JP4268416B2 - 細長シート状物の湾曲度合の測定方法、及び測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、細長シート状物の湾曲度合の測定方法に関し、さらに詳しくは、細長シート状物の長手方向の湾曲度合の測定方法、及び測定装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
(技術の背景)細長シート状物(短冊ともいう)、即ち枚葉状態で細長いシート状物は、両端部の固定や伸張から開放されると、シート平面における長手方向への湾曲、上下方向への反り(以降、カールという)、波打ちが発生することが多い。複数の細長シート状物を重ね合わせて巻き回した場合に、もしも、シート平面における長手方向へ湾曲している細長シート状物が混入していると、巻き回しが進むにつれて、巻取体の左右方向へズレ(蛇行という)が生じる。特に、リチウムイオン二次電池では、略同寸法の細長シート状物からなる、正極材、負極材、及びセパレターを巻き回すので、1枚でも湾曲していてはならない。
近年、より高容量のリチウムイオン二次電池が要求されてきており、さまざまな改良の一つとして正・負極材の高密度化がなされている。該高密度化は、集電体上にリチウムを挿入脱利可能な活物質とバインダ、必要に応じて導電助材や増粘材等を添加して水や有機溶剤を加えてスラリー化したものを塗布乾燥した電極を、高圧でプレスし圧延する。圧延した電極を所定の幅(電池の形状に合わせて)に裁断(スリットともいう)し、高密度な電極材を作成する。
プレスは1回、又は複数回でもよく、一般的に、高圧プレスを行うとそのストレスを受けて、シート状物の中央部、エッジ部は変形する。特に長手方向に裁断して、複数の細長いシート状物を得た場合の変形は著しく、中央部、エッジ部で変形(湾曲)度合が異なる影響が現われる。このような細長いシート状物を、他の略同寸法の細長いシート状物を重ねて巻き回すと、巻き回しが進むにつれて、湾曲した細長いシート状物のみが巻取体の左右方向へズレ(蛇行)が生じる。ズレが発生すると、短絡、活物質の脱落、密閉不良などの機能性に支障をきたすために、湾曲のない直線性が、厳しく求められている。
【0003】
(先行技術)従来、その変形(湾曲)度合を測定し、連続的に変形(湾曲)度合を管理する方法としては、基準2点をある距離で固定し、該基準2点へシート状物を沿わせて、基準2点を結ぶ直線から、湾曲部分がどの位離れるかを目視する、または実際に細長い(短冊ともいう)シート状物として巻き回して蛇行しないかを目視する方法が知られている。しかしながら、目視で読み取る距離には限界があり、また、人的な誤差は避けられないという問題点がある。また、スキャナーで読み取り曲部的な曲がりを検査する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、測定物の長さはスキャナーの大きさで決まり長いシート状物は測定できないという欠点がある。
さらに、シート状電極の湾曲量を測定し、特定式を用いて幅方向の歪み差を算定する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、湾曲量を測定については、「長さが2mの正極シートを採取し、シート端部どうしを結んだ線と、シート中央部との高低差を湾曲量として測定」と記載されているのみで、シート端部どうしを結んだ線、及び高低差の具体的な測定方法については、何らの記載もない。従って、従来、細長いシート状物の変形(湾曲)度合を再現性よく測定する方法、定量的かつ高精度な測定装置がなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−69277号公報(第3頁)
【特許文献2】
特開2001−76711号公報(第3〜4頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、細長(短冊)シート状物の変形度合を測定する測定方法、及び定量的かつ高精度な測定装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、
請求項1の発明に係わる湾曲度合の測定方法は、少なくとも3本のガイドロールに接して走行する細長シート状物の湾曲度合の測定方法であって、(a)前記3本の各ガイドロールに前記細長シート状物とコントラストのある基準線を設け、(b)各ガイドロールに、前記基準線及び前記細長シート状物の端部が視野に入るようにCCDセンサを取り付け、ガイドロールとCCDセンサの対からなる3組とし、(c)別途用意した細線を前記3本の各ガイドロールに接して伸張し直線状として校正用基準線とし、前記3組の3台のCCDセンサで前記基準線及び前記校正用基準線とを撮影して3点のCCD校正用画像を得、該3点のCCD校正用画像から基準線と校正用基準線とを比較し、3点における差を3点の基準線補正値として記憶させておき、伸張した細線を取り除いた後に、(d)前記3本のガイドロールに接して、前記細長シート状物を前記基準線に略沿わせて走行させながら、(e)前記3台のCCDセンサで、ガイドロールに設けられた基準線と走行する細長シート状物の端部とを視野に入れて撮影して、3点のCCD測定用画像を得、(f)該3点のCCD測定用画像から基準線と細長シート状物の端部との距離を検出し、該3点の距離値、3点の前記基準線補正値、及び予め測定しておいた各ガイドロール間の長手方向の距離値とから湾曲度合を演算するようにしたものである。
本発明によれば、反り(カール)や波打ちしやすい、細長いシート状物の変形(湾曲)度合を定量的、高精度で、再現性よく測定できる湾曲度合の測定方法が提供される。
請求項2の発明に係わる湾曲度合の測定方法は、上記基準線と細長シート状物のなす角度が45度以下であるようにしたものである。
本発明によれば、細長いシート状物が斜めに走行状態で、連続的に変形(湾曲)度合を測定できる湾曲度合の測定方法が提供される。
請求項3の発明に係わる湾曲度合の測定装置は、請求項1〜2のいずれかに記載の湾曲度合の測定方法で測定する細長シート状物の湾曲度合の測定装置であって、前記細長シート状物とコントラストのある基準線を有する少なくとも3本のガイドロールと、3本のガイドロール部のそれぞれに設けた3台のCCDセンサを有する画像検出部と、該画像検出部でまず校正用画像で基準線を校正した基準線補正値として記憶させ、次に測定用画像から湾曲度合を演算し、予め設定した判定値と比較して合否判定する処理部と、判定結果を表示若しくは出力、又は不合格の発生警報を発する出力部及び/又は警報部を有するように、したものである。
