JP4267183B2 - 疲労強度特性に優れたレーザーまたは電子ビーム溶接継ぎ手を備えた構造物及びそれらの製造法 - Google Patents

疲労強度特性に優れたレーザーまたは電子ビーム溶接継ぎ手を備えた構造物及びそれらの製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザーまたは電子ビーム溶接継ぎ手及びそれらの製造方法に関するものであり、特に、疲労強度、静的強度、靭性の機械的特性に優れたレーザーまたは電子ビーム溶接継ぎ手を備えた構造物及びそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶接構造物の信頼性は、その溶接部の特性でほぼ決定されているといって過言ではない。そのため、従来から、溶接部の特性向上には多大な関心が注がれてきた。例えば溶接部の疲労特性については、最近では、溶接学会論文集、第18巻、第1号、141〜145頁に高合金化した溶接材料を用いて溶接することにより溶接金属の変態温度を低下させて、溶接終了後の変態による膨張を利用して溶接部の残留応力の低減を行う方法が報告されている。しかしながら、この方法は、高価な合金元素を多く添加した溶接材料を用いるため、溶接材料コストの増大を招き、経済的な面で問題がある。
【0003】
また、溶接部の疲労特性を向上させるための他の方法としては、被接合材の成分の調整により溶接熱影響部の軟化を抑制するか、最高硬さを低化させることにより溶接部の硬さ分布を平坦化し相対的な軟化部への歪み集中を軽減する方法が知られている。この溶接部の硬さ分布を平坦化する具体的な方法としては、溶接熱影響部の軟化を抑制するためにC等の焼き入れ性元素を添加したり、最高硬さを低化させるために焼き入れ性元素を低減させることにより、相対的に軟化部と最高硬さの硬度差を減少させる方法が一般的である。しかしながら、前者のC等の焼き入れ性元素を添加する方法は、溶接熱影響部の軟化を抑制するために効果はあるが、マルテンサイトなど硬質組織が多くなり最高硬さが高くなり過ぎて靭性が低下するという問題が生じる。また、後者の焼き入れ性元素を低減させる方法は、溶接熱影響部の最高硬さを低化させるために効果はあるが、軟化部が拡大して溶接継ぎ手の必要強度の確保が困難になるという問題が生じる。
【0004】
従って、従来の母材成分の調整による溶接熱影響部の軟化抑制、または最高硬さの低減は、疲労強度を改善できるものの、強度及び靭性の何れかを劣化させるという問題があった。
【0005】
一方、今までに鋼板の成分組成と制御圧延冷却による組織制御により疲労特性に優れた鋼板が提案されており、例えば、特開平6−49593号公報には、鋼板表裏層から所定範囲に所定アスペクト比(長径/短径)の集合組織を有した溶接構造物用厚鋼板が開示され、また、特開平6−49587号公報には、鋼板表裏層から所定範囲の硬度が板厚内部よりも所定以上高い組織を有する溶接継ぎ手用高疲労強度厚鋼板が開示されている。
【0006】
しかしながら、特開平6−49593号公報等の組織制御された鋼板を溶接する場合は、溶接金属はもちろん、その近傍の熱影響部においても溶接熱によって、本来の鋼板組織は消失してしまい、本来の鋼板の特性を維持することはできない。また、特開平6−49587号公報に開示されている鋼板は、鋼板表層部に溶接する隅肉溶接用の厚鋼板であり、鋼板表層部の組織制御(硬度向上)により、隅肉溶接時に、鋼板表層部にある溶接部から発生する疲労亀裂を遅延し疲労強度を向上できるが、一般の鋼板の突き合わせ溶接時には、適用できないものであり、汎用性の問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような従来技術の問題を鑑み、鋼板の成分及び組織等を制御するとともに、溶接材料を用いずに低入熱量でも良好な溶け込み深さが得られるレーザー溶接や電子ビーム溶接を用いることにより疲労強度、静的強度、靱性等の機械的特性に優れたレーザーまたは電子ビーム溶接継ぎ手を備えた構造物及びそれらの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成するものであり、その要旨は次の通りである。
【0009】
(1) 鋼板板厚が4〜20mmであり、成分として、質量%で、
C:0.005〜0.15%、
