JP4266508B2 - 光ディスク装置のアース機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、所謂CD(コンパクト・ディスク)又は所謂DVD(デジタル・ビデオ・ディスク若しくはデジタル・バーサタイル・ディスク)など、情報記録媒体としての光ディスク(以下、適宜、単にディスクという。)に情報信号を記録及び/又は記録された情報信号を再生するための光ディスク装置(以下、適宜、単にディスク装置という。)のアース機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるディスク装置として、装置の前面パネルにディスクトレイ出し入れ用の開口部が設けられ、この開口部から出て来たトレイ上にディスクが装着された後、該ディスクがトレイごと自動的に装置内部の所定位置(ターンテーブルへの着脱位置)に引き込まれるように構成したものは、従来、一般に良く知られている。
このタイプのディスク装置では、装置内部に引き込まれたディスクを、ターンテーブル上に装着しクランパとの間に挟み込んだ状態で所定の回転数で回転させながら、例えば再生する場合にあっては、このディスク上に記録された情報信号を記録再生装置により再生する。すなわち、ディスク上の所定範囲に記録された信号のトラック位置に応じて、信号読み取りのための光ピックアップを移動させることにより、情報信号の再生が行われるようになっている。
【0003】
上記タイプのディスク装置では、モータ駆動力を要する基本的な動作として、トレイを駆動してディスクを装置外部におけるトレイへの着脱位置と装置内部におけるタ−ンテーブルへの着脱位置との間で往復移動させるディスクローディング動作と、ターンテーブルを駆動してディスクを回転させるディスク回転動作と、上記光ピックアップを主としてディスクの外周側と内周側との間で往復移動させるピックアップ送り動作の3つの動作が必要とされる。
そして、従来では、これら3つの動作をそれぞれ別個のモータを駆動源として(つまり、合計3個のモータを用いて)行わせるのが、一般的であった。
【0004】
これに対して、例えば実開平3−49682号公報(以下、これを従来技術1と称する。)には、ディスクの出入り及びディスクのチャッキング並びにピックアップの駆動を、単一のローディングモータを正逆回転制御して行わせることにより、モータ数を2個に削減するようにしたディスクプレーヤ(ディスク装置)が提案されている。
また、本願出願人は、特願平11−23833号(以下、これを従来技術2と称する。)において、装置本体の基台を構成する装置ベースと別体で該装置ベースに対し上下方向へ移動可能または回動可能に支持されたベース部材(トラバースベース)が設けられ、該トラバースベースに上記ターンテーブル及び該ターンテーブルを回転駆動するモータと上記光ピックアップ及びピックアップ駆動機構を搭載された基本構成を有する光ディスク装置を提案した。この構成によれば、モータの使用個数を削減することができるとともに、上記従来技術1に比して、構造をより簡素化でき、また、衝撃や振動の作用に対する耐久性の向上、更には、生産性の向上を図ることができる。
【0005】
ところで、上述のようなディスク装置では、一般に、光ピックアップの往復移動動作を案内するためにピックアップ案内機構が設けられる。かかるピックアップ案内機構の構成としては種々のタイプのものが工夫されており、例えば、光ピックアップの移動方向に沿って延びるガイド部材と、上記光ピックアップと一体的に移動するとともに上記ガイド部材に摺動自在に係合する被ガイド部材とを備えたものが知られている。
【0006】
また、例えばDVDのように、記録密度が高くより高速での回転(例えば上記DVDの場合、従来のCDに比べて回転数が約2倍近い)が求められ、情報信号の書き込み及び/又は読み出しについてもより高い精度が要求されるディスクでは、光ピックアップからの光ビームをディスク面に対して精度良く照射させ、かつ、ディスク面で反射した光を精度良く受光しなければならないので、ディスク面と光ビームとの角度をより厳格に規制する必要があるが、上記ピックアップ案内機構を利用して、このような規制を行なうことが考えられている。
【0007】
すなわち、通常、ディスクにはある程度の反りや撓み等の変形が存在しており、これらのディスクの変形に対応してディスク面と光ビームとの角度をより厳格に規制するために、上記ピックアップ案内機構に、ガイド部材の傾斜を微細に調整し得る、所謂、チルト調整機能を組み込み、このチルト機能により、ディスクの変形に対応するようにガイド部材を傾斜させることが考えられている。
【0008】
ところで、周知のように、前述のようなディスク装置に用いられる光ピックアップからは、通常、その作動中に不要輻射としての所謂ノイズが発生している。そして、このようなノイズを除去する場合、光ピックアップに対して直接にアース線を接続し、このアース線によりノイズをグランド側に接地して除去するのが一般的である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように、アース線を光ピックアップに対して直接に接続した場合には、以下のような問題がある。すなわち、
▲1▼ 両者の接続状態を光ピックアップの移動動作に追従して維持する必要があるので、この移動動作に見合った長さだけ余裕を持たせてアース線を長く設定する必要がある。
▲2▼ このように長く設定されて光ピックアップの移動動作に追従するアース線の配設スペースを、光ピックアップ及びその移動経路の近傍に確保する必要があり、ディスク装置のコンパクト化を図る上で不利となる。
【0010】
▲3▼ 光ピックアップ側とグランド側(例えばディスク装置の金属製のシャーシ等)との間にアース線を配設して接地する場合、通常、その一端を光ピックアップ側にネジ止めし、他端側を金属シャーシ等にネジ止めしてアース線の接続を行なうので、その接続作業に手間が掛かる。
▲4▼ また、ディスク装置のシャーシ組立時またはその前にアース線の接続作業を行なっておく必要があり、この組立後にディスク装置について何等かの作業を行う必要がある場合には、長いアース線が邪魔になる場合がある。
【0011】
そこで、この発明は、光ピックアップが放散するノイズをアース線を介して除去するに際して、アース線の長さを極力短くでき、また、その接続作業も簡略化することができる光ディスク装置のアース機構を提供することを、基本的な目的としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このため、本願の請求項1に係る発明(以下、第1の発明という)は、光ディスクを回転可能に支持するターンテーブルと、該ターンテーブルで回転させられる光ディスクに情報信号を書き込み及び/又は光ディスクに記録された情報信号を読み出す光ピックアップと、該光ピックアップを光ディスクの内周側と外周側との間で往復動可能に移動させるピックアップ駆動機構と、上記光ピックアップの移動動作を案内するピックアップ案内機構とがベース部材上に搭載された光ディスク装置のアース機構であって、
上記ベース部材は、当該ベース部材とは別体で設けられる装置本体の基台を構成する装置ベースに対して一定範囲内で浮動可能な状態に弾性部材で支持されており、
上記ピックアップ案内機構は、上記光ピックアップの移動方向に延設されたロッド部材と、該ロッド部材を上記ベース部材に対して支持するロッド支持部と、該ロッド支持部内に配設されロッド部材に一端部を接触させて上下方向の一方に付勢する付勢部材と、該付勢部材の他端部側を押えるべく上記ロッド支持部に固定される押え部材と、上記光ピックアップと一体的に移動するとともに上記ロッド部材に摺動自在に係合する被ガイド部材とを備え、上記被ガイド部材とロッド部材と付勢部材と押え部材は、いずれも導電性を有する材料で構成されており、上記押え部材には、上記ベース部材のロッド支持部よりも下方に延び、実質的に上記ベース部材の下方位置に存在する延長部が形成され、この延長部にアース用部材が接続される構成とし、当該アース用部材は、上記装置ベースに対する上記ベース部材の浮動に追従可能なアース線を介して、上記ベース部材の下方位置から上記装置ベースの金属部材に接続される、ことを特徴としたものである。
この構成においては、ピックアップ案内機構に備えられた被ガイド部材とロッド部材と付勢部材と押え部材はいずれも導電性を有する材料で構成され、上記押え部材に形成された延長部(つまり、光ピックアップの移動動作とは無関係な固定部位)にアース用部材が接続され、当該アース用部材は、上記装置ベースに対する上記ベース部材の浮動に追従可能なアース線を介して、上記ベース部材の下方位置から上記装置ベースの金属部材に接続される。
【0013】
また、本願の請求項2に係る発明(以下、第2の発明という)は、上記第1の発明において、上記アース用部材は、アース線の一端に装着され、上記押え部材の延長部を差し込み状態で保持し得るコネクタであることを特徴としたものである。
この構成においては、アースを取る際には、上記押え部材の延長部が、アース線の一端に装着されたコネクタにより差し込み状態で保持される。
【0014】
更に、本願の請求項3に係る発明(以下、第3の発明という)は、上記第1又は第2の発明において、上記ロッド支持部には、上記付勢部材による上記ロッド部材の一方への付勢に対抗して当該ロッド部材の位置を調整可能な調整手段を設け、当該調整手段の調整により、上記付勢部材を圧縮または伸長してその長さを変化させ上記ロッド支持部におけるロッド部材の上下方向位置を調整することによりロッド部材の傾斜を調整するように構成したことを特徴としたものである。
この構成においては、上記ロッド支持部には、上記付勢部材の長さを変化させて上記ロッド支持部におけるロッド部材の上下方向位置を調整することによりロッド部材の傾斜を調整する調整機構(つまり、チルト調整機構)が設けられており、このようなチルト調整機構を利用して、光ピックアップのノイズ除去が行なわれる。
【0015】
また更に、本願の請求項4に係る発明(以下、第4の発明という)は、上記第1〜第3の発明のいずれか一において、上記ベース部材および上記装置ベースの少なくともいずれか一方に、上記光ディスクをターンテーブル上方の第1位置と装置外部の第2位置との間で往復動可能に移送するディスクローディング機構が設けられ、上記ベース部材は上記装置ベースに対し上下方向へ移動可能または回動可能に支持されており、上記アース用部材は上記押え部材の延長部に対して、下方から接続される、ことを特徴としたものである。
この構成においては、装置ベースが上記ベース部材とは別体で設けられ、光ディスクをターンテーブル上方位置と装置外部位置との間で往復動可能に移送するディスクローディング機構が設けられた場合について、上記ベース部材は装置ベースに対し上下方向へ移動可能または回動可能に支持され、上記アース用部材は上記押え部材の延長部に対して下方から(つまり、上記ベース部材が移動または回動する方向に含まれる方向から)接続される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本実施の形態に係る光ディスク装置(以下、ディスク装置あるいは単に装置という。)の組立状態を示す全体斜視図、図2はこのディスク装置の分解斜視図、また、図3および図4はこの図2の斜視図の一部をそれぞれ拡大して示す説明図である。
