよびはずれを決定し、第1および第2特図表示装置4a,4bを制御して第1および第2変動表示ゲームを表示するとともに、可変表示装置3における装飾図柄の変動表示ゲームの表示や結果の報知や演出のためにサブ制御装置30にコマンドを出力する。
主制御装置14で設定されている第1変動表示ゲームの所定の開始条件は、前の第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームがはずれで終了した際と、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームが大当りになったことにより、特別変動入賞装置6を開放する大当たり遊技状態になり、この大当たり遊技状態が終了した際とのいずれかにおいて、第2保留数が0で、第1保留数が1以上になっている場合と、第1変動表示ゲーム、第2変動表示ゲーム、大当たり遊技状態のいずれでもない場合に、第1始動入賞信号が入力して第1保留数が1になった場合(第2保留数は0)である。
主制御装置14で設定されている第2変動表示ゲームの開始条件は、前の第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームがはずれで終了した際と、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームが大当りになったことにより、特別変動入賞装置6を開放する大当たり遊技状態になり、この大当たり遊技状態が終了した際とのいずれかにおいて、第2保留数が1以上になっている場合と、第1変動表示ゲーム、第2変動表示ゲーム、大当たり遊技状態のいずれでもない場合に、第2始動入賞信号が入力して第2保留数が1になった場合である。
また、主制御装置14は、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲーム開始から上述の演出乱数を用いた抽選により決定される変動パターンに設定された変動表示時間に、特図(停止図柄)を停止表示する所定の停止表示時間を加えたゲーム時間が終了した際に第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームを終了させる。したがって、主制御装置14は、変動表示ゲームの開始と終了を制御する遊技制御手段として機能する。
また、主制御装置14は、普図ゲームが当たりになった場合に、普通変動入賞装置5の可動片51,51を駆動する普通可変入賞駆動装置55を制御して普通変動入賞装置5を閉状態から開状態とする制御を行う。また、主制御装置14は、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームが大当りになった場合、すなわち、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームが大当たりを報知して終了した場合に、特別条件を成立させ、例えば、特別条件フラグを立てる。
この特別条件が成立している状態で、遊技球が特定ゲート81を通過し、特定通過球検知センサ81aから、ゲート通過信号が最初に入力した場合に、特別変動入賞装置6の可動扉62の特別可変入賞駆動装置64を制御して所定の条件に基づいて特別変動入賞装置6を閉状態から開状態に可変させて大当たり遊技状態を発生させる制御を行う。
なお、第1ゲート通過信号または第2ゲート通過信号が入力した際に、特別条件フラグはリセットされ、特別条件が成立していない状態になる。また、上述のように、ゲート通過信号が入力した際に、主制御装置14は、ラウンド数を抽選で決める場合に用いられるラウンド乱数を取得する。なお、特定ゲート81通過に基づいて複数のラウンド数から一つのラウンド数を決定する抽選を行わない機種においては、ラウンド乱数を取得する必要はない。
また、当たり抽選手段としての主制御装置14は、前述の始動入賞信号に基づいて第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームが大当りになるかはずれになるかを決める抽選処理を行う。
また、主制御装置14は、大当りとはずれとのいずれかを示す第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームを順次表示する際に、確変遊技状態等の発生に基づいて前記抽選処理により第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームが大当りになる確率を低確率状態より高い高確率状態へ移行し、通常遊技状態の発生に基づいて前記抽選処理により第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームが大当りになる確率を高確率状態より低い低確率状態に移行する移行制御を行う。また、この際には、変動表示ゲームの変動表示時間を短くする時間短縮処理を行う。