Si:0.01〜0.8%、
Mn:0.2〜2.0%、
Al:0.001〜0.2%、
N:0.02%以下、
P:0.01%以下、
S:0.01%以下
を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなり、鋼板表面及び裏面のそれぞれから板厚方向に板厚の5%以上までの範囲において、平均円相当径で3μm以下の細粒フェライト組織を有し、且つ溶接部の熱影響部の幅が1.6mm以下であることを特徴とするレーザー溶接継ぎ手を備えた構造物。
【0010】
(2) さらにNi、Cu、Nb、Ti、Bの内の1種または2種以上を合計量で4.5質量%以下含有することを特徴とする上記(1)に記載のレーザー溶接継ぎ手を備えた構造物。
【0012】
(3) 鋼板板厚が10〜50mmであり、成分として、質量%で、
C:0.005〜0.15%、
Si:0.01〜0.8%、
Mn:0.2〜2.0%、
Al:0.001〜0.2%、
N:0.02%以下、
P:0.01%以下、
S:0.01%以下
を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなり、鋼板表面及び裏面のそれぞれから板厚方向に板厚の5%以上までの範囲において、平均円相当径で3μm以下の細粒フェライト組織を有し、且つ溶接部の熱影響部の幅が1.6mm以下であることを特徴とする電子ビーム溶接継ぎ手を備えた構造物。
【0013】
(4) さらにNi、Cu、Nb、Ti、Bの内の1種または2種以上を合計量で4.5質量%以下含有することを特徴とする上記(3)に記載の電子ビーム溶接継ぎ手を備えた構造物。
【0015】
(5) 鋼板板厚が4〜20mmであり、成分として、質量%で、
C:0.005〜0.15%、
Si:0.01〜0.8%、
Mn:0.2〜2.0%、
Al:0.001〜0.2%、
N:0.02%以下、
P:0.01%以下、
S:0.01%以下
を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなり、鋼板表面及び裏面のそれぞれから板厚方向に板厚の5%以上までの範囲において、平均円相当径で3μm以下の細粒フェライト組織を有する鋼板を熱影響部の幅が1.6mm以下になるようにレーザー溶接することを特徴とするレーザー溶接継ぎ手を備えた構造物の製造方法。
【0016】
(6) さらにNi、Cu、Nb、Ti、Bの内の1種または2種以上を合計量で4.5質量%以下含有することを特徴とする上記(5)に記載のレーザー溶接継ぎ手を備えた構造物の製造方法。
【0017】
(7) 鋼板板厚が10〜50mmであり、成分として、質量%で、
C:0.005〜0.15%、
Si:0.01〜0.8%、
Mn:0.2〜2.0%、
Al:0.001〜0.2%、
N:0.02%以下、
P:0.01%以下、
S:0.01%以下
を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなり、鋼板表面及び裏面のそれぞれから板厚方向に板厚の5%以上までの範囲において、平均円相当径で3μm以下の細粒フェライト組織を有する鋼板を熱影響部の幅が1.6mm以下になるように電子ビーム溶接することを特徴とする電子ビーム溶接継ぎ手を備えた構造物の製造方法。
【0018】
(8) さらにNi、Cu、Nb、Ti、Bの内の1種または2種以上を合計量で4.5質量%以下含有することを特徴とする上記(7)に記載の電子ビーム溶接継ぎ手を備えた構造物の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
初めに、本発明の技術思想について述べる。
【0020】
一般に、レーザー溶接や電子ビーム溶接は、アーク溶接に比べて高エネルギー密度で溶接ができるため、溶接材料を用いなくても溶接が可能であるとともに、アーク溶接に比べて低入熱量でも完全溶け込み溶接を行うことができることができる。
【0021】
また、本発明者らの実験等の検討結果から、レーザー溶接や電子ビーム溶接はアーク溶接に比べて溶接金属部近傍の溶接熱影響部の軟化部が大幅に低下できることが判った。これは、アーク溶接のような溶接熱影響部の軟化が発生しやすい溶接方法に比べて、レーザー溶接や電子ビーム溶接は、強度等の溶接継ぎ手特性の向上のために鋼板の組織制御が有効となることを示唆するものである。
