JP4265329B2 - 狭域無線通信システム、移動通信端末、基地局 - Google Patents

狭域無線通信システム、移動通信端末、基地局 Download PDF

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本発明は、移動通信端末へ無線信号を送る際の搬送波の放射範囲を絞ることで限られた通信エリアを形成する狭域無線用の基地局と、基地局の通信エリアに進入した移動通信端末との間で無線通信を行う狭域無線通信システム等に関する。
近年、携帯電話網に併設して、無線LANによる屋外スポット通信が展開されると推定される。これは、IEEE(米国電気電子学会)の802委員会が策定した、5GHz帯の周波数を利用した、最大54Mbpsでの通信を可能とする無線LANの国際標準規格である802.11aの技術基準をベースとするものである。接続方式はCSMA/CA[Carrier Sence Maluti Access/Collision Avoidance]方式で、キャリアセンスしながら、空きスロットがあれば競合して接続する方式である。
一般には、無線LAN通信エリアはスポット領域で例えば半径数十メートル程度の見通し内通信エリアでありユーザーはその中に入り、競合して通信接続することになる。この方式を自動車に採用することが予測される。屋外のサービスエリア(例えばドライブスルーの飲食店の駐車場所)に自動車が入ると、無線LAN搭載車は接続手順に競合して入り、車両に必要な情報、例えば飲食物の製品リスト、その他の情報(例えば地図、音楽、映像等)を入手したり、車の状態情報を送信したりできる。
しかし、他車両の装置と競合する場合 そのエリアで接続できなかったり、通信品質が劣化して大容量の通信路が確保できないおそれがある。
また、端末局にてアンテナの指向性の制御(ビームフォーミング)機能を有している場合(例えば、特許文献1参照。)や、アクセスポイントの基地局がアンテナビームフォーミング機能を有している場合(例えば、特許文献2参照。)がある。前者の場合には、高品質・大容量の通信が期待でき、また、後者の場合には、各無線LANターミナル同士の干渉を抑えることによって無線回線の通信品質を向上することができる。
特開2000−22618号公報 特開平8−139661号公報
しかしながら、端末間の競合に関しては何ら対策されていない。無線LAN通信エリア(ホットスポットとも称す。)内での通信接続品質の向上につながるが、ホットスポット領域に近づく直前でだれよりも先に接続し競合に勝ちたいという欲求が発生する。つまり、相互干渉という問題は解消できるが、端末間の競合に関しては何ら対策されていない。そのため、競合によって通信エリアにて基地局と接続できなかったり、通信品質の低下を招いてしまう可能性がある。そのため、大容量の通信路を確保して通信品質の向上を図る上で改善の余地があった。
本発明は上記点に鑑み、移動通信端末間の競合に関して工夫することで、通信品質を向上させることを目的する。
請求項1に係る狭域無線通信システムは、基地局アンテナを有し、移動通信端末へ無線信号を送る際の搬送波の放射範囲を絞ることで限られた通信エリアを形成する狭域無線用の基地局と、端末アンテナを有し、基地局の通信エリアに進入した移動通信端末との間で無線通信を行うのであるが、さらに、移動体用広域通信網を介して少なくとも移動通信端末と通信可能な外部装置を備えている。
そして、移動通信端末は、まず端末アンテナの指向性が制御可能に構成されており、さらに、移動通信端末の現在位置及び移動方向を含む状態パラメータを移動体用広域通信網を介して外部装置へ伝送する状態パラメータ伝送手段を有している。
また外部装置は、基地局毎に、基地局を基準として通信エリアよりも大きな所定範囲である接続領域内における位置と、当該位置において基地局からの搬送波の信号強度が高くなるよう端末アンテナの指向性を向けるべき方向を示す方位情報とを対応づけてなる指向性制御データを記憶する共通データ記憶手段、移動通信端末から移動体用広域通信網を介して伝送されてきた状態パラメータに基づき、移動通信端末がこれから到達予定の基地局に対応する指向性制御データを共通データ記憶手段から抽出し、移動体用広域通信網を介して、状態パラメータを伝送してきた移動通信端末へ伝送する制御データ伝送手段を有している。
そしてさらに、移動通信端末は、外部装置から伝送された前記指向性制御データを記憶する端末側制御データ記憶手段、その端末側制御データ記憶手段に記憶された制御データに基づき、状態特定手段によって特定した当該移動通信端末の現在位置に応じて、端末アンテナの指向性を制御する端末側指向性制御手段を有し、その端末側指向性制御手段は、さらに接続領域内に存在する物体を検知する物体検知手段から得た検知データを参照し、基地局アンテナと端末アンテナとの間に存在する検知物体によって遮断されないよう端末アンテナの指向性を制御するか、あるいは当該端末アンテナの指向性制御では基地局との間で適切な無線通信が実現できなければ、端末アンテナの指向性制御を一時的に中止して無指向性に変更する
このため、移動通信端末では、状態パラメータ伝送手段が、移動通信端末の現在位置及び移動方向を含む状態パラメータを移動体用広域通信網を介して外部装置へ伝送する。その状態パラメータを受け取った外部装置では、その状態パラメータに基づき、移動通信端末がこれから到達予定の基地局に対応する指向性制御データを共通データ記憶手段から抽出し、移動通信端末へ伝送する。その伝送された指向性制御データを受け取った移動通信端末は、端末側制御データ記憶手段に記憶する。そして端末側指向性制御手段が、その記憶された制御データに基づき、状態特定手段によって特定した当該移動通信端末の現在位置に応じて端末アンテナの指向性を制御する。
このように、移動通信端末は、狭域無線用の基地局の通信エリアに入る前から端末アンテナの指向性を制御するので、そのような制御がなされていない他端末に比べ、アンテナ利得を大きくすることができ、且つ周囲の干渉も抑えることもできる。その結果、基地局との通信に関する競合において有利になり、いち早く接続でき通信品質も維持できることとなり、従来に比して通信品質の向上が期待できる。
また、指向性制御データに関しては、外部装置から必要なデータを受け取るようになっているため、移動通信端末内での計算が不要となり、処理負荷の低減の観点で好ましい。あるいは計算する代わりに全基地局に対応するデータを持っていれば計算自体は不要となるが、その場合には、大容量のメモリが必要となる。それに対して本発明では、これから到達予定の基地局に対応する指向性制御データのみを記憶するだけでよく、端末側制御データ記憶手段の記憶容量を小さくできる。
建物のように不動産的態様で存在する障害物の場合は、その障害物によって遮断されないような指向性を予め想定しておくことができる。しかしながら、例えば自動車など、基地局アンテナと端末アンテナとの間に一時的に存在する障害物の場合には、予め想定できない。そこで、本発明では、端末側指向性制御手段が、接続領域内に存在する物体を検知する物体検知手段から得た検知データを参照し、基地局アンテナと端末アンテナとの間に存在する検知物体によって遮断されないよう端末アンテナの指向性を制御するか、あるいは当該端末アンテナの指向性制御では基地局との間で適切な無線通信が実現できなければ、端末アンテナの指向性制御を一時的に中止して無指向性に変更する。
このようにすれば、リアルタイムで障害物の存在を加味した適切な指向性制御が可能となる。なお、一時的に存在する障害物としては、上述した自動車に限らず、例えば臨時に設置された建物や看板のようなものも考えられる。
請求項2に係る狭域無線通信システムは、基地局アンテナを有し、移動通信端末へ無線信号を送る際の搬送波の放射範囲を絞ることで限られた通信エリアを形成する狭域無線用の基地局と、端末アンテナを有し、基地局の通信エリアに進入した移動通信端末との間で無線通信を行うのであるが、さらに、移動通信端末と前記基地局とは移動体用広域通信網を介して通信可能である。
そして、移動通信端末は、移動通信端末の現在位置及び移動方向を含む状態パラメータを移動体用広域通信網を介して基地局へ伝送する状態パラメータ伝送手段を有している。
