JP4265079B2 - 洗濯乾燥機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯物を収容する内槽内に温風を送風して洗濯物を乾燥させる行程を有する洗濯乾燥機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
家庭に於ける洗濯作業をより自動化するために、洗濯から乾燥まで手をかけずに行うことのできる洗濯乾燥機が要望されており、ドラム式の洗濯乾燥機が実用化されている。しかし、ヨーロッパで育ったドラム式洗濯乾燥機は、建物や洗濯習慣など風土の異なる日本では、なかなか根付かない。日本の風土に合う洗濯乾燥機は、内槽が垂直軸周りに回転する構造の全自動洗濯機をベースにした洗濯乾燥機が適していると思われる。発明者等は、そうした考えから全自動洗濯機をベースにした図6に示すような洗濯乾燥機を提案してきた。以下、その構成について説明する。
【0003】
図6に示すように、筐体1は、内部に複数のサスペンション2によって弾性的に吊り下げた外槽3を設け、脱水時の振動をサスペンション2によって吸収する構成としている。
外槽3の内部には、洗濯物および乾燥対象物を収容する内槽4を中空で2重構造とした洗濯/脱水軸5を中心に回転可能に配設し、内槽4の内底部に洗濯物や乾燥対象物を撹拌する回転翼6を回転自在に配設している。
【0004】
また、内槽4の内部周壁には小孔(図示せず)を多数設けるとともに、上方には流体バランサ7を設けている。回転翼6はその形状を外周を傾斜面とした鍋型にすることにより、乾燥行程においては、乾燥対象物を回転翼6の回転による遠心力で傾斜面に沿って上方へと舞い上がりやすくしている。
【0005】
モータ8は、外槽3の底部に取り付け、洗濯または脱水時に回転力の伝達を洗濯/脱水軸5に切り換えるクラッチ9と洗濯/脱水軸5を介して、内槽4または回転翼6に連結している。回転翼6は外周部に傾斜面10を有する略鍋型の形状をし、撹拌用突出部11を形成している。
【0006】
熱交換器12は、循環する湿った温風を除湿するもので、一端を循環路切り替え弁13、伸縮自在の下部蛇腹状ホース14を介して外槽3の下部に接続し、他端を乾燥用送風機15の一端に接続している。乾燥用送風機15の他端は、加熱手段であるヒータ16を有する温風供給路17に接続し、上部蛇腹状ホース18を通って、内槽4へ繋がり循環する経路を構成している。乾燥用送風機15とヒータ16とで温風送風手段を構成している。
【0007】
外槽3には、外槽3の上面を気密的に覆う外槽カバー19を設けており、この外槽カバー19に伸縮自在の上部蛇腹状ホース18からの温風噴出孔20を開口している。また、この外槽カバー19に中蓋21を開閉自在に設け、衣類を出し入れするようにしている。
【0008】
筐体カバー22は筐体1の上部を覆うもので、開閉蓋23を開閉自在に有し、操作表示手段24を設けるとともに、内槽4に給水する給水弁25を設けている。また、外槽3の底部に外槽3内に水を排水する排水弁26を設けている。冷却用送風機27は、筐体1の側面に取り付け、筐体1の内部の外槽3、熱交換器12などを冷却するように送風できるよう構成している。
【0009】
制御装置28は、モータ8、クラッチ9、循環路切り替え弁13、乾燥用送風機15、ヒータ16、給水弁25、排水弁26、冷却用送風機27などの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の各行程を制御するように構成している。
【0010】
上記構成において動作を説明する。洗い行程では、開閉蓋23と中蓋21を開けて、内槽4に洗濯物を投入し、運転を開始すると給水弁25を開いて所定の水位まで給水した後、モータ8を駆動する。このとき、伝達機構部のクラッチ9によりモータ8の動力を洗濯軸を介して回転翼6に伝達し、回転翼6が回転することで、洗濯物が回転翼6の撹拌用突出部11に引っかかり、中心部へ引き込まれる。内槽4の中心下層部の洗濯物は、引き込まれた洗濯物により、内槽4の上層部へ押し上げられる。このようにして内槽4内の洗濯物を撹拌して、洗濯物同士、または内槽4の内壁や回転翼6との接触により作用する機械力と、水流力により行われる。
【0011】
