JP4262993B2 - マンコンベアの制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エスカレータまたは動く歩道などのマンコンベアの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マンコンベアであるエスカレータは、無端状に連結された多数の踏段が、上下の階床間に傾斜して設けられたガイドレールに案内されて循環走行するもので、踏段に乗った利用客を移動させるようになっている。
【0003】
踏段を案内するガイドレールは、主枠に設けられており、この主枠には踏段の幅方向両側に一対の欄干が立設され、この一対の欄干にそれぞれ踏段と同一速度で同一方向に移動する手すりベルトが設けられている。これら踏段や手すりベルトは、主枠内に配置された駆動装置により駆動され、駆動装置は制御装置により制御されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、エスカレータの制御装置は、エスカレータの主枠の上階機械室内に設置されている構成が一般的である。機械室内は、狭く、また照明が設けられていないため、保守時に制御装置内を点検し、配線状況を確認するには、懐中電灯等を持参して特定個所を照らし出すことが必要となる。
【0005】
またエスカレータの保守時には、制御回路を構成する端子台やリレー類および基板などに電流が流れないようにエスカレータの制御回路の電源を切るので、エスカレータの制御回路用電源を利用して照明器具を動作させ得るようには構成されていなかった。
【0006】
さらに制御装置内に照明装置を設置するにしても、制御装置内のスペースに制約があり、蛍光灯を設置するには、設置するスペースを確保できるように制御装置を大きくしなければならず、他の設置機器のレイアウトへの影響が余儀なくされたり、場合によっては主枠自体を大きくしなければならなくなるという問題が生じる。しかも蛍光灯は寿命が短く、その交換作業も必要になってくる。
【0007】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたもので、保守時に照明器具を持参する必要がなく、容易に制御装置内を照らし出して配線状況を確認できるマンコンベアの制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために、マンコンベアの主枠内に設置された外箱内にマンコンベアを駆動制御する制御回路を収納するとともに、この外箱内に、冷陰極管を光源として外箱内を照らす照明器具と、照明器具を点灯するための駆動回路と、制御回路および駆動回路に電源を供給可能な電源装置と、マンコンベアの制御回路と前記照明器具の駆動回路とのうち一方を選択的に前記電源装置と接続させて電源を供給する切換器を設けたことを特徴とする。
【0009】
このように冷陰極管の、例えば管径が4mm前後と細く、寿命も長いという特性を利用して、この冷陰極管を光源とする照明器具を制御装置内に設置することにより、制御装置内に設置しやすく、またマンコンベアを駆動制御する制御回路の電源を利用して動作させることも容易となり、保守時に照明器具を持参することなく制御装置内を照らし出して容易に点検を行なうことができる。
【0010】
この場合、照明器具は、冷陰極管を点灯するための高電圧を発生する駆動回路を備えていることによって、設置を容易に行なうことができる。
【0011】
また駆動回路の電源を、マンコンベアの制御回路用電源を使用することによって、別途電源を用意する必要もない。
【0013】
また外箱の内面に、光を反射させ易い手段を設けることによって、制御装置内の隅々まで明るく照らし出すことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1はマンコンベアの一例としてのエスカレータを示す概略構成図であり、図2は図1における上階機械室の拡大平面図である。
【0015】
図1および図2において、上階1aと下階1bに跨って支持金具2a,2bを介してエスカレータの主枠2が設けられる。この主枠2の長手方向一端部の上階機械室内に駆動装置3が設けられている。この駆動装置3には、伝達継手4、減速機構5を介して動力駆動チェーン6が連結され、この駆動チェーン6により図示しない駆動スプロケットが駆動される。主枠2の長手方向他端部の下階機械室内には、図示しない従動スプロケットが設けられ、この駆動スプロケットと従動スプロケットとに無端状の踏段チェーンが巻き掛けられており、この踏段チェーンに多数の踏段7が等ピッチで連結されている。
【0016】
踏段7はその前後に前輪および後輪が取付けられており、これら前輪および後輪を介して主枠2内に設けられた往路ガイドレール、帰路ガイドレールおよび反転ガイドレールからなるガイドレールに案内されることにより、多数の踏段7は踏段チェーンの移動に連動して循環走行するようになっている。
【0017】
踏段7が反転する位置の近傍は、利用客の乗降口となり、乗降口の主枠2上には乗降板8a,8bが設けられている。
【0018】
主枠2の幅方向両側には欄干9が立設され、この欄干9の上部には多数の踏段7と同期して走行する図示しない手すりベルトが設けられている。これら手すりベルトおよび踏段7は、上階機械室に設置された制御装置10により駆動制御される。
【0019】
図3(a)および(b)は、エスカレータの制御装置10の内部を示す正面図および側面図である。制御装置10は、堅牢な外箱11の内部に、エスカレータを駆動制御するリレー類12、基板支え13aに支持された基板13、これらリレー類12および基板13を動作させるための電源装置14、トランス15、およびそれらを電線で接続するための端子台16などにより制御回路が構成されて収納されている。
【0020】
そしてこの制御装置10の外箱11の天井内側には、スプリングバックを有する冷陰極管支え17aを介して冷陰極管17が設けられている。この冷陰極管17は、外箱11内の照明器具を構成し、管径が4mm前後と小径のため、リレー類12および基板13と外箱11との間に設置することが可能である。冷陰極管17は、ガラス管の内側に電極があるタイプあるいはガラス管の外側に電極があるタイプのいずれでも採用できる。