本発明によれば、細長いシート状物の変形(湾曲)度合を連続的に測定できる湾曲度合の測定装置が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(シート状物)本発明の細長(短冊ともいう)シート状物とは、略矩形状で一方の辺が長いものであればよく、辺が長い方がより効果的に変形度合を評価できる。また、短辺側の角の形状は多角、円弧、楕円などでもよく、全体としては矩形でなくともよい、要は測定すべき長辺が略直線状であればよい。細長シート状物としては、特に限定されるものではないが、近年、高密度化され湾曲度合(精度)の要求されるリチウムイオン電池の電極材の測定に好適である。リチウムイオン電池は、極板群と電解液とが、ガスケットを介して負極ケースと正極ケースに密閉されている。極板群は正極極板と負極極板とが、セパレータを介して渦巻き状に巻き回されている。また、正極極板と負極極板は、それぞれが電気的に正極ケースと負極ケースに接続されて電池を形成している。リチウムイオン電池の電極は長辺が長く、シート状物を重ねて巻き回すと、巻き回しが進むにつれて、湾曲した細長いシート状物のみが巻取体の左右方向へズレ(蛇行)が生じる。ズレが発生すると、短絡、活物質の脱落、密閉不良などの機能性に支障をきたすために、湾曲のない直線性が、厳しく求められている。例えば、湾曲度合が長さ1mにつき0.1〜30mm以下に制御する必要がある。このような、細長いシート状でわずかな湾曲を測定する場合に、本発明は極めて好適である。
【0008】
リチウムイオン電池には小型、大型がある。小型リチウムイオン電池としては、パソコン、携帯端末装置(携帯電話、PDA等)、ビデオカメラ、ロボット、衛星等に用いられる。例えば、携帯電話用であれば、その極板の短辺幅は20〜70mm、長辺の長さは0.2〜1.0m程度と細長い。この場合の極板の湾曲度合は、長さ1mにつき3mm程度以下、好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下である。この範囲以上では、巻き回しが進むにつれて、湾曲した細長いシート状物のみが巻取体の左右方向へズレ(蛇行)が生じる。ズレが発生すると、短絡、活物質の脱落、密閉不良などの機能性に支障をきたす。
【0009】
大型リチウムイオン電池としては、省資源、エネルギーの有効利用、及び地球環境などの点から、深夜電力貯蔵や太陽光発電の電力を貯蔵するエネルギー貯蔵用、家庭用分散型蓄電システム用、電気自動車用、バックアップ用などの用途に注目されている。
該大型リチウムイオン電池は、例えば数十〜数百Ah程度、一般的に30Wh以上の大容量かつ180Wh/l以上の体積エネルギー密度を有するもので、基本的な構造は小型と同様であるが、電極極板が長尺、大面積となる。該大型リチウムイオン電池は、通常、エネルギー容量が100〜400Wh程度で、体積エネルギー密度は200〜300Wh/lであり、その形状は直径50〜70mm、長さ250〜450mmの円筒型、厚さ35〜50mmの角形又は長円角形等の扁平角柱形などがある。例えば、100Wh級の厚さ6mmのリチウムイオン電池の場合、電池表裏面の大きさは、600cm2(片面)と非常に大きい。
例えば、バックアップ用であれば、その極板の短辺幅は100〜500mm、長辺の長さは0.5〜100m程度である。この場合の極板の湾曲度合は、長さ1mにつき15mm程度以下、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは5mm以下である。この範囲以上では、巻き回しが進むにつれてズレ(蛇行)が生じるので、揃えて巻き回す制御が難しく、また、隙間や折れにより電極量が減少する。また、ズレが発生すると、短絡、活物質の脱落、密閉不良などの機能性に支障をきたす。大型リチウムイオン電池では、小型と比べて湾曲度合が大きいのは、電極の幅及び長さ、並びにリード部分とも比較的大きいので、巻き回し張力や電極の調整がしやすいためである。
【0010】
図1は、本発明の1実施例を示すリチウムイオン電池の電極材の平面図、断面図である。
(リチウムイオン電池)リチウムイオン電池とは、液状、ゲル状および高分子ポリマー状の電解質を持ち、リチウムイオンの移動で電流を発生する電池であって、正極電極板と負極電極板それぞれに電流を取り出すための端子を取り付け、両電極板の間に短絡を防止するためのセパレータを挟んで巻き取り、非水電解液を満たした容器に密封することにより組み立てられる。正極・負極活物質が高分子ポリマーからなるものを含むものである。リチウム2次電池の構成は、正極集電材、正極活性物質層、電解質層、負極活性物質層、負極集電材、及びそれらを包装する外装体からなる。
【0011】
正極集電材としてはアルミニウム、ニッケルなどが適用できる。正極活性物質層としてはリチウム遷移金属複合酸化物、カルコゲン化合物、合金、カーボン、電解液、ポリアクリロニトリルなどの高分子正極材料、導電助剤、バインダなどからの構成が適用できる。電解質層としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、炭酸ジメチル、エチレンメチルカーボネート等のカーボネート系電解液、リチウム塩からなる無機固体電解質、ゲル電解質などが適用できる。負極活性物質層としては、金属リチウム、リチウム合金、金属酸化物、グラファイト、カーボンブラック、金属硫化物、電解液、ポリアクリロニトリルなどの高分子負極材料、バインダなどからの構成が適用できる。負極集電材としては銅、ニッケル、ステンレスなどが適用できる。
【0012】
(電極材の構成)図1(A)は本発明の1実施例のリチウムイオン電池の正極材の平面図であり、図1(B)は図1(A)のAA断面図であり、図1(C)は図1(A)のBB断面図である。リチウムイオン電池の正極材は細長く、例えば携帯電話用であれば短辺幅は20〜70mm、長辺の長さは0.2〜1.0m程度である。但し、寸法はこれに限られるものではない。該正極材は図1(B)、図1(C)のように、正極集電材として例えばアルミニウム箔11を用いて、その両面に正極活性物質層が電気を取り出す電極を設ける露出部15を除いて塗布されている。該正極活性物質層の塗布部分の面積やパターンは、用途や電池形態によって変わる。
【0013】
図2は、本発明の1実施例を示すリチウムイオン電池の電極材の変形を説明する平面図、断面図である。
(変形の定義)図2(A)は正極材の平面図であり、左右へのズレ(蛇行)を湾曲と定義し、A点とC点とを結ぶ線からB点のズレ度合を、湾曲度合21として定量化する。図2(B)及び図2(C)は、図1(A)のAA断面を説明のために層構成をまとめた断面図であり、図2(B)は反り(カール)を表わし、図2(C)は複数の反りである波打ちを表わしている。
【0014】
(発明のポイント)本発明では、定量的、良再現性、高精度な測定方法がなかったシート状物のシート平面の長手の左右方向への変形(湾曲)度合を、測定する方法を見出して本発明に至った。細長シート状物としては、特に限定されるものではないが、例えば1.0m程度の長さ方向を有し、湾曲度合が10mm以下程度、好ましくは1.0mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下のような細長いリチウムイオン電池の正極材の、わずかな湾曲を測定する場合に極めて好適である。特に、長辺が長ければ長いほどよい。
このように、長い辺の変形度合は、基準線からの距離の差で測定するが、直線精度がよく長い基準線は、その作製は極めて難しく高価である。また、材料にもよるが温度などの環境によっても変化し、測定の都度校正をせねばならない。
さらに、測定にあたり測定物を基準線へ沿わせるが、通常、基準線の両端部のガイド棒を設けて、該両端ガイド棒へ測定物の両端部をそれぞれあてがって、湾曲度合を例えばJIS−1級金尺で読み取る。しかしながら、長い長辺の両端をあてがう場合には、曲がりくねったり、ガイド棒へ押し曲げられたりして、平面性を保つことは極めて困難で測定精度が低下する。また、個人差が発生しやすい。