脱水行程では、洗濯終了後、排水弁26を開いて内槽4内の水を排水した後、伝達機構部のクラッチ9を脱水側に切り換えて、モータ8の動力を脱水軸を介し内槽4に伝達して回転させ、洗濯物に遠心力を与えることにより、水分を洗濯物から分離することで行う。脱水行程が終了すると引き続いて乾燥行程に入る。
【0012】
乾燥行程では、クラッチ9を洗濯側に切り換えてモータ8を駆動して回転翼6に伝達し、回転翼6を急速に正転、反転することで、脱水後に内槽4の内壁に張り付いた洗濯物を引き剥がす。つぎに、排水弁26を閉じて循環路切り替え弁13を開く。そして回転翼6を正転、反転させて撹拌用突出部11で洗濯物を引っかけて撹拌しながら、乾燥用送風機15とヒータ16とで構成した温風送風手段により温風を温風噴出孔20に送る。温風噴出口20より内槽4に吹き込まれた温風は、洗濯物から水分を蒸発させた後、内槽4から外槽3の内側へ出た後、下部蛇腹状ホース14を通過して、熱交換器12へ至る。
【0013】
洗濯物の水分を奪って湿気を含んだ温風が、外槽3の内壁や熱交換器12内を通過しているとき、筐体1の側面に設置した冷却送風機27による外部空気の流入で、外槽3や熱交換器12の外壁は冷却されることになり、その内部では、水分の結露が起こり、湿った温風は除湿されて乾燥用送風機15へ戻る。この循環路で温風を循環させることにより、内槽4内の乾燥対象物を乾燥させることができる。
【0014】
このように洗濯物を洗濯乾燥機に投入すれば、あとは乾燥終了まで自動的におこなわれるので、取り出してたたむだけでよく、非常に便利である。また、全自動洗濯機をベースにした洗濯乾燥機なので、日本の家屋構造にも合い、かつ、日本人の洗濯習慣にも合い、使い勝手がすこぶるよいものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前述の洗濯乾燥機では、1回の乾燥に約3kWhの電力を必要とし、ランニングコストから毎回は使いにくいという問題があった。逆に乾燥行程を使わずに脱水したまま干した場合、室内乾燥した場合など乾燥までに時間がかかると、湿ってぬるぬるした雑巾が発する腐ったような臭い(以下、雑巾臭という)がするという問題があった。
【0016】
本発明は上記課題を解決するもので、脱水を終了した洗濯物に付着した細菌を除菌できる程度の熱量と撹拌を加えて除菌し、室内乾燥など乾燥までに時間がかかる場合でも雑巾臭が発生するのを抑えることを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、筐体内に弾性的に吊支した外槽内に上部に開口部を有し洗濯物を収容する内槽を垂直軸周りに回転自在に支持し、内槽の内底部に回転翼を回転自在に設け、制御手段により内槽または回転翼を駆動する駆動手段、内槽内に送風する送風手段、送風手段により送風される空気を加熱する加熱手段などの動作を制御し、洗い・すすぎ・脱水・乾燥の各行程を制御し、脱水終了後または脱水行程途中から乾燥行程に進むように構成し、制御手段は、除菌コースとして内槽内温度とその後の所定時間を、洗濯物に付着した細菌を除菌可能な値に設定し、除菌コースが選択されると、脱水行程終了後洗濯物を加熱しながら回転翼により撹拌し、内槽内温度が所定温度に到達した後、所定時間経過すると、洗濯物が乾燥する前に運転を終了するようにしたものである。
【0018】
これにより、脱水を終了した洗濯物に付着した細菌を除菌できる程度の熱量と撹拌を加えることで除菌することができ、室内乾燥など乾燥までに時間がかかる場合でも雑巾臭が発生するのを抑えることができる。
【0019】
【発明の実態の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、筐体内に弾性的に吊支した外槽と、前記外槽内に上部に開口部を有し垂直軸周りに回転自在に支持し洗濯物を収容する内槽と、前記内槽の内底部に回転自在に設けた回転翼と、前記内槽または回転翼を駆動する駆動手段と、前記内槽内に送風する送風手段と、前記送風手段により送風される空気を加熱する加熱手段と、行程の終了等を知らせる報知手段と、洗濯物の量を検知する布量検知手段と、前記駆動手段、送風手段、加熱手段などの動作を制御し、洗い・すすぎ・脱水・乾燥の各行程を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、除菌コースとして内槽内温度とその後の所定時間を、洗濯物に付着した細菌を除菌可能な値に設定し、前記除菌コースが選択されると、脱水行程終了後洗濯物を加熱しながら前記回転翼により撹拌し、前記内槽内温度が前記所定温度に到達した後、前記所定時間経過すると、洗濯物が乾燥する前に運転を終了するようにしたものであり、内槽内の温度を所定温度以上で、所定時間保つことにより、脱水を終了した洗濯物に付着した細菌を除菌することができ、衛生的で、室内乾燥など乾燥までに時間がかかる場合でも雑巾臭が発生するのを抑えることができる。