【0021】
この冷陰極管17を点灯するための電源は、エスカレータの制御回路用電源である電源装置14にて創出された直流電源が、外箱11内に設置された切換器21により切り換えられて供給されるようになっている。
【0022】
図4は、冷陰極管17の駆動回路の一例を示す。駆動回路は、DC/DCコンバータ18、調光制御回路19、インバータ20などから構成され、冷陰極管17に直流電圧を印加して外箱11内に設置された冷陰極管17を調光制御するようになっている。
【0023】
DC/DCコンバータ18は、電源装置14から供給される直流電圧を所定電圧に変換して動作電源を供給する。DC/DCコンバータ18には調光制御回路19およびインバータ20が接続されており、インバータ20がDC/DCコンバータ18から印加される直流電圧を所定周波数の交流電圧に変換する。調光制御回路19にはインバータ20を動作制御する調光制御信号を生成するためのものであり、この調光制御回路19の調光制御信号によってインバータ20の変換動作が所定周期で停止あるいは再開を繰り返す。またこの調光制御回路19には調光信号が供給され、この調光信号に応じてインバータ20の停止時間と動作時間の割合を変えることができる。インバータ20は出力電圧を冷陰極管17に印加し冷陰極管17を点灯駆動する。したがってインバータ20の動作時間と停止時間の時間比を調光制御信号によって変えることにより冷陰極管17の輝度を任意に調整することができる。
【0024】
冷陰極管17の電源は、切換器21によりエスカレータの制御回路に供給される電源を切り換えて使用する。これにより冷陰極管17を光源とする照明器具を駆動するための電源を別に用意する必要はなく、しかもエスカレータの制御回路の切断と同時に冷陰極管17による照明の点灯を行なうことができる。
【0025】
また冷陰極管17を設置する制御装置の外箱11内に、冷陰極管17を駆動する駆動回路を設置することにより、外箱11内への照明器具の設置が容易となり、しかも冷陰極管点灯用の電源装置を別途設置する必要もなくなる。
【0026】
このように冷陰極管17の、例えば管径が4mm前後と細く、寿命も長いという特性を利用して、冷陰極管17を光源とする照明器具を制御装置10内に設置することにより、制御装置10内に設置しやすく、またエスカレータを駆動制御する制御回路の電源を利用して動作させることも容易となり、保守時に照明器具を持参することなく、容易に制御装置11内を照らして配線状況を確認することができる。
【0027】
外箱11の内面を、光を反射させ易い色、例えば白色のパネル22を装飾したり、白色塗料を塗装したり、あるいは導光板を配置したりするなどの手段を施すことにより、冷陰極管17を少数設置するだけで、外箱11内の全体を隅々まで照らし出すことが可能となる。
【0028】
なお、光源として冷陰極管を用いたが、LED(半導体発光素子)や有機EL(エレクトロルミネセンス)を用いても良く、発光色は白色に限らず設置場所、周囲環境、光量、時刻、季節等に応じて他の色を用いても良い。また、本発明の目的を達成するものであれば光源としての冷陰極管、LED、有機EL等を適当にまぜて配置しても良いことはもちろんである。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマンコンベアの制御装置によれば、冷陰極管、LED、有機ELなどを光源とする照明器具を制御装置の外箱内に設けるようにしたことにより、保守時に照明器具を持参する必要がなく、容易に制御装置内を照らし出して配線状況を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マンコンベアの一例としてのエスカレータを示す概略構成図である。
【図2】図1に示すエスカレータにおける上階機械室の拡大平面図である。
【図3】(a)および(b)は、本発明によるマンコンベアの制御装置の内部を示す正面図および側面図である。
【図4】本発明に使用される冷陰極管の駆動回路の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1a…上階
1b…下階
2…主枠
2a,2b…支持金具
3…駆動装置
4…伝達継手
5…減速機構
6…動力駆動チェーン6
7…踏段
8a,8b…乗降板
9…欄干
10…制御装置
11…外箱
12…リレー類
13…基板
13a…基板支え
14…電源装置
15…トランス
16…端子台
17…冷陰極管
17a…冷陰極管支え
18…DC/DCコンバータ
19…調光制御回路
20…インバータ
21…切換器
22…パネル

Claims (5)

  1. マンコンベアの主枠内に設置された外箱と、
    の外箱内に収納され、前記マンコンベアを駆動制御する制御回路と、
    記外箱内に設けられ、前記外箱内を照らす照明器具と、
    前記照明器具を点灯するための駆動回路と、
    前記制御回路および駆動回路に電源を供給可能な電源装置と、
    前記マンコンベアの制御回路と前記照明器具の駆動回路とのうち一方を選択的に前記電源装置と接続させて電源を供給する切換器とからなるマンコンベアの制御装置。
  2. 前記照明器具の光源は、冷陰極管であることを特徴とする請求項1に記載のマンコンベアの制御装置。
  3. 前記照明器具の光源は、LEDであることを特徴とする請求項に記載のマンコンベアの制御装置。
  4. 前記照明器具の光源は、有機ELであることを特徴とする請求項に記載のマンコンベアの制御装置。
  5. 前記外箱の内面に、光を反射させ易い手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のマンコンベアの制御装置。
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