JP3963827B2 - 防振部材を具えたディスク記録又は再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インシュレータ等の振動吸収部材を具えたディスク記録又は再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、従来のディスク記録又は再生装置の斜視図であり、図9は図8の正面図である(例えば、特許文献1参照)。これは記録再生ユニット(3)をインシュレータ等の防振部材(4)を介して、受け台(2)に取り付けている。
記録再生ユニット(3)は、シャーシ(1)上にディスクDを回転させるターンテーブル(30)、及びガイド軸(33)に案内されてターンテーブル(30)に接近離間可能に配備されたピックアップ(32)を周知の如く具えている。ターンテーブル(30)はブラケット(10)を介して、シャーシ(1)上に取り付けられ、ターンテーブル(30)のディスク載置面(31)が所定の高さに設定される。防振部材(4)は、シャーシ(1)と受け台(2)に挟まれる大径部(40)上に、シャーシ(1)の隅部に開設された切欠き(11)に嵌まる小径部(41)を具え、該小径部(41)の先端部に、抜止め板(42)を設けている。
シャーシ(1)が防振部材(4)を介して、受け台(2)に取り付けられていることにより、ターンテーブル(30)からの振動が防振部材(4)に吸収され、受け台(2)に伝わる振動が緩和される。受け台(2)は装置の外観を構成するキャビネット(図示せず)に取り付けられ、使用者が信号の記録又は再生中にキャビネットに触れても、ターンテーブル(30)からの振動は感じない。
【0003】
斯種装置には、図10に示すように、キャビネット(5)内に、ディスクDが載置され中央部が開口(60)したトレイ(6)を出没可能に設けるとともに、ターンテーブル(30)を具えた記録再生ユニット(3)を昇降可能に設けたものがある(例えば、特許文献2参照)。記録再生ユニット(3)はカム溝(70)が開設されたスライド体(7)に嵌合し、トレイ(6)が排出された状態では、記録再生ユニット(3)はスライド体(7)によってトレイ(6)の移行路から下方に外れるまで下降する。トレイ(6)が装置内に挿入されると、ターンテーブル(30)がトレイ(6)の開口(60)内に嵌まるまで上昇する。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−288552号(第1図)
【0005】
【特許文献2】
特許2680727号(第15図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ディスクの高密度記録化に伴い、ディスクを高速回転させる必要があり、ターンテーブル(30)から発生する振動が大きくなっている。従って、防振部材(4)の振動吸収効果を高める必要がある。振動吸収効果を高めるには、シャーシ(1)及び受け台(2)に接する大径部(40)の高さ(図9のM)を高くすればよい。しかし、斯種装置には、市場から薄型化を求められており、シャーシ(1)と受け台(2)の間隔を大きくすることは、市場の要請に反する。
また、従来の構成では、図9に示すように、受け台(2)の上面から、ターンテーブル(30)のディスク載置面(31)までの高さLは、防振部材(4)の大径部(40)の厚み、シャーシ(1)の厚み、ブラケット(10)の高さ、ブラケット(10)の上面からディスク載置面(31)までの高さを加えた値となっているから、高さLがバラ付き易く、この点でも薄型化を求める市場の要請に反するものであった。
図10に示す装置にあっても、ディスクの高速化に伴い、シャーシ(1)に防振部材(4)を介して受け台(2)を取り付けた場合には、同様の問題が発生することが予想される。
本発明の目的は、ターンテーブル(30)から発生する振動の防振効果を高めるとともに、薄型化を達成できる装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
ディスク記録又は再生装置は、ターンテーブル(30)を具えた記録再生ユニット(3)と、該記録再生ユニット(3)を防振部材(4)を介して支持する受け台(2)とを具え、記録再生ユニット(3)は、シャーシ(1)上にブラケット(10)を介して、ターンテーブル(30)を設けて構成される。
防振部材(4)は、シャーシ(1)を介在させることなく、ブラケット(10)と受け台(2)との間に配備されている。
【0008】
【作用及び効果】
