JP4268999B1 - 射出成形機の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱シリンダに対して比較的多くの樹脂が一度に供給された場合でも、樹脂材料がおこし状態となることを抑制し、樹脂材料の可塑化を円滑に行う。
【解決手段】先端に射出ノズルが設けられた加熱シリンダと、樹脂材料を供給するホッパと、加熱シリンダ内に配設されたスクリュとを備え、計量・貯留工程、及び射出工程を順に行う射出成形機において、計量・貯留工程におけるスクリュの設定回転数を設定させる設定回転数設定手段26と、計量・貯留工程の開始初期におけるスクリュの初期回転数を設定させる初期回転数設定手段27と、スクリュの回転数が初期回転数に到達してから設定回転数に達するまでの回転数立上り時間を設定させる立上り時間設定手段28とを具備する。そして、設定されたこれらの回転数及び時間に基づいて、スクリュの回転数を漸次上昇させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、射出成形機に関するものであり、特に、樹脂材料を溶融するとともに所定量の溶融樹脂を金型に対して射出することが可能な射出成形機に関するものである。
射出成形機として、外周部にヒータが巻かれた加熱シリンダと、この加熱シリンダの先端に設けられた射出ノズルと、加熱シリンダ内で回転可能及び軸方向に移動可能に設けられたスクリュと、シリンダの根元側に樹脂材料を供給するホッパとを具備するものが知られている。この種の射出成形機では、主に、加熱シリンダの先端部に溶融樹脂を計量しつつ貯留させる計量・貯留工程と、貯留された溶融樹脂を射出ノズルから金型に射出する射出工程とが順に行われる。
さらに詳しく説明すると、計量・貯留工程では、スクリュを回転させることで、ホッパから供給された個体状の樹脂材料が、混練されながら加熱シリンダの先端部に送られる。この際、樹脂材料には、ヒータの熱、スクリュの回転に伴う摩擦熱、及び加熱シリンダの内周面との間で発生するせん断熱等が加えられるため、樹脂材料は溶融されながら送られる。そして、加熱シリンダの先端部で蓄積される溶融樹脂の樹脂圧がスクリュの背圧よりも大きくなると、スクリュは後退し始め、これにより溶融樹脂の計量及び貯留が可能となる。一方、射出工程では、計量終了後、スクリュを軸方向に前進させることにより、型締めされた金型に対して所定の圧力で溶融樹脂を射出する。そして、これらの計量・貯留工程及び射出工程を順次繰返し行うことにより、金型に対して溶融樹脂を所定量ずつ供給し、複数の成形品を連続的に成形することが可能となる。なお、スクリュの先端部分には、チェックリングが回動可能に遊嵌されており、貯留された溶融樹脂の逆流を防止している。
特開平7−290531号
ところで、上記の射出成形機では、計量・貯留工程においてスクリュが後退する際、スクリュの一部(特に後端側)がホッパよりも後方に位置した状態となり、その部分に対して樹脂材料を供給することができなくなる(例えば図2(b)参照)。つまり、スクリュの一部が空の状態となる。なお、その後行われる射出工程では、スクリュを軸方向に前進させることから、ホッパよりも後方に位置していた部分にもある程度樹脂材料を供給することが可能となるが、この場合、スクリュを回転させずに前進させるため、スクリュの隅々まで樹脂材料を充填させることはできなかった。そして、このように隙間が多く形成された状態で再び計量・貯留工程を開始すると(すなわちスクリュを回転させると)、比較的多くの樹脂材料が一度にスクリュの内部に供給され、ひいては、その後、ヒータの熱やせん断熱が樹脂材料に加えられても、全ての樹脂材料を効率よく溶融することが困難となっていた。つまり、樹脂の加熱不足により、樹脂の表面だけが解けて互いに付着した状態(所謂「おこし状態」)となりやすく、可塑化を円滑に行うことができなくなる虞があった。
また、スクリュの先端部分に逆流防止用のチェックリングを備えるものにおいては、射出工程の際にチェックリングの上流側が負圧状態となり、溶融樹脂が充填されていない状態となることから、その後引続き行われる次回の計量・貯留工程の際、チェックリングの外周面と加熱シリンダの内周面との間に溶融樹脂が存在しない状態となることがある。そしてこれによれば、チェックリングの外周面が加熱シリンダの内周面に擦れた状態で高速回転することとなり、チェックリングの外周面が磨耗によって劣化することが懸念されていた。
