JP4264856B2 - 少なくとも1つの金属元素をベースとする組成物を用いるガスまたは液体中に含まれるハロゲン化合物の除去方法 - Google Patents

少なくとも1つの金属元素をベースとする組成物を用いるガスまたは液体中に含まれるハロゲン化合物の除去方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスまたは液体中に含まれるハロゲン化合物、より特別には塩素化合物の除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
相当数の工業上の適用において、流体がガスまたは液体であっても、この流体を汚染するハロゲン化合物、特に塩素化合物を除去することが必要である。
【0003】
例証的実施例は、石油産業における接触リフォーミングに由来するガスまたは液体中に含まれるハロゲン化合物、特に塩素化合物の除去である。
【0004】
接触リフォーミングの目的の1つは、増加されたオクタン価を示す炭化水素を得ることである。炭化水素のオクタン価は、分枝状、環式さらには芳香族であるだけいっそう大きいものであるのは確かである。従って、炭化水素の環式化反応および芳香族化反応が促進される。
【0005】
通常、炭化水素のこれら環式化反応および芳香族化反応は、塩素化二金属性不均一触媒の存在下に行われる。これら塩素化触媒は、アルミナをベースとし、かつほとんどの場合白金と、他の金属、例えばスズ、レニウムまたはイリジウムとを含む。前記触媒中の塩素の存在は、重要である。何故なら、この塩素は、アルミナに添加されて、系の全体酸度を確保しかつ経時下における白金の再分散に関与して、触媒の触媒活性の安定化を可能にする。
【0006】
しかしながら、塩素の添加は、不都合を伴わない解決策ではない。従って、経時下において、特にHCl形態での塩素の溶離が認められる。まず、この溶離は、触媒に塩素を再飽和する一定の必要性により現れる。さらにこの溶離は接触リフォーミングにより生じるガス流出物および液体流出物中のHClおよび他の塩素化合物の存在を導く。このことは、一方では装置の腐食問題を生じ、他方では下流に配置される装置の運動に好ましくないかつ妨げとなる他の物質の形成を生じる。
【0007】
さらに接触リフォーミングにより、水素が生じる。石油の精製において、水素は、とりわけ水素化処理におけるその使用により、特に貴重な物質である。これら水素化処理は、環境保護の改善を目的として次第に開発されている。
【0008】
約20バールさらにはそれを越える圧力下に作用する伝統的な接触リフォーミングの出口において、ガス流出物は、水素および軽質炭化水素、例えばメタン、エタン等から大半が構成されかつ一般にHClおよび水の痕跡を示す。従って、これら流出物のあらゆるHClの痕跡を除去することを可能にし、次いで再循環し、従って常に精油所において精製水素を使用することは重要である。
【0009】
さらに再生方法、または新規生成方法に最近焦点が当てられ、次第に実施に広まっている。これらの方法は、約3〜15バールの圧力下に、さらにはそれより低い圧力下に作用する。
【0010】
再生接触リフォーミングの出口で、水素に加えて、軽質炭化水素、HClおよび水の痕跡、並びに不飽和炭化水素、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン等の痕跡が検出される。これら不飽和炭化水素は、塩素の存在下にアルミナと接触して、少なくとも一部有機塩素化合物に変換される。これら有機塩素化合物は、順番で他の有機塩素化合物および/または不飽和化合物との多数の反応後に" 緑油" すなわち"green oil" と称される高い分子量のオリゴマーを生じる。これら" 緑油" は、装置の閉塞を引き起こすものである。従って、吸着剤の寿命期間の明らかな低下に留意すべきである。いくつかの場合において、4〜5倍の低下が認められる。
【0011】
この型の方法では、一方では、再循環を可能にするために、これら流出物のHClのあらゆる痕跡の除去を可能にし、従って精製水素を使用することが重要であり、他方では、" 緑油" の生成を減少させ、さらには取り除くことを可能にすることが重要である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ガスまたは液体中に含まれる一般にハロゲン化合物、特に塩素化合物、より特別にはHClの有効な除去について改善される方法を提案することである。
【0013】