また基地局は、まず基地局アンテナの指向性が制御可能に構成されており、さらに、基地局を基準として通信エリアよりも大きな所定範囲である接続領域内における位置と、当該位置において基地局からの搬送波の信号強度が高くなるよう基地局側アンテナの指向性を向けるべき方向を示す方位情報とを対応づけてなる指向性制御データを記憶する基地局側制御データ記憶手段、移動通信端末から移動体用広域通信網を介して伝送されてきた前記状態パラメータに基づき、移動通信端末の接続領域内への予想到達位置を推定する到達推定手段、その到達推定手段によって推定した予想到達位置に応じて、アンテナの指向性を制御する基地局側指向性制御手段を有している。
そして、この基地局側指向性制御手段は、さらに接続領域内に存在する物体を検知する物体検知手段から得た検知データを参照し、基地局アンテナと端末アンテナとの間に存在する検知物体によって遮断されないよう基地局アンテナの指向性を制御するか、あるいは当該基地局アンテナの指向性制御では移動通信端末との間で適切な無線通信が実現できなければ、基地局アンテナの指向性制御を一時的に中止して無指向性に変更する。
このため、移動通信端末では、状態パラメータ伝送手段が、移動通信端末の現在位置及び移動方向を含む状態パラメータを移動体用広域通信網を介して基地局へ伝送する。その状態パラメータを受け取った基地局では、到達推定手段が、その状態パラメータに基づき移動通信端末の接続領域内への予想到達位置を推定する。そして基地局側指向性制御手段が、基地局側制御データ記憶手段に記憶された指向性制御データに基づき、その推定された予想到達位置に応じて基地局アンテナの指向性を制御する。
このように、基地局では、状態パラメータを伝送してきた移動通信端末が通信エリアに入るから基地局アンテナの指向性を制御するので、そのような制御対象とされていない他端末に比べ、制御対象となった移動通信端末についてはアンテナ利得を大きくすることができ、且つ周囲の干渉も抑えることもできる。その結果、基地局との通信に関する競合において有利になり、いち早く接続でき通信品質も維持できることとなる。そして、基地局側で基地局アンテナの指向性を制御すれば、回線容量の増加も期待できる。なお、移動通信端末からは状態パラメータを基地局へ伝送するだけで、アンテナ指向性の制御のための計算等には全く関与しないため、処理負荷の低減等の観点でも好ましい。
そして本発明では、基地局指向性制御手段が、接続領域内に存在する物体を検知する物体検知手段から得た検知データを参照し、基地局アンテナと端末アンテナとの間に存在する検知物体によって遮断されないよう基地局アンテナの指向性を制御するか、あるいは当該基地局アンテナの指向性制御では移動通信端末との間で適切な無線通信が実現できなければ、基地局アンテナの指向性制御を一時的に中止して無指向性に変更する。
このようにすれば、リアルタイムで障害物の存在を加味した適切な指向性制御が可能となる。
(3)請求項3に係る狭域無線通信システムは、基地局アンテナを有し、移動通信端末へ無線信号を送る際の搬送波の放射範囲を絞ることで限られた通信エリアを形成する狭域無線用の基地局と、端末アンテナを有し、基地局の通信エリアに進入した移動通信端末との間で無線通信を行うのであるが、さらに、移動通信端末と前記基地局とは移動体用広域通信網を介して通信可能である。
そして、移動通信端末は、端末アンテナの指向性が制御可能に構成されており、さらに、移動通信端末の現在位置及び移動方向を含む状態パラメータを移動体用広域通信網を介して基地局へ伝送する状態パラメータ伝送手段を有している。一方、基地局は、まず基地局アンテナの指向性が制御可能に構成されており、さらに、基地局を基準として通信エリアよりも大きな所定範囲である接続領域内における位置と、当該位置において基地局からの搬送波の信号強度が高くなるよう基地局側アンテナの指向性を向けるべき方向を示す方位情報とを対応づけてなる基地局側指向性制御データ、及び、接続領域内における位置と、当該位置において基地局からの搬送波の信号強度が高くなるよう端末アンテナの指向性を向けるべき方向を示す方位情報とを対応づけてなる端末側指向性制御データを記憶する制御データ記憶手段、移動通信端末から移動体用広域通信網を介して伝送されてきた前記状態パラメータに基づき、移動通信端末の前記接続領域内への予想到達位置を推定する到達推定手段、制御データ記憶手段に記憶された基地局側指向性制御データに基づき、到達推定手段によって推定した予想到達位置に応じて、基地局アンテナの指向性を制御する基地局側指向性制御手段、制御データ記憶手段に記憶された端末側指向性制御データを、移動体用広域通信網を介して、状態パラメータを伝送してきた移動通信端末へ伝送する制御データ伝送手段を有する。
そしてさらに移動通信端末は、基地局から伝送された前記端末側指向性制御データを記憶する端末側制御データ記憶手段、端末側制御データ記憶手段に記憶された端末側指向性制御データに基づき、状態特定手段によって特定した当該移動通信端末の現在位置に応じて、端末アンテナの指向性を制御する端末側指向性制御手段を有する。
そして、端末側指向性制御手段及び基地局側指向性制御手段は、さらに接続領域内に存在する物体を検知する物体検知手段から得た検知データを参照し、基地局アンテナと前記端末アンテナとの間に存在する検知物体によって遮断されないよう端末アンテナ及び基地局アンテナの指向性を制御するか、あるいは当該端末アンテナ及び基地局アンテナの指向性制御では移動通信端末と基地局との間での適切な無線通信が実現できなければ、端末アンテナ及び基地局アンテナの指向性制御を一時的に中止して無指向性に変更する。
このため、移動通信端末では、状態パラメータ伝送手段が、移動通信端末の現在位置及び移動方向を含む状態パラメータを移動体用広域通信網を介して基地局へ伝送する。その状態パラメータを受け取った基地局では、到達推定手段が、その状態パラメータに基づき移動通信端末の接続領域内への予想到達位置を推定する。そして基地局側指向性制御手段が、制御データ記憶手段に記憶された基地局側指向性制御データに基づき、その推定された予想到達位置に応じて基地局アンテナの指向性を制御する。
また、基地局は、制御データ記憶手段に記憶された端末側指向性制御データを、移動体用広域通信網を介して、状態パラメータを伝送してきた移動通信端末へ伝送する。その伝送された端末側指向性制御データを受け取った移動通信端末は、端末側制御データ記憶手段に記憶する。そして端末側指向性制御手段が、その記憶された制御データに基づき、状態特定手段によって特定した当該移動通信端末の現在位置に応じて端末アンテナの指向性を制御する。
このように、移動通信端末が狭域無線用の基地局の通信エリアに入る前から端末アンテナの指向性を制御すると共に、基地局でも状態パラメータを伝送してきた移動通信端末が通信エリアに入るから基地局アンテナの指向性を制御するので、そのような制御がなされていない他端末、そしてそのような制御対象とされていない他端末に比べ、アンテナ利得を大きくすることができ、且つ周囲の干渉も抑えることもできる。その結果、基地局との通信に関する競合において有利になり、いち早く接続でき通信品質も維持できることとなる。そして、基地局側で基地局アンテナの指向性を制御しているため、回線容量の増加も期待できる。
そして本発明では、端末側指向性制御手段及び基地局指向性制御手段が、接続領域内に存在する物体を検知する物体検知手段から得た検知データを参照し、基地局アンテナと端末アンテナとの間に存在する検知物体によって遮断されないよう端末アンテナ及び基地局アンテナの指向性を制御するか、あるいは当該端末アンテナ及び基地局アンテナの指向性制御では移動通信端末と前記基地局との間での適切な無線通信が実現できなければ、端末アンテナ及び基地局アンテナの指向性制御を一時的に中止して無指向性に変更する。
このようにすれば、リアルタイムで障害物の存在を加味した適切な指向性制御が可能となる。
また、請求項4に示すように、端末側指向性制御手段は、基地局周辺の立体地図データを参照し、接続領域内において基地局アンテナと端末アンテナとの間に存在する建物によって遮断されないよう端末アンテナの指向性制御を実行することが考えられる。
単に基地局アンテナと端末アンテナの位置関係だけに着目するだけでは、例えばその間に電波伝搬路を遮るような建物等が存在していた場合に、適切な指向性制御が実現できない。したがって、このように立体地図データを参照すれば、建物の影響を加味した基地局アンテナと端末アンテナとの間の電波伝搬路を推定でき、建物によって遮断されないよう端末アンテナの指向性を適切に制御することができる。