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、加熱シリンダに対して比較的多くの樹脂が一度に供給された場合でも、樹脂材料がおこし状態となることを抑制し、樹脂材料の可塑化を円滑に行うとともに、チェックリングの外周面における磨耗を抑制することが可能な射出成形機の提供を課題とする。
本発明にかかる射出成形機の制御方法は、「円筒状の通路を有し該通路内を通過する樹脂材料を加熱する加熱シリンダと、
該加熱シリンダの先端に設けられた射出ノズルと、
前記加熱シリンダの根元側に個体状の樹脂材料を供給するホッパと、
前記加熱シリンダ内に配設され、回転可能で且つ軸方向に移動可能に支持されたスクリュと、
前記スクリュを回転方向及び軸方向に夫々駆動する駆動手段と、
該駆動手段によって前記スクリュを回転させることにより、前記ホッパから供給された樹脂材料を溶融しながら前記加熱シリンダの先端部に送るとともに、該先端部において蓄積される樹脂圧によって前記スクリュが後退することで、溶融樹脂を計量しつつ貯留させる計量・貯留工程、
及び前記駆動手段によって前記スクリュを軸方向に前進させることにより、前記先端部に貯留された溶融樹脂を前記射出ノズルから所定の圧力で射出させる射出工程、
を順に実行する工程実行手段と、
前記スクリュの先端部分に、回動可能で且つ前記スクリュの軸方向に所定量移動可能な状態で遊嵌され、前記加熱シリンダの前記先端部に蓄積される溶融樹脂の逆流を防止するチェックリングと、
前記計量・貯留工程における前記スクリュの設定回転数を設定させるための設定回転数設定手段と、
前記計量・貯留工程の開始初期における前記スクリュの初期回転数を設定させるための初期回転数設定手段と、
前記計量・貯留工程において前記スクリュの回転数が前記初期回転数に到達してから前記設定回転数に達するまでの回転数立上り時間を設定させるための立上り時間設定手段と
を具備する射出成形機を用いて、
業者によって設定された前記初期回転数、前記設定回転数、及び前記回転数立上り時間を基に前記駆動手段を制御し、溶融樹脂が前記加熱シリンダの前記先端部に送られ樹脂圧による前記スクリュの後退が可能になるまでの間、前記スクリュの回転数を漸次上昇させる」ことを特徴とするものである。
ここで、「駆動手段」としてはサーボモータを例示することができる。また、夫々の設定手段の構成は特に限定されるものではなく、例えば可変抵抗器やエンコーダを用いたアナログ式の設定器であってもよく、スイッチの押圧操作によって数値を直接入力したり設定値を増減させるデジタル式の設定器であってもよい。さらに、入力方法は、手動操作に限らず、音声等による入力であってもよい。
本発明の射出成形機によれば、計量・貯留工程では、ホッパから樹脂材料を供給しつつ、駆動手段によってスクリュを回転させる。すると、ホッパから供給された樹脂材料は、加熱シリンダからの熱、スクリュの回転に伴う摩擦熱、及びせん断熱によって加熱されながら、加熱シリンダの先端部に向って送られる。そして、先端部において蓄積される溶融樹脂の樹脂圧がスクリューの背圧よりも高くなると、その樹脂圧によってスクリュが後退し始め、その結果、加熱シリンダの先端部において溶融樹脂を計量しつつ貯留させることが可能になる。
また、本発明では、計量・貯留工程における設定値(数値)を作業者に設定または選択させるために少なくとも三つの設定手段、すなわち設定回転数設定手段、初期回転数設定手段、及び立上り時間設定手段が備えられており、スクリュの設定回転数、初期回転数、及び回転数立上り時間を個々に設定させることが可能となっている。ここで、初期回転数とは、計量・貯留工程の開始初期におけるスクリュの回転数であり、設定回転数よりも小さな数値である。また、回転数立上り時間は、スクリュの回転数が初期回転数に到達してから設定回転数に達するまでの時間であり、例えば2秒〜6秒の間で設定することが可能である。
