JP4264538B2 - 表示装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置の製造方法に係り、特に、2枚のパネル基板を貼り合わせた表示パネルを備える平面型表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空中におかれた金属等の導体あるいは半導体の表面に、ある閾値以上の電界を与えると、トンネル効果によって電子が障壁を通過し、常温時においても真空中に電子が放出される。この現象は電界放出(Field Emission)と呼ばれ、これによって電子を放出する素子は電界放出型素子(Field Emission Device)と呼ばれている。近年では、電界放出型の電子放出素子をエミッタとして用いたFED(Field Emission Display)が注目されている。FEDは、多数の電子放出素子がカソード基板上に半導体加工技術等を駆使して形成された表示パネルを備えるフラットディスプレイ装置(平面型の表示装置)である。このFEDでは、電気的に選択(アドレッシング)された電子放出素子から電界の集中によって電子を放出させるとともに、この電子をアノード基板側の蛍光体に衝突させて、蛍光体の励起・発光により画像を表示している。
【0003】
FEDの表示パネルは、その構造上、カソード基板とアノード基板とを微小なギャップを介して対向状態に配置し、その間のギャップ空間部を真空状態に封止している。そのため、カソード基板やアノード基板が大気圧に耐えられるよう、それらの基板の間にスペーサを介装し、このスペーサで両基板を支持している。FEDに用いられるスペーサとしては、長尺の薄板状に形成されたものが知られている。スペーサはアノード基板に組み付けられる。スペーサの寸法は、例えば、高さ寸法が1〜2mmで、厚み寸法が0.05〜0.1mmといった具合に非常にアスペクト比が高いものとなる。したがって、アノード基板上にはスペーサを起立状態に支持するために、例えば、微小な突起が形成されている。アノード基板へのスペーサの組み付け技術に関しては、例えば、板状のスペーサを採用したものでは下記特許文献1に記載された技術が知られており、柱状のスペーサを採用したものでは下記特許文献2に記載された技術が知られている。また、下記特許文献2には、円柱のスペーサ材料をアノード基板又はカソード基板に接合した状態で、当該スペーサ材料を所定の高さに切断する技術が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−156181号公報
【特許文献2】
特開平10−188787号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、板状のスペーサは、これを実際に製造してからアノード基板に組み付けるまでに、例えば、スペーサの検査や洗浄などの工程を経る。そうした場合、検査や洗浄のためにスペーサをハンドリングすると、そのハンドリング部分(ハンドリング用治具との接触部)でスペーサの表面に傷や汚れ、異物付着などの物理的欠陥部が発生し、そうした物理的欠陥部が表示装置(FED)の耐圧特性を劣化させる要因となる。すなわち、スペーサを挟んで対向するカソード電極とアノード電極との間に、カソード側から放出される電子ビームを加速するために所定の動作電圧(例えば、数kV)を加えると、上述したスペーサの物理的欠陥部で放電が起こりやすくなるため、耐圧特性の劣化を招く恐れがある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、表示パネルの内部に組み込まれるスペーサの表面に極力、物理的欠陥部(傷、汚れなど)を残さないようにすることができる表示装置の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る表示装置の製造方法は、第1のパネル基板と第2のパネル基板との間に介装される板状のスペーサの長手方向の一端又は両端に予め余剰部を設けておき、この余剰部を用いてスペーサを取り扱うとともに、第2のパネル基板にスペーサを組み付ける前又は組み付けた後にスペーサから余剰部を切除するものである。
【0008】