この場合、端末側指向性制御手段が前記立体地図データを参照した指向性制御を実行するため、その立体地図データは、例えば移動通信端末が搭載される車両が備えるナビゲーション装置が有するものを利用することが考えられる。
末側指向性制御手段が検知データを参照した指向性制御を実行するのであれば、物体検知手段は、移動通信端末が搭載される車両が備えるようにすることが考えられる(請求項参照)。
また、移動通信端末側あるいは基地局側の何れが有するにしても、物体検知手段は、例えば物体を撮影した画像を解析して検知する構成を採用することが考えられる(請求項10参照)。
(7)また、請求項11に示すように、移動通信端末が基地局へ伝送する状態パラメータに、移動通信端末が接続領域への予想到達時刻も含め、基地局では、その予想到達時刻になる前に、基地局アンテナの指向性制御を実行するようにしてもよい。
このようにすれば、移動通信端末が接続領域に到達する前に基地局アンテナの指向性を適切に制御でき、より確実に、基地局との通信に関する競合における有利さを享受できる。
この場合の移動通信端末の移動速度は、例えば移動通信端末が搭載される車両が備える車速検出手段が検出した車両の走行速度に基づき、予想到達時刻は、移動通信端末が搭載される車両が備えるナビゲーション装置によって演算するようにすることが考えられる(請求項12参照)。
また、移動通信端末の現在位置は、移動通信端末が搭載される車両が備える測位装置が測定した車両の位置情報に基づくものであることが考えられる(請求項参照)。そしてさらに、この測位装置は、例えばGPS衛星からのGPS信号に基づき車両の位置を算出するものを採用することが考えられる(請求項参照)。
なお、請求項に示すように、請求項1〜の何れかに記載の狭域無線通信システムに用いられる移動通信端末であって、当該各請求項において移動通信端末に関して記載された構成を備える移動通信端末として実現することもできる。また、請求項10に示すように、請求項1〜の何れかに記載の狭域無線通信システムに用いられる基地局であって、当該各請求項において基地局に関して記載された構成を備える基地局として実現することもできる。このような移動通信端末や基地局であれば、上述した狭域無線通信システムに用いられることによって、上述の効果を発揮する上で有意な役割を果たすこととなる。
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうることは言うまでもない。
[第1実施例]
図1は、第1実施例の狭域無線通信システムの全体構成を示す説明図である。
図1に示すように、本実施例の狭域無線通信システムは、移動体としての車両1に搭載された移動通信端末(以下、単に「端末」と称す。)MSと、自局の通信エリア内に存在する端末MSとの無線通信を行う無線LAN基地局(以下、単に「基地局」と称す。)BSと、(携帯電話無線基地局3を含む)携帯電話網4及びインターネット5を介して基地局BSと通信可能なアプリケーションサービスプロバイダー(ASP)サーバー6とを備えている。
端末MSと基地局BSとは、無線LAN通信を行う。本実施例では、5GHz帯の周波数を利用した、最大54Mbpsでの通信を可能とする無線LANの国際標準規格である802.11aの技術基準をベースとしており、接続方式はCSMA/CA方式で、キャリアセンスしながら、空きスロットがあれば競合して接続する方式である。
[移動通信端末MSの構成]
図2には、移動通信端末MSの概略構成を示す。
移動通信端末MSは、指向性が互いに異なる方向を向くように配置された複数の指向性アンテナ及び一つの無指向性アンテナからなる端末アンテナ11と、無線LAN基地局(以下、単に基地局と称す。)BSへの送信データにより搬送波を変調して送信信号を生成する送信器12と、端末アンテナ11からの受信信号を復調して受信データを生成する受信器13と、送信器12からの送信信号を端末アンテナ11に供給すると共に、端末アンテナ11からの受信信号を受信器13に供給する方向性結合器14と、端末アンテナ11の指向性を制御する指向性制御回路15と、記憶装置16と、制御回路17とを備えている。
端末アンテナ11の複数の指向性アンテナは、車両1の屋根部に所定の距離隔てて複数個(たとえば4 〜8 個)配置され、指向性制御回路15により各アンテナの出力信号の位相が制御されることにより、アンテナ全体としての指向性が所望の方向に制御されるフェーズドアレイアンテナを構成する。
指向性制御回路15は、制御回路17からの選択信号SELに従って位相制御量が決定される位相器(図示せず)を、端末アンテナ11が有する複数の指向性アンテナそれぞれに対して備えている。
制御回路17は、周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、送信器12及び受信器13を用いて基地局BSとの間でユーザデータの送受を行う通信制御処理の他、記憶装置16に記憶された指向性制御データ等に基づいて、選択信号SELの生成等を行う指向性制御処理(後述する)を実行する。
これら制御回路17及び指向性制御回路15の動作により、「端末側指向性制御手段」の機能が実現されている。
記憶装置16は、後述する通信プログラムが予め記憶されているROMや、制御回路17の処理結果や外部装置からの情報(例えば状態パラメータや指向性制御データ等)を格納するためのRAM及びフラッシュメモリ等を備えている。なお、この記憶装置16が「端末側制御データ記憶手段」に相当する。
また、移動通信端末MSは、制御回路17に接続された無線LAN無線装置18に接続されており、その無線LAN用無線装置18が、無線装置ゲートウェー39により車載サーバー40に接続されている。また、無線装置ゲートウェー39には 携帯電話網等の(移動体通信用の)広域通信網無線送受信装置21が接続されており、その広域通信網無線送受信装置41には通信アンテナ42が設けられている。
車載サーバー40は、車載LAN45に接続しており、その車載LAN45には他にも、ナビゲーション装置30、カメラユニット32、HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)34、車両の走行速度を検出する車速センサー36などが接続されている。
ナビゲーション装置30は、マイクロコンピュータを主要部とした制御装置、立体地図データベースが格納された例えばDVD−ROM、そのDVD−ROMから地図データを入力するための地図データ入力器と、制御装置による演算結果や地図データを記憶するための記憶媒体(いずれも図示せず)を備えている。なお、記憶媒体は、当該ナビゲーション装置30への電源供給が遮断されても記憶内容を保持可能なものであり、例えばEEPROMやフラッシュROMあるいはハードディスクなどである。また、ナビゲーション装置30は、図示しない位置検出装置も備えており、この位置検出装置は、周知のジャイロスコープ、距離センサ、衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS受信機などを有している。なお、ジャイロスコープからの出力信号を基に車両の方位角も得られる。また、GPS衛星から受信したデータ中には時刻データも存在するため、算出した現在位置に対応する時刻(現在時刻…つまり何時の時点での現在位置かを示す情報)も得られる。したがって、このナビゲーション装置30は、車載LAN45を介して、現在位置、車両方位角、現在時刻等の情報及び立体地図のデータを端末MSに提供できるようになっている。
なお、車両の現在位置は例えば緯度経度(x,y)で示し、車両の方位角は、たとえば、車両1の進行方向を、北を基準に反時計方向を正の方向とした場合の角度αとして定義することが考えられる。
車速センサー36は上述のように車両の走行速度(車速)を検出できるが、その車速は、車載LAN45を介して、ナビゲーション装置30及び端末MSへ提供されるようになっている。