これらの図に示すように、本実施の形態に係るディスク装置1は、装置1の主要な構成要素に対する取付基部としての装置ベース10と、装置1の駆動機構の大部分を支持する支持部材としてのトラバースベース20と、これら両ベース部材10,20の間に配置される中間ベース80とを備えている。
【0017】
上記装置ベース10及び中間ベース80はその全体形状が平面視で略矩形フレーム状に形成され、図5に示すように、該装置ベース10の内側開口部10H内に上記中間ベース80が組み込まれ、更に、この中間ベース80の内側開口部80H内に上記トラバースベース20が組み付けられている。
尚、上記装置ベース10及びトラバースベース20、本願請求項に記載した「装置ベース」及び「ベース部材」にそれぞれ相当している。
【0018】
上記ディスク装置1では、例えばデジタル・バーサタイル・ディスク(所謂DVD)とされた情報記録媒体としてのディスクを載せて移送するトレイ55が、装置ベース10のフレームに沿って図1及び図2における斜め方向に往復移動する。すなわち、装置1内にあるディスクを外部へ引き出す際にはトレイ55が図1及び図2における左斜め下方に移動し、ディスクを外部から装置1内に引き込む(挿入する)際にはトレイ55が図1及び図2における右斜め上方に移動する。
本実施の形態においては、ディスクが(つまりトレイ55が)装置1内から引き出される側(図1及び図2における左斜め下側)をディスク装置1の前側と称し、この逆にディスクが挿入される側(図1及び図2における右斜め上側)をディスク装置の後側と称する。また、図1及び図2における上側及び下側を、装置1の上側及び下側というものとする。
【0019】
上記装置ベース10の後部(図1及び図2における右斜め上側部分)には左右一対の中間ベース支持部11が設けられている。一方、上記中間ベース80の後端の両側部には軸部81がそれぞれ突設されている。上記各中間ベース支持部11は上方に開口した半円形の切欠状に形成されており、この左右の中間ベース支持部11に上記各軸部81をそれぞれ嵌合させることにより、中間ベース80の後部が、左右の中間ベース支持部11の中心どうし(つまり、左右の軸部81の軸線どうし)を結ぶ水平な直線Lh(図5参照)を中心にして、装置ベース10に対し上下方向へ回動可能に支持されている。
尚、上記各中間ベース支持部11の例えば外側近傍には、該支持部11に嵌合した軸部81が脱落しないように、軸部81を支持部11側に付勢する付勢機構11S(図4参照)がそれぞれ設けられている。
【0020】
また、上記装置ベース10の前部の内縁部には、上下方向に延びる溝部13(位置決め溝)が形成されている。一方、中間ベース80の前端部には、上記位置決め溝13に対応する部位に突起片82(位置決め突起片)が設けられており、この突起片82が上記位置決め溝13に嵌合することにより、中間ベース80の装置ベース10に対する左右方向の位置決めが正確に行われ、また、中間ベース80の装置ベース10に対する左右方向の振動も抑制される。
【0021】
上記トラバースベース20の後端の両角部および前端の一方の角部には切欠部21がそれぞれ形成されている。一方、中間ベース80の後部内側の左右両隅部および前部内側の一方の隅部には、上記切欠部21に対応する受け部89(ブッシュ受け部)がそれぞれ設けられている。そして、上記各切欠部21に例えばゴム製の弾性を有するブッシュ29(フローティングブッシュ)をそれぞれ装着し、該ブッシュ29を挿通する固定軸29Sを上記ブッシュ受け部89に嵌合固定することにより、トラバースベース20が、3個のフローティングブッシュ29を介して、中間ベース80に対し一定範囲内(つまり、上記フローティングブッシュ29の弾性範囲内)で浮動可能な状態(フローティング状態)で支持されている。
【0022】
上記フローティングブッシュ29は、図8に詳しく示されるように、両端が開口した中空状に一体形成され、その長手方向に配列された比較的大径の第1および第2の緩衝部29a及び29bと、両緩衝部間に位置する比較的小径の装着部29cとを備えている。
この装着部29cは、上記両緩衝部29a,29b間がネック状に絞られて形成されており、本フローティングブッシュ29によってフローティング支持されるべきトラバースベース20に装着される部分である。具体的には、該トラバースベース20の切欠部21に設けられたブッシュ取付板21bの穴部に、上記装着部29cの外周部を嵌合させることにより、フローティングブッシュ29がトラバースベース20の切欠部21に装着される。
【0023】
そして、フローティングブッシュ29の下端部を中間ベース80のブッシュ受け部89の上面89f(ブッシュ支持面)に当接もしくは近接させるとともに、ブッシュ受け部89に形成された固定孔89hとフローティングブッシュ29の開口部とを位置合わせした上で、ブッシュ29の中空内部に固定軸29Sを挿通させ、その先端部をブッシュ受け部89の固定孔89hに嵌合させる。これにより、固定軸29Sの頭部29Tとブッシュ受け面89fとの間にフローティングブッシュ29が固定される。
【0024】
すなわち、トラバースベース20の切欠部21に装着されたフローティングブッシュ29が中間ベース80のブッシュ受け部89に固定される。このようにして、3個のフローティングブッシュ29を介して、トラバースベース20が中間ベース80に対して支持(フローティング支持)されることになる。
尚、より好ましくは、トラバースベース20がフローティングブッシュ29を介して中間ベース80に組み付けられ、トラバースベース20及びそれに搭載された各種部品類の重力のみが作用している標準状態では、フローティングブッシュ29の第2緩衝部29bの端末部は、ある程度の弾性力をもって上記ブッシュ支持面89fに当接している。
【0025】
ディスク装置1の使用時あるいは製作時などにおいて装置1に振動が加わり、中間ベース80とトラバースベース20との相対移動を生じさせる加振力が作用した場合には、上記第2緩衝部29bの弾性範囲内での圧縮変形に伴なう緩衝作用によって、トラバースベース20が下方に移動する向きの(つまり、上記ブッシュ取付板21bがブッシュ支持面89fに近づく向きの)振動成分を有効に吸収することができる。
尚、上記標準状態において第2緩衝部29bの端末部が上記ブッシュ支持面89fに当接していることは、上記第2緩衝部29bによる振動吸収効果を得る上で、必ずしも必須の要件ではない。両者の間にある程度の隙間が生じていても、その隙間に相当する分だけ振動吸収性が低下するだけで、中間ベース80とトラバースベース20との相対移動量が上記隙間を越える場合には、その隙間を越える分に相当するだけ振動吸収効果を発揮することができる。
【0026】
また、トラバースベース20が下方に移動する場合には、上記ブッシュ取付板21bが固定軸29Sの頭部29Tから遠ざかることとなる。このとき、第1緩衝部29aの上端部が固定軸29Sの頭部29Tに対して、例えば接着剤などで固定されていれば、上記第1緩衝部29aがその弾性範囲内で伸びるように変形する。従って、第2緩衝部29bの圧縮変形に伴なう緩衝作用に加えて、第1緩衝部29aの伸び変形に伴なう緩衝作用によっても振動吸収を行うことができ、非常に効果的に振動を吸収することができる。
【0027】
一方、トラバースベース20が上方に移動する向きの(つまり、上記ブッシュ取付板21bが固定軸29Sの頭部29Tに近づく向きの)振動成分については、上記第1緩衝部29aの弾性範囲内での圧縮変形に伴なう緩衝作用によって有効に吸収することができる。
尚、トラバースベース20が上方に移動する場合には、上記ブッシュ取付板21bが中間ベース80のブッシュ支持面89fから遠ざかることとなる。このとき、第2緩衝部29bの下端部が上記ブッシュ支持面89fに対して、例えば接着剤などで固定されていれば、上記第2緩衝部29bがその弾性範囲内で伸びるように変形する。従って、第1緩衝部29aの圧縮変形に伴なう緩衝作用に加えて、第2緩衝部29bの伸び変形に伴なう緩衝作用によっても振動吸収を行うことができ、非常に効果的に振動を吸収することができる。
また、トラバースベース20の前後方向及び左右方向などのベース面に平行な振動成分は、フローティングブッシュ29の横方向における弾性範囲内での変形によって吸収される。
【0028】
以上のように、フローティングブッシュ29が第1及び第2の緩衝部29a及び29b並びに装着部29cを備えているので、トラバースベース20が振動した際、トラバースベース20の全体の荷重を支え、かつ上下の抜け止め作用を行うとともに、有効に振動を吸収することができ、省スペースにしかも安価で取り付けの簡単なフローティング装置を提供することが可能となる。
【0029】
一方、図4及び図5から良く分かるように、装置ベース10の内側開口部10Hの前縁部分には、周縁形状が円形の一部をなす凹部12が形成されている。該凹部12の底面中央には枢支軸12sが立設されており、この枢支軸12sに略円筒状の歯車部材30(カムギヤ)の中央ボス部31が回転自在に嵌合されている。該カムギヤ30は、その中央ボス部31が上記枢支軸12sに挿通され、この枢支軸12sの先端部に例えばゴム製の弾性を有するカラー部材38(フローティングカラー)を介してネジ部材37(ストップスクリュー)が螺着されている。
【0030】
つまり、カムギヤ30は、その上側が上記フローティングカラー38で当て止められて枢支軸12sに固定された状態で装置ベース10の凹部12内に収納されており、装置ベース10に対して一定範囲内(すなわち、上記フローティングカラー38の弾性範囲内)で浮動可能な状態(フローティング状態)で支持されている。
【0031】
上記フローティングブッシュ29及びフローティングカラー38の材質としては、上述のゴムに限定されるものではなく、例えば軟質の樹脂など、所定の弾性を有するものであれば、他の種々のものを用いることができる。
本実施の形態では、より好ましくは、外部からトラバースベース20に入力される振動を効果的に吸収した上で、ターンテーブル5の回転に伴う振動を有効に抑制できるように、トラバースベース20のフローティング支持機構の弾性が設定されている。例えば、上記フローティングブッシュ29及びフローティングカラー38の材質は、比較的(従来技術2の場合に比べて)弾性が低い(比較的硬い)ものが選ばれている。
【0032】
上記カムギヤ30の外周部には、図24〜図29に詳しく示すように、上下方向の(つまり、カムギヤ30の長手方向軸線Lgに平行な)歯筋を有する歯部30g(外周歯部)が設けられるとともに、上下の水平溝部分33a,33cと斜め溝部分33bとを有するカム溝33が形成されている。
また、カムギヤ30の外周部には、歯部30gが刻まれていない欠け歯部34が設けられている。一方、中間ベース80の前端部には、このカム溝33に摺動自在に係合する突起部80P(図2及び図3参照)が設けられており、中間ベース80の前部は、この突起部80Pが上記カム溝33に係合することにより、カムギヤ30を介して装置ベース10に支持されている。
【0033】
すなわち、中間ベース80は、図6及び図7に示すように、その後部が左右の軸部81及び中間ベース支持部11を介して、装置ベース10に対し上下回動自在に支持されている。