この表示装置の製造方法においては、したがって、第2のパネル基板にスペーサを組み付ける前又は組み付けた後にスペーサから余剰部を切除することにより、上記スペーサのハンドリングや洗浄による傷、汚れなどの付着箇所が余剰部と一緒に取り除かれることになる。そのため、表示パネルの内部に組み込んだ状態のスペーサには傷や汚れなどの付着箇所が残らない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明の方法が適用される表示装置の一例としてFEDの表示パネルの構成を示す断面図であり、図2はその表示パネルの構成を示す斜視図である。図1及び図2においては、平板状のカソード基板(カソードパネル)1と、同じく平板状のアノード基板(アノードパネル)2とを、所定の間隙を介して対向状態に配置するとともに、それら2つの基板1,2の間に長方形の枠体3を介装して一体的に組み付けることにより、画像表示のための一つのパネル構体(表示パネル)が構成されている。このうち、カソード基板1は本発明における第1のパネル基板に相当し、アノード基板2は本発明における第2のパネル基板に相当する。
【0011】
カソード基板1上には複数の電子放出部が形成されている。これら複数の電子放出部は、カソード基板1の有効領域(実際に表示部分として機能する領域)に2次元マトリックス状に多数形成されている。各々の電子放出部は、カソード基板1のベースとなる絶縁性の支持基板(例えば、ガラス基板)4と、この支持基板4上に積層状態で順に形成されたカソード電極5、絶縁層6及びゲート電極7と、ゲート電極7及び絶縁層6に形成されたゲートホール8と、このゲートホール8の底部に形成された電子放出素子9とによって構成されている。
【0012】
カソード電極5は、複数のカソードラインを形成するようにストライプ状に形成されている。ゲート電極7は、各々のカソードラインと交差(直交)する複数のゲートラインを形成するようにストライプ状に形成されている。ゲートホール8は、ゲート電極7に形成された第1の開口部8Aと、この第1の開口部8Aに連通する状態で絶縁層6に形成された第2の開口部8Bとから構成されている。電子放出素子9は、電子の放出源(エミッタ)となるもので、モリブデン(Mo)等の高融点金属を円錐状に形成した、いわゆるスピント型のエミッタ構造を有する。この電子放出素子9は、先ず、絶縁層6及びゲート電極7にそれぞれ開口部8A,8Bを形成した状態でゲート電極7上に例えばアルミニウムの斜め蒸着によって剥離層(不図示)を形成し、次いで、エミッタ材料となる高融点金属(Mo等)を垂直に蒸着することでホール開口径を徐々に縮めてゲートホール8の底部にエミッタ材料を円錐状に堆積させ、その後、不要なエミッタ材料を剥離層と一緒に取り除くことにより得られる。
【0013】
アノード基板2は、ベースとなる透明基板12と、この透明基板12上に形成された蛍光体層13及びブラックマトリックス14と、これら蛍光体層13及びブラックマトリックス14を覆う状態で透明基板12上に形成されたアノード電極15とを備えて構成されている。蛍光体層13は、赤色発光用の蛍光体層13Rと、緑色発光用の蛍光体層13Gと、青色発光用の蛍光体層13Bとから構成されている。ブラックマトリックス14は、各色発光用の蛍光体層13R,13G,13Bの間に形成されている。アノード電極15は、カソード基板1の電子放出素子と対向するように、アノード基板2の有効領域の全域に積層状態で形成されている。
【0014】
これらのカソード基板1とアノード基板2とは、それぞれの外周部(周縁部)で枠体3を介して接合されている。また、カソード基板1の無効領域(有効領域の外側の領域で、実際に表示部分として機能しない領域)には真空排気用の貫通孔16が設けられている。貫通孔16には、真空排気後に封じ切られるチップ管17が接続されている。ただし、図1は表示装置の組み立て完了状態を示しているため、チップ管17は既に封じ切られた状態となっている。また、図1及び図2においては、各々の基板1,2間のギャップ部分に介装される真空耐圧用のスペーサの表示を省略している。
【0015】
上記構成のパネル構造を有する表示装置においては、カソード電極5に相対的な負電圧が走査回路18から印加され、ゲート電極7には相対的な正電圧が制御回路19から印加され、アノード電極15にはゲート電極7よりも更に高い正電圧が加速電源20から印加される。かかる表示装置において、実際に画像の表示を行う場合は、カソード電極5に走査回路18から走査信号を入力し、ゲート電極7に制御回路19からビデオ信号を入力する。
【0016】