また、カメラユニット32は、例えば車両前方の状況を撮影するカメラ、及び車両後方の状況を撮影するカメラを備えており、そのカメラにて撮影した画像を解析して、例えば車両周囲に存在する車両や路側物など、特に後述する無線LAN通信に対する障害物を検出する。なお、このような撮影画像から障害物を検出する技術は、例えば自動車の自動運転関連の技術(例えばオートクルーズやレーンキープ等の要素技術)として公知のものである。
HMI34は、各種キースイッチやマクロフォン等からなる操作入力部、出力部としてのディスプレイやスピーカー等からなっている。
なお、端末MSへ提供される(ナビゲーション装置30からの)現在位置、車両方位角、現在時刻等の情報及び(車速センサー36からの)車速が「状態パラメータ」に相当し、この状態パラメータは、制御回路17によって記憶装置16に格納される。
そして、制御回路17は、必要に応じてその状態パラメータを読み出し、無線LAN用無線装置18、無線装置ゲートウェー39、広域通信網無線送受信装置41及び通信アンテナ42を介して携帯電話無線基地局3へ送信する。その送信された状態パラメータは、図1に示すように、携帯電話網4及びインターネット5を介してASPサーバー6へ送られる。この状態パラメータの送信が本発明の「状態パラメータ伝送手段」の機能に相当する。なお、詳しくは後述するが、このASPサーバー6へ送る状態パラメータには、少なくとも車両の現在位置及び進行方向が分かる情報が含まれていればよい。
[基地局BS、ASPサーバー6の構成]
図3は、基地局BS及びASPサーバー6の概略構成を説明するブロック図である。
基地局BSは、無指向性の基地局アンテナ21と、端末MSへの送信データにより搬送波を変調して送信信号を生成する送信器22と、受信信号を復調して端末MSからの受信データを生成する受信器23と、送信器22からの送信信号を基地局アンテナ21に供給すると共に、基地局アンテナ21からの受信信号を受信器23に供給する方向性結合器24と、各種データを格納する記憶装置25と、周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、端末MSとの間で送受されるデータに基づく各種処理等を実行する制御回路27とを備えている。
なお、本実施例の基地局BSは1つ以上存在し、無線LAN通信エリア(ホットスポットとも称す。)は例えば基地局アンテナ21を中心とした比較的狭域のエリア(例えば半径数m程度のエリア)である。また、この基地局BSの位置は端末MSと同じく車両に搭載されている上記ナビゲーション装置30の立体地図データベース中に記憶されている。
一方、ASPサーバー6は、端末MSが端末アンテナ11の指向性の制御のために用いる指向性制御データを格納し、「共通データ記憶手段」として機能する記憶装置63と、インターネット5を介したデータ通信を行うためのインタフェース回路61と、周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、端末MSからの要求に応じて、記憶装置63に記憶されている指向性制御データを当該要求のあった端末MSへ送信する処理等を実行する制御回路62とを備えている。
このASPサーバー6の記憶装置63には、各基地局BS毎に、基地局BSを基準としてホットスポットよりも大きな所定範囲である接続領域内における位置と、当該位置において基地局BSからの搬送波の信号強度が高くなるよう端末アンテナ11の指向性を向けるべき方向を示す方位情報とを対応づけてなる指向性制御データが記憶されている。基地局BSが1つであれば当然ながら指向性制御データも1つであるが、複数の基地局BSが存在するのであれば、その基地局BSの数だけ指向性制御データが存在する。
そして、制御回路62は、端末MSから送られてきた状態パラメータに基づき、その端末MSがこれから到達するであろう基地局BSを特定し、その基地局BSに対応する指向性制御データを記憶装置63から抽出する。そして、状態パラメータを伝送してきた端末MSへ伝送する処理を実行する。
なお、このASPサーバー6の記憶装置63には、各基地局BS毎に、基地局アンテナ21の「高さ」及び「性能」も記憶されており、この基地局アンテナ21の高さ及び性能に関する情報も、状態パラメータを伝送してきた端末MSへ伝送される。基地局アンテナ21の性能とは、例えば送信出力通信品質等である。
[通信手順]
次に、本第1実施例の指向性制御に関し、図4の通信シーケンス図及び図5の制御イメージ図を参照して説明する。
図4は、端末MSと基地局BS及びASPサーバー6との間で行われる通信及び処理の手順を示しており、それぞれの処理は、端末MS、基地局BS及びASPサーバー6が備える各制御回路17,27,62によって実行される。
まず、最初のステップ1(以下、ステップを単にSと略記する。)では、ホットスポットの位置に基づき指向性制御のための準備処理を開始する。具体的には、ナビゲーション装置30から得た地図情報に基づき、車両進行方向の前方にホットスポットが存在するか否か判断する。そしてそのホットスポットが存在すれば、S2へ移行する。
なお、「車両進行方向の前方にホットスポットが存在」といった場合、自車とそのホットスポットまでの間に交差点がなければ、そのホットスポットへ向かう可能性が非常に高くなる。しかし、例えば交差点があり、その交差点で分岐した複数の道路の先にそれぞれホットスポットが存在するような場合は、交差点の手前ではホットスポットを特定することができない。したがって、その場合は、例えば交差点を通過して走行した道路を基準としてホットスポットを特定するようにしてもよい。
なお、後述するが、端末MSは、この準備処理段階でASPサーバー6と通信を行って指向性制御データを取得する必要があるため、その指向性制御データの取得に要する時間(「取得に要する時間」については、車速等も考慮することが望ましい。)を考慮して、ホットスポットから所定距離手前までにこの準備処理を開始している必要がある。したがって、例えば、ホットスポットから所定距離手前に到達するまでに他の条件に従ってASPサーバー6への通信を開始していればよいが、もしも通信を開始していなければ強制的に通信を開始し、その結果、例えば複数の基地局BSに対応する指向性制御データを受信した場合は、それらを端末MSの記憶装置16に一旦記憶しておく。そして、交差点分岐後にそれらの内から適切な指向性制御データ(つまり、進行方向に基づいて到達するであろう基地局BSに対応する指向性制御データ)を選択するようにしてもよい。
また、例えばナビゲーション装置30において案内経路が設定されているような場合には、その案内経路に従って車両は走行すると予想されるため、その案内経路上に存在しない基地局BSについては除外して、上記ホットスポットが存在するか否かの判断を行うようにしてもよい。
S2では、端末MSからASPサーバー6へ状態パラメータを送出する。具体的には、端末MSが通信開始のための接続要求を発し、車両1の周辺の或る携帯電話無線基地局3とリンクが確立すると、携帯電話無線基地局3を含む携帯電話網4、インターネット5を介して、端末MSが記憶装置16に格納されている状態パラメータをASPサーバー6へ送出する。端末MSの記憶装置16に格納されている状態パラメータは、上述のように、ナビゲーション装置30からの現在位置、車両方位角、現在時刻等の情報及び車速センサー36からの車速であるが、これらについては、例えばS2の状態パラメータ送出の(直)前にナビゲーション装置30や車速センサー36から取得してもよいし、あるいは、ナビゲーション装置30や車速センサー36からのデータを定期的に取得して記憶装置16に記憶しておき、その最新のデータを送出するようにしてもよい。
S3では、ASPサーバー6が、端末MSより送出された状態パラメータに基づき、その端末MSがこれから到達するであろう基地局BSを特定し、その基地局BSに対応する指向性制御データを記憶装置63から抽出する。そして、S4では、その抽出した指向性制御データを、状態パラメータを伝送してきた端末MSへ伝送する処理を実行する。なお、この指向性制御データと共に、その基地局BSに対応する基地局アンテナ21の高さ及び性能に関する情報も、状態パラメータを伝送してきた端末MSへ伝送する。