また、このとき、同時に洗濯物は回転翼により撹拌されながら熱風を加えられ、洗濯物の温度が略所定温度に達していることから、洗濯物の繊維が伸びて脱水によるしわを低減することができて、干すときのしわ伸ばしの手間を省くことができ、この状態で天日乾燥や通風乾燥することにより、乾燥コースでフルに乾燥した場合より縮まず、柔らかくふんわり仕上げることができる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略する。
【0021】
(実施例1)
図1および図2に示すように、制御装置29は、マイクロコンピュータで構成した制御手段30を有し、モータ駆動回路31を介してモータ(駆動手段)8を駆動し、クラッチ9を介して内槽4または回転翼6を駆動する。また、制御手段30は、パワースイッチング手段32を介して、循環路切り替え弁13、乾燥用送風機(送風手段)15、ヒータ(加熱手段)16、給水弁25、排水弁26、冷却用送風機27などの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の各行程を制御する。
【0022】
操作表示手段33は、運転コースなどの設定、運転のスタートなどの入力を受け付けて制御手段30に入力するとともに、制御手段30の指令により、必要な情報を表示して使用者に知らせる。報知手段34は、コースの終了や異常時に、制御手段30の指示により音により使用者に状態を知らせる。
【0023】
記憶手段35は、制御手段30による逐次制御に必要なデータや洗濯シーケンス等を記憶している。回転数検知手段36は、モータ8からの信号に基づいてモータ8のローター位置や回転数を検知する。布量検知手段37は、回転数検知手段36のデータに基づいて布量を検知し、制御手段30に入力する。水位検知手段38は、外槽3の水位を検知して制御手段30に入力する。
【0024】
電源回路39は、商用電源40の電圧を直流に変換して、モータ駆動回路31等に直流電力を供給する。41は電源スイッチである。
【0025】
図3は、操作表示手段33の操作パネルの一部を示す。電源キー42を押すことによって、電源スイッチ41が閉じて電源が入り、操作表示手段33は動作状態となり、すべてのキーが受付可能状態になる。スタートキー43は、洗濯乾燥シーケンスを実行するためのキーで、これを押すと、初期設定されている「遠心おまかせ」で洗い/すすぎ/脱水を行い、乾燥は「しわ取りコース」を実行して終了する。乾燥キー44は、乾燥のコース選択用で、洗いキー45は、洗いのコースを選択するためのものである。その他の構成は従来例と同じである。
【0026】
上記構成において洗濯から乾燥行程までの動作を説明する。操作表示手段33の電源キー42を押して、制御装置29と操作表示手段33を動作状態にすると、操作表示手段33の操作パネルの洗いキー45の上に表示された洗いコースは、初期設定されている「遠心力おまかせ」のランプが点灯し、乾燥キー44の上部に表示された乾燥コースは、電源投入時に初期設定されている「しわ取りコース」のランプが点灯する。使用者は、洗いキー45と乾燥キー44で所定のコースを選択できるので、乾燥キー44を押して「除菌コース」を選択する。
【0027】
つぎに、洗濯物を内槽4に投入してスタートキー43を押すと、制御手段30の指令によりモータ駆動回路31を介してモータ8を右回転/停止/左回転/停止を実行させ、回転翼6を所定回数反転駆動する。回転翼6には洗濯物が載っているので、その洗濯物の量によって回転状態が変化する。この回転状態を回転数検知手段36で検知し、その変化量等に基づいて布量検知手段37が洗濯物の量を検知し、制御手段30に入力する。
【0028】
