JP4265846B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成型により、接着剤を使用することなく金属と直接接着することができ、各種の複合製品の材料として好適に使用でき、接着性の良好な樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
低硬度エラストマーは、ハードディスク装置用ガスケット材、インクシール材など広範囲にわたって需要が多く、金属部材と一体化して複合製品とすると、低硬度エラストマーの特性が十分に発揮されるという利点がある。
従来、低硬度エラストマーと金属とを一体化させるには、▲1▼接着剤を使用する、▲2▼低硬度エラストマーとして酸変性のスチレン系熱可塑性エラストマーを使用する、▲3▼金属を加工し、金属と低硬度エラストマーとを物理的に一体化させる、などの方法が用いられている。
しかしながら、上記▲1▼の方法は、接着剤の塗布工程を必要とし、接着剤の塗布及び乾燥等の工程管理が求められるため面倒であり、また、接着剤から揮発成分等の不純物が発生するという問題がある。上記▲2▼の方法は、ポリマーを変性するために、低硬度エラストマーの各種物性、特に圧縮永久歪が低下し、また、変性に伴う触媒残渣、未反応物等の不純物が発生するという問題がある。上記▲3▼の方法では、金属の加工が面倒であり、細かい部品では一体化のための加工をすることができないため、金属と低硬度エラストマーとを一体化することができないという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、射出成型により、接着剤を用いることなく金属と直接接着することができ、各種複合製品の材料として好適な樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ブロック共重合体からなるスチレン系熱可塑性エラストマーに、特定のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体あるいはエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びパラフィン系オイルそれぞれを特定量配合した樹脂組成物を用いることにより、その目的を達成しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したもである。
すなわち、本発明は、(a)ブロック共重合体からなるスチレン系熱可塑性エラストマー100重量部、(b)(メタ)アクリル酸含有量が5〜45重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体又はエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体3〜50重量部及び(c)パラフィン系オイル50〜170重量部からなる樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の樹脂組成物の(a)成分として、ブロック共重合体からなるスチレン系熱可塑性エラストマーが用いられる。具体的には、
▲1▼ ポリブタジエンとブタジエン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体を水添して得られる結晶性ポリエチレンとエチレン/ブチレン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体、
▲2▼ ポリブタジエンとポリスチレンとのブロック共重合体、及びポリイソプレンとポリスチレンとのブロック共重合体、あるいは、ポリブタジエン又はエチレン−ブタジエンランダム共重合体とポリスチレンとのブロック共重合体を水添して得られる、例えば、結晶性ポリエチレンとポリスチレンとのジブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンのトリブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンのトリブロック共重合体(SEPS)など、中でも、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体又はスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体、などのA−B−A型共重合体を挙げることができる。本発明においてはこれらのエラストマーは、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0006】
本発明の樹脂組成物の(b)成分として、(メタ)アクリル酸含有量が5〜45重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体又はエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体が用いられる。ここで、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はメタクリル酸をいう。また、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の場合、(メタ)アクリル酸含有量とは、(メタ)アクリル酸エステルを(メタ)アクリル酸に換算した含有量をいう。
エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体又はエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体における(メタ)アクリル酸含有量が5重量%未満であると、樹脂組成物の接着性が低下し、また、(メタ)アクリル酸含有量が45重量%を超えると樹脂組成物の柔軟性や耐熱性が低下する。
エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体における(メタ)アクリル酸含有量は、5〜20重量%であることが好ましく、特に好ましくは8〜18重量%である。また、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体における(メタ)アクリル酸含有量は、25〜45重量%であることが好ましく、特に好ましくは28〜40重量%である。
【0007】
エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体における(メタ)アクリル酸エステルとしては、炭素数1〜10アルキルエステルが好ましく、具体的にはアクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸イソブチル,アクリル酸n−ブチル,アクリル酸イソオクチル,アクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸メチルなどが挙げられる。本発明においては、特にアクリル酸の炭素数1〜4のエステルの共重合体が好ましい。