【0022】
一方、レーザー溶接や電子ビーム溶接は、アーク溶接に比べて低入熱量で溶接するために溶接部の冷却速度が速く、マルテンサイト等の硬質な焼き入れ組織が生成しやすく、最高硬さが高くなるとともに溶接継ぎ手靱性の低下が生じる。
【0023】
そこで、本発明者らは、これらのレーザー溶接や電子ビーム溶接のメリットである溶接熱影響部の軟化部の大幅低下を活かしつつ、そのデメリットである焼き入れ組織に起因する最高硬さ増大の問題を解決し、溶接継ぎ手の疲労強度、静的強度、靭性に優れた溶接継ぎ手を備えた構造物の製造法について、鋭意検討を行った。レーザー溶接や電子ビーム溶接のデメリット、つまり溶接継ぎ手靱性低下の要因となる最高硬さ増大を抑制し、且つ溶接継ぎ手の必要強度を確保する方法として、鋼板の焼き入れ成分の低減による靱性向上と組織細粒化による強度確保に着目して検討を行った。
【0024】
図1に、本発明のレーザー溶接または電子ビーム溶接による溶接継ぎ手(左図)と、従来のアーク溶接による溶接継ぎ手(右図)における硬さ分布図を示す。
【0025】
なお、図中で点線は、実線の鋼板に比べて焼き入れ成分を低減して鋼材を溶接した場合の硬さ分布を示す。
【0026】
図1からレーザー溶接または電子ビーム溶接は、アーク溶接に比べて最高硬さが高く、母材より硬さが低くなる軟化部が大幅に低減するか、なくすことができることが判る。これは、レーザー溶接または電子ビーム溶接などの高エネルギー密度での溶接を行うと、アーク溶接等の溶接法に比べて低入熱量で良好な溶け込み状態で溶接できるため、熱影響部の軟化部の幅が大幅に減少し、一方で、低入熱量により冷却が速くなる分、溶接部の溶接金属(母材が溶融して冷却凝固した領域)には硬質焼き入れ組織が生成しやすくなるためと考えられる。
【0027】
また、図1から、レーザー溶接または電子ビーム溶接では、鋼板の焼き入れ成分を低減することにより熱影響部の軟化部がない状態で、最高硬さのみを抑えられることが判る。一方、アーク溶接では、鋼板の焼き入れ成分の低減により最高硬さは抑えられるが、熱影響部の軟化部は、さらに広がり、溶接継ぎ手強度が低下するだけでなく、歪み集中による疲労亀裂発生の要因になる軟化部の拡大かつ硬さ低下により疲労特性はむしろ悪くなっていることが予想される。
【0028】
上記の結果から焼き入れ成分を低く規定した鋼材をレーザー溶接または電子ビーム溶接することにより、熱影響部の最高硬さ及び軟化部生成を抑制することができ、疲労特性、靭性が良好な溶接継ぎ手を備えた構造物が得られることが判る。
【0029】
また、レーザー溶接または電子ビーム溶接は、アーク溶接に比べて熱影響部の軟化部が大幅に低減できるため、鋼材の焼き入れ成分の低下による溶接継ぎ手の強度低下を抑制する方法として、鋼材組織の細粒化による強度向上が有効となることが判る。
【0030】
すなわち、本発明は、上記の知見を基に、溶接継ぎ手として、レーザー溶接または電子ビーム溶接を適用するとともに、鋼材の焼き入れ成分を低減することにより溶接熱影響部の最高硬さを抑え、且つ鋼材の組織の細粒化により焼き入れ成分を低減による溶接継ぎ手強度の低下を抑制することを技術思想とするものである。また、溶接継ぎ手を備えた構造物としては、鋼板等の鋼材や建築構造物等を意味するものである。
【0031】
なお、レーザー溶接や電子ビーム溶接などの溶接では、アーク溶接等に比べて溶接継ぎ手の溶接熱影響部に軟化部が大幅に低減できるメカニズムは、次のように考えることができる。
【0032】
すなわち、これら溶接方法は、高エネルギー密度の集中熱源を用いて溶接するため、アーク溶接等に比べて低い入熱量で完全溶け込みが達成される。そのためその溶接ビード形状は細長くなり、溶接熱影響部の幅は、入熱量が同じ条件のアーク溶接に比べて狭くなる傾向にある。特に熱影響部の軟化領域は、ピーク温度でせいぜい900〜750℃の領域であるが、この領域は、高エネルギー密度溶接部の方がアーク溶接部に比べ大幅に狭くなる。この理由は、溶接時の完全溶け込みが達成される入熱量を比較すると、レーザー溶接や電子ビーム溶接等の高エネルギー密度溶接では、アーク溶接と比べて、その必要入熱量を数分の一以下に低減することができるため、軟化部に対応する上記温度領域が格段に狭くなるためであると考えられる。
【0033】