本発明の別の目的は、組成物を使用する方法を提案することである。この組成物により、再生リフォーミング方法または新規生成方法の下流においてハロゲン化オリゴマー、特に" 緑油" すなわち"green oil" と称される塩素化オリゴマーの生成が実質的に減少され、さらには取り除かれる。
【0014】
これら目的は、ガスまたは液体中に含まれるハロゲン化合物の除去方法を対象とする本発明により達成される。
【0015】
「ハロゲン化合物の除去方法」とは、本明細書中で以下に続くすべてにおいて、「有機化合物、無機化合物およびハロゲン化高分子量オリゴマーの生成の除去、軽減および/または消去方法」を意味する。
【0016】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明は、ガス中または液体中に含まれるハロゲン化合物の除去方法を対象とする。この方法は、ガスまたは液体を、組成物の全体重量に対して少なくとも35重量%の、バイエルの水和物の急速な脱水により得られるアルミナおよび/または水和アルミナと、該アルミナおよび/または水和アルミナ上に担持される、組成物の全体重量に対して多くとも45重量%の金属元素の全体重量含有量で周期律表の第VIII族、第IB族および/または第IIB族の金属から選ばれる少なくとも1つの金属元素を含む少なくとも1つの化合物(A)と、アルカリ、アルカリ土類および希土類から選ばれる少なくとも1つの元素を含む少なくとも1つの化合物(B)とをベースとする組成物に接触させることを特徴とする。
【0017】
より特別には、組成物の重量での補充物は、大半においてアルミナおよび/または水和アルミナを含む。
【0018】
説明全体において、周期律表は、「1966年、1月、Supplement au Bulletin de la Societe Chimique de France, No.1 」 の周期律表である。
【0019】
本発明の対象である、方法において使用される組成物は、粉体、球状物、押出し物、粉砕物またはモノリス形態で現れる。
【0020】
組成物の第一主成分は、アルミナ、水和アルミナ、またはアルミナと水和アルミナとの混合物である。
【0021】
使用される出発アルミナは、一般に比表面積少なくとも5m/g、好ましくは少なくとも10m/g、より好ましくは少なくとも30m/gを示す。
【0022】
本発明において、示されるあらゆる比表面積は、BET法により測定される面積である。BET法により測定される面積として、"The Journal of the American Chemical Society" ,60,309(1938)に記載されているBRAUNER-EMMETT-TELLER 法に基づいて設定されたASTM D 3663−78規格に合致する窒素吸着により測定される比表面積を意味する。
【0023】
さらに、この出発アルミナは、総細孔容積(VPT)少なくとも0.10cm/g、好ましくは少なくとも0.20cm/g、より好ましくは少なくとも0.25cm/gを示してよい。この総細孔容積は、次のように測定される:粒子密度と絶対密度との値を測定する:粒子密度(Dg)および絶対密度(Da)は、各々水銀およびヘリウムによるpicnometrie 法により測定される。VPTは、式:[1/Dg]−[1/Da]により与えられる。
【0024】
本発明による方法の実施に必要な総細孔容積および比表面積の特徴を示すアルミナの調製方法は、当業者に公知である。
【0025】
アルミナに関するものとして、本発明による組成物の調製に関する出発物質として使用されるアルミナ粉体は、従来の方法、例えば沈殿またはゲルによる方法、および水酸化アルミナ(または水和アルミナ)、例えばバイヤー法による水和物(ハイドラーギライト(hydrargillite))の急速な脱水による方法により得られる。この後者のアルミナは、本発明の好ましいアルミナである。
【0026】
アルミナの球状物が取り上げられる場合、これら球状物は、点滴凝結による成形により生じてよい。この型の球状物は、例えばヨーロッパ特許EP−A−0015801またはEP−A−0097539の教示により調製されてよい。多孔性の調節は、有機相、水性相および界面活性剤または乳剤からなるエマルジョン形態で現れるアルミナの懸濁液または水性分散液またはアルミニウムの塩基性塩溶液の点滴凝固による特にヨーロッパ特許EP−A−0097539に記載されている方法により行われてよい。前記有機相は、特に炭化水素であってよい。界面活性剤または乳剤は、例えばGalory EM 10(登録商標)である。
【0027】