防振部材(4)は、シャーシ(1)を介在させることなく、シャーシ(1)上に設けられたブラケット(10)と受け台(2)の間に配備されるから、従来のシャーシ(1)と受け台(2)との間に防振部材(4)を配備していた構成に比して、防振部材(4)を高く形成できる。これにより、装置全体を厚くすることなく、振動吸収効果を高めることができる。
また、防振部材(4)は、シャーシ(1)と接しないから、受け台(2)の上面からディスク載置面(31)までの高さLは、シャーシ(1)の厚みに関係なく定まる。これにより、高さLのバラ付きを少なくでき、装置の薄型化も可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)
以下、本発明の一例を図を用いて詳述する。
図1は、本例に係わる装置の斜視図であり、図2は図1の正面図である。記録再生ユニット(3)は、受け台(2)に防振部材(4)を介して支持される。記録再生ユニット(3)は、シャーシ(1)上にピックアップ(32)を具えて構成され、ディスクDが載置されるターンテーブル(30)は、シャーシ(1)上にネジ(13)止めされたブラケット(10)に取り付けられている。
ターンテーブル(30)の上方には、ターンテーブル(30)との間でディスクDを挟持するクランパ(8)が昇降可能に設けられている。クランパ(8)は、マグネットから形成され、金属製であるターンテーブル(30)に吸引され、該吸引力にてディスクDを挟持する。
防振部材(4)はゴム等の弾性部材から形成されて、ブラケット(10)の両端部に嵌まる。該防振部材(4)は受け台(2)とブラケット(10)に挟まれる大径部(40)上に、ブラケット(10)に開設された切欠き(12)に嵌まる小径部(41)を具え、該小径部(41)の先端部に、抜止め板(42)を設けている。即ち、シャーシ(1)は、受け台(2)上に防振部材(4)を介して取り付けられたブラケット(10)から吊された構成となる。
【0010】
防振部材(4)は、シャーシ(1)を介在させることなく、シャーシ(1)上のブラケット(10)と受け台(2)の間に配備されるから、従来のシャーシ(1)と受け台(2)との間に防振部材(4)を配備していた構成に比して、受け台(2)からターンテーブル(30)のディスク載置面(31)までの高さLを変えることなく、防振部材(4)の大径部(40)を高く形成できる(図2のM1)。これにより、装置を厚くすることなく、振動吸収効果を高めることができる。
また、防振部材(4)は、シャーシ(1)と接しないから、受け台(2)の上面からターンテーブル(30)のディスク載置面(31)までの高さLは、シャーシ(1)の厚みに関係なく定まる。これにより、高さLのバラ付きを少なくできる。
また、ターンテーブル(30)は、クランパ(8)とによって、ディスクを挟持するが、高さLがバラ付くと磁気吸引力がバラ付き、クランパ(8)がディスクを保持する力がバラ付く。本例では、高さLのバラ付きを少なくできるから、ディスクを保持する力がバラ付くことも防止できる。
【0011】
更に、図8に示す従来の構成では、ブラケット(10)にターンテーブル(30)を取り付けてから、シャーシ(1)に該ブラケット(10)を取り付け、該シャーシ(1)を防振部材(4)を介して、受け台(2)に取り付けていた。従って、受け台(2)に対するターンテーブル(30)の水平面内の位置は、バラ付きが大きかった。しかし、本例の構成にあっては、ブラケット(10)が防振部材(4)を介して、受け台(2)に取り付けられるから、受け台(2)に対するターンテーブル(30)の水平面内の位置は、バラ付きを小さくできる。更に、ブラケット(10)に予め防振部材(4)を取り付けてから、記録再生ユニット(3)を受け台(2)に取り付ければ、取付け作業性もよくなる。
シャーシ(1)は金属板から形成されることが多いから、シャーシ(1)に深絞り加工を施して防振部材(4)を取り付けることも考えられる。しかし、深絞り加工は寸法精度を確保できないから、ブラケット(10)を介して防振部材(4)を取り付けているのである。
シャーシ(1)は金属板から形成されることが多いから、ブラケット(10)を設けずに、代わりにシャーシ(1)を深絞り加工して凸部(図示せず)を形成し、該凸部上にターンテーブル(30)を載置することも考えられる。しかし、シャーシ(1)を深絞り加工して凸部を形成しても、凸部の形状、高さによっては、高さの精度を確保できない場合がある。従って、ブラケット(10)にターンテーブル(30)を取り付けており、本例にあっては、シャーシ(1)を介在させることなく、該ブラケット(10)と受け台(2)間に防振部材(4)を設けた点に特徴がある。