【0015】
そこで、本発明者らは、定盤上へ、基準線を適当な直線定規で引き、該基準線を伸張した細線とをCCDセンサで比較して、測定長さ例えば1m程度にわたって補正(校正)を予め行っておく。伸張した細線(例えばピアノ線など)の直線は極めて高いので、基準線自身の直線性は低くとも、補正後の基準線は、伸張した細線と同等の高い精度を有している。該基準線は適当な直線定規、例えばステンレス定規などで、マジックインキ(登録商標)やボールペンなどで引けばよく、極めて安価である。さらに、該基準線は何回でも作り直し、校正することができるので、消耗品扱いとすることができる。
【0016】
(電極材)次に、電極材について説明する。電極材は集電体の少なくとも一方の面へパターン状に活物質層を設けたもので、該電極材は電気を取り出す露出部と活物質層からなっている。電極材の基体である集電体としては、通常は金属箔が用いられ、正極電極板としてはアルミニウム箔、負極電極板としては銅箔が好ましく用いられる。これら金属箔の厚さは、通常、5〜30μm程度、好ましくは5〜20μmである。
集電体へ、活物質とバインダとを少なくとも含有する活物質層用塗工液を塗布し乾燥させて活物質層を形成する。図1は正極材の例を示しており、集電体であるアルミニウム箔11の両面に、パターン状に正極用の活物質層13A、13Bが形成され、電気を取り出す露出部15がある。露出部15は、図1の例では長手方向の端部にあるが、長手方向に沿って設けてもよく、目的とする電池に合わせた位置やパタ−ン形状とすればよい。
【0017】
(活物質層)活物質層は、活物質とバインダとを少なくとも含有する。活物質には、正極用活物質と負極用活物質がある。正極用活物質としては、例えばLiCoO2、LiNiO2もしくはLiMn2O4等のリチウム遷移金属複合酸化物、またはTiS2、MnO2、MoO3もしくはV2O5等のカルコゲン化合物を例示することができる。これらの正極用活物質は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。負極用活物質としては、例えば、金属リチウムまたはリチウム合金等のようなリチウム含有金属、グラファイト、カーボンブラックまたはアセチレンブラックのような炭素質材料が好んで用いられる。特に、LiCoO2を正極用活物質として用い、炭素質材料を負極用活物質として用いることにより、4ボルト程度の高い放電電圧を有するリチウム系2次電池が得られる。前記正極活物質および前記負極活物質は、これらの活物質を塗工層中に均一に分散させるために、平均粒径が約1〜100μmの粉体であるのが好ましい。
【0018】
(バインダ)バインダとしては、例えば、熱可塑性樹脂、より具体的にはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、フッ素系樹脂またはポリイミド樹脂等を使用することができる。この際、反応性官能基を導入したアクリレートモノマーまたはオリゴマーをバインダ中に混入させることも可能である。そのほかにも、ゴム系の樹脂や、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、アクリレートモノマー、アクリレートオリゴマー或いはそれらの混合物からなる電離放射線硬化性樹脂、上記各種の樹脂の混合物を使用することもできる。好ましくは、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース樹脂、スチレン−ブタジエンゴムなどのゴム系、フッ素系樹脂のバインダである。フッ素系樹脂はバインダとして好ましく用いられ、その中でもポリフッ化ビニリデンは特に好ましい。
【0019】
(活物質層用塗工液)活物質層、バインダ、及び必要に応じてその他の成分を混合して活物質層用塗工液を調製する。例えば、適宜選択した活物質とバインダとを、トルエン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン水或いはこれらの混合物のような有機溶剤の中に投入し、さらに必要に応じて導電剤を加え、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミルまたはロールミル等の分散機により溶解又は分散して、塗工液を調製する。この時の配合割合は、塗工液全体を100重量部とした時に活物質とバインダの合計量が約35〜90重量部となるようにするのが好ましい。また、活物質とバインダとの配合割合は従来と同様でよく、例えば、正極の場合は活物質:バインダ=5:5〜9.9:0.1(重量比)程度とするのが好ましく、負極板の場合は活物質:バインダ=8:2〜9.9:0.1(重量比)程度とするのが好ましい。また導電剤としては、例えば、グラファイト、カーボンブラックまたはアセチレンブラック等の炭素質材料が必要に応じて用いられる。
【0020】
(塗工方法)このようにして調製された塗工液を、集電体上に塗布・乾燥して、活物質層を形成する。活物質層用塗工液の塗工方法は、特に限定されないが、例えばスロットダイコート、スリットダイコート、スライドダイコート、コンマダイレクトコート、コンマリバースコート等のように、厚い塗工層を形成できる方法が適している。
(パターン化法)活物質層を所定のパターン状に形成する方法は、塗工方法でコーターヘッドを機械的に制御しながら電極塗工液を集電体上に塗工して塗工部と非塗工部のパターンを直接形成する方法や、集電体の全面に塗工膜を形成した後でヘラなどの機械的手段により塗工膜を部分的に剥離させて非塗工部を形成する方法がある。前者の方法による場合には、塗工部又は非塗工部のパターンに合わせてコーターヘッド及び/又は集電体を動かしながらコーターヘッドからの活物質塗工液の吐出開始と吐出停止を繰り返したり、或いは、塗工作業が塗工部と非塗工部の境界に到達するたびに、コーターヘッド及び/又は集電体の移動停止とその再開、塗工面に対するコーターヘッドの離脱と再接近、電極塗工液の吐出停止とその再開をそれぞれ同調させて繰り返すなどの作業を行なう。
【0021】
また、活物質層に求められる厚さが比較的薄い場合には、予め集電体へ露出部15のパターン状に剥離性の樹脂層を設けておき、剥離層上の活物質層もろとも剥離し除去することでもよい。この場合には、グラビアコートやグラビアリバースコート等により塗工してもよい。活物質塗工液を所定のパターン状に塗工する必要がないので、スロットダイコート、スライドダイコート、コンマダイレクトコート、コンマリバースコート等により塗工する場合であっても、コーターヘッドを機械的に制御する必要がない。
【0022】
乾燥工程における熱源としては、熱風、赤外線、マイクロ波、高周波、或いはそれらを組み合わせて利用できる。乾燥工程において集電体をサポート又はプレスする金属ローラーや金属シートを加熱して放出させた熱によって乾燥してもよい。また、乾燥後、電子線または放射線を照射することにより、バインダを架橋反応させて活物質層を得ることもできる。塗布と乾燥は、複数回繰り返してもよい。活物質層の厚さは、乾燥時で通常10〜200μm、好ましくは50〜170μmの範囲にする。さらに、得られた活物質層を真空オーブン等でエージングして、活物質層中の水分を除去することが好ましい。