また、その前部は突起部80P及びカムギヤ30のカム溝33を介して、装置ベース10に対し一定範囲内(すなわち、上記フローティングカラー38の弾性範囲内)で浮動可能な状態(フローティング状態)で支持されている。更に、中間ベース80は、前述の位置決め突起片82が装置ベース10に設けられた位置決め溝13に嵌合することにより、装置ベース10に対する左右方向の位置決めが行われる。
【0034】
一方、上記トラバースベース20は、その後部の左右両角部および前部の片側角部の計3箇所がフローティングブッシュ29を介して、中間ベース80に対し一定範囲内(すなわち、上記フローティングブッシュ29及び フローティングカラー38の弾性範囲内)で浮動可能な状態(フローティング状態)で支持されている。
尚、後述するように、トラバースベース20は、規制ロッド部75sが中間ベース80の位置決め孔83内に嵌入することにより、その前部が中間ベース80に対して係合され、この係合状態では、トラバースベース20は、計4箇所で中間ベース80に結合されることになる。
【0035】
このように、上記トラバースベース20は、中間ベース80に対して(従って、装置ベース10に対して、剛構造で(リジッドに)支持されるのではなく、上記各緩衝部材(フローティングブッシュ29又はこれに加えてフローティングカラー38)の弾性範囲内で、中間ベース80を介して、装置ベース10に対し浮動可能な状態で支持されているので、ディスク装置1に衝撃荷重が加わった場合あるいは振動入力があった場合でも、上記緩衝部材29,38で衝撃あるいは振動を吸収することができ、これら衝撃荷重あるいは振動力が装置ベース10から直接的にトラバースベース20の各機構部品に作用することを防止できる。すなわち、衝撃や振動の作用に対するディスク装置1の耐久性を向上させることができるのである。
【0036】
また、トラバースベース20は、上記緩衝部材29,38の弾性範囲内で、中間ベース80を介して装置ベース10に対し浮動可能な状態で支持されているので、剛構造で(つまり、リジッド(rigid)に)支持されている場合に比べて、装置ベース10およびトラバースベース20にそれぞれ取り付けられた機構部品について、部品相互の位置関係を浮動可能な範囲で調節することができ、部品製作および組立作業の精度をある程度低く設定することが可能になり、生産性を高めることもできるようになる。
【0037】
この場合において、中間ベース80が装置ベース10に対して上下方向へ回動可能に支持され、トラバースベース20はこの中間ベース80に対して弾性体を介して支持されているので、装置ベース10に対する上下方向への回動動作の支持とトラバースベース20の弾性支持とを別々の機構にて行なうことができる。従って、中間ベース80を有しない従来(従来技術2)のように、トラバースベースの装置ベースに対する回動支持と弾性支持とを共用する必要が無く、従って、トラバースベースを弾性支持する支持部の弾性についての設定範囲が制限されることはなく、その設定自由度を高めることができる。
その結果、外部から入力される振動の吸収とターンテーブルの回転に伴なって発生し得る振動の抑制とを、比較的容易に両立して達成することができるのである。
【0038】
上記トラバースベース20の下面側には、第1及び第2の2個の電動モータ3,4(例えば図2及び図3参照)と、これらモータ3,4を駆動制御する制御回路を備えた回路基板2とが固定されている。
一方、トラバースベース20の上面側には、ディスク9(図5〜図7参照)が上面に載置されるターンテーブル5が配置され、このターンテーブル5は第1モータ3(スピンドルモータ)の出力軸3s(図3参照)に連結されている。また、トラバースベース20の上面側には、ディスク9に情報信号を書き込み及び/又は記録された情報信号を読み出すするための光ピックアップ6が取り付けられるとともに、ディスク装置1を作動させるための種々の駆動機構が配置されている。
【0039】
以下、これら駆動機構について説明する。
図3,図5及び図49〜図51から分かるように、上記トラバースベース20には、前後方向(図5では上下方向)に広がる開口部20Hが形成され、その左右両側には光ピックアップ6の前後方向への移動動作を案内する一対のピックアップガイドロッド22,23が配置されている。尚、上記ターンテーブル5は、より好ましくは、これら左右のガイドロッド22,23及び開口部20Hの前端部近傍もしくはそれよりも前方に位置している。
【0040】
光ピックアップ6は、左右方向における片側(図5における左側)が後述するラック部材40(送りラック)に固定され、その固定部分の下方に、前後一対のガイドシュー6aが設けられている。このガイドシュー6aが左側ガイドロッド22に前後方向へスライド自在に係合している。一方、光ピックアップ6の左右方向における他側(図5における右側)には、右側ガイドロッド23に前後方向へスライド自在に係合する金属製のガイドアーム6bが設けられている。尚、このガイドアーム6bは、光ピックアップ6のピックアップ回路6kと電気的に接続されている。
【0041】
このように、上記ガイドシュー6aが左側ガイドロッド22に係合し、ガイドアーム6bが右側ガイドロッド23に係合することにより、光ピックアップ6が、トラバースベース20に対して前後方向へ移動可能に支持されている。尚、上記開口部20Hには、光ピックアップ6と回路基板2とを電気的に接続する例えば可撓性の接続部材(例えばフレキシブルプリント配線板:不図示)が挿通している。
【0042】
上記左側ガイドロッド22の後端部および右側ガイドロッド23の前後の端部は、トラバースベース20に突設されたガイドロッド支持部24に支持されている。図51に詳しく示されるように、このガイドロッド支持部24は、ガイドロッドの各端部を上下方向に調節(つまり、ガイドロッド支持部24におけるガイドロッド22,23の上下位置を調節)してガイドロッド22,23の傾斜を調整するチルト調整機構を備えている。
【0043】
すなわち、各ガイドロッド支持部24の下部には、ガイドロッド端部を上下させる調整ネジ24aが組み付けられ、上部にはガイドロッド端部を下方に付勢するコイルバネ24bが組み込まれている。このコイルバネ24bの上方には押え金具24cが固定されている。
そして、上記調整ネジ24aをネジに沿って上下動させることにより、コイルバネ24bが圧縮または伸長してその長さが変化し、ガイドロッド支持部24におけるガイドロッド22,23の上下位置が調節され、ガイドロッド22,23の傾斜が調整される。
【0044】
このようなチルト調整機構を設けることにより、ガイドロッド22,23の傾斜を調整し、光ピックアップ6の光ビームとディスク9との角度を調整して、ディスク9に反り等の変形が有る場合でも、該ディスク9に対して高精度で情報信号の書き込み/読み取りを行うことが可能となる。
尚、具体的には図示しなかったが、左側ガイドロッド22の前端部だけは、送りラック40の移動動作と干渉することがないように、このようなチルト調整機構付きではなく、単なる凹状の受け部で支持されている。
【0045】
尚、上記左右のガイドロッド22,23、ガイドロッド支持部24、コイルバネ24b及び押え金具24cが、本願請求項に記載した「ロッド部材」、「ロッド支持部」、「付勢部材」及び「押え部材」にそれぞれ相当し、また、上記ガイドシュー6a及びガイドアーム6bが、本願請求項に記載した「被ガイド部材」に相当している。
【0046】
本実施の形態では、より好ましくは、光ピックアップ6のノイズを簡単にアースすることができるように、例えば、右側ガイドロッド23の後端部を支持するガイドロッド支持部24の押え金具24cの一端部が、ロッド支持部24よりも下方へ、具体的には、トラバースベース20を貫通して下方へ(つまり、回路基板2側へ)延ばされている。回路基板2には、この押え金具24cの延長部24dに対応する部分に、接地されたアース線25aを一端に有するアースコネクタ25が挿通可能な貫通孔2hが形成されている。
【0047】
上記押え金具24cの延長部24d及びアースコネクタ25が、本願請求項に記載した「押え部材の延長部」及び「アース用部材」にそれぞれ相当している。
尚、具体的には図示しなかったが、上記装置ベース10の下方には、該装置ベース10が取り付けられる例えば金属製の板金部材が位置しており、この板金部材に上記アース線25aの端末側が例えばビス止めによって接続されている。
そして、必要に応じてこの貫通孔2hからアースコネクタ25を挿通させ、その上端部を押え金具24cの延長部24dの先端(下端)部分に差し込むことができる。この場合、アースコネクタ25は下方から上記延長部24dに差し込まれる。
【0048】
また、上記押え金具24cに加えて、上記ガイドアーム6b、ガイドロッド23及びコイルバネ24bは、いずれも例えば金属等の電気導体で製作されている。従って、光ピックアップ6のピックアップ回路6kから伝えられたノイズは、ガイドアーム6bを介してガイドロッド23に伝達され、このガイドロッド23から押え金具24c及びアースコネクタ25を介してアース線25aに導通が取られ、このアース線25aを介してノイズ除去を行うことができるようになっている。
【0049】
この場合、アースコネクタ25は上記押え金具24cに形成された延長部24dに接続される。つまり、このアースコネクタ25は、光ピックアップ6の移動動作とは無関係な固定部位に接続されるので、アース線25aの長さを設定するに際して、光ピックアップ6の移動動作に見合った長さだけ余裕を持たせる必要は無く、アース線25aをそれだけ短くすることができる。従って、アース線25aの配設スペースも小さくて済み、ディスク装置1のコンパクト化を図る上で、特に不利となることはない。
【0050】
また、アースを取る際には、上記押え金具24cの延長部24dが、アース線25aの一端に装着されたアースコネクタ25により差し込み状態で保持されるので、このアースコネクタ25を上記延長部24dに対して差し込むだけの簡単な操作でアースを取り、ノイズ除去を行なうことができる。すなわち、光ピックアップ6とグランド側との間にアース線25aを接続する際の接続作業を大幅に簡略化できる。また、アース線25aの接続作業を必要に応じてディスク装置1の組立後に行なうことも可能になり、ディスク装置1を組み立てる際の作業性の向上を図ることができる。
【0051】
特に、上記ガイドロッド支持部24には、上記コイルバネ24bの長さを変化させて上記ガイドロッド支持部24におけるガイドロッド22,23の上下方向位置を調整することによりガイドロッド22,23の傾斜を調整する調整機構(つまり、チルト調整機構)が設けられており、このようなチルト調整機構を利用して、光ピックアップ6のノイズ除去が行なわれる。
すなわち、アース機構を設けて光ピックアップ6のノイズ除去を行なうに際して、光ディスク装置1に元々設けられた既存の構成を利用することができ、部品点数の増加や構造の複雑化を回避することができるのである。
【0052】
また、本実施の形態では、装置ベース10が上記トラバースベース20とは別体で設けられ、後で詳しく説明するように、光ディスク9をターンテーブル5の上方位置とディスク装置1の外部位置との間で往復動可能に移送するディスクローディング機構が設けられており、上記トラバースベース20は(中間ベース80を介して)装置ベース10に対し上下方向へ回動可能に支持されている。
【0053】
