JP4263683B2 - 反射防止膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は反射防止膜の製造方法に関し、さらに詳しくは、コロイド多重粒子構造を用いた反射防止膜の製造方法に関する。
反射防止膜は、基板表面における反射と膜表面における反射が互いに相殺干渉を起こして全体構造の反射をなくす原理を用いた膜であって、光の反射による損失が素子の性能に大きく影響を与え得るディスプレーや太陽電池などに反射防止処理は必須的である。
光は、基板と空気などの屈折率差が急に生じるほど境界面におけるフレネル(Fresnel)反射が大きくなり、このような急な屈折率差を緩和するために、基板の表面に様々な有無機膜を導入することが反射防止膜の基本的な原理である。基板から空気側への屈折率分布が最大限漸進的に変わるほど各境界面における光の相殺干渉が効果的に起こるため、最終的な基板外郭における反射が最大限減少する効果をもたらす。
従って、サイン曲線形態の断面を有して、漸進的屈折率分布を有するモス・アイ構造が大きい反射防止効果を有することが知られている。
一般的な反射防止膜の製造方法は、基板の表面に多孔性有無機膜を大きく形成して基板と空気の屈折率差を減らす方法と、基板の表面に光干渉リソグラフィー(interferometric lithography)などを用いて漸進的屈折率を有する微細表面凹凸構造を形成する方法の2つに分けられる。
多孔性有無機膜を用いる場合は、微細表面凹凸構造を用いる方法に比べて、比較的容易に膜の形成が可能であるが、膜の表面または膜中における空隙のサイズ分布、すなわち、空気層の比率などを任意に調節することが容易でないため、反射防止の目的となる波長の光を選択および調節することが困難である。
反面、微細表面凹凸構造を用いた反射防止膜は、凹凸構造が膜全体の漸進的屈折率を誘導するので、高効率の反射防止膜の製造方法として知られているが、リソグラフィー工程や反応イオンエッチング工程にかかる製造コストのため、大きな表面積の基板や曲率を有する基板の場合には導入することが難しいという問題がある。
一方、非特許文献1に記載されているように、様々なサイズの粒子が混合されている高分子を基板上に一層コーティングして反射防止効果を得た場合があるが、この場合、膜の表面または膜中における空隙のサイズ分布、すなわち、空気層の比率などを任意に調節することが容易でないため、反射防止の目的となる波長の光を選択および調節することが難しいという問題がある。
Adv.Mater. 13, 51, 2001
本発明の目的は、従来の反射防止膜の製造方法では適用が困難であった大きな表面積や曲率を有する基板に対しても均一な膜として容易に導入可能であり、構造の再現性があって調節が容易であり、より低コストで製造可能な漸進的屈折率分布を有する微細表面凹凸構造を有する多重粒子層構造を用いた反射防止膜の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記のような問題を解決するために鋭意研究努力した結果、均一なサイズの高分子コロイド粒子を基板に垂直方向に粒子のサイズ順に積層する場合、上記の問題を解決でき、また、漸進的屈折率分布を有する反射防止膜の実現のために均一な膜から構成された多層構造を使用せず、静電気的引力を用いて異なるサイズのコロイド粒子を強く付着させることによって、物理的安全性を有する反射防止膜を製造できることを発見し、本発明を完成した。
発明に係る反射防止膜の製造方法は、高分子電解質溶液に基板を繰り返し浸漬して前記基板表面に陽電荷または陰電荷を導入する第1工程と、前記陽電荷または陰電荷が導入された基板を、均一なサイズを有し、かつ前記基板とは反対の電荷を帯びている第1コロイド粒子が分散された溶液に浸漬して、前記第1コロイド粒子を基板に付着させる第2工程と、前記第2工程で前記基板に付着させた前記第1コロイド粒子の表面上部にのみ平板形スタンプを用いて前記第1コロイド粒子と反対の電荷を転移させる第3工程と、前記第3工程で前記第1コロイド粒子と反対の電荷が転移された前記第1コロイド粒子が付着している前記基板を、前記第2工程で用いられた前記第1コロイド粒子よりも小さいサイズの第2コロイド粒子が分散された溶液に浸漬して、前記第1コロイド粒子の表面上部にのみ前記第2コロイド粒子を付着させる第4工程とを含み、漸進的な屈折率分布を有する反射防止膜を製造する。