制御手段30は入力された布量に基づいて、パワースイッチング手段32を介して、給水弁25を駆動し、洗濯物の量に対応した水量を内槽4に供給すると同時に、検知した洗濯物の量に基づいて乾燥行程まで進むか否かを判断する。今回「除菌コース」を選択したが、洗濯可能容量の80%まで「除菌コース」に進むように設定し、80%を超えると「除菌コース」への移行を禁止し、脱水行程が終了した時点で一連のシーケンス実行を終了する。
【0029】
すなわち、回転翼6を使った洗濯のために、洗濯液がある状態で、内槽4に目一杯の洗濯物が入っていても撹拌可能なように回転翼6とモータ8を構成しているが、乾燥行程では遊び水がなくなるため、回転翼6で洗濯物の塊をほぐそうとすると、大きな力が必要となり、洗濯用に構成した回転翼6とモータ8に無理がかかるとともに、洗濯物を傷めてしまう。
【0030】
また、洗濯物が内槽4内で上下に入れ替わらなくなり、温風が洗濯物に均一にあたらなくなる。こうした問題が発生しないように、かつ洗濯乾燥機を経済的に提供するために、乾燥時の撹拌限界を実験的に求めたものが、洗濯容量の略80%である。定格洗濯容量8kgの洗濯乾燥機であれば、その80%の6.4kgまでしわとりが可能である。
【0031】
今回、内槽4に投入した洗濯物を4kgとすると、4kgに対応した給水が終了すると次の洗い行程に進む。もし、洗濯物が80%を超えて7kgあれば、制御手段は、「除菌コース」へ進むことを禁止する指令を出し、報知手段34と操作表示手段33で、その旨を使用者に知らせる。したがって、この場合は、洗い/すすぎ/脱水の行程を実行し終了となる。
【0032】
つぎに、洗濯物を洗うために、モータ8により内槽4を中速の回転数で間欠駆動して遠心力洗いに入る。洗いが終了すると、排水弁26を開いて洗濯液を排水し、再度モータ8を駆動して内槽4を高速回転させ、中間脱水に入る。所定時間脱水した後、再度給水弁25を駆動して給水し、洗いと同様に内槽4を中速で間欠駆動してすすぎに入る。
【0033】
所定時間駆動後、再度排水・中間脱水・給水・内槽4間欠駆動と2回目のすすぎに入る。2回目のすすぎの内槽4の中速回転による間欠駆動が所定時間経過すると、排水して最終脱水に入る。最終脱水は十分脱水して洗濯物が早く乾くように中間脱水より時間を長くしている。最終脱水が終了すると一連の洗濯行程が終了し、乾燥行程に進む。
【0034】
乾燥行程に入ると、制御手段30は、クラッチ9を洗濯側に切り換えてモータ8を駆動して回転翼6に伝達し、回転翼6を急速に正転、反転することで、脱水後に内槽4の内壁に張り付いた洗濯物を引き剥がす。つぎに、排水弁26を閉じて循環路切り替え弁13を開く。
【0035】
そして回転翼6を正転、反転させて撹拌用突出部11で洗濯物を引っかけて撹拌しながら、乾燥用送風機15とヒータ16とで構成した温風送風手段により温風を温風噴出孔20に送る。温風噴出口20より内槽4に吹き込まれた温風は、洗濯物から水分を蒸発させた後、内槽4から外槽3の内側へ出た後、下部蛇腹状ホース14を通過して、熱交換器12へ至る。
【0036】
洗濯物の水分を奪って湿気を含んだ温風が、外槽3の内壁や熱交換器12内を通過しているとき、筐体1の側面に設置した冷却送風機27による外部空気の流入で、外槽3や熱交換器12の外壁は冷却されることになり、その内部では、水分の結露が起こり、湿った温風は除湿されて乾燥用送風機15へ戻る。この循環路で温風を循環させることにより、内槽4内の洗濯物を乾燥させる。
【0037】
今回の4kgの洗濯物の乾燥行程は、「除菌コース」を選択したので、洗濯物の乾燥が終了するまで乾燥行程を実行することなく、しわが取れて除菌されたところで使用者に報知して終了する。
【0038】
「除菌コース」は、しわ取りとふんわり仕上げの効果にプラスして、乾燥行程開始後の内槽内温度の所定温度とその後の所定時間を、洗濯物に付着した細菌を除菌可能な値に設定し、約2桁の除菌をすることにより、洗濯物から雑巾臭を発生させないようにすることである。
【0039】
雑巾臭の発生メカニズムは、洗濯した衣類に付着している細菌が、洗濯後もまだ残っている汚れ成分を栄養源として繁殖し、その密度が高くなると細菌からの分泌物の量が非常に多くなり、その分泌物が雑巾臭を発することになる。一般的には、細菌の数が洗濯物1g当たり10の6乗個以上洗濯物に付着した状態で、栄養と水分と温度の3条件が揃うと、細菌は盛んに活動し、先に述べた分泌物の量が非常に多くなり、数時間を待たずに雑巾臭を発することになる。したがって、細菌の数を洗濯物1g当たり10の4乗個程度まで除菌できれば、乾燥時間が少々長引いても雑巾臭を発することはない。