次に、本発明の詳細について、説明する。
【0034】
本発明の溶接継ぎ手の鋼材成分の限定理由は以下の通りである。なお、以下に示す%は質量%を意味する。
【0035】
Cは、鋼板に添加する元素の内、最も焼入性を上げる元素である。また、レーザー溶接のように、冷却速度が速い場合は、熱影響部の融合線近傍ではミクロ組織がほぼ100%マルテンサイト組織になるが、このマルテンサイトの硬さそのものは、Cを代表とする侵入形固溶元素の含有量でほぼ決定される。従って、C含有量を抑えることは熱影響部の最高硬さを抑制する最も有効な手段である。これは、母材が溶接時に一度溶融して凝固した、いわゆる溶接金属の硬さに対しても、全く同じことがいえる。特に、レーザー溶接や電子ビーム溶接では、溶加材を用いないため、溶接金属と母材の成分は同じである。従って、鋼板のC含有量を抑えることによって溶接金属の硬さをも抑えることが可能である。本発明では、C含有量を0.005〜0.15%に規定する。 C含有量を過度に低減すると、後述の鋼板組織の細粒化を用いても充分な溶接継ぎ手の強度を確保することができないため、その下限を0.005%とした。また、上限の0.15%は、これ以上添加すると融合線の硬さが高くなりすぎ、母材強度を細粒化によって向上させたとしても硬さ分布が平坦にならず、溶接継ぎ手の疲労特性を向上することができず、また、圧延時の変形抵抗が大きくなり過ぎるために規定する。
【0036】
Siは脱酸元素として有効に利用すべき元素であり、その含有量を0.01〜0.8%とする。Siの下限0.01%は、この脱酸効果が得られる最低限の値として設定した。上限の0.8%は、過大なSi添加は鋼材の加工性を下げ、且つ焼入性を上げ、溶接部の靱性劣化を招くためこの値を設定した。
【0037】
Mnは、鋼材の強度を向上させる成分として有効活用すべき元素である。また、Mnによる強度確保は、その分、鋼材に添加すべきCを減らすことができる。一方、既に述べたように、100%マルテンサイトの硬さはCのみで決定されるため、溶接熱影響部の最高硬さを抑える意味でもMnは有効活用すべきである。本発明では、その含有量を0.2〜2.0%に規定する。下限0.2%は、強度確保、C添加抑制の効果が得られる最低限の値として設定した。しかし、過剰のMn添加は、2相域圧延温度を下げすぎ変形抵抗が上昇してしまうため上限を2.0%とした。
【0038】
Al及びNはAl窒化物による鋼材の微細化のほか、圧延過程での固溶、析出による鋼材の再結晶のために添加するが、添加量が少ないときは効果がなく、過剰の添加は鋼材の靭性を劣化させるので、Alは0.001〜0.2%に、Nは0.02%以下にそれぞれ規定する。
【0039】
P及びSは、本発明では不純物として扱う成分である。しかし、これら元素が過剰に存在すると鋼材の靱性劣化を招くため、それぞれ0.01%以下、0.01%以下とした。
【0040】
以上が、本発明の溶接継ぎ手における鋼材の基本成分であるが、さらに、鋼材の強度、靭性などの要求特性に応じて、Ni、Cu、Nb、Ti、Bを添加することができる。しかしながら、これらの成分元素を過度に添加すると、後述の鋼材組織の細粒化を達成させるための2相域圧延時の変形抵抗が増加し、圧延負荷増大等の問題が生じるため、これらの添加元素の含有合計量の上限を4.5%に規制する必要がある。
【0041】
次に、本発明の溶接継ぎ手の鋼材組織の限定理由について説明する。
【0042】
本発明では、溶接部の最高硬さの低減のために鋼板に添加する焼き入れ成分元素を低減し、それによって生じる溶接継ぎ手の強度低下を鋼板のミクロ組織を細粒化することを技術思想とする。上述の焼き入れ成分を低減した成分系で、溶接継ぎ手の必要強度を確保するためには、鋼板表面及び裏面のそれぞれから板厚方向に板厚の5%以上までの範囲において、平均円相当径で3μm以下の細粒フェライト主体組織が存在することが必要である。
【0043】
細粒フェライト主体組織の存在範囲を鋼板表面及び裏面のそれぞれから板厚方向に板厚の5%以上と規定したのは、板厚の5%未満では、レーザー溶接または電子ビーム溶接継ぎ手の溶接熱影響部の最高硬さを低減し、靭性が劣化しない焼き入れ成分の低い成分系において、充分な強度を確保することができないためである。
【0044】