本発明に係る反射防止膜は、様々なサイズの高分子コロイドをサイズが大きいものから順次積層して製造した反射防止膜であって、コロイド粒子層構造間の接着力を増加させるために、異種電荷を有する高分子電解質に浸漬した平板形スタンプを用いてコロイド粒子の表面上部にのみ選択的にコロイド粒子と反対の電荷を導入することによって、コロイド粒子の積層を可能にした。
本発明の製造方法によれば、従来の光干渉リソグラフィーを用いた方法に比べて簡単な方法で表面微細構造を必要とする反射防止膜を容易に製造できる。
さらに、基板に導入されるコロイド粒子のサイズと導入される層数、基底膜の形成時の高分子電解質水溶液上の塩の濃度などを調節することによって、反射防止の目的となる光波長領域を容易に調節できる。また、曲率を有する表面およびそれを含む大表面積の反射防止膜の製造にもすべて容易に適用できる方法である。
本発明の反射防止膜は、発光素子、受光素子、光導波路および光ファイバーなどに至る大部分の反射防止膜が要求される光学系および光通信システムに幅広く適用できる上に、太陽電池、ディスプレー用素子など、その応用分野が非常に大きい。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本実施形態は、基板上に、これとは異種の電荷を有し、かつ均一なサイズを有するコロイド粒子(第1コロイド粒子)を単層付着し、平板形スタンプでコロイド粒子の表面に異種の電荷を与えた後、上記のコロイド粒子の表面上部にこれより粒子サイズが小さく、均一なコロイド粒子(第2コロイド粒子)を基板と垂直方向に積層することによって、基板表面における反射と上記のコロイドが積層された構造から生じる反射が互いに相殺干渉を起こして全体構造の反射を最小化でき、大きな表面積や曲率を有する基板に対しても均一な膜として容易に導入可能であり、構造の再現性があって調節が容易であり、より低コストで製造可能な漸進的屈折率分布を有する微細表面凹凸構造を有する多重粒子層構造を用いた反射防止膜およびその製造方法である。
以下、本実施形態を主に製造方法の面で具体的に説明する(図1参照)。
本発明の技術思想を具現化するために、陽電荷で荷電された基板と、水溶液上で陰電荷を有するポリスチレンをコロイド粒子として用いて反射防止膜を製造する具体的な実施形態を例として本発明を具体的に説明するが、これは本発明を説明するための一実施形態であり、本発明はこれに限定されるものではないことを明らかにする。
まず、第1工程は、陽電荷を有する高分子電解質溶液と陰電荷を有する高分子電解質溶液に基板を繰り返し浸漬して表面に陽電荷または陰電荷を導入する工程である。
本実施形態では、異種の電荷で荷電された基板とコロイド粒子の静電気的引力の作用によって上記のコロイド粒子を基板に付着させるので、最終的に基板とコロイド粒子は各々異なる種類の電荷で荷電される。
上記の基板を互いに異種の電荷、すなわち、反対の電荷を有する高分子電解質を繰り返して一層ずつ(layer by layer)吸着させることによって、次の工程で基板上に付着するコロイド粒子と基板との間の付着力を高めることができる。また、基板に電荷を与えるために用いられる高分子電解質溶液中に含まれているイオンを含有する塩の種類および濃度を異ならせて調節することによって、付着するコロイド粒子間の間隔を調節し、コロイド粒子の間隔は、反射防止膜の用途およびコロイドの種類などによって当業者が必要に応じて調節可能である。
反射防止膜として用いられる微細凹凸構造は、各々の凹凸構造間の間隔が小さく、凹凸構造のアスペクト比(aspect ratio)が大きいほどさらに高い反射防止効果を有する。本実施形態においては、コロイド粒子を吸着させるために、まず2つの高分子電解質を用いて膜を形成させるが、このとき、各々の高分子電解質水溶液に含まれる塩(salt)の量を調節することによって、コロイド粒子間の間隔を調節できる。