そして、作業者によって初期回転数、設定回転数、及び回転数立上り時間が設定されると、回転数制御手段は、これらの設定値を基に駆動手段を制御し、計量・貯留工程におけるスクリュの回転数を漸次上昇させる。つまり、従来の射出成形機では、計量・貯留工程を行う際、スクリュの回転数は起動時から設定回転数になるように制御されているのに対し、本発明では、スクリュの回転数を初期回転数から設定回転数に向って漸次上昇させている。このため、樹脂材料が加熱シリンダの先端部に移送されるまで、すなわち樹脂圧によってスクリュが後退し計量及び貯留が可能になるまで樹脂材料を比較的ゆっくりと送ることが可能となり、加熱シリンダの中に一度に多くの樹脂材料が供給されることを抑制できる。しかも、たとえ多くの樹脂材料が供給されることがあっても、それらの樹脂材料に対して加熱シリンダの熱やスクリュの回転による摩擦熱及びせん断熱を効果的に加えることができ、ひいては樹脂材料がおこし状態となることを抑制し、円滑な可塑化が可能になる。
また、計量・貯留工程の開始初期に、チェックリングの上流側に溶融樹脂が充填されていない空間が生じても、その空間内に溶融樹脂が充填されるまで、スクリュの回転数は高速回転数(すなわち設定回転数)にはならない。換言すれば、チェックリングの外周面と加熱シリンダの内周面との間に溶融樹脂を十分に供給できる状態になってから、スクリュの回転数を設定回転数に到達させる。したがって、チェックリングの外周面が加熱シリンダの内周面に擦れた状態で高速回転することを防止し、チェックリングの磨耗を極力低減することが可能になる。
特に、本発明では、各設定値を作業者に設定させることで、スクリュの回転数が設定回転数になるまでの上昇変化度合を、溶融樹脂の射出量や樹脂の種類(例えば粘度の違い)に応じて設定することが可能になる。したがって、溶融樹脂の射出量や樹脂の種類が変わっても、常に適切な条件で制御することができ、円滑な可塑化を可能にするとともに、チェックリングの磨耗を低減し、しかもスクリュの回転数が設定回転数に達するまでの時間が必要以上に長くなることを防止できる。
また、本発明の射出成形機の制御方法において、「記初期回転数から前記設定回転数に達するまで、前記スクリュの回転数を等加速度で上昇させる」ようにしてもよい。
これによれば、スクリュの回転数を等加速度で上昇させることから、初期回転数から設定回転数に達するまで回転数が直線的に変化する。このため、段階的(階段状)に変化させるものに比べて、スクリュの回転を滑らかに立ち上げることができるとともに、駆動手段の制御を簡素化することができる。
このように、本発明の射出成形機によれば、加熱シリンダに対して多くの樹脂が一度に供給されることを抑制できる。また、たとえ比較的多くの樹脂が供給されることがあっても、樹脂材料がおこし状態となることを抑制し、樹脂材料の可塑化を円滑に行うことができる。また、チェックリングが加熱シリンダの内周面に接した状態では高速回転しないため、チェックリングの磨耗を低減することができる。また、各設定値を作業者に設定させることで、スクリュの回転数が設定回転数になるまでの変化を、溶融樹脂の射出量や樹脂の種類に応じて設定することが可能になり、溶融樹脂の射出量や樹脂の種類が変わっても、常に適切な条件で制御することができる。
以下、本発明の一実施形態である射出成形機について、図1乃至図5に基づき説明する。図1は射出成形機の概略構成を示す模式図であり、図2は計量・貯留工程、及び射出工程の動作を示す説明図であり、図3はスクリュの駆動制御に関するブロック図であり、図4は射出成形機における操作盤の一例を示す説明図であり、図5はスクリュの回転数と時間との関係を表すグラフである。
[射出成形機1の全体構成について]
図1に示すように、本例の射出成形機1は、樹脂通路2aを内部に有する略円筒状のシリンダ2と、シリンダ2の先端部分に設けられた射出ノズル3と、シリンダ2の外周面に巻かれたヒータ4と、シリンダ2の根元側の上部に貫通状態で接続されたホッパ5と、シリンダ2の樹脂通路2aに配設されたスクリュ6とを具備して構成されている。なお、射出ノズル3はシリンダ2と一体に成形されもよく、シリンダ2の先端部に着脱可能に取着されてもよい。
ここで、ヒータ4は樹脂通路2aを通る樹脂材料Kを外部から加熱するものであり、シリンダ2と組合せることにより本発明の加熱シリンダとして機能している。なお、樹脂材料Kには、ヒータ4の熱だけではなく、スクリュ6の回転に伴う摩擦熱、及びシリンダ2の内周面との間で発生するせん断熱も加えられ、これらの熱により樹脂材料Kは溶融されながら送られる。ここで、樹脂通路2aが本発明の通路に相当する。