【0040】
一般家庭において、洗濯前の洗濯物に付着している細菌の数は、非常にばらつきが大きいが、もっとも多いもの(ばらつきの2σ程度)で洗濯物1g当たり10の7乗個から8乗個である。これを洗濯すると、洗剤の殺菌効果や洗浄力で2桁下がり、10の5乗個〜6乗個となり、雑巾臭を発するボーダーラインになる。したがって、これを2桁下げることで、確実に雑巾臭を断つことができる。
【0041】
本実施例では、乾燥行程に入ってからの温度と経過時間とによって、細菌の数が2桁減少するタイミングで乾燥行程を終了する。乾燥行程初期の洗濯物は十分に水分を含んでいるので、これに熱を与えることにより、比較的低い温度で除菌できる湿熱状態をつくることができる。湿熱状態での菌の生存率と、温度と時間の関係を図5に示す。
【0042】
図4の曲線aは同じ温度状態に20分間菌をさらした場合の菌の生存率を示し、曲線bは同じ温度状態に30分間菌をさらした場合の菌の生存率を示し、曲線cは同じ温度状態に40分間菌をさらした場合の菌の生存率を示し、曲線dは同じ温度状態に60分間菌をさらした場合の菌の生存率を示している。
【0043】
同じ温度状態に20分間菌をさらした場合には、曲線aに示すように、50℃では生存率は10分の1弱となり、55℃では、生存率が100分の1強となる。このように菌の生存率は、温度と時間の関数になるので、所定温度に達してから所定時間経過した時点で乾燥コースを終了すれば所定量の除菌効果を得ることができる。
【0044】
本実施例では、洗濯物の温度が55℃に達した時間から20分後に運転を終了するよう
にしている。乾燥行程に入ってからの経過時間と温度上昇との実験データを図5に示す。図5は洗濯物が4kgのときのもので、曲線eは温風噴出孔20の温度、曲線fは下部蛇腹ホース14内の温度、曲線gは洗濯物の推定温度である。
【0045】
図5の例では、洗濯物の温度が55℃になるのが17分なので、17分から20分経過した37分に乾燥コースを終了する。37分は、完全に乾燥させるのに要する時間の約20%に相当する。実際には、55℃になった17分から終了する37分までの間に洗濯物の温度が上昇しているので、2桁より大きい除菌効果がある。この効果を時間短縮にまわしてもよい。
【0046】
また、脱水後の洗濯物のしわを取るためには、脱水後の固まった洗濯物に熱を与えながら回転翼6で撹拌してほぐすことによって可能である。発明者等は、実験から乾燥行程に入ってから15分〜20分程度乾燥行程を実行すれば、しわが十分取れることを確認しており、本「除菌コース」で十分脱水しわが取れ、繊維も柔らかにすることができる。
【0047】
なお、「除菌コース」実行後、すぐ干せば前述のように大きな効果を得ることができるが、使用者の都合により、「除菌コース」実行後、長い時間そのまま放置されると、放置された状態で温度が下がるので、放置された状態に繊維の形状が固定され、新たなしわの原因となる。
【0048】
本発明では、そうした場合でも、しわがつきにくいように、「除菌コース」終了後、冷風を送り撹拌しながら繊維を冷やし、特定の形状が繊維に残らないようにする。所定時間送風撹拌を実施することにより、繊維が元の硬さを取り戻し、新たなしわはつかないようになる。また、冷風撹拌により、モータ8を駆動するだけの少ないエネルギー消費でも、その前に与えられた熱量で乾燥も大幅に促進される。
【0049】
このように本実施例によれば、乾燥に要する電力の約20%の電力で、確実に洗濯物に付着した細菌を2桁除菌することができ、洗濯物を少々長い間濡れた状態で放置されても、雑巾臭を発することはない。その上、天日干しすることにより、しわが少なくなり、肌着などがふんわりと肌触りよく乾燥することができる。
【0050】
(実施例2)
図1に示す制御手段30は、乾燥行程に入ってから内槽4内の温度が所定温度に到達した後、所定時間経過したときに報知して終了する「除菌コース」において、冷却用送風機27を停止したまま乾燥行程に進むように構成している。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0051】