上記の高分子電解質水溶液に含まれ得る塩としては、Na、Ca2+、Mg2+、K、Cl、OH2−、I2−などのイオンを含む塩などが挙げられ、上記のイオンを含有する塩の種類および濃度を調節することでコロイド粒子間の間隔を調節できる。
上記の基板としては、一般に当業界で慣用のものを使用してもよく、基板の選択使用は本実施形態における技術思想に大きい意義はないが、具体的に、たとえば、ガラス基板、シリコンウエハ、ITOおよびポリエチレンフィルムなどを使用できる。
上記の陽電荷を有する高分子としては含窒素高分子を使用でき、具体的に、たとえば、ポリ(アリルアミンヒドロクロリド)、ポリジアリールジメチルアンモニウムクロリド、ポリリジンおよびポリエチレンイミンから選ばれたものを使用できる。
上記の陰電荷を有する高分子としては、カルボン酸基、スルホン酸基、硝酸基およびリン酸基などを含有する高分子を使用できる。
上記の陽電荷を有する高分子の一つであるポリ(アリルアミンヒドロクロリド)(以下、「PAH」と略する)は下記式(1)で表わすことができ、陰電荷を有する高分子の一つであるポリ(スチレンスルホン酸)(以下、「PSS」と略する)は下記式(2)で表わすことができる。
Figure 0004263683
…(1)
Figure 0004263683
…(2)
第2工程は、上記の第1工程において陽電荷または陰電荷が導入された基板を、均一なサイズのコロイド粒子(第1コロイド粒子)が分散された溶液に浸漬して上記のコロイド粒子を基板に付着する工程である。
この際、基板の最外郭に与えられた電荷の種類と反対の電荷を有するコロイド粒子が分散された水溶液に上記の基板を浸漬してコロイド粒子を付着させる。上記の水溶液に基板を浸漬する時間は、コロイド粒子の種類と基板に電荷を与えるために用いられた高分子電解質の種類、および最終的に製造される反射防止膜の用途によって異なるが、上記の時間が長くなりすぎる場合はコロイド粒子間に凝集現象や多層構造が現れるので注意しなければならない。
基板に付着するコロイド粒子のサイズが大きくなるほど短波長における光散乱が顕著になり、最大光透過率を示す波長が長波長領域に移動する結果を示すが、これは単にコロイド粒子のサイズを変えることによって、反射防止の目的となる波長を調節できることを意味する。
上記のコロイド粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリカ(SiO)、二酸化チタン(TiO)、金(Au)、銀(Ag)およびシリコン(Si)から選ばれた粒子を使用できる。
第3工程は、上記の第2工程で基板に付着したコロイド粒子の表面上部に平板形スタンプを用いてコロイド粒子と異種の電荷を転移させる工程である。
上記の平板形スタンプは、コロイド粒子の表面上部にのみ異種の電荷を与えるために使用するもので、本発明では一般に多く用いられるポリジメチルシロキサン(PDMS)スタンプを使用するが、これに限定されるものではない。
上記の平板形スタンピング工程以降は、上記のコロイド粒子は平板形スタンプと接触した部分にのみ電荷が転移されてコロイドと反対の電荷で荷電され、残りの部分は依然としてコロイド固有の電荷を浴びるので、以降小さいコロイドを吸着させた場合は静電気的引力によってスタンピングされた部分にのみ小さい粒子サイズのコロイドが選択的に付着するようになる。
すなわち、粒子サイズが100nmの均一なコロイド単層構造上に通常のディップコーティング(dip coating)法を用いて、これより粒子サイズが小さい50nmのコロイド粒子層を導入する場合、垂直方向の配列をなすよりは、2つのコロイド粒子が混じっている単層構造をなす可能性が高い。
本実施形態では、基板に均一なサイズを有するコロイド粒子を単層形成した後、平板スタンピングを適用することによって上記のような問題を解決し、均一なサイズの粒子層上に小さいコロイド粒子を付着させることに技術構成上の特徴がある。
最後に、第4工程は、上記の第3工程において陽電荷または陰電荷が転移されたコロイド粒子(第1コロイド粒子)が付着した基板を、上記の第2工程で用いられたコロイド粒子よりも小さいサイズのコロイド粒子(第2コロイド粒子)が分散された溶液に浸漬して、大きいコロイド粒子の表面上部に小さいコロイド粒子を付着させる工程である。