これにより、カソード電極5とゲート電極7との間に電圧が印加され、これによって電子放出素子9の先鋭部に電界が集中することにより、量子トンネル効果によって電子がエネルギー障壁を突き抜けて電子放出素子9から真空中へと放出される。こうして放出された電子はアノード電極15に引き付けられてアノード基板2側に移動し、透明基板12上の蛍光体層13(13R,13G,13B)に衝突する。その結果、蛍光体層13が電子の衝突により励起されて発光するため、この発光位置を画素単位で制御することにより、表示パネル上に所望の画像を表示することができる。
【0017】
図3は本発明の表示装置(FED)の製造方法を適用した場合の製造工程の一例を示すフローチャートである。図3において、カソード基板作成工程F11では、カソード電極5の形成(成膜、パターニング)、絶縁層6の形成(成膜)、ゲート電極7の形成(成膜、パターニング)、ゲートホール8の形成(孔開け)、電子放出素子9の形成などにより、カソード基板1を作成する。次いで、カソード基板検査工程F12では、カソード基板作成工程F11で作成されたカソード基板1に外観上或いは特性上の欠陥がないかどうかを検査する。
【0018】
一方、アノード基板作成工程F21では、ブラックマトリックス14の形成、蛍光体層13の形成、アノード電極15の形成(成膜)などにより、アノード基板2を作成する。次いで、アノード基板検査工程F22では、アノード基板作成工程F21で作成されたアノード基板2に外見上或いは特性上の欠陥がないかどうかを検査する。
【0019】
また、スペーサ作成工程F31では、板状のスペーサ材料(例えば、セラミックス)からの切り出しや表面研磨などにより、長尺で薄板状のスペーサを作成する。このスペーサ作成工程F31で作成されるスペーサの外観図を図4(A)〜(C)に示す。なお、図中の符号Pは、後述する余剰部を切除する際の切り離し位置を示す。
【0020】
図4(A)においては、スペーサ21は、正面から見ると、ほぼ横長の長方形に形成されている。また、スペーサ21の長手方向の両端には切欠による段付き部分が形成され、この段付き部分を境にそれぞれ余剰部22,22が一体構造で設けられている。各々の余剰部22は、もともとFEDの表示パネル内でスペーサ機能を果たすために設けられた部分ではなく、FEDの製造工程でスペーサ21の取り扱いを容易にするためのダミー(スペーサ無効エリア)として設けられたものである。よって、スペーサ21の長手方向で、スペーサ機能を果たす部分(以下、スペーサ機能部とも記す)21Aは、スペーサ両端の余剰部22,22を除いた正面視長方形の部分(スペーサ有効エリア)となる。
【0021】
図4(B)においては、スペーサ機能部21Aと余剰部22との境界位置を示す段付き部分に、スペーサ21の短手方向に沿ってブレイクライン(切り込み線)BLが形成されている。このブレイクラインBLは、スペーサ21の一面又は両面に、スペーサ21の厚み寸法よりも深さの浅い細溝によって直線状に形成されている。
【0022】
図4(C)においては、スペーサ21が長手方向にわたって一様の幅で形成されるとともに、その長手方向でスペーサ機能部21Aと余剰部22との境界に上記同様の形態でブレイクラインBLが形成されている。
【0023】
その後、スペーサ検査工程F32では、スペーサ作成工程F31で作成されたスペーサ21に外観上の欠陥がないかどうかを検査する。続いて、スペーサ洗浄工程F33では、スペーサ検査工程F32で検査合格(良品)とされたスペーサ21の洗浄処理(例えば、ウェット洗浄)を行う。
【0024】
上記スペーサ検査工程F32及びスペーサ洗浄工程F33では、上述のようにスペーサ21の両端に設けられた余剰部22,22を用いてスペーサ21を取り扱う。具体的には、例えば、スペーサ検査工程F32でスペーサ21の外観検査を行う場合は、スペーサ21の両端に設けた余剰部22をハンドリング治具でハンドリング(把持)する。これにより、スペーサ機能部21Aがハンドリングによって傷つくことがなくなる。
【0025】
また、スペーサ洗浄工程F33でスペーサ21を洗浄する場合は、図5(A),(B)に示すような洗浄治具23を用いる。この洗浄治具23は、長方形の枠型に形成された治具本体24と、一対のスペーサ押さえ25,25とからなるもので、治具本体24の内周側で相対向する2辺部にはそれぞれ複数列にわたってスペーサ受け溝26が形成されている。洗浄治具23にスペーサ21をセットする際には、スペーサ両端の余剰部22,22をハンドリングし、この状態で治具本体24のスペーサ受け溝26に余剰部22を入れ込む。これにより、スペーサ21は、スペーサ機能部21Aが非接触の状態で治具本体24に支持される。さらに、一対のスペーサ押さえ25,25をスペーサ受け溝26の部分に被せることにより、治具本体24からのスペーサ21の脱落が防止される。このように洗浄治具23にスペーサ21をセットしたら、洗浄治具23と一緒にスペーサ21を洗浄槽(不図示)に投入してウェット洗浄する。これにより、洗浄後にスペーサ機能部21Aに汚れ、異物などが付着したまま残ることが皆無となる。