上記構成において動作を説明する。乾燥行程に入ると、制御手段30は、クラッチ9を洗濯側に切り換えてモータ8を駆動して回転翼6に伝達し、回転翼6を急速に正転、反転することで、脱水後に内槽4の内壁に張り付いた洗濯物を引き剥がす。つぎに、排水弁26を閉じて循環路切り替え弁13を開く。
【0052】
そして、回転翼6を正転、反転させて撹拌用突出部11で洗濯物を引っかけて撹拌しながら、乾燥用送風機15とヒータ16とで構成した温風送風手段により温風を温風噴出孔20に送る。温風噴出口20より内槽4に吹き込まれた温風は、洗濯物から水分を蒸発させた後、内槽4から外槽3の内側へ出た後、下部蛇腹状ホース14を通過して、熱交換器12へ至る。
【0053】
本実施例では、冷却用送風機27を停止させて乾燥行程を行うように構成しているので、外槽4と熱交換器12からの放熱が少なくなり、除湿はあまり行われなくなるが、ヒータ16からの熱は洗濯物に蓄積され易くなる。これにより、図5に示す洗濯物の温度上昇の立ち上がり特性は、早くなり、実験データによると所定温度に到達する時間が約30%短くなる。
【0054】
このように本実施例によれば、乾燥行程において約30%の時間短縮と、約30%の省エネルギーとすることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、筐体内に弾性的に吊支した外槽と、前記外槽内に上部に開口部を有し垂直軸周りに回転自在に支持し洗濯物を収容する内槽と、前記内槽の内底部に回転自在に設けた回転翼と、前記内槽または回転翼を駆動する駆動手段と、前記内槽内に送風する送風手段と、前記送風手段により送風される空気を加熱する加熱手段と、行程の終了等を知らせる報知手段と、洗濯物の量を検知する布量検知手段と、前記駆動手段、送風手段、加熱手段などの動作を制御し、洗い・すすぎ・脱水・乾燥の各行程を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、除菌コースとして内槽内温度とその後の所定時間を、洗濯物に付着した細菌を除菌可能な値に設定し、前記除菌コースが選択されると、脱水行程終了後洗濯物を加熱しながら前記回転翼により撹拌し、前記内槽内温度が前記所定温度に到達した後、前記所定時間経過すると、洗濯物が乾燥する前に運転を終了するようにしたから、少ない消費電力で、洗濯物に付着した細菌を除菌することができ、室内乾燥など乾燥までに時間がかかる場合でも雑巾臭が発生するのを抑えることができる。また、洗濯物の脱水によるしわを低減することができて、干すときのしわ伸ばしの手間を省くことができ、縮まず、柔らかくふんわり仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の洗濯乾燥機のブロック回路図
【図2】 同洗濯乾燥機の断面図
【図3】 同洗濯乾燥機の操作表示手段の操作パネルの一部切欠した正面図
【図4】 同洗濯乾燥機の温度と時間に対する細菌の生存率を示す特性図
【図5】 同洗濯乾燥機の乾燥時の温度上昇を示す特性図
【図6】 従来の洗濯乾燥機の断面図
【符号の説明】
1 筐体
3 外槽
4 内槽
6 回転翼
8 モータ(駆動手段)
15 乾燥用送風機(送風手段)
16 ヒータ(加熱手段)
30 制御手段
34 報知手段
37 布量検知手段

Claims (1)

  1. 筐体内に弾性的に吊支した外槽と、前記外槽内に上部に開口部を有し垂直軸周りに回転自在に支持し洗濯物を収容する内槽と、前記内槽の内底部に回転自在に設けた回転翼と、前記内槽または回転翼を駆動する駆動手段と、前記内槽内に送風する送風手段と、前記送風手段により送風される空気を加熱する加熱手段と、行程の終了等を知らせる報知手段と、洗濯物の量を検知する布量検知手段と、前記駆動手段、送風手段、加熱手段などの動作を制御し、洗い・すすぎ・脱水・乾燥の各行程を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、除菌コースとして内槽内温度とその後の所定時間を、洗濯物に付着した細菌を除菌可能な値に設定し、前記除菌コースが選択されると、脱水行程終了後洗濯物を加熱しながら前記回転翼により撹拌し、前記内槽内温度が前記所定温度に到達した後、前記所定時間経過すると、洗濯物が乾燥する前に運転を終了するようにした洗濯乾燥機。
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