ホッパ5は、個体状の樹脂材料K(例えば樹脂ペレット)を貯えるとともに、底面に設けられた供給口(図示しない)からシリンダ2の根元側に、重力を利用して樹脂材料Kを供給するものである。つまり、ホッパ5の下方の樹脂通路2aに空隙が生じると、その部分に対して樹脂材料Kを落とし込むことにより、樹脂通路2a内に樹脂材料Kを充填させる。
スクリュ6は、表面に螺旋溝が形成されており、樹脂通路2aの略全域に亘って配置される長さに設定されている。また、スクリュ6は、回転可能で且つ軸方向に移動可能(進退可能)に支持されており、詳細は後述するが、スクリュ6を回転させることで、ホッパ5から供給された樹脂材料Kをシリンダ2の先端部2bに送ることが可能になり、スクリュ6を前進させることで、先端部2bに貯留された樹脂材料(溶融樹脂Y)を射出ノズル3から所定の圧力で射出させることが可能になる。なお、スクリュ6には射出ノズル3側に向って所定の圧力(すなわち背圧)が加えられており、スクリュ6を回転させた際にスクリュ6の推進力によってスクリュ6が後退しないようになっている。
スクリュ6を回転させる手段として、回転用モータ9及び回転伝達機構10を具備している。回転用モータ9は、その出力軸9aを一定方向に回転させるサーボモータからなり、第一モータ駆動回路30(図3参照)によって回転制御される。回転伝達機構10は、回転用モータ9の回転をスクリュ6に伝達するものであり、スクリュ6の軸6cに接続された従動プーリ11と、回転用モータ9の出力軸9aに連結された駆動プーリ12と、駆動プーリ12及び従動プーリ11を繋ぐ無端のベルト13とから構成されている。つまり、回転用モータ9が一定方向に回転すると、ベルト13及び二つのプーリ11,12を介してスクリュ6に回転力が伝達され、スクリュ6は回転用モータ9の回転数に応じた速度で回転する。
一方、スクリュ6を軸方向に移動させる手段として、進退用モータ15及び軸方向移動機構16を具備している。進退用モータ15はサーボモータからなり、第二モータ駆動回路31(図3参照)によって回転数及び回転方向が制御される。軸方向移動機構16は、進退用モータ15の回転運動をスクリュ6の軸方向への直線運動(特に前進運動)に変換するものであり、シリンダ2の根元部分に固定された第一ベース板17aと、これに対向して配設された第二ベース板17bと、二枚のベース板17a,17bを繋ぐ一対のガイド部材18と、ガイド部材18によってスクリュ6の軸方向に摺動可能に案内されるとともに内部に雌ネジ(図示しない)が形成されたスライド部材19と、この雌ネジに螺合されるとともに第二ベース板17bに対して回動可能に支持された送りネジ20と、送りネジ20の一端側に接続された従動プーリ21と、進退用モータ15の出力軸15aに接続された駆動プーリ22と、従動プーリ21及び駆動プーリ22を繋ぐ無端のベルト23とから構成されている。なお、回転伝達機構10の従動プーリ11は、スライド部材19に対して回動可能に連結されており、スライド部材19がガイド部材18に沿って直線運動すると、それに従って回転伝達機構10及び回転用モータ9も移動するように構成されている。このため、進退用モータ15を一定方向に回転させると、送りネジ20によってスライド部材19及び従動プーリ11が前進し、スクリュ6が射出ノズル3側に向って移動する。ここで、回転用モータ9及び進退用モータ15が本発明の駆動手段に相当する。
また、スクリュ6の先端側には小径の頸部7が形成されており、この頸部7にチェックリング8が遊嵌されている。つまり、チェックリング8はスクリュ6の頸部7に対して回動可能で、且つスクリュ6の軸方向に頸部7の長さ分だけ移動可能な状態で支持されている。また、チェックリング8の内周面と頸部7の間には溶融樹脂Yを通過させ得る溝Sが形成されており、樹脂通路2aにおいて、螺旋溝が形成されたスクリュ本体6a側の圧力が先端部2bの圧力よりも高い状態(すなわちスクリュ6が回転している状態)では、この圧力差によってチェックリング8が先端部2b側に移動することで溝Sが開放され(図2(a)参照)、溶融樹脂Yを先端部2bに送ることが可能となる。一方、先端部2bに溶融樹脂Yが貯留された状態でスクリュ6の回転が停止すると、スクリュ本体6a側の圧力が先端部2bの圧力よりも低くなるため、その圧力差によってチェックリング8がスクリュ本体6a側に移動し、スクリュ本体6aに当接する(図2(c)参照)。これにより、溝Sが閉鎖され、先端部2bに貯留された溶融樹脂Yの逆流が防止される。