球状物形態のアルミナもまたアルミナ粉体の凝集化(アグロメレーション)により得られてよい。球状物形態の凝集化は、回転技術によりアルミナ粉体上で直接行われる。回転技術として、凝集化が、装置において顆粒状にすべき物質の接触および回転により行われるあらゆる装置を意味する。この型の装置として、顆粒状触媒の回転製造装置および回転ドラムが挙げられる。この型の方法により、細孔の調節されたサイズおよび分布の球状物を得ることが可能になる。これらサイズおよびこれら分布は、一般に凝集化工程の間に造出される。さらに一定の直径の細孔の容積の調節が、アルミナ粉体および場合によっては水の導入流量の適切な調整、および装置の回転速度すなわち実施の開始の導入の際の適切な調整により、この凝集化工程中に行われてよい。
【0028】
アルミナ押出し物は、アルミナをベースとする物質の混練に次ぐ押し出しにより得られてよい。前記物質は、ハイドラーギライトの急速な脱水あるいはアルミナ・ゲルの沈殿により生じるものである。押出し物の多孔性の調節は、押し出し前のこのアルミナの混練の操作条件により行われてよい。アルミナもまた混練の際に発泡剤と混合されてよい。例として、押出し物は、米国特許US−A−3856708に記載されている方法により調製されてよい。
【0029】
アルミナの粉砕物は、アルミナをベースとするあらゆる型の物質、例えばあらゆる型の方法(点滴凝固、顆粒状触媒の回転製造装置または回転ドラム)により得られる球状物あるいは押出し物の粉砕により生じるものである。これら粉砕物の多孔性の調節は、粉砕物を得るために粉砕されるアルミナをベースとする物質の選択により行われてよい。
【0030】
アルミナの形態がどのようなものであっても、多孔性は、アルミナ粉体の粒度の選択あるいは種々の粒度のいくつかのアルミナ粉体の混合のような種々の手段により造出されてよい。別の方法は、凝集化工程または押し出し工程の前あるいは該工程の間に発泡剤と称される化合物をアルミナ粉体と混合することからなる。この化合物は、加熱により完全に消滅し、従ってアルミナ中に多孔性を造出する。
【0031】
使用される発泡剤化合物として、例として木の粉末、木炭、硫黄、タール、プラスチック物質またはプラスチック物質のエマルジョン、例えばポリ塩化ビニル、ポリビニル・アルコール、ナフタリンまたは類似物が挙げられる。添加される発泡剤化合物の量は、決定的ではなく、所期の細孔容積により決定される。
【0032】
成形に次いで、得られたアルミナは、機械耐性を改善することを目的とする種々の作用、例えば調節された湿度割合の雰囲気下での維持による熟成、その後の焼成、次いで1つまたは複数の酸の溶液によるアルミナの含浸、および閉鎖雰囲気下での水熱処理に付されてよい。
【0033】
最後に、これら種々の処理後に、アルミナは乾燥され、次いで場合によっては焼成されてよい。
【0034】
上述されたように、本発明による組成物の調製における出発物質として使用されるアルミナは、特に水和アルミナ、例えばバイヤー法による水和物(ハイドラーギライト)の急速な脱水により得られる。
【0035】
さらに、この水和アルミナは、本発明による組成物の調製における出発物質として直接使用されてよい。有利には水和アルミナは、ハイドラーギライトである。 出発物質が水和アルミナである場合、バインダが、全体に対して十分な機械特性を確保するように組成物に添加されてよい。例として、バインダは、アタパルジャイト(attapulgite) 、カオリナイトまたはベントナイトのような粘土をベースとしてよい。
【0036】
本発明の枠内において、水和アルミナは、5m/gを越える、好ましくは10m/gを越える比表面積を有してよい。さらに水和アルミナは、少なくとも0.10cm/gの総細孔容積(VPT)を示すものである。
【0037】
さらに水和アルミナは、300℃で測定される圧力損失(PAF)により特徴付けられる。この圧力損失は、有利には5%を超え、さらには10%を越える。圧力損失(PAF)は、Afnor 規格:1973年10月のNF T20−203 − EQV ISO 803に応じて測定される。
【0038】
さらにアルミナに対して先に記載された種々の成形方法は、水和アルミナに適用される。
【0039】
さらにアルミナおよび水和アルミナの混合物は、搬送されてよい。
【0040】
組成物の第二成分は、ドーパント(添加剤)元素、より正確には化合物(A)によりもたらされる金属元素である。
【0041】
本発明の方法において使用される組成物は、周期律表の第VIII族、第IB族および/または第IIB族の金属から選ばれる1つまたは複数の金属元素を含んでよい。
【0042】