また、主制御装置14は、高確率状態としての確変遊技状態となった際に、普図の変動表示ゲームの当たり確率を通常より高確率にし、普図の変動表示ゲームの変動表示時間を通常より短くした電チューサポート状態(電サポ状態)にする。一般的なパチンコ遊技機では、電サポ状態において、普図の変動表示ゲームが当たりとなった場合の普通変動入賞装置5の開放時間を通常より長く(開放回数を通常より多く)しているが、この例では、電サポ状態ではない通常状態としての非電サポ状態でも一般的なパチンコ遊技機より普通変動入賞装置5の開放時間が長くなっている。
例えば、この実施形態では、電サポ状態および非電サポ状態のいずれにおいても、普図ゲームが当たりになった場合の普通変動入賞装置5の開放時間が、例えば5秒にされている。なお、非電サポ状態において、普通変動入賞装置5を5秒開放すると、普通変動入賞装置5への遊技球の入賞数が多くなりすぎてしまうので、例えば、非電サポ状態における普図ゲームの当たり確率を低くして、賞球数の増加を抑制している。例えば、電サポ状態の普図ゲームの当たり抽選確率が1.00/1.01なのに対して、非電サポ状態の普図ゲームの当選確率が1/50とされており、例えば、一般的なパチンコ遊技機の1/2から1/5程度、普図ゲームの当たりの抽選確率が低くされている。
この例では、電サポ状態として、確変遊技状態と、時短遊技状態とが発生する。確変遊技状態では、上述の普図ゲームの電サポ状態に加えて、特図の第1および第2変動表示ゲームの変動表示時間を通常より短く(時間短縮)するとともに、第1および第2変動表示ゲームの抽選確率を上述のように高確率状態としている。
時短遊技状態は、第1および第2変動表示ゲームの抽選確率を低確率状態とした以外は、確変遊技状態と同様の状態になっている。
また、電サポ状態を含む確変遊技状態の開始条件は、第1または第2変動表示ゲームが確変大当たりを報知して終了し、この大当たりに基づいて開始される大当たり遊技状態が終了した際に確変遊技状態が発生する。なお、確変遊技状態とするか否かは、主制御装置14の抽選(例えば、図柄乱数を用いた大当たりの種類の抽選等)で決定される。
また、確変遊技状態の終了条件は、基本的には、大当たり遊技状態の発生であるが、この実施形態では、大当たりになる第1または第2変動表示ゲームが終了して大当たり遊技状態になっても、特別変動入賞装置6が開閉動作せず、特定ゲート81を遊技球が通過した際に、特別変動入賞装置6が開閉動作する実質的な大当たり遊技状態が開始される。そこで、この実施形態では、確変遊技状態の終了条件は、第1または第2変動表示ゲームが大当たりを報知して終了して特別条件が成立した後に、特定ゲート81を遊技球が通過したことを特定通過球検知センサ81aが検知し、特定通過球検知センサ81aからゲート通過信号が主制御装置14に入力された場合である。
電サポ状態を含む時短遊技状態の開始条件は、第1または第2変動表示ゲームが通常大当たりを報知して終了し、この大当たりに基づいて開始される大当たり遊技状態が終了した際に時短遊技状態が発生する。
また、時短遊技状態の終了条件は、所定回数目になる第1および第2変動表示ゲームが終了した際と、確変遊技状態と同様に、特別条件成立後にゲート通過信号が主制御装置14に入力した場合である。
特別条件成立後に特定ゲート81に遊技球を通過させるには、普図ゲームで当たりを発生させて普通変動入賞装置5を開状態にする必要がある。この際に、大当たり遊技状態の発生前の状態が電サポ状態(確変遊技状態または時短遊技状態)であれば、特定ゲート81を遊技球が通過するまで電サポ状態が保持される。これにより、特別条件成立後に短期間で特定ゲート81に遊技球を通過させることができる。
また、大当たり遊技状態の発生前の状態が非電サポ状態(通常遊技状態)であれば、特別条件成立後もそのまま非電サポ状態が維持され、普図ゲームの変動表示時間が長く、かつ、普図ゲームの当たり確率が低確率のままになり、特別条件成立後に特定ゲート81を遊技球が通過するまでに長い時間がかかる虞がある。