【0023】
(プレス加工)得られた活物質層をプレス加工する。該プレス加工により、電極板の均質性が向上し、また、薄膜化することによって電池内に巻き込める電極板の面積をより大きくできる。二次電池の性能に大きく影響を及ぼす正極および負極の各電極板をプレス加工することで、充放電サイクル寿命を延長させ、また、エネルギー密度を高度化できる。プレス加工は、例えば、金属ロール、弾性ロール、加熱ロールまたはシートプレス機等を用いて行なう。プレス圧力は、通常4903〜73550N/cm2(500〜7500kgf/cm2)、好ましくは29420〜49033N/cm2(3000〜5000kgf/cm2)である。4903N/cm2(500kgf/cm2)よりプレス圧力が小さいと活物質層の均質性が得られにくく、73550N/cm2(7500kgf/cm2)よりプレス圧力が大きいと集電体を含めて電極板自体が破損してしまう場合がある。活物質層は、一回のプレスで所定の厚さにしてもよく、均質性を向上させる目的で数回に分けてプレスしてもよい。
【0024】
ロールプレスの圧力を線圧で管理する場合、加圧ロールの直径に応じて調節するが、通常は線圧を4.9〜19614N/cm(0.5kgf/cm〜2tf/cm)とする。プレス後の電極板の厚さを考慮して、数回に分けてのプレスや多段プレスしてもよい。また、活物質層の乾燥途中で、その表面にポリエチレンテレフタレートフィルム等の表面平滑なフィルムを軽く圧着して再び剥離することによって、活物質層の表面を平滑化してもよい。
【0025】
(スリット、切断)電極板に形状は細長く、例えば、携帯電話用のリチウムイオン電池の正極材であれば、短辺幅は20〜70mm、長辺の長さは0.2〜1m程度である。このために、上記で説明してきた電極板の製造工程は、幅及び長さともに複数個がとれることができる広幅で長尺の巻取体で加工し、プレス加工が終わった段階で、所定の幅(短辺幅は20〜70mm程度)へスリットし、所定の長さ(長辺の長さは0.2〜1m程度)へ切断して、電極材とする。
【0026】
しかしながら、スリットし切断してシート状物となった電極材は、伸張から解放されて、湾曲変形を発生しやすい。これは高性能化のためにプレス加工が行われているので、プレス時に電極材へ応力がかかり、歪みが生じているためと考えられる。特に、通常用いられるロールプレスでは、幅方向における中央部から両端部側へプレス圧がかかり、長さ方向ではプレス進行方向に向かって末広がりにプレス圧がかかる。この結果、幅方向における中央部から両端部側へ向けて、円弧状の歪みがあり、シート状物となったときに湾曲する。
【0027】
湾曲してしまった電極材は、他の略同寸法の細長いシート状物を重ねて巻き回すと、巻き回しが進むにつれて、湾曲した細長いシート状物のみが巻取体の左右方向へズレ(蛇行)が生じる。蛇行が発生すると、短絡、活物質の脱落、密閉不良などの機能性に支障をきたすために、湾曲のない直線性が厳しく求められる。そこで、湾曲限度以内へおさまるように製造条件を制御するため、また、できてしまったものは検査し選別するために、湾曲度合を正確に測定する必要がある。このような細長いシート状物を測定するのが、本発明の測定方法であり、詳細は後述する。
【0028】
(電池の組立)上記のような方法により作製された電極板を用いて二次電池を作製する際には、電池の組立工程に移る前に活物質層中の水分を除去するために、加熱処理や減圧処理等をあらかじめ行うことが好ましい。
この電極板を用いて、例えばリチウム系二次電池を作製する場合には、溶質であるリチウム塩を有機溶媒に溶かした非水電解液が用いられる。リチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiCl、LiBr等の無機リチウム塩、または、LiB(C6H5)4、LiN(SO2CF3)2、LiC(SO2CF3)3、LiOSO2CF3、LiOSO2C2F5、LiOSO2C3F7、LiOSO2C4F9、LiOSO2C5F11、LiOSO2C6F13、LiOSO2C7F15等の有機リチウム塩等が用いられる。
【0029】
リチウム塩を溶解するための有機溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類等を例示できる。より具体的には、環状エステル類としては、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等を例示できる。
鎖状エステル類としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。
【0030】
環状エーテル類としては、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン等を例示できる。
鎖状エーテル類としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル等を例示することができる。
【0031】
図3は、測定装置の概念を説明する側面図、平面図である。
図4は、本発明の1実施例を示す測定方法を説明する平面図である。
(湾曲度合の測定方法)図3(A)は測定装置の側面図で、支持体上に測定するシート状物1が静置され、略シート状物1の長手方向に沿ってCCDセンサ移動用ガイドがあり、該CCDセンサ移動用ガイドにCCDセンサ62が設置されている。
まず、(a)前記細長シート状物とコントラストを有する支持体盤と、該支持体盤に該支持体とコントラストを有する基準線31を設ける。
(支持体)支持体としては、細長シート状物を支持し、細長シート状物と基準線の位置が判ればよく、特に限定されない。好ましくは、合成樹脂、ガラス、石若しくは金属などの定盤、又はガイドロールである。支持体の色調は通常グレー色をしている電極材とある程度のコンラストがあればよい。本明細書では、定盤、及び3本のガイドロールを、支持体として説明して行く。3本のガイドロールを支持体として用いる方法は、細長シート状物を走行させながら連続して測定できるので、当業者はロールルーロール法とも呼ぶ。また、支持体のコントラストは、基準線31の色調も同様にある程度のコンラストがあればよく、CCDセンサの閾値で分離できるものであればよい。
(基準線)基準線31は、ある程度の直線性を持つ定規で、支持体へボールペン、マジックインキ(登録商標)などで手で描けばよく、極めて容易である。支持体がガイドロールの場合には、各ガイドロールを回転させながら、ボールペン、マジックインキ(登録商標)などを当接すれば描ける。
なお、精度の高い基準線は、1m程度の長さになると極めて難しく、市販のものでは著しく高価である。
【0032】
