JP4263468B2 - 位置測定装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、形材または案内用形材に設けられている溝部を用いて配設可能である目盛体を有する位置測定装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
このような様式の位置測定装置は、例えば、測定器、工作機械、金属加工機械、レーザ装置、位置決め装置、木材加工機械、実装自動機械、ハンドリング装置、溶接装置、腐食装置（Erodieranlage）、プレス機、せり上げ台、昇降機、等々においてのような多くの領域において使用される。
【０００３】
その他になお、この様式の位置測定装置は、リニアシャフト、リニアモータおよび移動ユニットにおける位置測定のために、使用領域を見出す。
【０００４】
その際に、多数の領域において、特に高い測定精度が要求され、この測定精度は、ナノメートルの範囲内に至るまでの状態にある。
【０００５】
測定データ検出における諸問題は、例えば、切削くず、冷却剤の噴霧、溶剤、油、油脂、水、および機械的な磨耗によって誘起される。
【０００６】
冒頭に記載した様式の長さ測定装置は公知であり、この長さ測定装置が、ノエシス（Noesis）社のカタログ「磁気的な長さ測定システム ＭＳ０１の技術的なハンドブック」において、文書化されている。その際に、使用された測定システムは、溝部内に組み込まれた目盛体、接続ケーブル、およびセンサーヘッドおよび評価電子機器から構成されている評価システムから成っている。このセンサーヘッドが目盛体１２の上を通過して移動される間に、このセンサーヘッドは、位置を検出する。このセンサーは、その際に、磁気的な場の情報を感知し、且つ、これら信号を、この評価電子機器に転送する。この評価電子機器は、これらインターフェースに適合したプロトコルのための信号を、精確な位置測定のために処理する。
【０００７】
公知の長さ測定装置において、問題は、この長さ測定装置が、取り外し可能にそれぞれに設けられた構造部材または機械装置内にまとめられている場合、これら長さ測定装置が、修理の場合において交換され得ないことにある。目盛体を、切削くず、冷却剤の噴霧、溶剤、油、油脂、水、および機械的な磨耗から保護するために、この目盛体は閉鎖されたスペース内にまとめられており、これらスペースが、破壊無しに、解体もしくは再組み立てのために開放され得ず、即ち、このスペースを囲繞する、特に測定軸線に沿っての部材が、公知の長さ測定装置の場合、再び完全に、もしくは後加工無しに使用可能ではない。
【０００８】
ドイツ連邦共和国特許公開第１９９ ３９ ６５９号明細書から、長さ測定装置が公知であり、この長さ測定装置において、目盛体は、可撓性の帯状体ユニットとして形成されており、この帯状体ユニットが、可撓性の、この目盛体を完全に囲繞する覆い部材によって囲繞されている。
【０００９】
ドイツ連邦共和国特許第１００ ６４ ７３４号およびドイツ連邦共和国特許第２０１ １０ ９０９号の優先権を有する、公表されていない国際公開第０２／０５２２２０号パンフレットにおいて、長さ測定装置が記載されており、この長さ測定装置において、ただ端面側でだけ外から取り扱い可能な管路が設けられており、この管路内に測定帯状体が収納可能であり、且つ固定可能である。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
従って、この公知技術を出発点として、本発明の根底をなす課題、即ち技術的な問題は、高い精度および信頼性の維持のもとで、経済的な製造、および簡単な交換を保障し、その際、同時に、案内用形材における溝部を製造するための加工費用が明確に減少され得る位置測定装置を提供することである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明により構成された目盛体を有する担持体は、請求項１において、提示されている。
【００１２】
有利な実施形態および更なる構成は、従属請求項の対象である。
【００１３】
本発明による位置測定装置は、有利な方法で、
成形体ユニットが設けられており、
この成形体ユニットが、断面において、中空成形体領域、および、２つの側方に突出した当接領域を有する被覆フランジを備えており、
その際、目盛体が、この中空成形体領域内に取り外し可能に設けられており、
この中空成形体領域が、溝部の開いている側面から、この溝部内へと、取り外し可能に固定可能に組み込み可能であり、
この目盛体の整向が、この溝部内に組み込まれる成形体ユニットにおいて、この溝部の上側の側縁部領域に対するこの成形体ユニットの突出した当接領域の当接によって行われることによって特徴付けられている。
【００１４】
