JP4262625B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用の磁気共鳴イメージング装置に関する。
磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)を用いた検査において、被検者に精神的または肉体的苦痛を与えることは、装置として好ましいものでは無い。
ここで、MRI装置の傾斜磁場コイル(GC)は、診断画像を得るため不可欠な部品であるが、静磁場内に設置され電流をGCに流すため、静磁場内でローレンツ力に変換され、それにより振動を起こし騒音源となって、被検者に不快感を与える場合がある。
特に、MRI磁気回路の静磁場が高いほど、またGCに流す電流値が高いほど、ローレンツ力も増して振動が激しくなり、被検者に不快感を与えること場合がある。
静磁場が1.5Tesla以上のMRIにおいて消音対策を行わない装置では90dB以上の騒音が発生し、被検者だけではなく、装置のオペレータにも苦痛を与える場合がある。
そのため、MRI装置には、いろいろな消音対策が実施されている。
例えば、特許文献1記載の技術は、真空容器内に傾斜磁場コイルアセンブリを配置し、騒音を低減しようとしている。また、特許文献2記載の技術は、RFコイルの外側に制振材を付けると共に、制振材の外面に拘束板を取り付けて騒音対策を行っている。さらに、特許文献3記載の技術は、吸音材を用いて、騒音を抑制している。
特開平10−179547号公報 特開平09−271468号公報 特開2000−126152号公報
しかし、上記従来の技術にあっては、未だ完全な消音対策はない。つまり、消音を完全に行おうとすると、消音壁が大となり、被検者の配置空間が狭小になることや、GCに柔らかい消音ダンパー等を付けるとGC自体の振動幅が大きくなり空間分解能が低下するなど、消音対策により他の部分に悪影響を起こす可能性が高くなってしまうからである。
MRI装置においては、そのような悪影響が最小となるように、いろいろな消音対策を実施するが、GCの騒音は高磁場MRI装置では、大きな問題である。
本発明の目的は、吸音材等の付加的部材を必要とすることなく、さらに、空間分解能を低下することなく、傾斜磁場コイルによる騒音を低減可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することである。
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成される。
(1)本発明の磁気共鳴イメージング装置は、計測空間に静磁場を発生させる手段と、上記静磁場発生手段の計測空間側表面上に複数の固定手段を用いて固定された傾斜磁場発生手段を備える。
そして、上記固定手段は、上記傾斜磁場発生手段上に不規則に配置されている。
(2)好ましくは、上記(1)において、上記固定手段はボルトであり、上記傾斜磁場発生手段に不規則に配置されたボルト穴に上記ボルトを通して上記傾斜磁場発生手段が上記静磁場発生手段に固定される。
(3)また、好ましくは、上記(1)において、上記固定手段はボルトであり、上記傾斜磁場発生手段は、複数種類の穴径を持つボルト穴が不規則に形成され、上記ボルトを用いて上記静磁場発生手段に固定される。
(4)また、好ましくは、上記(2)、(3)において、上記ボルトのうち少なくとも一つは、非対称形状を有する、ワッシャーの長手方向が振動の経路に対して垂直となるように配置されている。
(5)また、好ましくは、上記(1)において、上記固定手段は、上記傾斜磁場発生手段を上記静磁場発生手段に接着する接着部材である。
(6)また、好ましくは、上記(1)において、上記傾斜磁場発生手段は、上記固定手段の間の互いに隣接する形成部材どうしが互いに異なる共鳴周波数を持つように異なる厚さ寸法を有する。
吸音材等の付加的部材を必要とすることなく、さらに、空間分解能を低下することなく、傾斜磁場コイルによる騒音を低減可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
まず、本発明が適用される磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)の全体概略構成について説明する。
図12は、MRI装置の全体概略構成図である。
図12において、MRI装置は、静磁場発生装置1と、傾斜磁場発生系30と、送信系32と、受信系33と、信号処理系34と、シーケンサ31と、中央処理装置(CPU)35とを備えている。