(コントラスト)コントラストは、例えば、商品管理に多用されているバーコードを読取装置(バーコードリーダ)で読み取る際の基準であるPCS値を引用すれば、バーコードの白バー(下地)と黒バー(表示部)とは、コントラストが高いほど、CCDセンサ62で読み取りやすい。そこで、バーコードの光学的特性は、JIS−X−0501及びX−0502にて、PCS値(Print Contrast Signal)なる量が定義され、そのPCS値が或る一定以上の値でなければならない、と規定されている。該PCS値とは、バーコードのバーコードシンボル面の法線に対して、JIS−Z−8720に規定するA光源の45°の入射角度で照射された時の、白バー及びマージン部分の反射率と黒バーの反射率と、から算出される。白バー及びマージンの反射率をRL、黒バーの反射率をR0とすると、PCS値=(RL−R0)/RLとして定義される。JIS−X−0501では共通商品用バーコードシンボルとして必要な最小PCS値を白バーの反射率の関数として規定しており、またJIS−X−0502では物流商品用バーコードシンボルとして、白バーが段ボール等の下地の色となりうるため、JIS−X−0501よりもゆるい規格として、必要な最小PCS値を一定値の0.75と規定している。また、PCS値の測定は、反射濃度計マクベスPCM−11機(マクベス社製、商品名)を用いて測定される。
本発明では、シート状物1又は基準線31と定盤とのPCS値は、CCDセンサの閾値で分離できるものであればよいので、0.1以上、好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.5以上である。
【0033】
以上では、シート状物1又は基準線31と定盤とのコントラストをPCS値で説明したが、PCS値に限らず色濃度や彩度でもよく、使用するCCDセンサの閾値で分離できるコントラストがあればよい。また、定盤とシート状物1、定盤と基準線31のコントラストは同じでなくともよく、さらに、予め補正(校正)に用いる伸張した細線の定盤に対するコントラストも同様であり、ある程度のコンラストがあればよく、即ち、定盤と、該定盤上のシート状物1、基準線31、又は伸張した細線とのコントラストが、使用するCCDセンサの閾値で分離できるコントラストがあればよい。
【0034】
次に、(b)該基準線を予め伸張した細線とCCDセンサで比較し、基準線を校正し補正を行う。
(基準線の校正)手書きの基準線31は撓みなどの誤差を含んでおり、精度がなく、通常の測定に用いる基準線としては使用することができない。そこで、手書き基準線31に沿って、定盤上に細線を両端を引っ張って伸張して固定する。細線は糸やピアノ線などでよい。この伸張細線を校正用基準線として、手書き基準線とを、CCDセンサ62で走査し校正して、その差を基準線補正値として、後述する処理部へ記録しておく。該校正は基準線を引き直すたびに行う。校正が終われば伸張した細線を取り除く。
【0035】
(c)前記定盤上に、細長シート状物を前記基準線に略沿わせて静置する。
図3(B)は測定装置の定盤を上から見た平面図である。定盤上に測定するシート状物1及び基準線31が、シート状物1及び基準線31とコントラストを有する定盤上に静置されている。シート状物1の静置方法は、重要で慎重に行う必要がある。細長いシート状物1の両端を持って同時に合わせようとすると、シート状物1が長いので、中間に歪みや曲がりが発生して、現状の形状を再現した状態に静置することができない。
【0036】
(静置方法)そこで、本発明では、まず一端のみを固定し、他方は自由状態としておく。固定した一端から、他方の端部に向かって撫でるように定盤に静置する。このようにすると、基準線に対して平行に置くことはできないので、従来の方法では測定ができない。しかしながら、驚くべきことに本発明では、基準線に平行でなくとも、順次説明するように、精度よく測定することができる。固定の方法としては、特に限定されず、例えば、磁石、針、おもりなどが適用できる。固定した一端から他方の端部に向かって撫でる方法としては、手作業、刷毛、ロール、自由回転ロールなどを用いればよい。
【0037】
(d)該基準線と細長シート状物の長手の少なくとも左右一方の端部を含めてCCDセンサで撮影する。
CCDセンサ62は、図3では3台が図示されているが、1台で移動させてもよく、また、2台で1台を固定にしてもよい。CCDセンサ62の台数は、シート状物の長さ、測定精度、測定速度、装置価格などに応じて適宜選択すればよい。移動位置はストッパーなどで所望位置へ停止させたり、移動手段から検出したりすればよく、要は任意の3点を定められればよい。CCDセンサには図3(B)のような状態が撮影される。図4は、撮影データから湾曲度合21を算出する概念を示している。
【0038】
(e)該CCD画像から前記細長シート状物の長手方向の任意の3点を抽出する。
図4に図示するように、任意の3点を、例えば基準線上のA’点を0mmとし、B’点をA’点から500mmとし、C’点をA’点から1000mmとする。対応するシート状物1の点をA点、B点、C点とする。なお、ここでは説明を判り易くするために、3点の位置を0、500、1000mmと定めたが、該3点の位置は、任意の3点でよく、シート状物の長さに応じて、適宜選択すればよい。また、シート状物1のA点、B点、C点は基準線側としたが、シート状物1のもう一方の面側でもよく、両側に設けてもよい。両側に設けた場合には、シート状物1の幅、該幅のバラツキをも測定できる。
【0039】
(f)該3点の基準線とシート状物端部の距離及び3点間の長手方向の距離から湾曲度合を演算する。
この3点における、AA’点間の距離を距離aとし、BB’点間の距離を距離bとし、CC’点間の距離を距離cとして、CCDの検出画像から演算する。このデータから、A点を通る調整基準線33を導き出す。また、シート状物1の実際の湾曲を示す基準線を湾曲基準線35としておく。調整基準線33の中点と調整基準線33との距離を演算し、次の式で湾曲度合21とする。
演算湾曲度合23=B点と調整基準線33との距離−調整基準線33の中点と調整基準線33との距離
【0040】
ここで、問題点が2つあり、1つは湾曲基準線35は基準線31と傾斜を持っており、CCDセンサに位置は500mm、1000mmであるが、湾曲基準線35のA点から500mm、1000mmではない。基準線31上のA’B’点間距離、A’C’点間距離に相当する湾曲基準線35上のそれは、基準線31と湾曲基準線35との角度の影響を受ける。もう1つは、演算による演算湾曲度合23は、実際の湾曲度合21ではない。該湾曲度合21も基準線31と湾曲基準線35との角度の影響を受ける。
【0041】
この2つの問題は、いずれも基準線31と湾曲基準線35との角度の影響である。該角度が小さければ詳しい計算は省略するが、影響はわずかであり、十分に測定に使用することができる。したがって、基準線31と湾曲基準線35とのなす角度は、45度程度、好ましくは15度以下、さらに好ましくは5度以下である。更なる精度を高める必要があれば三角関数などで補正したり、CCDセンサの位置を角度に応じて調整すればよい。1回目で角度を検出し、補正した位置へCCDセンサ62を移動させて測定すればよい。
【0042】
測定方法は以上であるが、必要に応じて
(g)該湾曲度合と予め設定した判定値とを比較して判定する。
(h)該判定の結果を出力又は警報を発する。を加えてもよい。
(g)(h)に関しては、後述する測定装置の説明のなかで記載する。
【0043】
図5は、本発明の測定装置の機能要素のブロック図である。
(湾曲度合の測定装置)本発明の測定装置は、定盤、基準線、画像検出部、処理部、及び出力部及び/又は警報部から構成されている。定盤及び基準線をは、前述した通りである。