このような場合について、上記アースコネクタ25は上記押え金具24cの延長部24dに対して下方から(つまり、上記トラバースベース20が回動する方向に含まれる方向から)接続されるので、このトラバースベース20の回動動作時に、アースコネクタ25と上記延長部24dとの接続部に無理な曲げモーメントが作用することはない。従って、アース線25aの長さをトラバースベース20の回動動作に見合う長さだけ余裕を持たせて設定するだけで、このトラバースベース20の回動動作時に、アースコネクタ25の上記延長部24dへの接続部およびアース線25aに無理な力が加わることを確実に防止できる。
【0054】
上述のように、光ピックアップ6は、左右方向における片側(図5における左側)がラック部材40(送りラック)に固定されているので、この送りラック40の前後方向への移動動作は、ガイドシュー6a及びガイドアーム6bを介して左右のガイドロッド22,23によって案内される。つまり、送りラック40がガイドロッド22,23に沿って移動することにより、光ピックアップ6が、上記ガイドロッド22,23で案内されながら、前後方向へ往復移動できるようになっている。
【0055】
上記送りラック40は、図30〜図34に詳しく示すように、その片方の側部(図3及び図5における右側部)に略全長にわたるラック歯41(受動ラック部)が形成され、他方の側部にはその前側部分に所定長さのラック歯42(切換ラック部)が形成されている。
尚、送りラック40の裏面側には、前述のように、前後一対のガイドシュー6aが設けられる。そして、送りラック40が後方(図5における上方へ)へ移動する際には、ガイドシュー6aがトラバースベース20の後端壁部に当て止められることにより、送りラック40の後方への移動動作が規制されるようになっている。
【0056】
この送りラック40を駆動して光ピックアップ6を前後方向へ往復移動させるために、トラバースベース20には一群の歯車で構成される歯車列51(ラック駆動歯車列)が配設されている。
このラック駆動歯車列51は、図9〜図13に詳しく示すように、上記第2モータ4の出力軸4s(図3参照)に固着されたモータギヤ4Gと、該モータギヤ4Gと噛み合う大径の入力ギヤ52A(第1トラバース入力ギヤ)及びその上側に一体的に付設された小径の出力ギヤ52B(第1トラバース出力ギヤ)を有する第1トラバースギヤ52と、上記第1トラバース出力ギヤ52Bと噛み合う大径の入力ギヤ53A(第2トラバース入力ギヤ)及びその下側に一体的に付設された小径の出力ギヤ53B(第2トラバース出力ギヤ)を有する第2トラバースギヤ53とで構成されている。そして、上記第2トラバース出力ギヤ53Bが送りラック40の受動ラック部41と噛み合っている。
【0057】
上記第2モータ4が駆動されてモータギヤ4Gが例えば図9〜図13における反時計回り方向に所定の回転速度で回転すると、この回転が上記ラック駆動歯車列51により所定の減速比で減速して出力側に伝達され、最終の出力ギヤ53B(第2トラバース出力ギヤ)は減速された回転速度で反時計回り方向に回転する。
これにより、送りラック40は、予め設定された所定の送り速度でガイドレール24に沿って前方(図9〜図13における下方)に向かって移動する。第2モータ4が上記の場合と逆方向に回転駆動されると、送りラック40の移動方向も上記の場合と逆になる。
【0058】
このように、上記送りラック40は(従って、光ピックアップ6は)、第2モータ4の回転方向を正逆切り換えることによりその移動方向が切り換えられ、前後方向に往復移動できるようになっている。
尚、基本的には上記送りラック40とラック駆動歯車列51とで、光ピックアップ6をディスク9の内周側と外周側との間で往復動可能に移動させる光ピックアップ駆動機構が構成され、これが本願請求項に記載した「光ピックアップ駆動機構」に相当している。また、上記ピックアップガイドロッド22,23並びにガイドシュー6a及びガイドアーム6bが光ピックアップ6の駆動を助勢している。
【0059】
上記装置ベース10の前部には、トレイ55を、装置1の前面におけるトレイ55へのディスク着脱位置(アンローディング位置)と装置1の内部におけるターンテーブル5へのディスク着脱位置(ローディング位置)との間で往復移動させるトレイ駆動ギヤ56が配置されている。
尚、このローディング位置およびアンローディング位置が、それぞれ本願請求項に記載した「第1位置」および「第2位置」に相当している。
【0060】
該トレイ駆動ギヤ56は、トレイ55の裏面に設けられたラック歯55g(トレイラック歯:図19〜図21参照)と噛み合う大径の出力ギヤ56Bと、この出力ギヤ56Bの下側に位置する小径の入力ギヤ56Aとを有している。このトレイ駆動ギヤ56は上記カムギヤ30の側方に位置しており、その入力ギヤ56Aがカムギヤ30の外周歯部30gと噛み合っている。
尚、上記トレイ55とトレイラック歯55gとトレイ駆動ギヤ56とで、ディスク9をターンテーブル5上方のローディング位置(第1位置)と装置1の外部のアンローディング位置(第2位置)との間で往復動可能に移送するディスクローディング機構が構成されており、これが本願請求項に記載した「ディスクローディング機構」に相当している。
【0061】
そして、上記トレイ55を駆動してディスク9をアンローディング位置とローディング位置との間で移送するために、一群の歯車で構成される歯車列61(ローディング駆動歯車列:図9〜図13参照)がトラバースベース20の上面側に設けられている。
このローディング駆動歯車列61は、上記第2モータ4の出力軸4sに固着されたモータギヤ4Gと、該モータギヤ4Gと噛み合う大径の入力ギヤ62A(第1ローディング入力ギヤ)及びその上側に一体的に付設された小径の出力ギヤ62B(第1ローディング出力ギヤ)を有する第1ローディングギヤ62と、上記第1ローディング出力ギヤ62Bと噛み合う大径の入力ギヤ63A(第2ローディング入力ギヤ)及びその上側に一体的に付設された小径の出力ギヤ63B(第2ローディング出力ギヤ)を有する第2ローディングギヤ63と、上記第2ローディング出力ギヤ63Bと噛み合う大径の第3ローディングギヤ64とで構成されている。そして、この第3ローディングギヤ64が上記カムギヤ30の外周歯部30gと噛み合っている。
【0062】
上記カムギヤ30の外周歯部30gの縦断面における歯筋形状は、図29に詳しく示すように、より好ましくは側面視で曲線状をなすように形成されている。この曲線は、トラバースベース20を搭載した中間ベース80とカムギヤ30とを装置ベース10に組み付けた状態で、中間ベース80が(従って、トラバースベース20が)その後端側を支点にして装置ベース10に対し上下方向へ回動する際(図6および図7参照)に、第3ローディングギヤ64の前端部の回動軌跡Cgに沿った円弧状曲線Cg'の一部をなすように設定されている。
【0063】
従って、中間ベース80を介してトラバースベース20が装置ベース10に対して回動し傾斜した状態(図29における破線表示および図7参照)でも、トラバースベース20上の第3ローディングギヤ64と上記カムギヤ30の外周歯部30gとが、確実かつスムースに噛み合うことができる。尚、このカムギヤ30の外周歯部30gの縦断面における歯筋形状は、カムギヤ30の長手方向の軸線Lgに対して傾斜し上記曲線Cg'に近似した直線状であっても良い。
尚、図6及び図7においては、上記カムギヤ30の外周歯部30gと噛み合う第3ローディングギヤ64を明瞭に表示するために、第2ローディングギヤ63の図示は省略されている。
【0064】
このように、カムギヤ30の外周歯部30gの縦断面における歯筋形状が、上記中間ベース80及びトラバースベース20の回動動作に伴なって上記ローディング駆動歯車列61の最終出力ギヤである第3ローディングギヤ64が上下方向へ回動する際の回動軌跡に沿った円弧状もしくはこの円弧に近似した直線状に設定されているので、トラバースベース20の回動動作に伴なってローディング駆動歯車列61が上下方向へ回動した場合でも、その最終出力ギヤ64をカムギヤ30の外周歯部30gと確実かつスムースに噛み合わせることができるのである。
尚、基本的には上記ローディング駆動歯車列61とかムギヤ30(具体的にはその外周歯部30g)とで、上記ディスクローディング機構を駆動するローディング駆動機構が構成されている。
【0065】
前述の光ピックアップ6は、ディスク9上において信号が記録されている信号記録範囲よりも更に内周側の所定位置まで移動できるように設定されている。そして、光ピックアップ6が第2モータ4の駆動力によりラック駆動歯車列51を介してディスク9の外周側から内周側に向かって移動して来た際、光ピックアップ6がディスク9の信号記録範囲を越えて上記所定位置に達すると、第2モータ4の駆動力はローディング駆動歯車列61に伝達されるように、その伝達経路が切り換えられるように設定されている。
【0066】
すなわち、図14〜図18に詳しく示すように、トラバースベース20の前部には縦軸20sが立設され、この縦軸20sに動力伝達経路切換用のトリガレバー71が回動可能に枢支されている。また、このトリガレバー71の近傍にはその位置を規制し得るロックレバー73が配置されている。
上記トリガレバー71は、図35〜図37に詳しく示すように、上記縦軸20sに回転可能に嵌合する基部71bと、該基部71bの外周の一部に形成された部分ギヤ71gと、上記カムギヤ30と係合する一対の係合アーム71aとを備えている。また、トリガレバー71の基部71bの外周部には、上記ロックレバー73の爪部73dと係合し得るストッパ部71sが設けられている。
上記部分ギヤ71gは前述の送りラック40の切換ラック部42と噛合可能であり、一方、上記係合アーム71aはカムギヤ30の外周から突出したフック部32に係合可能に設定されている。
【0067】
上記ロックレバー73は、図38から図40に詳しく示すように、トラバースベース20の前端部に嵌合固定される基部73bと、該基部73bから略L字状に伸びるレバー部73aと、上記基部73bから略円弧状に伸びるスプリング部73cとを備えている。上記レバー部73aには、トリガーレバー71のストッパ部71sと係合し得る爪部73dと、上方に突出する突出ピン73pとが一体的に形成されている。また、上記基部73bには、後述する位置決めロッド75の規制ロッド部75sをスライド自在に挿通させる溝部73s(ガイドスロット)が形成されている。
上記送りラック40の裏面側には、図30及び図32から良く分かるように、平面視で屈曲状に形成されたカム溝43が設けられ、該カム溝43の前端側は送りラック40の前方に向かって開かれている。上記ロックレバー73の突出ピン73pは、このカム溝43にスライド自在に係合するようになっている。
【0068】
また、上記装置ベース10,中間ベース80及びトラバースベース20には、装置ベース10及びトラバースベース20それぞれに取り付けられた機構部品どうしの連係状態を精確に保持するための位置決め機構が設けられている。
すなわち、トラバースベース20の前部には、該トラバースベース20の中間ベース80に対する左右方向の位置決めを行うと共に、両ベース20,80を一体的に係合させるために、位置決め部材75(位置決めロッド)が配設されている。
【0069】
この位置決めロッド75は、図41〜図43に詳しく示すように、トラバースベース20の上面に形成された前後方向のガイド溝26に前後スライド可能に係合する係合基部75bと、該基部75bから前方に伸びる延長受け部75cと、上記係合基部75bおよび延長受け部75cから右方にオフセットした位置で前後方向(図14〜図18における上下方向)に伸びる規制ロッド部75sを備えている。