静磁場発生装置31は、被検者54の周りにその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させるもので、被検者54の周りのある広がりをもった空間に永久磁石方式または常電導方式あるいは超電導方式の磁場発生手段が配置されている。
傾斜磁場発生系30は、X、Y、Zの三軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル2と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源36とを備え、後述するシーケンサ31からの命令に従って、X、Y、Zのそれぞれのコイルの傾斜磁場電源36を駆動することにより、X、Y、Zの三軸方向の傾斜磁場Gx、Gy、Gzを被検者54に印加する。傾斜磁場の加え方により被検者54に対するスライス面を設定することができる。
シーケンサ31は、被検者54の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する。
また、シーケンサ31は、CPU35の制御により動作し、被検者54の断層像のデータ収集に必要な種々の命令を、送信系32、傾斜磁場発生系30及び受信系33に送る。
送信系32は、上記シーケンサ31から送り出される高周波パルスにより被検者54の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁場を照射する。そして、送信系32は、高周波発振器37と、変調器38と、高周波増幅器39と、送信側の高周波コイル3とを備える。
高周波発振器37から出力された高周波パルスをシーケンサ31の命令に従って変調器38で振幅変調し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器39で増幅する。そして、増幅された高周波パルスを、被検者54に近接して配置された高周波コイル3に供給することにより、電磁波が被検者54に照射される。
受信系33は、被検者54の生体組織の原子核の核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出する。受信系33は、受信側の高周波コイル3と、増幅器40と、直交位相検波器41と、A/D変換器42とを備える。
送信側の高周波コイル3から照射された電磁波による被検者50の応答の電磁波(NMR信号)は、被検者54に近接して配置された高周波コイル3で検出され、増幅器40及び直交位相検波器41を介してA/D変換器42に入力されてディジタル量に変換される。
さらに、直交位相検波器41に供給された信号はシーケンサ31からの命令によるタイミングで直交位相検波器41によりサンプリングされた二系列の収集データとされ、その信号が信号処理系34に送られる。
信号処理系34は、CPU(動作制御演算手段)35と、磁気ディスク43及び磁気テープ44等の記録装置と、CRT等のディスプレイ45とを備え、CPU35でフーリエ変換、補正係数計算、像再構成等の処理を行い、任意断面の信号強度分布あるいは複数の信号に適当な演算を行って得られた分布を画像化してディスプレイ45に断層像として表示する。
以上のように構成されたMRI装置における傾斜磁場コイル2の騒音低減対策原理を説明する。
図1は、一次元の剛体60を、取り付けボルト62により、ボルト62の互いの間隔を規則的に取り付けた場合の例と(図1の(a)、不規則に取り付けた場合の例(図1の(b))とを示す。
図1に示すように、ボルト62とボルト62との間の剛体60は一つの共鳴周波数を持ち振動する。図1の(a)のように、ボルト62を規則的に取り付けた場合、節(ボルト62間の距離)が、皆ほぼ同一の長さであるため、同一の共鳴周波数を持ち、剛体60の隣の節と位相が反対であれば、互いに振幅運動を邪魔せず長い振動、つまり、振動の余韻が長くなる。
一方、図1の(b)に示すように、ボルト62間の距離をランダムとする配置を行った場合、各節間は異なった共鳴周波数を持ち、ある瞬間、隣の節同士の位相が反対になっても、互いの周波数が違うため、お互いの振動を抑制しあうことになる。つまり、ボルト62間の距離をランダムとすることにより共鳴周波数分散手段を構成することができる。
そのため、与えられた振動エネルギーに対し急激な減衰作用が働くこととなる。すなわち、剛体60の振動を抑制し、余韻を短くする消音効果が発揮されることになる。