S5では、端末MSが、ASPサーバー6から伝送されてきた指向性制御データを受信し、記憶装置16に(更新)記憶する。なお、初めて受信した場合には当然ながら新規に記憶し、2回目以降の受信の場合には、従前の指向性制御データに代えて、最新の指向性制御データに更新記憶することとなる。このように更新記憶して最新の指向性制御データのみ記憶するようにしているため、記憶装置16の記憶容量は相対的に小さなものでよくなる。つまり、例えば基地局BSが1000台存在するとして、その1000台分の指向性制御データを端末MSの記憶装置16に予め格納しておけば、ASPサーバー6とのやりとりをしなくても済む。しかし、それでは大容量の記憶装置16を準備しなくてはならない。また、基地局BSが増えればそれに応じて記憶する指向性制御データも増やさなくてはならない。それに対して、ASPサーバー6側で指向性制御データを一括管理するようにすれば、上述のように端末MSの記憶装置16の容量低減の観点でも好ましいし、さらに、指向性制御データの更新・追加に対しても容易に対応できる。
続くS6では、端末MSが、ナビゲーション装置30から取得した立体地図データを用いて指向性制御データを補正する。上述したように、接続領域は基地局BSを基準としてホットスポットよりも大きな所定範囲であるが、例えば図5に示すように、車両1が現在走行している道路を基地局BSに向かって進行していくと、ホットスポットよりも手前において接続領域が存在することとなる。その接続領域において、基地局BS(より具体的には基地局アンテナ21(図3参照))と端末MS(より具体的には端末アンテナ11(図2参照))との間に存在する建物等(図5参照)の影響を避けるよう指向性制御を実行する。具体的には、建物等による反射を考慮した電波の伝搬路を推定してマルチパス伝搬路を特定し、そのようなマルチパス伝搬路を避けるような方向に端末アンテナ11の指向性を制御して、接続領域内において基地局BSからの搬送波の信号強度が高くなるようにする。
なお、S6での指向性制御データの補正に際しては、基地局アンテナ21の高さ及び性能に関する情報も用いている。つまり、基地局アンテナ21の高さは電波の伝播路を決定するのに用いる。また性能は、端末MS側の送信出力、アンテナ利得の可変度合い等を決定するために用いる。最適な通信路を決定する際の制御として、例えばトラフィックが高い場合は通信路の品質が悪いので、干渉波をさけるためにビームを鋭くする。そうでない場合はビームを太くするといった制御が考えられる。または、送信出力を可変する制御が考えられる。
端末MSでは、このようにして補正した指向性制御データを記憶装置16に更新記憶する(S7)。
そして、端末MSは、ナビゲーション装置30から得た現在位置データに基づき、接続領域に進入したことを判断し、進入した場合には、記憶装置16に記憶されている指向性制御データを用いて端末アンテナ11の指向性制御を開始し(S8)、基地局BSとの通信が確立すると、基地局BSと端末MSは大容量のデータ通信接続状態へ移行する(S9)。
この通信終了後は、端末MSは指向性制御を終了する(S10)。
[第1実施例の効果]
(1)このように、端末MSは、基地局BSの通信エリア(ホットスポット)に入る前から端末アンテナ11の指向性を制御するので、そのような制御がなされていない他端末に比べ、アンテナ利得を大きくすることができ、且つ周囲の干渉も抑えることもできる。その結果、基地局BSとの通信に関する競合において有利になり、いち早く接続でき通信品質も維持できることとなり、従来に比して通信品質の向上が期待できる。
(2)また、本実施例の場合は、端末MSで用いる指向性制御データに関しては、ASPサーバー6から受け取るようになっているため、端末MS内での計算が不要となり、処理負荷の低減の観点で好ましい。なお、計算する代わりに全基地局BSに対応する指向性制御データを持っていれば計算自体は不要となるが、その場合には、大容量のメモリが必要となる。それに対して本実施例の端末MSの記憶装置16には、これから到達予定の基地局BSに対応する指向性制御データのみを記憶するだけでよく、記憶装置16の記憶容量を小さくできる。
(3)また、単に基地局BSと端末MSの位置関係だけに着目するだけでは、例えば基地局アンテナ21と端末アンテナ11との間に電波伝搬路を遮るような建物等が存在していた場合に適切な指向性制御が実現できない。しかし、本実施例の場合の端末MSは、同じ車両に搭載されているナビゲーション装置30が持っている立体地図データを参照し、建物等の影響を加味した基地局アンテナ21と端末アンテナ22との間の電波伝搬路を推定でき、建物等によって悪影響を受けないように適切な指向性制御を実現できる。
(4)ASPサーバー6へ状態パラメータを送出するタイミングとしては、自動的に行っても良いし、あるいはHMI34を介したユーザ(例えば車両1の運転手)からの指示に従って実行しても良い。
[第1実施例の別態様]
(a)図5に例示したように、建物のような不動産的態様で存在する障害物の場合は、立体地図データを参照することで悪影響を避けるような指向性を予め想定しておくことができる。しかしながら、例えば先行車など、基地局アンテナ21と端末アンテナ11との間に一時的に存在する障害物の場合には、立体地図データでは対応できない。その場合には、端末MSが、カメラユニット32にて検出した障害物情報に基づいて指向性制御の補正を行うようにしてもよい。具体的には、図6に例示するように、端末MSが接続領域に入った時点(あるいは少し手前でもよい)でカメラユニット32に対して車両1の前方の障害物の検出を指示する。カメラユニット32は、車両1の前方の状況を撮影するカメラによって得た画像を解析して、車両1の周囲に存在する車両等の障害物を検出する。ここでは、自車に対する障害物の位置や大きさまで検出する。この障害物に関する情報を端末MSはカメラユニット32から取得し、立体地図データに基づいて補正した指向性制御データによる指向性制御をした場合に、その検出した障害物によって電波が遮断されるか否かを判断する。そして、遮断されるのであれば、遮断されないよう端末アンテナ11の指向性をさらに制御する。
このようにすれば、リアルタイムで障害物の存在を加味した適切な指向性制御が可能となる。なお、一時的に存在する障害物としては、上述した自動車に限らず、例えば立体地図データには存在しないような、例えば臨時に設置された建物や看板のようなものも考えられる。
また、場合によっては、障害物に遮断されない方向が、基地局BSに対して適切でない方向にしか存在しないことも考えられる。その場合は、例えば端末アンテナ11の指向性制御を一時的に中止して無指向性パターンに変更することも考えられる。
なお、アンテナ制御パラメータに関しては次のように演算することが考えられる。例えば、端末MSの現在位置と携帯電話無線基地局3との位置とから両者を結んだ直線の北(N )方向に対する角度βを演算する。そして、この角度β と車両1の北(N)に対する方位角αとから、車両1の進行方向を基準とした携帯電話無線基地局3の方位角θ=α−βを算出し、この方位角θをアンテナ制御パラメータとする。
(b)図4のS6に示すように、端末MSがナビゲーション装置30から取得した立体地図データを用いて指向性制御データを補正したが、例えばASPサーバー6が立体地図データを備え、ASPサーバー6において指向性制御データを立体地図データを用いて補正してから、端末MSへその補正後の指向性制御データを送出するようにしてもよい。
[第2実施例]
図7は、第2実施例の狭域無線通信システムの全体構成を示す説明図である。
図7に示すように、本実施例の狭域無線通信システムは、移動体としての車両1に搭載された端末MSと、自局の通信エリア内に存在する端末MSとの無線通信を行う基地局BSと、(携帯電話無線基地局3を含む)携帯電話網4及びインターネット5を介して基地局BSと通信可能な無線LANサーバー106とを備えている。
上記第1実施例の場合は端末MS側で端末アンテナ11の指向性制御を実行していたが、この第2実施例の場合は基地局BS側で基地局アンテナ21の指向性制御を実行するものである。上記第1実施例の場合と同様の構成については同じ符号を付して、詳しい説明は省略する。
[移動通信端末MSの構成]
図8には、第2実施例の場合の移動通信端末MSの概略構成を示す。
上記第1実施例の場合、端末MS側で端末アンテナ11の指向性制御を実行するために、端末アンテナ11は指向性が互いに異なる方向を向くように配置された複数の指向性アンテナ及び一つの無指向性アンテナからなっていた。そして、図2に示すように、その端末アンテナ11の指向性を制御するための指向性制御回路15を備えていた。