【0070】
この規制ロッド部75sは、上述のように、上記ロックレバー73の基部73bに形成されたガイドスロット75sに前後方向へスライド自在に挿通されている。また、上記延長受け部75cは、後で詳しく説明するように、組立状態において、その前面部がロックレバー73のスプリング部73cに当接して後方に付勢され、一方、その後面部は送りラック40の前端面に当接可能で、この送りラック40の前方移動に伴なって位置決めロッド75全体が前方へ移動するようになっている。
【0071】
図14〜図18に示されるように、中間ベース80の前側壁部には、上記位置決めロッド75の規制ロッド部75sを出没可能に嵌合させる位置決め孔83が形成されており、送りラック40が前方へ移動しその移動量が一定以上に達すると、送りラック40の前端面が位置決めロッド75の上記延長受け部75cの後面に当接してこれを押し、係合基部75bが上記ガイド溝26に沿った状態で位置決めロッド75全体が前進する。そして、これに伴なって上記規制ロッド部75sが中間ベース80の位置決め孔83内に嵌入することにより、トラバースベース20が中間ベース80に対して係合される。
【0072】
一方、トラバースベース20の前端部分における上面には平面視で円弧状のカム溝27(円弧溝)が設けられている。上記カムギヤ30のフック部32の裏面には係合凸部32pが設けられており、この係合凸部32pが上記円弧溝27に係合することにより、トラバースベース20の装置ベース10に対する前後方向の位置規制が行われる。
更に、前述のように、中間ベース80の前端に設けた突起部80Pがカムギヤ30のカム溝33に係合することにより、中間ベース80の(従って、トラバースベース20の)前端部の装置ベース10に対する上下方向の位置関係が正確に定められる。
【0073】
以上により、トラバースベース20の前端部の装置ベース10に対する左右方向,前後方向および上下方向の直交する3方向の位置関係が、中間ベース80を介して正確に定められ、装置ベース10とトラバースベース20にそれぞれに取り付けられた機構部品どうしを正確かつ確実に係合させることができる。とりわけ、第2モータ4の駆動力の伝達経路を切り換える際に、装置ベース10に設けられたディスクローディング機構とトラバースベース20に設けられたローディング駆動機構との連係状態を正確に保持できるのである。
【0074】
一方、上記ディスク装置1は、ターンテーブル5と協働してディスク9を挟持するクランパ96が組み付けられたクランプ板95を備えている(図1,図2,図4,図22及び図23参照)。
上記クランプ板95は、左右両側に設けられた複数の(本実施の形態では前後2個ずつの)取付脚部95fに爪部95dがそれぞれ形成されており、これら爪部95dを装置ベース10の側部に係合させることによって該装置ベース10に組み付けられる。そして、この組付状態でクランパ96の中心をターンテーブル5の回転中心に対し実質的に一致させることができるようになっている。
【0075】
上記クランプ板95は、上記左右両側の取付脚部95fを支持する左右の水平基部95bと、上記クランパ96を支持する略環状の中央ホルダ部95aと、該ホルダ部95aと上記水平基部95bとを連結する水平連結部95cとを備えている。
本実施の形態では、中央ホルダ部95aの左右の根元部と各水平基部95bとの間に切欠部95eが形成されており、上記水平連結部95cの幅は、この切欠部95eに対応する分だけ水平基部95bの幅よりも小さくなっている。つまり、水平連結部95cは、水平基部95bに比べてその剛性が低く上下方向に撓み易くなっている。従って、ディスク装置1が落下した際など、装置1に大きな衝撃荷重が作用し、ターンテーブル5がクランプ板95に当接した場合でも、該クランプ板95が容易に上下方向に撓むので衝撃荷重を吸収することができ、ターンテーブル5(及びこれに連結されたスピンドルモータ3)が大きな損傷を受けることを有効に防止できる。
【0076】
本実施の形態では、ディスク9に反りや撓み等の変形がある場合でも、比較的簡単な構成でこれを矯正して、ディスク面と光ビームとの角度を厳格に規制できるようなディスククランプ機構が採用されている。
図44〜図46は、本実施の形態で採用されたディスククランプ機構の基本的な構成および原理等を概略的に示している。図44に示すように、クランパ96は、ディスク9の内縁近傍をターンテーブル5と共に挟んで固定する中央クランパ部96aと、ディスク9の外縁近傍と略同径で、かつ、上記中央クランパ部96aと略等しい高さの大クランパ部96bとを備えている。この大クランパ部96bは、所定の幅を有してクランパ96の全周にわたって形成されており、上記中央クランパ部96aとの間の部分96cは、ディスク9と当接もしくは接触することがないように、その全面が凹状に形成されている。
【0077】
図45に示すように、ターンテーブル5上にディスク9が載置され、次いでクランパ96が装着されるときには、上記中央クランパ部96aがターンテーブル5と共にディスク9の内縁近傍を挟んで固定し、かつ、大クランパ部96bがディスク9の外縁近傍9bを押圧する。
そして、ディスク9の外縁側が光ビームの照射する面と逆の方向(いわゆるレーベル面の方向)に向かって反っている場合(図45(a)、同図(b))のようにディスク9はその外周部がクランパ96の大クランパ部96bに当接した後に、中央クランパ96aがディスク9を押圧し、ターンテーブル5との間に挟んで固定する。
【0078】
この狭持により反っているディスク9の外縁部9bは、元の反りの逆の方向に押圧されるので、反りは直される。場合により、同図(c)のように、ディスクの中径部(すなわち、内縁部近傍9aと外縁部近傍9bに挟まれた部分)9cが元の反りの方向に反ったままの場合もあるが、そのような場合でもその中径部9cに対向する部分はクランパ96の凹部96cであるので、この部分9cでは、ディスク9がクランパ96に接することはない。
【0079】
次に、ターンテーブル5とクランパ96が狭持するとき以外には、ターンテーブル5の上面に対して、相対向する方向にクランパ96を移送させるクランパ移送動作を、模式側断面図(断面を表すハッチング記載は略す)である図46を用いて説明する。トレイ55によってターンテーブル5上に移送されたディスク9はクランパ96によって載置される。55aはディスク9をターンテーブル5と同心位置に導かせるために設けられた突起で、トレイ上に設けられた障害となるものである。
【0080】
図46(a)はクランパ96とターンテーブル5とによってディスク9を狭持している状態を表している(図45(c)と同様)。この場合、ディスク9はトレイ55から離間した状態で狭持されていることはいうまでもない。次に、図47(b)のように、ターンテーブル5が、ディスク9と相対向する方向(ディスク9から遠ざかる方向)である図示矢印D方向に移動したと同時に、クランパ96はターンテーブル上面に相対向する方向(ターンテーブル5から遠ざかる方向)である図示矢印U方向に移動する。
【0081】
このようにクランパ96が移送することによって、トレイが移動する際(同図(c)の図示矢印E方向)に、トレイ55の突起物55aや他の障害物によってトレイ55の運動を妨げることを回避することができる。
以上のように、ディスクのレーベル面からその外周を押圧するクランパを設けることで、ディスク9の反りを少なくし、安定した再生駆動をすることができ、かつ、クランパ96がトレイ55の運動を阻害することを回避できる。
【0082】
本実施の形態は、以上のような基本原理を応用したディスククランプ機構を備えたもので、その具体的な構成を図47及び図48に基づいて詳細に説明する。図47は本実施の形態に係るディスククランプ機構の概略的な斜視図、図48は、その動作を示した部分縦断面説明図で、ディスクが狭持されている状態(a)からトレイによる移動開始直前(c)を示したものである。
【0083】
図47及び図48において、96dはクランパマグネットであって、鉄などの強磁性体からなるターンテーブル先端に対向するようクランパ96の内径近傍下側に構成されている。96eはテーパ芯部で、クランパ96の中心に設けられており、ターンテーブル5の中心穴に挿入されることでターンテーブル5とクランパ96との芯出しが成される。なお、ディスク9とターンテーブル5との芯出しは、従来と同様に、ディスク9の内径部をターンテーブル5のテーパ段部で保持して行われる。
【0084】
94はスプリングフックであって、その内径部に突き出たフック部94aが、クランプ板95を回転・遊動自在な構成で貫通し、クランプ板95の下側にクランパ6を貫通してスプリング98を介しスプリングフック94を係止する。これにより、ディスクに当接し押圧するクランパ96は、スプリング98によって、内径フック部94aに止められたスプリングフック94から上方向に付勢される。
【0085】
このようにして、クランパ96、スプリング98、スプリングホルダー97、スプリングフック94を支持したクランプ板95は、ターンテーブル5を保持しかつトレイ55を摺動自在に載置するディスク装置本体(装置ベース)10に係止して固定される。
【0086】
このように構成されたディスククランプ機構について以下にその動作を説明する。図48において、(a)は上述した実施の形態1で示したように、持ち上がったターンテーブル5に載置されたディスク9がクランパ96によって狭持されて固定されている状態を示す。スプリング98による上方向への付勢力よりクランパ内径部のクランパマグネット96dとターンテーブル5との吸引力の方が大きくなっているので、クランパ96はターンテーブル5上に載置されたディスク9の全面にわたって押圧する。また、ターンテーブル5が上昇しているので、ディスクの内径近傍をはさんでスプリングホルダー97、フック部94aを持ち上げ、スプリングフック94をクランプ板95から離し回転自在にしている。
【0087】
次に、同図(b)のように、トラバースベース20が下向きに回動することにより、ターンテーブル5がディスク9と相対向する方向(ディスク9から遠ざかる方向:図示D方向)に移動することで、ディスク9はターンテーブル5から離れトレイ55に載置される。ターンテーブル5から離間し支えのなくなったスプリングホルダー97、スプリングフック94は、クランパマグネット96dとターンテーブル5との吸引力および自重により垂下するが、スプリングフック94の上部のつば部94bがクランプ板95に係止するので、スプリングホルダー97、スプリングフック94はクランプ板95に支持される。さらに、ターンテーブル5の下降によって、引き離されるターンテーブル5とクランパマグネット96dとの磁力吸引力が減り、スプリング98の反発力が勝るとクランパ96が上方向に付勢され、トレイ55上のディスク9からクランパ96が離れる。
【0088】
次に、同図(c)のように、ターンテーブル5が更にディスク9と離間する方向に移動し、クランパ96・トレイ55間およびトレイ55・ターンテーブル5間が充分離間したところで、トレイ55がディスク9を載置したまま前方向(図面紙上に垂直な方向)に摺動移動し、ディスク9が排出される。
【0089】