この消音効果を、図2に示す振り子63を用いて簡単に説明する。
図2の(a)は、図1の(a)と同様に、同一の振動周波数ωを有する複数の振り子63を互いに拘束させた場合を示す。この図2の(a)に示す例の場合、複数の振り子63の振動周波数が同一であるため、振り子63は、全体として周期運動を繰り返す。
一方、図2の(b)で示すように、複数の振り子63は、互いの周波数が異なるため(ω、ω’、ω’’、ω’’’)、互いの振動の動きを邪魔することになり振動が収束することになる。
上述した図1の(b)、図2の(b)に示すような状況は、二次元的傾斜磁場コイル(GC)にも適用が可能である。
次に、傾斜磁場コイル2(以下、GC2という)における共鳴周波数分散手段の具体例について、説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態である傾斜磁場コイル2の概略説明図であり、上述した図1の(b)に示した原理を傾斜磁場コイル2に適用した場合の概略図(図3の(b))である。また、開放型MRIの傾斜磁場コイル2の固定用ボルト62を規則的に取り付ける場合(図3の(a))とを比較して示している。
図3の(a)は、円形コイル2の外周に14個、内周に4個、中央に1個、トータル19個のボルト62を円周方向に規則的に取り付けた例である。この図3の(a)の場合、振動する面は、主に編みかけで示した四つの部分80となる。この振動部分80は、互いの形状が同一となるため、互いに同一の共鳴振動周波数を有する。
このため、GC2のパルス信号の中でこの共鳴周波数を励起させる要素があれば、四つの部分80は、隣同士の位相が反転し振動し続けることとなる。
一方、図3の(b)で示す例の場合は、円形コイル2の外周に12個、内周に6個、中央に1個のボルト62を配置する。これらボルト62の、円周方向位置、半径方向位置には規則性は無く、ある種のランダム性を有している。
この図3の(b)に示すような場合は、傾斜磁場コイル2の主な振動箇所80は、図3の(a)に示した場合と比較して、4から5に増加し、また、その振動する面の面積も小さくなっている。このことは、一般的に共鳴周波数が高くなったことを意味する。
また、複数の振動箇所80の、それぞれの面積と形状が互いに異なり、それぞれの共鳴周波数は異なることになる。また、図3の(a)に示したように規則的にボルト62が配置される場合、振動箇所80の隣の振動箇所80への振動伝達経路は、二つの円周C1、C2であり、それらは対称性を持っている。また、全体で、一つの振動源となり、振動の伝播が妨害されず起こる。
それに比較して、図3の(b)に示すように、ランダム性を取り入れてボルト62を、配置し、締め付けた場合においては、複数の振動箇所80の互いの共鳴周波数が違うだけではなく、隣の振動箇所80に振動を伝える経路もまたランダムな経路になっており、それ自体が振動の妨げになる。
ここで、ボルト62の配置位置のランダム性を与える関数を次式(1)のように定義する。
Rand(a1,a2) −−−(1)
上記式(1)に示した関数は、範囲(a1,a2)間のランダム数を1個与える関数である。図3の(a)に示したコイル2外周の14個のボルト62の位置は次式(2)のように与えられる。
[R・cos{2π(i-1)/n},R・sin{2π(i-1)/n}] −−−(2)
ただし、iは1〜14、Rは円形コイル2の中心からボルト62の配置位置までの距離、nは任意の自然数を表す。
次に、図3の(a)に示した外周14個のボルト62にランダム性を与えるために式(1)、(2)を用いて次式(3)を得る。
[[R-Rand(-r1,r2)]・cos{2π(i-1)/n}+ Rand(-θ,θ), [R-Rand(-r1,r2)]・sin{2π(i-1)/n}+ Rand(-θ,θ)] −−−(3)
ただし、上記式(3)において、r1、r2はRを中心とした、半径方向のボルト配置範囲限界値、±θは、円周方向の配置範囲限界角度である。
上記式(3)が、図3の(a)に示した規則的なボルト62の配置位置に比べ、径方向に(R−r2,R+r1)の範囲でランダムに配置し、円周方向には元の位置に対して(−θ,θ)の角度範囲でランダムに配置することを意味する。
この場合、角度θが大きすぎると、ボルト62の配置位置が隣同士重なることにもなる。また、内周にある四つのボルト62の位置に対しても、上記式(3)に従って、ボルト62の配置位置を求めることができる。