それに対して、本第2実施例の場合は、端末MSでは指向性制御をしなくてもよいため、図8に示すように、無指向性の端末アンテナ111を備えると共に、図2に示す第1実施例の場合に存在した指向性制御回路15は備えない。
それ以外の、送信器12、受信器13、方向性結合器14、記憶装置16及び制御回路17については同様の構成となっている。但し、端末MSでは指向性制御をしなくてもよいため、記憶装置16には指向性制御データは格納されないし、また制御回路17も、指向性制御を実行しない。つまり、その制御のためのプログラムも備えなくてよい。
また、無線LAN用無線装置18、無線装置ゲートウェー39 広域通信網無線送受信装置41、通信アンテナ42及び車載サーバー40については、第1実施例の場合と同様である。さらに、車載LAN45に接続するナビゲーション装置30、HMI34、車速センサー36などについても第1実施例の場合と同様の構成であるが、図2に示す第1実施例の場合に存在したカメラユニット32はなくてもよい。上記第1実施例では図6を参照して説明したように先行車等の存在によって端末アンテナの指向性を制御していたが、本第2実施例の場合は、そのような事態を想定しなくてもよいからである。もちろん、オートクルーズやレーンキープ等の車両自動運転関連の制御のために用いるのであれば存在してもよいが、無線LAN通信のためにはカメラユニットは必要ないということである。同様に、上記第1実施例の場合は、図5を参照して説明したように建物等によってマルチパス伝搬路になるようなエリアを避けて端末アンテナの指向性を制御するために、ナビゲーション装置30が備える立体地図データを利用した。しかし、本第2実施例では端末アンテナ111の指向性制御をしなくてもよいため、ナビゲーション装置30が備える地図データとしては、立体地図データである必要はなく、平面地図データであっても構わない。
そして、制御回路17は、必要に応じてその状態パラメータを読み出し、無線LAN用無線装置18、無線装置ゲートウェー39、広域通信網無線送受信装置41及び通信アンテナ42を介して携帯電話無線基地局3へ送信する。その送信された状態パラメータは、図1に示すように、携帯電話網4及びインターネット5を介して無線LANサーバー106へ送られる。なお、詳しくは後述するが、この無線LANサーバー106へ送る状態パラメータには、車両の現在位置及び進行方向に加え、これから向かおうとしている基地局BSに何時到達するのかを示す予想到達時刻も含まれている。この予想到達時刻は、例えば現在位置から基地局BSまでの距離を地図データに基づいて算出し、その距離を移動するのみ必要な時間を現在の速度等に基づいて算出し、現在時刻に加算するなどして得られる。なお、ナビゲーション装置30の機能として、このような予想到達時刻を算出する手法は公知であるため、その公知手法を用いてナビゲーション装置30において得られた予想到達時刻を用いてもよい。
[基地局BS、無線LANサーバー106の構成]
図9は、基地局BS及び無線LANサーバー106の概略構成を説明するブロック図である。
本実施例では基地局BSと無線LANサーバー106とが専用通信線Lによって接続されているが、例えば基地局BSが無線LANサーバー106の機能を内蔵するようにすることも可能である。したがって、基地局BSと無線LANサーバー106とに分けたのは便宜的なものである。つまり、例えば複数の基地局BSが存在する場合に、それら複数の基地局BSに対して1台の無線LANサーバー106を準備し、1台の無線LANサーバー106から複数の基地局BSに対して後述する指向性制御データを送出するような構成を採用することも考えられるからである。そのため、本実施例の基地局BS及び無線LANサーバー106が、特許請求の範囲の請求項2における「基地局」に相当するものである。
まず、基地局BSについて説明する。上記第1実施例の場合、端末MS側で端末アンテナ11の指向性制御を実行するために、図3に示すように基地局アンテナ21は無指向性のアンテナを採用したが、本第2実施例の場合は、基地局BS側で指向性制御をするため、図9に示すように、基地局アンテナ121は、第1実施例の場合の端末アンテナ11(図2参照)と同様の構成、すなわち、指向性が互いに異なる方向を向くように配置された複数の指向性アンテナ及び一つの無指向性アンテナからなっている。そして、図9に示すように、その基地局アンテナ121の指向性を制御するための指向性制御回路122を備えている。また、基地局BSは無線LANサーバー103とデータ通信を行うためのインタフェース回路26も備えている。
一方、無線LANサーバー106は、基地局側BSが基地局アンテナ121の指向性の制御のために用いる指向性制御データを格納し、「基地局側制御データ記憶手段」として機能する記憶装置163と、インターネット5を介したデータ通信及び専用線Lを介して基地局BSとの間でデータ通信を行うためのインタフェース回路161と、周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、基地局BSに対して、記憶装置163に記憶されている指向性制御データを送信する処理等を実行する制御回路162とを備えている。
この無線LANサーバー106の記憶装置163に記憶されている指向性制御データは、基地局BSを基準としてホットスポットよりも大きな所定範囲である接続領域内における位置と、当該位置において基地局BSからの搬送波の信号強度が高くなるよう基地局アンテナ121の指向性を向けるべき方向を示す方位情報とを対応づけてなる指向性制御データである。なお、上述のように、1台の無線LANサーバー106から複数の基地局BSに対して指向性制御データを送出する構成を採用するのであれば、この記憶装置163に各基地局BSの数だけ指向性制御データを記憶しておくこととなる。
そして、制御回路162は、端末MSから送られてきた状態パラメータに基づき、その端末MSがこれから到達するであろう基地局BSを特定し、その基地局BSに対応する指向性制御データを記憶装置163から抽出する。そして、該当する基地局BSにその抽出した指向性制御データを送出する。なお、基地局BSが1つしかなければ抽出せずに、単に、記憶装置163から指向性制御データを読み出して基地局BSに送出するだけである。
基地局BSの説明に戻り、基地局BSでは、無線LANサーバー106から送出された指向性制御データをインタフェース回路161を介して受け取り、記憶装置163に記憶する。そして制御回路27は、記憶装置16に記憶されたその指向性制御データ等に基づいて、選択信号SELの生成及び指向性制御回路122への送出等を行う指向性制御処理を実行する。これら制御回路27及び指向性制御回路122の動作により、「基地局側指向性制御手段」の機能が実現されている
また、本実施例の場合、基地局BSの記憶装置26又は無線LANサーバー106の記憶装置163が「基地局側制御データ記憶手段」に相当する。
[通信手順]
次に、本第2実施例の指向性制御に関し、図10の通信シーケンス図及び図11の制御イメージ図を参照して説明する。
図10は、端末MSと基地局BS及び無線LANサーバー106との間で行われる通信及び処理の手順を示しており、それぞれの処理は、端末MS、基地局BS及び無線LANサーバー106が備える各制御回路17,27,162によって実行される。
まず、最初のステップ11では、ホットスポットの位置に基づき指向性制御のための準備処理を開始する。具体的には、端末MSは、ナビゲーション装置30から得た地図情報に基づき、車両進行方向の前方にホットスポットが存在するか否か判断する。そしてそのホットスポットが存在すれば、S12へ移行する。
S12では、端末MSから無線LANサーバー106へ状態パラメータ及び到達予測時刻を送出する。到達予測時刻については、上述したように、これから向かおうとしている基地局BSに何時到達するのかを示す予想到達時刻も含まれている。この予想到達時刻は、例えば現在位置から基地局BSまでの距離を地図データに基づいて算出し、その距離を移動するのみ必要な時間を現在の速度等に基づいて算出し、現在時刻に加算するなどして得られる。なお、ナビゲーション装置30の機能として、このような予想到達時刻を算出する手法は公知であるため、その公知手法を用いてナビゲーション装置30において得られた予想到達時刻を用いてもよい。