また、上述の説明とは逆の順序で、ディスク9をターンテーブル5に載置するときも、同様で、図48(c)のようにトレイ55がクランパ96、ターンテーブル5から充分離間した状態で、摺動移動する。ディスク9をターンテーブル5上方向の正規の位置に移動させると、トレイ55の摺動移動が停止し、ターンテーブル5が上昇し始める。ターンテーブル5の上昇により、ディスク内径部近傍を挟んでスプリングフック94を持ち上げることで、スプリングフック94とクランプ板95との係止がはずれる。又、スプリング98の上方向付勢力よりターンテーブル5とクランパマグネット96dとの吸引力が打ち勝つと、クランパ96は下方向に吸引されディスク9を押圧する。
【0090】
以上のように、本実施の形態によれば、大径クランパを備えた光ディスク駆動装置でも、ターンテーブル近接時にディスクを押圧する大径クランパ96が、バネ部材を用いることによってターンテーブル下降時に自動的にディスクから離間し、ディスクの排出時トレイが摺動移動する際に、突起物55aや他の障害物によってトレイ55の運動を妨げることを回避することができる。
【0091】
すなわち、本実施の形態によれば、反りのあるディスクを情報の記録されていない外周近傍を当接し押圧することにより、その反りを矯正し、ディスクの情報記録面と情報を記録再生するため照射される光ビームとの角度を一定値内に押さえ込み、情報を正確に読みとり精度良く記録再生できるという優れた効果が得られる。また、外周を当接し、押圧する大径クランパを移送させる手段を備えることによりトレイを妨げることなく移動できるのである。
【0092】
以上のように構成されたディスク装置1の作動について説明する。
まず、ディスク装置1内にディスク9がローディングされ、該ディスク9に記録された信号を光ピックアップ6によって再生している信号再生状態(図9参照)では、図6に示されるように、中間ベース80及びトラバースベース20は、中間ベース80の前端の突起部80Pがカムギヤ30のカム溝33における上側の水平溝部33aに嵌合することにより、装置ベース10と略平行に保持されている。
このとき、図14に示されるように、トリガレバー71は、そのストッパ部71sがロックレバー73の爪部73dに係止されるとともに、係合アーム71aがカムギヤ30のフック部32に係合している。この状態では、トリガレバー71は、図9及び図14における反時計回り方向の限度まで回動されている。
【0093】
上記の状態で、ディスク9からの信号の再生は、スピンドルモータ3を駆動させてディスク9を載せたターンテーブル5を所定の回転数で回転させながら、光ピックアップ6を再生しようとしている目的の信号トラックの略下方位置に移動させ、この光ピックアップ6に設けられた光学素子(レンズ及びレーザ源などを含む光学系)でディスク9上の信号を読み取ることによって行われる。
ここで、再生しようとしている信号トラックが光ピックアップ6の現在位置の上方に無いとき、あるいは数十本以上の信号トラックにまたがって信号再生を行う場合には、光ピックアップ6をディスク9の内周方向(ディスク装置1の前側方向)および外周方向(ディスク装置1の後側方向)に移動させる必要がある。
【0094】
この光ピックアップ6の移動は光ピックアップ駆動機構によって行われる。すなわち、前述したように、第2モータ4が駆動されてモータギヤ4Gが回転すると、この回転が上記ラック駆動歯車列51により所定の減速比で減速して出力側に伝達され、最終の出力ギヤ53B(第2トラバース出力ギヤ)は減速された回転速度で回転し、送りラック40が(従って、これに連結された光ピックアップ6が)前後方向に移動する。このとき、モータギヤ4Gの回転方向が図9〜図13における時計回り方向であれば、光ピックアップ6は前方(図9〜図13における下方:ディスク9の内周方向)に向かって移動し、モータギヤ4Gの回転方向がその逆であれば、光ピックアップ6は後方(図9〜図13における上方:ディスク9の外周方向)に向かって移動する。
【0095】
尚、この信号再生状態では、第2モータ4の駆動に伴なってローディング駆動歯車列61も回転することになるが、その最終の出力ギヤである第3ローディングギヤ64の歯部は、カムギヤ30の欠け歯部34に位置し、外周歯部30gとは噛み合わないように設定されている。従って、この信号再生状態で、第2モータ4の駆動力がカムギヤ30に(従って、トレイ駆動ギヤ56に)伝達されることはない。
【0096】
図10及び図15は、ディスク9の信号が記録されている記録位置範囲(信号記録範囲)の最内周部分に記録された信号を再生している状態を示している。この状態では、光ピックアップ6は光ピックアップ駆動機構によって前方へ移動させられて、ディスク9の信号記録範囲の内周端部位置Srまで移動しており、送りラック40の受動ラック部41は、その後端部分がラック駆動歯車列51の最終の出力ギヤ53B(第2トラバース出力ギヤ)と噛み合っている。また、切換ラック部42は、トリガレバー71の部分ギヤ71gにかなり接近している。
【0097】
周知のように、光ディスク9の信号記録範囲は、ディスク規格に基づいて、ディスク9の中心からの距離で定められている。そして、従来のディスク装置では、この信号位置範囲の最内周位置に対応する位置に光ピックアップの位置検出スイッチを設け、光ピックアップが最内周位置に有ること/最内周位置に移動してきたことを検出し、光ピックアップがそれ以上内周側に移動しないように制御している。
これに対して本実施の形態に係るディスク装置1においては、ディスク9の信号記録範囲の内周端部位置Srを内周端部切り換え位置として、ここに内周検出スイッチ7を設けている。この内周検出スイッチ7は、オフのときには光ピックアップ6が最内周位置に有ること/最内周位置に移動してきたことを検出する点は従来の光ディスク装置と同じである。しかしながら、オンとしたときには、光ピックアップ6が内周検出スイッチ7を動作させても光ピックアップ6のそれ以上の内周側への移動を規制せず、光ピックアップ6が更に内周側へ移動できるように設定されている点が従来とは異なっている。
【0098】
上記内周検出スイッチ7は、例えば、従来から良く知られた機械式の作動を行うもので、トラバースベース20の上面に対して上下方向に出没可能に設けられ、光ピックアップ6がこの内周検出スイッチ7の上方に達した際には、その下面がスイッチ7に干渉し、スイッチバネ(不図示)の付勢力に抗してこの内周検出スイッチ7をトラバースベース20内に押し下げるようになっている。尚、この内周検出スイッチ7としては、上記の方式のものに限らず、例えば非接触式のものなど、従来から良く知られた種々の構造のものを用いることができる。
【0099】
図11及び図16は、光ピックアップ6が上記内周端部位置Srに移動し内周検出スイッチ7を動作させた後、さらに光ピックアップ6が内周側に移動して来た状態を示したものである。
ここで、図10及び図15の状態と図11及び図16の状態の違い、並びにその状態の移行動作について説明する。
図10及び図15の状態から図11及び図16の状態への光ピックアップ6の移動は、オンとした内周検出スイッチ7が光ピックアップ6により動作させられた図10及び図15の状態から、第2モータ4が更に同じ方向に(時計周り方向に)回転することによって行われる。
【0100】
光ピックアップ6が更に内周側に移動することによって、光ピックアップ6を前後動させる送りラック40の切換ラック部42が、トリガレバー71の部分ギヤ71gと噛み合い、トリガレバー71を時計周り方向に回転させる。これに伴なって、トリガレバー71の係合アーム71aがカムギア30のフック部32を時計回り方向に回動させる。
【0101】
これにより、カムギア30が時計回り方向に回動し、その外周歯部30gとローディング駆動歯車列61の最終の出力ギヤ64(第3ローディングギヤ)とが噛合い始める。この状態では、まだ、送りラック40の受動ラック部41は、上記ラック駆動歯車列51の最終の出力ギヤ53B(第2トラバース出力ギヤ)と噛み合い状態を保っている。
また、トリガレバー71のストッパ部71sと係合して該トリガレバー71を位置固定していたロックレバー73は、その突出ピン73pが送りラック40のカム溝43に沿って移動することによって回動し、爪部73dによるトリガレバー71の位置固定が解除される。
【0102】
図12および図17は、上記カムギア30がローディング駆動歯車列61の最終の出力ギヤである第3ローディングギア64に噛み合い始めた状態から、更に、この第3ローディングギア64からの駆動力により、カムギア30が時計回り方向に回動した状態を示している。
この動作も、第2モータ4によりモータギヤ4Gが、光ピックアップ6を内周側に送るときの回転方向と同じく、時計回り方向に回転することによって行われる。
【0103】
このようなカムギア30の動作により、トリガレバー71は、このカムギア30で規制される位置まで更に反時計回り方向に回転し、送りラック40の受動ラック部41と第2トラバース出力ギヤ53Bの噛み合いが外れる位置まで、光ピックアップ6を更なる内周位置(前方位置)まで引き込む。従って、これ以降は、上記モータギヤ4Gがそれ以上時計回り方向に回転しても、第2モータ4の駆動力が送りラック40に(従って、光ピックアップ6に)伝達されることはない。
【0104】
また、このとき、ロックレバー73の突出ピン部73pは、送りラック40のカム溝43に案内されてその傾斜部にさしかかり、ロックレバー73のバネ力により時計回り方向に回動する。そして、トリガレバー71は、カムギア30と完全に離間する位置まで、反時計回り方向に回動させられる。
尚、基本的にはトリガレバー71,ロックレバー73及びカムギヤ30(具体的には、そのフック部32及び欠け歯部34)、より詳細には、これらに加えて、送りラック40の切換ラック部42及びカム溝43等で、第2モータ4の駆動力の伝達経路を切り換える動力伝達経路切換機構が構成されている。
【0105】
また、以上のように、送りラック40は、光ピックアップ6を上記ディスク9の信号記録範囲の最内周端部位置Srまで移動させた後さらに内周側の所定位置まで移動可能で、送りラック40が、この内周側の所定位置まで移動することにより、または、この所定位置からディスク外周側へ移動することにより、第2モータ4の駆動力の伝達経路が切り換えられるので、1個のモータ(第2モータ4)の駆動により、光ピックアップ6の信号読み取り動作と第2モータ4の駆動力の伝達経路の切換とを連携して行わせることができる。
【0106】
更に、信号の再生状態にある光ピックアップ6を、第2モータ4により光ディスク9上の信号記録範囲の内周端部位置Srに移動させた後、さらに回転方向をかえることなく同モータ4をまわしつづけることにより、自動的にターンテーブル5による光ディスク9のクランプの解除、装置外への光ディスク9の排出を行うことができ、従来の光ディスク装置において必要とされていたディスクローディング専用のモータを廃止することができる。そして、装置内で使用するモータの数を減らすことにより、より安価な光ディスク装置を提供することが可能になる。
【0107】
また更に、光ピックアップ6を第2モータ4の駆動によりディスク9上の信号の最内周位置Srに移動させ、内周検出スイッチ7により光ピックアップ6の位置を検出した後、上記第2モータ4の回転方向を変えたり回転を停止させることにより、装置外へディスク9を排出すること無く、同ディスク9の信号の連続した再生/記録を行わせることも可能である。また、更に、従来必要とされていたディスクが装置内に搬入されたことを検出する検出スイッチやディスクのクランプ動作を検出する検出スイッチがなくても、内周検出スイッチ7により上記状態の検出が可能になるため、検出スイッチの数を減らすことができ、より安価な光ディスク装置を提供することも可能になる。