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、傾斜磁場コイル2の複数の固定用ボルト62の配置位置を、等間隔とすることなく、ランダムな配置間隔とし、ボルト62と62との間のコイル2構成部材の振動が、互いに抑制し合う構成としたので、吸音材等の付加的部材を必要とすることなく、さらに、空間分解能を低下することなく、傾斜磁場コイルによる騒音を低減可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態は、図3の(a)に示したボルト62の規則的配置を基本形にして、ランダム性を与える例である。これに対して、本発明の第2の実施形態は、ボルト62の規則的基本配置によらず、配置にランダム性を与える例である。
本発明の第2の実施形態においては、ボルト62のi番の位置をriとした場合、この位置riを次式(4)のように定義する。
ri=(xi,yi)
=[Rand(0,R)・cos{Rand(0,2π)}, Rand(0,R)・sin{Rand(0,2π)}] −−−(4)
ここで、あらゆるiとjとの間の距離Dijは、ある大きさ以上になるよう与えられる。即ち、距離Dijを次式(5)のように定義する。
Dij=|ri-rj|=√{(xi-xj)+(yi-yj)} −−−(5)
ただし、全ての、i、jに対して、Dij>dとなる。dは、ある特定の数である。
例として、R=10、d=3.8の場合を図4の(a)に示し、R=10、d=2.5の場合を図4の(b)に示した。
図3の(b)に示した例では、主な振動面が五カ所(網掛けの部分)であった。それは基準となる配列が、図3の(a)に示した規則配列であるからである。
ボルト62のランダム配列を、最初から行った図4の(b)に示す例の場合、主な振動面は、図5に示すように、約八カ所(網掛けの部分)になっている。これは、振動面の共鳴周波数が高くなり、また、振動面の形状が円から楕円になっている。
また、図4の(a)に示した例の場合は、振動面を特定することが難しい。これは、GC2が共鳴周波数を持たないと言うことになるため、特定の周波数によって励起されても、時間とともに周波数がブロードになり且つ減衰すると推測される。
本発明の第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。
GC2におけるボルト62のランダム配置については、第1又は第2の実施形態と同様にして、設定可能である。
ここで、振動解析又は実験により、図5に示した主振動面の中で、振動面64と振動面65との共鳴周波数は測定可能である。この場合、振動面64の横方向の1次共鳴周波数と、振動面65の縦方向の何次かの共鳴周波数とが、互いに近接した場合、図5に示す矢印の部分を通して相互作用し、互いに共鳴し合い振動を助長する。この場合には、振動が大となっていき、騒音が増大することが考えられる。
このような動作を防止するため、図6に示すように、ボルト62にワッシャ66を用いる。このように、ワッシャ66を用いることで、振動面の相互作用を断ち切ることが可能になる。
また、このようなワッシャ66は、振動が大となる相互作用を妨害するだけではなく、互いの振動を減衰させる相互作用を誘導することも可能である。このため、振動面の互いの共鳴周波数が著しく異なった面間においては、お互いの振動を阻害するように作用することも可能である。
また、ワッシャ66の形状について、振動の伝播の経路を邪魔する方向に取り付けることにより消音効果を上げることができる。例えば、ワッシャ66の形状が長方形状である場合、振動の経路に対して、ワッシャ66の長手方向が垂直方向となるように、取り付けることにより振動伝播抑制効果、つまり、消音効果を上げることができる。
以上のように、本発明の第3の実施形態によれば、ワッシャ66を追加して取り付けることにより、傾斜磁場コイル2の振動をさらに抑制し、消音効果を向上することができる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図4の(a)及び(b)に示した例は、どちらもランダム性を取り入れたボルトの配置位置である。しかし、両例とも、同じ効果を得るとは限らない。
つまり、GC2の振動抑制による消音効果は、GC2の構造、例えば、FRPの形状、銅線パターンの太さ、接着剤及びFRPのヤング率とポアゾン比などの物性値、銅線パターンに流すパルス電流のパターン等の要素が関わる。そのため、ボルト62のランダム配置位置の違いによって、振動抑制効果は異なってくる。