【0012】
(第2実施例)
斯種装置には、図10に示す如く、キャビネット(5)内に、ディスクが載置されるトレイ(6)を出没可能に設けるとともに、ターンテーブル(30)を具えた記録再生ユニット(3)を昇降可能に設けたものがある。
出願人は、ブラケット(10)と受け台(2)の間に防振部材(4)を設けた上記の構成を、このようなトレイ(6)を出没させるディスク記録又は再生装置に適用することを着想した。以下の記載では、トレイ(6)が装置内に挿入される方向を前方、装置から排出される方向を後方とする。この装置では、1つのモータにて、トレイ(6)の駆動と、記録再生ユニット(3)及び受け台(2)の昇降を行っており、トレイ(6)が前進完了すると、トレイ(6)の駆動と受け台(2)の昇降動作を切り換える。この切換え動作の詳細は、出願人が以前特願2001−321325号(この発明は未公開発明である)にて、開示している。
【0013】
図3は、トレイ(6)を出没させるディスク記録又は再生装置の斜視図である。これは一対の側板(50)(50)を底板(51)にて連結したキャビネット(5)内に、中央部が開口(60)したトレイ(6)を出没自在に設けている。該トレイ(6)の上方にて側板(50)(50)の上端部間には、クランパ取付け板(52)が架けられている。クランパ取付け板(52)に開設された透孔(53)に、クランパ(8)が嵌まる。
記録再生ユニット(3)は、キャビネット(5)の底板(51)の前端部に設けられた弾性部材(9)を中心に上下回動可能に設けられている。弾性部材(9)は、防振部材(4)と同じ材質から形成されているが、ターンテーブル(30)から離れており、防振部材(6)よりも振動吸収効果は小さい。
【0014】
図4は、トレイ(6)及びクランパ取付け板(52)を除去したキャビネット(5)と記録再生ユニット(3)の平面図であり、図5は、後記のスライド体(7)の正面図、図6は、記録再生ユニット(3)と受け台(2)の分解斜視図である。図4乃至図6にあっては、構成に必要な要素のみ図示する。
キャビネット(5)上にて記録再生ユニット(3)の後方には、モータ(M)によってギア列(18)を介して左右移動するスライド体(7)が設けられ、本例にあっては、受け台(2)は記録再生ユニット(3)を支持するとともに、スライド体(7)に嵌合して昇降する。また、スライド体(7)に噛合した下流側のギア(19)は、トレイ(6)にも噛合してトレイ(6)を前後移動させる。
シャーシ(1)の後端部両側には、切欠部(14)(14)が設けられ、ブラケット(10)の両端部に嵌められた防振部材(4)(4)は切欠部(14)を貫通する。防振部材(4)は中空に形成され、該中空部(43)が受け台(2)上のピン(22)に嵌まって、受け台(2)とブラケット(10)は連結される。ブラケット(10)はシャーシ(1)にネジ(13)(13)止めされ、これにより、シャーシ(1)と受け台(2)とが連結される。受け台(2)から側方に突出した枢軸(20)が、キャビネット(5)上の軸受け(54)に嵌まって、受け台(2)は枢軸(20)を中心に回動するとともに、受け台(2)は左右ガタを規制される。尚、キャビネット(5)から枢軸(20)を突出し、受け台(2)に軸受け(54)を設けてもよい。
受け台(2)が回動すると、防振部材(4)及びブラケット(10)を介して、受け台(2)に取り付けられたシャーシ(1)も弾性部材(9)を中心に回動する。
【0015】
受け台(2)からは嵌合軸(21)(21)が後方に突出し、該嵌合軸(21)(21)が前記スライド体(7)に嵌まる。スライド体(7)は一端部にラック(71)を形成し、該ラック(71)が前記ギア列(18)のギア(19)に噛合して、左右駆動される。スライド体(7)の正面には、嵌合軸(21)(21)が嵌まるカム溝(70)(70)が開設され、スライド体(7)が左右に移動すれば、受け台(2)が枢軸(20)を中心に昇降する。
図7(a)、(b)は、図4をD方向から見た受け台(2)とシャーシ(1)の右側面図であり、(a)は受け台(2)の下降状態を、(b)は上昇状態を夫々示す。前記嵌合軸(21)(21)がカム溝(70)の下端に位置すれば、図7(a)に示すように、受け台(2)は枢軸(20)を中心に下降した状態となる。シャーシ(1)も弾性部材(9)を中心として、下降した状態となる。弾性部材(9)はシャーシ(1)の下面に接した部分(図7(a)のX)が撓み変形して、シャーシ(1)の下降を許している。
【0016】