S13では、無線LANサーバー106が、端末MSより送出された状態パラメータに基づき、その端末MSがこれから到達するであろう基地局BSを特定し、その基地局BSに対応する指向性制御データを記憶装置163から抽出する。そしてS14では、該当する基地局BSに対して、その抽出した指向性制御データ及び端末MSから得た予想到達時刻を送出する。なお、上述したように、基地局BSが1つしかなければ、単に、記憶装置163から指向性制御データを読み出して予想到達時刻と共に基地局BSに送出するだけである。
S15では、基地局BSが、無線LANサーバー106から送出された指向性制御データ及び予想到達時刻をインタフェース回路26を介して受け取り、記憶装置25に記憶する。
そして基地局BSでは、制御回路27が、記憶装置25に記憶された予想到達時刻になるまで待機し(S16)、予想到達時刻になれば、記憶装置25に記憶された指向性制御データ等に基づいて、選択信号SELの生成及び指向性制御回路122への送出等を行う指向性制御処理を開始する。
そして、端末MSが接続領域に進入して基地局BSとの通信が確立すると、基地局BSと端末MSは大容量のデータ通信接続状態へ移行する(S18)。この通信終了後は、基地局BSは指向性制御を終了する(S19)。
[第2実施例の効果]
(1)このように、端末MSは、端末MSの現在位置及び移動方向を含む状態パラメータを基地局BSへ伝送し、その状態パラメータを受け取った基地局BSでは、その状態パラメータに基づき端末MSの接続領域内への予想到達位置を推定する。そして、その推定された予想到達位置に応じて基地局アンテナ21の指向性を制御する。そのため、そのような制御対象とされていない他端末に比べ、制御対象となった端末MSについてはアンテナ利得を大きくすることができ、且つ周囲の干渉も抑えることもできる。その結果、基地局BSとの通信に関する競合において有利になり、いち早く接続でき通信品質も維持できることとなる。そして、基地局BS側で基地局アンテナ21の指向性を制御しているため、回線容量の増加も期待できる。
(2)また、端末MSからは状態パラメータを無線LANサーバー106へ伝送するだけで、アンテナ指向性の制御のための計算等には全く関与しないため、処理負荷の低減等の観点でも好ましい。
(3)また、本実施例では、端末MSから無線LANサーバー106へ送出する状態パラメータ中に到達予測時刻が含められているため、端末MSが接続領域に到達する前に基地局アンテナ21の指向性を適切に制御でき、より確実に、基地局BSとの通信に関する競合における有利さを享受できる。
[第2実施例の別態様]
(a)第1実施例の場合には、端末MSがナビゲーション装置30から取得した立体地図データを用いて指向性制御データを補正していた(図4のS6参照)が、第2実施例の場合にも、基地局BSが立体地図データを備えるようにし、その立体地図データを用いて指向性制御データを補正するようにしてもよい。
また、無線LANサーバー106が立体地図データを備え、無線LANサーバー106において指向性制御データを立体地図データを用いて補正してから、基地局BSへその補正後の指向性制御データを送出するようにしてもよい。
(b)第1実施例の別態様として、例えば先行車など、基地局アンテナ21と端末アンテナ11との間に一時的に存在する障害物の場合には、立体地図データでは対応できないため、端末MSがカメラユニット32にて検出した障害物情報に基づいて指向性制御の補正を行うようにしてもよい旨を述べた。これと同様に、基地局BSはカメラユニットを備え、同様の指向性制御の補正を行うようにしてもよい。また、場合によっては、障害物に遮断されない方向が、端末MSに対して適切でない方向にしか存在しないことも考えられる。その場合は、例えば基地局アンテナ21の指向性制御を一時的に中止して無指向性パターンに変更することも考えられる。
[別実施例その他]
(イ)上記第1実施例では端末MS側で指向性制御を実行し、第2実施例では基地局BS側で指向性制御を実行したが、このように何れか一方でのみ実行するのではなく、端末MS側及び基地局BS側の両方で指向性制御を実行するようにしてもよい。
(ロ)上記実施例では、指向性制御として水平面内における方向調整を例示したが、例えば垂直方向への調整を行っても良い。但し、水平・垂直の両方向への調整を行う場合には処理負荷が増え、端末MSのコストアップにつながる。端末MSの費用はユーザ負担であることが一般的であるため、水平方向のみの調整でも構わない。無線LANは近接通信であるが、遠方から接続する場合は垂直方向より水平方向の方が主になるからである。
なお、近接時には、垂直方向も意識したほうが好ましいため、例えば端末MS側及び基地局BS側の両方で指向性制御を実行するのであれば、端末MS側は水平方向の調整のみ、基地局BS側は水平・垂直方向の調整を実行するようにしてもよい。基地局BSではコストよりも性能を優先して構築することが比較的容易であるため、ユーザ負担を軽減した端末MSの性能を、基地局BS側にて補完することができる。
(ハ)上記実施例では、端末MSと基地局BSとがいわゆる無線LAN通信を行う前提で説明したが、無線LANだけでなく、例えばDSRC、ETC、ミリ波通信でも適用可能である。
第1実施例の狭域無線通信システムの全体構成図である。 第1実施例の移動通信端末MSの概略構成を示すブロック図である。 第1実施例の基地局BS及びASPサーバー6の概略構成を示すブロック図である。 第1実施例における指向性制御に関する通信シーケンス図である。 第1実施例における指向性制御のイメージ図である。 第1実施例の別態様を示す説明図である。 第2実施例の狭域無線通信システムの全体構成図である。 第2実施例の移動通信端末MSの概略構成を示すブロック図である。 第2実施例の基地局BS及び無線LANサーバー106の概略構成を示すブロック図である。 第2実施例における指向性制御に関する通信シーケンス図である。 第2実施例における指向性制御のイメージ図である。
符号の説明
MS…移動通信端末、BS…基地局、1…車両、3…携帯電話無線基地局、4…携帯電話網、5…インターネット、6…アプリケーションサービスプロバイダー(ASP)サーバー、11,111…端末アンテナ、12…送信器、13…受信器、14…方向性結合器、15…指向性制御回路、16…記憶装置、17…制御回路、18…無線LAN用無線装置、21,121…基地局アンテナ、22…送信機、23…受信器、24…方向性結合器、25…記憶装置、27…制御回路、30…ナビゲーション装置、32…カメラユニット、34…HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)、36…車速センサー、39…無線装置ゲートウエー、40…車載サーバー、41…広域通信網無線送受信装置、42…通信アンテナ、45…車載LAN、61,161…インタフェース回路、62,162…制御回路、63,163…記憶装置、106…無線LANサーバー、122…指向性制御回路。

Claims (10)

  1. 基地局アンテナを有し、移動通信端末へ無線信号を送る際の搬送波の放射範囲を絞ることで限られた通信エリアを形成する狭域無線用の基地局と、端末アンテナを有し、前記基地局の通信エリアに進入した移動通信端末との間で無線通信を行う狭域無線通信システムであって、
    さらに、移動体用広域通信網を介して少なくとも前記移動通信端末と通信可能な外部装置を備え、
    前記移動通信端末は、
    前記端末アンテナの指向性が制御可能に構成されていると共に、
    前記移動通信端末の現在位置及び移動方向を含む状態パラメータを移動体用広域通信網を介して前記外部装置へ伝送する状態パラメータ伝送手段を有し、
    前記外部装置は、
    前記基地局毎に、当該基地局を基準として前記通信エリアよりも大きな所定範囲である接続領域内における位置と、当該位置において前記基地局からの搬送波の信号強度が高くなるよう前記端末アンテナの指向性を向けるべき方向を示す方位情報とを対応づけてなる指向性制御データを記憶する共通データ記憶手段、