【0026】
その後、スペーサ切除工程F34では、スペーサ21の両端に設けられている余剰部22,22を切除する。上記図4(A)に示すスペーサ21の場合は、レーザーカッターを用いて図中矢印で示す位置Pをレーザ照射で切断することにより、スペーサ21の両端からそれぞれ余剰部22,22を切り離す。また、上記図4(B),(C)に示すスペーサ21の場合は、ブレイクラインBLの形成部位に局所的な応力(例えば、曲げ応力、剪断応力など)を加えることにより、スペーサ21の両端でそれぞれ余剰部22,22を折るように切除する。このブレイクラインBLを設けたものでは、特に大掛かりな設備を用いることなく、余剰部22,22を機械的に容易に切除することができる。
【0027】
このようにスペーサ21から余剰部22を切除することにより、スペーサのハンドリングや洗浄による傷、汚れなどの付着箇所が余剰部22と一緒に取り除かれるため、実質的にスペーサ機能部21Aだけをスペーサ21として残すことができる。
【0028】
また、スペーサ洗浄工程F33とスペーサ組み付け工程F41との間にスペーサ切除工程F34を設け、このスペーサ切除工程F34でスペーサ21から余剰部22を切除することにより、洗浄処理(ウェット洗浄)によってスペーサ機能部21A全体が清浄化されたスペーサ21を得ることができる。また、例えば、余剰部22を応力の印加によって切除するときに細かい微粒子が飛散する場合などでは、アノード基板2への微粒子の付着を回避することができる。
【0029】
その後、スペーサ組み付け工程F41では、図6に示すように、アノード基板2に複数のスペーサ21,…を組み付ける。アノード基板2のスペーサ取付部位には予めアノード基板作成工程S21でスペーサ支持用の微小な突起が複数形成されている。そして、スペーサ組み付け工程F41では、上記複数の突起の間にスペーサ21の長辺側の一端部を差し込むようにしてアノード基板2上にスペーサ21を組み付ける。このとき、各々のスペーサ21の長手方向は、アノード基板2の基板面に沿う方向となる。また、各々のスペーサ21は、アノード基板2の一辺部(通常は長辺部)に沿って互いに平行になるように組み付けられる。
【0030】
なお、図3の工程フローでは、スペーサ切除工程F34とスペーサ組み付け工程F41を別工程として示しているが、スペーサ組み付け工程F41の中で余剰部20の切除を行ってもよい。具体的には、スペーサ組み付け工程F41において、例えば真空吸着方式のスペーサ保持具(不図示)によりスペーサ21を保持した状態で、応力の印加等によりスペーサ21の両端から余剰部22を切除するものとしてもよい。この場合は、実際にスペーサ21がアノード基板2に組み付けられる直前に余剰部22が切除されるため、そこに至るまでの工程で余剰部22をスペーサのハンドリングや支持等に利用することができる。そのため、スペーサ機能部21Aにおける物理的欠陥部(傷、汚れ、異物付着など)の発生を極力防止することができる。
【0031】
続いて、基板貼り合わせ工程F42では、カソード基板1とアノード基板2とをスペーサ21を介して貼り合わせる。この基板貼り合わせ工程31においては、カソード基板検査工程F21で検査合格とされたカソード基板1と、アノード基板検査工程F22で検査合格とされかつスペーサ組み付け工程F41でスペーサ21が組み付けられたアノード基板2とを、図7に示すように、互いに対向させた状態で、相対的な位置を合わせつつ貼り合わせる。その際、例えば、アノード基板2の外周部には長方形の枠体3が取り付けられ、この枠体3の部分でカソード基板1とアノード基板2がフリットシールにより接合される。
【0032】
続いて、後工程F43では、上述のようにカソード基板1とアノード基板2とを貼り合わせて得られる表示パネルの内部を真空にするための排気処理や、チップ管17(図1参照)を封じ切るための処理、表示制御用回路18,19,20(図1参照)との電気的接続のためのTAB(Tape Automated Bonding)処理などが行われる。
【0033】