トレイ(6)が前進完了した状態で、モータ(M)(図4参照)が回転を続けると、切換え機構(図示せず)により、ラック(71)がギア(19)に噛合して、スライド体(7)が右方に移動する。嵌合軸(21)はカム溝(70)によって押し上げられ、図7(b)に示すように、受け台(2)は枢軸(20)を中心に上向き回動する。受け台(2)の上昇によって、シャーシ(1)も弾性部材(9)を中心に押し上げられる。受け台(2)とシャーシ(1)とでは回動中心が異なり、回動角も異なるが、防振部材(4)が撓み変形し、回動角度の差を吸収するから、受け台(2)とシャーシ(1)は夫々上向き回動できる。受け台(2)の上向き回動が完了すると、シャーシ(1)は略水平となり、ターンテーブル(30)がトレイ(6)の開口(60)に嵌まる。ターンテーブル(30)とクランパ(8)が合わさって、ディスクを挟持し、信号の記録又は再生ができる。
【0017】
本例にあっても、防振部材(4)は、シャーシ(1)上のブラケット(10)と受け台(2)の間に配備されるから、防振部材(4)を高く形成できる。これにより、装置を厚くすることなく、振動吸収効果を高めることができる。
また、ブラケット(10)が防振部材(4)を介して、受け台(2)に取り付けられるから、受け台(2)に対するターンテーブル(30)の水平面内の位置は、バラ付きを小さくできる。受け台(2)は前記の如く、軸受け(54)によって左右ガタを規制されるから、受け台(2)はキャビネット(5)に対し、左右位置がバラ付くことは少ない。従って、ターンテーブル(30)とクランパ取付け板(52)との水平面内に於ける相対位置も、バラ付きが少なく、クランパ(8)とターンテーブル(30)とが正確に合わさる。
【0018】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】装置の斜視図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】トレイを出没させるディスク記録又は再生装置の斜視図である。
【図4】トレイ及びクランパ取付け板を除去したキャビネットと記録再生ユニットの平面図である。
【図5】スライド体の正面図である。
【図6】記録再生ユニットと受け台の分解斜視図である。
【図7】(a)、(b)は、図4をD方向から見た受け台とシャーシの右側面図であり、(a)は受け台の下降状態を、(b)は上昇状態を夫々示す。
【図8】従来のディスク記録又は再生装置の斜視図である。
【図9】図8の正面図である。
【図10】別の従来のディスク記録又は再生装置の側面断面図である。
【符号の説明】
(1) シャーシ
(2) 受け台
(3) 記録再生ユニット
(4) 防振部材
(5) キャビネット
(6) トレイ
(10) ブラケット
(30) ターンテーブル
Claims (3)
- ターンテーブル(30)を具えた記録再生ユニット(3)と、該記録再生ユニット(3)を防振部材(4)を介して支持する受け台(2)とを具え、記録再生ユニット(3)は、シャーシ(1)上にブラケット(10)を介して、ターンテーブル(30)を設けて構成されるディスク記録又は再生装置に於いて、
防振部材(4)は、シャーシ(1)を介在させることなく、ブラケット(10)と受け台(2)との間に配備されたことを特徴とするディスク記録又は再生装置。 - キャビネット(5)内に、ディスクが載置されるトレイ(6)を出没可能に設けるとともに、ターンテーブル(30)を具えた記録再生ユニット(3)を、ターンテーブル(30)がトレイ(6)内に嵌まる上昇位置と、トレイ(6)の移行路から下方に外れた下降位置との間で昇降させる駆動体が設けられたディスク記録又は再生装置に於いて、
記録再生ユニット(3)は、シャーシ(1)上にブラケット(10)を介して、ターンテーブル(30)を設けており、
キャビネット(5)内には、記録再生ユニット(3)を防振部材(4)を介して支持する受け台(2)が昇降可能に設けられ、前記駆動体は受け台(2)に連繋し、
防振部材(4)は、シャーシ(1)を介在させることなく、ブラケット(10)と受け台(2)との間に配備されたことを特徴とするディスク記録又は再生装置。 - キャビネット(5)には、上昇したターンテーブル(30)に合わさってターンテーブル(30)との間でディスクを挟持するクランパ(8)が設けられ、受け台(2)又はキャビネット(5)の一方から突出した枢軸(20)が、他方に設けられた軸受け(54)に嵌まって、受け台(2)は左右ガタを規制されている請求項2に記載のディスク記録又は再生装置。
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