アルミナおよび/または水和アルミナ上、あるいはアルミナおよび/または水和アルミナ中への金属元素の導入は、当業者に公知のあらゆる方法により行われてよい。この導入は、好ましくはアルミナおよび/または水和アルミナ上への1つまたは複数の金属元素の担持により行われる。
【0043】
金属元素の導入は、例えば少なくとも1つの金属元素を含む少なくとも1つの化合物(A)を用いて既に調製されていたアルミナおよび/または水和アルミナの含浸により、あるいはアルミナおよび/または水和アルミナの成形の下流またはこの成形中に少なくとも1つの金属元素を含む少なくとも1つの化合物(A)と、このアルミナおよび/または水和アルミナとの混合により行われてよい。
【0044】
さらにアルミナおよび/または水和アルミナ中へのドーパント元素の導入は、アルミナおよび/または水和アルミナと、少なくとも1つの金属元素を含む少なくとも1つの化合物(A)との共沈殿により行われてよい。
【0045】
含浸による導入の場合、この導入は、アルミナおよび/または水和アルミナと、酸化物または塩または前駆体の1つの形態で少なくとも1つのドーパント元素を含む溶液、ゾルまたはゲルとの接触による公知方法で行われてよい。
【0046】
操作は、一般に少なくとも1つのドーパント元素の少なくとも1つの前駆体の溶液の一定容積中でのアルミナおよび/または水和アルミナの浸漬(trempage)により行われる。ドーパント元素の前駆体の溶液として、少なくとも1つの塩の溶液、あるいは1つまたは複数のドーパント元素の少なくとも1つの化合物の溶液を意味する。これら塩および化合物は、熱分解可能である。
【0047】
溶液の塩濃度は、アルミナおよび/または水和アルミナ中に導入すべきドーパント元素、並びに所期のドーパント最終含有量に応じて選ばれる。
【0048】
ドーパント元素の含浸面積は、溶液の吸着された容積により測定される。従って、ドーパント元素の吸着された容積は、含浸すべきアルミナおよび/または水和アルミナの総細孔容積に等しい。さらにアルミナおよび/または水和アルミナを、ドーパント元素の前駆体溶液中にこのアルミナおよび/または水和アルミナを浸漬することにより含浸することが可能であり、また水切りにより過剰溶液を除去することも可能である。
【0049】
好ましい実施の形態によれば、ドーパント元素は、乾式含浸、すなわち含浸が、過剰物を伴わないで前記含浸に必要なちょうどの容積の溶液を用いて行われる。
【0050】
周期律表の第VIII族、第IB族および/または第IIB族の金属から選ばれる少なくとも1つの金属元素を、アルミナおよび/または水和アルミナ中に導入するのに役立つ化合物(A)は、有機化合物または無機化合物から選ばれてよい。これら化合物(A)は、好ましくは無機化合物から選ばれる。
【0051】
無機化合物として、より特別には無機塩、例えば炭酸塩、重炭酸塩、シアン化物、シアネート、水酸化物、硫酸塩および硝酸塩が指定される。
【0052】
先に記載されたように、前記化合物が、
・第VIII族の金属:鉄およびニッケルと、
・第IB族の金属:銅と、
・第IIB族の金属:亜鉛と
から選ばれる少なくとも1つの金属元素を含む。
【0053】
化合物(A)は、好ましくは単独または混合物状で硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、鉄、ニッケル、銅および亜鉛から選ばれる。
【0054】
本発明による方法において使用される組成物は、1つまたは複数の化合物(A)の導入後にアルミナおよび/または水和アルミナを熱処理に付すことにより得られる。熱処理は、1つまたは複数のドーパント元素の種類に応じて決定される温度で行われる。
【0055】
アルミナおよび/または水和アルミナが使用される。このアルミナおよび/または水和アルミナは、前述の少なくとも1つの金属元素を含む少なくとも1つの化合物(A)の導入後に、温度少なくとも100℃で熱処理されてよい。この熱処理は、好ましくは温度150〜600℃、より好ましくは200〜550℃で行われてよい。
【0056】
熱処理の期間は、それ自体として決定的ではない。この期間は、温度に依存する。一般に温度が上昇すれば、処理期間が短縮される。
【0057】
1つまたは複数の化合物(A)の導入の際、化合物の溶液濃度は、1つまたは複数の金属元素の全体重量含有量が、組成物の全体重量に対して多くとも35重量%、より特別には多くとも25重量%であるように選択される。
【0058】
【発明の実施の形態】
この含有量は、組成物の全体重量に対して少なくとも0.005重量%(50重量ppm)、好ましくは少なくとも0.5重量%である。金属元素は、鉄ではない。
【0059】