この位置測定装置は、特に経済的な製造によって特徴付けられている。成形体ユニットは、別個に製造され得る。目盛体は、簡単な構造およびやり方で、この成形体ユニット内に組み込まれ、且つ修理の場合に、再びこの成形体ユニットから引き出される。特に大きな利点は、案内用形材内における溝底部が、極めて高い精密さでもって製造される必要がないことにある。何故ならば、この目盛体の整向は、溝部内において、被覆フランジの突出した当接領域の当接によって、上側で、溝部の側方の縁部領域内において行われるからである。この縁部領域は、溝底部に対して、基本的により僅かの費用でもって、高い精確さを有して製造可能である。
【００１５】
特に有利な実施形態は、成形体ユニットの中空成形体領域が、弾性的な壁部を有しており、この壁部が、溝部内に組み込まれた成形体ユニットにおいて、固定するように、アンダーカットされた領域、特に溝部の傾斜された面に対して当接していることによって特徴付けられている。
【００１６】
特に有利な実施形態の変形において、成形体ユニットの中空成形体領域の壁部は、この中空成形体領域の内での負圧の付与において、この成形体ユニットが溝部内へと組み込み可能であるように形成されている。
【００１７】
特に有利な、簡単な且つ問題の無い取り出しを保証する更なる構成は、成形体ユニットの中空成形体領域の壁部が、この中空成形体領域内への超過圧の付与において、この成形体ユニットが、問題無く、溝部から取り出し可能であるように形成されていることによって特徴付けられている。
【００１８】
簡単な構造およびやり方で、溝部、即ち成形体ユニット内での目盛体の正確な位置決めを保証するために、特に有利な実施形態は、中空成形体領域の弾性的な壁部が、溝部内に組み込まれた成形体ユニットにおいて、目盛体をこの中空成形体領域内で固定することによって特徴付けられている。
【００１９】
本発明による測定装置の有利な実施形態により、成形体ユニットを取外し可能に、開かれている溝部側面から、この溝部内へとクリップ留め、または係止することも可能である。
【００２０】
成形体ユニットのための材料として、有利には、金属の材料または合成物質、特に射出成形可能な合成物質が考慮に値する。
【００２１】
本発明による測定装置は、磁気的な、誘導的な、または光学的な測定システム内で、問題無く変換可能である。
【００２２】
本発明の更なる実施形態、および利点は、請求項において更に構成された特徴によって、並びに以下に提示された実施例によって与えられる。これら請求項の特徴は、これら特徴が明瞭に相互に排除しない場合には、適宜の方法で、互いに組み合わされ得る。
【００２３】
次に、本発明並びに有利な実施の形態、およびそれら実施の形態の更なる構成を、図に示された実施例に基づいて、詳しく記載し、且つ説明する。詳細な説明および図から見て取ることができる特徴は、個別に、自体で、または複数で、適宜の組合せでもって本発明により使用され得る。
【００２４】
【発明の実施の形態】
図２において、原理的な構造を示している長さ測定装置１０が概略的に図示されている。詳細には図示されていない構造部材に、目盛体１２が固定されており、この目盛体は、帯形状に形成されており、且つ図示された実施例において、重合体内において結合されたフェライトの材料を有している。交互のＳ極およびＮ極を有する系統的な磁化によって、磁気的な交番場が、この目盛体１２の上に形成される。同時に、少なくとも１つのセンサー１４が設けられており、このセンサーは、この目盛体１２を、この目盛体の長手方向Ａにおいて移動可能に走査する。このセンサーは、磁気的な目盛体１２に沿って変化する場の強さに基づいて存在する磁界強度相違を信号に変換し、これら信号を、このセンサーが、接続ケーブル４４を経由して電子式の評価ユニット１６に転送する。この評価ユニット１６は、このセンサー１４から入った信号を検出し、且つこれら信号を評価する。これら評価された信号は、例えば、表示ユニット１８、または、記憶または更なる処理のためのユニット２０に供給される。この測定システムは、同様に、誘導的なまたは光学的な測定システムとしても形成され得る。
【００２５】
図１は、目盛体１２の担持体としての、基礎部２６上に設けられている案内用形材２２のフレーム内における、本発明による長さ測定装置の使用の実際的な変換部を示している。この矩形の案内用形材２２の上に、Ｕ字形のキャリッジ２４が、玉軸受２８を介して長手方向に摺動可能に支承されている。この案内用形材２２の右側の下側の側壁上に、溝部３２が内側へフライス加工されており、この溝部内に、成形体ユニット５０が取り外し可能に組み込み可能であり、この成形体ユニットに沿って、もしくはこの成形体ユニット内に、この目盛体１２が配設されている。
【００２６】
長さ測定装置は、同様に、キャリッジを有する案内用形材が設けられていること無しに、担持体としての簡単な板の上にも配設され得る。