【0108】
本実施の形態では、上述のように、トラバースベース20は、中間ベース80を介して、その後端部を中心にして上下方向に回動するよう構成されており、中間ベース80の前端部の突起部80Pが、カムギア30に形成されたカム溝33に係合している。このカム溝33は、前述のように、上下の水平溝部分33a及び33cと両者をつなぐ斜め溝部分33bとを備えており(図24〜図29参照)、上記突起部80Pがこれら3つの溝部33a〜33cのどの部分と係合するかによって(つまり、カムギヤ30の回動方向及び回動量によって)、トラバースベース20の前端部の上下方向位置が定まる。従って、中間ベース80及びトラバースベース20は、カムギア30の回動方向及び回動量に応じて、その後端部を中心にして上下方向へ回動することになる。
【0109】
このように、上記トラバースベース20は、中間ベース80を介して、その一端側を中心にして装置ベース10に対し上下方向へ回動可能に支持されている。具体的には、ローディング駆動歯車列61からの動力伝達でカムギヤ30が回転させられてトラバースベース20の他端側が昇降させられ、これにより、トラバースベース20がその前端側を中心にして装置ベース10に対し上下方向へ回動させられる。すなわち、1個のモータ(第2モータ4)の駆動により、トラバースベース20の上下方向への回動動作と(従って、ターンテーブル5の昇降動作と)ディスク9の移送動作とを連携して行わせることが可能になるのである。
【0110】
そして、図13及び図18に示すように、カムギア30が更に時計回り方向に回転すると、中間ベース80の前端突起部80Pのカム溝33に対する係合位置は、上側水平溝部33aから斜め溝部33bを経て、下側水平溝部33cへと移動するように設定されている。
すなわち、図9及び図14に示した状態では、突起部80Pが上側水平溝33aに係合しており、中間ベース80及びトラバースベース20は、図6に示すように、装置ベース10に対して平行で両者の上面が略面一となるように維持されている。従って、ディスク9をターンテーブル5上に載置してクランパ96との間で水平に保持することができる。
【0111】
そして、図10〜図13及び図15〜図18に示すように、送りラック40が前方に移動し、その移動量が一定以上に達するとカムギヤ30が回動し始め、中間ベース80の前端突起部80Pが、カム溝33の斜め溝部33bを経て下側水平溝部33cと係合するようになる。この結果、図7に示すように、中間ベース80及びトラバースベース20が、その後部を中心に下方へ回動し装置ベース10に対し傾斜する。この状態では、ターンテーブル5が傾斜状態で下方に移動しているので、装置1の外部からディスク9をターンテーブル5の上方へ引き込む際、及びディスク9をターンテーブル9の上方から装置1の外部へ排出する際には、ディスク9がターンテーブル9と干渉することはないようになっている。
【0112】
この場合、カムギヤ30の外周歯部30gは、トラバースベース20が装置ベース10に対して所定位置(中間ベース80の前端突起部80Pがカム溝33の斜め溝部33bを経て下側水平溝部33cと係合する位置)まで下方へ回動した状態で、ディスクローディング機構のトレイ駆動ギヤ56と噛み合うので、上記トレイ55はトラバースベース20が確実に下方へ回動した状態で駆動される。従って、トレイ駆動時(つまりディスク移送時)、トレイ55が(つまりディスク9が)ターンテーブル5と干渉することを確実に回避することができるのである。
【0113】
尚、上記のようにトラバースベース20が傾斜した状態では(図13及び図18並びに図7参照)、第3ローディングギヤ64も傾斜した状態でカムギヤ30の外周歯部30gと噛み合うことになるが、前述したように(図29参照)、この外周歯部30gは、その縦断面における歯筋形状が曲線状もしくはカムギヤ30の軸線Lgに対して傾斜した形状に設定されているので、両ギヤ64,30gは確実かつスムースに噛み合うことができる。
【0114】
また、以上のように送りラック40が(つまり光ピックアップ6が)前方へ移動し、トラバースベース20が傾斜動作を行う間、図14〜図18に示すように、送りラック40の前方への移動に伴って該送りラック40の前端部が上記位置決めロッド75の延長受け部75cの後面に当接してこれを前方に押す。これにより、位置決めロッド75の規制ロッド部75sが、ロックレバー73の基部73bのガイドスロット73sに案内された状態で前方へ移動する。そして、前述のように、この規制ロッド部75sが中間ベース80の位置決め孔83内に嵌入することにより、この中間ベース80を介して、トラバースベース20の装置ベース10に対する左右方向の位置決めが行われる。
【0115】
尚、上記位置決めロッド75の延長受け部75cの前部は、ロックレバー73のスプリング部73cに当接しており、このスプリング部73cによって後方に付勢されている。上記とは逆に送りラック40が後方へ移動する場合には、位置決めロッド75は上記スプリング部73cの付勢力によって後方へ移動させられるようになっている。
更に、トラバースベース20の前端側に設けられた円弧溝27にカムギヤ30のフック部32の係合凸部32pが係合することにより、トラバースベース20が装置ベース10に対して略平行で両者の上面が略面一に維持されている間、両者の前後方向の位置決めが行われている。
【0116】
図19及び図20は、第2モータ4によってモータギヤ4Gを更に同じ方向(時計回り方向)に回転させ、ローディング駆動歯車列61を介してカムギヤ30を更に時計回り方向に回動させた状態を示している。図9〜図13に示す状態の間は、トレイ駆動ギヤ56の入力ギヤ56Aはカムギヤ30の外周歯部30gとは噛み合っておらず、その欠け歯部34に対応している。従って、カムギヤ30が回転してもトレイ駆動ギヤ56が回転することはない。
【0117】
しかし、カムギヤ30が図19及び図20に示される状態まで回動すると、カムギヤ30の外周歯部30gがトレイ駆動ギヤ56の入力ギヤ56Aと噛み合い始め、カムギヤ30の回転によってトレイ駆動ギヤ56が回転させられる。そして、これに伴って、図21に示すように、トレイ駆動ギヤ56の出力ギヤ56B及びこれと噛み合うトレイラック歯55gを介して、トレイ55が前方へ引き出されるようになっている。
【0118】
尚、以上の説明は、トレイ55をディスク装置1の内部から外部に引き出す場合について(つまり、信号再生状態から光ディスク9のクランプ解除およびディスク9の排出の動作について)のものであったが、この逆に、トレイ55をディスク装置1の外部から内部に引き込む場合には、回路基板2に設けられたモータ制御回路によって第2モータ4が以上とは逆方向に回転させられ、モータギヤ4Gが時計回り方向に回転駆動される。これにより、ディスク装置1内への光ディスク9の搬入、ディスク9のクランプそして信号再生状態への移行を、一連の動作として行わせることができる。
【0119】
以上、説明したように、本実施の形態によれば、装置ベース10と別体でターンテーブル5を取り付けたトラバースベース20が、装置ベース10に対し上下方向へ回動可能に支持されており、1個のモータ(第2モータ4)を正方向(第1回転方向)またはその逆方向へ連続して回転させることにより、光ピックアップ6の移動動作とターンテーブル5の昇降動作とディスク9の移送動作とがこの順序で略連続して、または逆の方向へ逆の順序で略連続して行われるので、ディスク9の出し入れを行う際、ディスク9を上下方向に移動させることなくターンテーブル5との干渉を回避することができる。従って、従来のディスク装置のように、ディスクを持ち上げるディスクホルダを設ける必要は無い。
【0120】
また、ターンテーブル5を取り付けたトラバースベース20を装置ベース10に対し上下方向へ回動させる動作を利用して、ディスク9のターンテーブル5に対する固定(クランプ)及び固定解除を行うことが可能になる。従って、従来のディスク装置のように、クランパ側(チャック板)を上下方向に駆動する必要は無い。
この場合において、光ピックアップ6の移動動作とターンテーブル5の昇降動作とディスク9の移送動作とを1個のモータ(第2モータ4)で行えるので、ターンテーブル回転駆動用の第1モータ3と併せて、合計2個のモータでディスク装置1を作動させることができる。すなわち、モータの使用個数を削減した上で、ディスク装置1の構造をより簡素化し、各構成要素の良好な作動をより安定して得ることができるのである。
【0121】
尚、本実施の形態に係る光ディスク装置1では、以上のように、第2モータ4の駆動力の伝達経路をローディング駆動機構に伝達する経路とピックアップ駆動機構に伝達する経路との間で切り換えるようにしていたが、かかる伝達経路の切り換えを行わず、上記第2モータ4を光ピックアップ6の駆動のみに用いるようにすることもできる。
すなわち、例えば、複数枚数のディスクを順次入れ替えて情報信号の読み出しを行えるようにした所謂チェンジャや、ホップアップ式の開閉扉を有するディスク装置などでは、ディスクのローディングは、光ディスクへの情報信号の記録/読み出し機構を有する装置部分とは全く別途の外部機構で(つまり、装置外部の動力を用いて)行われるので、ピックアップ駆動機構とローディング駆動機構との間で上述のような伝達経路の切り換えを行って、ディスクローディングにディスク装置内部の動力を用いる必要はない。
【0122】
従って、このような用途に対しては、前述のローディング駆動歯車列61(第1〜第3ローディングギヤ62〜64)を設ける必要はない。図49及び図50から分かるように、上記ローディング駆動歯車列61(第1〜第3ローディングギヤ62〜64)は、トラバースベース20に設けた各枢支ボス部62S〜64Sの軸孔部62h〜64hに各歯車62〜64の回転軸を挿入して組み付けられるられるが、上述のような用途に対しては、このローディング駆動歯車列61(第1〜第3ローディングギヤ62〜64)をトラバースベース20に組み付けずに、図52に示される状態で用いれば良い。この場合には、第2モータ4は光ピックアップ6の移動専用として用いられることになる。
このように、本実施の形態にかかるディスク装置1は、装置内部の動力(第2モータ)を利用してディスクローディングを行う用途と、ディスクローディングが装置外部の動力を用いて行われる用途に対して、簡単に使い分けることができるのである。
【0123】
尚、本実施の形態では、ディスク9が所謂DVDであり、また、トラバースベース20は中間ベース80を介して装置ベース10に対し上下回動可能に支持されていたが、本発明は、前述の従来技術2における場合のようにトラバースベース20が装置ベース10に対し直接に支持されている場合でも、また、ディスク9が所謂CDの場合でも、有効に適用することができる。
このように、本発明は、以上の実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【0124】
【発明の効果】