金属元素のうちの少なくとも1つが鉄である場合、鉄の全体重量含有量は、組成物の全体重量に対して少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも0.7重量%である。
【0060】
1つまたは複数の金属元素の全体重量含有量が、組成物の全体重量に対して特別には0.5〜20重量%、より特別には0.7〜15重量%である。
【0061】
アルミナおよび/または水和アルミナの重量含有量は、組成物の全体重量に対して特別には少なくとも35重量%である。
【0064】
アルカリ、アルカリ土類および希土類から選ばれる少なくとも1つの元素を、アルミナおよび/または水和アルミナ中に導入するのに役立つ化合物(B)は、有機化合物または無機化合物から選ばれてよい。これら化合物は、好ましくは無機化合物から選ばれる。
【0065】
無機化合物として、より特別には無機塩、例えば炭酸塩、重炭酸塩、シアン化物、シアネート、水酸化物および硝酸塩が指定される。
【0066】
先に記載されていたように、化合物(B)は、アルカリ、特にリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムと、アルカリ土類、特にマグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムと、希土類、特にセリウム、プラセオジムおよびランタンとから選ばれる少なくとも1つの元素を含む。
【0067】
本発明の特別な実施の形態によれば、化合物(B)は、好ましくはナトリウムおよびカリウムの硝酸塩、水酸化物、炭酸塩および重炭酸塩である。
【0068】
アルミナおよび/または水和アルミナ上またはアルミナおよび/または水和アルミナ中へのアルカリ、アルカリ土類および希土類元素の導入は、特に上述された当業者に公知のあらゆる方法により行われてよい。
【0069】
化合物(A)および化合物(B)は、アルミナおよび/または水和アルミナの成形の間および/または該成形後に、上流に添加されてよい。
【0070】
しかしながら、化合物(A)および化合物(B)は、異なる3つの手段に応じて導入されてよい。
【0071】
第一手段は、好ましい手段であり、
(i)まず1つまたは複数の化合物(B)を、好ましくは含浸により、次いで温度100℃以上で行われる熱処理によりアルミナおよび/または水和アルミナに導入すること、
(ii)次いで1つまたは複数の化合物(A)を、好ましくは含浸により、次いで温度100℃以上での新規熱処理により(i)で得られたアルミナおよび/または水和アルミナに導入すること
により得られる組成物を使用することからなる。
【0072】
より特別には、この第一手段によれば、
(i)まず1つまたは複数の化合物(B)を、好ましくは含浸により、次いで温度200〜1200℃、好ましくは300〜1000℃で行われる熱処理によりアルミナおよび/または水和アルミナに導入すること、
(ii)次いで1つまたは複数の化合物(A)を、好ましくは含浸により、次いで温度150〜600℃、好ましくは200〜550℃での新規熱処理により(i)で得られたアルミナおよび/または水和アルミナに導入すること
により得られる組成物を使用する。
【0073】
第二手段は、
(i)まず1つまたは複数の化合物(A)を、好ましくは含浸により、次いで温度100℃以上での第一熱処理によりアルミナおよび/または水和アルミナに導入すること、
(ii)次いで1つまたは複数の化合物(B)を、好ましくは含浸により、次いで温度100℃以上で行われる熱処理により(i)で得られたアルミナおよび/または水和アルミナに導入すること
により得られる組成物を使用することからなる。
【0074】
より特別には、この第二手段により、
(i)まず1つまたは複数の化合物(A)を、好ましくは含浸により、次いで温度150〜600℃、好ましくは200〜550℃での第一熱処理によりアルミナおよび/または水和アルミナに導入すること、
(ii)次いで1つまたは複数の化合物(B)を、好ましくは含浸により、次いで温度200〜1200℃、好ましくは250〜1000℃で行われる熱処理により(i)で得られたアルミナおよび/または水和アルミナに導入すること
により得られる組成物を使用する。
【0075】
第三手段は、化合物(A)および化合物(B)を、好ましくは含浸により、次いで温度100℃以上で行われる熱処理によりアルミナおよび/または水和アルミナに同時に導入することにより得られる組成物を使用することからなる。
【0076】