この非電サポ状態で、さらに、普通変動入賞装置5の開放時間を短くしてしまうと、普図ゲーム当たりになって普通変動入賞装置5が開状態になっても、普通変動入賞装置5に遊技球が流入しない場合が多くなってしまう。そこで、この実施形態では、非電サポ状態でも、普通変動入賞装置5の開放時間が電サポ状態と同様に長くなっており、普通変動入賞装置5が開放した際に、遊技者が適切に遊技球を発射していれば、ほぼ100%の確率で普通変動入賞装置5に遊技球を流入させることができる。
これにより、特別条件が成立した状態で、普図ゲームが当たりになれば、特定ゲート81に遊技球を通過させて、特別変動入賞装置6の開閉動作を開始可能であり、普図ゲームの当たり確率だけではなく、非電サポ状態の普通変動入賞装置5の入賞率(普通変動入賞装置5の開放時間)が特別変動入賞装置6の開閉動作の開始を遅らせるのを防止している。これにより、特別変動入賞装置6の開閉動作が開始する確率には、主に変動表示ゲームの大当たり抽選確率と、普図ゲームの当たり抽選確率とが係わることになる。
また、副制御部16のサブ制御装置30は、制御装置としてCPU30a、ROM30b、RAM30c等を備える。このサブ制御装置30は、図柄制御部として可変表示装置3を制御するものであり、可変表示装置3がグラフィックプロセッサ38を介して接続されている。
主制御装置14により決定された各大当りおよびはずれと、変動パターンとしての変動表示時間等に基づいて、サブ制御装置30により装飾図柄の変動表示ゲームの可変表示装置3における表示が制御される。
また、サブ制御装置30は、ランプ制御部として遊技盤1の盤面に設けられた盤面ランプ32と、パチンコ遊技機のガラス扉に設けられたガラス扉ランプ33とが接続され、これら盤面ランプ32、ガラス扉ランプ33としてのLEDの点灯や消灯による演出を制御する。
また、サブ制御装置30は、音声制御装部としてサウンドプロセッサ34およびアンプを介してスピーカ35が接続され、演出用の効果音、音声、音楽等の出力を制御する。
また、サブ制御装置30には、パチンコ遊技機の上皿の近傍等に設けられた演出ボタン36が接続され、演出ボタン36が有効な状態で演出ボタン36が操作された場合に、演出ボタン36(スイッチ)からのオン信号がサブ制御装置30へ送られ、サブ制御装置30が演出ボタン36が操作された場合のために用意されている演出用の画像表示や音声出力を制御する。
また、遊技盤1に演出可動役物が設けられる場合に、サブ制御装置30は、この演出可動役物を作動させる演出可動役物駆動装置37を制御することにより、演出可動役物による遊技演出を制御する。
払出制御装置22は、制御装置としてCPU22a、ROM22b、RAM22c等を備える。この払出制御装置22は、払出制御部として、払出装置29が接続され、上述のように遊技球の入賞に基いて、主制御装置14から出力されるコマンドに対応して払出装置29を制御して、賞球を払い出させる。
また、払出制御装置22には、ガラス扉および遊技盤1を収納する内枠の開放を検知する扉開放スイッチ41、払い出された遊技球を保持する皿(例えば、上皿や下皿)に溜まった遊技球が満タンになったことを検知する皿満タンスイッチ42が接続され、これら扉開放スイッチ41、皿満タンスイッチ42からの信号に基づき、払出装置29からの払出や、発射装置からの遊技球の発射が制限される。
また、払出制御装置22は、払出装置29から払い出される遊技球の数を計数する払出計数スイッチ43が接続され、実際に払い出された遊技球の数が計数され、この計数結果に基いて払い出すべき遊技球が払い出されるように払出装置29を制御する。
また、払出制御装置22には、中継基板23が接続され、この中継基板23に、遊技機外に設けられて、挿入されたプリペイドカード(記録媒体)のデータを読み込んで遊技球の貸出制御を行うためのCRユニット28が接続されている。
また、この中継基板23には、遊技機の例えば、上皿の近傍に設けられる球貸スイッチ24、返却スイッチ25、度数表示装置26、球貸表示装置27が接続されている。
度数表示装置26には、CRユニット28に読み込まれたプリペイドカードに記億されて遊技球に変換可能な度数が表示される。度数に残りがある状態で、球貸スイッチ24が操作されると払出制御装置22の制御により、度数の範囲内の設定された度数に対応する数の遊技球が払い出される。球貸表示装置27では、遊技球が払い出される際にLEDが点灯する。度数表示装置26に表示される度数に残りがある状態で、返却スイッチ25が操作されると、CRユニット28に挿入されたプリペイドカードが返却される。