すなわち、本実施形態において達成しようとする漸進的屈折率分布特性を示す反射防止膜を製造するためのコロイド多重粒子層構造を具現するために、先に基板に付着したコロイド粒子よりも小さいコロイド粒子を選択的に付着させる。
この際、コロイド粒子は、基板に付着したコロイド粒子と同じ電荷を有するものを用い、粒子のサイズはこれより小さいものを用いる。この際、用いる粒子のサイズ選択は反射防止を目的とする光波長帯によって異なるが、通常、表面凹凸サイズの2.5倍程度の光波長領域から反射防止効果が示されるため、これによって調節可能である。たとえば、160nmサイズの粒子を用いる場合、可視光線領域である約400nmから反射防止効果を期待でき、上側に多層付着する小さいサイズの粒子が160nmよりも小さい場合、さらに漸進的な屈折率分布を有するように選択できる。
すなわち、多層構造を製造した後、凹凸一つのアスペクト比(aspect ratio)が光透過度に影響を及ぼすが、粒子の層数が多くなり、全アスペクト比が大きくなるほど光透過度が増加するので、粒子のサイズはこれによって調節可能である。
本実施形態においてコロイド多重粒子層構造を有する反射防止膜は、2層またはそれ以上の層で積層でき、上記の平板形スタンプでコロイド粒子の表面上部に部分的にコロイド粒子間の電荷と反対の電荷を導入した後、小さいサイズの粒子を有するコロイド粒子が分散された溶液に浸漬する工程を繰り返し行うことによって可能である。一例として、2重積層して製造された反射防止膜は、電子顕微鏡で観察すると、まるで雪だるまのような形状の2重粒子層の構造として観察される(図4(a)参照)。
上記のように製造された本実施形態における反射防止膜は、従来の光リソグラフィーを用いて製造された微細凹凸構造とは多少異なる構造を示すが、光透過度においては類似する特性を示す。たとえば、2重層で製造した場合、上記のようにサイズが異なる2つのコロイド粒子層構造を個別化して考えると、従来の光リソグラフィーを用いて製造された微細凹凸構造の側面に切断して観察するとき、微細凹凸構造の下部(凹凸構造の凸部に該当する下部)と本発明の粒子サイズが大きいコロイド粒子の該当部分が同一に作用し、反対に、従来の微細凹凸構造の上部(凹凸構造の凸部に該当する上部)と本発明の粒子サイズが小さいコロイド粒子の該当部分が同一に作用し、漸進的な屈折率を有する構造と同じ原理で作用することになる。
言い換えれば、使用されるコロイド粒子のサイズによって、一般の光リソグラフィーを用いて製作した微細凹凸のように、空気層と凹凸構造が基板に垂直方向に100nm、50nmサイズのコロイド粒子が漸進的粒子配列を有するように導入されたが、この結果として、フィルム全体に漸進的屈折率分布を導入することができる。
2つのコロイド間の陽電荷を帯びる高分子電解質が静電気的接着剤の役割をするので、上記のように形成されたフィルムは数回の湿式工程を経てからも安定した状態を保持する。
上記のように形成された構造の微細形状は、走査電子顕微鏡(scanning electron microscopy, SEM)や原子間力顕微鏡(atomic force microscopy, AFM)などを用いて分析でき、低コストで容易に漸進的屈折率分布を有する高効率の反射防止膜を製造できるため、無反射コーティング処理を必要とする光学素子、半導体素子、太陽電池、光通信用およびディスプレー用素子、微小電気機械システム(micro electro mechanical system)などの技術分野に適用できる。
以下、本発明の実施形態を実施例によってさらに詳細に説明する。ただし、これらは本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲を制限しない。
(第1実施例)コロイド多重粒子層構造を有する反射防止膜の製造
第1工程:基板の最外郭への陽電荷の付与
陽電荷を有する高分子電解質としてポリ(アリルアミンヒドロクロリド)を用い、陰電荷を有する高分子電解質としてポリ(スチレンスルホン酸)を用いた。上記の高分子電解質を水溶液状態(濃度:1mg/ml、0.5MのNaClを含む)で準備した後、基板(ガラス基板)を浸漬して基板表面に1層ずつ(Layer by Layer)吸着させるが、基板の最外郭は陽電荷で荷電させた。