【００２７】
直接的に外側で、溝部３２の手前に、センサー１４がキャリッジ２４に配設されており、このセンサーは、長手方向に摺動可能に、このキャリッジ２４と共に、この溝部３２内に存在する目盛体１２を、長手方向位置を検出するために走査する。
【００２８】
図３は、概略的に、詳細透視画法で、長さ測定装置１０．１を示しており、この長さ測定装置が、原理的に、図１による長さ測定装置１０と同じように構成されており、しかしながら、それぞれに側方にＵ字形の切欠き部を有する、断面において種類の異なる案内用形材２２．１を備えている。案内用形材２２．１上に、滑動するように、キャリッジ２４．１が配設されており、このキャリッジは、詳細には図示されていないモータおよび制御機構ユニットを介して制御され、且つ従って、適当な初期設定でもって、長手方向Ａ内において位置決め可能である。キャリッジ２４．１の側方において、センサー１４．１が接続されており、このセンサーは、同様に、案内用形材２２．１を上側において囲繞し、且つこのセンサーによって、目盛体１２の情報信号が検出される。この目盛体１２は、取り外し可能に案内用形材２２．１の溝部３２内に配設されている成形体ユニット５０内に設けられている。
【００２９】
図４ａ、４ｂおよび４ｃにおいて、目盛体１２を有する成形体ユニット５０の実施例が、詳しく言うとつまり、溝部３２内に組み込まれた状態（図４ａ）、取り出し状態（図４ｂ）、および挿入状態（図４ｃ）において図示されている。
【００３０】
案内用形材２２．１内において設けられている溝部３２は、溝底部３４、および側方で外側に向かって断面積を収斂する側面３６を有している。これら傾斜した側面３６は、この溝部３２のアンダーカットされた領域を形成している。成形体ユニット５０は、側方に突出した当接領域５４を有する被覆フランジ３０を備えている。この被覆フランジ３０に対して、下側に、弾性的な壁部５８を有する中空成形体領域５２が形成されている。この中空成形体領域５２内に、目盛体１２が配設されている。
【００３１】
図４ａによる組み込まれた作動状態において、中空成形体領域５２は、側方に凸状に外方へとアーチ形にされており、且つ、力Ｆ１でもって、溝部３２の側面３６に対して押圧している。同時に、当接領域５４は、力Ｆ２を介して、この溝部３２の上側における側縁部領域５６に対して、押圧している。更に、組み込まれた状態において、中空成形体領域５２の壁部５８の下側の領域は、この領域の弾性的な特性に基づいて、凹状に内方へとアーチ形にされており、その際、この壁部の凹状の領域が、力Ｆ３を目盛体１２の方に向かって及ぼし、このことによって、この目盛体が、被覆フランジ３０の下側に対して押圧され、且つ従って、この目盛体の位置において固定される。成形体ユニット５０の図示された構成の大きな利点は、この組み込まれた状態における目盛体１２の整向状態が、当接領域５４の当接によって側縁部領域５６に対して行われ、且つ、溝底部３４内における当接を介して行われないことにある。このことは、溝部３２の製造に関して、大きな利点である。何故ならば、溝底部が、高い精度でもって製造される必要がないからである。上側での側縁部領域５６の精確な製造は、基本的に僅かの経費を併せ持つ。これによって、この溝部３２は、基本的により僅かの製造費用でもって形成され、しかもその場合に、目盛体１２の整向の精確さは、そのことで損なわれることはない。
【００３２】
側縁部領域５６は、詳細には図示されていない実施例により、担持体としての案内用形材２２．１の上側面６０、または基礎部２６と共に、１つの面内において位置することも可能である。
【００３３】
成形体ユニット５０が、溝部３２から取り出されるべき場合、封隙された中空成形体領域５２内に、超過圧力が付与され、従って、この中空成形体領域は上方にアーチ形になり、且つ、全体で、この成形体ユニット５０が取り出される（図４ｂを参照のこと）。
【００３４】
成形体ユニット５０が、溝部３２内に挿入されるべき場合、図４ｃにより、中空成形体５２の密な内側領域内に、負圧が付与され、このことによって、この中空成形体領域５２の壁部５８は、この中空成形体領域５２が、この溝部３２の内側内に挿入され得るように変形する。挿入の後、この中空成形体領域５２の内側において、再び周囲圧力（Umgebungsdruck）が形成され、従って、この中空成形体領域５２は、この中空成形体領域の壁部５８の弾性的な特性に基づいて、図４ａにおいて図示された位置において、この溝部３２内で、自体で固定する。
【００３５】