また、払出制御装置22は、発射制御部として遊技球発射装置を駆動する発射駆動装置39と、遊技球発射装置の遊技球の発射位置に遊技球を送る球送り装置を駆動する球送り駆動装置47が接続されている。これら球送り駆動装置47および発射駆動装置39を作動させることによって、上皿から供給される遊技球を遊技領域2に向けて発射する制御を行う。
また、発射制御部としての払出制御装置22には、遊技球の発射を操作するためのハンドル操作に基いて、発射駆動装置39に供給される電力を変更するための発射ボリューム44が接続され、遊技者のハンドル操作により発射ボリューム44が調整されることにより遊技球発射装置から発射される遊技球の発射勢が調整される。
また、払出制御装置22には、発射停止スイッチ45、タッチセンサ46が接続され、発射停止スイッチ45が操作された場合と、タッチセンサ46で操作者の手のタッチが検知されない場合に、球送り駆動装置47および発射駆動装置39を停止することにより、遊技球の発射を停止する。
また、払出制御装置22は、外部情報端子基板40を介してホールコンピュータ20にデータを出力可能に接続されている。
このような遊技機の制御系において、主制御装置14では、上述のように第1始動入賞信号が入力された場合、または、第2始動入賞信号が入力された場合に、乱数の取得処理が行われる。主制御装置14は、ハード乱数発生回路14eから第1および第2変動表示ゲームの大当たりの抽選用のハード乱数を取得するとともに、その他の抽選用のソフト乱数を生成して取得する。なお、始動入賞信号が入力された際に、上述の対応する保留数が上限未満の場合に乱数を取得するが、対応する保留数が上限の場合には、乱数を取得しない。
また、主制御装置14は、上述のように取得した乱数をRAM14cに記憶し、この乱数に対応する変動表示ゲームの開始条件が成立し、記憶された乱数による抽選処理が行われた場合に乱数消去条件が成立したものとして乱数を消去し、第1または第2変動表示ゲームに用いた第1または第2保留数が一つ減算される。
主制御装置14は、変動表示ゲーム開始の際に、上述のように取得された乱数(当たり判定乱数、図柄乱数、演出乱数)を用いて第1および第2変動表示ゲームを表示するための抽選処理を行う。抽選処理においては、まず、当否抽選処理として、当たり判定乱数と、設定されている当たり判定テーブル(低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブル)に記憶された当たり判定値(抽選要素)とを比較する。主制御装置14のROM14bには、当たり判定テーブルが記憶されている。
当たり判定値は、当たり判定乱数になる所定範囲の数値(整数)のうちから予め決められた数値であり、大当り確率は、(当たり判定値の数)/(当たり判定乱数になる所定範囲の数値の個数)になる。また、当たり判定値には、当たり確率が低確率になる通常時の低確率判定テーブルに記憶された当たり判定値と、確変決定後の高確率時の高確率判定テーブルに記憶された当たり判定値とがあり、通常時(低確率時)の当たり判定値の数に対して、高確率時の当たり判定値の数が例えば約10倍多く設けられている。これにより、低確率時に対して高確率時の大当り確率が例えば約10倍に設定されている。
取得された当たり判定乱数の数値と、当たり判定値とが一致した場合に、大当りになり、一致しない場合にはずれになる。
また、低確率判定テーブルを用いるか、高確率判定テーブルを用いるかは、上述のように制御される確率状態が高確率状態か低確率状態かにより、主制御装置14で決定される。
大当りと判定された場合には、主制御装置14により、大当たりになる変動表示ゲーム終了後に大当たり遊技状態が発生する。
当否判定処理の次に、停止図柄抽選処理が行われる。図柄乱数は、第1および第2特図表示装置4a,4bに停止表示される停止図柄(特図)の種類を決定するものであるが、変動表示ゲームがはずれの場合には、はずれに対応した例えば一種類の特図が決定される。大当りの場合には、各大当りの種類にそれぞれ対応して複数種類ずつの特図が設定され、これら特図から1つの特図が抽選で選択される。
なお、この実施形態では、大当たりの種類として、例えば、上述の確変大当たりおよび時短遊技状態の発生を伴う通常大当たりとがある。
図柄抽選処理の次に、変動パターン抽選手段としての主制御装置14では、変動パターン(演出)抽選処理が行われる。
上述の演出乱数は、変動表示ゲームの変動表示時間を含む変動パターンを決定するものであり、はずれの場合にリーチになるか否か、また、リーチの場合に変動表示時間が短いノーマルリーチか、変動表示時間の長いスーパーリーチやプレミアムリーチになるか(リーチ演出の種類)を決定するものである。