[計量・貯留工程、及び射出工程について]
次に、計量・貯留工程、及び射出工程について、図2に基づき説明する。まず、計量・貯留工程では、図2(a)に示すように、ホッパ5から樹脂材料Kを供給しつつ、回転用モータ9(図1参照)及び回転伝達機構10によってスクリュ6を一定方向(矢印の方向)に回転させる。ここで、スクリュ6は基本的に設定回転数になるように制御されるが、計量・貯留工程の初期の段階ではスクリュ6の回転数を漸次上昇させるように特別な制御が行われる。なお、この制御についての詳細は後述する。
スクリュ6を一定方向(矢印の方向)に回転させると、ホッパ5から供給された樹脂材料Kは、シリンダ2の周囲に巻かれたヒータ4からの熱、スクリュ6の回転に伴う摩擦熱、及びせん断熱によって加熱されながら、シリンダ2の先端部2bに向って送られる。そして、先端部2bにおいて蓄積される溶融樹脂Yの樹脂圧がスクリュ6の背圧よりも高くなると、図2(b)に示すように、その樹脂圧によってスクリュ6が後退する。このため、スクリュ6の位置を検出することにより、先端部2bにおいて溶融樹脂Yを計量しながら貯留させることが可能になる。具体的には、スクリュ6の位置と貯留される溶融樹脂Yの量(すなわち射出量)との関係が予め記憶されており、スクリュ6の後退位置が、設定された射出量に対応する位置に達するまでスクリュ6を回転させることで、射出量に相当する量の溶融樹脂Yをシリンダ2の先端部2bに貯留させることが可能になる。なお、スクリュ6の先端部分にはチェックリング8が設けられているため、スクリュ6の回転を停止しても溶融樹脂Yは逆流しない。
一方、図2(c)に示すように、射出工程では、進退用モータ15(図1参照)及び軸方向移動機構16によってスクリュ6を軸方向に前進させる。すると、シリンダ2の先端部2bに貯留されている溶融樹脂Yが射出ノズル3から所定の圧力で射出され、型締めされた金型(図示しない)に対して所定の圧力で溶融樹脂Yを注入することが可能となる。そして、これらの計量・貯留工程及び射出工程を順次繰返し行うことにより、金型に対して溶融樹脂Yを所定量ずつ供給し、複数の成形品を連続的に成形することが可能となる。
[制御装置について]
ところで、図3に示すように、本例の射出成形機1には、回転用モータ9及び進退用モータ15等を制御し、計量・貯留工程、及び射出工程を実行するためのコントローラ25が備えられている。このコントローラ25は、演算及び制御を行う中央情報処理装置(CPU)と、読出し専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)等からなる記憶装置とを備えており、予め入力されたプログラムに従って、指定された処理を順に行うものである。なお、このコントローラ25の入力ポートには、溶融樹脂Yの圧力を検出する圧力センサ、スクリュ6の位置を検出する位置検出センサ、溶融樹脂Yの温度を検出する温度センサ(いずれも図示しない)等が接続されており、コントローラ25ではこれらの入力に基づいて溶融樹脂Yの計量や各駆動手段の制御が行われるが、これらの基本的な構成及び制御は従来から周知であるため、ここでは詳細な説明を省略し、本発明の特徴的な構成である、計量・貯留工程の開始初期におけるスクリュ6の回転数制御について以下に説明する。
コントローラ25には、計量・貯留工程における設定値(数値)を作業者に設定させるために少なくとも三つの設定手段、すなわちスクリュ6の設定回転数を設定させる設定回転数設定手段26、スクリュ6の初期回転数を設定させる初期回転数設定手段27、及びスクリュ6の回転数立上り時間を設定させる立上り時間設定手段28が入力されている。ここで、初期回転数とは、計量・貯留工程の開始初期におけるスクリュ6の回転数であり、設定回転数よりも小さな数値に設定される。なお、本例では初期回転数を「0」に設定することも可能である。また、回転数立上り時間は、スクリュの回転数が初期回転数に到達してから設定回転数に達するまでの時間であり、2秒〜6秒の間で設定することが可能になっている。なお、図3のブロック図は機能的な構成として図示したものであり、実際には図4に示すような操作盤35がコントローラ25に接続されており、これにより、設定回転数、初期回転数、及び立上り時間を個々に設定することができるようになっている。