また、細粒フェライト主体組織の粒径を3μm以下に規定した理由は、粒径が3μmを超えると、鋼材の全厚を同じ粒径の組織としてもレーザー溶接または電子ビーム溶接継ぎ手の溶接熱影響部の最高硬さを低減し、靭性が劣化しない焼き入れ成分の低い成分系において、充分な強度を確保することができないためである。
【0045】
なお、上記の細粒フェライト主体組織を達成するためには、例えば、圧延パス間に冷却を行いながら繰り返し熱間圧延する等の方法により、昇温過程中のフェライト組織に必要量の加工を加え、且つオーステナイト化への逆変態を防止すればよい。この方法によれば、熱間圧延により加工フェライトに導入された転位は回復、再配列をおこし、フェライトの超微細化が可能となる。そこで、熱間圧延中に、厚鋼板の表裏面を水冷し、一旦、フェライト変態させてしまい、その後、冷却によってもほとんど温度が低下しない板厚中心部の顕熱を利用して、表裏面部のフェライト組織を昇温させながらさらに圧延を行い、最終的に表裏面の特定板厚範囲のフェライト組織を3μm以下に制御することができる。
【0046】
また、本発明では、上記細粒フェライト主体組織に、不可避的に存在するパーライト、ベイナイト、マルテンサイト等の組織が含有されても本発明の所要特性を阻害する問題はないが、これらの組織の粒径は、3μm以下であることが必要である。
【0047】
次に、本発明の溶接継ぎ手の板厚を限定した理由について述べる。
【0048】
本発明では、溶接継ぎ手の溶接熱影響部の軟化部を低減させるための条件として、アーク溶接等に比べて低入熱溶接で完全溶け込みが得られる高エネルギー密度のレーザー溶接または電子ビーム溶接を用いるが、このような高エネルギー密度の集中熱源をもって溶接する場合にも、板厚の増加に伴って溶接ビード及び溶接熱影響部の幅が広がり、軟化部を低減できない。この軟化部が低減できない板厚の上限は、エネルギー密度等の熱源特性によりレーザー溶接と電子ビーム溶接で異なるため、それぞれの溶接方法において板厚を規定する必要がある。
【0049】
本発明でレーザー溶接を用いる場合は、板厚を4〜20mmに規定する。
【0050】
板厚の上限の20mmは、その上限板厚を超えると、レーザー溶接の集中熱源を用いても溶接ビード及び溶接熱影響部の幅が広がり過ぎて軟化部の幅を低減できず、疲労特性向上が得られなくなるため、規定した。また、板厚の下限の4mmは、その下限板厚を下回ると、鋼板の熱間圧延時の放冷により板厚中心部の温度低下が大きくなり、圧延パス間冷却の熱間圧延時の冷却後の鋼板表裏面領域の鋼板中心部の顕熱による昇温効果を利用できず、結果として上述の本発明の細粒フェライト主体組織を生成できなくなるため、規定した。
【0051】
また、本発明で電子ビーム溶接を用いる場合は、板厚を10〜50mmに規定する。
【0052】
電子ビーム溶接は、レーザー溶接よりもエネルギー密度が高いため、厚い板に対して適用可能である。しかしながら、電子ビーム溶接は、溶接部近傍を真空にする必要があるため、その分、溶接作業性はレーザー溶接よりも低くならざるを得ない。板厚の下限の10mmは、溶接作業性を考慮したうえで電子ビーム溶接の適用メリットが得られる最低板厚とした。また、板厚の上限の50mmは、その上限板厚を上回ると、電子ビーム溶接のような高エネルギー密度溶接でも、溶接熱影響部の幅が広くなり過ぎて、軟化部を低減することができなくなるために規定する。
【0053】
次に、本発明の溶接継ぎ手の溶接熱影響部の幅を限定した理由について説明する。
【0054】
本発明のレーザー溶接または電子ビーム溶接を適用した場合の溶接部は、溶接時に母材が一度溶融した後、冷却凝固する領域である溶接金属と、溶接入熱により影響を受け、母材のミクロ組織とは異なる組織となる領域である溶接熱影響部とに大きく区分できる。本発明の溶接金属は、溶接材料を用いないため、その成分組成は、母材とほぼ同等あるが、他の溶接方法に比べてレーザー溶接または電子ビーム溶接は低入熱量かつ冷却速度が高いため、溶融後の冷却強固過程で硬質焼き入れ組織が生成されやすく硬さが高い領域である。
【0055】