また、大当りの場合は、ノーマルリーチかスーパーリーチやプレミアムリーチなどのリーチの演出の種類を決定するものになる。なお、主制御装置14は、変動パターンの選択に際して、複数の変動パターンと、複数の変動パターンそれぞれに抽選確率の数に対応して関連付けられている判定値との組み合わせからなる変動パターンテーブルに従って抽選を行い、変動パターンを選択する。
変動パターンテーブルは、例えば、大当り用と、はずれ用とがあり、変動パターン記憶手段としての主制御装置14のROM14bに記憶されている。各変動パターンテーブルでは、各変動パターン毎に判定値が割り当てられており、各変動パターンに割り当てられた判定値の個数で、抽選確率が決定される。各判定値は、演出乱数になる数値の範囲に含まれる整数であり、抽選確率は、演出乱数になる数値の範囲に含まれる全ての整数の個数を分母とし、各変動パターンに割り当てられた判定値の個数を分子とした数値である。
変動パターンテーブルは、さらに、通常遊技状態用と、確変遊技状態などの電サポ状態用とに分けられる。基本的には、はずれの通常遊技状態用の変動パターンテーブルに比較して、はずれの電サポ状態用の変動パターンテーブルには変動表示時間が短い変動パターンが記憶されている。また、リーチになる変動パターンの場合に、短い変動表示時間のリーチが多くなるとともに、長いリーチ演出の場合には、スーパーリーチやプレミアムリーチになる演出が増加するようになっている。この確変遊技状態(電サポ状態)は、変動表示ゲームで確変大当たりとなって大当たり遊技状態が発生して終了した際に開始され、再び大当たり遊技状態が開始されると終了し、この大当たり遊技状態を発生させた大当たりが確変大当たりならば、再び確変遊技状態になり、通常大当たりなら通常状態(非確変遊技状態)になる。
次に、このようなパチンコ遊技機の主制御装置14で行われる電サポ状態管理処理について図3のフローチャートを参照して説明する。
この処理は、普通変動入賞装置5に遊技球を入球し易くする援助を行った状態である入球援助状態としての電サポ状態(確変遊技状態、時短遊技状態)と、前述の援助を行わない入球通常状態としての非電サポ状態(通常遊技状態)との切り替えを行うためのもので、上述の確変遊技状態および時短遊技状態の開始条件と終了条件にしたがっている。
まず、確変遊技状態になっていることを示す確変フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1)。確変フラグがセットされている場合には、現状が確変遊技状態であり、確変遊技状態を終了させるか継続させるかを決定する処理が行われる。
すなわち、確変フラグがセットされている場合には、次に特別条件が成立している(後述の特別条件フラグがセットされている)か否かを判定する(ステップS2)。
特別条件が成立していない場合には、特定ゲート81を遊技球が通過しても特別変動入賞装置6が開閉動作しないので、処理を終了する。
特別条件が成立している場合には、普図ゲームが当たりになって普通変動入賞装置5が開放しているか否かを判定する(ステップS3)。普通変動入賞装置5が閉塞している場合には、特定ゲート81を遊技球が通過できないので、処理を終了する。
普通変動入賞装置5が開放している場合には、特定ゲート81を通過する遊技球を特定通過球検知センサ81aが検知してゲート通過信号が主制御装置14に入力しているか否かを判定する(ステップS4)。ゲート通過信号が入力していない場合は処理を終了する。
ゲート通過信号が入力している場合には、確変フラグをリセットし、確変状態を終了して、第1および第2変動表示ゲームの大当たり確率を高確率から低確率に変更するとともに変動表示時間を短縮せずに長くし、かつ、電サポ状態を非電サポ状態とし、普図ゲームの当たり確率を低確率にし、普図ゲームのゲーム時間を短縮した状態から長い状態に戻す(ステップS5)。
ステップS1で確変フラグがセットされていない場合には、時短遊技状態の際にセットされる時短フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS6)。
時短遊技状態で時短フラグがセットされている場合には、所定数の変動表示ゲームを消化したタイミングか否かを判定する(ステップS7)。所定数の変動表示ゲームを消化した場合、たとえば、所定回数目として100ゲーム目のゲームが実行されて終了された際に、ステップS11に移行して時短遊技状態を終了する。
