JP4266441B2 - プラスチック製カップ容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、幼児がミルク、ジュースなどの飲み物を飲む際に使用されるプラスチック製カップ容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、育児用品の一つとして、幼児の成長に合わせて飲み方をシステムアップできる離乳用のカップ容器が一般的に使用されている。このカップ容器は、持ち手ハンドルの付いたカップ本体に蓋体により種々のパーツを取り付け可能としたプラスチック製のもので、具体的には、生後3ヶ月位から4〜5才頃までを対象に、乳首、トレーニング吸い口、ストロー、ドリンクトレーナー等を順に取り替えて使用するものである。
【0003】
このうちのストロータイプを図1に示す。同図において1はカップ本体、2はその台座部2aでカップ本体1の上部に螺合する蓋体である。また、3は持ち手ハンドルであり、リング部3aをカップ本体1の上部に嵌合した状態で蓋体2を螺合することにより固定される。そして、ストロー4は蓋体2に設けられた台座部5を介して取り付けられており、ストロー4から中の飲み物が漏れないようにするため、蓋体2から突き出たストロー4の先端を覆うことのできるキャップ6がヒンジ7を介して台座部5に一体的に設けられている。
【0004】
このようなキャップ6を備えたストロータイプでは、カップ本体1に熱い飲み物を入れて蓋体2をセットした場合、カップ内の圧力が高まり、キャップ6を外した際に飲み物が熱い状態でストロー4から吹き出してやけどの原因となることがある。そこで、図1のプラスチック製カップ容器では、ストロー4の台座部5を回動可能にするとともに当該台座部5にカップ内と選択的に連通する通気孔を設けた構成とし、飲む時や持ち運んだりする時には台座部分5を閉位置にして通気孔を閉じるようにし、調乳をする時などお湯を使う場合には通気孔を開いた状態にするように工夫している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したキャップ付きのストロータイプは、通気孔の閉位置で熱い飲み物を入れた場合に、台座部を回動して開位置にし、通気孔を開いた状態としてからキャップを外すことで吹き出しを防止するので、ストロー台座部を回動してからキャップを外すという2つの操作が必要であり、特に密閉構造を採っているために回動操作が固くて面倒であった。また、通気孔開閉のための構造が複雑であることから、清掃がし難く、しかも製品コストが高くなるという問題もあった。
【0006】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、キャップを外すと同時に通気孔を開けることができるプラスチック製カップ容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るプラスチック製カップ容器は、カップ本体とこれに螺合する蓋体と当該蓋体を貫通して取り付けられるストローとを有してなり、蓋体には貫通孔を通してストローを取り付けるための台座部が設けられているとともに、その台座部の周縁部分に嵌合してストローを密閉状態で覆うためのキャップがヒンジを介して台座部の側部下端に一体的に取り付けられており、台座部の上面には通気孔が設けられ、その通気孔に漏斗形状をした軟質の逆止弁が固定されており、キャップの内側にはキャップを閉じた時に前記逆止弁に押し当たる円筒状のリブが設けられ、そのリブの中には先の曲がった棒状の角柱が挿入固定されていることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図2は本発明に係るプラスチック製カップ容器の一例を示すもので、その要部を拡大して示した断面図である。また、図3は図2に示すプラスチック製カップ容器のキャップを外した状態での断面図である。
【0009】
本発明のプラスチック製カップ容器は、図1に示したものと同様、カップ本体とこれに螺合する蓋体と当該蓋体に取り付けられるストローとを有してなり、通常は図1に示した如き持ち手ハンドルをも備えた構成になっている。
【0010】