【0044】
(画像検出部)画像検出部60は、レンズ61と、CCDセンサ62と、CCD駆動回路63と、ビデオアンプ64とからなっている。必要に応じて光学フィルターなどを介してもよい。
シート状物1と基準線31の画像(以下、検出画像という)は、レンズ61を透して、CCDセンサ62の上に結像する。CCDセンサ62は、操作者の測定スタートにより、CCD駆動回路63の指示に従って、画像を取り込みビデオアンプ64へ送る。ビデオアンプ64は、画像を必要に応じて増幅して、処理部70の映像メモリ77へ送り記録し、一方、画像データを検出値として処理部70の検出値メモリ71へ送り記録する。
【0045】
即ち、画像検出部60のレンズ61を介してCCDセンサ62上に結像した画像を、前記スタートに従って前記センサ62により光電変換し、画像信号としてビデオアンプ64に出力する。画像信号はビデオアンプ64により必要な電圧レベルに増幅され、処理部70に送信される。
【0046】
検出画像は、画像検出部60内のレンズ61を介してCCDセンサ62の上に結像されるが、該CCDセンサ62の概観はICのパッケージのような形状であり、センサを保護するガラス付き検出窓を持っている。通常1列のセンサには1024個の受光素子があり、受光素子列が外部からのスタートでCCDセンサ62の上に結像された画像を光電変換し、走査パルスで受光素子が長手方向にわたって順番に駆動され画像出力される。CCDセンサ62は特に限定されず、ライン型の白黒CCDセンサ、カラーCCDセンサ、CCD素子が複数列のエリアセンサでも良いし、フォトダイオードを幅方向に複数並べたマルチヘッド型でも良い。
【0047】
(処理部)処理部70は、前述した方法で検出画像から湾曲度合を演算し、予め設定した判定値と比較して判定する。検出画像からのAA’点間の距離a、BB’点間の距離b、CC’点間の距離cを、例えば画素数に変換するなどして演算すればよい。処理部70は、ビデオアンプ64からの映像を記録する映像メモリ77と、ビデオアンプ64からの検出値を記録する検出値メモリ71と、基準レベルを設定する基準レベル設定部72と、該設定された基準値を記録しておく基準値メモリ73と、基準線補正値を記録しておく基準線補正値メモリ78と、検出値を演算し基準値とを比較する比較部74と、判定部76とからなっている。メモリは数から数百メガバイトの公知のメモリが適用できる。画像検出部60のビデオアンプ64から画像信号は、映像メモリ77に記憶した後、検出値メモリ71に記憶し、測定方法で説明した演算を行った後に、予め設定し記憶されている基準値メモリ73と比較して判定を行う。なお、前述のように、基準線を書き換えた際には、基準線補正値メモリ78が補正し直されることで、容易に基準線を更新できる。
【0048】
基準値メモリ73は予め設定を行い、基準値を記憶させればよい。または、基準値レベル設定部72から、予め良品物と判定された画像信号、従来の経験値および理論値から直接設定することもできる。通常は出荷検査に対応した基準値をを設定するが、湾曲は左右方向があるので、例えば左側湾曲を上限、右側湾曲を下限の基準値としてもよい。また、上限および下限のそれぞれに、複数の中間限度の基準値を判定レベルとして設定することもできる。
【0049】
比較部74および判定部76はCPUおよびメモリからなる。該判定部76は、前記減算結果と基準値メモリ73に設定されている基準値とを比較して、湾曲度合を測定する。もし、基準値が出荷検査基準であれば、演算結果が上限基準値より大きい場合は不良品と判定し、小さい場合には、さらに下限判定値と比較して、下限より小さい場合は不良品と判定し、大きい場合は良品と判定する。つまり前記演算結果がその上限、下限の範囲内にあれば良品、無ければ不良品と判定する。この演算方法は、画像を分割した画素毎の比較でも良いし、また長方形、正方形、同一直線等の測定A点、B点、C点の各測定ウィンドウの所定の範囲内にある画素の総和を比較しても良い。
【0050】
以上のように、処理部70で判定された結果は、出力部80から出力される。出力部80は、判定表示部81と、警報部82と、印字部83と、画像表示部84とからなっており、機器的には所謂パソコン周辺部品から適宜選択すれば良い。また、パソコン及びパソコン周辺部品を用いて、本発明の機能を付与する設定するようにしてもよい。判定表示部81は判定結果を一覧表形式に画面へ表示し、警報部82は不良の発生状況に応じて警報を発し、印字部83は判定結果をプリントアウトする。
【0051】
画像表示部84は不合格が検出された場合に、検出画像を画像として画面表示し、活物質層の脱落、変形、歪などから欠陥の状態を知ることができる。警報の発報は、不合格が1回検出した場合、限度ギリギリが連続3回発生した場合などと設定することができる。
【0052】
図6は、本発明の1実施例を示す測定方法を説明する側面図及び平面図である。
(ロールツーロール測定方法)上記の湾曲度合の測定方法では、定盤上に測定するシート状物1を静置し、CCDセンサ62を用いて測定するが、本発明では、長尺のシート状物1を、少なくとも3本のガイドロール上を連続的に走行させながら(ロールツーロールという)、ガイドロール上に設けた3台のCCDセンサ62を用いて測定することもできる。
図6(A)は側面図であり、図6(B)は平面図である。シート状物1は長尺の帯状で、当業者が「巻取」と呼ぶ状態で、この状態から繰り出されて、複数のガイドロールで誘導されて、連続的に走行して、所望の加工がなされた後に、再度巻き取られたり、切断などの処理がされる。
【0053】
(ガイドロール)本発明のロールツーロールによる測定方法では、巻取りのシート状物1は、図6(A)のように、ガイドロールA91、ガイドロールB93、及びガイドロールC95にそって、矢印の方向に走行させる。3本のガイドロールは、シート状物1がある角度(抱き角度という)巻き付いて、その表面に接触して、走行するように構成すればよい。このようにすると、シート状物1には、一定で所望の張力がかけられる。ロールツーロール測定方法は、少なくとも3本のロールを用い、給紙部、排紙部、及び駆動や他の必須機構による測定のみに使用してもよい。また、例えば、スリッター機、シートカット機、巻回機などの加工機械、試験機、検査機、他の測定機など機器で、ロール供給方式の機械の一部へ組み込んで使用することが、工程が増加せず、ロスが少なくより好ましい。
【0054】
(基準線)
3本のガイドロールの表面には基準線31が描かれ、該基準線31は直線性の定規を沿わせたり、ロールを回転させたりしながら、ボールペン、マジックインキ(登録商標)などで手で描けばよく、容易に描ける。ガイドロールA91の基準線をA’点、ガイドロールB93の基準線をB’点、ガイドロールC95の基準線をC’点とする。即ち、前述の定盤を3本のロールに置き換えたもので、ロール、及び基準線31の色調も定盤と同様にある程度のコンラストがあればよく、CCDセンサの閾値で分離できるものであればよい。
【0055】