一方、溶接熱影響部は、溶接金属から母材の方向に離れるに従って硬さが低くなり、一般的に、溶接熱影響部の範囲でも特に母材部に近傍領域に母材の硬さよりも軟らかく最も硬度が低い領域である軟化部が形成される。この軟化部は、他の溶接熱影響部より最高到達温度が低い領域のために、他の溶接熱影響部に比べて旧オーステナイト粒径が小さくなった領域である。従って、溶接金属と溶接熱影響部、つまり溶接部の幅が一定の条件であれば、溶接金属の幅を増大させることによって、溶接熱影響部の幅を低減でき、必然的に溶接熱影響部中の母材近傍に存在する軟化部を低減、または実質的に消失できる。
【0056】
上記の知見を踏まえて、本発明では、溶接継ぎ手の軟化部を低減することにより、疲労強度特性を向上し、強度低下を抑制するために溶接熱影響部の幅を1.6mm以下に規定する。上限の1.6mmは、その上限値を上回ると、軟化部生成による疲労強度特性及び強度低下の影響が顕著になるため規定する。
【0057】
なお、溶接熱影響部の幅を上記の範囲に制御する方法としては、例えば、電子ビーム溶接の場合には、溶接入熱量が同じ条件で、溶接ビームに適当な磁場を加え、溶接ビームをオッシレーションさせながら溶接金属の幅を調整することで溶接熱影響部の幅を制御できる。
【0058】
また、レーザー溶接の場合は、溶接ビームをオッシレーションさせることも可能ではあるが、電子ビームの場合よりは難しい。これに変わる方法としては、適当なレンズを用いてレーザービームを溶接線に対し直角な方向に横長形状となるように制御することで、オッシレーションの場合と同じ効果が得られ、溶接熱影響部の幅を狭く制御できる。
【0059】
図2には、電子ビーム溶接で、溶接ビームのオッシレーションを実施しない場合(上図)と実施した場合(下図)での溶接熱影響部及び溶接金属の模式図(断面図)を示した。図2の溶接ビームのオッシレーションを実施しない場合(上図)と実施した場合(下図)を比較して明らかなように、両者の溶接熱影響部と母材の境界(点線)位置、つまり、溶接部(溶接金属+溶接熱影響部)の全幅は一定であるが、オッシレーションを実施した場合(下図)は、溶接金属の幅が広くすることで、溶接熱影響部の幅を狭くすることができる。つまり、溶接入熱量が同じ条件で、溶接ビームに適当な磁場を加え、溶接ビームをオッシレーションさせながら溶接金属の幅を拡げることで溶接熱影響部の幅を低減できる。
【0060】
【実施例】
以下に本発明の実施例及び比較例により本発明の効果について説明する。
【0061】
表1に示した本発明で規定した範囲にある成分組成を有する鋼板を表2に示す製造条件にて、最終板厚が10〜75mmの範囲にある鋼板を製造した。表2において、鋼板番号1〜13及び20は、製造条件を厳格にした圧延パス間冷却による制御圧延を実施したものであり、鋼板番号14〜19は、加熱温度が、約1200℃、900〜1000℃の温度領域で熱間圧延し、その後空冷する通常圧延を実施したものである。得られた鋼板の板厚、組織及び特性を表3に示す。表3で、本発明例の鋼板番号1〜12は、本発明で規定する鋼板の表裏層から板厚方向の範囲に本発明で規定する平均粒径の細粒フェライト主体組織が存在し、鋼板全厚の強度が440MPa以上を維持している鋼板であり、比較例の鋼板番号13は、フェライト主体組織の平均粒径が本発明で規定する範囲から外れ、鋼板全厚の強度が低く、比較例の鋼板番号20は、表裏層組織は本発明範囲内であるが、板厚が発明範囲外のものである。また、比較例の鋼板番号14〜19は、上記の通常圧延条件で製造した鋼板であり、鋼板組織の平均粒径は約50μmであり、本発明範囲から外れ、鋼板全厚の強度が低いものであった。
【0062】
【表1】
Figure 0004267183
【0063】
【表2】
Figure 0004267183
【0064】
次に、これらの鋼板をレーザー溶接法または電子ビーム溶接法により突き合わせ溶接した。
【0065】
レーザー溶接及び電子ビーム溶接時の溶接に必要なパワーは、板厚によって異なるため、板厚によって以下のようにパワーを調整した。レーザー溶接の場合は、板厚が14mmまでは10kW、1m/minで、18mmまでは15kW、1m/minで、23mmまでは20kW、0.8m/minで溶接した。
【0066】
また、電子ビーム溶接の場合は、板厚が25mm以下の場合は、150mA、150kV、60cm/minで、板厚が40〜50mmの場合は、200mA、160kV、50cpmで、板厚が75mmの場合は、210mA、150kV、16cm/minで溶接した。
【0067】