上記エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体又はエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、温度190℃、荷重2.16kgfにおけるメルトフローレート(MFR)が0.1〜50g/10分であるものが好ましく、特に0.5〜30g/10分であるものが好ましい。エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体において、MFRはとりわけ1〜30g/10分であるものが好ましく、さらに5〜25g/10分であるものが好ましい。なお、MFRは、JIS K7210に準拠して測定した値である。
(b)成分の配合量は(a)成分のスチレン系熱可塑性エラストマー100重量部に対して3〜50重量部であるが、4〜40重量部が好ましい。(b)成分の配合量が3重量部未満であると樹脂組成物の接着性が低下し、また、(b)成分の配合量が50重量部を超えると圧縮永久歪や耐熱性が低下し、硬度が高くなってしまう。
【0008】
(c)成分のパラフィン系オイルは、樹脂組成物を低硬度化することを目的として配合されるものであり、その配合量は(a)成分のスチレン系熱可塑性エラストマー100重量部に対して50〜170重量部であるが、60〜150重量部が好ましい。この配合量が50重量部未満では充分な低硬度化が達成できず射出成型物の柔軟性が不充分となり、また170重量部を超えると射出成型物の機械的強度が低下する原因となる。
このパラフィン系オイルは、40℃における動粘度が100mm2 /sec以上のものが好ましく、特に100〜1000mm2 /sec、さらに200〜5000mm2 /secが好ましい。また、このパラフィン系オイルは、重量平均分子量が450〜5000であるものが好ましい。
【0009】
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を適用することができる。例えば、(a)〜(c)成分及び所望により用いられる添加剤成分を加熱混練機、例えば、一軸押出機,二軸押出機,ロール,バンバリーミキサー,プラベンダー,ニーダー,高剪断型ミキサーなどを用いて溶融混練りすることにより、容易に製造することができる。
このようにして得られた樹脂組成物を射出成型し、金属と熱融着することにより、樹脂組成物の成形体と金属とが一体化した複合体を得ることができる。射出成型の条件は、金型温度30℃以上、好ましくは35〜85℃で行うことができ、樹脂温度は170〜250℃、好ましくは180〜230℃、射出速度は100〜105 sec-1、好ましくは1000〜5×104 sec-1とすることができる。
【0010】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
(1)スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンのトリブロック共重合体〔クラレ(株)製、商品名:セプトン4077〕(数平均分子量28万でスチレン量が30重量%のSEPS)100重量部、(2)メタクリル酸変性ポリエチレン〔三井デュポンポリケミカル(株)製、商品名:ニュクレルN1525〕(温度190℃,荷重2.16kgfにおけるMFRが25g/10分)40重量部及び(3)40℃における動粘度が380mm2 /secであるパラフィン系オイル〔出光興産(株)製、商品名:ダイアナプロセスオイルPW380〕(重量平均分子量750)150重量部を混練することにより、樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物のJIS−A硬度は35度であった
成型機として日精樹脂工業(株)製のDC60E5ASE機を用い、金型温度50℃、樹脂温度210℃、射出速度3×104 sec-1の条件で、ニッケルめっきを施したアルミニウム板上に、上記樹脂組成物を厚さ10mmに射出成型し、樹脂と金属とが一体化した複合体を作製した。この複合体においては、ひけやばりがなく、樹脂と金属との接着性は充分であった。
上記射出条件と同様の条件で作製したシート状のサンプルについて、70℃において22時間、25%圧縮したときの歪を、JIS K6206に準拠して測定したところ、35%であった。
【0011】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、射出成型により、接着剤を使用することなく金属と直接接着することができるので、各種の複合製品の材料として好適に使用される。
Claims (4)
- (a)ブロック共重合体からなるスチレン系熱可塑性エラストマー100重量部、(b)(メタ)アクリル酸含有量が5〜45重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体3〜50重量部及び(c)パラフィン系オイル50〜170重量部からなる樹脂組成物であって、(a)ブロック共重合体からなるスチレン系熱可塑性エラストマーが、結晶性ポリエチレンとエチレン/ブチレン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体、ポリブタジエンとポリスチレンとのブロック共重合体、ポリイソプレンとポリスチレンとのブロック共重合体、結晶性ポリエチレンとポリスチレンとのジブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、及びスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体からなる群から選ばれる1種以上である樹脂組成物であり、該樹脂組成物が、射出成型により、金属と直接接着して一体化させてなる複合体の材料として用いられる樹脂組成物。
- ブロック共重合体からなるスチレン系熱可塑性エラストマーが、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体及び/又はスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体である請求項1記載の樹脂組成物。
- エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体が、(メタ)アクリル酸含有量5〜20重量%のものである請求項1又は2記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物を、射出成型により、金属と直接接着して一体化させてなる複合製品。
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