これは、GC2の構造による最大の消音効果が得られる、ボルト62のランダム配置位置があると言うことを意味する。
このため、目的値以上の振動抑制効果を得るためのボルト62のランダム配置位置は、ランダム配列を作る上記式(4)と、傾斜磁場コイルの剛体の振動解析を用いることで達成可能となる。
つまり、本発明の第4の実施形態においては、上記式(4)に従って、決定したランダム配置と、その配置位置でのGC2の物理特性値とに基づいて、振動計算を行い、振動抑制効果が適切となるまで、ボルト62の配置位置の算出を繰り返し行う。
以上のように、本発明の第4の実施形態によれば、GC2の物理特性値を考慮して、振動抑制効果が最も適切となる、ボルト62のランダム配置を決定するように、構成したので、傾斜磁場コイル2の振動をさらに抑制し、消音効果を向上することができる。
ここで、本発明による不規則な固定手段の一例として、上述したようにボルト62を使用した場合の代表的な断面構造を図7に示す。
図7において、傾斜磁場コイル2には貫通孔が設けられており、固定ボルト62をこの貫通孔を通過させ、静磁場発生手段である磁石容器67と締結することで、傾斜磁場コイル2と磁石容器67とが機械的に固定される。この固定孔の面内配置が不規則であることにより、本発明の効果が発揮できる。
また、この図7に示すように、矩形のワッシャー66を傾斜磁場コイル2とボルト63の頭との間に配置することによっても、その効果を有効に発揮することができる。
次に、本発明の第5の実施形態について図8を参照して説明する。
図8は、本発明の第5の実施形態を示す図であり、永久磁石開放型MRI装置の要部断面図である。
図8において、銅線パターン69を含むGC2とポールピース68とは、ボルト62を介して互いに連結されている。GC2は振動源であるため、振動は、ボルト62を介してポールピース68、磁石67、ヨーク70に伝わっていく。
ポールピース68、磁石67及びヨーク70の振動は、静磁場を乱す原因になるだけではなく、それ自体が新たな騒音の音源になる。この場合、MRI装置全体を一つの構造物と見做すと、その振動源はGC2である。
このような構造物で、GC2とポールピース68間はボルト62を介して連結されているため、ボルト62の位置は振動伝達で最も重要な要因となり、ポールピース68から見れば、振動源はボルト62になる。ボルト62の振動がボールピース68、磁石67及びヨーク70を振動させる。
この場合においても、GC2同様、振動の減衰は、ボルト62の配置位置に関わってくる。つまり、MRI装置の構造と、その物性値、GC2の構造とその物性値、パルス電流及びボルト62の位置により振動は決まることになる。
このため、図3、図4又は図6に示した例のように、ランダム配置されたボルト62と、上記MRI装置の構造等の要素とを考慮して、振動解析または実験を行い、振動抑制効果が最も適切となるボルト62のランダム配置位置を決定することができる。
以上のように、本発明の第5の実施形態によれば、MRI装置の構造等の要素の物理特性値を考慮して、振動抑制効果が最も適切となる、ボルト62のランダム配置を決定するように、構成したので、傾斜磁場コイル2の振動をさらに抑制し、消音効果を向上することができる。
次に、本発明の第6の実施形態について、図9を参照して説明する。
上述した本発明の第1〜第5の実施形態においては、ボルト62の配置位置がランダムな位置となっていた。これに対して、第6の実施形態においては、ボルト62の配置位置は、図3の(a)に示す例と同様に、規則的な配置となっている。
ボルト62の配置位置は規則的となっているが、ボルト穴の径が、小のもの71a、中のもの71b、大のもの71cがあり、これらの位置がランダムとなっている。
この図9に示すように、ボルト62の配置位置は規則的であっても、ボルト穴径をランダムとすれば、ボルト62と62との間のコイル2構成部材の振動が、互いに抑制し合うことができる。したがって、吸音材等の付加的部材を必要とすることなく、さらに、空間分解能を低下することなく、傾斜磁場コイル2による騒音を低減可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することができる。
次に、本発明の第7の実施形態について、図10を参照して説明する。
上述した本発明の第6の実施形態においては、ボルト62の配置位置は、規則的とし、ボルト穴径をランダムなものとした。