溶接終了後、疲労試験片を継ぎ手部より採取し、表裏面のビード形状が疲労試験結果に影響しないよう、表裏面を機械加工によりなめらかな表面に仕上げた。
【0068】
これらの試験片を用い、疲労試験を実施した。疲労特性の比較は、応力振幅が400MPaの場合(10Hz)における疲労寿命(cycle)と、疲労限で行った。
【0069】
表4に、レーザー溶接及び電子ビーム溶接を行った溶接継ぎ手の溶接熱影響部の幅と、溶接熱影響部の最高硬さ及び疲労特性を示す。なお、表4中のLはレーザー溶接を、EBは電子ビーム溶接をそれぞれ示す。
【0070】
表4の溶接部最高硬さを比較すると判るように、本発明例では、鋼材全厚強度が高くとも、最高硬さは比較材とほぼ同程度のレベルであることが理解できる。これは、鋼材強度を高くしたとしても、溶接部の最高硬さを従来と同じ程度に抑えることが可能であることを意味し、溶接部の機械的特性上好ましいことを示している。
【0071】
表4において、比較例の試験番号:17〜22は、表3に示す通常圧延条件で製造し、本発明の組織規定範囲から外れる鋼板番号:14〜19の鋼板をレーザー溶接または電子ビーム溶接して溶接継ぎ手を作製したものであり、もともと母材の硬さが低くなっているため溶接熱影響部に母材より軟らかくなる部分(軟化部)は認められなかったが、母材部の強度が低くなってしまっているため、400MPaでの疲労寿命が0.5×105以下に低く、また、疲労限も260MPa以下であった。
【0072】
比較例の試験番号16は、表3に示す制御圧延材であるが、フェライト主体組織の平均粒径が本発明で規定する範囲から高め(21mm)に外れ、鋼板強度が低い鋼板番号:13の鋼板をレーザー溶接して溶接継ぎ手を作製したものであり、母材部の強度が低く、硬さが低くなり、本発明例と比べ充分な疲労特性が得られていない。比較例の試験番号23は、表3に示す制御圧延材であり、表裏層組織は本発明範囲内であるが、板厚が75mmと厚く、発明範囲外である鋼板番号:20の鋼板を電子ビーム溶接して溶接継ぎ手を作製したものであり、板厚が厚過ぎるために種々のオッシレーション条件で電子ビーム溶接を行っても溶接熱影響部幅が広がり、硬さが160と低い軟化部が発生し、軟化部にひずみが集中して疲労特性が劣化した。
【0073】
比較例の試験番号4、7、11は、表3に示す制御圧延材であり、表裏層組織は本発明範囲内である鋼板番号:3、5、8の鋼板を電子ビーム溶接して溶接継ぎ手を作製したものであるが、溶接熱影響部の幅が本発明範囲からはずれているため、表4に示すように溶接熱影響部に表裏面の細粒化層より軟らかい部分、すなわち軟化部が発生し、疲労特性が劣化し、疲労限もすべて300MPaに達しなかった。比較例の試験番号14は、表3に示す制御圧延材であり、表裏層組織は本発明範囲内であるが、板厚が23mmとレーザー溶接を適用するためには厚い板厚の鋼板番号:11の鋼板をレーザー溶接したため、レーザービーム形状を横長にして熱影響部の幅を制御しても熱影響部の幅を1.6mm以下に抑えることができず、硬さが175と、表裏面の細粒化層より軟らかい部分が発生し、疲労強度特性が低くなった。
【0074】
一方、本発明例の試験番号1〜3、5、6、8〜10、12、13、15は、表3に示す制御圧延材であり、成分組成及び表裏層組織は本発明範囲内である鋼板番号:1〜10、12の鋼板をレーザー溶接または電子ビーム溶接して溶接継ぎ手を作製したものであり、溶接継ぎ手強度が440Mpa以上、400MPaでの疲労寿命がすべて0.5×105を上回っており、また疲労限もすべて300MPa以上であり、良好な溶接継ぎ手強度及び疲労特性が得られた。
【0075】
【表3】
Figure 0004267183
【0076】
【表4】
Figure 0004267183
【0077】
【発明の効果】
本発明は、以上のように、レーザー溶接及び電子ビーム溶接継ぎ手の機械的特性を向上させることを可能にした。本発明を用いれば、母材強度を上げ、且つ溶接熱影響部を抑え、さらには疲労特性をも改善させることができる。特に、レーザー溶接は、今後そのパワー増大の恩恵を受け、重工業分野にも適用範囲を広げていくものと期待されるプロセスである。これらのことを考えると、構造物の信頼性を決定する溶接部の機械的特性を向上できる本発明は、産業上のメリットはきわめて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザー溶接及び電子ビーム溶接の溶接部の硬さ分布をアーク溶接部の硬さと比較した概念図である。