操作盤35には、数字を入力するための数字キー36と、設定項目を選択するためのカーソルキー37と、少なくとも設定項目及び設定値を表示する表示器38と、が設けられている。まず、カーソルキー37の押圧操作によって表示器38に表示された設定項目から一つの設定項目を選択すると、その設定項目の表示が反転され、選択状態であることが示される。そして、数字キー36を操作することにより、選択された設定項目に対して数値(設定値)を直接入力することが可能になる。
[スクリュの回転数立上げ制御について]
作業者によって初期回転数、設定回転数、及び回転数立上り時間が設定されると、コントローラ25は、これらの設定値を基に回転用モータ9を制御し、計量・貯留工程におけるスクリュ6の回転数を漸次上昇させるように制御する。具体的に説明すると、図5(a)に示すように、初期回転数を20rpm、設定回転数を100rpm、立上り時間を4秒と設定した場合には、計量・貯留工程の開始初期におけるスクリュ6の回転数が20rpmから4秒間で100rpmに達するように、回転数を漸次上昇させ、その後100rpmに維持する。このため、樹脂材料Kがシリンダ2の先端部2bに移送されるまで、すなわち樹脂圧によってスクリュ6が後退し計量及び貯留が可能になるまで樹脂材料Kを比較的ゆっくりと送ることが可能となり、比較的多くの樹脂材料Kが一度に供給された場合でも、それらの樹脂材料Kに対してヒータ4の熱やスクリュ6の回転による摩擦熱及びせん断熱を効果的に加えることができ、ひいては樹脂材料Kがおこし状態となることを抑制し、円滑な可塑化が可能になる。また、図5(a)に示すように、初期回転数から設定回転数に達するまで、スクリュ6の回転数を等加速度で(すなわち直線的に)上昇させるため、段階的(階段状)に変化させるものに比べて、スクリュ6の回転を滑らかに立ち上げることができるとともに、コントローラ25における制御が簡単になる。
また、各設定値を作業者に設定させることで、スクリュ6が設定回転数になるまでの上昇変化度合を、溶融樹脂Yの射出量や樹脂の種類(例えば粘度の違い)、あるいはチェックリング8の上流側の空間に溶融樹脂Yが充填されるまでの時間に応じて設定することが可能になる。例えば、溶融樹脂Yの射出量が多い場合、またはチェックリング8の上流側に溶融樹脂Yが充填されるまでの時間が長い場合には、図5(b)の(イ)に示すように立上り時間を長くし、一方、樹脂の粘度が高い場合には初期回転数を下げつつ立上り時間を長くする、という具合に設定すればよい。したがって、溶融樹脂の射出量や樹脂の種類が変わっても、常に適切な条件で制御することが可能となる。特に、回転数立上り時間に加えて初期回転数も設定することができるため、例えば、(ロ)に示すように立ち上がりの変化度合(傾き)を変えることなく立上り時間を変化させたり、(ハ)に示すように立上り時間を変化させることなく立上りの変化度合を変化させることも可能になる。したがって、樹脂の種類や射出量が変化に富んでいても、夫々の条件に応じた適切な設定を容易に行わせることが可能になる。
なお、スクリュ6の起動時から初期回転数に達するまでは、図5(a)の点線に示すように一定時間をかけて漸次上昇させるようにしてもよいが、スクリュ6の回転数が初期回転数(この場合20rpm)よりも小さい段階では、樹脂の可塑化を悪化させる要因とはなりにくいことから、起動開始時から初期回転数を目標値として制御するようにしてもよい。すなわち、初期回転数まで急激に立ち上げるようにしてもよい。ここで、コントローラ25が本発明の工程実行手段及び回転数制御手段に相当する。
以上のように、本例の射出成形機1によれば、シリンダ2に対して多くの樹脂材料Kが一度に供給されることを抑制できる。また、たとえ比較的多くの樹脂材料Kが一度に供給されることがあっても、樹脂材料Kがおこし状態となることを抑制し、樹脂材料Kの可塑化を円滑に行うことができる。また、チェックリング8の外周面とシリンダ2の内周面との間に樹脂材料が十分に流れ込むまで、スクリュ6の回転数は設定回転数にならないため、チェックリング8の磨耗を極力低減でき、チェックリング8を交換する際の手間及び費用を軽減することができる。