図５は、これまで図示された実施例の変形を示しており、その際、目盛体１２．５が、自体で、被覆フランジの機能を果たしている。成形体領域は、弾性体５２．５であり、この弾性体が、溝部３２内に係止可能である。従って、この成形体領域は、この溝部３２のアンダーカットされた側面３６に対して当接し、且つ、この目盛体の当接領域５４をこの溝部３２の側縁部領域５６に対して押付ける保持力を、この帯形状の目盛体１２に作用する。この成形体領域は、同様に、ここで、中空成形体としても形成され得る。
【図面の簡単な説明】
【図１】載置された、長手方向で移動可能なキャリッジを有する案内用形材の、著しく概略的な断面図であり、このキャリッジの位置が目盛体の使用のもとで規定され、この目盛体が案内用形材における溝部内に設けられており、且つこの目盛体の情報がこのキャリッジに固定されたセンサーヘッドを介して検出される。
【図２】従来技術による長さ測定装置の根本原理の、著しく概略的な図である。
【図３】案内用形材、キャリッジ、およびこのキャリッジの側方に固定されたセンサーヘッドを有する、長さ測定装置の概略的な詳細透視画図である。
【図４ａ】組み込まれた状態における、溝部内に取り外し可能に組み込み可能な成形体ユニットを有する、案内用形材の溝部の領域における概略的な詳細断面図であり、この成形体ユニット内に目盛体が配設されている。
【図４ｂ】取り出し状態における図４ａによる断面図である。
【図４ｃ】挿入状態における図４ａによる断面図である。
【図５】弾性的な成形体領域、および被覆フランジとしての目盛体を有する案内用形材の断面図である。
【符号の説明】
１０ 長さ測定装置
１０．１ 長さ測定装置
１２ 目盛体
１２．５ 目盛体
１４ センサー
１４．１ センサー
１６ 評価ユニット
１８ 表示ユニット
２０ 記憶または更なる処理のためのユニット
２２ 案内用形材
２２．１ 案内用形材
２４ キャリッジ
２４．１ キャリッジ
２６ 基礎部
２８ 玉軸受
３０ 被覆フランジ
３２ 溝部
３４ 溝底部
３６ 側面
４４ 接続ケーブル
５０ 成形体ユニット
５２ 中空成形体領域
５２．５ 中空成形体領域
５４ 当接領域
５６ 側縁部領域
５８ 壁部
６０ 上側面
Ａ 目盛体の長手方向
Ｆ１、Ｆ２、Ｆ３ 力

Claims (6)

1. 目盛体（１２、１２．５）を有する担持体において、
   − この担持体（２２、２２．１）内において、溝部（３２）が、両側でアンダーカットされた領域（３６）、および上側の側縁部領域（５６）と共に、形成されており、
   − 成形体ユニット（５０）が設けられており、この成形体ユニットが、断面において、弾性的な成形体領域（５２、５２．５）、および、
   ２つの側方に突出した当接領域（５４）および目盛体（１２、１２．５）を有する、
   この成形体領域の上方に設けられ且つこの成形体領域に固定されている被覆フランジ（３０、１２．５）を備えており、且つ、
   − この成形体領域（５２、５２．５）が、溝部（３２）の開いている側面から、このアンダーカットされた溝部内へと、取り外し可能に固定可能に組み込み可能であり、
   その際、この成形体領域が、固定するように、この溝部（３２）のアンダーカットされた領域に対して当接しており、且つ、
   − この目盛体（１２、１２．５）の整向が、この溝部（３２）内に組み込まれる成形体領域（５２、５２．５）において、この溝部（３２）の上側の側縁部領域（５６）に対するこの被覆フランジ（３０、１２．５）の突出した当接領域（５４）の当接によって行われる、
   ように構成されていることを特徴とする、上記目盛体を有する担持体。
2. 目盛体（１２、１２．５）は、帯形状であることを特徴とする請求項１に記載の目盛体（１２、１２．５）を有する担持体。
3. 成形体領域（５２、５２．５）は、溝部（３２）内に、クリップ留め可能に、または係止可能に形成されていることを特徴とする請求項１または２に記載の目盛体（１２、１２．５）を有する担持体。
4. 成形体領域は、弾性的な壁部を有する中空成形体領域（５２）であり、且つ、
   この中空成形体領域（５２）の弾性的な壁部（５８）が、溝部（３２）内に組み込まれた成形体ユニット（５０）において、目盛体（１２、１２．５）をこの中空成形体領域（５２）内で固定するように構成されていることを特徴とする請求項１から３のいずれか一つに記載の目盛体（１２、１２．５）を有する担持体。
5. 中空成形体領域（５２）の壁部（５８）は、この中空成形体領域（５２）の内への負圧の付与において、
   この中空成形体領域が、
   この中空成形体領域が溝部（３２）内へと組み込み可能である程度に変形するように、
   形成されていることを特徴とする請求項４に記載の目盛体（１２、１２．５）を有する担持体。
6. 被覆フランジは、目盛体（１２．５）であることを特徴とする請求項１から５のいずれか一つに記載の目盛体（１２、１２．５）を有する担持体。

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