また、所定回数目の第1または第2変動表示ゲームが消化されるタイミングでない場合には、次に特別条件が成立しているか否かを判定する(ステップS8)。特別条件が成立していない場合には、処理を終了する。
特別条件が成立している場合には、普通変動入賞装置5が開放しているか否かを判定する(ステップS9)。普通変動入賞装置5が閉塞している場合には、処理を終了する。
普通変動入賞装置5が開放している場合には、特定ゲート81を通過する遊技球を特定通過球検知センサ81aが検知してゲート通過信号が主制御装置14に入力しているか否かを判定する(ステップS10)。ゲート通過信号が入力していない場合は処理を終了する。
上述のように所定回数目の変動表示ゲームが消化された場合と、ゲート通過信号が入力している場合には、時短フラグをリセットして、時短遊技状態を終了して通常遊技状態になる。この場合には、特図の変動表示ゲームの変動表示時間と、普図ゲームの変動表示時間とを短くする時間短縮処理を解除し、普図ゲームの当たり確率を高確率から低確率にする。
また、確変フラグも時短フラグもセットされていない場合、すなわち、電サポ状態ではない場合には、確変大当たりの大当たり遊技状態が終了したか否かを判定し(ステップS12)、大当たり遊技状態が終了する場合には、確変フラグをセットし、確変遊技状態を開始する(ステップS13)。
また、確変大当たりの大当たり遊技状態の終了でない場合には、通常大当たりの大当たり遊技状態の終了か否かを判定する(ステップS14)。
通常大当たりの大当たり遊技状態が終了する場合には、時短フラグをセットし、時短遊技状態を開始する。
このような処理により、上述の確変遊技状態および時短遊技状態それぞれの開始条件および終了条件に基づいて、確変遊技状態または時短遊技状態を開始して終了することができる。
次に、主制御装置14で行われる大当たり遊技開始制御処理を図4のフローチャートを参照して説明する。
まず、特別条件が成立した場合にセットされる特別条件フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS21)。
特別条件フラグがセットされていない場合には、大当たりの第1または第2変動表示ゲームが終了したタイミングか否かを判定する(ステップS22)。
大当たりの変動表示ゲームが終了したタイミングでない場合には、処理を終了する。
大当たりの変動表示ゲームが終了した場合には、特別条件が成立したものとして特別条件フラグをセットする(ステップS23)。
ステップS21で、特別条件フラグがセットされている場合、すなわち、特別条件が成立している場合と、ステップS23で特別条件が成立して特別条件フラグがセットされた場合には、普図ゲームが当たりになって普通変動入賞装置5が開放しているか否かを判定する(ステップS24)。開放していない場合には、特定ゲート81に遊技球を通過させることができないので、処理を終了する。
普通変動入賞装置5が開放している場合には、普通変動入賞装置5に遊技球が流入して特定ゲート81を通過して、特定通過球検知センサ81aからゲート通過信号が入力しているか否かを判定する(ステップS25)。特定ゲート81を遊技球が通過して、ゲート通過信号が主制御装置14に入力した場合には、特別条件フラグをリセットし(ステップS26)、例えば、ラウンド数として16ラウンドをセットして特別変動入賞装置の開閉動作を制御する処理を開始させる(ステップS27)。
これらの電サポ状態管理処理と、大当たり遊技状態開始制御処理とに基づいて、図5に示すように、各遊技状態における普図や特図の変動表示ゲームの抽選確率が変化するとともに、変動表示時間の短縮や非短縮が変化するが、上述のように大当たり遊技状態開始前が電サポ状態の場合に、特別条件成立後に特定ゲート81を遊技球が通過するまで(ゲート通過信号が主制御装置14に入力するまで)、電サポ状態が維持されるようになっている。
図5に示すタイムチャートでは、右側が電サポ状態で大当たりが発生した場合を示し、左側が非電サポ状態で大当たり状態が発生した場合を示す。
一番上の段では、最初に大当たりになる変動表示ゲームが開始されて停止される。この大当たりになる変動表示ゲームが停止した際に、二段目に示すように大当たり遊技状態が開始される。すなわち、パチンコ遊技機における所謂条件装置が作動する。しかし、条件装置が作動しても6段目に示す特別変動入賞装置は開閉動作を開始しない。すなわち、パチンコ遊技機における所謂役物連続作動装置は、作動開始しない。