より特別には、この第三手段により、化合物(A)および化合物(B)を、好ましくは含浸により、次いで温度150〜1200℃、好ましくは200〜1000℃で行われる熱処理によりアルミナおよび/または水和アルミナに同時に導入することにより得られる組成物を使用する。
【0077】
導入操作を、同じアルミナおよび/または水和アルミナを用いて繰り返すことは可能であり、またいくつかの化合物(A)と、必要であればいくつかの化合物(B)とを連続的に同じアルミナおよび/または水和アルミナに導入することも可能である。
【0078】
選ばれる導入手段が、どのようなものであっても、アルカリ、アルカリ土類および希土類元素の全体重量含有量は、組成物の全体重量に対して0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜40重量%である。
【0079】
アルカリ、アルカリ土類および希土類元素の全体重量含有量が、組成物の全体重量に対して1〜40重量%、より特別には1.5〜25重量%である。
【0080】
1つまたは複数のドーパント元素の種類とは無関係に、最終組成物の比表面積は、少なくとも1m/g、好ましくは少なくとも5m/g、より好ましくは15m/gを越えるものである。
【0081】
本発明による方法は、より特別にはガスまたは液体中に存在する一般に塩素化合物の除去を目的とし、より特別にはHClの除去を目的とする。
【0082】
従って、特別には最終組成物は、組成物の全体重量に対して第VIII族、第IB族および第IIB族の金属元素を全体重量含有量で多くとも35%含み、かつアルカリ、アルカリ土類および希土類元素を1.5〜25重量%含むことを特徴とする。
【0083】
さらに、別の特別な仕様では、最終組成物は、組成物の全体重量に対して第VIII族、第IB族および第IIB族の金属元素を全体重量含有量で多くとも25%含み、かつアルカリ、アルカリ土類および希土類元素を1〜40重量%含むことを特徴とする。
【0084】
本発明の方法が、再生接触リフォーミングまたは新規生成リフォーミングの下流において介在する場合には、HClの除去により、同様に流体中に存在する塩素化オリゴマーの生成すなわち" 緑油" の実質的な削減および/または除去が伴われる。
【0085】
先に記載されたように、接触リフォーミングの出口で、ガス流出物は、大半において水素、飽和炭化水素、(再生接触リフォーミングにおける)不飽和炭化水素の痕跡、ハロゲン化合物の痕跡および水から構成される。流出物が水を含む場合、水の容積含有量は、一般に装置の圧力で1〜50ppmである。これらの条件下に、HClの容積含有量は、例えば多くの場合、0.2〜30ppmである。
【0086】
本発明による方法は、水を除去されたガス中または液体中に含まれるハロゲン化合物の除去に適するのと同様に、水を含むガス中または液体中に含まれるハロゲン化合物の除去にも適する。
【0087】
水の除去としては、装置の圧力下での1ppm未満の水含有量を意味する。
【0088】
【発明の実施の形態】
次の実施例は、本発明を例証するが、何らその範囲を限定するものではない。[実施例]
試料の調製
表1には、種々の試料(組成物)を記載し、それらの調製条件を要約した。
【0089】
試料1のアルミナは、ドーピングを用いないで得られる酸化物であった。その残渣ナトリウム割合を、使用される原料(ハイドラーギライト)により説明した。このハイドラーギライトは、バイヤー(Bayer)のサイクルに由来した。
【0090】
あらゆる他の試料(組成物)を、試料1のアルミナの乾式と称する含浸により調製した。試料1のアルミナの使用されるロットは、比表面積349m/gを示した。含浸後、乾燥を100℃で一晩確実に行い、次いで表1に示される温度で焼成工程をすぐに行った。さらに表1に、アルミナの含浸を行うために使用される前駆体を示した。
【0091】
試料1および試料2は、先行技術による比較試料であった。
【0092】
試料3〜試料8は、本発明による組成物に一致した。
【0093】
試料6〜試料8は、ナトリウムの第一含浸に次ぐ温度400℃(組成物6)または820℃(試料7および試料8)での焼成により生じた。その後、鉄の含浸が続いた。
【0094】
【表1】
検討した試料とその調製方法
Figure 0004264856
表中のa:最終組成物の比表面積
【0095】
HCl+HOの共吸着
HClの吸着実験を、常圧下にキャリア・ガスとしてヘリウムを用いるガス流下に常時維持される秤内で行った。
【0096】
ヘリウム(320ml/分)に、HCl−HO混合物(各々9400−500ppm)を添加した。
【0097】
280mg程度で秤内に配置した試料を、乾燥ヘリウム下に300℃で2時間予備処理した。実験自体は、温度を30℃に復帰して維持した後に開始した。