    前記移動通信端末から前記移動体用広域通信網を介して伝送されてきた前記状態パラメータに基づき、前記移動通信端末がこれから到達予定の基地局に対応する前記指向性制御データを前記共通データ記憶手段から抽出し、前記移動体用広域通信網を介して、前記状態パラメータを伝送してきた移動通信端末へ伝送する制御データ伝送手段を有し、
    前記移動通信端末は、
    前記外部装置から伝送された前記指向性制御データを記憶する端末側制御データ記憶手段、
    前記端末側制御データ記憶手段に記憶された指向性制御データに基づき、前記状態特定手段によって特定した当該移動通信端末の現在位置に応じて、前記端末アンテナの指向性を制御する端末側指向性制御手段を有し、
    前記端末側指向性制御手段は、さらに前記接続領域内に存在する物体を検知する物体検知手段から得た検知データを参照し、前記基地局アンテナと前記端末アンテナとの間に存在する前記検知物体によって遮断されないよう前記端末アンテナの指向性を制御するか、あるいは当該端末アンテナの指向性制御では前記基地局との間で適切な無線通信が実現できなければ、前記端末アンテナの指向性制御を一時的に中止して無指向性に変更すること
    を特徴とする狭域無線通信システム。
  2. 基地局アンテナを有し、移動通信端末へ無線信号を送る際の搬送波の放射範囲を絞ることで限られた通信エリアを形成する狭域無線用の基地局と、端末アンテナを有し、前記基地局の通信エリアに進入した移動通信端末との間で無線通信を行う狭域無線通信システムであって、
    さらに、前記移動通信端末と前記基地局とは移動体用広域通信網を介して通信可能であり、
    前記移動通信端末は、
    前記移動通信端末の現在位置及び移動方向を含む状態パラメータ、を移動体用広域通信網を介して前記基地局へ伝送する状態パラメータ伝送手段を有し、
    前記基地局は、
    前記基地局アンテナの指向性が制御可能に構成されていると共に、
    当該基地局を基準として前記通信エリアよりも大きな所定範囲である接続領域内における位置と、当該位置において前記基地局からの搬送波の信号強度が高くなるよう前記基地局アンテナの指向性を向けるべき方向を示す方位情報とを対応づけてなる指向性制御データを記憶する基地局側制御データ記憶手段、
    前記移動通信端末から前記移動体用広域通信網を介して伝送されてきた前記状態パラメータに基づき、前記移動通信端末の前記接続領域内への予想到達位置を推定する到達推定手段、
    前記基地局側制御データ記憶手段に記憶された制御データに基づき、前記到達推定手段によって推定した予想到達位置に応じて、前記基地局アンテナの指向性を制御する基地局側指向性制御手段を有し、
    前記基地局側指向性制御手段は、さらに前記接続領域内に存在する物体を検知する物体検知手段から得た検知データを参照し、前記基地局アンテナと前記端末アンテナとの間に存在する前記検知物体によって遮断されないよう前記基地局アンテナの指向性を制御するか、あるいは当該基地局アンテナの指向性制御では前記移動通信端末との間で適切な無線通信が実現できなければ、前記基地局アンテナの指向性制御を一時的に中止して無指向性に変更すること
    を特徴とする狭域無線通信システム。
  3. 基地局アンテナを有し、移動通信端末へ無線信号を送る際の搬送波の放射範囲を絞ることで限られた通信エリアを形成する狭域無線用の基地局と、端末アンテナを有し、前記基地局の通信エリアに進入した移動通信端末との間で無線通信を行う狭域無線通信システムであって、
    さらに、前記移動通信端末と前記基地局とは移動体用広域通信網を介して通信可能であり、
    前記移動通信端末は、
    前記端末アンテナの指向性が制御可能に構成されていると共に、
    前記移動通信端末の現在位置及び移動方向を含む状態パラメータを移動体用広域通信網を介して前記基地局へ伝送する状態パラメータ伝送手段を有し、
    前記基地局は、
    前記基地局アンテナの指向性が制御可能に構成されていると共に、
    当該基地局を基準として前記通信エリアよりも大きな所定範囲である接続領域内における位置と、当該位置において前記基地局からの搬送波の信号強度が高くなるよう前記基地局アンテナの指向性を向けるべき方向を示す方位情報とを対応づけてなる基地局側指向性制御データ、及び、前記接続領域内における位置と、当該位置において前記基地局からの搬送波の信号強度が高くなるよう前記端末アンテナの指向性を向けるべき方向を示す方位情報とを対応づけてなる端末側指向性制御データを記憶する制御データ記憶手段、
    前記移動通信端末から前記移動体用広域通信網を介して伝送されてきた前記状態パラメータに基づき、前記移動通信端末の前記接続領域内への予想到達位置を推定する到達推定手段、
    前記制御データ記憶手段に記憶された基地局側指向性制御データに基づき、前記到達推定手段によって推定した予想到達位置に応じて、前記基地局アンテナの指向性を制御する基地局側指向性制御手段、
    前記制御データ記憶手段に記憶された端末側指向性制御データを、前記移動体用広域通信網を介して、前記状態パラメータを伝送してきた前記移動通信端末へ伝送する制御データ伝送手段を有し、
    さらに前記移動通信端末は、
    前記基地局から伝送された前記端末側指向性制御データを記憶する端末側制御データ記憶手段、
    前記端末側制御データ記憶手段に記憶された端末側指向性制御データに基づき、前記状態特定手段によって特定した当該移動通信端末の現在位置に応じて、前記端末アンテナの指向性を制御する端末側指向性制御手段を有する
    し、
    前記端末側指向性制御手段及び前記基地局側指向性制御手段は、さらに前記接続領域内に存在する物体を検知する物体検知手段から得た検知データを参照し、前記基地局アンテナと前記端末アンテナとの間に存在する前記検知物体によって遮断されないよう前記端末アンテナ及び基地局アンテナの指向性を制御するか、あるいは当該端末アンテナ及び基地局アンテナの指向性制御では前記移動通信端末と前記基地局との間での適切な無線通信が実現できなければ、前記端末アンテナ及び基地局アンテナの指向性制御を一時的に中止して無指向性に変更すること
    を特徴とする狭域無線通信システム。
  4. 請求項1又は3の何れかに記載の狭域無線通信システムにおいて、
    前記端末側指向性制御手段は、前記基地局周辺の立体地図データを参照し、前記接続領域内において前記基地局アンテナと前記端末アンテナとの間に存在する建物によって遮断されないよう前記端末アンテナの指向性制御を実行し、
    前記立体地図データは、前記移動通信端末が搭載される車両が備えるナビゲーション装置が有するものであること
    を特徴とする狭域無線通信システム。
  5. 請求項1、3又は4の何れかに記載の狭域無線通信システムにおいて、
    前記端末側指向性制御手段は、前記検知データを参照した指向性制御を実行し、
    前記物体検知手段は、前記移動通信端末が搭載される車両が備えること
    を特徴とする狭域無線通信システム。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の狭域無線通信システムにおいて、
    前記物体検知手段は、前記物体を撮影した画像を解析して検知すること
    を特徴とする狭域無線通信システム。
  7. 請求項1〜の何れかに記載の狭域無線通信システムにおいて、
    前記移動通信端末の現在位置は、前記移動通信端末が搭載される車両が備える測位装置が測定した前記車両の位置情報に基づくものであること
    を特徴とする狭域無線通信システム。
  8. 請求項に記載の狭域無線通信システムにおいて、
    前記測位装置は、GPS衛星からのGPS信号に基づき前記車両の位置を算出するものであること
    を特徴とする狭域無線通信システム。
  9. 請求項1〜の何れかに記載の狭域無線通信システムに用いられる移動通信端末であって、
    当該各請求項において移動通信端末に関して記載された構成を備える移動通信端末。
  10. 請求項1〜の何れかに記載の狭域無線通信システムに用いられる基地局であって、
    当該各請求項において基地局に関して記載された構成を備える基地局。
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