これに対して、本発明の第7の実施形態においては、ボルト62の配置位置が、図3の(b)や図4に示すようにランダム配置となっている。
そして、ボルト穴の径が、小のもの71a、中のもの71b、大のもの71cと穴径もランダムとなっている。
この図10に示すように、ボルト62の配置位置がランダムであり、かつ、ボルト穴径もランダムとすれば、傾斜磁場コイル2の振動抑制効果をさらに向上することができる。
次に、本発明の第8の実施形態について、図11を参照して説明する。
図11は、本発明の第8の実施形態の要部概略断面図である。この第8の実施形態においては、GCコイル2の断面厚さ、ボルト62の固定穴72a〜72gの深さが、互いにランダムとなっている。
この図11に示すように、GCコイル2の断面厚さ、ボルト62の固定穴72a〜72gの深さが互いにランダムとすれば、傾斜磁場コイル2の振動抑制効果を向上することができる。
なお、本発明のその他の実施形態としては、GC2の材質密度をランダムとすることにより、共鳴周波数の分散手段とすることも可能である。
また、上述した例は、GCコイル2をボルト62によりポールピース68に取り付ける例であるが、ボルトではなく、接着剤によりGC2をポールピース68に取り付ける場合の例にも適用可能である。つまり、GCコイル2とポールピース68との接着箇所を複数とし、これら複数の接着箇所を、上記式(4)等に基づき算出し、ランダムな位置で互いに接着させることもできる。また、接着面積をランダムとすることも可能である。
本発明の原理を説明する図である。 本発明の原理を説明する図である。 本発明の第1の実施形態の説明図である。 本発明の第2の実施形態の説明図である。 本発明の第3の実施形態の説明図である。 本発明の第3の実施形態の説明図である。 不規則固定手段としてボルトを用いた場合の要部構造断面図である。 本発明の第5の実施形態の説明図である。 本発明の第6の実施形態の説明図である。 本発明の第7の実施形態の説明図である。 本発明の第8の実施形態の説明図である。 本発明が適用されるMRI装置の概略構成図である。
符号の説明
1 静磁場発生装置
2 傾斜磁場コイル
3 高周波磁場コイル
30 傾斜磁場発生系
31 シーケンサ
32 送信系
33 受信系
34 信号処理系
35 CPU
36 傾斜磁場電源
37 高周波発振器
38 変調器
39、40 増幅器
41 直交位相検波器
42 A/D変換器
62 ボルト
66 ワッシャ
67 磁石
68 ポールピース
69 銅線パターン
70 ヨーク
71a〜71c ボルト穴
72a〜72g ボルト穴

Claims (6)

  1. 計測空間に静磁場を発生させる手段と、上記静磁場発生手段の計測空間側表面上に複数の固定手段を用いて固定された傾斜磁場発生手段を備えた磁気共鳴イメージング装置において、
    上記固定手段は、上記傾斜磁場発生手段上に不規則に配置されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、上記固定手段はボルトであり、上記傾斜磁場発生手段に不規則に配置されたボルト穴に上記ボルトを通して上記傾斜磁場発生手段が上記静磁場発生手段に固定されたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、上記固定手段はボルトであり、上記傾斜磁場発生手段は、複数種類の穴径を持つボルト穴が不規則に形成され、上記ボルトを用いて上記静磁場発生手段に固定されたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項2又は3記載の磁気共鳴イメージング装置において、上記ボルトのうち少なくとも一つは、非対称形状を有する、ワッシャーの長手方向が振動の経路に対して垂直となるように配置されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、上記固定手段は、上記傾斜磁場発生手段を上記静磁場発生手段に接着する接着部材であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    上記傾斜磁場発生手段は、上記固定手段の間の互いに隣接する形成部材どうしが互いに異なる共鳴周波数を持つように異なる厚さ寸法を有することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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