【0098】
【表2】
Figure 0004264856
表中のa:共吸着の場合には、留意される物質取得は、同時にHClの捕集と水の吸着とによるものである。
【0099】
HCl+HOの共吸着および「緑油」すなわち"green oil" の検出
「緑油」すなわち"green oil" の生成に関して、複数の検討された組成物について、クロロプロパンの第一段階においてプロピレンから有機塩素化物の生成を検出するために、特別な操作方法を開発した。
【0100】
これを行うために、検討される組成物10gを、50℃に維持される反応器内に24時間配置した。プロピレン2gとHCl 12ミリモルとを含む水素が、この反応器を通って閉鎖回路で流通した。
【0101】
ガス相の検査を、赤外線(1300cm-1のバンド)により現場で行った。物質の分光法による分布により、クロロプロパンの場合による出現を追跡することが可能になった。
【0102】
これらの条件下に、試料1および試料2が使用される場合にクロロプロパンが生成されるのに、試料5、試料6および試料8については同様ではなかった。
【0103】
4時間の実験の終了時に、赤外線により測定される、試料6により示されたHClの吸着能は、34%であった。
【0104】
この場合、補足的実験を、同じ操作条件下に確実に行ったが、HClを8ミリモル伴っただけであった。
【0105】
試料8は、48時間の実験の終了時に、26%(赤外線による分布)のHClの吸着能を示した。

Claims (24)

  1. ガス中または液体中に含まれるハロゲン化合物の除去方法において、ガスまたは液体を、組成物の全体重量に対して少なくとも35重量%の、バイヤー法による水和物の急速な脱水により得られるアルミナおよび/または水和アルミナと、該アルミナおよび/または水和アルミナ上に担持される、組成物の全体重量に対して多くとも45重量%の金属元素の全体重量含有量で周期律表の第VIII族、第IB族および/または第IIB族の金属から選ばれる少なくとも1つの金属元素を含む少なくとも1つの化合物(A)と、アルカリ、アルカリ土類および希土類から選ばれる少なくとも1つの元素を含む少なくとも1つの化合物(B)とをベースとする組成物に接触させることを特徴とするハロゲン化合物の除去方法。
  2. 組成物の全体重量に対して多くとも45重量%の金属元素の全体重量含有量で周期律表の第VIII族、第IB族および/または第IIB族の金属から選ばれる少なくとも1つの金属元素を含む組成物の重量補充物が、大半においてアルミナおよび/または水和アルミナを含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 化合物(A)が、
    ・第VIII族の金属:鉄およびニッケルと、
    ・第IB族の金属:銅と、
    ・第IIB族の金属:亜鉛と
    から選ばれる少なくとも1つの金属元素を含むことを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 化合物(A)が、第VIII族の少なくとも1つの金属元素を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. アルミナおよび/または水和アルミナを使用し、このアルミナまたは水和アルミナが、少なくとも1つの化合物(A)の導入後に温度少なくとも100℃で熱処理されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 熱処理が、温度150〜600℃で行われることを特徴とする、請求項5記載の方法。
  7. 金属元素または複数の金属元素の全体重量含有量が、組成物の全体重量に対して多くとも35重量%であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 組成物中の金属元素または複数の金属元素の全体重量含有量が、組成物の全体重量に対して少なくとも0.005重量%(50重量ppm)であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 金属元素のうちの少なくとも1つが鉄である場合、鉄の全体重量含有量が、組成物の全体重量に対して少なくとも0.1重量%であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