図2及び図3において10は蓋体であり、この蓋体10の斜め上方には中央の貫通孔を通してストロー20を取り付けるための台座部30が設けられている。図示の例では、蓋体10の開口周囲にリング状の突壁11が設けられており、この突壁11の外周に周縁部分31が嵌合する状態で台座部30が固定されている。そして、台座部30の周縁部分31にキャップ40が嵌合するようになっている。このキャップ40は、蓋体10から突き出たストロー20の先端を密閉状態で覆うもので、ヒンジ41を介して台座部30の側部下端に一体的に取り付けられている。
【0011】
この密閉用のキャップ40は中のストロー20が見えるように透明又は半透明であることが望ましい。また、ヒンジ41の部分に軟質樹脂を用いる場合、台座部30及びキャップ40との接続は公知の二色成形法によればよい。
【0012】
台座部30の上面には中央の貫通孔に隣接して通気孔32が設けられており、その通気孔32に漏斗形状をした軟質樹脂からなる逆止弁33が嵌入固定されている。図示の例では、逆止弁33の周囲に設けた溝に通気孔32の縁部が嵌まり込んだ状態で固定されている。
【0013】
上述のような固定方法の場合、清掃時における取外しを容易とするために、逆止弁33の上部に引っ掛け部分を設けておいてもよい。また、取外しが可能な別の固定方法としては螺合による方法がある。この場合、通気孔32の内周面と逆止弁33の外周面に互いに螺合するネジを設けておくようにする。また、取外しを考えない固定方法としては公知の二色成形法がある。
【0014】
キャップ40の内側にはキャップ40を閉じた時に逆止弁33に押し当たる円筒状のリブ42が設けられており、さらにそのリブ42の中には先の曲がった棒状の角柱43が挿入固定されている。図示の例では、キャップ40のヒンジ41を二股構造とし、図3に示すようにヒンジ41の支点を中心とする円と重なるように角柱43の先を曲げることにより、キャップ40を閉じた時に角柱43の先が逆止弁33の中にスムーズに入り込むように設計している。なお、角柱43の断面形状は四角形でよいが、要は逆止弁33との間に隙間ができさえすればよいので、三角形、星型等などその他のどうような形状でも構わない。
【0015】
図2に示す状態でカップ内に熱い飲み物が入っている場合、キャップ40のリブ42が逆止弁33に押し当たって密閉されているので内圧が高まった状態になるが、この状態で図3のようにキャップ40を台座部30から外すと、逆止弁33に押し当たっていたリブ42が離れ、続いて逆止弁33を突き抜けていた棒状の角柱43がスルリと抜け出てくる。この抜け出る一瞬の間に角柱43と逆止弁33の間隙を縫って通気孔32から空気が抜けるので内圧が下がる。したがって、熱いお湯を使って調乳をした時などにあって密閉状態で蓋体10をセットしたとしても、飲む時にキャップ40を外す操作を行うと同時に内圧を下げることができる。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、キャップを外すと同時に一瞬の間だけ通気孔が開けられ、そこから空気が抜けて内圧が下がることから、熱い飲み物の吹き出しを防止できて安全であることは勿論、操作が一回で済む上に確実である。また、従来のものに比べると、構造が簡単であるので、清掃が簡単である上に、製品コストを押さえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のプラスチック製カップ容器を示す正面図である。
【図2】本発明に係るプラスチック製カップ容器の一例を示すもので、その要部を拡大して示した断面図である。
【図3】図2に示すプラスチック製カップ容器のキャップを外した状態での断面図である。
【符号の説明】
10 蓋体
11 突壁
20 ストロー
30 台座部
31 周縁部分
32 通気孔
33 逆止弁
40 キャップ
41 ヒンジ
42 リブ
43 角柱
Claims (1)
- カップ本体とこれに螺合する蓋体と当該蓋体を貫通して取り付けられるストローとを有してなり、蓋体には貫通孔を通してストローを取り付けるための台座部が設けられているとともに、その台座部の周縁部分に嵌合してストローを密閉状態で覆うためのキャップがヒンジを介して台座部の側部下端に一体的に取り付けられており、台座部の上面には通気孔が設けられ、その通気孔に漏斗形状をした軟質の逆止弁が固定されており、キャップの内側にはキャップを閉じた時に前記逆止弁に押し当たる円筒状のリブが設けられ、そのリブの中には先の曲がった棒状の角柱が挿入固定されていることを特徴とするプラスチック製カップ容器。
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