このように本実施形態に係る表示装置の製造方法では、スペーサ作成段階(F31)でスペーサの長手方向の両端に予めダミーとなる余剰部22,22を設け、この余剰部22,22を用いてスペーサ検査工程F32やスペーサ洗浄工程F33でスペーサ21を取り扱うことにより、スペーサ21のハンドリングや洗浄による傷、汚れなどの付着箇所を余剰部22,22に集約(制限)することができる。また、アノード基板2にスペーサ21を組み付ける前に余剰部22,22を切除することにより、スペーサ21のハンドリングや洗浄による傷、汚れなどの付着箇所を余剰部22,22と一緒に取り除くことができる。その結果、カソード基板1とアノード基板2とをスペーサ3を介して貼り合わせて表示パネルを構成したときに、スペーサ21の表面に傷や汚れなどの付着箇所が残ることがなくなる。
【0034】
なお、上記実施形態においては、スペーサ21の両端にそれぞれ余剰部22,22を設けるものとしたが、これ以外にも、図8(A)〜(C)に示すように、スペーサ21の一端に余剰部22を設けるようにしてもよい。この場合、スペーサ21の取り扱い方法として、例えば、図9に示すように、一対の開閉式のグリッパ27を用い、このグリッパ27で余剰部22を挟み込むことで、スペーサ機能部21Aに触れないようにスペーサ21を横向き又は縦向きに保持するものとすればよい。
【0035】
また、上記実施形態においては、アノード基板2にスペーサ21を組み付ける前に余剰部22を切除するものとしたが、例えば上記図4(A),(B)及び図8(A),(B)に示すスペーサ21を用いた場合は、余剰部22をアノード基板2から離間させた状態でスペーサ21をアノード基板2に組み付けることができる。そのため、この場合は、アノード基板2にスペーサ21を組み付けた後でも、スペーサ21から余剰部22を切除することが可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、スペーサの長手方向の一端又は両端に余剰部を設け、この余剰部を用いてスペーサを取り扱うことにより、スペーサのハンドリングや洗浄による傷、汚れなどの付着箇所が余剰部に集約され、かつスペーサからの余剰部の切除によって取り除かれるため、表示パネルの内部に組み込まれた状態のスペーサに上記付着箇所が残ることがなくなる。その結果、スペーサの物理的欠陥部による放電の発生とこれに伴う不要電子の放出を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法が適用される表示装置の一例としてFEDの表示パネルの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の方法が適用される表示装置の一例としてFEDの表示パネルの構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の表示装置(FED)の製造方法を適用した場合の製造工程の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の製造方法で用いられるスペーサの構造例を示す図である。
【図5】スペーサ洗浄工程で用いられる洗浄治具の構成を示す図である。
【図6】スペーサ組み付け工程を説明する図である。
【図7】基板貼り合わせ工程を説明する図である。
【図8】本発明の製造方法で用いられるスペーサの他の構造例を示す図である。
【図9】グリッパによるスペーサの保持状態を示す図である。
【符号の説明】
1…カソード基板、2…アノード基板、21…スペーサ、22…余剰部、23…洗浄治具、BL…ブレイクライン
Claims (4)
- 第1のパネル基板と第2のパネル基板との間に介装される板状のスペーサの長手方向の一端又は両端に予め余剰部を設けておき、この余剰部を用いて前記スペーサを取り扱うとともに、
前記第2のパネル基板に前記スペーサを組み付ける前又は組み付けた後に前記スペーサから前記余剰部を切除する
ことを特徴とする表示装置の製造方法。 - 前記第2のパネル基板に前記スペーサを組み付ける前でかつ前記スペーサを洗浄した後に、当該スペーサから前記余剰部を切除する
ことを特徴とする請求項1記載の表示装置の製造方法。 - 前記スペーサの作成段階で、前記余剰部との境界位置にブレイクラインを形成しておく
ことを特徴とする請求項1記載の表示装置の製造方法。 - 前記第2のパネル基板に前記スペーサを組み付ける際に用いられるスペーサ保持治具により前記スペーサを保持した状態で、当該スペーサから前記余剰部を切除する
ことを特徴とする請求項2記載の表示装置の製造方法。
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