図5の3段目に示すように、普図ゲームが当たりとなって、4段目に示すように普通変動入賞装置5が開状態になり、この開状態の普通変動入賞装置5に遊技球を流入させると、遊技球が特定領域としての特定ゲート81を通過し、5段目に示すように特定通過球検知センサ81aからゲート通過信号が主制御装置14に入力する。
これにより、特別条件が成立後(条件装置作動後)に特定ゲート81を遊技球が通過し、6段目に示すように、役物連続作動装置が作動し、特別変動入賞装置が開閉動作を開始することになる。
この際に、右側に示す電サポ状態では、大当たり遊技状態が開始(条件装置が作動)しても、7段目に示す変動表示ゲームの大当たり確率(条件装置が作動する確率でもある)、役物連続作動装置が作動するまで、高確率状態が維持される。また、8段目に示すように特図の変動表示ゲームが時短状態を維持される。また、9段目に示すように、普図ゲームの当たり確率が高確率に維持される。なお、この際に普図ゲームは、時間短縮状態として、ゲーム時間が短くなっている。
なお、非電サポ状態では、大当たり遊技状態開始前が非電サポ状態となっているので、大当たり遊技状態が開始された後も非電サポ状態が維持される。なお、確変遊技状態ならば、電サポ状態に加えて変動表示ゲームの大当たり確率が高確率状態になる。
また、大当たり遊技状態が終了した場合には、通常大当たりの場合に時短遊技状態として電サポ状態になり、確変大当たりならば確変遊技状態として電サポ遊技状態になる。
このような遊技機にあっては、入球通常状態(非電サポ状態)では、特別ゲームが大当たりになって、特別条件が成立した後から特定ゲート81を遊技球が通過するまで、変動入球装置としての普通変動入賞装置5が開放し難い状況になり、例えば、営業時間内において特別変動入賞装置6が開閉動作する機会が減ることになる。これに基づいて、遊技店の経営に大きな影響を与えることなく、特別変動入賞装置6が開閉動作する例えば大当たり遊技状態やその後の確変遊技状態などにより遊技者が得られる賞球数を多くすることが可能になる。また、獲得可能な賞球数を変えることなく、変動表示ゲームの大当たり確率を高くすることも可能になる。
また、入球援助状態(電サポ状態)では、普通変動入賞装置5を頻繁に開放可能にすることによって、特別条件成立後、短期間で遊技球を特定ゲート81に通過させることが可能になる。したがって、電サポ状態では、非電サポ状態に比較して、変動表示ゲームが大当たりとなった際に、特別変動入賞装置6が開閉動作するまでの時間を短縮することができ、一般的なパチンコ遊技機に近い確変遊技状態とすることができる。
なお、普通変動入賞装置5に流入した遊技球が通過する特定ゲートとして一つの特定ゲート81を設けたが、複数の特定ゲート81を設け、普通変動入賞装置5に流入した遊技球が、これら複数の特定ゲート81のいずれかに振り分けられる構成になっていてもよい。この際に可動する振り分け部材で振り分ける構成になっていてもよい。
また、この場合に、各特定ゲート81それぞれに、異なるラウンド数が割り付けられていてもよい。例えば、遊技球が通過したら16ラウンドの大当たり遊技状態が発生する特定ゲート81と、10ラウンドの大当たり遊技状態が発生する特定ゲート81とがあってもよい。また、特定ゲート81に、複数種類のラウンド数を割り当て、抽選でラウンド数を決めるようにしてもよい。
また、特定ゲート81は、始動入賞口54を備える普通変動入賞装置5に流入した遊技球が通過するようにしたが、例えば、普通変動入賞装置5に代えて始動入賞口ではなく、遊技球が入賞した場合に賞球を払い出すだけの一般入賞口を備える変動入賞装置としてもよい。さらに、普通変動入賞装置5に代えて、始動入賞口も一般入賞口も備えておらず、開状態の場合に遊技球が流入可能になるだけの装置としてもよい。
ただし、これら変動する装置(変動入球装置)は、普図ゲームが当たりとなった場合にだけ、遊技球が容易に流入可能な開状態になり、普図ゲームが当たりにならない場合に遊技球が流入できない閉状態になっている必要がある。また、変動する装置に始動入賞口を設けない場合に、始動入賞口を第1始動入賞口52だけとしてもよいし、特定ゲート81を備えていない第2始動入賞口54や普通変動入賞装置5を上述の変動入球装置と別に設けてもよい。
また、変動入球装置に、始動入賞口も入賞口も設けられていない場合には、排出口56は、入賞口に流入しなかった遊技球を遊技領域2から排出するアウト口になる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述および図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。