第2工程:陰電荷を有する粒子のサイズが大きいコロイド粒子の付着
上記の陽電荷が与えられた基板を、平均粒子のサイズが均一(100nm、200nm)なポリスチレンコロイド粒子が分散された水溶液中に1時間浸漬して均一な粒子サイズを有するコロイド粒子を単層付着した。
図2は、使用されたコロイドのサイズ変化による光透過度の変化を示す図であって、曲線aはコロイド粒子をコーティングしていないガラス板、曲線bは100nmサイズのコロイド粒子が付着したガラス板、曲線cは200nmサイズのコロイド粒子が付着したガラスの光透過結果を各々示す。
上記の図2によれば、曲線bの場合はほとんど全可視光線領域において透明な膜が形成されたことが分かり、曲線cの場合は短波長領域における強い光散乱によってやや青色の乳白光を帯びることが分かる。しかし、曲線bと曲線cの場合のいずれも平均的に約4%以上の光透過度の増加を示し、使用されたコロイドのサイズが大きくなるほど短波長における光散乱が顕著になり、最大光透過率を示す波長が長波長領域に移動する結果を示すことが分かる。
これは単に、使用されたコロイド粒子のサイズを変化させることによって、反射防止の目的となる波長を調節できることを示す結果である。
図3(a)は、100nmサイズのコロイド粒子が付着した基板の走査電子顕微鏡(SEM)写真を示し、図3(b)は、光透過特性を示す図であって、各々のコロイド粒子間に静電気的斥力が作用するので、コロイド粒子はある程度の間隔(102A 5nm)を置いて隔てていることが分かる。図3(b)において、曲線aはコロイド粒子が付着していないガラス基板、曲線bは100nmサイズのコロイド粒子が片面に単層形成された基板、曲線cは100nmサイズのコロイド粒子が両面に単層形成された基板の光透過スペクトルを各々示す。
該コロイド粒子は膜全体で一定な間隔を示し、基板にコロイド粒子の吸着時間を約1時間に適宜調節することによって、コロイド粒子間の凝集現象や多層構造が現れないようにした。
この工程でコロイド粒子を基板に単層付着させる工程が終わると、膜の表面電荷が陽電荷から陰電荷に反転するので、それ以上の多層構造の吸着は起こらない。
このように形成された膜の光透過度は通常のガラス基板に比べて約4%程度の増加を示し、基板の両方にこのような反射防止処理を行った場合、約2.5%程度の追加的な増加を示した。
第3工程:コロイド粒子の表面上部への平板スタンピングによる陽電荷の導入
まず、ポリジメチルシロキサン(PDMS)で構成された平板状のスタンプを製造し、酸素プラズマ工程(35W、200m Torr)を導入して10〜30分間処理して疎水性スタンプの表面を酸素分子の導入で親水化した。
上記のように親水化処理されたPDMSスタンプを、陽電荷を有する高分子電解質(PAH)が1mg/1mlの濃度で溶解している水溶液中に約1時間浸漬してスタンプ表面に陽電荷を導入した。
上記の陽電荷が導入されたPDMSスタンプを上記の第2工程で製造されたコロイド粒子が単層付着した膜に接触させてスタンピングした。
第4工程:陰電荷を有する粒子のサイズが小さいコロイド粒子の付着
上記の第3工程のスタンピング工程が終わった基板を、50nmの均一な平均粒子サイズを有するポリスチレンコロイド粒子が分散された水溶液中に1時間浸漬し、上記の陽電荷が導入された100nmサイズのコロイド粒子の表面上部に付着した。
上記の第3工程のスタンピング工程が終わった後、上記の100nmサイズの各々のコロイド粒子はPDMSスタンプと接触した上部部分にのみPAH陽電荷が転移されて上部のみ陽電荷を帯び、残りの部分は依然としてコロイド固有の陰電荷を帯びているので、以降小さいコロイドを吸着させた場合、この上部の陽電荷部分にのみコロイドが選択的に付着するようになる。
図4(a)は、異なるサイズのコロイド粒子が二重層を形成して雪だるまの形状のようにみえる走査電子顕微鏡(SEM)写真を示し、図4(b)は光透過特性を示す図であって、図4(b)において、曲線aはコロイド粒子が付着していないガラス基板、曲線bはコロイド粒子層が二層構造で片面に形成された基板の光透過スペクトル、曲線cはコロイド粒子層が二層構造で両面に形成された基板の光透過スペクトルを各々示す。