特に、各設定値を作業者に設定させることで、スクリュ6が設定回転数になるまでの変化を、溶融樹脂Yの射出量や樹脂の種類に応じて設定することが可能になり、溶融樹脂Yの射出量や樹脂の種類が変わっても、常に適切な条件で制御することができる。このため、計量・貯留工程において、スクリュ6が後退するまでの時間を短縮することが可能になり、生産性を上げることができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態を挙げて説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すように本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良および設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、設定回転数、初期回転数、及び回転数立上り時間を夫々別々に設定するものを示したが、それらの設定値を組合せた複数のパターンを予め記憶させておき、それらの複数のパターンの中から、射出量や樹脂の種類に応じたパターンを、作業者に選択させるようにしてもよい。これによれば設定操作がさらに容易となり、作業者の利便性を高めることができる。
本実施形態の射出成形機の概略構成を示す模式図である。 射出成形機における計量・貯留工程、及び射出工程の動作を示す説明図である。 スクリュの駆動制御に関するブロック図である。 射出成形機における操作盤の一例を示す説明図である。 スクリュの回転数と時間との関係を表すグラフである。
符号の説明
1 射出成形機
2 シリンダ(加熱シリンダ)
2a 樹脂通路(通路)
2b 先端部
3 射出ノズル
4 ヒータ(加熱シリンダ)
5 ホッパ
6 スクリュ
8 チェックリング
9 回転用モータ(駆動手段)
15 進退用モータ(駆動手段)
25 コントローラ(工程実行手段,回転数制御手段)
26 設定回転数設定手段
27 初期回転数設定手段
28 立上り時間設定手段
K 樹脂材料
Y 溶融樹脂

Claims (2)

  1. 円筒状の通路を有し該通路内を通過する樹脂材料を加熱する加熱シリンダと、
    該加熱シリンダの先端に設けられた射出ノズルと、
    前記加熱シリンダの根元側に個体状の樹脂材料を供給するホッパと、
    前記加熱シリンダ内に配設され、回転可能で且つ軸方向に移動可能に支持されたスクリュと、
    前記スクリュを回転方向及び軸方向に夫々駆動する駆動手段と、
    該駆動手段によって前記スクリュを回転させることにより、前記ホッパから供給された樹脂材料を溶融しながら前記加熱シリンダの先端部に送るとともに、該先端部において蓄積される樹脂圧によって前記スクリュが後退することで、溶融樹脂を計量しつつ貯留させる計量・貯留工程、
    及び前記駆動手段によって前記スクリュを軸方向に前進させることにより、前記先端部に貯留された溶融樹脂を前記射出ノズルから所定の圧力で射出させる射出工程、
    を順に実行する工程実行手段と、
    前記スクリュの先端部分に、回動可能で且つ前記スクリュの軸方向に所定量移動可能な状態で遊嵌され、前記加熱シリンダの前記先端部に蓄積される溶融樹脂の逆流を防止するチェックリングと、
    前記計量・貯留工程における前記スクリュの設定回転数を設定させるための設定回転数設定手段と、
    前記計量・貯留工程の開始初期における前記スクリュの初期回転数を設定させるための初期回転数設定手段と、
    前記計量・貯留工程において前記スクリュの回転数が前記初期回転数に到達してから前記設定回転数に達するまでの回転数立上り時間を設定させるための立上り時間設定手段と
    を具備する射出成形機を用いて、
    業者によって設定された前記初期回転数、前記設定回転数、及び前記回転数立上り時間を基に前記駆動手段を制御し、溶融樹脂が前記加熱シリンダの前記先端部に送られ樹脂圧による前記スクリュの後退が可能になるまでの間、前記スクリュの回転数を漸次上昇させることを特徴とする射出成形機の制御方法
  2. 記初期回転数から前記設定回転数に達するまで、前記スクリュの回転数を等加速度で上昇させることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の制御方法
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