  10. 金属元素または複数の金属元素の全体重量含有量が、組成物の全体重量に対して0.5〜20重量%であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. 化合物(B)が、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、セリウム、プラセオジムおよびランタンから選ばれる少なくとも1つの元素を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
  12. (i)まず1つまたは複数の化合物(B)を、含浸により、次いで温度100℃以上で行われる熱処理によりアルミナおよび/または水和アルミナに導入すること、
    (ii)次いで1つまたは複数の化合物(A)を、含浸により、次いで温度100℃以上での新規熱処理により(i)で得られたアルミナおよび/または水和アルミナに導入すること
    により得られる組成物を使用することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
  13. (i)まず1つまたは複数の化合物(B)を、含浸により、次いで温度200〜1200℃で行われる熱処理によりアルミナおよび/または水和アルミナに導入すること、
    (ii)次いで1つまたは複数の化合物(A)を、含浸により、次いで温度150〜600℃での新規熱処理により(i)で得られたアルミナおよび/または水和アルミナに導入すること
    により得られる組成物を使用することを特徴とする、請求項12記載の方法。
  14. (i)まず1つまたは複数の化合物(A)を、含浸により、次いで温度100℃以上での第一熱処理によりアルミナおよび/または水和アルミナに導入すること、
    (ii)次いで1つまたは複数の化合物(B)を、含浸により、次いで温度100℃以上で行われる熱処理により(i)で得られたアルミナおよび/または水和アルミナに導入すること
    により得られる組成物を使用することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
  15. (i)まず1つまたは複数の化合物(A)を、含浸により、次いで温度150〜600℃での第一熱処理によりアルミナおよび/または水和アルミナに導入すること、
    (ii)次いで1つまたは複数の化合物(B)を、含浸により、次いで温度200〜1200℃で行われる熱処理により(i)で得られたアルミナおよび/または水和アルミナに導入すること
    により得られる組成物を使用することを特徴とする、請求項14記載の方法。
  16. 化合物(A)および化合物(B)を、含浸により、次いで温度100℃以上で行われる熱処理によりアルミナおよび/または水和アルミナに同時に導入することにより得られる組成物を使用することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
  17. 熱処理が、温度150〜1200℃で行われることを特徴とする、請求項16記載の方法。
  18. アルカリ、アルカリ土類および希土類元素の全体重量含有量が、組成物の全体重量に対して0.01〜50重量%であることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項記載の方法。
  19. アルカリ、アルカリ土類および希土類元素の全体重量含有量が、組成物の全体重量に対して1〜40重量%であることを特徴とする、請求項18記載の方法。
  20. 第VIII族、第IB族および第IIB族の金属元素の全体重量含有量が、多くとも35%であり、またアルカリ、アルカリ土類および希土類元素の全体重量含有量が、組成物の全体重量に対して1.5〜25重量%であることを特徴とする、請求項18または19記載の方法。
  21. 第VIII族、第IB族および第IIB族の金属元素の全体重量含有量が、多くとも25%であり、またアルカリ、アルカリ土類および希土類元素の全体重量含有量が、組成物の全体重量に対して1〜40重量%であることを特徴とする、請求項18または19記載の方法。
  22. 組成物に接触されるガスおよび/または液体が、水を除去されていることを特徴とする、請求項1〜21のいずれか1項記載の方法。
  23. 組成物に接触されるガスおよび/または液体が、水を含むことを特徴とする、請求項1〜22のいずれか1項記載の方法。
  24. 前記ハロゲン化合物が、塩素化合物であることを特徴とする、請求項1〜23のいずれか1項記載のガス中または液体中に含まれるハロゲン化合物の除去方法。
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