【図2】レーザー溶接または電子ビーム溶接において、溶接金属の幅と溶接熱影響部の幅におけるオッシレーションの影響を示した概念図である。

Claims (8)

  1. 鋼板板厚が4〜20mmであり、成分として、質量%で、
    C:0.005〜0.15%、
    Si:0.01〜0.8%、
    Mn:0.2〜2.0%、
    Al:0.001〜0.2%、
    N:0.02%以下、
    P:0.01%以下、
    S:0.01%以下
    を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなり、鋼板表面及び裏面のそれぞれから板厚方向に板厚の5%以上までの範囲において、平均円相当径で3μm以下の細粒フェライト組織を有し、且つ溶接部の熱影響部の幅が1.6mm以下であることを特徴とするレーザー溶接継ぎ手を備えた構造物。
  2. さらにNi、Cu、Nb、Ti、Bの内の1種または2種以上を合計量で4.5質量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶接継ぎ手を備えた構造物。
  3. 鋼板板厚が10〜50mmであり、成分として、質量%で、
    C:0.005〜0.15%、
    Si:0.01〜0.8%、
    Mn:0.2〜2.0%、
    Al:0.001〜0.2%、
    N:0.02%以下、
    P:0.01%以下、
    S:0.01%以下
    を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなり、鋼板表面及び裏面のそれぞれから板厚方向に板厚の5%以上までの範囲において、平均円相当径で3μm以下の細粒フェライト主体組織を有し、且つ溶接部の熱影響部の幅が1.6mm以下であることを特徴とする電子ビーム溶接継ぎ手を備えた構造物。
  4. さらにNi、Cu、Nb、Ti、Bの内の1種または2種以上を合計量で4.5質量%以下含有することを特徴とする請求項3に記載の電子ビーム溶接継ぎ手を備えた構造物。
  5. 鋼板板厚が4〜20mmであり、成分として、質量%で、
    C:0.005〜0.15%、
    Si:0.01〜0.8%、
    Mn:0.2〜2.0%、
    Al:0.001〜0.2%、
    N:0.02%以下、
    P:0.01%以下、
    S:0.01%以下
    を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなり、鋼板表面及び裏面のそれぞれから板厚方向に板厚の5%以上までの範囲において、平均円相当径で3μm以下の細粒フェライト組織を有する鋼板を熱影響部の幅が1.6mm以下になるようにレーザー溶接することを特徴とするレーザー溶接継ぎ手を備えた構造物の製造方法。
  6. さらにNi、Cu、Nb、Ti、Bの内の1種または2種以上を合計量で4.5質量%以下含有することを特徴とする請求項5に記載のレーザー溶接継ぎ手を備えた構造物の製造方法。
  7. 鋼板板厚が10〜50mmであり、成分として、質量%で、
    C:0.005〜0.15%、
    Si:0.01〜0.8%、
    Mn:0.2〜2.0%、
    Al:0.001〜0.2%、
    N:0.02%以下、
    P:0.01%以下、
    S:0.01%以下
    を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなり、鋼板表面及び裏面のそれぞれから板厚方向に板厚の5%以上までの範囲において、平均円相当径で3μm以下の細粒フェライト組織を有する鋼板を熱影響部の幅が1.6mm以下になるように電子ビーム溶接することを特徴とする電子ビーム溶接継ぎ手を備えた構造物の製造方法。
  8. さらにNi、Cu、Nb、Ti、Bの内の1種または2種以上を合計量で4.5質量%以下含有することを特徴とする請求項7に記載の電子ビーム溶接継ぎ手を備えた構造物の製造方法。
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