(基準線の校正)3本のロール上に手書きした基準線31は誤差を含んでおり、精度がなく、通常の測定に用いる基準線としては使用することができない。そこで、該基準線31に沿って、3本のロールのそって細線の両端を引っ張って伸張して固定する。細線は糸やピアノ線などでよい。この伸張細線と手書き基準線とを、後述するCCDセンサ62で校正して、その差を基準線補正値として、後述する処理部へ記録しておく。該校正は基準線を引き直すたびに行う。校正が終われば伸張した細線を取り除く。
【0056】
シート状物1がガイドロールA91に接している点をA点、ガイドロールB93に接している点をB点、ガイドロールC95に接している点をC点とする。A点及びA’点が視野に入る位置にCCDセンサ62を設け、さらにB点及びB’点が、視野に入る位置にCCDセンサ62を設け、さらにまたC点及びC’点が視野に入る位置にCCDセンサ62を設け、累計3台のCCDセンサ62を設ける。
【0057】
前述の定盤を用いる方法では、シート状物1の一端から他方の端部に向かって撫でるように定盤に静置したが、ロールツーロール方法では、走行状態のシート状物1が必然的に伸張されるので、特別な処置はいらない。しかしながら、強度に伸張するとわずかな湾曲は矯正されてしまうので、ガイドロールへの抱き角度や、シート状物へ負荷する張力で制御すればよい。
【0058】
(測定)シート状物1を走行させながら、3台のそれぞれのCCDセンサ62で、A点及びA’点、B点及びB’点、C点及びC’点を撮影する。CCDセンサ62は、定盤方法のものと同様でよい。A点及びA’点はCCDセンサ62の視野に入ってさえいればよく、中点連結の定理から、電極が基準線に対して平行である必要もなく、他の点も同様である。このように、基準線と電極の点が撮影でき、その位置間距離を求められればよく、要は任意の3点の位置を定められればよい。即ち、前述の定盤を3本のロールに置き換えたもので、CCDセンサで撮影された後は、撮影データから湾曲度合21を算出する概念、及び装置も定盤方法のものと同様にできる。
【0059】
シート状物1は、通常、巻取り状で、長尺を連続して塗布、プレスなどの加工を行っている。このために、加工の初期、中間、及び最後では、作業の環境、組成物の組成や厚みなどが管理はしているものの、微妙に変化している。定盤方法では巻取りの終端しか測定できないが、ロールツーロール方法では、巻取り状で長尺のシート状物1を初期、中間、及び最後まで連続して測定できる。巻取りの内部までの品質を確認することができる。
【0060】
【実施例】
(実施例1)(伸張した細線の湾曲)
画像検出部として、2台のCCDセンサを使用し、1台はスライドが可能なガイドレールを用いて基準点A点0mm及び基準点より500mm先のB点を撮影し、残りの1台は基準点より1000mm先のC点に固定した。CCDセンサより取り込まれた検出画像の基準線及びシート状物の端部(エッジ)を閾値から検出し、その画素数を換算できる装置を用い、該装置からPC(処理部70、及び出力部80の機能を有している)に取り込み、判定後に、表計算ソフトにて画素数を長さに換算して、表示又はプリントなどの出力できるようにした。
細線として長さ1m程度の糸を2本用意し、該2本をたるみのないように任意の角度に並べて強く張り、CCDセンサの視野に入るように設置して、1本を基準線(ベースライン)とし、他方をシート状物に見たてた。2本それぞれ変形量(湾曲度合に相当する)を上記の装置を用いて30回測定を行ったところ、平均値は0.001mm、標準偏差は0.008であった。このことから、細線を用いた基準線の補正、及び該基準線を用いたシート状物の測定には十分測定に耐えることが判った。
【0061】
(実施例2)(マジック書き基準線を用いた測定)
厚さ2mmのガラス板へ、長さ1.5mのプラスチック定規を用いて1mの基準線をマジックインキ(登録商標)で手書きした。該ガラス板を実施例1の測定装置の定盤上へ置き、実施例1の細線で校正し補正を行った。長さ1m程度のリチウムイオン二次電池用の電極を用意し、マジック基準線に略沿わせて静置した。3回測定を行ったところ、平均値は0.70mm、標準偏差は0.035であり、繰り返し精度もよく、測定に使用できるものであった。
【0062】
(比較例1)(目視による測定)
実施例2と同じ長さ1m程度のリチウムイオン二次電池用の電極材を用いて、該電極材の端部を基準点(A点)及び基準点より1000mm先の点(C点)で固定した。基準点(A点)より500mm先の地点(B点)で、A点とC点とを結ぶ直線からどの程度離れているかを、目視にて3回測定を行ったところ、平均値は0.73mm、標準偏差は0.321であり、標準偏差が大きく測定には使用できなかった。。
【0063】
(実施例3)(湾曲0.3〜0.5mmの電極材)
(1)正極板を作成する。まず、ポリフッ化ビニリデンのワニスに、他の成分を加えた後、プラネタリーミキサー((株)小平製作所製)を用いて30分間攪拌・混合して、スラリー状の正極活物質層用塗工液を調製した。塗工液の組成は次の通りである。
<正極活物質層用塗工液>
・正極活物質(粒径1〜100μmのLiCoO2粉末) 89重量部
・導電材(グラファイト粉末) 8重量部
・バインダKF#1320(呉羽化学工業社製、ポリフッ化ビニリデンのワニス商品名、固形分12%のN−メチル−2−ピロリドン溶液) 33重量部
該正極用塗工液を、幅330mm、厚さ15μmの連続シート状のアルミ箔を正極集電体とし、該集電体表面にダイコーターを用いて間歇塗布方式で、図3(B)のように、長さ方向に50mmの露出部が1mの間隔で繰り返すパターン状に塗布した後、順次温度が上昇する乾燥オーブン(80℃〜140℃)中を通過させることにより乾燥させ、乾燥時塗工量が200g/m2の塗工層(正極活物質層)を形成した。もう一方の面にも、長さ方向に10mmの露出部が1mの間隔で繰り返すパターン状で、露出部の一方の側が表裏で略一致するようにする以外は、同様にして、乾燥時塗工量が200g/m2の塗工層を形成した。
エージング後、さらに集電体の塗工層をロールプレス機を用い線圧4903N/cm(0.5ton/cm)でプレスを行って正極板を得た。その後さらに、正極活物質層を形成した集電体を80℃の真空オーブン中に入れて48時間エージングを行なうことにより、塗工層中の水分を除去した。
【0064】
(2)負極板の作成
集電体として、幅330mm、厚さ14μmの連続シート状の銅箔を用いる。次に、ポリフッ化ビニリデンのワニスに他の成分を加え、正極用塗工液と同様にして負極活物質層用塗工液を調製した。塗工液の組成は次の通りである。
<負極活物質層用塗工液>
・負極活物質(グラファイト粉末) 85重量部
・バインダKF#1120(呉羽化学工業社製、ポリフッ化ビニリデンのワニス商品名、固形分12%のN−メチル−2−ピロリドン溶液) 125重量部
・分散媒(N−メチル−2−ピロリドン) 115重量部
該負極用塗工液を、集電体の両面のプライマ層面に、正極板を作成したのと同じ方法で塗布し、乾燥し、乾燥時塗工量が100g/m2の塗工層を形成した。その後さらに、正極板を作成したのと同じ方法でエージングを行ない、プレスを行って負極板を得た。
【0065】
上記の正極及び負極の電極材を実施例2と同様に測定し、湾曲度合が0.3〜0.5mmのものを用い、公知のセパレータを介して捲き回したところ、100個中100個すべてがうまく捲回でき、これを電池化した電池100個中100個すべてが正常に機能した。