本願の第1の発明によれば、ピックアップ案内機構に備えられた被ガイド部材とロッド部材と付勢部材と押え部材はいずれも導電性を有する材料で構成され、上記押え部材に形成され実質的にベース部材の下方位置に存在する延長部にアース用部材が接続され、当該アース用部材は、装置ベースに対する上記ベース部材の弾性部材による浮動に追従可能なアース線を介して、上記ベース部材の下方位置から上記装置ベースの金属部材に接続されるものであり、このアース用部材は、ピックアップの移動動作とは無関係なベース部材の固定部位に接続されるので、アース線の長さを設定するに際しては、装置ベースに対するベース部材の浮動に追従可能な長さの設定を考慮すれば良く、光ピックアップの移動動作に見合った長さ余裕を持たせる必要は無く、アース線をそれだけ短くすることができる。従って、アース線の配設スペースも小さくて済む。
【0125】
また、本願の第2の発明によれば、基本的には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、アースを取る際には、上記押え部材の延長部が、アース線の一端に装着されたコネクタにより差し込み状態で保持されるので、このコネクタを上記延長部に対して差し込むだけの簡単な操作でアースを取り、ノイズ除去を行なうことができる。すなわち、アース線を接続する際の接続作業を簡略化できる。また、アース線の接続作業を必要に応じてディスク装置組立後に行なうことも可能になり、ディスク装置を組み立てる際の作業性の向上を図ることができる。
【0126】
更に、本願の第3の発明によれば、基本的には、上記第1又は第2の発明と同様の効果を奏することができる。特に、上記ロッド支持部には、上記付勢部材を圧縮または伸長してその長さを変化させ上記ロッド支持部におけるロッド部材の上下方向位置を調整することによりロッド部材の傾斜を調整する調整手段が設けられており、この調整手段を構成する部材を利用して、光ピックアップのノイズ除去が行なわれる。すなわち、光ピックアップのノイズ除去を、ロッド部材の傾斜を調整する調整手段を利用することにより、部品点数の増加や構造の複雑化を回避することができる。
【0127】
また更に、本願の第4の発明によれば、基本的には、上記第1〜第3の発明のいずれか一と同様の効果を奏することができる。特に、光ディスクをターンテーブル上方位置と装置外部位置との間で往復動可能に移送するディスクローディング機構が設けられた場合について、上記ベース部材は装置ベースに対し上下方向へ移動可能または回動可能に支持され、上記アース用部材は上記押え部材の延長部に対して下方から(つまり、上記ベース部材が移動または回動する方向に含まれる方向から)接続されるので、このベース部材の移動または回動動作時に、上記アース用部材と延長部との接続部に無理な曲げモーメントが作用することはない。従って、アース線の長さを上記ベース部材の移動または回動動作に見合う長さだけ余裕を持たせて設定するだけで、このベース部材の移動または回動動作時に、アース用部材の上記延長部への接続部およびアース線に無理な力が加わることを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るディスク装置の組立状態を示す全体斜視図である。
【図2】 上記ディスク装置の分解斜視図である。
【図3】 図2の一部を拡大して示す説明図である。
【図4】 図2の一部を拡大して示す説明図である。
【図5】 上記ディスク装置のトラバースベースと装置ベースの組立状態を示す平面説明図である。
【図6】 上記トラバースベースの装置ベースに対する支持構造を概略的に示す部分断面側面図である。
【図7】 上記トラバースベースの装置ベースに対する傾斜動作を示す概略的な部分断面側面図である。
【図8】 上記トラバースベースに装着されたフローティングブッシュを拡大して示す縦断面説明図である。
【図9】 上記ディスク装置の駆動機構の動作を示す一連の平面説明図の一つである。
【図10】 上記駆動機構の動作を示す一連の平面説明図の一つである。
【図11】 上記駆動機構の動作を示す一連の平面説明図の一つである。
【図12】 上記駆動機構の動作を示す一連の平面説明図の一つである。
【図13】 上記駆動機構の動作を示す一連の平面説明図の一つである。
【図14】 上記駆動機構の動力伝達経路の切換動作を示す一連の拡大平面説明図の一つである。
【図15】 上記駆動機構の動力伝達経路の切換動作を示す一連の拡大平面説明図の一つである。
【図16】 上記駆動機構の動力伝達経路の切換動作を示す一連の拡大平面説明図の一つである。
【図17】 上記駆動機構の動力伝達経路の切換動作を示す一連の拡大平面説明図の一つである。
【図18】 上記駆動機構の動力伝達経路の切換動作を示す一連の拡大平面説明図の一つである。
【図19】 トレイとトレイ駆動ギヤの係合状態を示す拡大平面説明図である。
【図20】 トレイ格納状態を示す上記ディスク装置の平面説明図である。
【図21】 トレイ引き出し状態を示す上記ディスク装置の平面説明図である。
【図22】 上記ディスク装置のディスククランプ機構を示す拡大平面説明図である。
【図23】 図22のY23−Y23線に沿ったディスククランプ機構の縦断面説明図である。
【図24】 上記駆動機構のカムギヤの平面説明図である。
【図25】 図24のY25−Y25矢印方向から見たカムギヤの側面説明図である。
【図26】 図24のY26−Y26矢印方向から見たカムギヤの側面説明図である。
【図27】 図24のY27−Y27矢印方向から見たカムギヤの側面説明図である。
【図28】 図24のY28−Y28矢印方向から見たカムギヤの側面説明図である。
【図29】 上記カムギヤの縦断面における歯筋形状を示す部分断面説明図である。
【図30】 上記駆動機構の送りラックの平面説明図である。
【図31】 図30のY31−Y31矢印方向から見た送りラックの側面説明図である。
【図32】 上記送りラックの背面説明図である。
【図33】 図30のY33−Y33矢印方向から見た送りラックの側面説明図である。
【図34】 図30のY34−Y34矢印方向から見た送りラックの側面説明図である。
【図35】 図36のY35−Y35矢印方向から見たトリガレバーの側面説明図である。
【図36】 上記駆動機構のトリガレバーの平面説明図である。
【図37】 図36のY37−Y37線に沿ったトリガレバーの縦断面説明図である。
【図38】 上記駆動機構のロックレバーの平面説明図である。
【図39】 図38のY39−Y39矢印方向から見たロックレバーの側面説明図である。
【図40】 図38のY40−Y40矢印方向から見たロックレバーの側面説明図である。
【図41】 図42のY41−Y41矢印方向から見たロックレバーの側面説明図である。
【図42】 上記駆動機構のロックレバーの平面説明図である。
【図43】 図42のY43−Y43矢印方向から見たロックレバーの側面説明図である。
【図44】 上記ディスク装置のディスククランプ機構の基本原理を説明するためのクランパの概略説明図である。
【図45】 上記ディスククランプ機構の基本原理を説明するクランパの一連のディスククランプ動作を示す部分拡大断面説明図である。
【図46】 上記ディスククランプ機構の基本原理を説明するクランパの一連のディスククランプ動作を示す断面説明図である。
【図47】 上記ディスク装置のディスククランプ機構の基本構成を示す斜視図である。
【図48】 上記ディスククランプ機構におけるクランパの一連のディスククランプ動作を示す部分拡大断面説明図である。
【図49】 上記ディスク装置のトラバースベースへの歯車組み付け状態を示す斜視図である。
【図50】 ローディング駆動歯車列が組み付けられていない状態を示すトラバースベースの斜視図である。
【図51】 上記ディスク装置のピックアップガイドロッドの組み付け状態およびピックアップのアース機構を示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
1…ディスク装置
4…第2モータ
5…ターンテーブル
6…光ピックアップ
6a…ガイドシュー
6b…ガイドアーム
9…光ディスク
10…装置ベース
20…トラバースベース
22,23…ガイドロッド
24…ロッド支持部
24a…調整ネジ
24b…コイルバネ
24c…押え金具
24d…延長部
25…アースコネクタ
25a…アース線

Claims (4)

  1. 光ディスクを回転可能に支持するターンテーブルと、該ターンテーブルで回転させられる光ディスクに情報信号を書き込み及び/又は光ディスクに記録された情報信号を読み出す光ピックアップと、該光ピックアップを光ディスクの内周側と外周側との間で往復動可能に移動させるピックアップ駆動機構と、上記光ピックアップの移動動作を案内するピックアップ案内機構とがベース部材上に搭載された光ディスク装置のアース機構であって、
    上記ベース部材は、当該ベース部材とは別体で設けられる装置本体の基台を構成する装置ベースに対して一定範囲内で浮動可能な状態に弾性部材で支持されており、
    上記ピックアップ案内機構は、上記光ピックアップの移動方向に延設されたロッド部材と、該ロッド部材を上記ベース部材に対して支持するロッド支持部と、該ロッド支持部内に配設されロッド部材に一端部を接触させて上下方向の一方に付勢する付勢部材と、該付勢部材の他端部側を押えるべく上記ロッド支持部に固定される押え部材と、上記光ピックアップと一体的に移動するとともに上記ロッド部材に摺動自在に係合する被ガイド部材とを備え、
    上記被ガイド部材とロッド部材と付勢部材と押え部材は、いずれも導電性を有する材料で構成されており、
    上記押え部材には、上記ベース部材のロッド支持部よりも下方に延び、実質的に上記ベース部材の下方位置に存在する延長部が形成され、この延長部にアース用部材が接続される構成とし、当該アース用部材は、上記装置ベースに対する上記ベース部材の浮動に追従可能なアース線を介して、上記ベース部材の下方位置から上記装置ベースの金属部材に接続される
    ことを特徴とする光ディスク装置のアース機構。
  2. 上記アース用部材は、アース線の一端に装着され、上記押え部材の延長部を差し込み状態で保持し得るコネクタであることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置のアース機構。
  3. 上記ロッド支持部には、上記付勢部材による上記ロッド部材の一方への付勢に対抗して当該ロッド部材の位置を調整可能な調整手段を設け、
    当該調整手段の調整により、上記付勢部材を圧縮または伸長してその長さを変化させ上記ロッド支持部におけるロッド部材の上下方向位置を調整することによりロッド部材の傾斜を調整するように構成したことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一方に記載の光ディスク装置のアース機構。
  4. 上記ベース部材および上記装置ベースの少なくともいずれか一方に、上記光ディスクをターンテーブル上方の第1位置と装置外部の第2位置との間で往復動可能に移送するディスクローディング機構が設けられ、
    上記ベース部材は上記装置ベースに対し上下方向へ移動可能または回動可能に支持されており、
    上記アース用部材は上記押え部材の延長部に対して、下方から接続される、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一に記載の光ディスク装置のアース機構。
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