(第2実施例)塩濃度によるコロイド粒子間の間隔調節
基板にコロイド粒子を吸着させるために、まず2つの高分子電解質を用いて基板上に膜を形成するとき、各々の高分子電解質水溶液に含まれる塩(salt)の量を調節することによって、コロイド間の間隔を調節できた。
図5(a)および(b)は、それぞれ、上記のような塩(NaCl)の濃度が1Mの場合と2Mの場合の水溶液の単層構造の走査電子顕微鏡(SEM)写真であり、コロイド粒子間の距離変化を示す。
水溶液上のNaCl濃度が高くなるほどコロイド粒子間の間隔が減少し、表面に付着するコロイド粒子の量が多くなることが分かる。
本発明は、コロイド多重粒子構造を用いた反射防止膜およびその製造方法に利用でき、無反射コーティング処理を必要とする光学素子、半導体素子、太陽電池、光通信用およびディスプレー用素子、微小電気機械システムなどにおける反射防止膜およびその製造方法に利用できる。
本発明の多重粒子層構造を有する反射防止膜の製造方法を簡単に示す概念図である。 コロイド粒子が付着していないガラス基板(曲線a)、実施例の第2工程で製造されたものであって、100nmサイズのコロイド粒子が単層形成された基板(曲線b)および200nmサイズのコロイド粒子が単層形成された基板(曲線c)の光透過スペクトルである。 図3(a)は実施例の第2工程で製造された100nmサイズのコロイド粒子が単層形成された基板の走査電子顕微鏡(SEM)写真であり、図3(b)はコロイド粒子が付着していないガラス基板(曲線a)、実施例の第2工程で製造された100nmサイズのコロイド粒子が片面に単層形成された基板の光透過スペクトル(曲線b)、実施例の第2工程で製造された100nmサイズのコロイド粒子が両面に単層形成された基板(曲線c)の光透過スペクトルである。 図4(a)は実施例の第4工程で製造されたコロイド粒子層が二層構造で形成された基板の走査電子顕微鏡写真であり、図4(b)はコロイド粒子が付着していないガラス基板(曲線a)、実施例の第4工程で製造されたコロイド粒子層が二層構造で片面に形成された基板の光透過スペクトル(曲線b)および実施例の第4工程で製造されたコロイド粒子層が二層構造で両面に形成された基板の光透過スペクトル(曲線c)である。 図5(a)は基板の基底膜を形成するための高分子電解質溶液(NaCl)の塩濃度(1M、2M)によるコロイド粒子間の間隔変化を示す走査電子顕微鏡写真である。

Claims (4)

  1. 高分子電解質溶液に基板を繰り返し浸漬して前記基板表面に陽電荷または陰電荷を導入する第1工程と、
    前記陽電荷または陰電荷が導入された基板を、均一なサイズを有し、かつ前記基板とは反対の電荷を帯びている第1コロイド粒子が分散された溶液に浸漬して、前記第1コロイド粒子を基板に付着させる第2工程と、
    前記第2工程で前記基板に付着させた前記第1コロイド粒子の表面上部にのみ平板形スタンプを用いて前記第1コロイド粒子と反対の電荷を転移させる第3工程と、
    前記第3工程で前記第1コロイド粒子と反対の電荷が転移された前記第1コロイド粒子が付着している前記基板を、前記第2工程で用いられた前記第1コロイド粒子よりも小さいサイズの第2コロイド粒子が分散された溶液に浸漬して、前記第1コロイド粒子の表面上部にのみ前記第2コロイド粒子を付着させる第4工程と
    を含み、漸進的な屈折率分布を有する反射防止膜を製造する
    反射防止膜の製造方法。
  2. 前記第2工程、前記第3工程および前記第4工程を繰り返し行って、多重のコロイド粒子層を形成させることを特徴とする
    請求項1記載の反射防止膜の製造方法。
  3. 前記第1工程において前記高分子電解質溶液に含まれる陽電荷を有する高分子が含窒素高分子であることを特徴とする
    請求項1記載の反射防止膜の製造方法。
  4. 前記第1工程において前記高分子電解質溶液に含まれる陰電荷を有する高分子が、カルボン酸基、スルホン酸基、硝酸基またはリン酸基を含有する高分子であることを特徴とする
    請求項1記載の反射防止膜の製造方法。
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