【0066】
(実施例4)(ロールツーロール方法)
実施例3の負極の電極板を、幅42mmにスリットし、1000mの巻取とした。該巻取を明細書中で説明したロールツーロール方法で、10m毎に測定し、湾曲度合はシート平面における長手1mにつき、左右方向への湾曲度合をmmで表わした。湾曲度合は、巻取の最初から900mまでは0.9〜0.7mmであり、910m〜970mまでは0.6〜0.5mmであり、980m〜1000mでは0.2〜0.4mmであった。
【0067】
(実施例5)(湾曲0.7〜0.9mmの電極材)
ロールプレス機の線圧を7846N/cm(0.8ton/cm)とし、多段プレスする以外は、実施例3と同様にして正極板、及び負極板を作成した。
該正極及び負極の電極材を実施例2と同様に測定し、湾曲度合が0.7〜0.9mmのものを用いて、公知のセパレータを介して捲き回したところ、100個中95個がうまく捲回でき、目視により5個が捲回不良であった。
【0068】
(比較例2)(湾曲1.1〜1.3mmの電極材)
ロールプレス機の線圧を9807N/cm(1ton/cm)とし、多段プレスする以外は、実施例3と同様にして正極板、及び負極板を作成した。
該正極及び負極の電極材を実施例2と同様に測定し、湾曲度合が1.1〜1.3mmのものを用いて、公知のセパレータを介して捲き回したところ、100個中28個がうまく捲回でき、目視により72個が捲回不良であった。
【0069】
【発明の効果】
本発明の測定方法によれば、シート状物のシート平面の長手の左右方向への変形(湾曲)度合を、定量的、良再現性、高精度に測定することができる。特に反り(カール)しやすいもの、波打ちしやすいもの、柔軟なものには好適である。また、直線精度がよく長い基準線は、その作製は極めて難しく高価であり、温度などの環境によっても変化するので測定の都度校正をせねばならないが、本発明の基準線は、定盤上へ例えばステンレス定規などで、マジックインキやボールペンなどで引けばよく、極めて安価である。さらに、該基準線は何回でも作り直し、校正することができるので、消耗品扱いとすることができる。
また、プレス時の電極材の歪みがスリットし切断してシート状物となった電極材は、伸張から解放されて、湾曲変形を発生しやすいが、湾曲限度以内へおさまるように製造条件を制御でき、できてしまったものは検査し選別することができる。
【0070】
ロールツーロール方法では、走行状態のシート状物1が必然的に伸張されるので、測定点を固定する特別な処置がいらない。また、他の機械の一部へ組み込むことで、工程が増加せず、ロスが少ない。また、巻取り状で長尺のシート状物1を初期、中間、及び最後まで連続して測定できるので、巻取りの内部までの品質を確認することができる。
【0071】
本発明の測定装置によれば、上記の基準線を用い、既存のCCDセンサ、パソコン、パソコン周辺部品、及び簡単な演算や比較ソフトで、細長いシート状物を定量的、良再現性、高精度に測定することができ、装置自体も安価である。
【0072】
本発明の細長いシート状物、特に反り(カール)しやすいもの、波打ちしやすいもの、柔軟なものには好適であり、本発明の測定方法で測定し、湾曲度合が限度内の細長いシート状物、例えば、携帯電話用の小型リチウムイオン電池の電極材であれば、短辺幅は20〜70mm、長辺の長さは0.2〜1m程度で、他の略同寸法の細長いシート状物の部材と重ねて巻き回しても左右方向へズレ(蛇行)が生ぜず、短絡、活物質の脱落、密閉不良などの機能性に支障をきたす現象が極めて減少できる。
バックアップ用の大型リチウムイオン電池であれば、その極板の短辺幅は100〜500mm、長辺の長さは0.5〜100m程度である。多数回の巻き回しでもズレ(蛇行)が少ないので、巻き回し制御が容易で、また、隙間や折れが生ぜず、機能性に支障をきたす現象が極めて減少できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例を示すリチウムイオン電池の電極材の平面図、断面図である。
【図2】 本発明の1実施例を示すリチウムイオン電池の電極材の変形を説明する平面図、断面図である。
【図3】 測定装置の概念を説明する側面図、平面図である。
【図4】 本発明の1実施例を示す測定方法を説明する平面図である。
【図5】 本発明の測定装置の機能要素のブロック図である。
【図6】 本発明の1実施例を示す測定方法を説明する側面図及び平面図である。
【符号の説明】
1 シート状物
11 アルミニウム箔
13A、13B 活物質層
15 露出部
21 湾曲度合
23 演算湾曲度合
31 基準線
33 調整基準線
35 湾曲基準線
60 画像検出部
61 レンズ
62 CCDセンサ
63 CCD駆動回路
64 ビデオアンプ
70 処理部
71 検出値メモリ
72 基準レベル設定部
73 基準値メモリ
74 比較部
76 判定部
77 映像メモリ
80 出力部
81 判定表示部
82 警報部
83 印字部
84 画像表示部
Claims (3)
- 少なくとも3本のガイドロールに接して走行する細長シート状物の湾曲度合の測定方法であって、(a)前記3本の各ガイドロールに前記細長シート状物とコントラストのある基準線を設け、(b)各ガイドロールに、前記基準線及び前記細長シート状物の端部が視野に入るようにCCDセンサを取り付け、ガイドロールとCCDセンサの対からなる3組とし、(c)別途用意した細線を前記3本の各ガイドロールに接して伸張し直線状として校正用基準線とし、前記3組の3台のCCDセンサで前記基準線及び前記校正用基準線とを撮影して3点のCCD校正用画像を得、該3点のCCD校正用画像から基準線と校正用基準線とを比較し、3点における差を3点の基準線補正値として記憶させておき、伸張した細線を取り除いた後に、(d)前記3本のガイドロールに接して、前記細長シート状物を前記基準線に略沿わせて走行させながら、(e)前記3台のCCDセンサで、ガイドロールに設けられた基準線と走行する細長シート状物の端部とを視野に入れて撮影して、3点のCCD測定用画像を得、(f)該3点のCCD測定用画像から基準線と細長シート状物の端部との距離を検出し、該3点の距離値、3点の前記基準線補正値、及び予め測定しておいた各ガイドロール間の長手方向の距離値とから湾曲度合を演算することを特徴とする細長シート状物の湾曲度合の測定方法。
- 上記基準線と細長シート状物のなす角度が45度以下であることをを特徴とする請求項1に記載の湾曲度合の測定方法。
- 請求項1〜2のいずれかに記載の湾曲度合の測定方法で測定する細長シート状物の湾曲度合の測定装置であって、前記細長シート状物とコントラストのある基準線を有する少なくとも3本のガイドロールと、3本のガイドロール部のそれぞれに設けた3台のCCDセンサを有する画像検出部と、該画像検出部でまず校正用画像で基準線を校正した基準線補正値として記憶させ、次に測定用画像から湾曲度合を演算し、予め設定した判定値と比較して合否判定する処理部と、判定結果を表示若しくは出力、又は不合格の発生警報を発する出力部及び/又は警報部を有することを特徴とする細長シート状物の湾曲度合の測定装置。
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